(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655230
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】ステントグラフト送達装置
(51)【国際特許分類】
A61M 29/00 20060101AFI20141225BHJP
A61F 2/06 20130101ALI20141225BHJP
【FI】
A61M29/00
A61F2/06
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-531028(P2010-531028)
(86)(22)【出願日】2008年10月22日
(65)【公表番号】特表2011-500266(P2011-500266A)
(43)【公表日】2011年1月6日
(86)【国際出願番号】US2008012017
(87)【国際公開番号】WO2009054971
(87)【国際公開日】20090430
【審査請求日】2011年9月27日
【審判番号】不服2013-25266(P2013-25266/J1)
【審判請求日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/000,019
(32)【優先日】2007年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イバンセフ,クラスノダール
【合議体】
【審判長】
高木 彰
【審判官】
蓮井 雅之
【審判官】
関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/059280(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/107919(WO,A1)
【文献】
特表2001−526574(JP,A)
【文献】
国際公開第03/043685(WO,A2)
【文献】
国際公開第2005/037141(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M29/00
A61F 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントグラフト送達装置(10)であって、血流の方向において心臓からより離れる側を遠位側、心臓により近い側を近位側と定義し、
遠位端に配置されたハンドル(12)と、
近位端に配置された、遠位端を含むノーズコーン拡張器(16)と、
前記ハンドルから前記近位端の前記ノーズコーン拡張器まで延び前記ノーズコーン拡張器を経由して延びるガイドワイヤカテーテル(32)と、
前記ハンドルから前記近位端へ向かって延びる押し込みカテーテル(30)と、
前記ノーズコーン拡張器の前記遠位端と前記押し込みカテーテルとの間に配置されるステントグラフト(44)と、
前記押し込みカテーテルを貫通する押し込み管腔と、
留置カテーテル(26)と
を備え、
前記ステントグラフトは前記ステントグラフトを貫通するグラフト管腔を有し、前記ガイドワイヤカテーテルは前記グラフト管腔を経由して延び、
前記ガイドワイヤカテーテルは、前記押し込み管腔を経由して延び、前記押し込みカテーテルに対する長手方向および回転方向に移動可能であり、
前記留置カテーテルは、前記ハンドルから前記押し込み管腔と前記ガイドワイヤカテーテルの外側の前記ステントグラフト管腔とを経由して前記ノーズコーン拡張器へ向かって延びるとともに、前記ハンドルに近接する遠位端と前記ノーズコーン拡張器に近接する近位端とを備え、前記留置カテーテルは、前記留置カテーテルの前記遠位端から前記近位端へ回転運動を伝達することのできる材料から形成され、前記留置カテーテル(26)は、本体部(52)と、該本体部と同一の材料から形成され、かつ、前記本体部より小さな壁厚を有することにより前記本体部よりも柔らかい、近位側の先端部(24)とを備え、前記近位側の先端部は湾曲した形状に予め形成されている、ステントグラフト送達装置。
【請求項2】
前記留置カテーテル(26)の材料は、前進方向と後退方向との長手方向の運動を伝達することができる、請求項1に記載のステントグラフト送達装置。
【請求項3】
前記留置カテーテル(26)は、柔らかくかつ弾性的な材料から形成される、請求項1または請求項2に記載のステントグラフト送達装置。
【請求項4】
前記近位側の先端部(24)は、2〜10cmの長さを有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載のステントグラフト送達装置。
【請求項5】
前記ノーズコーン拡張器(16)は外表面を含み、前記ノーズコーン拡張器は前記外表面に長手方向の溝(18)を備え、前記留置カテーテル(26)の前記近位側の先端部(24)は前記長手方向の溝に収容される、請求項1から請求項4のいずれかに記載のステントグラフト送達装置。
【請求項6】
前記ノーズコーン拡張器(16)まで延びるシース(20)をさらに含み、前記シースは前記留置カテーテル(26)を長手方向の溝(18)の内部に保持し、前記シースの引き込みによって前記近位側の先端部をその湾曲形状に戻させる、請求項1から請求項5のいずれかに記載のステントグラフト送達装置。
【請求項7】
前記留置カテーテル(26)は、ニチノール(商標)またはステンレス鋼から選択された材料を備える、請求項1に記載のステントグラフト送達装置。
【請求項8】
前記留置カテーテル(26)は遠位端を備え、前記留置カテーテルの前記遠位端は止血シール(28)を備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載のステントグラフト送達装置。
【請求項9】
前記留置カテーテル(26)は、その長さ全体に亘って1.2mm〜1.3mmの直径を備え、その長さの大部分に沿って0.13mm〜0.14mmの壁厚を備え、先端部において0.10mm〜0.12mmの壁厚を備える、請求項1から請求項8のいずれかに記載のステントグラフト送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡的手技により人間または動物の脈管系内にステントグラフトを送達する装置に関し、より特定的には、送達をより良く制御できる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は概して、たとえば対側の腸骨動脈から腸骨動脈へカテーテルを挿入するなどの、主血管から側枝へカテーテルを挿入するのが好ましい場合の、ステントグラフトの留置に関して論じられる。しかし、本発明はそのように制限されず、本発明はそのような留置が必要とされる任意の人体の管腔に適用されてもよいことを理解されたい。たとえば本発明は、胸管弓または腎動脈の大血管のうち一つのカテーテル挿入のために使用されてもよい。
【0003】
本明細書を通じて、大動脈の一部、留置装置またはステントグラフトに関する遠位という語は、血流の方向において心臓からより遠く離れる大動脈、留置装置またはステントグラフトの端部を意味する。近位という語は、大動脈、留置装置の心臓により近い部分またはステントグラフトの心臓により近い端部を意味する。他の管に適用されるとき、尾側および頭側のような同様の語が理解されるべきである。
【0004】
ステントグラフトは、人体または動物の体内の脈管系の、脈管系内の修復または欠損をバイパスする治療のために使用される。たとえば、腸骨動脈内で発生したまたは腸骨動脈に関連した動脈瘤を広げるために、ステントグラフトが使用されてもよい。しかし、多くの場合には、そのような脈管系の損傷または欠損した部分は、内腸骨動脈のような分枝血管を含む。そのような分枝血管を、分枝血管内に血流を供給することなくバイパスすることが、問題の原因となる場合がある。そのため、ステントグラフトが留置されるときに分枝血管への開口に亘って置かれる、ステントグラフトの側枝または開窓を設けることが提案されている。その後、その側枝または開窓を経由して分枝血管内へ他のステントグラフトが留置され、当該ステントグラフトから分枝血管への血流の経路が設けられてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば、セルディンガー法を使用して、大腿の切開から大腿動脈を経由して総腸骨動脈内へ側枝を有するステントグラフトを留置することが提案されている。そのような側枝を有するステントグラフトは、内腸骨動脈の内部にまたは少なくとも近傍に延伸するように置かれる、側腕を有する。そして脚部の延長箇所がその側腕を経由して内腸骨動脈の内部に置かれてもよい。しかし、そのような装置の使用は、好ましい動脈の配置と、大動脈の分岐部を超えて通行できる能力とに大きく依存する。そして、多くの場合、通行は極めて困難である。
【0006】
導入器内に置かれた留置補助カテーテルの使用が提案されている。これを使用するためには、留置補助カテーテルから対側の腸骨動脈内へまたは対側の腸骨動脈に向かって延伸されたガイドワイヤを捕捉(snare)することが必要である。従来技術の留置カテーテルの性質によって、捕捉することが問題となり得る。従来技術の留置カテーテルは、回転運動または一端から他端への長手方向の運動を伝達することができない樹脂材料から形成されている。そのような状況において、捕捉されているガイドワイヤがそこから延びる留置補助カテーテルの近位端の位置は、補助ガイドワイヤを選択された方向に方向付けるために回転させまたは延伸させることができない。そのため、導入器のノーズコーンまたは導入器のガイドワイヤの周りにガイドワイヤを絡ませることができない。これは胸管弓において特に問題となり得る。大血管がある範囲の角度で胸管弓から延び、(たとえば)鼠径部の入口点から脈管系内の非常に高いところで送達装置を正確に回転させることは困難であるためである。
【0007】
本発明は、留置補助ガイドワイヤを捕捉するための通行を可能にする代替的な方法と、その方法を実現できる留置装置とを目的とする。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、改良された留置装置を提供すること、または、少なくとも有用な代替手段を医師に提供することである。
国際公開第2004/089249号は、遠位端のハンドルと、近位端のノーズコーン拡張器と、ハンドルから近位端のノーズコーン拡張器まで延びノーズコーン拡張器を経由して延びるガイドワイヤカテーテルと、ハンドルから送達装置の近位端へ向かって延びる押し込みカテーテルと、ノーズコーン拡張器の遠位端と押し込みカテーテルとの間において送達装置に保持されるステントグラフトとを備え、ステントグラフトはステントグラフトを貫通するグラフト管腔を有し、ガイドワイヤカテーテルはグラフト管腔を経由して延び、さらに、押し込みカテーテルを貫通する押し込み管腔を備え、ガイドワイヤカテーテルは、押し込み管腔を経由して延び、押し込みカテーテルに対する長手方向および回転方向に移動可能であり、さらに、ハンドルから押し込み管腔とガイドワイヤカテーテルの外側のステントグラフト管腔とを経由してノーズコーン拡張器へ向かって延びる留置カテーテルを備え、留置カテーテルはハンドルに近接する遠位端とノーズコーン拡張器に近接する近位端とを備える、ステントグラフト送達装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明に従うと、遠位端のハンドルと、近位端のノーズコーン拡張器とを備え、ノーズコーン拡張器は遠位端を含み、さらに、ハンドルから近位端のノーズコーン拡張器へ延びノーズコーン拡張器を経由して延びるガイドワイヤカテーテルと、ハンドルから送達装置の近位端へ向かって延びる押し込みカテーテルと、ノーズコーン拡張器の遠位端と押し込みカテーテルとの間において送達装置に保持されるステントグラフトとを備え、ステントグラフトはステントグラフトを貫通するグラフト管腔を有し、ガイドワイヤカテーテルはグラフト管腔を経由して延び、さらに、押し込みカテーテルを貫通する押し込み管腔を備え、ガイドワイヤカテーテルは、押し込み管腔を経由して延び、押し込みカテーテルに対する長手方向および回転方向に移動可能であり、さらに、ハンドルから押し込み管腔とガイドワイヤカテーテルの外側のステントグラフト管腔とを経由してノーズコーン拡張器へ向かって延びる留置カテーテルを備え、留置カテーテルはハンドルに近接する遠位端とノーズコーン拡張器に近接する近位端とを備え、留置カテーテルは、留置カテーテルの遠位端から近位端へ回転運動を伝達することのできる材料から形成される、ステントグラフト送達装置が提供される。
【0010】
好ましくは、留置カテーテルは、柔らかくかつ弾性的であるが、上述したように留置カテーテルの遠位端から近位端へ回転運動と長手方向の運動(前進および後退)とを伝達することのできる材料から形成される。
【0011】
留置カテーテルは、ニチノール(商標)、ニッケルチタン合金またはステンレス鋼から選択された材料を備えてもよい。留置カテーテルは、1.2185mm〜1.2195mmの直径を有してもよく、0.12125mm〜0.12275mmの壁厚を有してもよい。
【0012】
好ましくは、留置カテーテルは、より柔らかい近位側の先端
部を備え、近位側の先端
部は湾曲した形状に予め形成されている。
【0013】
留置カテーテルのより柔らかい近位側の先端
部は、ポリウレタンおよびPTFEから選択された生体適合性のある樹脂材料から形成されてもよい。
【0014】
より柔らかい近位側の先端
部は、ポリウレタンまたはPTFEから形成されるとき、2〜10cm、好ましくは5〜8cmの長さを有してもよく、1.455mm〜1.445mmの直径を有してもよく、0.235mm〜0.225mmの壁厚を有してもよい。
【0015】
代替的には、より柔らかい近位側の先端
部は、留置カテーテルの本体部と同一の材料を備えてもよく、より柔らかい近位側の先端
部と留置カテーテルの本体部との間に壁厚の変化があってより柔らかい先端
部を形成してもよい。
【0016】
ノーズコーン拡張器はその外表面に長手方向の溝を備えてもよく、留置カテーテルの近位端は長手方向の溝に収容されてもよい。
【0017】
より柔らかい近位側の先端
部は、以下に論じられるように、ノーズコーン拡張器のシース内の溝から解放された後にその湾曲形状を取り戻すように、予め形成された、熱整形された湾曲を有してもよい。
【0018】
ノーズコーン拡張器まで延びるシースをさらに含み、シースは留置カテーテルを長手方向の溝の内部に保持し、シースの引き込みによって近位側の先端
部をその湾曲形状に戻させてもよい。
【0019】
留置カテーテルの遠位端は、止血シールを備えてもよい。
留置カテーテルは、ニチノールのハイポチューブ(hypotube)である本体部と、より柔らかいポリウレタンチューブから形成された近位側の先端部と、を備えてもよい。
【0020】
ニチノール(商標)またはステンレス鋼の留置カテーテルは、その長さ全体に亘って1.2mm〜1.3mmの直径を有してもよく、その長さの大部分に沿って0.13mm〜0.14mmの壁厚を有してもよく、先端部において0.10mm〜0.12mmの壁厚を有してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、留置カテーテルを通って延びるガイドワイヤが側腕から捕捉され、または主血管から分枝血管へ捕捉され、その後カテーテル挿入されるように、送達装置に対する回転方向の留置カテーテルの位置を制御することができる、導入装置が提供されることが理解されよう。これは、回転方向の力を留置カテーテルの長さ全体に沿ってその近位端へ伝えることができる材料で留置カテーテルを形成することによって達成される。近位端において、柔らかい先端は、留置カテーテルの先端を分枝血管へ向かって方向付けるために、患者の外部からの作動によって回転される。ここで、留置カテーテルは、側枝血管への通行のためにガイドワイヤを前進させ、側枝血管にステントを送達するために、使用することができる。この先端は、好ましくは予め形成された湾曲を有する。シースの引き込みまたはシースから留置カテーテルを前へ進めることと、回転とによって、留置ガイドワイヤの正確な留置が可能になる。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態は、添付の図面を参照して、例示のためにのみ、以下に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態に従った補助カテーテルを組み入れる導入装置を示す。
【
図2】
図1に示す送達装置のハンドル部分の詳細を示す。
【
図3】留置カテーテルの一部分とその先端部との間の連結の詳細を示す。
【
図5】ステントグラフト送達装置の近位端における留置カテーテルの留置の種々の段階を示す。
【
図6】ステントグラフト送達装置の近位端における留置カテーテルの留置の種々の段階を示す。
【
図7】本発明に従った留置カテーテルの代替的な実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
ここで図面をより詳細に見て、送達装置10は、ハンドル部12と、血管内処置中に患者の体内に留置される部分14と、を含むことが理解されよう。患者の体内に入れられる部分は、ノーズコーン拡張器16を備え、ノーズコーン拡張器16はその外表面に長手方向の溝18を有する。シース20は、シースハブ22からノーズコーン拡張器16まで延びる。
図1に示すように、シース20は、留置カテーテル26の湾曲した先端
部24を現すために、ハブ22を引き込むことによって部分的に引き込まれている。留置カテーテル26は、部分的にニチノールのハイポチューブから形成され、湾曲した先端
部24から、送達装置10のハンドル12近傍の止血シール28まで延びる。湾曲した先端
部24は、より柔らかくより柔軟性のある材料から形成される。好ましくは、
図4に関連して以下に論じられるように、設定された曲率を維持する材料から形成される。留置カテーテルは、ハンドルの止血シール40と、押し具30の管腔31とを経由して延びる。
【0025】
押し具30は、ハンドル12からハブ22を経由して延び、ノーズコーン拡張器16の遠位側で終端する。ガイドワイヤカテーテル32は、シリンジハブ34からハンドル12の後方のピン万力36を経由し、押し具30の管腔31を経由して、ノーズコーン拡張器16まで延びる。
【0026】
図3および
図4にもまた詳細に示されるように、留置カテーテル26は、ある程度柔軟であり弾性的であるものの回転運動および長手方向の運動を伝達することのできる相対的に硬い主管状部と、連結25において連結された先端部24と、を含む。本実施の形態では、部分26はニチノールから形成されており、先端部24はポリウレタン、好ましくは、湾曲した先端24の位置を可視化できるように、放射性不透過性ポリウレタンから形成されている。連結25は押し込み式として図示されているが、その他の簡便な連結形式であってもよい。先端部24は、予め形成された湾曲24aを有する。湾曲24aは、シース20の内側に係合されることにより真っ直ぐ伸ばされるが、シース20から開放されると湾曲形状に戻る。シース20によって真っ直ぐ伸ばされるとき、先端部24の湾曲部24aは長手方向の溝18(
図1参照)の内部に収容される。
【0027】
本発明の留置カテーテルの本体部は、送達装置に伴って患者の脈管系を通って進むとき横方向に曲げられるように十分に柔らかいが、回転と長手方向の押し込みおよび引き抜きとを伝達できるように十分に硬い。先端部は、ノーズコーン拡張器の外表面の溝内に収容されるために真っ直ぐに伸ばされるように柔らかいが、血管内の操作中の医師が望むとき、予め形成された湾曲した先端の方向付けを可能にするために回転できるほど十分に硬い。本体部と先端部との両方は、補助ガイドワイヤ42がそれらを経由して留置され得るように、中空である。
【0028】
送達装置の長手に沿って、留置カテーテル26は、押し具30内の管腔31を経由して延び、ハンドル内において止血シール40を経由して延び、そしてハンドルの後方側の外部へ延びる。補助ガイドワイヤ42は、留置カテーテル26を経由して延び、補助カテーテルの近位端側の外部へ延びるように操作され得る。
【0029】
図5および
図6は、本発明の一実施の形態に従った送達装置の近位端を示す。
図5に、導入装置の近位端の断面図が示される。本実施の形態では、シース20が前へ進められ、ノーズコーン拡張器16のちょうど遠位側のガイドワイヤカテーテル32の周囲に保持されるステントグラフト44を覆う。留置カテーテル26のより柔らかい先端部24は、ノーズコーン拡張器16の長手方向の溝18に収容される。溝18内に横たえるために、湾曲した部分は真っ直ぐに伸ばされている。留置カテーテル26は、ステントグラフト44の管腔を経由して延びる。
【0030】
図6に示すように、シース20は、依然としてステントグラフト44を覆うように引き込まれているが、湾曲した先端24aがその本来の湾曲形状を取り戻すように留置カテーテル26の先端部24の湾曲した先端24aを解放している。この段階で、止血シール28(
図1参照)を把持し回転することによる留置カテーテル26の回転は、留置カテーテルのニチノール製部分のより硬い性質のために、矢印26aに示すように送達装置の長手に沿って回転を伝達する。これにより、矢印24bに示すように先端が回転し、側枝血管にカテーテルを挿入するために留置ガイドワイヤ42が延伸できるように、留置カテーテルの端部をより正確に当該側枝血管に向けることを可能にする。同様に、留置カテーテルのニチノール製部分の硬い性質のために、矢印26bに示す留置カテーテルの長手方向の運動(前進および後退)が可能になる。これにより、医師が送達装置全体を動かす必要なく、患者の脈管系内における湾曲した先端の長手方向の精密な位置決めが可能になる。
【0031】
図7は、本発明に従った留置カテーテルの代替的な実施の形態を示す。この実施の形態において、留置カテーテル
26は、柔らかく弾性的であって回転運動および長手方向の運動を伝達することのできるチューブ52のより硬い
本体部と、先端部
24とを含む。この実施の形態において、留置カテーテルの全体は、ニチノール(商標)またはステンレス鋼から形成される。先端部
24は、より小さい壁厚を有して形成されるが、この壁厚は、
留置カテーテル26の部分56における壁厚の変化によって形成される。先端部
24は、シース20(たとえば
図5参照)内に係合されることにより真っ直ぐに伸ばされるが、シース20から解放されるとき湾曲形状に戻る、予め形成された湾曲を有する。シース20によって真っ直ぐに伸ばされるとき、
先端部24は、ノーズコーン拡張器の外表面の長手方向の溝18に収容される(
図5参照)。
【0032】
この実施の形態では、留置カテーテルは、その長さ全体に亘って1.2mm〜1.3mmの直径を有してもよく、その長さの大部分に沿って0.13mm〜0.14mmの壁厚を有してもよく、先端部において0.10mm〜0.12mmの壁厚を有してもよい。
【0033】
一つの変形例においては、留置カテーテルは、長手方向の運動を伝達せず回転運動のみを伝達する。これは、湾曲した先端の精密な位置決めに関してより簡便ではないものの、依然として先端を回転させて側枝血管へ向きを調整することができる。
【0034】
本明細書を通じて、本発明の範囲に関する様々な示唆がなされてきたが、本発明はこれらのうちの一つに制限されず、これらの二つまたはそれ以上を組み合わせてもよい。実施例は、制限のためではなく、例示のためだけに与えられる。