特許第5655231号(P5655231)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5655231-電磁ソレノイド 図000002
  • 特許5655231-電磁ソレノイド 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655231
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】電磁ソレノイド
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   H01F7/16 H
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-6522(P2011-6522)
(22)【出願日】2011年1月15日
(65)【公開番号】特開2012-151155(P2012-151155A)
(43)【公開日】2012年8月9日
【審査請求日】2014年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】599155682
【氏名又は名称】高橋 和仁
(74)【代理人】
【識別番号】100099254
【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明
(74)【代理人】
【識別番号】100108729
【弁理士】
【氏名又は名称】林 紘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139675
【弁理士】
【氏名又は名称】役 学
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和仁
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−090658(JP,U)
【文献】 実開昭61−055317(JP,U)
【文献】 実開平04−125414(JP,U)
【文献】 特開2001−006926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを巻回したボビンおよび該ボビンの中を軸心方向に移動する可動鉄心を有し、該軸心方向を平行にして配置された2つの電磁ソレノイドと、枢支点まわりに回動自在に支持された天秤棒とを備え、
上記2つの可動鉄心を上記天秤棒の両端にそれぞれ回動自在に連結し、上記2つの可動鉄心のうち、何れか1つの可動鉄心の端部を被制御機器に対する駆動力の出力部とし、上記2つのコイルの励磁・消磁に基づく上記2つの可動鉄心の移動方向を互いに反対向きに設定して、上記天秤棒の枢支点まわりの慣性モーメントを平衡させたことを特徴とする電磁ソレノイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機器に固定されたソレノイド・コイルに通電して、コイルに挿通された可動鉄心(プランジャー)を一方向に移動させて駆動力を発生する電磁ソレノイドに関し、特に、衝撃による誤作動を防止するように構成したものである。
【背景技術】
【0002】
電磁ソレノイドは、電気的に操作される被制御機器、例えば、防火扉、排気ダクトのダンパーのほか、貴重品保管庫、ロッカーなどの扉の遠隔解錠などの多くの分野で使用されている。
【0003】
電磁ソレノイドは、図2に示すように、中空のボビン17に巻線を施したソレノイドコイル18と、この中空のボビン17の中に固定された固定鉄心15と、中空のボビン17の中に挿通された可動鉄心11と、この可動鉄心11の先端部12を突出させる方向に弾力を付勢するコイルスプリング13とにより構成されている。
【0004】
この電磁ソレノイドを機器に固定して、非通電状態で、機器を倒したり落下させたりして、図2に矢印Aで示す方向に衝撃を受けると、ボビン17およびソレノイドコイル18は機器と一体になって矢印Aで示す衝撃方向に移動するが、可動鉄心11は、その慣性により現状位置に留まろうとするので、可動鉄心11は、矢印Bの方向に相対的に変位して、あたかも電磁ソレノイドが作動したような誤作動をする。
【0005】
このような衝撃に起因する誤作動を防止するために、電磁ソレノイドの可動鉄心と平行に可動鉄心と同じ質量の錘を配置し、可動鉄心と錘とを天秤棒の両端に結合し、天秤棒の中央を枢支点として天秤棒を揺動自在に支持させる。そして、電磁ソレノイドに衝撃を受けたとき、可動鉄心側および錘側の慣性モーメントが互いに打ち消し合って天秤棒は回動することなく、可動鉄心および錘は動かないので誤作動しない電磁ソレノイドが、下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−55317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の電磁ソレノイドにおいては、構造が簡単であるが、可動鉄心の他に同質量の錘を備えているので慣性負荷が2倍になって、通常の使用時に作動速度が遅くなるという問題があって、あまり使用されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の電磁ソレノイドは、コイルを巻回したボビンおよびボビンの中を軸心方向に移動する可動鉄心を有し、この軸心方向を平行にして配置された2つの電磁ソレノイドと、枢支点まわりに回動自在に支持された天秤棒とを備え、上記2つの可動鉄心を上記天秤棒の両端にそれぞれ回動自在に連結し、上記2つの可動鉄心のうち、何れか1つの可動鉄心の端部を被制御機器に対する駆動力の出力部とし、上記2つのコイルの励磁・消磁に基づく上記2つの可動鉄心の移動方向を互いに反対向きに設定して、上記天秤棒の枢支点まわりの慣性モーメントを平衡させたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の電磁ソレノイドによると、可動鉄心の駆動力および動作速度を低下させることなく、かつ、瞬間的な衝撃を受けても、コイルに対して可動鉄心は相対的に移動することがないので、誤動作をしない信頼度の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の電磁ソレノイドの実施形態を示す断面図、
図2】従来の電磁ソレノイドの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の電磁ソレノイドは、図1の断面図に示すように、2つの電磁ソレノイド1、2を互いに反対向きに平行に配置したものである。
【0012】
第1の電磁ソレノイド1は、ボビン17に巻回されたソレノイドコイル18と、ボビン17に固定された固定鉄心15と、ボビン17に挿通された可動鉄心11とより構成されている。
【0013】
この固定鉄心15には、中心に軸方向の貫通孔16があけられており、この貫通孔16に可動鉄心11の後端部に結合したロッド14が挿通される。そして、可動鉄心11の先端部12をボビン17より突出させ、この可動鉄心11の先端部12を突出させる方向に弾力を付勢するコイルスプリング13が嵌め込まれている。この先端部12は、被制御機器に対する駆動力の出力部である。
【0014】
第2の電磁ソレノイド2は、第1の電磁ソレノイド1と同様にボビン27に巻回されたソレノイドコイル28と、ボビン27に固定された固定鉄心25と、ボビン27に挿通された可動鉄心21とより構成されている。
【0015】
この可動鉄心21の後端部にロッド24が結合され、このロッド24はボビン27より突出さている。
【0016】
第1の電磁ソレノイド1の固定鉄心15の貫通孔16から突出したロッド14の先端部と、第2の電磁ソレノイド2の可動鉄心21に結合されたロッド24の先端部とは、天秤棒3の両端に回動自在に連結されており、この天秤棒3の中央部を枢支点31として回動自在に支持される。
【0017】
2つの電磁ソレノイド1、2のコイルを使用電圧に応じて直列または並列に接続し、可動鉄心11、21を天秤棒3を介して連結すると、2つの電磁ソレノイド1、2により、両者の駆動力を合成した2倍の駆動力を発生することができる。したがって、大きな駆動力を必要としない場合には、2つの電磁ソレノイドとして、細い小型のものを採用すればよいのである。
【0018】
そして、第1および第2の電磁ソレノイド1、2の可動鉄心11、21の質量をほぼ等しく設定して、天秤棒3の枢支点31まわりの慣性モーメントを平衡させておくと、非通電状態において、2つの電磁ソレノイド1、2に軸線方向の衝撃を受けても、天秤棒3は回動することなく、誤作動を生じないのである。
【符号の説明】
【0019】
1、2 電磁ソレノイド
3 天秤棒
11、21 可動鉄心
15、25 固定鉄心
17、27 ボビン
18、28 コイル
図1
図2