(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置10の斜視図である。
【0020】
図1(a)において、磁気ヘッド装置10は、回路基板11を介して、一方の面(図示下側の面)に磁気ヘッド20が実装され、他方の面(図示上側の面)に磁気信号処理(記録/再生)回路を構成する制御IC40や復調IC30等の電子部品が実装されている。また、回路基板11の他方の面には、磁気ヘッド20の端子ピン21が突出した状態で半田付けされ、上位装置200(
図3参照)に接続される信号線50が電気的に接続されている。また、
図1(b)は、回路基板11において、制御IC40等の電子部品が実装された面を不透明な樹脂70で封止した状態を示す斜視図である。
【0021】
次に、磁気ヘッド装置10及び磁気ヘッド20の具体的な構成について、
図2を用いて詳述する。
図2は、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置10及び磁気ヘッド20の具体的構成を説明するための断面図である。
【0022】
磁気ヘッド装置10は、主として回路基板11、磁気ヘッド20、制御IC40、復調IC30を備え、回路基板11には、制御IC40及び信号線50が実装された磁気信号処理(記録/再生)回路Cを有する。なお、磁気ヘッド20からの出力信号を処理する復調IC30と磁気ヘッド装置10全体を制御する制御IC40とは、回路基板11のスペースにより別体として分けているが、1つのICで構成してもよい。
【0023】
回路基板11は、磁気ヘッド20が実装された面にはベタパターン12が形成され、反対側には、電子部品(例えば、復調IC30,制御IC40)等が実装されている。また、回路基板11には、磁気ヘッド20から出力される磁気信号を処理する磁気信号処理(記録/再生)回路Cのパターン配線が形成されている。
なお、本実施の形態では、このパターン配線が形成されている反対側には、パターン配線が形成されていないベタ部分にベタパターンが形成されており、接地電位されている。このベタパターンは、主として、実装されている電子部品等から発生する外来ノイズをベタパターンに流している。
【0024】
また、シールドケース22にはアース端子80(
図1参照)が取り付けられており、このアース端子80がベタパターン12と電気的に接続されていることで、シールドケース22とベースパターン12とが等電位に保つことができるようになっている。このように、ベタパターン12を接地電位(フレームグランド)とすることによって、シールドケース22上に帯電した電荷をベタパターン12に流すことができるようにしている。
【0025】
磁気ヘッド20は、記録媒体に記録されている磁気データの読み取り又は書き込みを行うものであり、
図2に示すように、磁気コア23a、23bやコアホルダ26、コイル28等がシールドケース22内に収納されている。シールドケース22の背面、すなわち、端子ピン21が突出している側の面は、回路基板11に形成されたベタパターン12に当接するとともに、その外周面には導電性接着剤等でベタパターン12に固着されている。すなわち、シールドケース22の背面が回路基板11で塞がれようになっている。さらに、回路基板11にベタパターン12が形成されているので、シールドケース22の外部で発生した外来ノイズがシールドケース22内に収納されている磁気コア23a、23b等に侵入することを防いでいる。
【0026】
また、本実施の形態では、回路基板11に形成されたベタパターン12は接地電位となっていることから、磁気ヘッド20が静電気で帯電した場合でも、ベタパターン12と電気的に接続されたシールドケース22から静電気を逃すことができるので、回路基板11上に実装された制御IC30等に静電気等の外来ノイズが流れることを抑制することができる。
【0027】
なお、磁気ヘッド20は、磁気記録媒体に接触、摺動した状態で磁気情報信号の記録再生が行なわれるため、接触時に静電気が発生しやすく、この静電気は、外来ノイズとして記録再生信号に悪影響を与える問題となる。
【0028】
本実施の形態では、磁気ヘッド20は、3つのデータトラック(チャンネルともいう)に対応して3組の磁気コアを備えた3チャンネル磁気ヘッドである。具体的には、磁気ヘッド20は、3組のコアホルダ26と、各コアホルダ26で保持された一対の磁気コア23a、23bと、一対の磁気コア23a、23bの間に位置する磁気遮蔽板29とを有し、3組の、一対の磁気コア23a、23bを3つのデータトラックに対応するように配置されてシールドケース22に収納されている。なお、磁気遮蔽板29は、3組の隣合う磁気コアの間に配置され、各磁気コア23間の漏洩磁束を遮蔽している。すなわち、各組に形成された磁気ギャップGから漏れた磁力を磁気遮蔽板29が遮り、隣接する磁気コア23との間に磁界が生じるのを抑えている。一対の磁気コア23a、23bはパーマロイ等の高透磁率磁性薄板の積層体から構成され、これら一対の磁気コア23a、23bを突き合わせ、接合してリング状に構成されており、先端の突き合わせ面には磁気ギャップ材を介在させて磁気ギャップGが形成されている。
【0029】
そして、シールドケース22内のコアホルダ26及び一対の磁気コア23a、23bの周りに、樹脂24を充填して、一対の磁気コア23a、23bの先端をシールドケース22の窓25から露出させた状態で固めるようにしている。したがって、シールドケース22の窓25には、3組の磁気コア23の周りを囲むように樹脂24が露出している。換言すれば、3組の磁気コア23は、磁気記録媒体に形成された3データトラックに摺動される摺動面、すなわちシールドケース22の上面に形成された窓25に磁気ギャップGを臨ませて固定されている。
【0030】
一対の磁気コア23a、23bの図示後方には、コイルボビン27が装着され、コイルボビン27には、記録、再生の信号電流が流されるコイル28が所定数巻回されている。コイルボビン27は、一対の磁気コア23a、23bとコイル28間との絶縁を得ている。また、コイルボビン27には、巻回されたコイル28の端末を絡げる2つの端子ピン21が形成されている。シールドケース22の背面は、磁気ヘッド20の後方、すなわち、端子ピン21が突出される側の面となっている。本実施の形態において、磁気ヘッド20は3チャンネル磁気ヘッドであるので、
図1に示すように、3組の磁気コア23に対応して6本の端子ピン21が突出している。
【0031】
さらに、各端子ピン21は、
図1(a)、
図2に示すように、回路基板11に形成された貫通孔を貫通し、ベタパターン12が形成されていない反対側の面で回路基板12に形成されたランド部分(図示省略)に半田付けされて電気的に接続されている。なお、貫通孔は、端子ピン21がベタパターン12には接触しないように隙間をもった径で形成されている。
【0032】
シールドケース22は、磁気コア23などを外来ノイズから保護するためのもので、磁気記録媒体と接触、摺動する部分に窓25を設けて磁気コア23等を露出させるようにしている。シールドケース22(の外周面)には、
図1(a)に示すように、アース端子80が設けられており、アース端子80により、シールドケース22は接地されている。また、本実施の形態では、アース端子80は、回路基板11に形成されているベタパターン12と電気的に接続されており、接地電位されている。
【0033】
このような磁気ヘッド20及び磁気信号処理(記録/再生)回路Cからなる回路基板11においては、コイル28と磁気信号処理(記録/再生)回路Cの間の距離も短いので、外来ノイズが混入することはなく外来ノイズの影響を受けることはない
【0034】
3組の磁気コア23は、上述したように突き合わせた状態になっており、3つの磁気ギャップGと磁路を構成するように設けられている。コアホルダ26は、低コストで容易に製作し得る非磁性材の鋳造品、例えばアルミダイキャストや亜鉛ダイキャスト等によって構成することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【0036】
図3において、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置10は、主として、磁気ヘッド20と、制御IC40や復調IC30とで構成されている。復調IC30は、磁気ヘッド20から出力される磁気信号を処理する回路として、AMP回路32、復調回路33、インターフェース部34が構成されている。制御IC40は、磁気ヘッド装置10全体を制御する回路して、CPU31、RAM35、ROM36を備えている。なお、RAM35及び/又はROM36は、CPU31内に組み込まれていてもよい(内蔵ROM等)。ROM36には、磁気ヘッド装置20が、磁気記録媒体に記録された磁気データの読取りや磁気記録媒体への磁気データの記録を行うための基本プログラム等が格納されており、RAM35は、CPU31のワーキングエリアとして機能する。また、制御IC40と復調IC30とは別々のICチップでもよく、1チップとして構成されていてもよい。
【0037】
CPU31は、磁気ヘッド装置10の制御中枢を司るものであって、磁気ヘッド装置10の統合的な制御を行う。磁気ヘッド20による再生信号は、AMP(増幅)回路32において増幅・波形整形され、復調回路33において復調された後(読み取り信号の2値化、すなわちA/D変換などを行った後)、RS232C等のインターフェース部34を介してCPU31に送られる。なお、A/D変換を行う復調回路33は、CPU31に内蔵されていても構わない。また、CPU31は、I/F回路(図示せず)を介して上位装置(PC200)と通信する。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置を磁気カードリーダに搭載した部分断面図である。
【0039】
磁気カードリーダ1は、カード状の磁気記録媒体上の磁気ストライプに記録された磁気データの読取りやカード状媒体への磁気データの記録を行う装置である。
図4に示すように、磁気カードリーダ1は、図示しないカード状磁気記録媒体が挿入されるカード挿入口6aと、フレーム4,4とが対向するように配置し、挿入されたカード状磁気記録媒体が搬送されるカード搬送路6と、カード搬送路6に配置され搬送されるカード状磁気記録媒体の磁気データを読取りおよび搬送されるカード状磁気記録媒体への磁気データの記録を行う磁気ヘッド装置10を備えている。また、本実施の形態では、磁気カードリーダ1は、カード搬送路6内においてカード状磁気記録媒体をユーザが手動で走行させて、カード状磁気記録媒体に記録されている磁気データを読み取る手動式の磁気カードリーダである。
【0040】
磁気ヘッド装置10は、
図1及び
図4に示すように、接着剤によって板バネ60等の弾性体に固着されている。板バネ60自体の弾性力で磁気ヘッド装置10に付勢力を付与し、カード状磁気記録媒体に所定の押圧力で接触、摺動するようにしている。また、板バネ60には、磁気ヘッド装置10を挟んでその両端に、小孔60aと60bが形成されている。
【0041】
このような磁気ヘッド装置10は、
図4に示すように、磁気カードリーダ1の磁気カード挿入口6aの近傍に配置されている。磁気カードリーダ1のフレーム4には、支持板2a、2bが設けられており、この支持板2a、2bにピン3a、3bが植立されている。このピン3a、3bには、板バネ60の小孔60a、60bが嵌挿されている。また、ピン3bには、コイルスプリング5が挿通されており、コイルスプリング5は、磁気ヘッド装置20が固着された板バネ60の一方側と共に、カード状記録媒体の搬送路に向かって付勢する付勢力を付与している。なお、コイルスプリング5のバネ圧は、板バネ60の弾性力と同等に設定し、磁気ヘッド装置20の上下動に対するバランスを保持している。
【0042】
このように構成された磁気カードリーダ1は、カード状磁気記録媒体がカード搬送路6内を搬送されると、磁気ヘッド装置10は、板バネ60の弾性力とコイルスプリング5の付勢力とにより、カード状磁気記録媒体に対して所定の押圧力を付与しながらカード状磁気記録媒体に形成された磁気ストライプに接触・摺動する。磁気ヘッド装置10は、磁気ヘッド20によって磁気ストライプに記録されている磁気データを読み取りまたは書き込みが行なわれる。
【0043】
[実施形態の主な効果]
以上説明したように、本実施形態に係る磁気ヘッド装置10によれば、磁気ヘッド20をベタパターン12によって外部からの外来ノイズの侵入をシールドするため、シールド効果や外来ノイズ対策を従来に比べて安価で実現することができる。
【0044】
また、磁気ヘッド20と回路基板11とを銅線等によって接続するのに比べて、磁気ヘッド20上に回路基板11を配置することから、磁気ヘッド20から電子部品までの配線パターン、銅線等が短くなる結果、外来ノイズの影響を抑えることができる。また、磁気ヘッド20と電子部品との間に回路基板11が位置し、磁気ヘッド20と電子部品との位置関係を遠ざけていることから、外来ノイズの影響を抑えることができる。さらに、磁気ヘッド20と回路基板11との銅線が短いので、高いS/Nの信号の授受が達成できる。
【0045】
また、回路基板11の磁気ヘッド20が実装された側の面がベタパターン12となっており、かかるベタパターン12を接地電位(フレームグランド)とすることで、磁気ヘッド20が静電気で帯電した場合にも、制御IC40や復調IC30等の電子部品が実装された回路基板11側に静電気が飛びにくくなり、電子部品の静電気による悪影響を抑えることができる。
【0046】
さらに、磁気ヘッド20とは反対側に実装された電子部品は不透明な樹脂70で封止されていることから、信号線50がどの電子部品に接続されているかなど、信号の特定を不可能にする構成を採用することによって、セキュリティを向上することができる。
【0047】
また、磁気ヘッド装置10を磁気カードリーダ1に用いることで、外来ノイズの影響を抑えることができ、セキュリティを向上することができる。
【0048】
さらに、磁気ヘッド20が静電気で帯電した場合でも、ベタパターン12を接地電位(フレームグランド)しているので、微弱な磁気信号に静電気がのることを防ぐことができ、リードエラーを起こすことを防止できる。
【0049】
また、抗磁力の高い磁気カードに磁気データを書込みする場合、抗磁力に応じた適正なライト電流、すなわち、大きな電流が必要となるが、シールドケース22内に収納されている磁気コア等から発生する外来ノイズはベタパターン12より、この外来ノイズを逃がすことができる。これにより、回路基板11に実装された電子部品等に悪影響を抑えることができる。
【0050】
[他の実施の形態]
図5は、本発明の他の実施の形態に係る磁気ヘッド装置10'の概要を示す模式図であり、(a)は磁気コア23a,23bの先端を露出させた状態、(b)はシールドケース22の内部構造を示す図である。
【0051】
図5では、3組の磁気コア23a、23bがシールドケース22内に設けられ、磁気ヘッド装置10'は、ベタパターン12'が形成された回路基板11'を磁気ヘッド20'内部に実装している。磁気コア23a、23bは3組に限られるものではないが、磁気コア23a、23bがシールドケース22内に設けられることによって、シールド効果を発揮することができる。
【0052】
このような磁気ヘッド20'及び磁気信号処理(記録/再生)回路Cにおいては、磁気信号処理回路Cが磁気ヘッド20'のシールドケース22の中に格納され、シールドケース22がアース端子(図示せず)により接地されており、また磁気コア23a、23bに巻回されているコイルと磁気信号処理回路Cの間の距離は短いので、外来ノイズが混入することは少なくなり、外来ノイズの影響を受けにくくなる。
【0053】
本実施の形態では、磁気ヘッドは3チャンネル磁気ヘッドであるが、これに限定されるものではない。また、磁気ヘッド装置は磁気カードリーダ以外の磁気データを読込みまたは書き込みする装置であってもよい。