特許第5655160号(P5655160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5655160特に電気機械の棒巻線のための棒導体の両端部の捩り方法および治具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655160
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】特に電気機械の棒巻線のための棒導体の両端部の捩り方法および治具
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20141218BHJP
   H02K 15/085 20060101ALI20141218BHJP
   H02K 15/06 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H02K15/04 A
   H02K15/04 F
   H02K15/085
   H02K15/06
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-546824(P2013-546824)
(86)(22)【出願日】2011年1月4日
(65)【公表番号】特表2014-501485(P2014-501485A)
(43)【公表日】2014年1月20日
(86)【国際出願番号】IT2011000004
(87)【国際公開番号】WO2012093413
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2013年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】512227384
【氏名又は名称】テクノマティック・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】TECNOMATIC S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】サンテ・グエルチョーニ
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−259585(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01324461(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0302705(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0249853(US,A1)
【文献】 米国特許第07480987(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0178270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/04
H02K 15/06
H02K 15/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械の固定子または回転子の棒巻線のための棒導体(1、1’)の自由端部(2A、3A、2A’、3A’)を捩るための捩り方法(100)であって、
捩り軸(Z−Z)の周りに延在し、捩り軸(Z−Z)にその中心を有する環状ポケット群(S1)が設けられた少なくとも一つのポケット部材(11)を有する捩り治具(10)を提供する工程(101)であって、前記ポケット部材(11)は、前記ポケット群(S1)の隣接するポケットの円弧部(R1)を備えた主構造体(11A)と、主構造体(11A)に対して移動可能に取り付けられると共に、前記ポケット群(S1)の追加ポケット(11B’)が設けられた二次構造体(11B)と、を有し、前記ポケット群(S1)のポケットの各々は、前記ポケットに前記自由端部を挿入するために、前記自由端部(2A、2A’)の一方が挿入される挿入口(11A"、11B)をそれぞれ有する前記工程(101)と、
前記自由端部(2A、2A’)が固定子または回転子の鉄心(20)の側面から突出した状態で配置され、該突出端部が端部(2A、2A’)の環状の端部(2A、2A’)の群(T1)を形成する複数の前記棒導体(1、1’)がそれぞれ装着された複数のスロット(24)を備える固定子鉄心(20)または回転子鉄心(20)を提供する工程(102)と、
前記端部群(T1)の隣接する端部(2A、2A’)の円弧部を前記主構造体(11A)のポケットの円弧部(R1)に挿入する工程(103)と、
前記鉄心(20)と前記ポケット部材(11)の間の相対的な回転・並進運動によって、ポケットの前記円弧部(R1)に挿入される端部の前記円弧部を捩る第1の工程(104)と、を有し、
前記方法は、さらに、
前記端部群(T1)の前記追加端部(2A)を前記二次構造体(11B)の前記追加ポケット(11B’)に挿入するために、主構造体(11A)に対して二次構造体(11B)を軸方向に平行移動する工程(105)と、
前記鉄心(20)と前記ポケット部材(11)の間のさらなる相対的な回転・並進運動によって、前記主構造体(11A)のポケットの前記円弧部に挿入される端部の前記円弧部と、前記二次構造体(11B)の追加ポケット(11B’)に挿入される追加端部(2A、2A’)と、を同時に捩る第2の工程(106)と、を有する
ことを特徴とする捩り方法(100)。
【請求項2】
第1の捩り工程(104)の前に、二次構造体(11B)が主構造体(11A)に対して軸方向後方動作位置に着くようにする工程をさらに有し、例えば、端部の前記円弧部がポケットの円弧部(R1)に挿入される一方、追加端部(2A)が追加ポケット(11B’)の外側で前記追加ポケット(11B’)の挿入口(11B’’)から軸方向に所定距離の所に配置されてもよい
ことを特徴とする請求項1に記載の捩り方法(100)。
【請求項3】
前記第1の捻り工程(104)の間、前記追加端部(2A)は追加ポケット(11B’)の外側にとどまる
ことを特徴とする請求項2に記載の捩り方法(100)。
【請求項4】
第1の捻り工程(104)の前、端部の前記円弧部がポケットの前記円弧部(R1)に挿入される一方、前記追加端部が前記追加ポケット(11B’)に対して、捩り軸(Z−Z)に関して所定の角度で軸方向にオフセットされ、
および、第1の捻り工程(104)の終了時に、前記追加端部は前記追加ポケット(11B’)と軸方向に整列される
ことを特徴とする請求項3に記載の捩り方法(100)。
【請求項5】
軸方向に平行移動する工程(105)は、前記追加ポケット(11B’)の前記挿入口(11B’’)を前記円弧部(R1)の前記ポケットの前記挿入口(11A’’)と同一平面上または実質的に同一平面上に配置する工程を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の捩り方法(100)。
【請求項6】
電気機械の固定子または回転子の巻線のための棒導体(1、1’)の自由端部(2A、3A、2A’、3A’)を捻るための捩り治具(10)は、前記捩り軸(Z−Z)を中心に延在する少なくとも1つのポケット部材(11)を備え、
前記ポケット部材は、捩り軸(Z−Z)にその中心を有する環状ポケット群(S1)が設けられ、
各ポケット(11A’、11B’)は、前記部分を前記ポケットに挿入するために、前記自由端部(2A、2A’)の一つが貫通するように構成された挿入口(11A’’、11B’’)が設けられており、
前記ポケット部材(11)は、
前記ポケット群(S1)の隣接するポケットの円弧部(R1)を画定するように構成された主構造体(11A)と、
前記主構造体(11A)に対して移動可能に設けられ、前記ポケット群(S1)の追加ポケット(11B’)が設けられた二次構造体(11B)と、を有し、
前記捻り治具(10)は、前記二次構造体(11B)が前記主構造体(11A)に対して軸方向(Z−Z)に摺動自在に搭載された
ことを特徴とする捩り治具(10)。
【請求項7】
前記二次構造体(11B)は、前記主構造体(11A)に対して前記捩り軸(Z−Z)方向にのみ摺動可能である
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項8】
前記二次構造体(11B)は、
前記二次構造体(11B)が前記ポケット部材(11)の凹部(13)を画定し、前記追加ポケット(11B’)の前記挿入口(11B’’)が前記円弧部(R1)の前記ポケット(11A)の前記挿入口(11A’’)から軸方向(Z−Z)に第1の距離だけ離れたところに配置された軸方向後方動作位置と、
前記追加ポケット(11B’)の前記挿入口(11B’’)が前記円弧部(R1)の前記ポケット(11A’)の前記挿入口(11A’’)から軸方向に第2の距離だけ離れたところに配置された
前記軸方向後方動作位置に対する軸方向前方動作位置と、
に着くものである
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項9】
前記軸方向前方動作位置において、前記追加ポケット(11B)の前記挿入口(11B’’)は、前記円弧部(R1)の前記ポケット(11A)の挿入口(11A’’)と同一平面上または実質的に同一平面上である
ことを特徴とする請求項8に記載の捩り治具(10)。
【請求項10】
前記追加ポケット(11B’)は、前記円弧部(R1)のポケットに隣接して配置され、前記円弧部(R1)の前記ポケット(11A’)は、前記捻り軸(Z−Z)に関して所定角度(A1)で傾いて互いに均一に離間しており、
前記追加ポケット(11B’)は、前記隣接ポケット(11A’)から前記所定角度と異なる角度で傾いて離間している
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項11】
前記二次構造体(11B)は、複数の前記追加ポケット(11B’’)が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項12】
前記二次構造体(11B)は、二次構造体(11B)の前記軸方向の摺動(Z−Z)を可能とするための精密カップリングにより主構造体(11A)に連結されている
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項13】
前記精密カップリングを提供するために、前記ポケット部材(11)は、摺動案内部(12)を備え、その中で前記二次構造体(11B)が摺動することができ、前記摺動案内部(12)は、主構造体(11A)の2つの円周方向に対向する案内壁部(12’、12’’)によって画定される
ことを特徴とする請求項12に記載の捩り治具(10)。
【請求項14】
前記ポケット部材(11)は、複数の前記二次構造体(11B)を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の捩り治具(10)。
【請求項15】
請求項6から14のいずれか1項に記載の捩り治具(10)を備える
ことを特徴とする捩り装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電気機械の固定子または回転子の巻線のための棒導体の自由端部の捩り方法および治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)で用いる、固定子または回転子の巻線が複数の棒導体から構成されている発電機または電動機のような電気機械の固定子または回転子を提供することが知られている。いわゆる棒巻線を提供するために、この棒導体は屈曲され、相互に様々に接続される。
【0003】
既知の技術には、具体的には、矩形断面を有する棒導体からなる棒巻線が含まれる。ここでは、「矩形」の用語は「扁平」な断面だけでなく、正方形の断面も意味するが、一般的には、断面の2辺が他の2辺よりも小さい矩形断面を意味する。
【0004】
いわゆる棒導体は、通常、線状の棒導体から始めて、「U」または「P」状曲げによって予備成形される。特許文献1は、予備成形棒導体(該文献では「ヘアピン状導体」と呼ばれる)のための例示的な方法を説明する。「U」または「P」状に予備成形された導体は、しばしば当該技術分野において、「基礎予備成形導体」と呼ばれるが、典型的には、2つの異なる長さの隣接する脚部を備え、各々が自由端部と対向端部を備え、他の脚部に接続部によって接続される。
【0005】
例えば、固定子を提供するために、「U」または「P」状予備成形導体に2つの異なるタイプの捩りを実行することが知られている。
【0006】
「挿入側捻り」とも呼ばれる第1のタイプの捻りでは、基本的な予備成形がされた導体は、放射状に整列された対応するポケットに適切に挿入され、挿入後にこのような導体を変形させるのに適した捩り装置に提供される。捩り装置は、実質的に、同じ導体の両脚部が、捩り装置から後者を抜き出した後、半径方向に所定ピッチで相互にオフセットされている固定子鉄心のスロットに順次挿入できるようにするために、「U」または「P」の形状の脚部の「個別押出」のために使用される。
【0007】
特許文献2は、捩り装置のポケットにそれらを挿入後、予備成形された棒導体を等ピッチで捻るための典型的な「挿入側」捻り方法を説明している。
【0008】
第1のタイプの捻りが施された後、棒導体は、同じ第1の側面(いわゆる「挿入側」)を介して固定子鉄心のスロットに挿入され、各自由端部が第1の側面に対向する第2の側面(いわゆる「溶接側」または「接続側」)から突出した状態となる。
【0009】
次に、溶接側から突出する自由端部は、適切な捻り治具に設けられたポケット内に挿入された後、「溶接側捻り」とも呼ばれる、第2のタイプの捩りを受ける。捩り治具の目的は、そのような端部を適切に成形し、巻線を完成するために導体間の適切な電気的接続を提供できるようにするために、導体の自由端部を曲げる(「捩る」)ことである。
【0010】
導体の自由端部の正確な曲げは、導体間の接続部の成形を容易にすることに留意されたい。しかしながら、様々な理由のために、必要に応じて正確かつ適切に導体の自由端部を曲げることは難しいことがある。例えば、これらの端部の大多数の溶接側の突出は比較的小さいので、導体端部に接近し、固定子鉄心の軸線に関して円周方向および軸方向の両方へ確実かつ正確に曲げるために必要な操作を行うことは難しい。また、一例として、これらが、屈曲後にこれらを初めの構成に部分的に戻そうとする固有の弾力性を備えているという事によって、導体の正確な成形は複雑になる。
【0011】
特許文献3は、上記タイプを典型的な溶接側捻り方法を説明する。この特許出願に記載された方法は、棒導体の自由端部の一様でない捻りを一度に実現できるようにする。そのような捻りを提供するために、この特許出願には、ポケット部材のポケットを画定するためのロストモーション部材が設けられたポケット部材を有する捩り治具が記載されている。具体的には、ロストモーション部材は、ポケット部材の主構造体に対して円周方向に移動可能に取り付けられている。
【0012】
上記公知技術に関して、電気機械の棒巻線のための棒導体の自由端部を捻るために、別の捩り方法を提供することが必要であると感じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7,480,987号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0178270号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0302705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本明細書の一般的な目的は、上述の必要性を満足することができる捩り方法を提供することである。
【0015】
これと他の目的は、請求項1においてより一般的な形で、およびその従属請求項において同一のいくつかの特定の実施形態で記載の捩り方法により達成される。
【0016】
本発明のさらなる目的は、請求項6においてより一般的な形で、およびその従属請求項において同一のいくつかの特定の実施形態で記載の捩り治具を提供することである。
【0017】
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明から理解されるであろう。その実施形態は、例示であるので添付図に関して限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】特に、電気機械の巻線のために、棒導体の自由端部を捻るための捩り治具の現在の好ましい実施形態の斜視図であり、ここでは捻り治具は、第1の動作形態で示されている。
図2図1の治具の斜視図を示し、治具は、第2の動作形態で示されている。
図3】第1の動作形態での図1の治具を上から見た平面図を示す。
図4】第2の動作形態での図1の治具を上から見た平面図を示す。
図5図1の治具の4つの構成要素の4つの斜視図を示す。
図6図1の治具の4つの他の構成要素の4つの斜視図を示す。
図7図7(a)〜7(c)は、3つの異なる構成での棒導体の3つの斜視図をそれぞれ示す。
図8図8(a)〜8(c)は、一相端子として使用するのに適した追加棒導体の3つの斜視図を示し、3つの異なる構成で示されている。
図9】斜視図を示し、ここでは、第1の動作形態での図1の治具と、各スロットに挿入された複数の棒導体を有する電気機械の固定子または回転子の鉄心とが示されており、ここでは、鉄心および治具は、第3の動作形態でその全体が示されている。
図10図9の鉄心および治具の別の図を示し、第3の動作形態での斜視図で示され、ここでは捩り治具のいくつかの構成要素が除かれている。
図11図9の鉄心および治具の斜視図を示し、概して第4の動作形態で示されている。
図12】第4の動作形態での図9の鉄心および治具の別の断面図と斜視図を示す。
図13図12の拡大詳細図を示す。
図14図9の鉄心および治具の他の斜視図を示し、ここで示された鉄心と治具は、第4の動作形態である。
図15図1の捩り治具を含む捩り装置の一実施形態の正面平面図を示す。
図16】捩り方法のフローチャートを示す。
【0019】
添付の図面には、同一または類似の要素が同一の参照符号によって示されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、「扁平」または「四角」なる用語、または棒導体の断面を記述するために使用される同等の用語は、一般的な意味で使用されており、このような棒導体は実質的に平坦な面を接続する有意に丸みを帯びた端部を有するという事実を排除するものとして解釈されるべきではない。「扁平導体」なる用語は、導体が2つの対向面を有し、その相互距離が残りの対向面間の距離よりも大きいことを意味するものとみなすべきである。本明細書において、「矩形導体」なる用語は、正方形導体は、4つの辺が同じ大きさを有する矩形導体の特別な場合であるので、平坦な矩形導体の一般化したものとみなすことができる。
【0021】
本明細書において、ポケットは、この部材と部材のキャビティとによって完全に囲まれた、部材の凹部またはくぼみとして画定されてもよく、ここではキャビティの開放側は、隣接する部材の壁面によって効果的に閉鎖されるようになっている。
【0022】
本明細書のために、棒導体の端部に関して使用される用語「捻り」は、一般的な意味で、導体間の適切な電気的接続を提供するための部分などの曲げまたは成形と見なすべきである。
【0023】
本明細書のために、「半径方向」または「周方向」なる用語、または所定の方向または軸に関して定義された他の類似する用語は、そのような方向または軸に対して垂直な平面上にあり、そのような方向や軸に中心が置かれた円周が参照されなければならない。また、本明細書のために、方向または軸に関して定義されている「角度をなして離間」なる用語(または他の同様な表現)は、前記方向または軸に対して垂直な平面内にあり、その中心が前記方向または軸にある円周の2つの半径間の角度を指す。
【0024】
まず、図7(a)および図8(a)を参照すると、電気機械の固定子または回転子の巻線のための棒導体1、1’の2つの実施形態がそれぞれ示されている。この実施例では、導体1、1’は、一対の対向面を有し、その相互間距離が他の2つの対向面間の距離よりも大きいので、扁平な矩形状の銅製導体である。
【0025】
図7(a)に示すように、導体1は、第1の予備成形「P」状導体であって、接続部4によって接続された、自由端部2A、3Aをそれぞれ有する2つの脚部2、3を備える。また、接続部4は、関連技術分野において「頭頂部」としばしば呼ばれる。図7(a)に記載されているように、脚部2Aは、脚部3Aよりも若干長い。
【0026】
図8(a)に示された導体1’は、第2の棒導体であって、特に、一相端子として使用するのに適した導体であり、他よりも大幅に長い脚部を有するという事実を除いて、導体1と実質的に同一の形状を有する。具体的には、導体1’は、自由端部2A’、3A’をそれぞれ有する、接続部4によって接続された2つの脚部2’、3’を備える。
【0027】
次に図1図10を参照すると、一般的に電気機械の棒巻線のための棒導体の自由端部を捻るための捩り治具の現在の好ましい実施形態を示す。例えば、治具10は、複数の棒導体1、1’の自由端部2A、3Aおよび/または自由端部2A’、3A’を捻るのに適している。
【0028】
捩り治具10は、捩り軸Z−Zの周りに延在する少なくとも1つのポケット部材11を備える。好ましくはリング状のポケット部材11は、主構造体11Aと、主構造体11Aに対して移動可能に支持された少なくとも1つの二次構造体11Bとを備える。
【0029】
図5に示された現在の好ましい実施形態によれば、主構造体11Aは、この実施例では実質的に円筒形である環状形状を有する。
【0030】
図6には、現在の好ましい実施形態による複数の二次構造体11B、具体的には5つの二次構造体11Bが示されている。特に、図6の二次構造体11Bは、ポケット部材11を提供するために、図5の主構造体11Aに結合されてもよい。図6の実施形態では、二次構造体11Bは、二次構造体11Bの端部を固く結合するための湾曲支持ベース11Cによって互いに固定されている。しかしながら、別の実施形態によれば、二次構造体11Bは、互いに離間されてもよい。換言すれば、二次構造体11Bはまた、独立して作動させることができる完全に別個の構造であってもよい。
【0031】
図3または図4を参照すると、ポケット部材11は、その中心軸線が捩り軸Z−Z上にある環状ポケット群S1が設けられていることに留意されたい。ポケット群S1は、それぞれ主構造体11Aおよび二次構造体11Bによって画定された、全体的にポケット群S1を形成するようなものである複数のポケット11A’、11B’を備える。この実施例でのポケット群S1は、ポケット72を備える。図3および図4には、捩り軸Z−Zは、描画面に垂直な模式的断面で表されていることに留意されたい。
【0032】
ポケット11A’、11B’は、棒導体の各自由端部、例えば導体1、1’の端部2A、3A、2A’、3A’の一つが通過可能である挿入口11A’’、11B’’、または入口開口11A’’、11B’’が、各ポケット内に挿入されるようにするために設けられている。述べたように、この実施例での挿入口11A’’、11B’’は、実質的に矩形形状を有し、それぞれ、主構造体11Aと二次構造体11Bの好ましくは平坦な端面上に配置される。このような端面は、捻り軸に対して特に水平または実質的に垂直である。
【0033】
主構造体11Aは、ポケット群S1の隣接する複数のポケット11A’で構成された少なくとも一つのポケット円弧部R1を画定するようなものである。図5に示すように、この実施例では、主構造体11Aは、複数のポケット円弧部R1が設けられている。より具体的には、主構造体11Aは、捩り円弧部Z−Zに関して角度をなして離間された3つのポケット円弧部R1から構成され、それぞれ異なる数のポケット11A’を備える。図5に示すように、3つの円弧部R1の近傍において、この実施例では、主構造体11Aは、互いに角度をなして離間しており、特に他のポケット11A’よりも長く軸方向(Z−Z軸)に延在する2つの追加ポケット11A’を画定するようなものである。
【0034】
図3または図4に戻って、各円弧部R1のポケット11A’が角度をなして均一に分布していることに留意されたい。換言すれば、図3または図4に示すように、2つの隣接するポケット11A’の中心は、捩り軸Z−Zに関して同じ所定の角度A1だけ互いに角度をなして離間している。この実施例で、角度A1は、具体的には、5°に等しい。
【0035】
さらに図3または図4を参照すると、各二次構造体11Bは、ポケット群S1の少なくとも1つのポケット11B’を画定するようなものであることに留意されたい。換言すれば、各二次構造体11Bは、主構造体11Aによって画定されるポケット11A’に加えて、ポケット群S1の少なくとも1つの追加ポケット11B’を画定する。
【0036】
例示的な実施形態では、二次構造体11Bは、隣接する複数のポケット11B’を含む各ポケット円弧部R2を画定するようなものである。具体的には、また、円弧部R2のポケットは、2つの隣接するポケット11B’の中心が捩り軸Z−Zに関して同じ所定の角度A2で互いに角度をなして離間されるように、角度をなして均一に分布している。この実施例では、角度A2は、角度A1、すなわち5°に等しい。
【0037】
しかしながら、各二次構造体11Bのポケット11B’は、全て円周方向にポケット11Aに対して所定量だけ一方向にオフセットされていることに留意されたい。すなわち、例えば図3に示すように、隣接するポケット11A’とポケット11B’の中心は、前記角度A1、A2と等しくない角度で捻り軸に関して角度をなして離間されている。
【0038】
二次構造体11Bは、軸方向に摺動自在に取り付けられている、すなわち、それらは、主構造体11Aに対して捩り軸Z−Zの方向に摺動できる。より具体的には、二次構造体11Bは、主構造体11Aに対して捩り軸Z−Zの方向にだけ並進するように構成されている。換言すれば、二次構造体11Bは、捩り軸Z−Zの周りで主構造体11Aと回転して一体となっている。再度換言すれば、各二次構造体11Bは、実質的に主構造体11Aに対して1自由度を備えている。この実施例では、前記軸摺動を可能にするために、二次構造体11Bは、精密カップリングにより主構造体11Aに連結されている。図5を参照すると、このような精密カップリングを提供するために、ポケット部材11は、好ましくは、複数の摺動案内部12(この実施例では、5つの摺動案内部12)を備え、各案内部は、一対の周方向に対向する案内壁部12’、12’’で画定されている。特に、各二次構造体11Bは、各案内部12で摺動可能である。
【0039】
図1および図2を参照すると、各二次構造体11Bは、軸方向後方動作位置(図1)と、該軸方向後方位置に対する軸方向前方動作位置(図2)に着くようなものであることに留意されたい。
【0040】
図1に示すように、軸方向後方位置(Z−Z軸)で、各二次構造体11Bは、ポケット部材11の凹部13またはキャビティ13を画定するようなものである。具体的には、このような位置において、二次構造体11Bの挿入口11B’’は、主構造体のポケット円弧部R1の挿入口11A’’の第1の軸方向距離(Z−Z軸)に配置されている。
【0041】
図2を参照すると、軸方向(Z−Z軸)前方位置において、ポケット11Bの挿入口11B’’は、主構造体11Aの円弧部R1の挿入口11A’’から第2の軸方向距離に位置している。このような第2の軸方向距離は、第1の軸方向距離よりも短いことが好ましい。現在の好ましい例示的な実施形態において、二次構造体11Bが軸方向前方位置に着くとき、特に、挿入口11B’’は、挿入口11A’’と同一平面(図2)である。別の実施形態によれば、二次構造体11Bの軸方向前方位置において、挿入口11B’’は、前記挿入口と完全に同一平面である代わりに、挿入口11A’’と実質的に同一面であってもよい。この場合、挿入口11B’’は、好ましく挿入口11A’’に対して軸方向後方位置に配置されており、ここでは後者の挿入口からの距離は、数mm、例えば1mm〜3mmに等しいことが好ましい。
【0042】
図1図5および図6を参照すると、現在の好ましい実施形態によれば、捩り治具10は、少なくとも一対のポケット部材を備えることに留意されたい。特に、この実施例では、治具10は、互いに同軸である二対のポケット部材11、14および15、16を備える。この実施例では、図5および図6から分かるように、部材14、15および16は、部材11に対していくつかの構造的な違いを示す。しかしながら、このような部材は、部材11に相当する特性と実質的に類似した機能を有する。換言すれば、部材14、15、16はそれぞれ、一例として(図1図6および図6)、
環状ポケット群S2、S3、S4と、
挿入口14A’’、15A’’、16A’’が設けられた複数のポケット14A’、15A’、16A’などを含む少なくとも1つのポケット円弧部を備える主構造体14A、15A、16Aと、
主構造体14A、15A、16Aに対して軸方向(Z-Z軸)に摺動可能に搭載された少なくとも1つの二次構造体14B、15B、16B、16Bであって、挿入口14B’’、15B’’、16B’’を有する少なくとも一つのポケット14B’、15B’、16B’を備える前記二次構造体14B、15Bと、を備える。
【0043】
図11を参照すると、治具10と固定子または回転子の鉄心20が示されている。例えば、鉄心20は、例えば電気自動車またはハイブリッド自動車のための、例えば電動機などの電気機械の固定子または回転子の鉄心である。
【0044】
それ自体公知のように、鉄心20は、挿入面22および溶接面23とそれぞれ呼ばれる二つの対向面22、23の間で、(図9〜12において捩り軸Z−Zに対応する)固定子軸に沿って軸方向に延在する積層管状本体を備える。鉄心22の本体は、本体の厚みの内側に軸方向(すなわち固定子鉄心の軸方向)に延び、複数の棒導体によって通過可能である複数のスロット24を備える。この実施例では、具体的には、鉄心20は、72個のスロット24を備える。より具体的には、スロット24は、2つの隣接するスロット24の中心が捩り軸に関して前記角度A1、すなわち5°に等しい角度で角度をなして離間するように、角度的に均一に分配されている。
【0045】
実施形態によれば、鉄心20のスロット24は、棒導体の2つの頭頂部25、35、具体的には、半径方向内側の頭頂部25と半径方向外側の頭頂部35が装着されている。この実施例では、頭頂部25は、複数の導体1(図7(a)〜図7(c))のみを有するに対して、頭頂部35は、複数の導体1と複数の相端子1’(図8(a)〜図8(c))の両方を有する。
【0046】
図9および図10を参照すると、そこで、鉄心20の一部が示されており、各自由端部2A、3Aおよび2A’、3A’が溶接面23から突出している状態に、導体1、1’がスロット24に挿入されることに留意されたい。また、図9〜13において、鉄心20に挿入された導線1、1’は、図7Bおよび図8Bの各形状を有することに留意されたい。換言すれば、例えば、「頭部」4、4’の捩り動作の後(このような捩りは当業者に知られているので、詳細な説明を行わない)、このような導体は、各脚部2、3および2’、3’が所定量分離される。図9図13の自由端部2A、3A、2A’、3A’は、真っ直ぐな端部である、すなわち曲がっていないことに留意されるべきである。
【0047】
図12を参照すると、そこで、鉄心20と治具10は、斜視部で表されており、4つの同心円の脚部群を形成するように、棒導体の脚部が鉄心20の内部に配置されており、そのため、4つの同心円の自由端部T1、T2、T3、T4の群が溶接面23から突出していることに留意すべきである。具体的には、端部群T1の他端部2Aに対して有意な突起を形成する端部群T1の相端子1’の自由端部2Aを除いて、各端部群T1〜T4の自由端部は、好ましくは互いに同一平面、または実質的に同一平面である。
【0048】
また、図12に示すように、端部群T1〜T4の端部は、捩り軸Z−Zに関して半径方向に相互に整列される。
【0049】
上述のような捩り治具の典型的な動作を以下に説明する。
【0050】
図9において、治具10と鉄心20は、ポケット部材11、14、15、16の中に棒導体1、1’が挿入された形態で表現されている。図9において、治具10は、特に、図1の構成に対応する最初の構成を取る。言い換えれば、ポケット部材11、14、15、16の二次構造体11B、14B、15Bおよび16Bは、前記軸方向後方動作位置(図中の下向き後方位置)の上に着く。
【0051】
最初に、鉄心20は、治具10から軸方向に所定距離(Z−Z軸)の所で支持され、端部群T1〜T4は、ポケット群S1〜S4に向けられている。端部群T1〜T4は、各ポケット群S1〜S4に関連付けられていることに留意されたい。
【0052】
次に、鉄心20および治具10は、端部群T1〜T4の端部2A、3A、2A’、3A’の一部を主構造体11B、14B、15Bのポケットに挿入するために、軸方向(Z−Z軸)に結合される。このようにして、図11および図12の構成が得られる。
【0053】
このような構成では、主構造体11A、14A、15A、16Aのすべてのポケット11A’、14A’、15A’、16A’は、内部に端部群T1〜T4の各自由端部を受け入れることに留意すべきである。また、この構成により、二次構造体11B、14B、15B、16Bが前記後方位置にあるので、主構造体11A、14A、15A、16Aのポケットに挿入されていない端部群T1〜T4の端部は、ポケット11B’、14B’、15B’、16B’の外で二次構造体11B、14B、15B、16Bの挿入口11B’’、14B’’、15B’’、16B’’から軸方向(Z−Z軸)に離間して配置されていることを留意すべきである。
【0054】
また、図11または図12の構成では、主構造体11A、14A、15A、16Aのポケットに挿入されていない端部群T1〜T4の自由端部は、二次構造体11B、14B、15B、16Bの対応するポケットに対して、互いに軸方向(Z−Z軸)に、捩り軸に関して所定角度でオフセットされていることに留意すべきである。一例として、図13には、端部群T1〜T4の端部と二次構造体11B、14B、15B、16Bのポケットとの間のこのオフセットが示されている。ここでは、二次構造体の一つ16Bの対応するポケット16B’に対して軸方向にオフセットされた端部群T4の一部の端部が示されている。
【0055】
この実施例では、主構造体11A、14A、15A、16Aのポケットの中に挿入されていない端部群T1〜T4の各端部は、(2つの隣接するスロット24の間の角度にも等しい)角度A1またはA2の半分の角度で、すなわち、この実施例では、2.5°の角度で、対応するポケットに対して(すなわち、二次構造体11B、14B、15B、16Bのポケットに対して、そこに前記端部が挿入される)軸方向にオフセットされる。いずれにせよ、大まかに言えば、捩り中に導体の自由端部間での干渉を回避するためには、上述のオフセットが2つの隣接するポケット11B’間の角度A2よりも小さい角度に対応することが重要であると指摘するのは妥当である。
【0056】
図11の構成で開始して、ポケット部材11、14、15および16は、具体的には、治具10を鉄心20に近づけることによって、主構造体11A、14A、15A、16Aのポケットに挿入された端部群T1〜T4の端部だけの第1の捻りを行うために、捩り軸Z−Zの周りに回転して作動されると同時に軸方向に平行移動される。具体的には、端部群T1〜T4の端部を反対方向に捻るために、ポケット部材は、隣接するポケット部材に対して各々反対方向に回転する。
【0057】
言い換えれば、第1の捻りを行うためには、治具10と鉄心20は、好ましくは連続的な方法で、捩り軸Z−Zに関して相対的な回転・並進運動の対象となっている。この点では、原理的には、回転・並進相対運動は、様々な方法によって実現できることに留意されたい。例えば、一つのポケット部材、例えば部材11のみを有する捻り治具を用いて、端部群T1〜T4の一つのみを捻ると仮定すれば、この構成は、ポケット部材が依然として保持され、鉄心20が回転して移動されるようにしてもよい。一方、ポケット部材を回転させてもよく、そこでは鉄心20が同時にそのような部材に向かって平行移動される。しかしながら、代替方法は、相対的な回転・並進運動を実現するための上述のものに関して、概して不利である。
【0058】
この実施例では、第1の捻りの終了時に、ポケット部材11、14、15および16は各々、2.5°に等しい捩り軸に関する回転を経て進んだ。したがって、第1の捻りの終了時に、対応するポケットに対して最初に軸方向にオフセットした端部群T1〜T4の自由端部は、二次構造体11B、14B、15B、16Bのポケットと対応して軸方向に整列している。
【0059】
そのような端部は、第1の捻りの間ずっと、二次構造体11B、14B、15B、16Bの外側にあるということも注意すべきである。
【0060】
また、第1の捻りの終了時に、このような端部は、まだ真っ直ぐな端部であるのに対して、主構造体11A、14A、15Aおよび16Aのポケットに挿入される端部は、屈曲された端部である。
【0061】
この実施例では、二次構造体11B、14B、15B、16Bのポケットに端部群T1〜T4の残りの端部を挿入するために、第1の捻りの終了時に、二次構造体11B、14B、15B、16Bは、軸方向後方位置から主構造体11A、14A、15Aおよび16Aに対して、軸方向に同時に平行移動される。言い換えれば、端部群T1〜T4の残りの自由端部が二次構造体のポケット内に入れられる上述の軸方向前方位置(図2)にそれらが着くまで、二次構造体は軸方向に平行移動するために作動される。特に、このような構成では、二次構造体の挿入口11B’’、14B’’、15B’’および16B’’は、主構造体のポケットの挿入口11A’’、14A’’、15A’’および16A’’と同一平面または実質的に同一平面である。また、このような構成では、二次構造体11B、14B、15Bおよび16Bのポケットに挿入された自由端部は、まだまっすぐ、すなわち曲がりがない。
【0062】
すべての端部群T1〜T4の突出端部が治具10のポケットの中に挿入されると、第2の捻りが実行され、そこで、端部群T1〜T4のすべての端部が同時に鉄心と治具10のポケット部材との間のさらなる相対的な回転・並進運動によって曲げられる。第2の捻りは、第1の捩りと実質的に類似の方法で行われる。しかしながら、第2の捻りにおいて、この実施例のポケット部材は、捩り軸Z−Zに関してより大きな回転を行う。具体的には、この実施例では、第2の捩りの終了時に、各ポケット部材は、第1の捻りの回転に対してさらに20°回転した。したがって、この実施例では、第1の捻りを受けた端部は、第2の捻りの終了時に、合計で22.5°の捻りを受ける一方で、第2の捻りを受けただけの端部は、合計で20°の捻りを受ける。治具10によって、端部群T1〜T4の自由端部の一様でない捻りを実施することができる。
【0063】
図14は、第2の捩り工程の終了時の鉄心20と治具10を示している。この構成では、図7(c)および図8(c)に示すように、本実施形態の導体1、1’が各々配置されていることに留意されたい。
【0064】
図16を参照すると、治具10の上述の動作に基づき、上記動作を一般化したものが、電気機械の棒巻線のための棒導体の自由端部を捻るための捩り方法100として説明されたことに留意されたい。この捩り方法は、
a)捻り軸Z−Zの周りに延在し、捻り軸Z−Zにその中心を有する環状ポケット群S1が設けられた少なくとも1つのポケット部材11を有する捻り治具10を提供する工程101であって、ポケット部材11は、前記ポケット群S1の隣接するポケットの円弧部R1を備えた主構造体11Aと、主構造体11Aに対して移動可能に取り付けられると共に、前記ポケット群S1の追加ポケット11B’が設けられた二次構造体11Bと、を有し、前記ポケット群S1のポケットの各々は、前記ポケットに前記自由端部を挿入するために、前記自由端部2Aまたは2A’の一方が挿入される挿入口11A’’、11B’’をそれぞれ有し、
b)前記自由端部2A、2A’が固定子または回転子の鉄心20の側面から突出した状態で配置され、該突出端部が端部2A、2A’の環状端部群T1を形成する複数の前記棒導体1、1’がそれぞれ装着された複数のスロット24を備える固定子鉄心20または回転子鉄心20を提供する工程102と、
c)端部群T1の隣接する端部2A、2A’の円弧部を主構造体11Aのポケットの円弧部R1に挿入する工程103と、
d)前記鉄心20と前記ポケット部材11の間の相対的な回転・並進運動によって、ポケットの円弧部R1に挿入される端部の円弧部を捻る第1の工程104と、
e)前記円弧部R1に挿入される端部の円弧部に加えて、前記端部群T1の追加端部2Aまたは2A’を二次構造体11Bの前記追加ポケット11B’に挿入するために、主構造体11Aに対して二次構造体11Bを軸方向(Z−Z軸)に平行移動する工程105と、
f)鉄心20と前記ポケット部材11の間のさらなる相対的な回転・並進運動によって、主構造体11Aのポケットの円弧部R1に挿入される端部の円弧部と、二次構造体11Bの追加ポケット11B’に挿入される追加端部2A、2A’と、を同時に捻る第2の工程106と、を有する。
【0065】
実施形態によれば、捻り方法100は、第1の捻り工程104の前に、二次構造体11Bを主構造体11Aに対して軸方向後方動作位置に着く工程を有する。例えば、端部の前記円弧部がポケットの円弧部R1に挿入される一方で、追加端部2Aまたは2A’は、追加ポケット11B’の外側で前記ポケット11B’の挿入口11B’’から所定の軸方向距離に配置してもよい。
【0066】
捻り方法100の実施形態によれば、第1の捻り工程104の間、前記追加端部2Aまたは2A’は、追加ポケット11B’の外側にとどまる。
【0067】
方法100の一実施形態によれば、第1の捻り工程104の前に、端部の円弧部がポケットの前記円弧部R1に挿入される一方、追加端部2Aまたは2A’は、捩り軸Z−Zに関して所定の角度で追加ポケット11B’に対して軸方向にオフセットされる。第1の捩り工程104の終了時に、追加端部2Aまたは2A’は、軸方向に追加ポケット11B’と一直線にされる。
【0068】
方法100の一実施形態によれば、軸方向への移動105の工程は、追加ポケット11B’の挿入口11B’’を前記円弧部R1のポケットの挿入口11A’’と同一平面または実質的に同一平面に配置する工程を有する。
【0069】
図15を参照すると、上述の方法は、一例として、鉄心20がその中に配置でき、治具10を含む捩り装置200を用いて実施できるということに留意されたい。具体的には、装置200は、例えば、ポケット部材および具体的には前記二次構造体を作動するための治具10に結合し得る作動要素210を有する。一例として、作動要素210は、電気的な機軸、または油圧または空気圧式の他のサ−ボ治具を備えてもよい。さらに、装置200は、捩り工程中に接続部4、4’を係合して収容するための少なくとも1つの圧力部材220を備える。
【0070】
上述の説明に基づいて、上記捻り方法と治具は、上記必要性を満たすことができることを理解できる。
【0071】
また、二次構造体は、複数のポケットが設けられており、ポケット部材の主構造体に対して軸方向に摺動可能に取付けられた二次構造体を設けることは、有利には、捻り中に発生する可能性がある、特に周方向への応力に対する二次構造体の強化を促進することに留意すべきである。さらに、また、精密カップリングにより、主構造体に二次構造体を結合することは、有利には、捩り治具の信頼性向上と強化を容易にする。概して言えば、本明細書による捩り治具は、特に効率的で確実な捻りを可能にすると同時に、比較的簡易かつ堅牢な構造によって特徴付けられることに留意されたい。
【0072】
本発明の原理に基づき、同一のおよびその特定の実施形態を実施する方法は、添付の特許請求の範囲で定められているような本発明の範囲から逸脱することなく、単なる例示であって、非限定的である本明細書と図に関して十分な変更の対象となることがある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16