【実施例】
【0033】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。本件では、以下物性値などの測定においては、次の機器を用いた。
NMR測定装置 : Instrument DRX500(BRUKER BIOSPIN K.K.:ブルカーバイオスピン社製)
ガスクロマトグラフ質量分析計:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
におい嗅ぎガスクロマトグラフ:HP−6890(Agilent technologies:アジレント・テクノロジー社製)
液体クロマトグラフ質量分析計:LCMS−IT−TOF(島津製作所社製)
高性能液体クロマトグラフ
ポンプ:LC−10AT(島津製作所社製)
検出器:SPD−M10A(島津製作所社製)
分離カラム:COSMOSIL(登録商標)5C18−AR−II(ナカライテスク社製)
【0034】
(実施例1)パッションフルーツ生果からの7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideの単離
パッションフルーツ(パープル種)生果20kgから種子を除き、ジエチルエーテル10kgを添加し、室温で24時間抽出を行った。次に、液温35℃、常圧にて蒸留を行いジエチルエーテルを留去し、さらに低沸点化合物を除くため、高真空蒸留を行った。真空度120Pa、液温97℃、塔頂温度が約70℃から約50℃まで下降した時点で蒸留を終了とした。
続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=98:2容量比)により、5つの画分に分け、それぞれの画分をにおい嗅ぎガスクロマトグラフィーで解析しリテンションタイム30−45分にムスク香を有する画分を得た。
この画分をさらに逆相薄層クロマトグラフィー分取(展開溶媒容量比,メタノール:水=20:1)にて分画を行った。展開後、薄層クロマトグラフィーによる分離パターンより(UV吸収)3つの画分に分けて、各画分の香気成分をメタノール抽出した。抽出した香気成分をにおい嗅ぎガスクロマトグラフィーにより解析し、ムスク香を有する画分のメタノールを留去した後、当該残留物を高性能液体クロマトグラフィー(溶出溶媒;メタノール:水=8:2(容量比))により精製を行い、7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olide(純度94%)を得た。
【0035】
<7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideの物理的データ>
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ:
5.55−5.35(6H,m),4.16(2H,t,J=5.89),2.85(2H,t,J=6.70),2.81(2H,t,J=6.32),2.41−2.38(2H,m),2.29(2H,t,J=7.12),2.08−2.04(2H,m),1.67−1.62(2H,m),1.37−1.32(4H,m)
13C NMR(126MHz, CDCl
3)δ:
173.9,131.3,129.7,128.6,128.0,128.0,125.9,63.5,34.4,28.3,27.8,27.5,26.7,25.9,25.7,24.6;HRMS(ESI+)calcd C
16H
25O
2(MH
+),249.1849;found,249.1851
ガスクロマトグラフィー分析:
カラム:BC−WAX(50m×0.25mm×0.15μm;GLサイエンス社製)、測定温度;70℃〜218℃(4.0℃/分で昇温)、リテンションタイム=40.69分
におい嗅ぎガスクロマトグラフィー分析:
BC−WAX(50m×0.25mm×0.15μm;GLサイエンス社製)、測定温度:70℃〜218℃(4.0℃/分で昇温)
【0036】
(実施例2)パッションフルーツ生果からの7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideの単離
パッションフルーツ生果をイエロー種とした以外は実施例1と同様にして、7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideを得ることができた。
【0037】
(試験例1)官能評価
実施例1にて単離した7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olide、エクザルトリド(exaltolide、シクロペンタデカノリド(フィルメニッヒ社製))、およびアンブレットリド(ambrettolide(シムライズ社製))について7名の専門パネラーによる香りの評価を行い、各香調(ムスク、フルーティー、ナチュラル、拡散性)について、3段階(A:強、B:並、C:弱)での相対評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果より、7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olide は、エクザルトリドおよびアンブレットリドに比してフルーティーなムスク様香気を有し、拡散性に富み、ナチュラル感が強かった。
【0040】
(実施例3)香料組成物の調製
本発明の7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideを使用し、以下の表2に示す処方により香料組成物を調製した。
【0041】
【表2】
【0042】
(実施例4)香料組成物の調製
本発明の7Z,10Z,13Z
−hexadecatrien−16−olideを使用し、以下の表3に示す処方により香料組成物を調製した。
【0043】
【表3】
【0044】
MUSK T(登録商標):エチレンブラシレート、高砂香料工業社製
HINDINOL(登録商標):2−メチル−4−[(1R)−2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル]−(2E)−ブテン−1−オール、高砂香料工業社製
【0045】
(実施例5)炭酸飲料の調製
実施例3で調製した香料組成物を使用し、以下の表4に示す処方により炭酸飲料(Brix9.3、酸度0.13%(クエン酸換算)、pH3.4、ガスボリューム3.0)を調製した。得られた炭酸飲料は、好適にムスク香かつナチュラル感を有した。
【0046】
【表4】
【0047】
(実施例6)液体入浴剤の調製
実施例4で調製した香料組成物を使用し、以下の表5に示す処方により液体入浴剤を調製した。得られた液体入浴剤は、好適にムスク香を有した。
【0048】
【表5】
【0049】
(実施例7)シャンプーの調製
実施例4で調製した香料組成物を使用し、以下の表6に示す処方によりシャンプーを調製した。得られたシャンプーは、好適にムスク香を有した。
【0050】
【表6】
【0051】
*1:塩化−o−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース
*2:ポリオキシエチレンラウリエーテル硫酸ナトリウム(3E.O)(25%)
*3:スルフォコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド2ナトリウム(5E.O)
*4:2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(40%)
*5:やし油脂肪酸ジエタノールアミド
【0052】
(実施例8)デオドラントパウダースプレー(制汗剤)の調製
実施例4で調製した香料組成物を使用し、以下の表7に示す処方によりデオドラントパウダースプレーを調製した。得られたデオドラントパウダースプレーは好適にムスク香を有した。
【0053】
【表7】
【0054】
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。本出願は2009年9月2日出願の日本特許出願、特願2009−202641に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。