【文献】
工藤一郎・小林泰子,特許価値評価から読む企業の収益力とリスク(2)株式投資の参考資料,テクノロジーマネジメント,2007年 6月,2007年6月号,p.82−91
【文献】
工藤一郎,「時価総額・利益‐YK値」に高い"正の相関",[online],知財情報&戦略システム第14号,2009年 4月22日,[2013年8月1日検索],インターネット,URL,http://www.business-i.net/event/chizai/pdf/M001404.pdf
【文献】
平成20年度産業技術調査「技術評価による資金調達円滑化調査研究」報告書,株式会社帝国データバンク,2009年 3月,p.35−40
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような特許力算出を行うだけでは、
特許についてそれぞれ評価することしかできず、企業ごとの経済的な合理性のあるまとまった指標として用いることができない。そこで、経済活動(特許権の持つ独占排他力)との因果関係を特定することが可能な評価手法に則り、企業の成長性を予測する指標を算出する装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては、以下の企業成長性予測指標算出装置を提案する。
なお、以下「特許」という記載については、出願中のものも含む場合がある。
【0006】
第一の発明は、整理標準化データを取得する整理標準化データ取得部と、取得した整理標準化データに記述されている
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により検索し、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容をその手続日と関連付けて抽出する項目内容抽出部と、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を検索された標準項目名称の組合せに関連付けて保持する検索結果保持部と、標準項目名称の組合せに関連付けて保持されている項目内容の組合せごとに予め準備されているコストを対応付けたコスト表を保持するコスト表保持部と、技術分野ごとにその技術の陳腐化の目安となる陳腐化関数を格納した陳腐化関数格納部と、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得するとともに、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日と、この
特許が属する技術分野の陳腐化関数とを用いて算定基準日における陳腐化後コストを算出する陳腐化後コスト算出部と、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標とする第一合算部と、上場企業の株式データを蓄積した株式データ蓄積部と、合算処理がなされる
特許の権利者を抽出する権利者抽出部と、抽出された権利者が上場企業であるか判断する判断部と、判断結果が上場企業であるとの判断結果である場合に、その上場企業が権利者である第一特許指標を合算して第一企業別特許指標とする第二合算部と、第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算し、得られる値を第二企業別特許指標として取得する割算部と、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における第二企業別特許指標の占める位置を算出する第一位置算出部と、を有する企業成長性予測指標算出装置である。
【0007】
第二の発明は、整理標準化データを取得する整理標準化データ取得部と、取得した整理標準化データに記述されている
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により検索し、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容をその手続日と関連付けて抽出する項目内容抽出部と、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を検索された標準項目名称の組合せに関連付けて保持する検索結果保持部と、標準項目名称の組合せに関連付けて保持されている項目内容の組合せごとに予め準備されているコストを対応付けたコスト表を保持するコスト表保持部と、技術分野ごとにその技術の陳腐化の目安となる陳腐化関数を格納した陳腐化関数格納部と、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得するとともに、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日と、この
特許が属する技術分野の陳腐化関数とを用いて算定基準日における陳腐化後コストを算出する陳腐化後コスト算出部と、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標とする第一合算部と、企業の売上高データを蓄積した売上高データ蓄積部と、合算処理がなされる
特許の権利者を抽出する権利者抽出部と、その企業が権利者である第一特許指標を合算して第一企業別特許指標とする第三合算部と、第一企業別特許指標をその企業の売上高で割算し、得られる値を第三企業別特許指標として取得する割算部と、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中における第三企業別特許指標の占める位置を算出する第二位置算出部と、を有する企業成長性予測指標算出装置である。
【0008】
第三の発明は、整理標準化データ取得部に代えてまたはこれに加えて、特許庁から代理人を介する場合を含めて各企業に対して送信されるデータの転送を受ける特許庁送信データ取得部を有し、処理対象を整理標準化データに加えてまたはこれに代えて前記データとする第一の発明または第二の発明に記載の企業成長性予測指標算出装置である。
【0009】
第四の発明は、標準項目名称の組合せに関連付けて保持されている項目内容の組合せごとに予め準備されているコストを対応付けたコスト表を保持するコスト表保持部と、技術分野ごとにその技術の陳腐化の目安となる陳腐化関数を格納した陳腐化関数格納部と、上場企業の株式データを蓄積した株式データ蓄積部と、を備えた企業成長性予測指標算出装置の動作方法であって、整理標準化データを取得する整理標準化データ取得ステップと、取得した整理標準化データに記述されている
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により検索し、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容をその手続日と関連付けて抽出する項目内容抽出ステップと、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を検索された標準項目名称の組合せに関連付けて保持する検索結果保持ステップと、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得するとともに、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日と、この
特許が属する技術分野の陳腐化関数とを用いて算定基準日における陳腐化後コストを算出する陳腐化後コスト算出ステップと、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標とする第一合算ステップと、合算処理がなされる
特許の権利者を抽出する権利者抽出ステップと、抽出された権利者が上場企業であるか判断する判断ステップと、判断結果が上場企業であるとの判断結果である場合に、その上場企業が権利者である第一特許指標を合算して第一企業別特許指標とする第二合算ステップと、第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算し、得られる値を第二企業別特許指標として取得する割算ステップと、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における第二企業別特許指標の占める位置を算出する第一位置算出ステップと、を有する企業成長性予測指標算出装置の動作方法である。
【0010】
第五の発明は、標準項目名称の組合せに関連付けて保持されている項目内容の組合せごとに予め準備されているコストを対応付けたコスト表を保持するコスト表保持部と、技術分野ごとにその技術の陳腐化の目安となる陳腐化関数を格納した陳腐化関数格納部と、企業の売上高データを蓄積した売上高データ蓄積部と、を備えた企業成長性予測指標算出装置の動作方法であって、整理標準化データを取得する整理標準化データ取得ステップと、取得した整理標準化データに記述されている
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により検索し、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容をその手続日と関連付けて抽出する項目内容抽出ステップと、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を検索された標準項目名称の組合せに関連付けて保持する検索結果保持ステップと、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得するとともに、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日と、この
特許が属する技術分野の陳腐化関数とを用いて算定基準日における陳腐化後コストを算出する陳腐化後コスト算出ステップと、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標とする第一合算ステップと、合算処理がなされる
特許の権利者を抽出する権利者抽出ステップと、その企業が権利者である第一特許指標を合算して第一企業別特許指標とする第三合算ステップと、第一企業別特許指標をその企業の売上高で割算し、得られる値を第三企業別特許指標として取得する割算ステップと、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中における第三企業別特許指標の占める位置を算出する第二位置算出ステップと、を有する企業成長性予測指標算出装置の動作方法である。
【0011】
第六の発明は、整理標準化データ取得ステップに代えてまたはこれに加えて、特許庁から代理人を介する場合を含めて各企業に対して送信されるデータの転送を受ける特許庁送信データ取得ステップを有し、処理対象を整理標準化データに加えてまたはこれに代えて前記データとする第四の発明または第五の発明に記載の企業成長性予測指標算出装置の動作方法である。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置によれば、その企業が属する競合企業グループでの企業別特許指標の占める位置によって経済的評価を行なうことができる。さらに、企業成長性予測指標算出装置によって算出される位置は、スコアリングを利用せずに客観データのみを用いて算出されるものであるので恣意性を排除しており、企業の成長性を競合企業グループ内での位置という形で数値的に判断できるという特徴を持つ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明を実施するための形態を説明する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、実施形態1は、主に請求項1、4について説明する。また、実施形態2は、主に請求項2、5について説明する。また、実施形態3は、主に請求項3、6について説明する。
<<実施形態1>>
【0015】
<実施形態1:概要>本実施形態の企業成長性予測指標算出装置は、まず整理標準化データから得られる第一特許指標を、権利者が上場企業であった場合にその企業が権利者となる
特許全てについて合算して第一企業別特許指標とし、さらにその第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算して、企業の成長性を予測する第二企業別特許指標を算出する。そして、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中で占める位置を算出する。
【0016】
ここで、競合企業グループの例として電気機器を挙げ、第二企業別特許指標がどのようにして企業の成長性を予測する指標になるのかを説明する。
【0017】
図1は電気機器企業の第一企業別特許指標としてYK値を縦軸とし、時価総額を横軸としてプロットしたものである。ここで、YK値とは、特許の独占排他力を評価することに主眼をおいた特許価値評価手法YKS手法によって算出される値である。独占排他力の大きな特許とは競争相手から見れば自身に事業障害をもたらす原因であり、この障害を検知し、排除しようとする行動が必然となる。そこで、特許に対して起こされる競争相手のアクションを評価することで特許の独占排他力を評価するというものである。
【0018】
図1では領域を2つに分け、A領域(0101)、B領域(0102)とし、それぞれの領域にある企業を1社ずつピックアップし、これをα社(0103)、β社(0104)とする。領域の分け方は2つに限らず、10、20など、より細分化してもよい。
図1の縦軸であるYK値は企業の特許力と言い換えることができるので、時価総額を市場の評価とみなせば、
図1は特許の力と市場評価の関係を示している。各領域の特徴を示すと、A領域(0101)の企業は、大きな特許力を持っているにもかかわらず市場で過小評価されている。このような企業は特許の力を未だ十分に活用していないか、あるいは、活用しているものの市場がまだ気づいていないという企業であり、今後時価総額が大きくなることが予測される。B領域(0102)の企業は、市場評価は高いが、それと比較すると特許力はそれほど大きくない企業である。このような企業は強固ブランド力のために特許力以上に市場から評価を得て安定的にこの領域に位置していると考えられるが、市場評価が特許力の低下にまだ追随おらず、今後時価総額が減少する可能性がある企業である可能性も考えられる。これらの特徴より、α社、β社のいずれかに投資を行うとすれば、特許力があるにもかかわらずあまり評価されていないα社がより成長性があってリターンが大きいと考えられる。また、第一企業別特許指標(YK値)をその企業の時価総額で割算することで得られる第二企業別特許指標は、大きい順にα社、β社となる。また全体で順位をつけることで各企業の相対的な成長性の位置を示すことができる。
【0019】
<実施形態1:構成>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の機能ブロック図を
図2に例示する。
図2に示す企業成長性予測指標算出装置(0200)は、「整理標準化データ取得部」(0201)と、「項目内容抽出部」(0202)と、「検索結果保持部」(0203)と、「コスト表保持部」(0204)と、「陳腐化関数格納部」(0205)と、「陳腐化後コスト算出部」(0206)と、「第一合算部」(0207)と、「株式データ蓄積部」(0208)と、「権利者抽出部」(0209)と、「判断部」(0210)と、「第二合算部」(0211)と、「割算部」(0212)と、「第一位置算出部」(0213)と、を有する。
【0020】
「整理標準化データ取得部」(0201)は、整理標準化データを取得する機能を有する。整理標準化データとは、特許庁が保有している審査経過情報等の各種情報を整理標準化して加工したものである。整理標準化データを参照することにより、出願日、出願人、発明者、権利者などの情報や、出願審査請求の有無や審査経過の状況などを知ることが可能である。
【0021】
「項目内容抽出部」(0202)は、取得した整理標準化データに記述されている
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により検索し、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容をその手続日と関連付けて抽出する機能を有する。
【0022】
ここで、
特許に対して取られた法律的手続とは、審査請求、閲覧請求、情報提供、拒絶査定不服審判、無効審判などのことである。
【0023】
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せとは、例えば、
特許に対して無効審判という法律的手続が取られた場合には、審判種別、審判最終処分種別、審決の決定記事の結論、などの標準項目名称の組合せである。この組合せにより、整理標準化データをパターンマッチング処理することにより無効審判という法律的手続を検索する。整理標準化データ中においては、無効審判という法律的手続を検索しその結果を知るためのデータが散在しているため、パターンマッチング処理をして項目内容等を抽出する必要がある。
【0024】
次に、検索された標準項目名称の組合せに応じて整理標準化データに記述されている項目内容を抽出する方法を説明する。
図3に整理標準化データの一部(0300)の一例を示した。左側が標準項目名称(0301)であり、右側が項目内容(0302)である。
図3の場合には、標準項目名称「審判種別」に対する項目内容は、「112(全部無効(新無効))」であり、標準項目名称「審判最終処分種別」に対する項目内容は、「02(請求不成立)」であり、標準項目名称「審決の決定記事」の「結論」に対する項目内容は、「Y(無効としない)」である。
【0025】
そして、これらの項目内容とともに手続が行なわれた日付も関連づけて抽出する。例えば
図3で説明すると、無効審判の審判請求日である「2004/04/01」(0303)を抽出する。
【0026】
「検索結果保持部」(0203)は、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を検索された標準項目名称の組合せに関連付けて保持する機能を有する。つまり、
図3を例にすると、項目内容として112 (全部無効(新無効))、02 (請求不成立)、Y(無効としない)を標準項目名称の組合せに関連づけて、手続日として2004/04/01を同じく標準項目名称の組合せに関連づけて保持する。保持されている検索結果を参照すれば、
特許に対して取られた法律的手続である無効審判の審判請求日、審判種別、審判最終処分種別、審決の決定記事の結論が分かる。
【0027】
「コスト表保持部」(0204)は、標準項目名称の組合せに関連付けて保持されている項目内容の組合せごとに予め準備されているコストを対応付けたコスト表を保持する機能を有する。コスト表には、例えば以前弁理士会で定められていた標準料金表を用いてもよい。コスト表の一例を
図4に示した。
図4の1行目には、標準項目名称の組合せ(0401)が示されている。例えば、無効審判に対する標準項目名称の組合せは、審判種別、審判最終処分種別、審決の決定記事の結論、などである。そして、2行目、3行目には項目内容の組合せ(0402)の例が示されている。最初に、2行目の例は、無効審判が起きて、最終処分が請求不成立であり、さらに、審決が無効としないというものであった場合である。この場合には、第三者が無効審判にかけたコスト、例えば、1,000,000(百万)円をコストとしてコスト表に保持する。また、3行目の例は、無効審判が起きて、最終処分が請求成立であり、さらに、審決が無効とするというものであった場合である。この場合には、特許は無効となり、当該特許に価値はないものと考え、コストとしてゼロをコスト表に保持する。コスト表に記述されているコストは金銭単位であってもよいし、適当な値で割算した値や、その法律手続に対応する指数などであっても良い。
【0028】
「陳腐化関数格納部」(0205)は、技術分野ごとにその技術の陳腐化の目安となる陳腐化関数を格納した機能を有する。
【0029】
陳腐化関数は、例えば、次のようにして求める。
図5上図は、ある技術分野において、出願から何年目に特許権が消滅したかという統計をとったグラフである。縦軸は消滅した特許権の割合で、横軸は出願からの年数である。この統計データは、出願のときを起点としていることがひとつの特徴である。当たり前のことかもしれないが、技術の陳腐化は権利が登録されたときから始まるのではなく、発明がなされたときをピークに始まるものであると考えたからである。ゆえに、発明の瞬間を起点とするのが最も正しいと思われるが、その統計をとることはできないので、出願のときを起点とする。
図5上図を詳しく見てみると、出願から4年目ぐらいまでに消滅する特許権はほぼ0(ゼロ)であり、その後、徐々に消滅する特許権が増えているのが分かる。そして、出願から20年目に登録特許のうち25%〜30%にあたる特許権が消滅する。これは、特許権の存続期間が原則として出願から20年であることによる。もし、存続期間が20年よりも長い場合にはもっと長い期間維持されたであろう特許権が20年目にすべて消滅しているのである。20年目に技術の陳腐化が一気に起こったわけではない。そこで、この20年目に消滅した特許権は20年目以降の数年間に渡って徐々に消滅していくものであったとの仮説に則って、
図5下図の丸で囲んだような割合で年々消滅していくであろうとの予測をした。これが技術の陳腐化を表す大元となるグラフである。
図5下図を正規分布で近似し、「1−正規累積分布」を計算したものが
図6である。この曲線が陳腐化関数である。これは、技術価値陳腐化曲線ということもできる。ここで、消滅した特許権の割合を正規分布で近似する理由を簡単に説明する。登録されている特許同士は、それぞれについて進歩性の判断がなされて成立している。つまり、技術の進歩に伴ってある特許が陳腐化したことに起因して、他の特許が陳腐化することはない。よって、各特許は独立していると考えられ正規分布で近似することが可能である。
【0030】
図6によると、存続期間が20年という区切りがないとすれば、出願から25年程度でほとんどすべての特許が維持する価値を失う。このグラフの特徴は、最初の数年間ほとんど陳腐化しないが平均的な特許が消滅する年数に近づくにつれてその陳腐化のレートが加速し、平均消滅年数を通過するとまた、陳腐化レートが緩やかになることである。この関数を、技術分野ごとに算出し、陳腐化関数として格納している。
【0031】
「陳腐化後コスト算出部」(0206)は、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得するとともに、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日とこの
特許が属する技術分野の陳腐化関数とを用いて算定基準日における陳腐化後コストを算出する機能を有する。
【0032】
まず、各
特許の標準項目名称の組合せに応じて抽出された項目内容の組合せごとにコスト表保持部に保持されているコスト表を用いてコストを取得する方法を説明する。
図4に示したように、コスト表保持部には、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せに応じた項目内容の組合せごとにコストが保持されている。そこで、抽出した項目内容の組合せによりコスト表を検索し、合致する組合せのコストを取得する。
【0033】
次に、陳腐化関数を利用して陳腐化後コストを算出する方法を
図6を用いて説明する。まず、
特許が属する技術分野を取得し、それに対応する陳腐化関数を取得する。そして、算定基準日と、その項目内容の組合せごとに関連付けられている手続日と、その
特許の出願日とを取得する。遡及出願の場合には出願日として原出願日を取得する設定であっても良い。その理由は、先述の通り、技術の陳腐化は権利が登録されたときから始まるのではなく、発明がなされたときをピークに始まるものであると考えるからである。
【0034】
ある特許権について、出願からα年目に特許無効審判が請求されたが、維持審決がでたとする。そして、コスト表によるとその一連の手続が100ポイントであったとする。さらに、算定基準日が出願からβ年目であるとする。この場合において、α年の技術価値残存係数をT(α)、β年目の技術価値残存係数をT(β)とおくと、算定基準日における陳腐化後コストは、
【0035】
陳腐化後コスト=100×T(β)/T(α)
として算出することができる。
【0036】
算定基準日を現在として考えると、アクション日(α年)が出願から2年で現在(β年)が出願から3年であれば、ほとんど陳腐化はしないことになる。そして、アクション日(α年)が出願から2年で現在(β年)が出願から15年であれば、陳腐化は大きい。つまり、昔に起きた法律的手続きであるほど現在における陳腐化後コストに引き直すと小さい値となる。
【0037】
「第一合算部」(0207)は、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標とする機能を有する。これにより、1つの
特許についての特許指標を算出することが可能である。一例として、YK値を第一特許指標として
図7を用いて説明する。
図1のα社、β社が権利者である各
特許は、それぞれ第一特許指標(0701)として算出される。
【0038】
「株式データ蓄積部」(0208)は、上場企業の株式データを蓄積する機能を有する。株式データとは、企業名や株価、発行済株式数、時価総額などのことをいう。
【0039】
「権利者抽出部」(0209)は、算出された陳腐化後コストの合算処理がなされる
特許の権利者を、整理標準化データから抽出する機能を有する。
【0040】
「判断部」(0210)は、権利者抽出部で抽出された権利者が上場企業であるかを株式データ蓄積部(0208)と照合して判断する機能を有する。
【0041】
「第二合算部」(0211)は、判断部(0210)での判断結果が上場企業であるとの判断結果である場合に、その上場企業が権利者である第一特許指標を合算して第一企業別特許指標とする機能を有する。
図7を用いて説明すれば、各
特許の第一特許指標(0701)は合算され、第一企業別特許指標(0702)となる。なお、第一企業特許指標はYK値に限定されず、例えば、出願人が特許の取得・維持に対してかけたコストを算出するといった観点から算出しても良い。出願人は、特許の取得・維持にかけるコスト以上の効果を期待してコストの投入を行っているものと考えられる。よって、出願人にとって価値の高い特許は早期審査請求や海外出願などを行うと考えられる。そこで、これらのアクションを評価するということである。
【0042】
「割算部」(0212)は、第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算し、得られる値を第二企業別特許指標として取得する機能を有する。ここで、割算部は割算する機能を有する部として普通名称を用いているが、請求項1における割算部の機能は先述の通りであり、後述する請求項2における割算部とは異なる機能を有する。また、請求項4および請求項5に記載の割算ステップについても同様であり、各ステップにて実際に行う動作は異なる。また、割算の分母と分子は反対であっても評価の大小が逆転するだけで同様の結果を得るので、同様の思想であるといえる。さらに、割算部(0212)に代えて、比重をつけた処理やアルゴリズムに沿った演算を行ってもよい。一例として、YK値を第一特許指標として
図8を用いて説明する。
図1のα社、β社の第二企業別特許指標(0801)は、α社、β社のYK値(0802)をその企業の時価総額(0803)で割算することによって算出される。
【0043】
「第一位置算出部」(0213)は、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における第二企業別特許指標の占める位置を算出する機能を有する。ここで、競合企業グループは、証券コード協議会によって分類されている業種を用いて特定しても良いし、競合関係にあればこれに限定されず、独自の分類がなされていてもよい。
図8は電気機器業界に属する企業を第二企業別特許指標の大きい順にランキングしたものであり、α社、β社の順位(0804)はそれぞれ34位、88位となる。このように各企業の電気機器業界内での位置を算出することができる。
【0044】
割算部(0212)、第一位置算出部(0213)に代えて、次のような処理を行っても良い。まず、競合企業グループ内で縦軸を第一企業別特許指標、横軸を時価総額とするグラフ(散布図)を作成する。このグラフの全体の傾向について原点を通過する最小二乗直線を求めて、この直線が傾き1の直線となるように全体を回転させる(規格化する)。そして、各企業のグラフ上の位置を原点を中心とした横軸からの角度で表す、という具合である。
【0045】
<実施形態1:ハードウェア構成>
図9は本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の各構成要素をハードウェアとして表現した際の構成の一例を表す概略図である。
【0046】
本実施形態の構成要素である各部の全部又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インタフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インタフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。
【0047】
さらに具体的には、
図9のようにコンピュータがCPU(0901)、RAM(0902)、ROM(0903)、入出力インタフェース(I/O)(0904)、HDD(0905)、等から構成されており、それらがシステムバス(0906)等のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行なう。
【0048】
また、RAM(0902)は、各種処理を行なうプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムのワーク領域を提供する。また、RAM(0902)やROM(0903)にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPU(0901)で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行なうことが可能になっている。
【0049】
図9を利用して本実施形態におけるハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0050】
まず、企業成長性予測指標算出装置の電源が起動されると、CPU(0901)は、ROM(0903)等の記憶装置に保持されている整理標準化データ取得プログラム、項目内容抽出プログラム、検索結果保持プログラム、陳腐化後コスト算出プログラム、第一合算プログラム、権利者抽出プログラム、判断プログラム、第二合算プログラム、割算プログラム、第一位置算出プログラム等の各種プログラムをRAM(0902)のワーク領域に展開する。
【0051】
そしてCPU(0901)は、整理標準化データ取得プログラムを実行し、評価対象特許の整理標準化データを取得する。取得した整理標準化データはRAM(0902)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(0901)は、項目内容抽出プログラムを実行し、ROM(0903)等の記憶領域に保持されている例えば無効審判用のパターンファイルをRAM(0902)の記憶データ領域に読み込む。パターンファイルには、
特許に対して取られた法律的手続き(ここでは無効審判)を示す標準項目名称の組合せが予め準備されている。そして、パターンファイルを利用したCPUの演算によるパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを取得した整理標準化データから検索する。そして、CPUの検索処理結果に基づいて標準項目名称の組合せに対応する項目内容および手続日を抽出する。次に、CPU(0901)は、検索結果保持プログラムを実行し、抽出した項目内容と手続日を標準項目名称の組合せと関連付けをして、RAM(0902)の記憶データ領域に保持する。次に、CPU(0901)は、陳腐化後コスト算出プログラムを実行する。このとき、CPU(0901)は、ROM(0903)等の記憶領域に保持されているコスト表、陳腐化関数をRAM(0902)の記憶データ領域に読み込む。そして、CPUの演算によってコスト表を検索することにより、記憶データ領域に保持されている検索結果に対応するコストを取得する。さらに、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数を用いたCPUの演算処理によって陳腐化後コストを算出する。算出された陳腐化後コストはRAM(0902)の記憶データ領域に保持される。そして、評価対象特許に関して、その他の法律的手続き(例えば閲覧請求など)についても上記陳腐化後コストの算出処理、およびRAM(0902)の記憶データ領域への保持処理を繰返し実行する。そしてCPU(0901)は、第一合算プログラムを実行し、RAM(0902)の記憶データ領域に保持されている各陳腐化後コストを
特許について全て合算する。算出された合算値は、第一特許指標として、その特許を識別するためのIDと関連付けて、RAM(0902)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(0901)は、ROM(0903)等の記憶領域に保持されている株式データをRAM(0902)の記憶データ領域に読み込む。そしてCPUは権利者抽出プログラムを実行して整理標準化データから権利者を抽出し、判断プログラムを実行して、RAM(0902)の記憶データ領域に読み込んだ株式データと照合し、上場企業であるかどうか論理演算によって判断する。上場企業であった場合は、CPUは整理標準化データを参照して、その上場企業の保有特許の識別IDを取得する。そしてCPU(0901)は第二合算プログラムを実行して、その企業の保有特許の識別IDをキーとして各特許の第一特許指標を取得する。そして取得した第一特許指標をCPUの演算処理によって合算して第一企業別特許指標とする。算出された第一企業別特許指標は、RAM(0902)の記憶データ領域に企業IDと関連付けて保持される。さらに、CPU(0901)は、割算プログラムを実行し、RAM(0902)の記憶データ領域に保持されている第一企業別特許指標を株式データの上記企業IDで識別される企業の時価総額で割算して第二企業別特許指標とする。算出された第二企業別特許指標は、RAM(0902)の記憶データ領域に保持される。また、CPUは企業を分野ごとに分類したデータベースを参照し、上記企業と分野を同じくする他の企業を特定し、それら企業についても同様にして第二企業別特許指標を算出し、RAM(0902)の記憶データ領域に保持する。最後に、CPU(0901)は、第一位置算出プログラムを実行し、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における第二企業別特許指標の占める位置を算出する。算出された第二企業別特許指標や位置は、RAM(0902)の記憶データ領域に保持され、入出力インタフェース(0904)を介してディスプレイに出力される。
【0052】
さらに、算出された第二企業別特許指標や位置は出願番号等と関連づけて、HDD(0905)等の記憶装置に保存しても良い。
【0053】
<実施形態1:処理の流れ>
図10は、本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の動作方法の処理の流れを示す一例である。
【0054】
最初に、ステップS1001において、整理標準化データを取得する。次に、ステップS1002において、予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを検索する。次に、ステップS1003において、整理標準化データから検索された標準項目名称の組合せに応じて項目内容をその手続日と関連づけて抽出する。次に、ステップS1004において、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を標準項目名称の組合せに関連付けて保持する。次に、ステップS1005において、コスト表を検索して項目名称の組合せに対応するコストを取得する。次に、ステップS1006において、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を取得する。次に、ステップS1007において、取得したコスト、陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を利用して陳腐化後コストを算出する。なお、図示していないが、例えば評価対象の特許出願に関してその他の法律的手続きが取られている場合には、それら他の法律的手続きに関しても上記同様の処理を行い陳腐化後コストを算出する。次に、ステップS1008において、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標として保持する。次に、ステップS1009において、整理標準化データから
特許の権利者を抽出する。次に、ステップS1010において、ステップS1009で抽出した権利者が上場企業であるかどうかを株式データと照合して判断する。抽出した全権利者についてこの判断を行い、上場企業でないとの判断がなされた権利者については、S1011からS1014までの処理は行わない。上場企業であった場合、図示していないが、その上場企業が権利者である特許をデータベースなどを参照して特定する。ステップS1011において、その上場企業が権利者である特許に関する第一特許指標を合算して、第一企業別特許指標を算出する。次に、ステップS1012において、第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算し、第二企業別特許指標を算出する。そして図示していないが、データベースなどを参照しその上場企業と同じ分類分野の他の企業に関する第二企業別特許指標を取得する。次に、ステップS1013において、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における位置を算出する。次に、ステップS1014において、得られた第二企業別特許指標や位置をディスプレイなどに出力する。なお、ステップS1009とステップS1010の順序は
図10の例に限られず、例えばステップS1001の直後に行われても良い。
【0055】
また、
図10のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをCDやICメモリ等の媒体に記録することも可能である。
【0056】
<実施形態1:効果>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置によれば、企業の成長性を予測する指標を算出することができる。
【0057】
実際に第二企業別特許指標とその位置を用いて投資シミュレーションを行った。本シミュレーションでは、業種ごとに第二企業別特許指標の上位10%の企業を格付1、上位20%以上で上位10%に含まれない企業を格付2というようにして格付10まで設定した。このように業種ごとに格付を行う理由は、特許の独占排他力は基本的に、同業種内で成り立つと考えられるからである。この格付を利用して、東証一部上場企業(全業種)を対象に投資を行った結果が
図11である。なお
図11はINDEX比較で表示している。投資方法は、各格付の企業群の株を評価月に購入し、翌月の月次リターンを計算するというもので、最もシンプルな方法を用いている。この結果をみると、格付1のリターンが最も大きいことが明らかである。つまり、特許力が高いのにかかわらずその評価が市場に反映されていない企業は今後成長し、それにつれて市場での評価も上昇していく傾向が強いということが明らかになっている。
【0058】
また、企業成長性予測指標算出装置によって算出される企業別特許指標は、スコアリングを利用せずに客観データのみを用いて算出されたものであるので、恣意性を排除しているという特徴を持つ。
<<実施形態2>>
【0059】
<実施形態2:概要>本実施形態の企業成長性予測指標算出装置は、まず、整理標準化データから得られる第一特許指標を、全てを合算して第一企業別特許指標とし、その企業の売上高で割算して、企業の成長性を予測する第三企業別特許指標を算出する。そして、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中で占める位置を算出する。
【0060】
<実施形態2:構成>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の機能ブロック図を
図12に例示する。
図12に示す企業成長性予測指標算出装置(1200)は、「整理標準化データ取得部」(1201)と、「項目内容抽出部」(1202)と、「検索結果保持部」(1203)と、「コスト表保持部」(1204)と、「陳腐化関数格納部」(1205)と、「陳腐化後コスト算出部」(1206)と、「第一合算部」(1207)と、「売上高データ蓄積部」(1208)と、「権利者抽出部」(1209)と、「第三合算部」(1210)と、「割算部」(1211)と、「第二位置算出部」(1212)と、を有する。
【0061】
「整理標準化データ取得部」(1201)と、「項目内容抽出部」(1202)と、「検索結果保持部」(1203)と、「コスト表保持部」(1204)と、「陳腐化関数格納部」(1205)と、「陳腐化後コスト算出部」(1206)と、「第一合算部」(1207)は、実施形態1と同様の機能を有するので説明を省略する。
【0062】
「売上高データ蓄積部」(1208)は、企業の売上高データを蓄積する機能を有する。
【0063】
「権利者抽出部」(1209)は、合算処理がなされる
特許の権利者を抽出する機能を有する。
【0064】
「第三合算部」(1210)は、その企業が権利者である第一特許指標を合算して、第一企業別特許指標とする機能を有する。
【0065】
「割算部」(1211)は、第一企業別特許指標をその企業の売上高で割算し、得られる値を第三企業別特許指標として取得する機能を有する。ここで、割算の分母と分子は反対であっても評価の大小が逆転するだけで同様の結果を得るので、同様の思想であるといえる。さらに、割算部(1211)に代えて、比重をつけた処理やアルゴリズムに沿った演算を行ってもよい。
【0066】
「第二位置算出部」(1212)は、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中における第三企業別特許指標の占める位置を算出する機能を有する。ここで、競合企業グループは、証券コード協議会によって分類されている業種を用いて特定しても良いし、競合関係にあればこれに限定されず、独自の分類がなされていてもよい。
【0067】
<実施形態2:ハードウェア構成>
図13は本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の各構成要素をハードウェアとして表現した際の構成の一例を表す概略図である。
【0068】
本実施形態の構成要素である各部の全部又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インタフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インタフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。
【0069】
さらに具体的には、
図13のようにコンピュータがCPU(1301)、RAM(1302)、ROM(1303)、入出力インタフェース(I/O)(1304)、HDD(1305)、等から構成されており、それらがシステムバス(1306)等のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行なう。
【0070】
また、RAM(1302)は、各種処理を行なうプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムのワーク領域を提供する。また、RAM(1302)やROM(1303)にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPU(1301)で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行なうことが可能になっている。
【0071】
図6を利用して本実施形態におけるハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0072】
まず、企業成長性予測指標算出装置の電源が起動されると、CPU(1301)は、ROM(1303)等の記憶装置に保持されている整理標準化データ取得プログラム、項目内容抽出プログラム、検索結果保持プログラム、陳腐化後コスト算出プログラム、第一合算プログラム、権利者抽出プログラム、第三合算プログラム、割算プログラム、第二位置算出プログラム等の各種プログラムをRAM(1302)のワーク領域に展開する。
【0073】
そしてCPU(1301)は、整理標準化データ取得プログラムを実行し、評価対象特許の整理標準化データを取得する。取得した整理標準化データはRAM(1302)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(1301)は、項目内容抽出プログラムを実行し、ROM(1303)等の記憶領域に保持されているパターンファイルをRAM(1302)の記憶データ領域に読み込む。パターンファイルには、
特許に対して取られた法律的手続きを示す標準項目名称の組合せが予め準備されている。そして、パターンファイルを利用したCPUの演算によるパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを取得した整理標準化データから検索する。そして、CPUの検索処理結果に基づいて標準項目名称の組合せに対応する項目内容および手続日を抽出する。次に、CPU(1301)は、検索結果保持プログラムを実行し、抽出した項目内容と手続日を標準項目名称の組合せと関連付けをして、RAM(1302)の記憶データ領域に保持する。次に、CPU(1301)は、陳腐化後コスト算出プログラムを実行する。このとき、CPU(1301)は、ROM(1303)等の記憶領域に保持されているコスト表、陳腐化関数をRAM(1302)の記憶データ領域に読み込む。そして、CPUの演算によってコスト表を検索することにより、記憶データ領域に保持されている検索結果に対応するコストを取得する。さらに、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数を用いたCPUの演算によって陳腐化後コストを算出する。算出された陳腐化後コストはRAM(1302)の記憶データ領域に保持される。パターンファイルに予め準備されている法律的手続き全てについて上記陳腐化後コストの算出処理、およびRAM(1302)の記憶データ領域への保持処理を繰返し実行する。そして、CPU(1301)は、第一合算プログラムを実行し、RAM(1302)の記憶データ領域に保持されている陳腐化後コストを
特許について全て合算する。算出された合算値は第一特許指標として、RAM(1302)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(1301)は、ROM(1303)等の記憶領域に保持されている売上高データをRAM(1302)の記憶データ領域に読み込む。そしてCPU(1301)は、権利者抽出プログラムを実行して整理標準化データから権利者を抽出し、第三合算プログラムを実行してその企業の特許指標を合算して第一企業別特許指標とする。算出された第一企業別特許指標は、RAM(1302)の記憶データ領域に保持される。さらに、CPU(1301)は、割算プログラムを実行し、RAM(1302)の記憶データ領域に保持されている第一企業別特許指標を売上高で割算して第三企業別特許指標とする。算出された第三企業別特許指標は、RAM(1302)の記憶データ領域に保持される。最後に、CPU(1301)は、第二位置算出プログラムを実行し、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中における第三企業別特許指標の占める位置を算出する。算出された第三企業別特許指標や位置は、RAM(1302)の記憶データ領域に保持され、入出力インタフェース(1304)を介してディスプレイに出力される。
【0074】
さらに、算出された第三企業別特許指標や位置は出願番号等と関連づけて、HDD(1305)等の記憶装置に保存しても良い。
【0075】
<実施形態2:処理の流れ>
図14は、本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の動作方法の処理の流れを示す一例である。
【0076】
最初に、ステップS1401において、整理標準化データを取得する。次に、ステップS1402において、予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを検索する。次に、ステップS1403において、整理標準化データから検索された標準項目名称の組合せに応じて項目内容をその手続日と関連づけて抽出する。次に、ステップS1404において、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を標準項目名称の組合せに関連付けて保持する。次に、ステップS1405において、コスト表を検索して対応するコストを取得する。次に、ステップS1406において、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を取得する。次に、ステップS1407において、取得したコスト、陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を利用して陳腐化後コストを算出する。次に、ステップS1408において、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標として保持する。次に、ステップS1409において、整理標準化データから
特許の権利者を抽出する。次に、ステップS1410において、その企業が権利者である第一特許指標を合算して、第一企業別特許指標を算出する。ここで、ステップS1409において抽出した全権利者についてこの処理を行うことが望ましい。次に、ステップS1411において、第一企業別特許指標をその企業の売上高で割算し、第三企業別特許指標を算出する。次に、ステップS1412において、その企業が属する競合企業グループの第三企業別特許指標全体中における位置を算出する。次に、ステップS1413において、得られた第三企業別特許指標や位置をディスプレイなどに出力する。なお、ステップS1409の順序は
図14の例に限られず、例えばステップS1401の直後に行われても良い。
【0077】
また、
図14のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをCDやICメモリ等の媒体に記録することも可能である。
【0078】
<実施形態2:効果>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置によれば、企業の成長性を予測する指標を算出することができる。また、企業を上場企業に限定して時価総額を企業別特許指標を算出するために用いるだけでなく、売上高を用いることもできる。
<<実施形態3>>
【0079】
<実施形態3:概要>本実施形態は、特許庁から代理人を介する場合を含めて各企業に送信されるデータを、特許庁が保有している整理標準化データに代えてまたはこれに加えて新たに整理標準化データとする、実施形態1または2に記載の企業成長性予測指標算出装置である。
【0080】
<実施形態3:構成>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の機能ブロック図を
図15に例示する。
図15に示す企業成長性予測指標算出装置(1500)は、「整理標準化データ取得部」(1501)と、「項目内容抽出部」(1502)と、「検索結果保持部」(1503)と、「コスト表保持部」(1504)と、「陳腐化関数格納部」(1505)と、「陳腐化後コスト算出部」(1506)と、「第一合算部」(1507)と、「株式データ蓄積部」(1508)と、「権利者抽出部」(1509)と、「判断部」(1510)と、「第二合算部」(1511)と、「割算部」(1512)と、「第一位置算出部」(1513)と、「特許庁送信データ取得部」(1514)と、を有する。
【0081】
「整理標準化データ取得部」(1501)と、「項目内容抽出部」(1502)と、「検索結果保持部」(1503)と、「コスト表保持部」(1504)と、「陳腐化関数格納部」(1505)と、「陳腐化後コスト算出部」(1506)と、「第一合算部」(1507)と、「株式データ蓄積部」(1508)と、「権利者抽出部」(1509)と、「判断部」(1510)と、「第二合算部」(1511)と、「割算部」(1512)と、「第一位置算出部」(1513)は、実施形態1と同様の機能を有するので説明を省略する。
【0082】
「特許庁送信データ取得部」(1514)は、整理標準化データ取得部(1501)の内部にあり、特許庁から代理人を介する場合を含めて各企業に対して送信されるデータの転送を受ける機能を有する。
図16は特許庁送信データ取得部(1601)の概念図である。
特許に対し無効審
判請求など法律的手続きがあった場合、特許庁はその
特許の出願人または権利者である企業等に対してデータを送信する。特許庁送信データ取得部(1601)は、各企業に対して特許庁から送信されたデータを各企業から転送し取得する。また、特許庁送信データ取得部が整理標準化データ取得部の内部にあるのではなく、整理標準化データ取得部に代えて特許庁送信データ取得部を用いても良い。
【0083】
<実施形態3:ハードウェア構成>
図17は本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の各構成要素をハードウェアとして表現した際の構成の一例を表す概略図である。
【0084】
本実施形態の構成要素である各部の全部又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インタフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インタフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。
【0085】
さらに具体的には、
図17のようにコンピュータがCPU(1701)、RAM(1702)、ROM(1703)、入出力インタフェース(I/O)(1704)、HDD(1705)、等から構成されており、それらがシステムバス(1706)等のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行なう。
【0086】
また、RAM(1702)は、各種処理を行なうプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムのワーク領域を提供する。また、RAM(1702)やROM(1703)にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPU(1701)で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行なうことが可能になっている。
【0087】
図17を利用して本実施形態におけるハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0088】
まず、企業成長性予測指標算出装置の電源が起動されると、CPU(1701)は、ROM(1703)等の記憶装置に保持されている整理標準化データ取得プログラム、特許庁送信データ取得プログラム、項目内容抽出プログラム、検索結果保持プログラム、陳腐化後コスト算出プログラム、第一合算プログラム、権利者抽出プログラム、判断プログラム、第二合算プログラム、割算プログラム、第一位置算出プログラム等の各種プログラムをRAM(1702)のワーク領域に展開する。
【0089】
CPU(1701)は、整理標準化データ取得プログラムを実行し、評価対象特許の整理標準化データを取得する。CPU(1701)は、特許庁送信データ取得プログラムを実行し、評価対象特許に対する特許庁送信データを整理標準化データに組み込む。そして、特許庁送信データが組み込まれた整理標準化データはRAM(1702)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(1701)は、項目内容抽出プログラムを実行し、ROM(1703)等の記憶領域に保持されている例えば無効審判用のパターンファイルをRAM(1702)の記憶データ領域に読み込む。パターンファイルには、
特許に対して取られた法律的手続き(ここでは無効審判)を示す標準項目名称の組合せが予め準備されている。そして、パターンファイルを利用したCPUの演算によるパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを取得した整理標準化データから検索する。そして、CPUの検索処理結果に基づいて標準項目名称の組合せに対応する項目内容および手続日を抽出する。次に、CPU(1701)は、検索結果保持プログラムを実行し、抽出した項目内容と手続日を標準項目名称の組合せと関連付けをして、RAM(1702)の記憶データ領域に保持する。次に、CPU(1701)は、陳腐化後コスト算出プログラムを実行する。このとき、CPU(1701)は、ROM(1703)等の記憶領域に保持されているコスト表、陳腐化関数をRAM(1702)の記憶データ領域に読み込む。そして、CPUの演算によってコスト表を検索することにより、記憶データ領域に保持されている検索結果に対応するコストを取得する。さらに、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数を用いたCPUの演算処理によって陳腐化後コストを算出する。算出された陳腐化後コストはRAM(1702)の記憶データ領域に保持される。そして、評価対象特許に関して、その他の法律的手続き(例えば閲覧請求など)についても上記陳腐化後コストの算出処理、およびRAM(1702)の記憶データ領域への保持処理を繰返し実行する。そしてCPU(1701)は、第一合算プログラムを実行し、RAM(1702)の記憶データ領域に保持されている各陳腐化後コストを
特許について全て合算する。算出された合算値は、第一特許指標として、その特許を識別するためのIDと関連付けて、RAM(1702)の記憶データ領域に保持される。次に、CPU(1701)は、ROM(1703)等の記憶領域に保持されている株式データをRAM(1702)の記憶データ領域に読み込む。そしてCPUは権利者抽出プログラムを実行して整理標準化データから権利者を抽出し、判断プログラムを実行して、RAM(1702)の記憶データ領域に読み込んだ株式データと照合し、上場企業であるかどうか論理演算によって判断する。上場企業であった場合は、CPUは整理標準化データを参照して、その上場企業の保有特許の識別IDを取得する。そしてCPU(1701)は第二合算プログラムを実行して、その企業の保有特許の識別IDをキーとして各特許の第一特許指標を取得する。そして取得した第一特許指標をCPUの演算処理によって合算して第一企業別特許指標とする。算出された第一企業別特許指標は、RAM(1702)の記憶データ領域に企業IDと関連付けて保持される。さらに、CPU(1701)は、割算プログラムを実行し、RAM(1702)の記憶データ領域に保持されている第一企業別特許指標を株式データの上記企業IDで識別される企業の時価総額で割算して第二企業別特許指標とする。算出された第二企業別特許指標は、RAM(1702)の記憶データ領域に保持される。また、CPUは企業を分野ごとに分類したデータベースを参照し、上記企業と分野を同じくする他の企業を特定し、それら企業についても同様にして第二企業別特許指標を算出し、RAM(1702)の記憶データ領域に保持する。最後に、CPU(1701)は、第一位置算出プログラムを実行し、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における第二企業別特許指標の占める位置を算出する。算出された第二企業別特許指標や位置は、RAM(1702)の記憶データ領域に保持され、入出力インタフェース(1704)を介してディスプレイに出力される。
【0090】
さらに、算出された第二企業別特許指標や位置は出願番号等と関連づけて、HDD(1705)等の記憶装置に保存しても良い。
【0091】
<実施形態3:処理の流れ>
図18は、本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置の動作方法の処理の流れを示す一例である。
【0092】
最初に、ステップS1801において、整理標準化データを取得する。次に、ステップS1802において、特許庁送信データを取得して整理標準化データに組み込む。次に、ステップS1803において、予め準備したパターンを利用したパターンマッチング処理により、法律的手続きを示す標準項目名称の組合せを検索する。次に、ステップS1804において、整理標準化データから検索された標準項目名称の組合せに応じて項目内容をその手続日と関連づけて抽出する。次に、ステップS1805において、抽出された項目内容およびそれに関連付けられている手続日を標準項目名称の組合せに関連付けて保持する。次に、ステップS1806において、コスト表を検索して項目名称の組合せに対応するコストを取得する。次に、ステップS1807において、
特許が属する技術分野に対応する陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を取得する。次に、ステップS1808において、取得したコスト、陳腐化関数、算定基準日、手続日、出願日を利用して陳腐化後コストを算出する。なお、図示していないが、例えば評価対象の特許出願に関してその他の法律的手続きが取られている場合には、それら他の法律的手続きに関しても上記同様の処理を行い陳腐化後コストを算出する。次に、ステップS1809において、算出された陳腐化後コストを
特許について全て合算して第一特許指標として保持する。次に、ステップS1810において、整理標準化データから
特許の権利者を抽出する。次に、ステップS1811において、ステップS1810で抽出した権利者が上場企業であるかどうかを株式データと照合して判断する。抽出した全権利者についてこの判断を行い、上場企業でないとの判断がなされた権利者については、S1812からS1815までの処理は行わない。上場企業であった場合、図示していないが、その上場企業が権利者である特許をデータベースなどを参照して特定する。ステップS1812において、その上場企業が権利者である特許に関する第一特許指標を合算して、第一企業別特許指標を算出する。次に、ステップS1813において、第一企業別特許指標をその企業の時価総額で割算し、第二企業別特許指標を算出する。そして図示していないが、データベースなどを参照しその上場企業と同じ分類分野の他の企業に関する第二企業別特許指標を取得する。次に、ステップS1814において、その企業が属する競合企業グループの第二企業別特許指標全体中における位置を算出する。次に、ステップS1815において、得られた第二企業別特許指標や位置をディスプレイなどに出力する。なお、ステップS1810とステップS1811の順序は
図18の例に限られず、例えばステップS1802の直後に行われても良い。
【0093】
なお、
図18のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをCDやICメモリ等の媒体に記録することも可能である。
【0094】
<実施形態3:効果>本実施形態に係る企業成長性予測指標算出装置によれば、特許庁が整理標準化データを発行するタイミングを待たずして、
特許に対する法律的手続きのデータを取得でき、時宜を最新の指標を算出することができる。