特許第5655141号(P5655141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655141
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】珪酸塩発光材料及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/79 20060101AFI20141218BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   C09K11/79CPR
   C09K11/08 B
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-516956(P2013-516956)
(86)(22)【出願日】2010年7月19日
(65)【公表番号】特表2013-533910(P2013-533910A)
(43)【公表日】2013年8月29日
(86)【国際出願番号】CN2010075246
(87)【国際公開番号】WO2012009844
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2012年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】511215230
【氏名又は名称】オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ミンジェ
(72)【発明者】
【氏名】シ チャオプ
(72)【発明者】
【氏名】マ ウェンボ
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101760195(CN,A)
【文献】 特開2003−055658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K11/00−89/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪酸塩発光材料であって、
分子式がLn2−x−ySiO:Ce、Tb、Agであり、式中、LnがY、Gd、La、Luのうちの1種で、x値の範囲が0.008<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005であり、
前記珪酸塩発光材料は、電子ビームの励起下で白光を発射する、珪酸塩発光材料。
【請求項2】
前記x値の範囲が0.00<x≦0.04、y値の範囲が0.03≦y≦0.2、z値の範囲が0.00003<z≦0.003であることを特徴とする、請求項1に記載の珪酸塩発光材料。
【請求項3】
珪酸塩発光材料の調製方法であって、
一般式Ln2−x−ySiO:Ce、Tb、Agにおける相応する元素の化学計量比に基づいて、Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Agを源とする化合物と、シリカエーロゲルとを秤取し、式中、LnがY、Gd、La、及びLuのうちの1種であり、x値の範囲が0.008<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005であるステップと、
Agを源とする化合物のアルコール溶液にシリカエーロゲルを溶解し、その後撹拌、乾燥、焼成を順に行って、Ag含有のシリカエーロゲルを得るステップと、
秤取した前記Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Ag含有のシリカエーロゲルとを混合した後、還元雰囲気下で焼成を行い、一般式Ln2−x−ySiO:Ce、Tb、Agである、前記珪酸塩発光材料を得るステップと、
を含み、
前記珪酸塩発光材料は、電子ビームの励起下で白光を発射する、珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項4】
前記Lnを源とする化合物がLnの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種、
前記Ceを源とする化合物がCeの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種、
前記Tbを源とする化合物がTbの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種、
前記Agを源とする化合物がAgの硝酸塩及び/またはナノAgコロイド粒子であることを特徴とする、請求項3に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項5】
前記Ag含有のシリカエーロゲルの調製ステップにおいて、前記撹拌過程が50℃〜75℃、超音波条件下で行われ、且つ撹拌時間が0.5時間〜3時間であり、前記乾燥過程が60℃〜150℃下で行われ、前記焼成過程が600℃〜1000℃下で行われることを特徴とする、請求項3に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項6】
前記Agのアルコール溶液において、Agイオンの濃度が1.5×10−5mol/L〜1.25×10−3mol/Lで、溶剤がエタノールであることを特徴とする、請求項3または5に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項7】
前記選ばれたシリカエーロゲルの孔径が20nm〜100nm、気孔率が92%〜98%であることを特徴とする、請求項3または5に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項8】
前記Ag含有のシリカエーロゲルの調製ステップにおける焼成は、600℃〜100℃下で、0.5時間〜3時間熱処理することであることを特徴とする、請求項3または5に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項9】
前記還元雰囲気下で焼成を行うことは、焼成温度が1300℃〜1600℃、時間が1時間〜8時間であることを特徴とする、請求項3に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【請求項10】
前記還元雰囲気がNとHとの混合還元雰囲気、CO還元雰囲気、H還元雰囲気のうちの1種であることを特徴とする、請求項3または9に記載の珪酸塩発光材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光材料技術分野に関し、具体的には珪酸塩発光材料及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
60年代、電界放出陰極アレー(FEAs)に基づく電子ビームマイクロ型装置の発想がKen Shoulderによって提出されたため、FEAsを使用してパネルディスプレイ及び光源素子を設計及び製造する研究は一般に極めて大きな興味を引き起こした。このような新型の電界放出素子の稼動原理は従来の陰極線管(CRT)と類似し、電子ビームの赤、緑、青三色蛍光粉を衝撃して発光させることによって画像形成または照明用途を実現しており、該種類の素子は明度、視角、応答時間、工作温度範囲、エネルギー消耗などの方面において共に潜在的な長所を有する。
【0003】
性能の優良な電界放出素子を製作することの重要な要因の1つは高性能蛍光粉の調製である。現在電界放出素子に採用される蛍光材料は主に従来の陰極線管及び投影型テレビキネスコープに用いられている硫化物系、酸化物系及び硫黄酸化物系蛍光粉である。硫化物及び硫黄酸化物系蛍光粉にとって、発光明度が比較的高く、且つある程度の導電性を有するが、ビックビーム電子ビームの衝撃下で分解しやすく、単体硫黄を放出して陰極ピンポイントを「ポイズン」し、且つその他の沈殿物を生成して蛍光粉の表面に被覆するため、蛍光粉の発光効率を低減し、電界放出素子の使用寿命を短縮した。酸化物蛍光粉は安定性がよいが、発光効率が高くなく、且つ材料のほとんどが絶縁体であるため、両者の性能は共に改善及び向上する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明はCe3+、Tb3+及びAgイオンがドーピングされた珪酸塩発光材料を提供し、該珪酸塩発光材料の安定性及び発光効率が高い。
【0005】
また、調製プロセスが簡単で、低コストの珪酸塩発光材料の調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題を解決する技術的手段は、
珪酸塩発光材料であって、その分子式がLn2−x−ySiO:Ce,Tb,Agであり、式中、LnがY、Gd、La、Luのうちの1種で、x値の範囲が0<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005である。
【0007】
また、珪酸塩発光材料の調製方法であって、前記方法は、
一般式Ln2−x−ySiO:Ce,Tb,Agにおける相応する元素の化学計量比に基づいて、Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Agを源とする化合物と、シリカエーロゲルとを秤取し、式中、LnがY、Gd、La、及びLuのうちの1種であり、x値の範囲が0<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005であるステップと、
シリカエーロゲルを、Agを源とする化合物のアルコール溶液に溶解し、その後撹拌、乾燥、焼成を順に行って、Ag含有のシリカエーロゲルを得るステップと、
秤取した前記Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Ag含有のシリカエーロゲルとを混合した後、還元雰囲気下で焼成を行い、一般式Ln2−x−ySiO:Ce,Tb,Agである、前記珪酸塩発光材料を得るステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
前記珪酸塩発光材料及びその調製方法において、該珪酸塩発光材料にはCe3+及びTb3+がドーピングされたため、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射でき、また、該珪酸塩発光材料におけるAg単体が珪酸塩発光材料の安定性及び発光効率を有効に向上し、該珪酸塩発光材料の調製方法において、まずAg含有のシリカエーロゲルを調製し、さらにその他の組成と混合して且つ焼成を行うことによって、発光材料を得ることができる。それによって、調製プロセスを簡略化してコストを低減し、広範な生産への応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、図面及び実施例に合わせて、本発明に対してさらに説明する。
図1】本発明の実施例4により調製された珪酸塩発光材料の5KV加速電圧下の陰極線の励起下の陰極線発光スペクトルと、Y1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1蛍光粉の発光スペクトルとの対比図で、曲線10が本発明の実施例4により調製されたY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0007発光材料の発光スペクトル、曲線11がY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1蛍光粉の発光スペクトルである。
図2】本発明の実施例7により調製された珪酸塩発光材料の5KV加速電圧の励起下の陰極線発光スペクトルある。
図3】本発明の珪酸塩発光材料の調製プロセスのフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明白にするため、以下、図面及び実施例に合わせて、本発明に対してさらに詳細に説明する。理解すべきなのは、ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するために用いられているのみであり、本発明を制限するものではない。
【0011】
本発明の実施例の珪酸塩発光材料であって、その分子式がLn2−x−ySiO:Ce,Tb,Agであり、式中、LnがY、Gd、La、Luのうちの1種で、x値の範囲が0<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005である。
【0012】
前記x値の範囲は0.001≦x≦0.04が好ましく、y値の範囲は0.03≦y≦0.2が好ましく、z値の範囲は0.00003≦z≦0.003が好ましい。
【0013】
前記珪酸塩発光材料にはCe3+及びTb3+がドーピングされたため、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射でき、また、該珪酸塩発光材料におけるAg単体が該珪酸塩発光材料の安定性及び発光効率が有効に向上した。この珪酸塩発光材料における各元素の割合を適当に調整し、例えば、当該珪酸塩発光材料の分子式Ln2−x−ySiO:Ce、Tb、Agにおけるx値の範囲は0.001≦x≦0.04が好ましく、y値の範囲は0.03≦y≦0.2が好ましく、z値の範囲は0.00003≦z≦0.003が好ましく、該珪酸塩発光材料の安定性及び発光効率をさらに向上させることができる。Lnが該珪酸塩発光材料の重要な組成元素であり、発光材料の分子構造を構成する役割を果たし、Y、Gd、La、Luの性質が近似しているため相互に代わって、発光材料の分子構造を変更しなくてもよい。
【0014】
また、珪酸塩発光材料の調製方法であって、図3に示すように、その調製プロセスの流れは、
一般式Ln2−x−ySiO:Ce、Tb、Agにおける相応する元素の化学計量比に基づいて、Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Agを源とする化合物と、シリカエーロゲルとを秤取し、式中、LnがY、Gd、La、及びLuのうちの1種であり、x値の範囲が0<x≦0.05、y値の範囲が0.01≦y≦0.25、z値の範囲が0<z≦0.005であるステップS1と、
Agを源とする化合物のアルコール溶液にシリカエーロゲルを溶解し、その後撹拌、乾燥、焼成を順に行って、Ag含有のシリカエーロゲルを得るステップS2と、
秤取した前記Lnを源とする化合物と、Ceを源とする化合物と、Tbを源とする化合物と、Ag含有のシリカエーロゲルとを混合した後、還元雰囲気下で焼成を行い、一般式Ln2−x−ySiO:Ce、Tb、Agである、前記珪酸塩発光材料を得るステップS3とを含む。
【0015】
前記珪酸塩発光材料の調製方法のステップS1において、前記Lnを源とする化合物はLnの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種が好ましく、Ceを源とする化合物はCeの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種が好ましく、Tbを源とする化合物はTbの酸化物、硝酸塩、炭酸塩、及びシュウ酸塩のうちの少なくとも1種が好ましく、前記Agを源とする化合物はAgの硝酸塩または/及びナノAgコロイド粒子が好ましく、シリカエーロゲルに使用されるエーロゲルは、直接市販されており、例えば「納諾高科股▲ふん▼有限公司」の製品であってもよい。
【0016】
前記珪酸塩発光材料の調製方法のステップS2において、前記撹拌過程が50℃〜75℃、超音波条件下で行われ、且つ撹拌時間が0.5時間〜3時間であり、超音波の目的はシリカエーロゲルと、Agを源とする化合物とをアルコール溶液において十分混合させることであり、超音波処理の時間は10分間が好ましいがこれに限定せず、前記乾燥過程が60℃〜150℃下で行われ、前記焼成過程が600℃〜1000℃下で行われる。
【0017】
前記ステップS2において、選ばれたシリカエーロゲルの孔径が20nm〜100nmであり、気孔率は92%〜98%が好ましく、前記焼成は600℃〜1300℃下で0.5時間〜3時間熱処理を行うことが好ましく、前記アルコール溶液はエタノール溶液が好ましいがこれに限定せず、Agを源とする化合物のアルコール溶液における濃度は1.5×10−5〜1.25×10−3mol/Lが好ましい。
【0018】
前記珪酸塩発光材料の調製方法のステップS3において、前記還元雰囲気下で焼成する焼成温度は1300℃〜1600℃が好ましく、時間は1時間〜8時間が好ましく、前記還元雰囲気はNとHとの混合還元雰囲気、CO還元雰囲気、H還元雰囲気のうちの1種が好ましく、NとHとの還元雰囲気におけるNとHとの体積比は95:5が好ましいがこれに限定せず、該還元雰囲気に焼成する目的は、燃焼過程に生成された+4価Ce、Tbイオン及びAgイオンを+3価Ce、Tbイオン及びAg単体に還元し、それによってLn2−x−ySiO:Cex,Tby,Agz化合物に生成し、Ln2−x−ySiO:Cex,Tby,Agzの発光性能を有効に保証した。還元雰囲気は、体積比に基づいて還元性ガスの含有量が10%より低い混合ガスを指す。
【0019】
該珪酸塩発光材料の調製方法において、高温固相法を使用して、まずAg含有のシリカエーロゲルを調製し、さらにその他の組成と混合して且つ焼成を行うことによって、発光材料を得ることができ、それによって、調製プロセスを簡略化してコストを低くし、広範な生産応用が期待される。
【0020】
以下、複数の実施例を通じて例を挙げて珪酸塩発光材料の異なる組成及びその調製方法、並びにその性能などを説明する。
【0021】
実施例1
高温固相法によってY1.989SiO:Ce0.001、Tb0.01、Ag0.00003を調製する
まずシリカエーロゲル0.3gを秤取して、AgNOを1.5×10−5mol/L含有する10mlのエタノール溶液に溶解し、50℃下で3時間撹拌する。その後10分間超音波処理し、さらに60℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、600℃下で4時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Y(CO)を1.4201g、Ce(CO)を0.0009g、Tb(CO)を0.0099g及びAg含有のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらに95%N+5%H還元雰囲気において1300℃で8時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Y1.989SiO:Ce0.001、Tb0.01、Ag0.00003発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。
【0022】
実施例2
高温固相法によってLa1.962SiO:Ce0.008、Tb0.03、Ag0.00007を調製する
まずシリカエーロゲル0.4gを秤取して、20ml、ナノAgコロイド粒子2.345×10−5mol/L含有のエタノール溶液に溶解し、60℃下で2時間撹拌し、その後10分間超音波処理し、さらに80℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、800℃下で2時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Laを1.2784g、CeOを0.0055g、Tbを0.0224g及びAg含有のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらに95%N+5%H還元雰囲気において1450℃で4時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、La1.962SiO:Ce0.008、Tb0.03、Ag0.00007発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。
【0023】
実施例3
高温固相法によってGd1.76SiO:Ce0.04、Tb0.2、Ag0.001を調製する
まず、シリカエーロゲル1.0gを秤取して、30ml、ナノAgコロイド粒子5.43×10−4mol/L含有のメタノール溶液に溶解し、70℃下で0.5時間撹拌し、その後10分間超音波処理し、さらに150℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、1000℃下で0.5時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Gd(NO)を2.4168g、Ce(NO)を0.0521g、Tb(NO)を0.2760g及びAg含有のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらにCOの還元雰囲気において1600℃で1時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Gd1.76SiO:Ce0.04、Tb0.2、Ag0.001発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。
【0024】
実施例4
高温固相法によってY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0007を調製する
まずシリカエーロゲル0.4gを秤取して、15ml、ナノAgコロイド粒子3.1266×10−4mol/L含有のエタノール溶液に溶解し、60℃下で1.5時間撹拌し、その後10分間超音波処理し、さらに70℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、800℃下で2時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Yを0.8535g、CeOを0.0055g、Tbを0.0747g、及び焼成後のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらに95%N+5%H還元雰囲気において1500℃で4時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Y1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0007発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。図1は、Y1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1蛍光粉と本実施例により調製された珪酸塩発光材料との陰極線発光スペクトル対比図で、図1における10が本実施例により調製された珪酸塩発光材料を指し、図における11がY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1蛍光粉を指す。図1に示すように、本実施例の発光材料は360nm〜500nm内に強いブロードバンド発射スペクトルを有し、且つ544nmのところに1つのナローバンドピックを有し、544nmのところの発光強度がY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1の発光強度より高く、本実施例により調製された発光材料の発光強度はAgのドーピングされなかったY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1蛍光粉より38%も超えていて、本実施例の発光材料は安定性がよく、発光効率が高い特徴を有する。
【0025】
実施例5
高温固相法によってLu1.73SiO:Ce0.02、Tb0.25、Ag0.003を調製する
まず、シリカエーロゲル0.35gを秤取して、25ml、AgNOを7.08×10−4mol/L含有するプロパノール溶液に溶解し、65℃下で1.5時間撹拌し、その後10分間超音波処理し、さらに120℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、1000℃下で2時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Lu(C)を2.1244g、Ce(CO)を0.0184g、Tb(C)を0.2909g及び焼成後のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらにH還元雰囲気において1400℃で6時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Lu1.73SiO:Ce0.02、Tb0.25、Ag0.003発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。
【0026】
実施例6
高温固相法によってGd1.9SiO:Ce0.05、Tb0.05、Ag0.005を調製する
まず、シリカエーロゲル0.3gを秤取して、AgNOを1.25×10−3mol/L含有する20mlのエタノール溶液に溶解し、60℃下で2時間撹拌する。その後10分間超音波処理し、さらに100℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、800℃下で2時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Gd(C)を2.1983g、Ce(C)を0.0540g、Tb(C)を0.0582g及び焼成後のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらに95%N+5%H還元雰囲気において1450℃で4時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Gd1.9SiO:Ce0.05、Tb0.05、Ag0.005発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。
【0027】
実施例7
高温固相法によってY1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0004を調製する
まずシリカエーロゲル0.28gを秤取して、ナノAgコロイド粒子を1.2266×10−4mol/L含有する15mlのエタノール溶液に溶解し、60℃下で2時間撹拌し、その後10分間超音波処理し、さらに70℃で乾燥し、乾燥した後のサンプルを研磨して均一にし、900℃下で2時間事前焼成し、Ag含有のシリカエーロゲルを得る。Yを0.8535g、CeOを0.0055g、Tbを0.0747g、及びAg含有のシリカエーロゲル0.2404gを秤取して均一に混合し、さらに95%N+5%H還元雰囲気において1450℃で4時間保温焼結し、得た生成物を室温まで冷却して、Y1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0004発光材料を得て、電子ビームの励起下で暖かい白光を発射する。該Y1.89SiO:Ce0.01、Tb0.1、Ag0.0004珪酸塩発光材料の5KV加速電圧の励起下の陰極線発光スペクトルを図2に示す。図2から分かるように、本実施例の発光材料は、360nm〜500nm内に強いブロードバンド発射スペクトルを有し、且つ544nmのところに1つのナローバンドピックを有して、これは実施例4により調製された珪酸塩発光材料の性能と非常に類似していて、それにより、本発明実施例の珪酸塩発光材料の性能が安定であることを示した。本実施例及び実施例4において、発光スペクトルは、共に5KV加速電圧の陰極線の励起下で、島津RF−5301PCスペクトル装置を検出器として用いて分析して得たものである。
【0028】
以上、説明した実施例は本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。本発明の主旨及び原則内に行われたいずれの修正、等価の変更及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3