(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
基板の感光面とパターンが形成されたマスクとを対面させた状態として、基板の感光面を露光することにより、基板にパターンを転写する露光装置は従来から種々知られている。この種の露光装置においては、基板の感光面を除塵するだけでなく、マスク板と基板とが対面するマスク側の面(マスク板のパターン面という。)を除塵することが重要である。これは、マスク板のパターン面に塵埃が存在していると、露光した際にマスクに形成されているパターンとともに塵埃までが転写されてしまい、当該基板が不良品となってしまうといった不具合が発生するからである。
【0003】
このような不具合の発生を防ぐために、基板の感光面だけではなく、マスク板のパターン面の除塵を可能とした露光装置は従来から提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図8は、特許文献1に記載されている露光装置900を説明するために示す図である。特許文献1に開示されている露光装置900(以下、従来の露光装置900という。)は、
図8に示すように、基板供給ステージ901と、位置出しステージ902と、露光ステージ903と、搬出ステージ904と、基板保持ステージ905と、基板906の感光面を除塵する基板除塵部としての基板除塵ローラー907と、マスク板908のパターン面を除塵するマスク除塵部としてのマスク除塵ローラー909とを有している。
【0005】
基板保持ステージ905は、
図8におけるz軸に沿った方向に昇降可能な吸着プレート910を有している。吸着プレート910は、露光対象となる基板906を吸着・吸着解除するものであり、基板保持ステージ905とともにx軸に沿った方向に往復動可能となっている。
【0006】
基板除塵ローラー907は、位置出しステージ902に取り付けられており、x軸に沿った位置は固定であるが、z軸に沿った方向への昇降動作が可能となっている。一方、マスク除塵ローラー909は、基板保持ステージ905に取りつけられており、基板保持ステージ905とともにx軸に沿って進行可能となっているとともに、z軸に沿った方向への昇降動作が可能となっている。なお、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909の昇降動作は、
図8においては図示されていない駆動機構によって行われる。
【0007】
このような従来の露光装置900において、露光対象となる基板906が基板供給ステージ901上に載置されている状態を初期状態としたとき、当該初期状態においては、基板除塵ローラー907は下降した状態(位置出しステージ902内に収納された状態)となっており、マスク除塵ローラー909は上昇した状態(基板保持ステージ905の内部に収納された状態)となっている。また、この初期状態においては、基板保持ステージ905は、基板供給ステージ901に対向した位置あり、吸着プレート910は上昇している。このため、吸着プレート910は、基板供給ステージ901上に載置されている基板906から離間した位置にある。
【0008】
このような初期状態において、まずは、基板保持ステージ905から吸着プレート910が下降して基板906を吸着保持し、当該吸着プレート910は上昇する。この状態で基板保持ステージ905は、x軸に沿って
図8における右方向に進行する。そして、基板保持ステージ905が位置出しステージ902上に達すると、吸着プレート910が下降して基板906を位置出しステージ902上に載置し、吸着プレート910は基板906の吸着を解除して上昇する。
【0009】
そして、位置出しステージ902は、基板906の位置出しを行う。一方、基板除塵ローラー907は駆動機構によって上昇し、位置出しステージ902から上方に突出した状態となるとともに、マスク除塵ローラー909は駆動機構によって下降して基板保持ステージ905から下方に突出した状態となる。その後、吸着プレート910が下降して基板906を吸着して上昇する。このとき、
図8に示すように、基板除塵ローラー907は基板906よりも進行方向の前方側に位置し、マスク除塵ローラー909は、マスク908よりも進行方向の後方側に位置する。
【0010】
この状態で、基板保持ステージ905がx軸に沿ってさらに進行することにより、吸着プレート910に吸着保持されている基板906も基板保持ステージ905とともに進行する。このとき、基板906の感光面には基板除塵ローラー907が接触しており、その状態で基板906は進行して行く。これにより、基板906の感光面は基板除塵ローラー907によって除塵される。
【0011】
一方、マスク除塵ローラー909は、基板保持ステージ905とともに進行する。このとき、マスク除塵ローラー909はマスク908の表面に接触しながら進行するため、マスク板のパターン面はマスク除塵ローラー909によって除塵される。
【0012】
その後、基板保持ステージ905が露光ステージ903上に到達すると、吸着プレート910が下降して基板906を露光ステージ903のマスク908の表面に密着させたのち、吸着プレート910は上昇し、基板保持ステージ905はx軸に沿って逆方向(図示の左方向)に戻って行く。
【0013】
このように、基板保持ステージ905が露光ステージ903に向かって進行動作を行う過程で、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909により基板906の除塵及びマスク908の除塵を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来の露光装置900においては、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909は、当該基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909を昇降させるための駆動機構を設け、当該駆動機構によって、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909を昇降させるとともに、当該駆動機構によって、所定の押圧力で基板906の感光面及びマスク908の表面に適切な押圧力で接触させるようにしている。なお、駆動機構としては、例えば、エアシリンダーなどが例示されている。
【0016】
このように、従来の露光装置900においては、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909を昇降させるための駆動機構を設ける必要があり、また、特許文献1には明示されていないが、基板除塵ローラー907及びマスク除塵ローラー909を昇降させる際のタイミング制御や押圧力の制御などを行う必要がある。このため、このような制御を行うため制御プログラを作成する必要があるとともに、当該制御プログラムに沿った制御を行う制御装置も必要となる。このように、従来の露光装置900においては、基板及びマスク板のパターン面の除塵を行うための機構全体が複雑となるといった課題がある。
【0017】
また、従来の露光装置900においては、基板保持ステージ905がx軸に沿って進行する過程で、吸着プレート910を昇降させて基板906を吸着・吸着解除する動作を繰り返し行うようにしている。
【0018】
すなわち、基板供給ステージ901に載置されている基板906を吸着プレート910が吸着したのち、基板保持ステージ905が位置出しステージ902上に到達すると、位置出しステージ902上で吸着プレート910が下降して吸着を解除し、基板906を位置出しステージ902上に載置したのち再び上昇し、位置出しが終了後に、吸着プレート910が再び下降して基板906を吸着して上昇し、その後、基板保持ステージ905が露光ステージ903上に到達すると、露光ステージ903上で吸着プレート910が下降して吸着を解除し、基板906を露光ステージ903上に載置したのち再び上昇するといった動作を行う。
【0019】
このように、従来の露光装置900は、基板保持ステージ905が進行する動作に加えて、位置出しステージ902上及び露光ステージ903上などでその都度、吸着プレート910が昇降動作を行って、基板906を吸着・吸着解除する動作を行う必要がある。このため、従来の露光装置900は、基板供給ステージ901の基板906を露光ステージ903に搬送するまでに多くの時間を要し、大量の基板を高速に露光する場合には課題が残る。
【0020】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、基板の感光面及びマスク板のパターン面を除塵するための機構全体を簡単化することができるとともに、大量の基板を高速に露光することができる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
[1]本発明の露光装置は、基板の感光面とマスク板のパターン面とを対面させて前記基板の感光面を露光する露光装置であって、前記基板を保持した状態で、x軸及びy軸によって形成されるxy平面をx軸に沿って往復動可能で、かつ、xy平面に直交するz軸に沿って昇降可能な基板保持ステージと、前記マスク板を当該マスク板の厚み方向に突出させた状態で保持する露光ステージと、前記基板保持ステージがx軸に沿って前記マスク板に向かう側を前方側、当該前方側とは反対側を後方側とし、前記マスク板のパターン面を押圧する方向を第1方向、前記基板の感光面を押圧する方向を第2方向としたとき、前記基板保持ステージの前方側の端部から前方側に突出した突出部に取り付けられており、前記基板保持ステージとともに前方側に進行することによって前記第1方向の力が働いた状態で前記マスク板のパターン面を除塵して行くマスク除塵部と、前記基板保持ステージが初期位置にあるときの当該基板保持ステージよりも前方側で、かつ、前記露光ステージよりも後方側の所定位置に配置されている基板除塵部支持プレートに取り付けられており、前記基板保持ステージが前記初期位置から前方側に進行することによって前記第2方向の力が働いている状態で前記基板の感光面を除塵して行く基板除塵部と、前記基板保持ステージをx軸に沿って往復動行可能とするとともにz軸に沿って昇降可能とするための基板保持ステージ駆動機構部と、前記基板保持ステージ駆動部を制御することによって前記基板保持ステージの往復動及び昇降を制御する基板保持ステージ制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の露光装置によれば、マスク除塵部及び基板除塵部を昇降させるための駆動機構は不要となり、また、マスク除塵部及び基板除塵部を昇降させる際のタイミング制御や押圧力の制御などを行う必要がないため、このような制御を行うための制御装置も不要となる。それにより、本発明の露光装置によれば、マスク板のパターン面及び基板の感光面を除塵するための機構全体を簡単化することができる。
【0023】
また、本発明の露光装置によれば、基板保持ステージは、基板を保持したままの状態で進行して行くため、基板保持ステージが進行して行く過程で、基板の保持を解除したり、基板を保持したりといった動作を行うことなく基板を露光ステージまで搬送させることができる。これにより、本発明の露光装置によれば、基板を露光ステージに搬送するまでに要する時間を短くすることができ、大量の基板を高速に露光することができる。
【0024】
[2]本発明の露光装置においては、前記マスク除塵部は、前記マスク板のパターン面に接触した状態となると、前記マスク板から与えられる、前記第1方向の力に抗する力を吸収しながら前記基板保持ステージの進行に伴って前記マスク板のパターン面を除塵する動作を行い、前記基板除塵ローラーは、前記基板の感光面に接触した状態となると、前記基板から与えられる、前記第2方向の力に抗する力を吸収しながら前記基板保持ステージの進行に伴って前記基板の感光面を除塵して行く動作を行うことが好ましい。
【0025】
このように、マスク除塵部はマスク板のパターン面に接触した状態となると、マスク板から与えられる、第1方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージの進行に伴ってマスク板のパターン面を除塵して行く。また、基板除塵部は、基板の感光面に接触した状態となると、基板から与えられる、第2方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージの進行に伴って前記基板の感光面を除塵して行く。
【0026】
このため、マスク除塵部及び基板除塵部はそれぞれが適切な押圧力でマスク板のパターン面及び基板の感光面に接触することできる。これにより、マスク除塵部及び基板除塵部を昇降させる際のタイミング制御や押圧力の制御などを行う必要がなく、このような制御を行うための制御装置も不要となる。
【0027】
[3]本発明の露光装置においては、前記マスク除塵部は、少なくとも表面に粘着力を有するロール状をなしており、前記マスク除塵部が前記マスク板のパターン面を除塵して行く動作は、前記マスク板のパターン面に接触した状態で回転して行く動作であることが好ましい。
これにより、マスク板のパターン面を効率よく、かつ、確実に除塵することができる。
【0028】
[4]本発明の露光装置においては、少なくとも表面に前記マスク除塵部の有する粘着力よりも強い粘着力を有するロール状をなしており、前記マスク除塵部の表面に接触した状態で前記マスク除塵部の回転とともに回転する補助マスク除塵部をさらに備えることが好ましい。
【0029】
このような補助マスク除塵部を設けることにより、マスク除塵部に付着した塵埃を補助マスク除塵部側に付着させせることができ、マスク除塵部を長時間使用することができ、マスク除塵部のメンテナンスを容易なものとすることができる。
【0030】
[5]本発明の露光装置においては、前記基板除塵部は、少なくとも表面に粘着力を有するロール状をなしており、前記基板除塵部が前記基板の感光面を除塵して行く動作は、前記基板の感光面に接触した状態で回転する動作であることが好ましい。
これにより、基板の感光面を効率よく、かつ、確実に除塵することができる。
【0031】
[6]本発明の露光装置においては、少なくとも表面に前記基板除塵部の有する粘着力よりも強い粘着力を有するロール状をなしており、前記基板除塵部の表面に接触した状態で前記基板除塵部の回転とともに回転する補助基板除塵部をさらに備えることが好ましい。
【0032】
このような補助基板除塵部を設けることにより、基板除塵部に付着した塵埃を補助基板除塵部側に付着させせることができ、基板除塵部を長時間使用することができ、基板除塵部のメンテナンスを容易なものとすることができる。
【0033】
[7]本発明の露光装置においては、前記基板保持ステージは、前記基板の感光面がz軸に沿って上方を向くように当該基板を保持し、前記露光ステージは、前記マスク板のパターン面がz軸に沿って下方を向くように前記マスク板を保持することが好ましい。
【0034】
このように、基板の感光面が上方を向くように配置するとともに、マスク板のパターン面が下方を向くように配置することにより、基板を基板保持ステージに保持させる動作と、基板を保持した基板保持ステージが進行する動作とを、効率よく、かつ安定して行うことができる。
【0035】
すなわち、基板を基板保持ステージに載せる際において、例えば、露光対象となる基板が多数積層されているストッカーなどから基板を1枚ずつ吸着によって取り出して、取り出した基板を基板保持ステージに載せる動作を行う場合、ストッカーから基板の取り出しと、基板を基板保持ステージに載せる動作とを効率的に行うことができる。また、その後、基板保持ステージが進行する際には、基板は基板保持ステージの上面に重力が加わった状態で載っているため、基板保持ステージは基板を安定して搬送することができる。
【0036】
[8]本発明の露光装置においては、前記第1方向の力は、バネの伸張力による力であり、前記マスク除塵部は、当該バネの伸張力によって前記第1方向の力が働くように前記基板保持ステージの前記突出部に取り付けられており、前記第2方向の力は、当該基板除塵部が自身の重量により自由落下しようとする力であり、前記基板除塵部は、z軸に沿った方向に所定量の滑動が自在となるように前記基板除塵部支持プレートに取り付けられていることが好ましい。
【0037】
このように、本発明の露光装置においては、マスク除塵部はバネの伸張力によりマスク板のパターン面に接触し、基板除塵部は当該基板除塵の重量により自由落下する力で基板に接触するものである。このため、マスク除塵部及び基板除塵部を昇降させるための駆動機構などが必要なく、また、マスク除塵部及び基板除塵部を昇降させる際のタイミング制御や接触したときの押圧力の制御などを行う必要がなくなる。また、マスク除塵部はバネの伸張力によりマスク板のパターン面に接触し、基板除塵部は当該基板除塵の重量により自由落下する力で基板に接触するものであるため、マスク除塵部及び基板除塵部の高さ方向(z軸に沿った方向)の位置の設定は、高精度に調整する必要がなく、基板除塵部及びマスク除塵部の調整作業を軽減することができる。
【0038】
[9]本発明の露光装置においては、前記基板の感光面と前記基板除塵部とが離間している状態から前記基板除塵部が前記基板の感光面の除塵を開始するまでの間において前記基板保持ステージ制御装置が行う制御は、前記基板除塵部が前記基板の感光面における前方側の端部付近の平面部に接触するように前記基板保持ステージをx軸に沿って所定量だけ進行させるとともに、z軸に沿って所定量だけ移動させるように前記基板保持ステージ駆動機構部を制御することが好ましい。
【0039】
基板保持ステージ制御装置がこのような制御を行うことにより、基板保持ステージが前方側に進行するに伴って基板が前方側に進行する際に、基板除塵部が基板の前方側の端部をx軸に沿った後方側に押すという動作が生じない。このため、基板の位置ずれを防止することができ、また、基板の前方側の端部が破損してしまうことも防止できる。
【0040】
[10]本発明の露光装置においては、前記マスク板の後方側の端部にy軸に沿うように設けられ、第1方向の力が働いた状態で前方側に進行してくる前記マスク除塵部に、前記第1方向の力に抗する力を与えながら当該マスク除塵部を前記マスク板のパターン面に導くガイド部をさらに有することが好ましい。
【0041】
このようなガイド部を設けることにより、マスク除塵部がマスク板の後方側の端部に直接当接しないようにマスク除塵部をマスク板のパターン面に導くことができる。すなわち、マスク除塵部は、マスク板のパターン面を押圧する方向の力(第1方向の力)が働いている状態でマスク板のパターン面を除塵するようにしている。このため、マスク板が厚み方向に突出した状態で露光ステージに取りつけられていると、マスク除塵部がマスク板の後方側の端部に当接してマスク板を前方側に押してしまい、マスク板が位置ずれしてしまう可能性があるが、本発明においては、マスク除塵部をマスク板のパターン面に導くガイド板が設けられている。これにより、マスク除塵部がマスク板の後方側の端部に直接当接しないようにマスク除塵部をマスク板のパターン面に導くことができるため、マスク除塵部がマスク板を前方側に押してしまうことがなく、マスク板の位置ずれを防止することができるとともにマスク板の後方側の端部の破損を防止することができる。
【0042】
[11]本発明の露光装置においては、前記マスク板のパターン面と前記マスク除塵部とが離間している状態から前記マスク除塵部が前記マスク板のパターン面の除塵を開始するまでの間において前記基板保持ステージ制御装置が行う制御は、前記マスク除塵部が前記マスク板のパターン面における後方側の端部付近の平面部に接触するように前記基板保持ステージをx軸に沿って所定量だけ進行させるとともに、z軸に沿って所定量だけ移動させるように前記基板保持ステージ駆動機構部を制御することが好ましい。
【0043】
基板保持ステージ制御装置がこのような制御を行うことにより、基板保持ステージが前方側に進行するに伴ってマスク除塵部が前方側に進行する際に、マスク除塵部がマスク板の後方側の端部をx軸に沿った前方側に押すという動作が生じない。このため、マスク板の位置ずれを防止することができ、また、マスク板の後方側の端部が破損してしまうことも防止できる。
【0044】
[12]本発明の露光装置においては、前記マスク除塵部は、前記基板保持ステージが前記初期位置にあるときに、前記基板除塵部よりも後方側に位置するように前記基板保持ステージに取りつけられていることが好ましい。
【0045】
このような構成とすることによって、露光装置が大型化してしまうことを防ぐことができる。すなわち、マスク除塵部は、基板保持ステージの前方側の端部から前方側に突出した位置に取りつけられているため、仮に、マスク除塵部が基板除塵部よりもx軸に沿った前方側に位置するような配置とすると、基板保持ステージが初期位置(進行を開始する前の位置)にあるときに、基板保持ステージの前方側の端部から前方側に大きく突出した位置に取りつける必要がある。
【0046】
このように、基板保持ステージの前方側の端部から前方側に大きく突出した位置に取りつけると、基板保持ステージが前方側に進行して露光部の下方に達した状態(基板の感光面がマスク板のパターン面に対面した状態)となったときに、マスク除塵部の位置がx軸に沿った前方側に、大きく出っ張った位置となる。このため、露光装置筐体のx軸方向に沿った長さをより大きくする必要があり、露光装置全体が大型化してしまうこととなる。これに対して、本発明の露光装置のように、マスク除塵部が基板除塵部よりも後方側に位置するように基板保持ステージに取りつけられている構成とすることにより、露光装置全体が大型化してしまうことを防ぐことができる。
【0047】
[13]本発明の露光装置は、基板の感光面とマスク板のパターン面とを対面させて前記基板の感光面を露光する露光装置であって、前記基板を保持した状態で、x軸及びy軸によって形成されるxy平面をx軸に沿って往復動可能で、かつ、xy平面に直交するz軸に沿って昇降可能な基板保持ステージと、前記マスク板を当該マスク板の厚み方向に突出させた状態で保持する露光ステージと、前記基板保持ステージがx軸に沿って前記マスク板に向かう側を前方側、当該前方側とは反対側を後方側とし、前記マスク板のパターン面を押圧する方向を第1方向、前記基板の感光面を押圧する方向を第2方向としたとき、前記基板保持ステージの前方側の端部から前方側に突出した突出部に取り付けられており、前記基板保持ステージとともに前方側に進行することによって、前記マスク板のパターン面との間に所定の空隙を有した状態で吸引しながら前記マスク板のパターン面を除塵して行くマスク除塵部と、前記基板保持ステージが初期位置にあるときの当該基板保持ステージよりも前方側で、かつ、前記露光ステージよりも後方側の所定位置に配置されている基板除塵部支持プレートに取り付けられており、前記基板保持ステージが前記初期位置から前方側に進行することによって、前記基板の感光面との間に所定の空隙を有した状態で吸引しながら前記基板の感光面を除塵して行く基板除塵部と、前記基板保持ステージをx軸に沿って往復動行可能とするとともにz軸に沿って昇降可能とするための基板保持ステージ駆動機構部と、前記基板保持ステージ駆動部を制御することによって前記基板保持ステージの往復動及び昇降を制御する基板保持ステージ制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0048】
本発明の露光装置によれば、[1]に記載の本発明の露光装置が有する効果のうち対応する効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0051】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る露光装置10Aを説明するために示す図である。なお、
図1は、実施形態1係る露光装置10Aを模式的に示すものであり、実施形態1に係る露光装置10Aを説明する上で特に必要としない構成要素については図示が省略されている。また、
図1は模式図であるため、実際の構成要素の寸法を同一比率で縮小したものとはなっておらず、誇張されて描かれていたり、より縮小されて描かれていたりするものもある。
【0052】
実施形態1に係る露光装置10Aは、
図1に示すように、露光前の基板Wを供給するとともに露光後の基板Wを回収する基板供給・回収部100と、基板Wの感光面M1を除塵する基板除塵機構部200と、基板Wの感光面M1を露光することによって基板Wにパターンを転写する露光部300と、これらの各構成要素を収納している露光装置筐体400と、露光装置筐体400の内部又は外部に設けられている基板保持ステージ制御装置500とを有している。なお、露光装置筐体400の内部は、可能な限りクリーン化された空間となっているが、それでもなお、塵埃が存在する場合もある。
【0053】
基板供給・回収部100は、基板保持ステージ110と、マスク除塵部120と、マスク除塵部120が取り付けられているマスク除塵ホルダー130と、基板保持ステージ110をx軸及びy軸によって形成されるxy平面をx軸に沿って往復動可能とするとともに、xy平面に直交するz軸に沿って昇降可能とする基板保持ステージ駆動機構部140とを有している。
【0054】
なお、本明細書においては、基板保持ステージ110がx軸に沿って露光部300のマスク板310(後述する。)に向かう側を「前方側」とし、前方側と反対側を「後方側」として説明する。
【0055】
基板保持ステージ110は、基板Wの感光面M1をz軸に沿って上方に向けた状態で当該基板Wを位置決めして真空吸着するものであり、x軸に沿った方向に往復動可能となっている。なお、
図1における基板保持ステージ110の位置は、当該基板保持ステージ110が露光部300に向かって進行を開始する前の位置であり、この位置を初期位置とする。なお、基板Wの感光面M1というのは、基板Wにフォトレジストなどが塗布されている面であり、フォトレジストはすでに乾いた状態にあるものとする。
【0056】
マスク除塵部120は、基板保持ステージ110に取り付けられている。具体的には、基板保持ステージ110の前方側の端部(先端部という。)に突出して設けられているマスク除塵ホルダー130に取り付けられており、基板保持ステージ110とともに進行して露光部300に保持されているマスク板310のパターン面M2を除塵する。
【0057】
また、マスク除塵部120は、表面に粘着力を有するロール状をなしている。実施形態1に係る露光装置10Aにおいては粘着力を有する部材(例えば、粘着力を有するゴムなど)をロール状に形成したものを用いている。
【0058】
このように、マスク除塵部120がロール状をなしていることから、マスク除塵部120を「マスク除塵ローラー120」ともいう。なお、マスク除塵ローラー120は粘着力を有するものであるが、その粘着力は、マスク板310のパターン面M2に存在する塵埃をくっつけて取り去ることができる程度であり、マスク板310のパターン面M2に悪影響を及ぼすことのない程度の粘着力であるとする。
【0059】
マスク除塵ホルダー130は、基板保持ステージ110から前方側に突出している突出部131と、マスク除塵ローラー120を回転自在に支持するマスク除塵部支持プレート132と、マスク除塵ローラー120の昇降をガイドするガイドレール133と、マスク板310のパターン面M2を押圧する方向(第1方向とする。)の力(第1方向の力とする。)を与えるバネ134とを有している。なお、マスク除塵ローラー120は、動力によって回転するものではなく、空回りするようにマスク除塵部支持プレート132に支持されている。
【0060】
マスク除塵部支持プレート132は、突出部131の先端部に位置しており、ガイドレール133のガイドによって所定量の昇降が自在となるように取り付けられている。また、マスク除塵部支持プレート132と突出部131との間にはバネ134が介在されている。このため、マスク除塵部支持プレート132には、バネ134の伸張力による第1方向の力(マスク板310のパターン面M2を押圧する方向の力)が働いており、それによって、マスク除塵ローラー120にも同様にバネ134の伸張力による第1方向の力(マスク板310のパターン面M2を押圧する方向の力)が働いている。
【0061】
このように、マスク除塵ローラー120は、第1方向の力(バネの伸張力)でマスク板310のパターン面M2に接触するため、マスク板310から与えられる第1方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージ110の進行に伴ってマスク板310のパターン面M2を除塵して行くことができる。
【0062】
なお、第1方向の力の強さは、バネ134の伸張力などの調整により調整可能となっている。また、マスク除塵ローラー120に第1方向の力を働かせるための手段としては、バネに限られるものではなく、他の部材を用いてもよい。例えば、エアシリンダーなどによってマスク除塵ローラー120に対して第1方向の圧力を与えるような構成としてもよい。
【0063】
基板保持ステージ駆動機構部140は、基板保持ステージ110をx軸に沿って往復動させるためのx軸往復動駆動機構部141と、基板保持ステージ110をz軸に沿って昇降させるためのz軸昇降駆動機構部145とを有している。
【0064】
x軸往復動駆動機構部141は、基板保持ステージ110を固定する基板保持ステージ固定台142、基板保持ステージ固定台142をx軸に沿って往復動作させるための第1ボールネジ143とを有している。z軸昇降駆動機構部145は、基板保持ステージ固定台141に固定されている昇降台146と、昇降台146をz軸に沿って昇降させるための第2ボールネジ147とを有している。
【0065】
このように構成されている基板保持ステージ駆動機構部140は、第1ボールネジ143を時計方向又は反時計方向に回転させることにより、基板保持ステージ固定台142及びz軸昇降駆動機構部145全体をx軸に沿って前方側又は後方側に進行させることができる。
【0066】
例えば、第1ボールネジ143を時計方向に回転させると、基板保持ステージ固定台142及びz軸昇降駆動機構部145全体をx軸に沿って後方側に進行させることができ、第1ボールネジ143を反時計方向に回転させると、基板保持ステージ固定台142及びz軸昇降駆動機構部145全体をx軸に沿って前方側に進行させることができる。これにより、基板保持ステージ固定台142に固定されている基板保持ステージ110をx軸に沿って往復動させることができる。
【0067】
また、z軸昇降駆動機構部145の第2ボールネジ147を時計方向又は反時計方向に回転させることにより、昇降台146を上昇又は下降させることができる。例えば、第2ボールネジ147を時計方向に回転させると昇降台146が下降し、昇降台146とともに基板保持ステージ固定台142も下降する。一方、第2ボールネジ147を反時計方向に回転させると昇降台146が上昇し、昇降台146とともに基板保持ステージ固定台142も上昇する。これにより、基板保持ステージ固定台142に固定されている基板保持ステージ110をz軸に沿って昇降させることができる。
【0068】
なお、第1ボールネジ143は、基板保持ステージ110を
図1の位置から露光部300の位置にまで移動させる必要があるため、露光装置筐体400内のほぼ右端付近から左端付近にまで配設されている。一方、第2ボールネジ147は、基板保持ステージ110の昇降量がそれほど大きくはなく昇降台146の移動量が少ないため、第1ボールネジ143に比べると短尺となっている。
【0069】
なお、第1ボールネジ143及び第2ボールネジ147の配設位置は、
図1に示す位置に限られるものではなく、例えば、第1ボールネジ141は、露光装置筐体400の底面に近い位置に配設するようにしてもよい。また、x軸往復動駆動機構部141及びz軸昇降駆動機構部145は、
図1に示すような構成に限られるものではなく種々の構成を採用できる。
【0070】
ところで、基板保持ステージ駆動機構部140は、基板保持ステージ制御装置500(
図2参照。)によって制御され、それによって基板保持ステージ110を制御することができる。
【0071】
図2は、基板保持ステージ制御装置500の構成を示す図である。基板保持ステージ制御装置500は、
図2に示すように、第1ボールネジ143を駆動する第1ボールネジ駆動部(サーボモータなど)510と、基板保持ステージ110の進行及び昇降を制御するための制御プログラム及びユーザーの設定情報など各種情報を記憶している記憶部550と、記憶部550が記憶している情報に基づいて第1ボールネジ駆動部510を制御することにより、基板保持ステージ110の前方側又は後方側への進行を制御する進行制御部520と、第2ボールネジ147を駆動する第2ボールネジ駆動部(サーボモータなど)530と、記憶部550が記憶している情報に基づいて第2ボールネジ駆動部530を制御することにより、基板保持ステージ110の昇降を制御する昇降制御部540とを有している。
【0072】
基板保持ステージ制御装置500がこのように構成されていることにより、基板保持ステージ110の進行及び昇降を制御することができる。例えば、基板保持ステージ110を所定量だけ下降させて、基板保持ステージ110が下降した状態で所定量だけ前方側に進行させたのち、基板保持ステージ110を所定量だけ上昇させて、基板保持ステージ110が上昇した状態で再び所定量だけ前方側に進行させるといった制御が可能となる。
【0073】
図1に説明が戻る。基板除塵機構部200は、基板Wの感光面M1を除塵するための基板除塵部210と、基板除塵部210を取り付けるための基板除塵部支持プレート220とを有している。また、基板除塵機構部200は、図示しないが、基板Wに帯電している静電気を除電する除電部を有している。
【0074】
基板除塵部210は、マスク除塵部(マスク除塵ローラー120)と同様に、表面に粘着力を有するロール状をなしており、実施形態1に係る露光装置10Aにおいては粘着力を有する部材(例えば、粘着力を有するゴムなど)をロール状に形成したものを用いている。
【0075】
このように、基板除塵部210がロール状をなしていることから、基板除塵部210を「基板除塵ローラー210」ともいう。なお、基板除塵ローラー210は粘着力を有するものであるが、マスク除塵ローラー120と同様に、その粘着力は、基板Wの感光面M1に存在する塵埃をくっつけて取り去ることができる程度であり、基板Wの感光面M1に悪影響を及ぼすことのない程度の粘着力であるとする。
【0076】
基板除塵部支持プレート220は、基板除塵ローラー210を回転自在で、かつ、所定量の上下動自在となるように基板除塵ローラー210の両端を支持している。基板除塵ローラー210を所定量の上下動自在となるように支持する方法としては、基板除塵部支持プレート220に、z軸に沿う方向に長い孔(長孔という。)221を形成し、当該長孔221で基板除塵ローラー210を支持する方法を例示することができる。なお、基板除塵ローラー210は、動力によって回転するものではなく、空回りするように基板除塵部支持プレート220に支持されている。
【0077】
基板除塵ローラー210が基板除塵部支持プレート220にこのように支持されているため、基板除塵ローラー210には、当該基板除塵ローラー210が自身の重量により自由落下しようとする力が働く。基板除塵ローラー210が自身の重量により自由落下しようとする力は、基板Wの感光面M1を押圧する方向(第2方向とする。)の力(第2方向の力とする。)として働く。すなわち、基板除塵ローラー210は、第2方向の力が働いた状態で基板除塵部支持プレート220に支持されている。
【0078】
これにより、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に接触した状態においては、当該基板除塵ローラー210は第2方向の力(自重ともいう。)で基板Wの感光面M1に接触する。このように、基板除塵ローラー210は、第2方向の力(自重)で基板Wの感光面M1に接触するため、基板Wから与えられる第2方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージ110の進行に伴って基板Wの感光面M1を除塵して行くことができる。
【0079】
なお、当該基板除塵ローラー210は自重で基板の感光面M1に押圧力を与えるものであるが、例えば、マスク除塵ローラー120と同様に、基板除塵ローラー210にバネなどによる伸張力を与えるような構成として、基板Wの感光面M1に押圧力を与えるようにすることも可能である。
【0080】
基板除塵ローラー210は、露光部300よりもx軸に沿った後方側に位置するように基板除塵部支持プレート220に取り付けられている。また、基板保持ステージ110が初期位置(
図1に示す位置)にあるときには、マスク除塵ローラー120よりもx軸沿った前方側に位置している。すなわち、マスク除塵ローラー120と基板除塵ローラー210との配置の関係は、基板保持ステージ110が初期位置(
図1に示す位置)にあるときには、マスク除塵ローラー120は、基板除塵ローラー210よりもx軸に沿った後方側に位置するような配置となっている。
【0081】
このように、基板保持ステージ110が初期位置(
図1の位置)にあるときにおいて、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210よりもx軸に沿った後方側に位置するような配置としたのは、次のようなことを理由の一つとして挙げることができる。
【0082】
すなわち、基板保持ステージ110が初期位置(
図1の位置)にあるときにおいて、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210よりもx軸に沿った後方側に位置するような配置とすることにより、突出部131のx軸に沿った方向の長さLは、あまり長くとる必要はない。
【0083】
これに対して、基板保持ステージ110が初期位置(
図1の位置)にあるときにおいて、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210よりもx軸に沿った前方側に位置するような配置とすると、突出部131のx軸に沿った方向の長さL(
図1参照。)を長くとる必要がある。
【0084】
突出部131の長さLを長くとると、基板保持ステージ110が露光部300の下方に達した状態(基板Wの感光面M1がマスク板310のパターン面M2に対面した状態)となったときに、マスク除塵ローラー120の位置がx軸に沿った前方側により大きく出っ張った位置となる。このため、露光装置筐体400のx軸方向に沿った長さをより大きくする必要があり、露光装置全体が大型化してしまうといった不具合が生じてしまうこととなる。このような不具合は、基板保持ステージ110が初期位置(
図1の位置)にあるときにおいて、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210よりもx軸に沿った後方側に位置するような配置とすることによって防止できる。
【0085】
ところで、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210は、マスク除塵部支持プレート132及び基板除塵部支持プレート220に対して着脱自在となっている。このため、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210に付着した塵埃の除去、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の洗浄、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210そのものの交換などを容易に行うことができる。
【0086】
露光部300は、図示しない光源と、マスク板310と、パターン面M2が基板Wの感光面M1に対面するようにマスク板310を取り付ける露光ステージ320と、進行してくるマスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くガイド部340とを有している。また、露光部300には、図示しないが、マスク板310などに帯電している静電気を除電する除電部が設けられている。
【0087】
マスク板310は、透明ガラスなどの透光性部材でなり、所定の厚みを有している。なお、マスク板310の厚みは特に限定されるものではないが、例えば、2mm〜7mm程度の厚みを有している。
【0088】
また、マスク板310は、露光ステージ320の下面側に取り付けられている。具体的には、マスク板310は、露光ステージ320の下面側にx軸に沿って平行に設けられている2本のL字金具330(
図1においては一方のL字金具のみが示されている。)によって、マスク板310の端部(x軸に沿って見たときの左右両側の端部)が支持されている。これにより、マスク板310はL字金具330によって露光ステージ320から懸架された状態で取り付けられている。
【0089】
マスク板310がこのようにして露光ステージ320に取り付けられると、マスク板310は、露光ステージ320からマスク板310の厚み方向(下方)に、マスク板310の厚み分以上の突出量で突出した状態で取り付けられている状態となる。
【0090】
また、マスク板310は、露光ステージ320の下面に対して位置決めされた状態でL字金具330に取り付けられている。このとき、マスク板310は容易には位置ずれしないようにL字金具330に取り付けられているが、仮に、マスク板310の後方側の端部に、所定以上の力が進行方向に向かって加わったとすると、マスク板310が進行方向に位置ずれしてしまう場合もあり得る。
【0091】
ガイド部340は、マスク板310の後方側の端部にy軸に沿うように設けられている。ガイド部340は、進行してくるマスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くものであり、水平片341aと傾斜片341bとからなるガイド板341と、ガイド板341を露光ステージ320に取り付けるためのガイド板取り付け部342とを有している。
【0092】
このような構成のガイド部340は、ガイド板341の水平片341aをガイド板取り付け部342に固定した状態で、ガイド板取り付け部342をマスク板310の後方側の端部にy軸に沿うように露光ステージ320に取り付けると、ガイド板341の傾斜片341bは、ガイド板取り付け部342から斜め上方に突出した状態となる。
【0093】
このように取り付けられたガイド部340を後方側からx軸に沿って見ると、ガイド板341の傾斜片341bがマスク板310の後方側の端部を覆うようにy軸に沿って取り付けられたものとなる。
【0094】
なお、ガイド部340は、ガイド板341の水平片341aとマスク板310との間に0.1mm〜0.3mm程度の段差が形成されるように水平片341aが下方に出っ張った状態となるように取り付けられていることが好ましい。
【0095】
このような構成のガイド部340は、マスク除塵ローラー120がマスク板310に向かって進行してきたときに、マスク除塵ローラー120がマスク板310の後方側の端部に直接当接することなく、マスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くためのものである。
【0096】
なお、ガイド部340におけるガイド板341は、マスク板310の後方側の端部の全体を覆うような1枚の板からなるものであってもよく、水平片341aと傾斜片341bとからなる細い板状のものが、y軸に沿って所定間隔を置いて複数個並んでいるようなものであってもよい。
【0097】
図3及び
図4は、実施形態1に係る露光装置10Aの動作を説明するために示す図である。
図3(a)〜
図3(c)及び
図4(a)〜(c)は各工程図である。なお、
図3及び
図4は実施形態1に係る露光装置10Aのマスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の動作を主に説明するために示す図である。このため、
図1に示す構成要素において符号が省略されているものもあり、また、
図1に示す構成要素のうち基板保持ステージ駆動機構部140などは図示が省略されている。また、基板保持ステージ110を進行及び昇降させるための制御は、
図2に示した基板保持ステージ制御装置500によって行うことができる。
【0098】
図3(a)は処理対象となる基板Wが位置決めされて基板保持ステージ110に保持されている状態を示すものであり、これは
図1と同様に、基板保持ステージ110が初期位置にあるときの状態である。
【0099】
基板保持ステージ110が初期位置にあるときには、基板保持ステージ110のx軸に沿った位置は、基板除塵ローラー210よりも後方側に位置しており、z軸方向に沿った位置は、基板保持ステージ110の上面110aとマスク板310の下面310aとの間隔d1が5mm〜15mm程度の範囲となるように設定されている。実施形態1に係る露光装置10Aにおいては、間隔d1は9mmに設定されている。
【0100】
このように、基板保持ステージ110が初期位置にあるときには、マスク除塵ローラー120のx軸に沿った位置(マスク除塵ローラー120の回転軸のx軸に沿った位置とする。)x1は、基板除塵ローラー210よりも後方側に位置している。
【0101】
また、マスク除塵ローラー120のz軸に沿った位置(マスク除塵ローラー120における円周上の上方側頂点P1のz軸に沿った位置とする。)z1は、マスク板310における下面310aのz軸に沿った位置z2よりもわずかに(例えば、0.3mm〜2mm程度)高い位置となっている。
【0102】
一方、基板除塵ローラー210は、x軸に沿った位置が固定であり、z軸に沿った位置(基板除塵ローラー210における円周上の下方側頂点P2のz軸に沿った位置とする。)が基板保持ステージ110の上面110aの位置z3とほぼ同じ高さとなるように位置している。
【0103】
また、マスク除塵ローラー120と基板除塵ローラー210との位置関係は、基板保持ステージ110が初期位置にあるときのままx軸に沿って前方側に進行したとすると、
図3(a)からもわかるように、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210に当接してしまうような位置関係となっている。
【0104】
基板保持ステージ110は、
図3(a)に示すような初期位置から動作を開始する。まず、基板保持ステージ110は、一旦、所定量だけz軸に沿って下降する(
図3(b)参照。)。すなわち、基板保持ステージ110がx軸に沿って前方側に進行したときに、基板保持ステージ110は、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210に当接しない位置となるまで下降する(
図3(b)参照。)。
【0105】
図3(b)の状態から、基板保持ステージ110はx軸に沿って前方側に進行して行く。そして、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210の下側を通過した所定の位置で基板保持ステージ110を上昇させる(
図3(c)参照。)。すなわち、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1における前方側の端部(先端部という。)付近の平面部(上面部)に接触するように、基板保持ステージ110をx軸に沿って進行させるとともに基板保持ステージ110をz軸に沿って上昇させる。
【0106】
基板保持ステージ110がこのような動作を行うための基板保持ステージ110に対する制御は、基板保持ステージ制御装置500によって行う。基板保持ステージ110がこのような動作を行うことにより、基板Wの感光面M1が基板除塵ローラー210に接触した状態となる(
図3(c)参照。)。
【0107】
このように、基板Wの感光面M1が基板除塵ローラー210に当接した状態となることにより、その後、基板保持ステージ110が前方に進行した場合、基板除塵ローラー210が基板Wの先端部を後方側に押してしまうという動作が生じない。このため、基板Wの位置ずれを防止することができ、また、基板Wの先端部が破損してしまうことも防止できる。
【0108】
また、基板保持ステージ110が上昇する際の上昇量は、基板Wが基板除塵ローラー210をわずかに押し上げる程度とする。これにより、基板除塵ローラー210は、基板Wに自重で接触している状態となる。また、このとき、マスク除塵ローラー120は、
図3(c)に示すように、露光部300に設けられているガイド部340におけるガイド板341の傾斜片341bに当接した状態となっている。
【0109】
そして、
図3(c)に示す状態から、基板保持テーブル110が前方に進行して行くと、基板除塵ローラー210は、基板Wの感光面M1上で回転する動作を行う。このときの動作は、基板除塵ローラー210が回転しながら基板Wの後方側へ移動して行く動作と同じであり、基板保持ステージ110がさらに進行すると、結果的に、基板除塵ローラー210は回転しながら基板Wのさらに後方側へ移動して行くような動作を行う。これにより、基板Wの感光面M1は、基板除塵ローラー210によって除塵される。
なお、基板除塵ローラー210は粘着力を有するものであるが、その粘着力は、基板Wの感光面M1に存在する塵埃をくっつけて取り去る程度であるため、基板Wの感光面M1に悪影響を及ぼすことはない。
【0110】
ところで、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に接触した状態においては、当該基板除塵ローラー210は、第2方向の力(自重)で基板Wの感光面M1に接触し、かつ、所定量の上下動が自在となっているため、基板Wから与えられる第2方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージ110の進行に伴って基板Wの感光面M1を除塵して行くことができる。このため、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に接触する際の基板Wに対する押圧力などの制御は特に行う必要はない。
【0111】
一方、マスク除塵ローラー120は、基板保持ステージ110の進行とともに進行する。このため、ガイド板341の傾斜片341bに当接している状態から、ガイド板341の傾斜片341bによって押さえ付けられた状態で前方側に進行して行く。すなわち、マスク除塵ローラー120は、バネ134の伸張力によって上方向への力(第1方向の力)が与えられているため、ガイド板341の傾斜片341bを押圧した状態で回転しながら前方側に進行して行き、やがて、マスク板310のパターン面M2に到達する。
【0112】
このように、マスク除塵ローラー120は、ガイド部340のガイドによってマスク板310のパターン面M2に導かれるため、マスク除塵ローラー120がマスク板310の後方側の端部に直接当接することなくマスク板310のパターン面M2に導かれる。このため、マスク除塵ローラー120がマスク板310を進行方向に押してしまうことがなくなり、マスク板310の位置ずれを防止することができるとともに、マスク板310の後方側の端部の破損を防止することができる。
【0113】
そして、マスク除塵ローラー120は、第1方向の力が働いた状態で
図4(a)に示すように、マスク板310のパターン面M2に接触した状態で回転しながら、さらに進行して行く。これにより、マスク板310のパターン面M2に存在する塵埃を、マスク除塵ローラー120の側に付着させることができ、それによって、マスク板310のパターン面M2を除塵できる。
【0114】
なお、マスク除塵ローラー120は粘着力を有するものであるが、その粘着力は、マスク板310のパターン面M2に存在する塵埃をくっつけて取り去る程度のものであるため、マスク板310のパターン面M2に形成されているパターンなどに悪影響を及ぼすことはない。
【0115】
ところで、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面M2に接触した状態においては、当該マスク除塵ローラー120は、第1方向の力(バネ134の伸張力)でマスク板310のパターン面M2に接触しているため、マスク板310から与えられる第1方向の力に抗する力を吸収しながら基板保持ステージ110の進行に伴ってマスク板310のパターン面M2を除塵して行くことができる。このため、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面M2に接触する際のマスク板310に対する押圧力などの制御は特に行う必要はない。
【0116】
マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210が
図3(c)及び
図4(a)に示す動作を行うことにより、マスク板310のパターン面M2を除塵することができるとともに、基板Wの感光面M1を除塵することができる。なお、マスク除塵ローラー120によるマスク板310のパターン面M2の除塵と、基板除塵ローラー210による基板Wの感光面M1の除塵とは、ほぼ同時に行われる。
【0117】
その後、基板保持ステージ110は予め設定した所定位置(露光位置)にまで達する(
図4(b)参照。)。このとき、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2との間には、所定の間隔が設けられた状態となっている。続いて、この状態から、基板保持ステージ110が上昇し、
図4(c)に示すように、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2との間隔が所望とする間隔となる。なお、実施形態1に係る露光装置10Aにおいては、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2とは密着させることなく、わずかな空隙(例えば、1/100mm〜4/100mm程度)が存在する程度の間隔を設けるようにしている。
【0118】
このように、基板Wの感光面M1とマスク板のパターン面との間に、わずかな空隙(例えば、1/100mm〜4/100mm程度)を設けることにより、基板W側の除塵後においても、わずかな塵埃が残存していたとしても、残存している塵埃がマスク板310のパターン面M2に付着してしまうといったことを防止ができる。その逆の場合も同様である。
【0119】
そして、
図4(c)の状態で、光を照射し露光を行う。なお、露光を行う際においては、マスク板310のパターン面M2に対する基板Wの位置は適切に設定されているものとする。露光が終了したら、当該露光位置で基板保持ステージ110は、所定位置(例えば
図4(b)に示す位置)にまで下降して、x軸沿って後方側に進行し、所定位置(例えば、マスク除塵ローラー120の回転軸がx軸に沿ったx1の位置)まで戻って、x1の位置で上昇して、初期位置(
図3(a)と同じ位置)となる。その後、基板保持ステージ110から露光の終了した基板Wが取り外され、当該基板保持ステージ110には、次に露光を行うべき基板Wが載せられて、
図3(a)〜
図3(c)及び
図4(a)〜
図4(c)の工程を行って、
図3(a)に戻る動作を順次行う。
【0120】
なお、
図3(a)〜
図3(c)及び
図4(a)〜
図4(c)の工程を行って、
図3(a)に戻る一連の動作は連続的に行われ、その一連の動作に要する時間は秒単位(例えば、数秒から10数秒程度)の時間である。
【0121】
以上説明したように、実施形態1に係る露光装置10Aによれば、基板除塵ローラー210により基板Wの感光面M1の除塵を行うことができるとともに、マスク除塵ローラー120によりマスク板310のパターン面M2の除塵を行うことができる。しかも、基板Wの感光面M1を除塵する動作及びマスク板310のパターン面M2を除塵する動作は、基板保持ステージ110が露光部300に向かって進行する過程でほぼ同時に自動的に行われる。このため、初期位置にある基板保持ステージ110が露光部300に向かって進行して露光を行った後、初期位置に戻るといった元々行われている露光動作に殆ど影響を及ぼすことはなく、元々の露光動作速度をほぼ維持することができる。
【0122】
また、実施形態1に係る露光装置10Aにおいては、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210は、一方向の付勢力によってマスク板310のパターン面M2及び基板Wの感光面M1に接触するような構造となっている。すなわち、マスク除塵ローラー120はバネ134の伸張力によってマスク板310のパターン面M2に接触するような構造となっており、基板除塵ローラー210は自重によって基板Wの表面に接触する構造となっている。
【0123】
このため、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210を昇降させるための駆動機構は不要となる。また、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210を昇降させる際のタイミング制御や押圧力の制御などを行う必要がないため、このような制御を行うための制御装置も不要となる。それにより、実施形態1に係る露光装置10Aによれば、マスク310のパターン面M2及び基板Wの感光面M1を除塵するための機構全体を簡単化することができる。
【0124】
また、このような構造であるため、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の高さ方向(z軸に沿った方向)の位置は、高精度に調整する必要がなく、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の調整作業を軽減することができる。
【0125】
また、実施形態1に係る露光装置10Aによれば、基板保持ステージ110は、基板Wを保持したままの状態で進行して行くため、基板保持ステージ110が進行して行く過程で、基板Wの保持を解除したり、基板Wを保持したりといった動作を行う必要なく、基板Wを露光ステージ320まで搬送させることができる。これにより、実施形態1に係る露光装置10Aによれば、基板Wを露光ステージ320に搬送するまでに要する時間を短くすることができ、大量の基板を高速に露光することができる。
【0126】
また、実施形態1に係る露光装置10Aによれば、マスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くガイド部340が設けられている。このため、マスク除塵ローラー120がマスク板310の後方側の端部に直接当接しないようにマスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くことができる。このため、マスク除塵ローラー120がマスク板310を前方側に押してしまうことがなく、マスク板310の位置ずれを防止できるとともに、マスク板310の後方側の端部の破損を防止することができる。
【0127】
また、実施形態1に係る露光装置10Aにおいては、露光部300において基板Wの感光面M1を露光させる際に、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2との間隔にわずかな空隙を設けた状態で露光させるようにしている。このため、例えば、基板Wの感光面M1に除去されなかった塵埃が残存していたとしても、当該塵埃がマスク板310のパターン面M2に付着してしまうといった不具合を防止することができる。
【0128】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る露光装置10Bを説明するために示す図である。実施形態2に係る露光装置10Bが実施形態1に係る露光装置10Aと異なるのは、
図5に示すように、基板除塵ローラー210に付着した塵埃を除去する補助基板除塵部240(補助基板除塵ローラー240という。)を設けた点である。このため、
図5においては、実施形態1に係る露光装置10Aと同一構成要素には同一符号を付し、同一構成要素の説明は省略する。
【0129】
補助基板除塵ローラー240は、基板除塵ローラー210に付着した塵埃を除去するためのものであるため、基板除塵ローラー210よりも粘着力の大きい部材で形成されていることが好ましい。補助基板除塵ローラー240は、例えば、粘着テープをロール状に巻いたものを好ましく用いることができる。
【0130】
このような補助基板除塵ローラー240は、基板除塵ローラー210に常時接触した状態となるように基板除塵部支持プレート220に回転自在に支持されている。具体的には、基板除塵部支持プレート220に長孔222を形成し、当該長孔222によって補助基板除塵ローラー240を回転自在に支持する。
【0131】
なお、補助基板除塵ローラー240も、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210と同様に、動力によって回転するものではなく、空回りするように基板除塵部支持プレート220に支持されている。このため、補助基板除塵ローラー240は、基板除塵ローラー210が回転することによって回転する。それによって、基板除塵ローラー210に付着している塵埃を補助基板除塵ローラー240側に付着させることができ、基板除塵ローラー210に付着している塵埃をある程度除去することができる。
【0132】
すなわち、
図4(a)に示したように、基板除塵ローラー210が回転しながら基板Wの感光面M1を除塵している動作を行うと、補助基板除塵ローラー240が基板除塵ローラー210に接触しながら基板除塵ローラー210の回転に伴って回転するため、基板除塵ローラー210に付着している塵埃を補助基板除塵ローラー240に付着させることができる。
【0133】
実施形態2に係る露光装置10Bは、このような補助基板除塵ローラー240を有しているため、実施形態1に係る露光装置10Aにおいて得られる効果に加えて、基板除塵ローラー210に付着した塵埃をある程度は補助基板除塵ローラー240側に付着させることができる。これにより、基板除塵ローラー210を長時間使用することができ、基板除塵ローラー210のメンテナンスを容易なものとすることができる。
【0134】
なお、補助基板除塵ローラー240が粘着テープをロール状に巻いたものであることにより、補助基板除塵ローラー240に所定量の塵埃が付着したら、粘着テープを所定の長さ(例えば、一周分)だけ切り取る。これにより、補助基板除塵ローラー240は、再び、基板除塵ローラー210に付着した塵埃を補助基板除塵ローラー240側に付着させることができる。
【0135】
[実施形態3]
上記各実施形態においては、ガイド部340のガイドによってマスク除塵ローラー120をマスク板310のパターン面M2に導くようにすることによって、マスク板310の位置ずれやマスク板30の後方側の端部の破損を防止するようにしたが、実施形態3に係る露光装置10Cにおいては、ガイド部340を設けることなく、マスク板310の位置ずれやマスク板340の後方側の端部の破損を防止する。以下、実施形態3に係る露光装置10Cを説明する。
【0136】
図6は、実施形態3に係る露光装置10Cを説明するために示す図である。実施形態3に係る露光装置10Cは基本的には実施形態1に係る露光装置10Aと同様の構成となっている。このため、実施形態3に係る露光装置10Cにおいて実施形態1に係る露光装置10Aと同一構成要素には同一符号が付されている。
【0137】
実施形態3に係る露光装置10Cは、
図6に示すように、露光部300にガイド部340が設けられていない。すなわち、実施形態3に係る露光装置10Cにおいては、ガイド部340を設けることなく、マスク板310の位置ずれやマスク板340の後方側の端部の破損を防止する。
【0138】
図7は、実施形態3に係る露光装置10Cの動作を説明するために示す図である。なお、実施形態3に係る露光装置10Cにおいて、実施形態1に係る露光装置10Aと異なる点は、実施形態1に係る露光装置10Aにおける
図3(b)に示す状態から
図3(c)に示す状態となるときの基板保持ステージ110の動作である。このため、
図7においては、
図3(b)に示す状態から
図3(c)に示す状態となるときの基板保持ステージ110の動作について説明する。なお、
図7(a)は
図3(b)に対応し、
図7(b)は
図3(c)に対応している。
【0139】
図7(a)に示す状態、すなわち、マスク板310のパターン面M2とマスク除塵ローラー120とが離間しているとともに及び基板Wの感光面M1と基板除塵ローラー210とが離間している状態から、基板保持ステージ110は、x軸に沿って前方側に進行して行き、マスク除塵ローラー120が基板除塵ローラー210の下側を通過した所定の位置で上昇する(
図7(b)参照。)。
【0140】
このときの基板保持ステージ制御装置500の制御は、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面M2における後方側の端部付近の平面部(下面部)に接触し、かつ、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1における前方側の端部付近の平面部(上面部)に接触するように、基板保持ステージ110をx軸に沿って所定量だけ進行させるとともにz軸に沿って所定量だけ上昇させるように基板保持ステージ駆動機構部140を制御する。
【0141】
基板保持ステージ制御装置500がこのような制御を行うことによって、マスク板310のパターン面M2とマスク除塵ローラー120とが離間している状態からマスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に直接、接触する状態となるとともに、基板Wの感光面M1と基板除塵ローラー210とが離間している状態から基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に直接、接触する状態となる。
【0142】
このように、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に直接、接触する状態となるとともに、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に直接、接触する状態となることによって、その後、基板保持ステージ110がさらに前方に進行した場合、マスク除塵ローラー120がマスク板310を前方側に押してしまうという動作が生じない。また、基板除塵ローラー210が基板Wの先端部を後方側に押してしまうという動作が生じない。このため、マスク板310及び基板Wの位置ずれを防止することができ、また、マスク板310の後方側の端部及び基板Wの前方側の端部が破損してしまうことも防止できる。
【0143】
なお、
図7(b)に示すように、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に接触する状態となったときに、基板Wの感光面M1が基板除塵ローラー210に接触する状態となるようにするためには、基板除塵ローラー210と基板保持ステージ110との位置関係を適宜設定しておけばよい。すなわち、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に接触する状態となったときに、基板Wの感光面M1が基板除塵ローラー210に当接するように、基板除塵ローラー210と基板保持ステージ110との位置関係を適宜設定しておけばよい。
【0144】
なお、実施形態3においては、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に直接、接触する状態となるとともに、基板除塵ローラー210が基板Wの感光面M1に直接、接触する状態となるようにしたが、マスク除塵ローラー120がマスク板310のパターン面に直接、接触する状態となるようにしてもよい。また、実施形態3においては、実施形態1に係る露光装置10Aの場合について説明したが、実施形態2に係る露光装置10Bにおいても適用することができる。
【0145】
なお、本発明は上記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0146】
(1)上記各実施形態においては、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210は、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210全体が粘着力を有する部材でなるものとして説明したが、これに限られるものではなく、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の表面のみが粘着力を有するようなものであってもよい。例えば、合成樹脂などから円筒体の表面に粘着力を有する部材を巻き付けたものであってもよく、また、円筒体の表面に粘着層が形成されているものであってもよい。
【0147】
(2)上記各実施形態では、基板保持ステージ110の初期位置としては、
図3(a)に示す位置を基板保持ステージの初期位置としたが、これに限られるものではなく、基板保持ステージ110の初期位置は、露光装置全体の構造や動作によって種々設定可能であり、特に限定されるものではない。例えば、
図3(b)に示す位置を基板保持ステージ110の初期位置とすることもできる。
【0148】
(3)上記各実施形態においては、基板Wの感光面M1が上向きに配置され、マスク板310のパターン面M2が下向きに配置されている露光装置を例示したが、これに限られるものではなく、その逆の配置であってもよい。すなわち、基板Wの感光面M1が下向きに配置され、マスク板310のパターン面M2が上向きに配置されている露光装置であってもよい、この場合、マスク除塵ローラー120は、自重でマスク板310のパターン面M2に接触させるような構造とし、基板除塵ローラー210は、バネの付勢力によって基板Wの感光面M1に接触させるような構造とすればよい。
【0149】
(4)上記各実施形態においては、露光部300において基板Wの感光面M1を露光させる際に、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2との間にわずかな空隙を設けた状態で露光させるようにした場合を例示したが、必ずしも、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2との間にわずかな空隙を設ける必要はなく、基板Wの感光面M1とマスク板310のパターン面M2とを密着させた状態で露光させるようにしてもよい。
【0150】
(5)上記実施形態2においては、基板除塵ローラー210の側に補助除塵ローラー240を設けるようにしたが、スペースに余裕があれば、マスク除塵ローラー120の側に補助除塵ローラー240を設けるようにしてもよく、また、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の両方にそれぞれ補助除塵ローラー240を設けるようにしてもよい。
【0151】
(6)上記各実施形態においては、マスク除塵部及び基板除塵部としては、それぞれ粘着力を有する部材でなるローラー(マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210)を用いて、マスク板310のパターン面M2及び基板Wの感光面M1に存在する塵埃を、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210の粘着力により除塵する場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、マスク除塵部及び基板除塵部は、真空吸引によって除塵するものであってもよい。このように、マスク除塵部及び基板除塵部は、真空吸引によって除塵するものとした場合の露光装置を本発明の露光装置の変形例として説明する。
【0152】
本発明の露光装置の変形例は、基板の感光面とマスク板のパターン面とを対面させて前記基板の感光面を露光する露光装置であって、前記基板を保持した状態で、x軸及びy軸によって形成されるxy平面をx軸に沿って往復動可能で、かつ、xy平面に直交するz軸に沿って昇降可能な基板保持ステージと、前記マスク板を当該マスク板の厚み方向に突出させた状態で保持する露光ステージと、前記基板保持ステージがx軸に沿って前記マスク板に向かう側を前方側、当該前方側とは反対側を後方側とし、前記マスク板のパターン面を押圧する方向を第1方向、前記基板の感光面を押圧する方向を第2方向としたとき、前記基板保持ステージの前方側の端部から前方側に突出した突出部に取り付けられており、前記基板保持ステージとともに前方側に進行することによって、前記マスク板のパターン面との間に所定の空隙を有した状態で吸引しながら前記マスク板のパターン面を除塵して行くマスク除塵部と、前記基板保持ステージが初期位置にあるときの当該基板保持ステージよりも前方側で、かつ、前記露光ステージよりも後方側の所定位置に配置されている基板除塵部支持プレートに取り付けられており、前記基板保持ステージが前記初期位置から前方側に進行することによって、前記基板の感光面との間に所定の空隙を有した状態で吸引しながら前記基板の感光面を除塵して行く基板除塵部と、前記基板保持ステージをx軸に沿って往復動行可能とするとともにz軸に沿って昇降可能とするための基板保持ステージ駆動機構部と、前記基板保持ステージ駆動部を制御することによって前記基板保持ステージの往復動及び昇降を制御する基板保持ステージ制御装置と、を備える。
【0153】
なお、マスク除塵部及び基板除塵部が真空吸引によって除塵するものであっても、露光装置の全体的な構成は、上記した各実施形態において説明した露光装置10A,10B,10Cと同様の構成とすることができる。なお、真空吸引によって除塵するマスク除塵部及び基板除塵部を、下記の説明においては、吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部とする。
【0154】
このような吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部を、例えば、
図1に示す露光装置に適用した場合において簡単に説明する。
吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部は、マスク板310及び基板Wの幅方向(
図1において軸に沿った方向)に細長い吸引口を有している。これら吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部は、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210と同じ位置に取り付けられる。このとき、吸引式マスク除塵部の吸引孔はマスク板310のパターン面M2に対向可能となるように上向きとし、吸引式基板除塵部の吸引口は基板Wの感光面M1に対向可能となるように下向きとする。
【0155】
そして、除塵を行う際においては、
図3及び
図4とほぼ同様の動作を行えばよい。但し、吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部は、マスク31のパターン面M2及び基板Wの感光面M1に対してそれぞれ非接触の状態で除塵するため、吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部のそれぞれの吸引口がマスク31のパターン面M2及び基板Wの感光面M1に対して、所定の空隙を有するように、基板保持ステージ110を制御する。
【0156】
なお、吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部は、マスク31のパターン面M2及び基板Wの感光面M1に対してそれぞれ非接触の状態で除塵するものであるため、マスク除塵ローラー120及び基板除塵ローラー210のように、バネ134による伸張力でマスク板310のパターン面M2に接触させたり、自重で基板Wの感光面M1に接触させたりする構造は不要である。
【0157】
このような吸引式マスク除塵部及び吸引式基板除塵部を用いることによっても、上記各実施形態と同様に、基板Wを保持した基板保持ステージ110が、露光部300にまで進行して行く過程でマスク板310のパターン面M2及び基板Wの感光面M1を除塵することができる。
本発明の露光装置は、基板Wを保持して往復動及び昇降が可能な基板保持ステージ110と、マスクパターンM2が基板Wの感光面M1に対面するようにマスク板310を保持する露光ステージ320と、基板保持ステージ110とともに進行し、マスク板310のパターン面M2を押圧する方向の力(第1方向の力)によってパターン面M2の表面に接触して回転しながら除塵して行くマスク除塵部120と、基板保持ステージ110の進行により、基板Wの感光面M1を押圧する方向の力(第2方向の力)によって基板Wの感光面M1に接触して回転しながら除塵して行く基板除塵部210とを備える。