特許第5655224号(P5655224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5655224マルチメディアホームネットワークにおけるコンステレーションスクランブリングを実行するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655224
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】マルチメディアホームネットワークにおけるコンステレーションスクランブリングを実行するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20141225BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
   H04J1/00
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-532283(P2011-532283)
(86)(22)【出願日】2009年10月16日
(65)【公表番号】特表2012-506220(P2012-506220A)
(43)【公表日】2012年3月8日
(86)【国際出願番号】US2009060995
(87)【国際公開番号】WO2010045550
(87)【国際公開日】20100422
【審査請求日】2012年9月19日
(31)【優先権主張番号】61/105,942
(32)【優先日】2008年10月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/144,061
(32)【優先日】2009年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/580,227
(32)【優先日】2009年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508288227
【氏名又は名称】エントロピック・コミュニケーションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENTROPIC COMMUNICATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー, アーント
【審査官】 富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−103959(JP,A)
【文献】 特表2006−527959(JP,A)
【文献】 特開2007−295560(JP,A)
【文献】 Shihab, E. 他,Wireless Mesh Networks for In-Home IPTV Distribution,IEEE Network,2008年 2月,Volume:22, Issue:1 ,pp.52-57
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュトポロジーで提供される、MoCAによって定義されたホームネットワークにおいて直交周波数分割多元接続を使用した通信送信を行う送信ネットワークデバイスに実装される方法であって、
前記送信ネットワークデバイスが、直交周波数分割多元接続用の一組の使用可能な副搬送波の、該送信ネットワークデバイス自身に割り当てられた一部のうち複数の使用副搬送波にパケットをマッピングするステップであって、前記パケットを、前記使用副搬送波上で送信される複数の直交振幅変調シンボルにマッピングすることを含むステップと、
前記送信ネットワークデバイスが、前記使用副搬送波に対応する疑似ランダムノイズシーケンスの要素を使用して、直交振幅変調シンボルに所定の変換を実行するステップと、
前記送信ネットワークデバイスが、変換された前記シンボルを受信ネットワークデバイスに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記所定の変換を実行する前記ステップは、
前記送信ネットワークデバイスが、疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータから初期疑似ランダムノイズシーケンス要素を受信するステップであって、前記初期疑似ランダムノイズシーケンス要素は、最初の使用可能な副搬送波に対応し、前記最初の使用可能な副搬送波が使用副搬送波である場合に、前記シンボルを前記最初の使用可能な副搬送波上で送信されるように変換するシーケンス要素である、ステップと、
前記送信ネットワークデバイスが前記疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータを進めて、前記疑似ランダムノイズシーケンスのうち次の使用可能な副搬送波に対応する次の要素を受信し、前記次の使用可能な副搬送波が使用副搬送波である場合に、前記シンボルを前記次の使用可能な副搬送波上で送信されるように変換するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信ネットワークデバイスが前記疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータを進める前記ステップは、最後の使用副搬送波上で送信されるシンボルが変換されるまで繰り返される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記疑似ランダムノイズシーケンスは、PN−15シーケンスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の変換を実行する前記ステップは、前記疑似ランダムノイズシーケンスの前記要素が「1」の場合に、前記直交振幅変調シンボルを180°回転させるステップと、前記疑似ランダムノイズシーケンスの前記要素が「0」の場合に、前記直交振幅変調シンボルを変更しないステップとを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記受信ネットワークデバイスは、ネットワークコーディネータを備え、前記パケットは、リソース予約要求パケットを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
メッシュトポロジーで提供される、MoCAによって定義されたホームネットワークにおいて直交周波数分割多元接続を使用した通信受信を行う受信ネットワークデバイスによって実装される方法であって、
第1の送信ネットワークデバイスから、スクランブルされた第1の直交周波数分割変調シンボルを受信するステップであって、前記第1の直交周波数分割変調シンボルは、前記第1の送信ネットワークデバイスに割り当てられた対応する第1の複数の使用副搬送波上で送信された第1の複数のスクランブルされた直交振幅変調シンボルを含む、ステップと、
第2の送信ネットワークデバイスから、スクランブルされた第2の直交周波数分割変調シンボルを受信するステップであって、前記第2の直交周波数分割変調シンボルは、前記第2の送信ネットワークデバイスに割り当てられた対応する第2の複数の使用副搬送波上で送信された第2の複数のスクランブルされた直交振幅変調シンボルを含む、ステップと、
を含み、
前記第1の複数の副搬送波および前記第2の複数の副搬送波は、一組の使用可能な副搬送波の一部であり、前記一組の使用可能な副搬送波中の副搬送波は、疑似ランダムノイズシーケンスの対応する要素を有しており、
スクランブルされた前記第1および第2の直交周波数分割変調シンボルをデスクランブルするステップであって、前記使用副搬送波に対応する前記疑似ランダムノイズシーケンスの前記要素を使用して、一つの使用副搬送波上で送信されるスクランブルされた直交振幅変調シンボルをデスクランブルすることを含む、ステップ、
を更に含む方法。
【請求項8】
前記スクランブルされた第1および第2の直交周波数分割変調シンボルをデスクランブルする前記ステップは、
疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータから初期疑似ランダムノイズシーケンス要素を受信するステップであって、前記初期疑似ランダムノイズシーケンス要素は、最初の使用可能な副搬送波に対応し、前記最初の使用可能な副搬送波が使用副搬送波である場合に、前記最初の使用可能な副搬送波上で受信された前記シンボルをデスクランブルすることを含むステップと、
前記疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータを進めて、前記疑似ランダムノイズシーケンスのうち次の使用可能な副搬送波に対応する次の要素を受信し、前記次の使用可能な副搬送波が使用副搬送波である場合に、前記次の使用可能な副搬送波上で受信された前記シンボルをデスクランブルするステップと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータを進める前記ステップは、最後の使用副搬送波上で送信されるシンボルがデスクランブルされるまで繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記疑似ランダムノイズシーケンスは、15次の疑似ランダムノイズシーケンスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記スクランブルされた直交振幅変調シンボルをデスクランブルする前記ステップは、前記疑似ランダムノイズシーケンスの前記要素が「1」の場合に前記スクランブルされた直交振幅変調シンボルを180°回転させ、前記疑似ランダムノイズシーケンスの前記要素が「0」の場合に前記スクランブルされた直交振幅変調シンボルを変更しないステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ネットワークコーディネータによって実行される請求項4に記載の方法であって、スクランブルされた第1および第2の直交周波数分割変調シンボルがリソース予約要求パケットの中に含有される、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
メッシュトポロジーで提供される、MoCAによって定義されたホームネットワークにおいて直交周波数分割多元接続を使用した通信を行う通信ネットワークシステムであって、
直交周波数分割多元接続に使用可能な一組の副搬送波のうちの第1の副搬送波上で第1の直交振幅変調シンボルを送信するように構成された第1のネットワークデバイスを備え、
前記第1のネットワークデバイスは、前記第1の直交振幅変調シンボルに第1のコンステレーションスクランブリング操作を実行するように構成されており、前記第1のコンステレーションスクランブリング操作は、
所定のシードで第1のシーケンスジェネレータを初期化することと、
前記使用可能な一組の副搬送波を所定の順序でたどりながら、前記第1の副搬送波に先行する各副搬送波について前記第1のシーケンスジェネレータを進め、前記第1のシーケンスジェネレータによって生成される第1のシーケンスの第1の要素を使用して、前記第1の直交振幅変調シンボルをスクランブルすることと、
を含む、システム。
【請求項14】
前記使用可能な一組の副搬送波のうちの第2の副搬送波上で、第2の直交振幅変調シンボルを送信するように構成された第2のネットワークデバイスを更に備え、
前記第2のネットワークデバイスは、前記第2の直交振幅変調シンボルに第2のコンステレーションスクランブリング操作を実行するように構成されており、前記第2のコンステレーションスクランブリング操作は、
前記所定のシードで第2のシーケンスジェネレータを初期化することと、
前記使用可能な一組の副搬送波を前記所定の順序でたどりながら、前記第2の副搬送波に先行する各副搬送波について前記第2のシーケンスジェネレータを進め、前記第2のシーケンスジェネレータによって生成される第2のシーケンスの第2の要素を使用して、前記第2の直交振幅変調シンボルをスクランブルすることと、
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
スクランブルされた前記第1および第2の直交振幅変調シンボルを受信するように構成された受信ネットワークデバイスを更に備え、
前記受信ネットワークデバイスは、前記スクランブルされた第1および第2の直交振幅変調シンボルにコンステレーションデスクランブリング操作を実行するように構成されており、前記コンステレーションデスクランブリング操作は、
前記所定のシードで第3のシーケンスジェネレータを初期化することと、
前記使用可能な一組の副搬送波を前記所定の順序でたどりながら、前記第1の副搬送波に先行する各副搬送波について前記第3のシーケンスジェネレータを進め、前記第1の要素を使用して、前記第1の直交振幅変調シンボルをデスクランブルし、前記第2の副搬送波に先行する各副搬送波について前記第3のシーケンスジェネレータを進め、前記第2の要素を使用して、前記第2の直交振幅変調シンボルをデスクランブルすることと、
を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
メッシュトポロジーで提供される、MoCAによって定義されたホームネットワークにおいて直交周波数分割多元接続に使用可能な一組の副搬送波のうち一つの副搬送波上で直交振幅変調シンボルを送信するように構成されたネットワークデバイスであって、前記ネットワークデバイスは、コンピュータ実行可能プログラムコードが実装されたコンピュータ可読媒体を備え、前記コンピュータ実行可能プログラムコードは、前記ネットワークデバイスに、
前記直交振幅変調シンボルにコンステレーションスクランブリング操作を実行して、スクランブルされた直交振幅変調シンボルを形成するステップを実行させるように構成されており、前記コンステレーションスクランブリング操作は、
所定のシードでシーケンスジェネレータを初期化することと、
前記使用可能な一組の副搬送波を所定の順序でたどりながら、前記副搬送波に先行する各副搬送波について前記シーケンスジェネレータを進め、前記シーケンスジェネレータによって生成されるシーケンスの要素を使用して、前記直交振幅変調シンボルをスクランブルすることと、
を含む、ネットワークデバイス。
【請求項17】
前記コンピュータ実行可能プログラムコードは、前記デバイスに、スクランブルされた前記直交振幅変調シンボルを受信ネットワークデバイスに送信させるように更に構成されている、請求項16に記載のネットワークデバイス。
【請求項18】
前記受信ネットワークデバイスは、ネットワークコーディネータを備え、前記シーケンスは、15次の疑似ランダムシーケンスを含み、前記直交振幅変調シンボルは、リソース予約要求の符号化されたシンボルを含む、請求項17に記載のネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2008年10月16日出願の仮出願整理番号第61/105,942号からの優先権を主張し、かつ本願は、2009年1月12日出願の仮出願第61/144,061号からの優先権を主張し、かつ本願は、2009年10月15日出願の非仮出願第12/580,227号からの優先権を主張し、それらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示の方法および装置は、概して通信ネットワークに関し、より具体的には、いくつかの実施形態が直交周波数分割多元接続ネットワークにおけるコンステレーションスクランブリングに関する。
【0003】
関連技術の説明
通信およびデータ伝送技術における多くの継続的な進歩によって、ますます多くのデバイスが、高度な高帯域幅通信機能を伴って、消費者部門および商業部門の両方において導入されている。更に、処理能力および低電力消費技術の進歩は、広範囲で種々の製品における通信機能の普及をもたらした。
【0004】
例えば、通信ネットワークは、現在、多くの家庭および職場環境においてありふれたものである。そのようなネットワークは、従来独立していた種々のデバイスがデータおよび他の情報を共有して、生産性を強化し、あるいは単にユーザへの利便性を改善することを可能にする。この背景に対して、コンテンツデバイス(例えば、テレビ、DVDプレーヤおよびレコーダ、デジタルカメラ、スピーカ、ビデオカメラ等)、コンピュータデバイス、I/Oデバイス、家庭電化製品、およびモデムを接続する能力への需要が高まっている。
【0005】
家庭用エンターテインメントネットワークは、典型的には、2つのトポロジーのうちの一つで提供される。第1のトポロジーはアクセストポロジーであり、これは、ベースノードがそのブランチにおけるノードと通信するがブランチノードは通常は他のブランチと直接通信しないツリー構造に最も良く類推することができる。第2のトポロジーは、任意のノードがネットワーク上で任意の他のノードと直接通信することができるメッシュトポロジーである。アクセストポロジーは、一般的には、アパートまたはオフィスの、「ソース」におけるマスターノードを用いて複数の下流ノードに(例えば、一つのアパート建物における種々の貸室に)データが配布され、下流ノード同士(例えば、貸室同士)は相互にコンテンツを共有する必要がない環境において見られる。一方、メッシュトポロジーをより一般的に見る可能性があるのは、広帯域データの共通ソース(例えば、自宅への主ケーブル供給)が存在するかもしれないが、自宅所有者が一つの部屋の中のデバイスから生じるコンテンツを彼らの家の他の部屋の中の他のデバイスと共有することを望むかもしれないホーム環境である。
【0006】
デジタルホームネットワーキング市場への高まる需要に対応するために、業界のリーダー企業のコンソーシアムは、Multimedia over Coax Alliance(MoCA(商標))を形成した。MoCAは、ケーブルまたは衛星テレビサービスのために家庭にすでに設置されている同軸ケーブル上の利用可能な帯域幅を通して、デジタルエンターテインメントを配送するためのプロトコルを定義する、技術基準(「MoCA」と称される)を提供した。当初のMoCA基準は、2006年2月に承認され、ビルトインMoCA機能(すなわち、MoCA基準に適合する)ルータ、MoCAセットトップボックス、およびMoCAアダプタが、そのすぐ後に続いた。したがって、一つのメッシュトポロジーは、MoCA基準によって定義される。
【0007】
これらおよび他のネットワークの設計者、そして実際には通信チャネル一般の設計者は、一つの制限されたチャネルにわたる種々のデバイスからの複数の通信を管理するという課題に長い間取り組んできた。その結果、ネットワーク設計者は、ネットワーク上の種々の通信デバイスもしくはクライアント間で衝突を調停するための、あるいは帯域幅を割り当てるための種々の解決策を見つけた。利用可能な帯域幅の共有を可能にするために、トークンリング、イーサネット、および他の構成等のよく知られているネットワーク構成で使用されるスキームが開発されてきた。
【発明の概要】
【0008】
本開示の方法および装置の種々の実施形態によれば、複数の送信ネットワークデバイスが直交周波数分割多元接続(OFDMA)モードで受信ネットワークデバイスに送信することを可能にするシステムおよび方法が提供される。これら複数の送信ネットワークデバイスは、所定のスクランブリングシーケンスを使用して、それらが送信することになるシンボルに対してコンステレーションスクランブリングを実行するように構成されてもよい。それらは更に、受信デバイスがペイロードをそれがあたかも単一の送信機によって送信されたかのように見なし得るように、例えば使用可能な副搬送波ごとにシーケンスを進めることによって、それらの送信ネットワークデバイスによるそのシーケンスの使用を同期させるように構成されてもよい。したがって、これらの複数の送信は、シーケンスジェネレータの一つのインスタンスのみを使用してデスクランブルされてもよい。
【0009】
本開示の方法および装置の一実施形態では、ネットワークは、一つのネットワークコーディネータ(NC)宛ての複数のペイロードシンボルを同時に送信する複数(最大で16)のノードからの予約要求(Reservation Requests)を集約するOFDMAモードで動作するように構成される。各送信機は、相互排他的にそれに予め割り当てられた複数の副搬送波の一部のみを利用する。同期化された搬送波周波数を有し、信号を同時にNCに到達させることによって、全ての送信された副搬送波の結合の直交性が維持される。すなわち、NCは、明らかに正常なペイロードを受信し、そのペイロードの復調された副搬送波は、その後、個々の予約要求の各々を回復するように再パーティショニングすることができる。
【0010】
本開示の方法および装置の一実施形態によると、通信ネットワークシステムは、直交周波数分割多元接続に使用可能な一組の副搬送波のうちの一つの副搬送波上で直交振幅変調シンボルを送信するように構成されたネットワークデバイスを備える。このネットワークデバイスは、直交振幅変調シンボルに対してコンステレーションスクランブリング操作を実行するように構成されている。コンステレーションスクランブリング操作は、所定のシードでシーケンスジェネレータを初期化することと、前記使用可能な一組の副搬送波を所定の順序でたどりつつ、前記副搬送波に先行する各副搬送波についてシーケンスジェネレータを進め、シーケンスジェネレータによって生成されるシーケンスの要素を使用して直交振幅変調シンボルをスクランブルすることと、を含む。
【0011】
本開示の方法および装置の他の特徴および態様は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになる。該図面は、本開示の方法および装置の実施形態に従った特徴を一例として示す。発明の概要は、特許請求された発明の範囲を制限することを目的とせず、該発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ定められる。
【0012】
一つ以上の種々の実施形態に従った、本開示の方法および装置を、以下の図面を参照して詳細に説明する。これらの図面は、例示のみを目的として提供されており、本開示の方法および装置の可能な態様の典型的な実施形態または実施例を表現しているに過ぎない。これらの図面は、本開示の方法および装置に関する読み手の理解を容易にするために提供され、特許請求された発明の幅、範囲、または適用可能性を制限するものと見なされるものではない。例示の明確さおよび容易さのために、これらの図面は、必ずしも原寸に比例して作成されてはいないことに留意されたい。
【0013】
これらの図面は、網羅的であること、ならびに本開示の方法および装置を開示される正確な形態に限定することを意図していない。本開示の方法および装置は、修正および変更を伴って実施することができること、および特許請求された発明は、特許請求の範囲およびその同等物によってのみ制限されるべきであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の方法および装置の実施形態を実施しうる例示的なホームネットワークを示す図である。
図2】16−QAM用の符号化方式を示す、コンステレーション図である。
図3】本開示の方法および装置の一実施形態に従った、OFDMAに使用可能な周波数帯域を示す図である。
図4】本開示の方法および装置の一実施形態に従って使用可能なOFDM符号化モジュールを示す図である。
図5】本開示の方法および装置の一実施形態に係るスクランブリング操作を示す図である。
図6】疑似ランダムノイズシーケンスの関連要素を有する複数の直交周波数副搬送波を示す図である。
図7】本開示の方法および装置の一実施形態に係るデスクランブリング操作を示す図である。
図8】本開示の方法および装置の一実施形態に係る、OFDMA通信期間中に信号を受信するネットワークデバイス用のデスクランブリング復号モジュールを示す図である。
図9】本開示の方法および装置の一実施形態において実施可能な、全体的なコンステレーションスクランブリング手順を示す図である。
図10】本開示の方法および装置の一実施形態において実施可能な、より具体的なスクランブリング手順を示す図である。
図11】本開示の方法および装置の一実施形態において実施可能な疑似ランダムシーケンスジェネレータを示す図である。
図12】本開示の方法および装置の実施形態の種々の特徴実施するうえで使用可能な、例示的な計算モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の方法および装置を詳細に説明する前に、本開示の方法および装置を実施可能な幾つかの例示的な環境を説明することが有用である。図1は、ホームケーブルネットワークを備える、一つのそのような例示的な環境を示す図である。図1に示すホーム環境の例は、MoCAによって定義されるネットワーク等の典型的なホームネットワーキング環境において見られ得る機器および他の電子デバイスまたはノードの例も含んでいる。図1のネットワークは、マスターベッドルーム115、ベッドルーム114、およびファミリールーム113において見られるセットトップボックス111およびテレビ(TV)110を含む。また、典型的なホームネットワークは、書斎113において図示されるようなデスクトップコンピュータシステム117および周辺機器等のコンピュータシステム、ならびにキッチン112において図示されるようなラップトップコンピュータ118を含んでもよい。また、他のコンテンツデバイスまたはネットワークデバイスが設けられてもよい。
【0016】
多くの通信ネットワークにおいて、物理層(PHY)パケットは、直交周波数分割多重化(OFDM)を使用して送信される。OFDMでは、データが複数の周波数副搬送波上に変調される。各副搬送波は、直交振幅変調(QAM)を使用して変調される。QAMでは、同一周波数の2つの搬送波の位相が変調される。2つの副搬送波は、直交(Q)成分および同相(I)成分と呼ばれる。例えば、図2は、16−QAM用の符号化方式を示す。この図が示すように、直交成分および同相成分の両方は、合計で16個の異なるシンボルについて、4つの異なる位相のうちのいずれか一つをとることができる。グラフの軸としてQおよびIを用いてそのような符号化方式を表すことにより、コンステレーション図を得ることができる。次いで、QAMシンボルに対する操作は、これらの操作が対応するコンステレーション点に行うことという観点から説明することができる。例えば、点150を180°回転することは、それを点151にマッピングし、それは、直交成分に−1、および同相成分に−1を掛けることに等しい。図が示すように、2つの点を含むコンステレーション図は、二位相偏移変調(BPSK)に相当する。BPSKは、一つの搬送波のみを必要とするが、本明細書における直交振幅変調への言及は、別段の記述がない限り、BPSKを包含すると理解される。
【0017】
MoCAネットワークは、TV110、セットトップボックス111、およびコンピュータ117、118等の複数のクライアントノードを含む。TV110、セットトップボックス111、およびコンピュータ117、118は、これらのデバイスがMoCAネットワーク上のクライアントノードとして動作することを可能にする通信デバイスを有して構成されることに留意されたい。最初に、MoCAネットワークのセットアップ時に、クライアントノードのうちの一つが、ネットワークコーディネータ(NC)になるように自動的に選択される。システムを構築してネットワーク帯域幅を割り当てるために、NCは、ネットワークを介して通信が行われる時間をスケジューリングする。NCは、スケジュールを「メディアアクセスパケット」(MAP)で各クライアントノードに伝達する。各MAPは、情報のパケットである。一つのMAPは、各「MAPサイクル」中にNCに送信される。NCがこれらのスケジューリング義務を実行できるようにするために、NCは、ある特定の時間におけるある特定の量の帯域幅の要求を含む「予約要求」(Reservation Request: RR)をネットワークデバイスが送信するための機会を提供する。これらのRRを受信するために必要な時間は、ネットワークのサイズとともに増加する。例えば、MAPサイクルが1000μsであり、各RRが17μsを必要とする場合、16ノードネットワークにおける15個の非制御ノードからRRを別々に受信するためには、255μsまたはチャネル時間の約25%が必要になる。
【0018】
本開示の方法および装置は、この例示的な環境を適宜参照する。この環境に関する説明は、本開示の方法および装置の種々の特徴および実施形態が、一実施例として特定の用途との関連で描かれることを可能にするために提供される。異なる環境および代替の環境において、本開示の方法および装置をどのように実施することができるかは、本説明を読んだ後に当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
図3は、本開示の方法および装置の一実施形態に従った、OFDMAに使用可能な周波数帯域を示す。この周波数帯域において、複数の周波数副搬送波201または「トーン」(上向き矢印によって表される)が、OFDM通信で使用するために提供される。いくつかの実施形態では、トーンの一部202(トーンの上の「X」で表される)がOFDM通信には利用不可能であると判定される可能性がある。これは、例えば、信号が、システムで定義された利用可能な帯域幅の範囲外であったり、他の使用のために副搬送波が予約されていたりするためである。したがって、周波数帯域内の副搬送波の一部が、OFDMに使用可能な副搬送波(「X」のシンボルが付いていない副搬送波)となることがある。OFDMA通信環境では、使用可能な副搬送波のさらなる一部が、OFDMA通信で使用される複数のネットワークノードに割り当てられる。その場合、これらのネットワークノードは、それらに割り当てられた副搬送波上で同時に通信を行ってもよい。例えば、ノード「A」に割り当てられる副搬送波の一部203に「A」のラベルが付けられ、ノード「B」に割り当てられる副搬送波の一部204に「B」のラベルが付けられる一方で、別のノード205に使用可能なままである副搬送波には、ラベルが付けられない。ある実施形態では、使用可能な副搬送波の、ノード特有の部分へのパーティショニングは、例えばノード許可プロセス中に、ネットワークコーディネータまたはコントローラによって行われてもよい。例えば、ネットワークコントローラを欠いているような他の実施形態では、使用可能な副搬送波のネットワークノードへの割り当ては、相互に交渉(ネゴシエート)されてもよい。
【0020】
いくつかの通信ネットワークでは、例えば、センサネットワーク等において数多くのネットワークデバイスが共通の通信媒体を共有することを可能にするために、OFDMAを全ての送信タイプに使用してもよい。他の通信ネットワークでは、OFDMAを特定の送信タイプに使用してもよい。例えば、OFDMAは、スケジューリングおよびハウスキーピングの目的で、参加ネットワークノードから要求されるネットワーク送信のために使用されてもよい。一例としてMoCAネットワークを用いると、OFDMAは、MAPサイクルのRR期間中にRRを送信するために使用されてもよく、それによって、RR期間を低減し、かつ他のネットワーク通信のための時間を解放する。
【0021】
いくつかの通信ネットワークでは、異なる変調スキームが、異なる使用可能な副搬送波に割り当てられてもよい。例えば、異なる副搬送波上の通信が、変化する伝搬特性または信号特性を有するかもしれないので、異なるスキームが使用されてもよい。例えば、第1の副搬送波206が、1024−QAMをサポートできる信号対ノイズ比(SNR)を提供する一方で、第2の副搬送波は、それが2−QAM(すなわち、BPSK)のみを維持できるように、大きい度合いのノイズまたは低減された許容信号強度を有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、各副搬送波に同一の変調スキームを有するように要求するのではなく、異なる副搬送波に異なる変調スキームを割り当ててもよい。例えば、ネットワーク媒体が定期的にプロファイリングされ、使用可能な副搬送波に、これらのプロファイルに従って、異なるQAM変調スキームが割り当てられてもよい。
【0022】
このような実施形態では、異なるノード間でパケット長が比較的一定となるハウスキーピングまたは保守データ交換(例えばRRの送信)のためにOFDMAが予約されるとしても、異なるノードは依然として、異なる数の副搬送波を要求してもよい。例えば、OFDMAのためにBに割り当てられる副搬送波204が、512−QAM等のより高いQAM変調レートをサポートする一方で、Aに割り当てられる副搬送波203が、そのような高いレートをサポートしない場合、図示のように、より多くの副搬送波がAに割り当てられてもよい。
【0023】
図4は、本開示の方法および装置の一実施形態に従って使用することの可能なOFDM符号化モジュールを示す。本実装において、符号化モジュール249は、入力ビットストリーム250を受信する。入力ビットストリーム250は、例えば、PHYパケットを表してもよい。符号化モジュール249は、シリアル・パラレルモジュール251を使用して、シリアルビットストリームをパラレルストリームに変換する。次いで、このパラレルストリームは、複数のQAM符号化モジュール257を備えてもよいQAMモジュール252に伝えられる。いくつかの実施形態では、QAM符号化モジュール275は、使用可能な副搬送波ごとに存在してもよい。したがって、これらの実施形態では、ネットワークノードは、OFDMAを使用して通信を行う時に、全ての使用可能なQAMモジュールを使用しなくてもよい。代わりに、ネットワークノードは、使用可能な副搬送波のその割り当てられた一部に対応するQAMモジュールのみを使用してもよい。他の実施形態では、シリアル・パラレルモジュール251および複数のQAMモジュール257は、使用される副搬送波へのビットストリーム250のQAM符号化を順次に実行する単一のQAM符号化モジュールと置き換えられる。
【0024】
QAM符号化の後は、複数のQAMシンボルを含むと共にOFDMシンボルを含む出力シンボルストリーム253が、スクランブラモジュール254に提供される。スクランブラモジュール254は、図5を参照して以下で説明するように、シーケンスジェネレータ255の出力256を使用して、受信したQAMシンボルにコンステレーションスクランブリング操作を実行する。いくつかの実施形態では、シーケンスジェネレータモジュール255は、疑似ランダムノイズシーケンスジェネレータを含み、出力256は、疑似ランダムノイズシーケンスを含む。次いで、スクランブルされたシンボルストリーム257が、送信機によるさらなる使用のために提供される。
【0025】
図5は、本開示の方法および装置の一実施形態に従った、スクランブリング操作を示す。一実施形態では、コンステレーションスクランブリングのために使用される共用疑似ランダムシーケンスが、OFDMA通信期間中に同時に送信を行うことになる各ネットワークデバイスに提供される。そのような実施形態の一つでは、疑似ランダムシーケンスは、各ネットワークデバイスが同一のシーケンスを生成するように、共通のシードで初期化される。更に、一実施形態によれば、OFDMA通信用の使用可能な副搬送波は、ネットワークノード間で共用される索引スキームに従って索引付けされる。本実施形態では、最初のOFDMシンボルおよび周波数範囲内の最初の副搬送波で始まるコンステレーションスクランブリングプロセスが開始されると(ステップ280)、送信ネットワークデバイスは、現在の副搬送波を検査して、その副搬送波がOFDMA通信に使用可能であるかどうかを判定する(ステップ286)。副搬送波が使用可能である場合、該デバイスは、現在の副搬送波がOFDMA通信のために該デバイスによって使用されているかどうかを判定する(ステップ281)(すなわち、副搬送波は、現在の副搬送波上でQAMシンボルを送信することになる)。その場合、ノードは、疑似ランダムシーケンスの最新の要素を取得し(ステップ282)、疑似ランダムシーケンスのその取得された要素を用いて、使用される副搬送波上のQAMシンボルをスクランブルする(ステップ283)。ステップ283の後に、または副搬送波が使用されていない場合はステップ281の後に、該デバイスは、ノイズジェネレータをクロックして、疑似ランダムシーケンスを次の要素に進める(ステップ284)。ステップ287において、該デバイスは、現在の副搬送波が現在のシンボルの最後の副搬送波であるかどうかを判定する。図示される実施形態では、このステップは、ステップ286において、現在の副搬送波が使用可能ではないと判定される場合、ステップ284の後に実行される。ステップ287が、現在の副搬送波が現在のシンボルの最後の副搬送波ではないと判定した場合、ネットワークデバイスは、次の副搬送波に進み(ステップ288)、該方法はステップ286から繰り返される。一方で、副搬送波が最後の副搬送波である場合、該デバイスは、現在のシンボルが最後のシンボルであるかどうかを判定する(ステップ285)。最後のシンボルではない場合、該デバイスは、次のシンボルの最初の副搬送波に進み、該方法は、この場合もやはり、ステップ286から繰り返される。現在のシンボルが最後のシンボルである場合、メッセージ中の全シンボルがスクランブルされており、該方法は終了する。
【0026】
したがって、この方法の後に、OFDMAを使用して送信しているネットワークデバイスが続く場合、いかなる2つのネットワークデバイスも、同一の疑似ランダムシーケンス要素を使用してシンボルをスクランブルしない。例えば、第1の副搬送波上で送信しているネットワークデバイスは、疑似ランダムノイズシーケンスの第1の要素を使用するための唯一のデバイスであり、第2の副搬送波上で送信しているネットワークデバイスは、疑似ランダムノイズシーケンスの第2の要素を使用するための唯一のデバイスであり、等々となる。この状態は図6に示されており、この状態では、各使用可能な副搬送波が一意のシーケンス要素S(n)を効果的に有する。この状態は、各ネットワークデバイスが、使用しないものまで含めて使用可能な副搬送波の各々についてシーケンスジェネレータを進めることから生じる。他の実施形態では、図6を参照して示されるように、使用可能な副搬送波の各々が割り当てられてもよい。
【0027】
したがって、受信ネットワークデバイスは、送信されたペイロードをそれがあたかも単一の送信機によって送信されたかのように見なし、単一のシーケンスジェネレータを使用して、受信したシンボルをデスクランブルすることができる。いくつかの実施形態では、受信ネットワークは、図5に類似した方法で進行する。これは、図7に示される。この方法が開始される時に、受信ネットワークデバイスは、送信ネットワークデバイスと同一の初期シードで、そのシーケンスジェネレータをシードする。次いで、最初の受信されたOFDMシンボルおよび周波数帯域内の最初の副搬送波で始まる復号方法が開始される(ステップ290)。本明細書に記載するように、本実施形態における受信機側のOFDMシンボルは、OFDMAを使用して複数の送信デバイスによって送信された複数のOFDMシンボルの組み合わせであるOFDMシンボルを含む。スクランブリングプロセスと同様に、デスクランブリングプロセスは、現在の副搬送波を検査して(ステップ296)、それがOFDMAに使用可能であるかどうかを判定し、使用可能である場合、副搬送波が使用されたか(すなわち、QAMシンボルを伝えたか)どうかを判定する(ステップ291)。副搬送波が使用される場合、受信デバイスは、スクランブリングシーケンスから最新のビットを取得し(ステップ292)、その使用される副搬送波上のQAMシンボルをデスクランブルする(ステップ293)。副搬送波が使用可能であったが、ステップ291において使用されなかった場合、またはステップ293において副搬送波をデスクランブルした後に、受信デバイスは、ノイズジェネレータをクロックする(ステップ294)。デスクランブリングプロセスを継続する間、受信デバイスは、伝送デバイスによって実行されるプロセスと同様の方法で、周波数帯域の複数の副搬送波を順次にたどり(ステップ298および297)、かつOFDMシンボルのそれぞれについて処理を進める(ステップ299および295)。この方法が終了すれば、受信ネットワークデバイスは、OFDMA送信期間に参加した複数の送信デバイスからの受信した全てのシンボルをデスクランブルしたことになる。いくつかの実施形態では、これにより、受信ネットワークデバイスが多数のシーケンスジェネレータを維持する必要がなくなる。というのも、各送信デバイスの通信をデスクランブルするために、受信ネットワークデバイスが各送信デバイスのために別々のシーケンスジェネレータを維持する必要がないからである。特定の実施形態では、受信ネットワークデバイスは、ネットワークコントローラを備えてもよく、OFDMA期間中に受信されるQAMシンボルは、送信デバイスのRRを含んでもよい。これに伴い、ネットワークコントローラは、次のMAP中の帯域幅の割り当てをスケジューリングするための要求を使用し、それらの割り当てられたスケジュールを有する種々のネットワークデバイスに応答を送信してもよい。
【0028】
図8は、本開示の方法および装置の一実施形態に係る、OFDMA通信期間中に信号を受信するネットワークデバイス用のデスクランブリング復号モジュールを示す。本実施形態では、受信モジュール300は、スクランブルされたシンボルストリーム307を取得する。スクランブルされたシンボルストリーム307は、典型的には、対応する複数の使用副搬送波上で送信された複数のQAMシンボルを含む。これらの使用副搬送波は、OFDMA通信期間中に個々の送信ネットワークデバイスによって使用される副搬送波の全てを表す。このスクランブルされたシンボルストリーム307は、コンステレーションデスクランブリングのために、デスクランブリングモジュール304に提供される。本明細書に記載するように、複数の送信ネットワークデバイスが、それらによるシーケンスジェネレータの使用を同期化することが可能であったため、受信ネットワークデバイスは、単一のシーケンスジェネレータ305および出力シーケンス306を使用して、受信されたストリーム307をデスクランブルすることができる。その後、デスクランブルされたシンボルストリーム303は、復号のためのQAM復号モジュール302を構成する複数のQAMデコーダ307に提供されてもよい。いったんシンボルが復号されると、それらのシンボルは、割り当てモジュール301によって、それぞれの対応する送信ネットワークデバイスに従って割り当てられ、一つの送信ネットワークデバイス当たり一つのビットストリームという割合で、複数のビットストリーム308として出力されてもよい。
【0029】
図9は、本開示の方法および装置の一実施形態において実施可能な、全体的なコンステレーションスクランブリング手順を示す。このスクランブリング手順において、QAMシンボル320C(n)は、同相成分および直交成分を含む対C(n)={I(n),Q(n)}によって表すことができる。一つのスクランブリングプロセスにおいて、シンボルの同相成分321、すなわちI(n)、および直交成分322、すなわちQ(n)は、それぞれ、変換324および325を受ける。これらの変換では、シンボルのデスクランブリングが同一のシーケンス要素を使用した逆演算を含むように、シーケンスの既知の要素、例えば疑似ランダムシーケンス323を使用してもよい。変換の後、スクランブルされたシンボルC(n)’328は、スクランブルされた同相成分326、すなわちI(n)’、およびスクランブルされた直交成分327、すなわちQ(n)’を含む。
【0030】
図10は、本開示の方法および装置の一実施形態に従った手順を実行するために使用される構成要素のブロック図である。この手順において、所定のシーケンス340がマッピング関数モジュール342に提供される。一実施形態では、ビットストリーム340は、1および0の疑似ランダムシーケンスを含む。マッピング関数モジュール342は、1を−1に、および0を1にマッピングし、それによって、1および−1の疑似ランダムシーケンスを形成する。入力シンボルストリーム341は、QAMシンボルを取得するために、シンボルモジュール343に接続される。乗算器344は、シンボルの同相成分および直交成分にマッピング関数342の結果を乗ずる。疑似ランダムシーケンスの現在の要素が1の場合、マッピング関数モジュール342は、−1を返し、同相成分および直交成分の双方がネゲートされる。これは、180°の回転に等しい(コンステレーション図に見られるように)。更に、疑似ランダムシーケンスの現在の要素が0の場合、マッピング関数モジュール342は1を返し、同相成分および直交成分を変化させずに保つ恒等関数をもたらす。乗算器344の出力は、スクランブルされたシンボルストリーム345である。この特定のスクランブリングプロセスおよび他のスクランブリングプロセスにおいて、スクランブリング関数は、自身の逆関数である。すなわち、スクランブルされたシンボルストリーム345を入力シンボルストリーム341の代わりにシンボルモジュール343に提供すると、疑似ランダムシーケンス340が元の初期値で再度開始されると仮定した場合、元のスクランブルされていないストリーム341が乗算器344から出力されることになる。
【0031】
図11は、本開示の方法および装置の一実施形態において実施可能な疑似ランダムシーケンスジェネレータを示す。この図は、ジェネレータ多項式X15+X+1を用いて15次の疑似ランダムノイズシーケンス(PN−15(n))を生成するシーケンスジェネレータを示す。特定の実施形態では、通信ネットワークにおける各ネットワークデバイスが、そのようなシーケンスジェネレータを有する。OFDMA送信期間の開始時に、各送信機は、所定のシードでシフトレジスタ370を初期化する。例えば、特定の実施形態では、シフトレジスタ370は、0x3EA9の15個の最下位ビットで初期化される。いくつかの実施形態では、疑似ランダムシーケンスの現在の要素は、現在Aを占めているビットを含み、例えば、疑似ランダムシーケンスの最初の要素は、シードの最下位ビットを含むことになる。シーケンスジェネレータがクロックされると、シフトレジスタは、A+Aとして新しいA14を生成し、Aにおけるビットを廃棄し、各ビットをAからAn−1に移動させる。したがって、シーケンスは、決定論的方法で生成されるが、215個の可能な15−ビットの組み合わせ全てを均等な分布で生成すると示すことができる。したがって、シーケンスは、進行するに従いノイズのように見える。
【0032】
本明細書に記載されるように、OFDMA期間に参加する各送信ネットワークデバイスが、同一のシードを使用してそれらのジェネレータを初期化し、それらが使用した副搬送波だけではなく使用可能な副搬送波の各々についてそれらのジェネレータをクロックするので、種々の送信ネットワークデバイスは、QAMシンボルスクランブリングのために、それらによる疑似ランダムシーケンスの使用を同期化することが可能である。したがって、 受信ネットワークデバイスは、送信ネットワークデバイスごとに別々のデスクランブリングモジュールを維持する必要なく、一つのシーケンスジェネレータおよび一つのデスクランブリングモジュールを使用して、OFDMA期間中に受信された全てのQAMシンボルをデスクランブルすることが可能である。
【0033】
本明細書で使用されるように、モジュールという用語は、本開示の方法および装置の一つ以上の実施形態に従って実行することができる所与の機能ユニットを表し得る。本明細書で使用する場合、モジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせの任意の形態を利用して実装されてもよい。例えば、一つ以上のプロセッサ、コントローラ、ASIC、PLA、PAL、CPLD、FPGA、論理構成要素、ソフトウェアルーチン、または他の機構が、モジュールを構成するように実装されてもよい。実装において、本明細書に記載する種々のモジュールが別々のモジュールとして実装されてもよく、または記載する機能および特徴が一つ以上のモジュールの中で部分的または全体的に共有されてもよい。すなわち、本明細書を読んだ後に当業者には明らかとなるように、本明細書に記載する種々の特徴および機能は、任意の所与のアプリケーションにおいて実装されてもよく、種々の組み合わせおよび順列で、一つ以上の別々または共通のモジュールにおいて実装することができる。機能の種々の特徴または要素は、別々のモジュールとして個々に記載または請求され得るが、当業者は、これらの特徴および機能が一つ以上の共通のソフトウェアおよびハードウェア要素間で共有され得ることを理解し、かつそのような記載は、別々のソフトウェアおよびハードウェア構成要素がそのような特徴または機能を実装するために使用されることを要求または暗示するものではない。
【0034】
本開示の方法および装置の構成要素またはモジュールがソフトウェアを使用して全体的または部分的に実装される場合、一実施形態では、これらのソフトウェア要素は、それに関して記載される機能を実行することが可能な計算または処理モジュールで動作するように実装され得る。一つのそのような例示的な計算モジュールを図12に示す。種々の実施形態が、この例示的な計算モジュール400に関して説明される。本明細書を読んだ後に、他の計算モジュールまたはアーキテクチャを使用して本開示の方法および装置をどのように実装するのかが、当業者には明らかとなるであろう。
【0035】
ここで図12を参照すると、計算モジュール400は、一つ以上のプロセッサ、コントローラ、制御モジュール、または他の処理デバイス、例えば、プロセッサ404や、デスクトップ、ラップトップ、ノートブックコンピュータ、手持ち式コンピュータデバイス(PDA、スマートフォン、携帯電話、パームトップ等)、メインフレーム、スーパーコンピュータ、ワークステーション、サーバ、または所与のアプリケーションもしくは環境に望ましい、もしくは適切である場合、任意の他の種類の専用もしくは汎用コンピュータデバイス等を表していてもよい。一実施形態では、計算モジュールは、他の電子デバイス、例えば、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、携帯電話、携帯型コンピュータデバイス、モデム、ルータ、WAP、端末、および何らかの形態の処理能力を含み得る他の電子デバイス等の中に見出だされる。
【0036】
プロセッサ404は、例えば、マイクロプロセッサ、コントローラ、または他の制御ロジック等の汎用または専用処理エンジンを使用して実装されてもよい。図示される実施例では、プロセッサ404は、バス402に接続されるが、計算モジュール400の他の構成要素との相互作用を容易にするために、または外部と通信するために、任意の通信媒体を使用することができる。
【0037】
計算モジュール400はまた、本明細書において単純にメインメモリ408と称される一つ以上のメモリモジュールを含んでいてもよい。例えば、プロセッサ404によって実行される情報および命令を記憶するために、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)、または他のダイナミックメモリが使用されてもよい。メインメモリ408はまた、プロセッサ404によって実行される命令の実行中に、一時的な変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。計算モジュール400は、同様に、プロセッサ404のための静的情報および命令を記憶するため、バス402に接続されるリードオンリーメモリ(「ROM」)または他の静的記憶デバイスを含んでいてもよい。
【0038】
計算モジュール400はまた、一つ以上の種々の形態の情報記憶機構410を含んでいてもよい。この情報記憶機構410は、例えば、メディアドライブ412および記憶ユニットインターフェース420を含んでいてもよい。メディアドライブ412は、固定またはリムーバブル記憶媒体414をサポートするために、ドライブまたは他の機構を含んでいてもよい。例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、または他のリムーバブルもしくは固定メディアドライブが提供されてもよい。したがって、記憶媒体414は、メディアドライブ412によって読み込まれ、メディアドライブ412へ書き込まれ、あるいはメディアドライブ412によってアクセスされる、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、カートリッジ、光ディスク、CDもしくはDVD、または他の固定もしくはリムーバブル媒体を含んでいてもよい。これらの例が示すように、記憶媒体414は、コンピュータソフトウェアまたはデータを記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含むことができる。
【0039】
他の実施形態では、情報記憶機構410は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータが、計算モジュール400にロードされることを可能にするための他の同様の機器を含んでいてもよい。そのような機器は、例えば、固定またはリムーバブル記憶ユニット422およびインターフェース420を含んでいてもよい。そのような記憶ユニット422およびインターフェース420の例としては、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、PCMCIAスロットおよびカード、ならびにソフトウェアおよびデータが記憶ユニット422から計算モジュール400に送信されることを可能にする他の固定またはリムーバブル記憶ユニット422およびインターフェース420が挙げられる。
【0040】
計算モジュール400はまた、通信インターフェース424を含んでいてもよい。通信インターフェース424は、ソフトウェアおよびデータが計算モジュール400と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にするために使用されてもよい。通信インターフェース424の例としては、モデムもしくはソフトモデム、ネットワークインターフェース(イーサネット、ネットワークインターフェースカード、WiMedia、IEEE 802.XX、もしくは他のインターフェース等)、通信ポート(例えば、USBポート、IRポート、RS232ポートBluetooth(登録商標)インターフェース、もしくは他のポート等)、または他の通信インターフェースが挙げられる。通信インターフェース424を介して伝送されるソフトウェアおよびデータは、典型的には信号で送られてもよい。この信号は、電子信号、電磁信号(光信号を含む)、または所与の通信インターフェース424によって変換することが可能な他の信号であってもよい。これらの信号は、チャネル428を介して通信インターフェース424に提供されてもよい。このチャネル428は、有線または無線通信媒体を使用して信号を送ってもよく、かつ実装されてもよい。チャネルのいくつかの実施例としては、電話回線、セルラーリンク、RFリンク、光リンク、ネットワークインターフェース、ローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク、および他の有線または無線通信チャネルが挙げられる。
【0041】
本書において、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、例えば、メモリ408、記憶ユニット420、媒体414、およびチャネル428等の媒体を一般的に指すために使用される。更に、本明細書に記載する種々の実施形態は、ブロック図、フローチャート、および他の図に関して記載される。本書を読んだ後に、当業者には明らかとなるように、図示された実施形態およびそれらの種々の代替物は、図示された実施例に限定することなく実装することができる。例えば、ブロック図およびそれらの添付の説明は、特定のアーキテクチャまたは構成を指示するものと解釈されるべきではない。したがって、本明細書に開示される特定の実施形態は、請求された本発明の範囲を限定するために使用されるべきではなく、むしろ、請求された本発明の範囲は、本明細書に照らして、かつその中で提供される特定の実施例に限定することなく、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである。
図2
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図11
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図12