(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(触媒の加熱温度)
本発明の「触媒の加熱温度」は、少なくとも、300度以上かつ600度以下は必要であり、好ましくは、320度以上であり、特に好ましくは、420度〜560度であり、さらに好ましくは450度〜530度の範囲であり、最も好ましくは480度〜510度である。
なお、加熱温度とは、触媒と廃プラスチック及び/又は有機物を反応させるための反応槽内の温度であり、その触媒の設定温度を保つための設定温度を指す。すなわち、設定温度を480度としても、反応槽内の触媒温度の振れ範囲は設定温度からプラス・マイナス約30度となる。
さらに、反応槽内のある箇所では、反応槽の形状や大きさにより、本発明の特に好ましい「触媒の加熱温度」よりも高く又は低くなる場合がある。しかしながら、触媒の大部分が必要な触媒加熱温度に維持されていれば良い。
【0013】
(触媒の特性)
本発明の触媒は、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持し、活性成分が酸化チタンである顆粒体を含むことを特徴とする。
また、遷移金属として、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銀、コバルト、マンガン、クロム、カドミウム、バナジウム、ニッケル、鉄、タングステン、亜鉛、セリウム、アルミ等を挙げられるが、特に限定されない。好ましい遷移金属又は遷移金属酸化物は、銅、コバルト、鉄であり、酸化物(例、酸化銅、酸化鉄)も含まれる。より具体的な酸化物には、酸化銅(CuO)、酸化コバルト(Co
3O
4)、酸化鉄(Fe
2O
3)が挙げられる。
上記述べた遷移金属及び遷移金属酸化物の1種類以上を酸化チタンに担持することもできる。
加えて、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物の担持量は、担持する対象が遷移金属のみである場合には遷移金属の重量で換算し、担持する対象が遷移金属酸化物のみである場合には遷移金属酸化物の重量で換算し、並びに、担持する対象が遷移金属及び遷移金属酸化物である場合には遷移金属及び遷移金属酸化物の両方を加えた重量で換算する。
酸化チタンの顆粒体への遷移金属及び/又は遷移金属酸化物の担持量は、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.2重量%〜5.0 重量%、より好ましくは0.3重量%〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜5.0重量%、最も好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。
また、酸化チタンの顆粒体の活性成分としては、酸化チタンのみからなる酸化チタンの顆粒体だけでなく、酸化アルミニウム、酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種と酸化チタンとの混合物(以下、無機酸化物と称する場合がある)も含まれる。さらには、チタン/ニオブ複合酸化物、チタン/ケイ素複合酸化物、ケイ素とタングステンから選ばれる少なくとも1種とチタンとの複合酸化物、ケイ素とモリブデンから選ばれる少なくとも1種とチタンとの複合酸化物、チタン/アルミニウム複合酸化物、酸化ジルコニウム、チタン/ジルコニウム複合酸化物及びチタン含有ぺロブスカイト化合物から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物も対象とする。
なお、前記無機酸化物のうち、チタン含有ぺロブスカイト化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸カルシウムのほか、これらにおけるバリウム、ジルコニウム、ストロンチウム及び/又はカルシウムの一部をランタン、セリウム、イットリウム等で置換したもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法では、好適な触媒を加熱条件下で使用することにより、高効率で廃プラスチック、有機物の分解を行うことができる。さらには、該触媒は、廃プラスチックに混在する金属・無機物等と容易に分離可能である。
【0015】
本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「粒子径」は、0.2mm〜1.6mm、好ましくは0.3mm〜1.4mm、より好ましくは0.4mm〜1.2mm、最も好ましくは0.5mm〜1.0mmである。
より詳しくは、使用前の全遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体中の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の顆粒体の粒子径が、0.2mm〜1.6mm、好ましくは0.3mm〜1.4mm、より好ましくは0.4mm〜1.2mm、最も好ましくは0.5mm〜1.0mmである。
加えて、粒子径の中心分布は、使用前の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンでは、0.4mm〜1.2mm、好ましくは0.5mm〜1.0mmである。
さらに、金属・無機物特にレアメタルなどの微粉金属が混在した廃プラスチック・有機物を分解するには、上記遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「粒子径」は、上記範囲の中でも、0.6mm〜1.6mm、好ましくは0.8mm〜1.4mmであることが好ましい。
すなわち、粒子径の大きい遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体を使用することにより、粒子径の大きさの相違による篩選別が容易になり、微粉金属・無機化合物の回収率を高めることができる。
【0016】
本発明の「顆粒体の形状が略球形」とは、顆粒体(粒子)表面の角が取れ、粒子形状の球形の度合いが高いことを意味する。
なお、粒子形状の球形度合いが高いことを示す指標として、「真円度」、「顆粒体(粒子)の転がり傾斜角度」、「安息角度」等が挙げられる。
【0017】
本発明の「真円度測定方法」は、以下の条件及び装置で行うことができる。
(条件)
倒立型顕微鏡にCCDカメラを装着し、画像の処理はImage-Pro Plusにより行う。詳しくは、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体をプラスチックシャーレに重ならないようにいれる。そして、下記倒立型顕微鏡により倍率4倍で画像を取り込み、Image-Pro Plusにより真円度を自動計測する。
(装置)
顕微鏡:倒立型顕微鏡 TMD-300 日本光学(ニコン)
CCDカメラ:日本ローパー株(Nippon Roper) Retiga 2000R(1600×1200pixels)
画像処理装置:Nippon Roper, Image-Pro Plus
【0018】
なお、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「真円度」は、1.00〜2.00、好ましくは1.00〜1.50、より好ましくは1.00〜1.40、さらに好ましくは1.00〜1.30、最も好ましくは1.00〜1.20である。
より詳しくは、使用前の全遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体中の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の顆粒体の真円度が、1.00〜2.00、好ましくは1.00〜1.50、より好ましくは1.00〜1.40、さらに好ましくは1.00〜1.30、最も好ましくは1.00〜1.20である。
【0019】
本発明の「顆粒体の転がり傾斜角度」は、以下の条件で行うことができる。
遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体20gをガラス板上に載せ、そして該ガラス板を水平(0度)から斜めにして、(1)遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の滑り始める角度、(2)全ての遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した顆粒体が滑り終わる角度を測定する。
【0020】
なお、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「顆粒体の転がり傾斜角度」の数値は以下の通りである。
(1)顆粒体の滑り始める角度は、0.5度〜15.0度、好ましくは0.5度〜10.0度、より好ましくは0.5度〜8.0度、最も好ましくは0.5度〜5.0度である。
(2)全ての顆粒体が滑り終わる角度は、2.0度〜30.0度、好ましくは2.0度〜25.0度、より好ましくは2.0度〜22.0度、最も好ましくは2.0度〜18.0度である。
【0021】
本発明の「安息角度」は、以下の方法で行うことができる。
未使用の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体20gをロートで落下させ、山型に層を形成した時の斜面が水平面となす角を測定する。なお、 安息角度は,流動性の良い粉粒体ほど小さく、逆に粉体流動性の良くない粉粒体の場合には大きくなる。
【0022】
なお、本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「安息角度」は、15度〜35度、好ましくは20度〜35度である。
【0023】
また、本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の特性を示す別の指標として「タップ密度」がある。
なお、本発明において、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体のタップ密度は以下のように測定できる。
遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体約180gを200mLガラス製メスシリンダーに投入し、このメスシリンダーを厚み10mmのゴム製シート上に高さ50mmの位置から繰り返し10回自然落下させた後、50mmの距離から木製の板の側面に10回打ち当て、以上の操作を2回繰り返した後、メスシリンダーの目盛を読み取り、顆粒体の容積V(mL)とし、別に、顆粒体を110℃で3時間乾燥した後、その重量M(g)を測定、これらに基づいて、タップ密度を式M/Vから求める。
【0024】
なお、本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「タップ密度」は、1.00g/mL〜1.80g/mL、好ましくは1.03g/mL〜1.60g/mL、より好ましくは1.05g/mL〜1.55g/mLである。
【0025】
また、本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の特性を示す別の指標として「摩耗率」がある。
本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗率は以下の方法で測定をすることができる。
【0026】
図1に示す摩耗率測定装置にて測定する。即ち、この摩耗率測定装置は、内径63mm、深さ86mmの試料容器201に攪拌機202を取付けてなり、この攪拌機202は、軸体203の下端部にそれぞれ長さ20mmの楕円形状の攪拌羽根204を3枚、60゜間隔で軸体から直径方向に延びるように取付けたものであって、攪拌羽根はそれぞれ水平に対して45゜の角度を有するように傾斜している。この攪拌羽根は、その最下縁が試料容器の底から8mmの距離に位置する。
なお、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗率の測定に際しては、200mLメスシリンダーで遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体150mLを計量し、重量を記録した後、試料容器に全量を投入し、300rpmで30分間上記攪拌機を用いて攪拌した後、試料容器から試料を取り出し、全量を目開き0.5mmの篩に移し、この篩を通過した試料の重量を測定する。ここに、試料の摩耗率Aは、目開き0.5mmの篩を通過した試料の重量をWとし、測定に供した試料の重量をW
0とするとき、A=(W/W
0)×100(%)である。
【0027】
なお、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「摩耗率」は、2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下である。
【0028】
また、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の特性を示す別の指標として「比表面積」がある。
本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の比表面積は以下の方法で測定をすることができる。
本発明ではBET法を使用して測定する。詳しくは、以下の通りである。
BET法は,粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。
本発明では、比表面積測定装置は、2300形 自動測定装置{島津製作所(株)製造元}を使用する。
【0029】
なお、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「比表面積」は、30m
2/g以上であり、好ましくは33m
2/g〜65m
2/g、より好ましくは35m
2/g〜50m
2/gである。
さらには、使用前の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒の比表面積は、35m
2/g〜50m
2/gである。
比表面積が大きいほど、顆粒体と廃プラスチックとの接触面が大きくなり、分解効率を上げることができる。しかし、比表面積が大きすぎると耐熱性が弱くなり、かつ顆粒体が崩れやすく粉末化しやすくなる。
【0030】
本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の「摩耗耐性」は、実施例6の結果より、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持していない酸化チタンの顆粒体(従来の酸化チタン顆粒体)の「摩耗耐性」と比較して、約1.63倍高いことを確認している。
すなわち、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法に用いる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体は、従来の酸化チタン顆粒体と比較して、長時間使用しても分解効率が低下しない。
【0031】
また、本発明の「遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒」は、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの細孔容積が0.10cc/g〜0.80cc/g、好ましくは0.20cc/g〜0.60cc/g、より好ましくは0.30cc/g〜0.55cc/g、最も好ましくは0.40cc/g〜0.50cc/gである。
なお、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒の細孔容積の測定方法は、自体公知の方法を利用することができるが、本発明では水銀圧入法を使用して測定する。詳しくは、以下の通りである。
【0032】
水銀圧入法は、水銀の表面張力が大きいことを利用して粉体の細孔に水銀を浸入させるために圧力を加え、圧力と圧入された水銀量から細孔容積を求める方法である。
本発明では、Thermo Finnigan社製のポロシメーター(水銀圧入式 最高圧力:200MPa)を使用した。
【0033】
本発明の「遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒」は、上記特性を有することにより、長時間にわたって廃プラスチック、有機物を高効率にて分解することができる。
さらに、本発明の「遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒」は、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の粒子径の分布が、従来の酸化チタン触媒の粒子径分布より狭い。よって、酸化チタンの顆粒体の粒子分布よりも大きい篩及び小さい篩を使用することで、該顆粒体と異物(プラスチックに混在する金属・無機物等)を容易に分離することができる。
【0034】
本発明で使用する「酸化チタンの顆粒体の製造方法」は、上記記載の無機酸化物の粉砕物をチタニアゾル、シリカゾル、アルミナゾル及びジルコニアゾルから選ばれる少なくとも1種のゾルの存在下に攪拌造粒して球状の顆粒とした後、400℃〜850℃の範囲の温度で焼成する。そして、篩分けによって、粒径を0.10mm〜1.20mmの範囲を持つ焼成した後の顆粒体を得る。
【0035】
なお、上記攪拌造粒は、よく知られているように、粉体(本発明においては、前記無機酸化物の粉体)と液体バインダー(本発明においては、前述したゾル)を攪拌して、ゾルによる粉体の凝集と共に、高速の攪拌羽根によるせん断効果によって、上記粉体の圧密化された凝集体を得る造粒をいい、用いるゾルの量、攪拌羽根の回転数、造粒時間等によって、得られる凝集粒の圧密度や粒度を任意に調整することができる。また、攪拌造粒装置の造粒容器内の底盤を適宜に選択することによって、得られる凝集体の形状を、より一層、球状化することもできる。
【0036】
本発明において、前記無機酸化物を攪拌造粒するための造粒機は、特に限定されるものではないが、例えば、(株)奈良機械製作所製混合造粒機NMGシリーズ、深江パウテック(株)製ハイスピードミキサーやハイフレックスグラル、日本アイリッヒ(株)製アイリッヒインテンシブミキサー(アイリッヒ逆流式高速混合機)、(有)G−LABO製高速攪拌造粒機HSGシリーズ、(株)ダルトン製混練・高速攪拌造粒機SPGシリーズや高速混合・細粒機スパルタン・リューザー、(株)パウレック製バーチカル・グラニュレータVG−CTシリーズ等が好ましく用いられる。
【0037】
前記無機酸化物を前記ゾルの存在下に攪拌造粒し、かくして得られた顆粒の球状性を一層高めると共に、粒度分布を一層精密なものとするために、攪拌造粒して得られた顆粒を前記ゾルの存在下に転動造粒と流動層造粒から選ばれる少なくとも1種の方法にて更に造粒してもよい。
この造粒に際して、得られる顆粒をより硬くして、その摩耗性を一層向上させるために、前記ゾルと共に、前記無機酸化物の粉砕物や前記ゾルを乾燥、焼成した後、粉砕して得られる粉砕物との混合物を用いてもよい。
【0038】
転動造粒は、既によく知られているように、粉体と液体バインダーの混合物に転動運動を与えて、凝集粒を得る造粒法をいい、流動層造粒も既によく知られているように、粉体の流動層に液体バインダーを供給して、粒子間のバインダーによる架橋を形成させて凝集粒を得る造粒法をいう。
このようにして、前記無機酸化物を攪拌造粒し、更に、転動造粒と流動層造粒から選ばれる少なくとも1種の方法にて更に造粒した後、前述したように、400℃〜850℃の範囲の温度で焼成し、この後、篩分けによって、粒径が0.1mm〜1.2mmの範囲にある粒子を集めることによって、必要な粒度を有する顆粒体を本発明による触媒として得ることができる。
【0039】
このような造粒のための転動造粒機や流動層造粒機(複合型造粒機)もまた、本発明においては、特に限定されるものではないが、例えば、(株)ダルトン製の流動層造粒装置「ニュー/マルメライザー」や球形整粒機「マルメライザー」、(株)パウレック製の流動層造粒装置や転動流動コーティング装置「マルチプレックス」シリーズ等を挙げることができる。
【0040】
上記で得られた顆粒体を、以下の方法により、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持させることにより、本発明の「遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体」を得ることができる。詳しい方法は、以下の通りである。
遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を酸化チタン顆粒体に担持させる方法は、従来より種々知られている。
本発明の触媒は、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持させる方法によって何ら限定されるものではなく、例えば、含浸法、混練法、沈着法、イオン交換法、共沈法、又はこれらの組み合わせ等により実行できる。しかし、本発明による触媒は、これらのなかでも、含浸法によって担持させることが好ましい。
含浸法によれば、高い活性と摩耗強度を有する触媒を得ることができる。該方法によれば、硝酸塩や酢酸塩など可溶性の遷移金属塩の水溶液に上記で得られた顆粒体を浸漬し、さらに乾燥した後、200℃〜500℃で焼成することにより得ることができる。
更に、本発明によれば、かかる遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を前述したような顆粒体に担持させる場合、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物の担持量は、通常、0.1重量%〜10重量%の範囲である。遷移金属及び/又は遷移金属酸化物分の担持量がそれぞれ前記下限値よりも少ないときは、触媒に十分な活性を有せしめることができず、一方、担持率がそれぞれ前記上限値を越えても、それに見合う触媒活性の増大を得ることができない。しかし、必要に応じて、それぞれ上記上限値を越えて、顆粒体に遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持させてもよい。
【0041】
本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法で使用する廃プラスチック・有機物の分解装置は、公知の分解装置のいずれでも良い。しかしながら、本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体は、非常に分解効率が高いでの、従来のバッチ式分解装置よりも、該顆粒体と廃プラスチック・有機物の接触効率が高い触媒循環式廃プラスチック・有機物の分解装置が好ましい。なお、触媒循環式廃プラスチック・有機物の分解装置は、国際公開2007/122967号公報に記載されている。
【0042】
さらに、上記廃プラスチック・有機物の分解装置では、上記廃プラスチック・有機物処理手段に加え酸化触媒処理手段及び/又は還元触媒処理手段を含み、さらに好ましくは石灰中和処理手段を含む。
【0043】
また、本発明の分解方法で使用する分解装置では、以下のいずれか1以上の手段を有することができる。
(1)アルミナ触媒処理手段
(2)廃プラスチック・有機物の破砕手段
(3)担体ガス供給手段
(4)廃プラスチック・有機物処理手段の反応槽から排出される飛散した金属・無機物及び/又は触媒を回収する手段。
(5)サイクロン集塵手段(第1集塵手段)
(6)バグフィルター付き集塵手段(第2集塵手段)
(7)熱交換手段
(8)プレヒーター手段
(9)排気ブロアー手段
(10)冷却手段
(11)熱回収手段
(12)塩化水素連続測定手段
(13)CO連続測定手段
(14)警報手段
(15)酸化触媒処理手段・還元触媒処理手段
【0044】
本発明の「廃プラスチック・有機物の分解システム」は、上記いずかに記載の分解装置を使用して、さらに本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体を使用して廃プラスチック・有機物の分解を行うことを意味する。
【0045】
さらに、本発明の廃プラスチック・有機物の分解方法又は分解システムには、例えば、処理する廃プラスチックがポリ塩化ビニル、ポリウレタン、テフロン(
登録商標)等、様々な医療廃棄物プラスチックの場合には、処理工程中に塩化水素、硫黄化合物、フッ化水素、シアンガス、窒素含有化合物が生成する。塩化水素等をそのまま大気放出させることができない。よって、好ましくは、石灰中和処理手段を導入する。
【0046】
遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体からなる触媒と廃プラスチックの攪拌は、反応容器の容積量、攪拌羽根の形状及び攪拌方法により差は有るが、回転数は5rpm〜80rpm、好ましくは10rpm〜60rpmである。なお、反応容器がバッチ方式又は循環方式でも同様な回転数が好ましい。
これは、回転数が速すぎると、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの摩耗が大きい、しかし回転数を遅くすると、遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンと廃プラスチック及び/又は有機物の接触効率が落ちることを考慮した値である。
【0047】
本発明の分解方法又は分解システムに適用することができる廃プラスチック、有機物は、特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等の、汎用の熱可塑性プラスチックのほか、熱硬化性プラスチックも本発明の方法によって分解し、ガス化することができる。また、廃プラスチック、有機物は、破砕して、数mm
3角程度の大きさにしたものが分解効率から好ましいが、破砕することなく分解処理もすることができる。
なお、本発明の廃プラスチック、有機物分解方法の分解対象は、プラスチック例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、テフロン(
登録商標)、また、ナイロン(例えば、6ナイロン等)、ABS樹脂、ガラス基板エポキシ樹脂積層板、オムツ、人工透析装置、抗がん剤、遺伝子研究関係処理物、細菌・微生物処理物、情報端末物、機密情報物(例えば、CD-R等)、オイル類(例えば、シリコンオイル等)、自動車・家電廃プラ、有価物金属回収、有機物と金属無機物の分離等が挙げられるが、有機物を含め、特に限定はされない。さらに、医療廃棄物の場合では、用途に応じてステンレス、アルミニウムなどの金属が混在していたり、表面に金属が蒸着、貼着等されていたりする。また、廃プラスチックとは、使用済みプラスチックのみを対象とするのではなく、未使用であるが不要なプラスチック、有機物も対象とする。
【0048】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0049】
(本発明の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体の製造)
下記の複数の方法により、本発明で使用する遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンを製造した。詳細は、以下の通りである。
【0050】
(1)酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体1
硫酸法による酸化チタン製造工程のうち、加水分解工程から得られたチタン水酸化物のスラリーを濾過、水洗し、これをリパルプして、スラリーAを得た。このスラリーAにゾル化剤として硝酸を加え、チタン酸化物のゾルBを得た。更に、このゾルBの一部を100℃に加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、酸化チタン焼成物Cを得た。
この酸化チタン焼成物Cを粉砕し、得られた粉砕物を(株)ダルトン製高速攪拌造粒機SPG−25型を用いて、攪拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、酸化チタン粒子を得た。
この酸化チタン粒子を100℃で3時間乾燥し、次いで、600℃で焼成し、目開き1.19mmと0.104mmの篩で篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を100重量%とした。
なお、本発明において、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体は、ステンレス製金網からなる標準篩15メッシュ(線径0.5mm、目開き1.19mm)と150メッシュ(線径0.065mm、目開き0.104mm)を用いて篩分けし、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)をいうものとする。
詳しくは、次のようにして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。即ち、(株)吉田製作所製ロータップ式標準篩振盪機の上蓋に上記15メッシュ標準篩を取り付け、下受皿に上記150メッシュ標準篩を取り付け、15メッシュ標準篩上に酸化チタン顆粒体100gを試料として供給し、振盪回転数300rpm、打数150回/分で3分間篩分けして、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)を粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体として得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタンの顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0051】
(2)酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体2
上記(1)で得られたチタン水酸化物のスラリーAを100℃で加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中にて500℃で3時間焼成し、粉砕処理して、酸化チタン焼成物Dの粉砕物を得、この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と前記酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部を混合した。
この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部の混合物を上記(1)と同様に処理し、得られた粒子を乾燥、焼成し、篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタンの顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0052】
(3)酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体3
上記(1)で得られた酸化チタンの顆粒に転動造粒機「マルメライザー」にて前記酸化チタンCの粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた粒子を上記(1)と同様に処理し、粒径が0.1mm〜1.2mmの範囲の顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタンの顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0053】
(4)酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体4
上記(1)で得られたチタン酸化物のゾルBとタングステン酸アンモニウムを混合した。この混合物を100℃に加熱、乾燥して、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、チタン/タングステン複合酸化物(酸化チタン/酸化タングステン重量比90:10)の焼成物を得た。
このチタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物を粉砕して、粉砕物を得た。この粉砕物を(株)ダルトン製高速攪拌造粒機SPG−25型を用いて、攪拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、チタン/タングステン複合酸化物顆粒を得た。
次いで、この顆粒に球形整粒機「マルメライザー」にて上記チタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物の粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた顆粒を上記(1)と同様に処理し、粒径が0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持したチタン/タングステン複合酸化物の顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0054】
(5)遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体5
上記(1)〜(4)に記載の方法と同様な方法で、CuOの代わりに、Co
3O
4、Fe
2O
3、Mn
2O
3及びNiOを担持した酸化チタン顆粒体を得た。
【0055】
上記遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体1〜5の特性は、いずれも以下の範囲に含まれていることを確認した。
BET法による比表面積:30m
2/g〜50m
2/g
水銀圧入法による細孔容積:0.20cc/g〜0.60cc/g
タップ密度:1.00g/mL〜1.80g/mL
摩耗率:2.0重量%以下
顆粒体の滑り始める角度:0.5度〜15.0度
全ての顆粒体が滑り終わる角度:2.0度〜30.0度
真円度:1.00〜2.00
安息角度:15度〜35度
【0056】
(従来の酸化チタンの顆粒体の製造)
国際公開2010/021122号公報に記載の方法に従い、酸化チタンの顆粒体を得た。該酸化チタンの顆粒体の特性は以下の通りである。
比表面積(m
2/g):39.3
細孔容積(cc/g):0.42
平均細孔径(Å):624
【実施例2】
【0057】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の処理能力の確認)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の処理能力を、従来品の酸化銅を担持していない酸化チタン顆粒体と比較した。各条件及び使用する装置は、以下の通りである。
【0058】
1.実験装置(反応容器): 1kg 容量撹拌式分解実験機
2.導入エアー流量:50L/min
3.反応容器内温度:480度
4.使用した触媒:800g
実施例1(1)で得られた1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体
従来の酸化チタンの顆粒体
5.廃プラスチック:ポリエチレンペレット(投入間隔は1分間)
6.廃プラスチック投入量:0.2g/min、0.4 g/min、0.8g/min
7.分解槽撹拌羽根回転数:60rpm
8.排気量:340 L/min(排気ブロア60Hz)
9.分解槽ガス採取量:0.4 L/min
10.ガス濃度{NO/NOx、CO、CO
2、O
2、SO
2}の測定は、ガス濃度連続測定器PG-250(製造元:堀場製作所)を用いた。
なお、廃プラスチック分解では、O
2を使用して、プラスチック(有機物)をH
2OとCO
2に分解する。よって、多くのO
2を消費し、さらに多くのCO
2を発生させていることは、分解能力(効率)が高い指標となる。加えて、SO
2発生量はメタン生成反応の指標となり、CO発生量は有機物の未分解の指標となる。よって、SO
2発生量が低く、さらにCO発生量が低いことは、分解能力(効率)が高い指標となる。
11:その他
石灰700g、MnO
2触媒入口温度200℃、Pt触媒入口温度400℃
【0059】
(1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体での分解結果)
1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の処理能力の結果を
図2〜
図4に示す。
ポリエチレンペレット0.2g/min投入(
図2)に関し、CO濃度が約50〜92ppmまで上昇し、CO
2濃度は約2.0〜2.2vol%であり、SO
2濃度が約6ppmまで上昇した。
ポリエチレンペレット0.4g/min投入(
図3)に関し、CO濃度が約90〜150ppmまで上昇し、CO
2濃度は約4.0〜4.5vol%であり、SO
2濃度が約8.0〜15ppmまで上昇した。
ポリエチレンペレット0.8g/min投入(
図4)に関し、CO濃度が約150〜360ppmまで上昇し、CO
2濃度は約3.0〜7.5vol%であり、SO
2濃度が約10〜170ppmまで上昇した。
なお、上記いずれの結果でも、反応容器内の遷移金属及び/又は遷移金属酸化物を担持した酸化チタンの顆粒体量は、変化しなかった。
【0060】
(従来品の酸化チタン顆粒体での分解結果)
従来品の酸化チタン顆粒体の結果を
図5に示す。
ポリエチレンペレット0.2g/min投入に関し、CO濃度が約3500〜4600ppmまで上昇し、CO
2濃度は約1.0〜1.4vol%であり、SO
2濃度が約40〜470ppmまで上昇した。
【0061】
(1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の分解効率と従来品の酸化チタン顆粒体の分解効率の比較)
ポリエチレンペレット0.2g/min投入の場合における、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体での分解効率と従来品の酸化チタン顆粒体での分解効率をCO発生量及びSO
2濃度発生量で比較した。
CO発生量に関し、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は約50〜92ppmであり、一方、従来品の酸化チタン顆粒体は約3500〜4600ppmであった。よって、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の分解能力(CO発生量での比較)は、従来品の酸化チタン顆粒体と比較して、約38〜92倍である。
SO
2発生量に関し、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は約6ppmであり、一方、従来品の酸化チタン顆粒体は約40〜470ppmであった。よって、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の分解能力(SO
2発生量での比較)は、従来品の酸化チタン顆粒体と比較して、約6〜78倍である。
【実施例3】
【0062】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の各種プラスチック等の処理能力の確認)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の各種プラスチック等の処理能力を確認した。加えて、シリコンオイルについても、本発明の酸化チタンの顆粒体の処理能力を従来品の酸化チタン顆粒体の処理能力と比較した。各条件及び使用する装置は、以下の通りである。
【0063】
1.実験装置(反応容器): 1kg 容量撹拌式分解実験機
2.導入エアー流量:最終排ガス中のO
2濃度が12%になるように設定
3.反応容器内温度:430℃〜530℃(処理するプラスチックの種類毎に設定)
4.使用した触媒:800g
実施例1(1)で得られた3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体
従来の酸化チタンの顆粒体(シリコンオイルのみ実施)
5.処理するプラスチック等:ポリエチレン、PET、ポリカーボネート、ポリスチレン、6ナイロン、塩化ビニル、ABS、ポリウレタン、シリコンオイル、ガラス基板エポキシ樹脂積層板
6.プラスチック等投入量:1.0g/min、1.5g/min、2.0g/min、0.5ml、1.0ml(参照:
図6)
7.分解槽撹拌羽根回転数:60rpm
8.排ガス流量:供給エアーが排ガス温度で膨張する分を加味して分解槽が若干負圧になるよう排気量を設定
9.還元触媒入口温度:200℃
10.酸化触媒入口温度:450℃(ただし、シリコンオイルは500℃、ガラス基板エポキシ樹脂積層板は530℃)
11.ガス濃度(NOx、CO、CO
2、O
2、CH
4)の測定は、ガス濃度連続測定器PG-250(製造元:堀場製作所)を用いた。
12.分解処理方法:各プラスチック(シリコンオイル、ガラス基板エポキシ樹脂積層板を除く)を1g/min、1.5g/min、2g/min n=5回連続投入した。ただし、シリコンオイルは0.5ml/min、1ml/min 各n=5回連続投入し、ガラス基板エポキシ樹脂積層板は1g/min、2g/min 各n=5回投入とした。
投入のタイミングは分解槽の触媒温度が設定温度より一旦下がり、上昇し始めて設定温度近くに達した時点でn=1の投入開始とした。以後、1分毎に連続投入した(ただし、PET1g/minの時のみ温度下降時設定温度まで達した時に投入した)。
【0064】
(3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の各種プラスチック等の分解結果)
3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の各種プラスチック等の分解結果を
図6に示す。
図6から明らかなように、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は、ポリエチレン、PET、ポリカーボネート、ポリスチレン、6ナイロン、塩化ビニル、ABS、ポリウレタン、シリコンオイル及びガラス基板エポキシ樹脂積層板を完全に分解した。
さらに、シリコンオイル0.5ml投入に関し、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体で処理した場合にはCO濃度が47ppmまで上昇したが、従来の酸化チタンの顆粒体で処理した場合にはCO濃度が1200ppmまで上昇した(図なし)。よって、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の分解能力(CO発生量での比較)は、従来品の酸化チタン顆粒体と比較して、約25倍である。
【実施例4】
【0065】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の温度変化による処理能力の確認)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の温度変化による処理能力の変化を確認した。各条件及び使用する装置は、以下の通りである。
【0066】
1.実験装置(反応容器): 1kg 容量撹拌式分解実験機
2.導入エアー流量:常温50L/min
3.反応容器内の酸化チタン設定温度:300℃〜420℃(参照:
図7A)
4.使用した触媒:800g
実施例1(1)で得られた3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体
従来の酸化チタンの顆粒体
5.処理するプラスチック:ポリエチレン
6.ポリエチレン投入量:1.0g/回
7.分解槽撹拌羽根回転数:60rpm
8.排ガス流量:120L/min
9.還元触媒入口温度:200℃
10.酸化触媒入口温度:530℃
11.ガス濃度{CO、CO
2、O
2}の測定は、ガス濃度連続測定器PG-250(製造元:堀場製作所)を用いた。
【0067】
(3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の温度変化による分解能力の結果)
3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の温度変化による分解能力の結果を
図7A〜Cに示す。
図7Aから明らかなように、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の300℃、320℃、340℃、360℃、380℃、400℃及び420℃での分解能力は、従来の酸化チタンの顆粒体の300℃、320℃、340℃、360℃、380℃、400℃及び420℃での分解能力と比較して、非常に高いことを確認した。
また、
図7Bから明らかなように、従来の酸化チタンの顆粒体の分解能力は、340℃付近から急激に上昇している。一方、
図7Cから明らかなように、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の分解能力は、300℃付近から急激に上昇している。すなわち、銅を担持した酸化チタン顆粒体は、従来の酸化チタンの顆粒体と比較して、低温でも分解効率が高い。
よって、銅を担持した酸化チタン顆粒体の最適の加熱温度領域は、従来品の酸化チタン顆粒体の最適の加熱温度領域と比較して、広いことを確認した。
【実施例5】
【0068】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の最適な銅担持量の確認)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の最適な銅担持量を確認した。各条件及び使用する装置は、以下の通りである。
【0069】
1.実験装置(反応容器): 小型撹拌式実験機
2.導入エアー流量:50L/min
3.反応容器内温度:480℃
4.使用した触媒:800g
実施例1(1)で得られた1重量%、2重量%、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体
従来の酸化チタンの顆粒体
5.処理するプラスチック等:ポリエチレン
6.プラスチック等投入量:
図8を参照
7.分解槽撹拌羽根回転数:60rpm
8.排ガス流量:340L/min(排気ブロア60Hz)
9.分解槽ガス採取量:0.4L/min
10.石灰ペレット:700g
11.MnO
2触媒入口温度:200℃
12.Pt触媒入口温度:400℃
13.ガス濃度(CO、CO
2、O
2、CH
4)の測定は、ガス濃度連続測定器PG-250(製造元:堀場製作所)を用いた。
【0070】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の最適な銅担持量の確認結果)
各重量(1重量%、2重量%、3重量%)の酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体での分解能力の結果を
図8に示す。
図8から明らかなように、各重量の酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体での分解能力は、従来の酸化チタンの顆粒体での分解能力と比較して、非常に高いことを確認した。
また、CO発生量に関し、1重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は418ppmであり、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は145ppmであり、及び5重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体は199ppmであった。よって、本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の最適な銅担持量範囲は、3重量%〜5重量%であることを確認した。
【実施例6】
【0071】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗耐性の確認)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗耐性を従来品の酸化チタン顆粒体の摩耗耐性と比較した。各条件及び使用する装置は、以下の通りである。
【0072】
(1)試験機
小型攪拌式実験機の撹拌羽根の底面及び垂直羽根に#180のサンドペーパーを取り付け、酸化チタン顆粒体触媒中でこの羽根を回転させて実施した。
(2)使用した酸化チタン触媒
実施例1(1)で得られた3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体
従来の酸化チタンの顆粒体
(3)試験条件
撹拌羽根回転数:60rpm
試験時間:24時間
摩耗量の測定:試験前に50メッシュ(目開き0.3mm)の篩で微粉を取り除いた酸化チタンを試験機に充填し、24時間撹拌した。該撹拌後、酸化チタン触媒を同じ50メッシュの篩で篩上、篩下に分け、それぞれの重量を測定した。
【0073】
(本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗耐性の確認結果)
本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の摩耗耐性の確認結果を
図9に示す。
図9から明らかなように、3重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体の摩耗率は、従来品の酸化チタン顆粒体の摩耗率と比較して、約1.63倍低いことを確認した。よって、本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の使用可能時間は、従来品の酸化チタン顆粒体の使用可能時間と比較して、約1.63倍長い。
【0074】
(総論)
以上により、本発明の酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体の処理能力は、従来品の酸化チタン顆粒体の処理能力と比較して、少なくても約6倍以上であることがわかった。加えて、本発明の酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体の最適の加熱温度領域は、従来品の酸化チタン顆粒体の最適の加熱温度領域と比較して、広く、低温でも高い処理能力を示す。さらに、本発明の酸化銅を担持した酸化チタンの顆粒体の使用可能時間は、従来品の酸化チタン顆粒体の使用可能時間と比較して、約1.63倍長い。
【0075】
その他、本発明のすべての実施例は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。