【課題を解決するための手段】
【0005】
また、この方法を実施する好適なシステムも考案される。目的は、請求項1に記載の特徴により、本発明に従って達成される。方法の有利な発展形態は、請求項2〜10に規定されている。方法を実施するのに好適なシステムは、請求項11の主題である。システムの有利な実施形態は、請求項12および13に規定されている。
【0006】
汚染スクラビング溶液を、少なくとも110℃、必要であれば、135℃、好ましくは125℃の温度まで加熱し、少なくとも4バール、好ましくは6〜12バールの圧力まで圧縮し、後に、第1の膨張段階において、好ましくは、1〜8バールの圧力まで膨張して、CO
2および硫黄化合物の大部分を、スクラビング溶液からガスストリームとして除去する(プロセス工程a))。
【0007】
抽出したスクラビング溶液を、次に、少なくとも130℃、必要であれば、160℃、好ましくは145℃の温度まで加熱し、少なくとも4バール、好ましくは5〜8バールの圧力まで圧縮し、第2の膨張段階において、第1の膨張段階の膨張圧力より少なくとも0.5バール、必要であれば、3バール高い圧力まで膨張して、まだ存在しているCO
2および硫黄化合物の大部分を、スクラビングからガスストリームとして除去する(プロセス工程b))。第1および第2の膨張段階において、膨張は、フラッシュ膨張としてなされるのが好ましい。
【0008】
第2の膨張段階で除去されたスクラビング溶液を、70℃より低い温度まで冷却し、第3の膨張段階で
常圧まで膨張し、まだ存在している残渣量の可溶性CO
2を分離し、この部分ストリームを、
常温まで、完全精製スクラビング溶液として冷却する(プロセス工程c))。
【0009】
第1の膨張段階および/または第2の膨張段階後に除去されたスクラビング溶液を、2つの部分ストリームへさらに分ける。一方の部分ストリームを、回路において、各膨張段階に戻し、その温度および圧力は、関連の膨張段階の条件まで調整する。膨張中、まだ存在している残渣量の硫黄化合物を、この部分ストリームから除去する。回路から除去されなかった他方の部分ストリームは、プロセス工程b)またはc)のいずれかに従ってさらに処理する。
【0010】
回路から除去されたスクラビング溶液を、例えば、5〜10バールの圧力まで圧縮し、各膨張段階の運転温度より少なくとも2〜10℃高い温度まで加熱する。
【0011】
まだ存在している残渣量の可溶性CO
2および硫黄化合物を、第2の膨張段階で除去する。(温度と圧力)を得られるこの条件下で、スクラビング溶液から漏れたCO
2を、第3の膨張段階で再溶解する。すると、最大純度で、スクラビング溶液が得られる。スクラビング溶液を、
常温まで冷却した後、スクラビング回路に戻すと、CO
2および硫黄化合物を、バイオガスから除去することができる。提案された方法によって、異なる物質が含まれた汚染スクラビング溶液を、比較的低圧および低温で再生することが可能となる。複数のレベルの圧力および温度制御膨張が計画されるからである。さらに、スクラビング溶液中の水の量が保持される。蒸気により除去されたある割合の蒸発水を、凝縮後、精製スクラビング溶液に戻すことができるからである。
【0012】
汚染スクラビング溶液の複数の段階膨張によって、CO
2、H
2SおよびCOS(有機硫黄化合物)のより選択的な除去を行うことが可能となる。個々のフラッシュ膨張中に、異なる圧力および温度条件に起因する、他の物質と共にスクラビング溶液から漏れた水の量を大幅に減じることができる。水の蒸発熱は、ガスから除去すべき成分より5倍大きいため、必須の再生に必要なエネルギーの量をかなり減じることができる。プロセス工程a)およびb)に従って、膨張段階において蒸気として除去された二酸化炭素、水および硫黄化合物で構成されたガス混合物は、汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用いられ、プロセスにおいて、
常温まで冷却される。第2の膨張段階で得られた精製スクラビング溶液は、汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用いられる。
【0013】
エネルギーに関して特に有利かつ熱水も提供する方法が提供される。凝縮水は、分離器において
常温まで冷却されたガス混合物(蒸気)から除去される。ドーズ量のこの水を、必要なアミン含量を維持するために、完全精製スクラビング溶液と混合する。
【0014】
第1および第2の膨張段階で除去されたガスストリーム(CO
2および硫黄化合物)は、必要であれば、下流の脱硫プラントで脱硫することができる。
【0015】
第1の膨張段階における反応時間は、スクラビング溶液に超音波処理を行うことによってさらに減じることができる。この段階におけるドウェルまたは反応時間は、従って、同じ除去性能で、約30%まで減じることができる。同じ方法を用いて、第3または第4の膨張段階を、第2の膨張段階の下流に配置することができる。
【0016】
精製スクラビング溶液のpHを測定し、膨張段階における汚染スクラビング溶液の温度を設定するための制御変数として用いることができる。膨張段階において、回路から除去された部分ストリーム対供給された汚染スクラビング溶液の量の比は0.2〜5である。
【0017】
第1および/または第2の膨張段階における部分量のスクラビング溶液の回路からの計画された除去には次のような利点がある。
【0018】
小部分のストリームの回路からの除去によって、少量のエネルギー消費で維持されるべき経済的な保持運転が可能となる。また、部分ストリーム、圧力および部分ストリーム回路の温度を、バイオガス中の硫黄化合物の量に対して調整し、制御変数として用いることができる。
【0019】
高純度の再生スクラビング溶液は、バイオガスを精製するのにも用いると、さらに利点がある。
【0020】
形成されたスクラビング溶液には、85g/l以上の二酸化炭素および15g/l以上の硫黄化合物を除去する能力がある。従って、同量のCO
2を、以前より少量のスクラビング溶液で除去することができ、最も重要なのは、大量の硫黄化合物も除去できることである。このため、少量の炭化水素がまた、少量のスクラビング溶液で、スクラビング溶液に溶解する。この方法により生じるメタン損失は、従って、ほぼ0.05%未満である。少量のスクラビング溶液を用いることによって、エネルギー消費が減じる。
【0021】
本方法を実施するのに好適なシステムは、フロー方向に組み込まれるスクラビング溶液を運ぶための循環路、第1のポンプ、少なくとも1つの熱交換器、連続して接続された少なくとも2つの膨張装置、および第1の分離器を含む。第2のポンプおよび下流熱交換器は、第1と第2の膨張装置間の循環ラインに組み込まれている。膨張装置の少なくとも1つの下流で、パイプループは回路ラインから分岐され、このパイプループは、回路から部分量の精製スクラビング溶液を除去し、それを膨張装置に戻すための膨張装置に接続されている。第3のポンプおよびさらに、熱交換器がパイプループに組み込まれている。
【0022】
膨張装置の
上部に、蒸気を除去するためにラインが配置されており、このラインは、凝縮水を除去するために、第2の分離器に接続されている。少なくとも1つの熱交換器が、蒸気を冷却するために、このラインに組み込まれている。第2の分離器は、第1の分離器に、ドーズ量の凝縮水を運ぶためのラインを介して接続されている。
【0023】
連続して接続された3つの熱交換器は、汚染スクラビング溶液を、必要な運転温度まで徐々に加熱するために、第1の膨張装置の上流に配置されている。第1の熱交換器は、蒸気を運ぶラインに組み込まれ、第2の熱交換器は、精製熱スクラビング溶液を運ぶラインに組み込まれている。第3の熱交換器は、外部熱媒体により加熱され、間欠的にオンオフすることができる。この熱交換器は、概して、始動期間にのみ用いられる。
【0024】
提案されたシステムは、様々な出力に用いることができ、高度のエネルギー効率を有している。