【実施例1】
【0027】
血漿分離カード(Micronics社、米国)の膜に健康成人(男性1例、女性1例)の指からキャピラリー採血した血液を入れた。次に膜の反対側を用手的に減圧した。チャンバーのカバーをメスで開け、カード内の血漿採取チャンバーに採取した血漿10 μlを電気ピペットで吸引した。3回の連続実験において、吸引した各血漿10 μlをEKTACHEM DT 60 IIスライドに入れ、それぞれLDH、AST、およびMgを分析した。LDHおよびASTはVitros DTSCモジュール(Ortho−Cliniacal Diagnostics社、米国)にて、Mgは同社のVitros DT 60モジュールにて分析した。
【0028】
本法における連続的な使用段階での本発明による血漿分離デバイスを
図3〜
図5に示す。本デバイス1は、概してポリ(テトラフルオロエチレン)等の疎水性ポリマー材料でできた円形のハウジングを備える。ハウジング内の血漿採取コンパートメント2は、ハウジングと同一または類似の材料でできたグリッド12により支持される血漿分離膜11によって閉鎖される上端開口部を有する。コンパートメント底部13は広角円錐形をしていて、中央部に向かって傾斜している。コンパートメントの側壁14は、バルブ16を備えた導管15へ伸びている。導管15は、真空ポンプ(図なし)等の陰圧源まで伸びている。
図3では、頭皮血液試料7 40 μLは膜11の外面に蓄積していて、バルブ16は閉鎖位置にある。バルブ16を開放するとコンパートメント14に陰圧がかかる(
図4)。それによって血漿7’がコンパートメント14に吸引され、傾斜した底部13に蓄積し、血液細胞7’’は膜11により保持される。バルブ16を閉じると
図5で示される状態になり、膜から空気が吸引されてコンパートメント内の圧が周囲圧力と等しくなる。代替方法として、コンパートメント14内の圧の等化は、陰圧発生停止後またはその他の適切な方法で、導管15を介して達成され得る。
図5は、吸引シリンジによって血漿試料7がコンパートメント14から除去される様子を示す。膜11からシリンジのカニューレ10を挿入した。膜上の血液細胞によって血漿試料7が汚染されないように、デバイス1の上端または側壁の別の開口部に配置した分離挿入口(図なし)にゴム製隔壁を作成してもよい。
図2のブロック線図は、本発明の方法の原理を例示する。
【0029】
コンパートメントは、その底部に蓄積した液体(血漿)の排出能を調節する第2のバルブ手段を備えた底部セクションと連絡するように配列される第2の導管をさらに備えることができる。代替方法として、コンパートメントは、蓄積した血漿中のLDHおよびその他のマーカーを測定する手段を含むことができる。膜の面積は、5 mm
2〜1000 mm
2、具体的には20 mm
2〜300 mm
2であるのが好適である。
【0030】
頭皮血液分析。pHまたは乳酸を測定するため臨床検査で使用される標準機器を用いて、健康男性成人から採取した頭皮血液の反復分析に成功した。試料については、膣管(実際の状況で、羊水で汚染されないように)を使用する場合と使用しない場合があった。血液試料を血漿分離カードに入れてから結果が表示されるまでの時間は、平均7分であった。分析時間は、本法に適合した機器を使用することで、具体的には電気的手段を使用する等、膜の真空側にかける陰圧と時間が十分にコントロールされる分離カードを使用することで、3〜4分以下等まで、かなり短縮できることは明らかである。したがって、緊急時にベッドサイドで胎児頭皮血液を測定する際に、本発明の方法を使用できることは確実である。
【0031】
測定によると、LDH値はキャピラリー中の指の血液より頭皮血液のほうがかなり高く、膣管使用時と非使用時の頭皮血液ではそれぞれ1044 U/Lおよび1127 U/L、指血液では400 U/Lであった。胎児のグルコースおよびヘモグロビン濃度については、頭皮血液と臍帯血との間に差異が認められている。胎児頭皮血液中のLDHの測定は、当業者にはわからないと考えられる。
【0032】
図6では、患者に近い環境等において、検査結果が7分以内に、好ましくは2分以内に、より好ましくは数秒以内に提示され得る使い捨てカード2およびポイント・オブ・ケア検査用分析装置3を含む本発明によるシステムを示す。
図7と合わせて詳細に説明されるとおり、使い捨てカード2には、好ましくは複数の検出セル20A〜20Eが配置されるが、実際には、用途によってはLDHを検査するカード(LDH+ASTの場合は2つのセル等)のみで十分と考えられる。
【0033】
図6では、本発明の方法による連続的なステップが提示される。左上に第1ステップが示されており、約10 μL等の量の全血を充填したガラス製キャピラリーデバイス3を用いて新しいカード2に試験血液7が供給される。
図7と合わせて詳細に説明されるとおり、連続的なステップでガラス製キャピラリーデバイス4をカード2のコンパートメント21に挿入し、カード2で血液試料7を遮る。使い捨てカード2を装置3にはめて血液試料7を直接分析した。カードはデバイス(例えば、血漿/血清分布用のマイクロ流体チャネル)を備えており、血液試料7由来の血漿7’が少なくとも1つの検出セル20A〜20Eに入れるようになり、好ましくは少なくとも1つのその他のセル中の血液細胞およびより好適な全血が少なくとも1つのその他のセルに入れるようになる。検出セルに入る前に、血漿/血清/全血は、試薬(好ましくは乾燥状態)が蓄積している反応チャンバー(26A〜26E)に入る。したがって、反応が生じてから検出される。装置3には、光計測を行う光デバイス(例えば、(参照用に紹介されている)米国特許第493534号明細書に記載されている)が配置されている。光計測(例えば、米国特許第4803159号明細書に記載されている吸光度測定法等)は、装置3のプロセッサ31によって処理され、ディスプレイ32に表示されるおよび/またはデータ出力33(例、印刷された紙)として示される。さらに、分析装置3は、好ましくは使い捨てカード2固有のコードを用いてバーコード22を読み取り・処理可能なバーコード読み取り装置34を備える。好ましくは、分析装置3はハウジング35内に収納され、携帯可能である。接続(図なし)によって装置3に必要なサプライ用品、例えば電源(バッテリーで動作するのでなければ)を供給する。代替の実施形態では、例えば装置をラップトップに接続可能にする外部プロセッサを用いて、例えばUSBケーブルを用いて、装置を小型化することができる。
【0034】
図7では、本発明による典型的な使い捨てカード2の実施形態を示す。カード2には、5つの検出セル20A〜20Eが配置されており、これらはいずれも光学的検出セルである。第1検出セル20Aは、ALT用である。第2検出セル20Bは、AST用である。第3検出セル20Cは、全LDH用である。第4および第5検出セル20D、20Eは、それぞれ乳酸およびMg
2+用である。図示されている実施形態によるカードは円筒形本体23を有し、扱いやすい直径を有する(例えば、直径20〜120 mm以内、好ましくは40〜100 mmm)。本体23材料は、例えばポリ(テトラフルオロ)エチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、幅広い範囲から選択される。
図7で図示されるとおり、カード2は、血液試料7を供給するガラス製キャピラリーデバイス4を取り付けるために適合させたチャンバー21を備えている。チャンバー21とその底部には、既知の方法にて、例えば血漿分離装置25(膜25Bおよび血漿採取コンパートメント25Aを含む。
図3〜
図5に示した膜11と比較する)への血液試料のさらなる輸送を保護するインターフェース23がある。血漿分離膜25とインターフェース23の間には任意選択的に試料スプリッタ24(点線にて示す)があり、例えばプリント試薬26A、Bを介して全血を一部の検出セルに供給し、それぞれALTおよびASTを検出可能にする。次に、より大量の全血試料を血漿分離装置25に供給し、例えばプリント試薬26C、Dを介して、それぞれ血漿7’中の全LDHおよび乳酸が検出可能になる。分離後に得られた血液細胞7’’については、光セル20Eに対応するプリント試薬26Dと混合後に処理し、Mg
2+を検出することができる。
【0035】
以下で、検査結果について説明する。本発明による典型的な使い捨てカードには、さまざまな組み合わせのマーカーが使用されている。
【0036】
乳酸脱水素酵素は低酸素状態時には増加を続け、身体の全細胞に存在する。血流にLDHが認められるということは、重度の低酸素症により末梢臓器への血流が減少していることを示している。これは、これらの細胞からのLDHの漏れの始まりである。LDHが検出されても、どの臓器が低酸素状態であるか判断することはできない。溶血が生じた場合(低酸素症によるものでない場合でも、赤血球破裂がLDH増加の原因である可能性もある)。溶血は、2つのグループに分けられる。(1)in vitro溶血は、採取時または試験管にて貯蔵する際に生じる溶血を意味し、(2)in vivo溶血は、病気を起因として患者体内の赤血球が破裂していることを意味する。低酸素症だけでなく、溶血が続いても誤ってLDHが高値になる。LDHの半減期(T
1/2)は、血中に漏れ出すLDHの異性体が5種類のなかのどのタイプかによって異なる。主に心臓、脳、および赤血球中に存在するLDH1のT
1/2は120時間で、主に肝臓および筋に認められるLDH5のT
1/2は10時間である。
【0037】
新生児を対象とする本試験では、HIEを有する患児全員および健康児184例中178例について、マーカーとしてLDHを用いて確認した。これは低酸素症例の見落としがなく、6例が受けた帝王切開および器械使用分娩が不要であったことを意味する。
【0038】
LDH高値は、現在または最近、身体のどこかの部位が低酸素症に陥っている、あるいは溶血が生じていることを示す。
【0039】
ASTは身体の多くの臓器に存在する酵素であるが、LDHよりも臓器に対する特異性が高い。ASTは主に肝臓、筋、および赤血球に存在する。ASTおよびLDHは溶血に感受性を示すが、程度は異なる。新生児のASTのT
1/2は、12〜15時間である。
【0040】
新生児を対象とする本試験では、HIEを有する患児全員および健康児236例中210例について、マーカーとしてASTを用いて確認した。これは低酸素症例の見落としがなく、26例が受けた帝王切開および器械使用分娩が不要であったことを意味する。
【0041】
AST高値は、現在または最近、肝臓または筋が低酸素症に陥っている、あるいは溶血が生じていることを示す。
【0042】
ALTは肝臓に特異的な酵素であり、溶血の影響はほとんど受けない。ALTのT
1/2は36時間である。
【0043】
本試験では、ALTを単一マーカーとして使用した場合、脳損傷症例の見落としはないが、健康児240例中28例が受けた帝王切開および器械使用分娩が不要であったと考えられる。
【0044】
ALT高値は、現在または以前に肝臓が低酸素症に陥ったことを示している。
【0045】
体内のマグネシウムは骨格に最大50%、細胞内に最大50%存在する。例えば、低酸素症時にアシドーシスが生じた場合(pH低下)、水素イオンが細胞内に移動する。同時にMgが細胞内から血中へ輸送され、血中Mg濃度が上昇する。HIEを有する新生児の場合、Mg濃度は健康児より低い。Mgは、細胞障害よりも優れたアシドーシス・マーカーである。
【0046】
Mg高値は、低酸素症の症状であるアシドーシスの指標である。Mg低値は、脳損傷を来した低酸素症歴の指標である。
【0047】
現段階では、分娩時のMgに関するデータはない。しかし、われわれはブタ新生児に関する動物試験で確認されたMg高値を信頼している。
【0048】
下表は、マーカーとしてLDH+ASTを使用した結果を示す。
【0049】
これらの知見から、健康新生児はいずれもASTおよび/またはLDH低値であることが示されている。HIEを有する新生児10例全員が、ASTおよびLDHのどちらも高値であった。ASTおよびLDH高値の新生児でHIEを発症しなかったのは3例であった。ASTは、新生児が健康である時期を確認するためのLDHの利用効果を増大させる。
【0050】
LDHおよびASTが高値の場合、低酸素症および溶血である。
【0051】
下表は、マーカーとしてLDH+ALTを使用した結果を示す。
【0052】
上表は、LDHおよびALTを同時に分析した場合、健康新生児全員のALTおよび/またはLDHが低値であることを示している。HIEを有する新生児10例全員が、ALTおよびLDHのどちらも高値であった。ASTおよびLDH高値の新生児でHIEを発症しなかったのは1例であった。ALTは、新生児が健康である時期を確認するためのLDHの利用効果を増大させる。
【0053】
ALTは長時間(T
1/2は36時間)血中に残るため、早期(胎内で)に新生児が低酸素症を発症していたかどうかが理論的にわかることから、重要である。
【0054】
LDHおよびALT高値は、肝臓(その他の臓器のなかで)に影響を及ぼす低酸素症を示す。
【0055】
下表は、マーカーとしてLDH+ALT+ASTを使用した結果を示す。
【0056】
LDH、AST、およびALTを一緒に分析し、すべての酵素が低値であった場合、HIEを有する新生児は認められないと考えられる。この3種類のマーカーが高値のときに、HIEを有する新生児全員が確認される。HIEが認められない、不要な分娩にて生まれた新生児は1例である。
【0057】
LDH+ALT+AST高値は現在の低酸素症または過去数時間における低酸素症を示している。ALTの半減期が24時間で、ASTやLDHより長いという事実から、この組み合わせによって低酸素症の時間態様が得られる可能性もある。例えば、LDH+ALT+ASTがすべて高値であり、なおかつ出生後も24時間にわたって上昇している場合、分娩直近に低酸素症が発症したことを示している。
【0058】
実際にこれらの計算で使用される資料では、低酸素症の指標(HIE、アシドーシス、アプガースコア低値)が認められないグループに対し、帝王切開23件および器械使用分娩22件が施行された。新生児に害を与えることが疑われたため、本明細書では帝王切開のみを対象とする。
【0059】
上の実施例では、LDHとALTを併用することによって、不要な分娩にて生まれるのが45例ではなく、1例のみで済んでいる。これによって帝王切開のみにかかる費用が880000SEK(スウェーデンクローナ)削減される。吸引分娩費用は含まれない。吸引分娩は母子ともに損傷リスクが高くなり、ヘルスケア費が発生するとともに患者の負担も増える。
【0060】
上述のとおり、新生児が低酸素症を発症しているかどうか確認する際、本法ではASTからはさほど情報を得られない。ASTは半減期が12時間であるため、依然として情報源となる。ALTとともに、出生後の試料を繰り返し採取した場合、この2つの酵素から低酸素症がいつ発症したかに関する情報が得られる。今日の産科医には、低酸素症を見逃したのかどうか、あるいは分娩のため女性が病院に到着した時点で、すでに患児が低酸素症を発症していたのかどうか、証明すべき問題を抱えているため、これは法律的に価値が高い。
【0061】
科学文献から得られた情報に基づく結論によると、マグネシウムよって低酸素症が存在しているのか、あるいは過去に発症したのかに関する知識が得られる。
【0062】
LDH+ALT+AST+Mg高値は、末梢臓器に影響を及ぼし、アシドーシスを引き起こすほど重度の低酸素症が続いていることを示す。LDH+ALT+ASTは高値であるが、Mgは低値の場合、臓器損傷を引き起こし、おそらく脳に影響を及ぼすおそれのある低酸素症を最近発症したことが示される。Mgは溶血には感受性を示さないため、ALTと一緒にLDH高値が溶血ではなく、臓器損傷を起因とするものであることを強調する。
【0063】
以下で、本発明の方法およびデバイスを実際に使用したときの実施例について説明する。アンナという名の患者が分娩室に到着し、分娩すると仮定する。スタッフが、女性の胃の上に装着した機器を用いて心拍数を測定することにより、胎児の状態コントロールを開始する(胎児心拍数パターン、CTG)。一定間隔でCTGをコントロールし、考え得る変化を観察する。陣痛が開始して8時間後、子宮口が8 cm開いていた。新たなCTGコントロール時に、心拍数が増加していることが示された。助産婦は、産科医を呼ぶ。産科医は、病気の徴候が認められるかどうか確認するため、新生児の頭皮から引き続き試料を採取しようと考えている。
【0064】
側臥位を取っていたアンナに内診の体位になるよう指示し、産科医は金属管を膣に通し、胎児の頭皮に押し付ける。羊水を洗い流し、胎児の頭皮に小さな切れ込みを入れる(頭皮試料)。少量の血液7を確認すると、キャピラリー管4を持って、血液約10 μlを採取する。(細管から採血しながら清潔かつ迅速に作業することは容易なことではない。このような場合、30〜40 μlという量はかなり多めである。これは頭皮試料でpHを測定する際に必要とされる量である)。
【0065】
助産婦は産科医の傍らで使い捨てカード2を持ち、そこに医師がキャピラリー管4を挿入する。血液7の入ったカード2を横に配置された検出装置3に入れる。ここで分光計4によってLDH、AST、ALT、およびマグネシウム濃度が分析される。カード2上で赤血球7’’が分離されると分析が始まり、残存する血漿7’がカード上の試薬20A〜20Dと反応する。2分後、装置のディスプレイ上に結果が表示される。表示が「正常―正常―正常―正常」であると、マーカーであるLDH、AST、ALT、およびマグネシウムは、いずれも高値ではないことが産科医にわかる。アンナは自然な手段で分娩を続け、その後、健康児を出産する。
【0066】
その後、同夜、産科医は、ヘレナが第一児を出産している部屋に呼ばれる。ここでもCTGは満足のいくものではないため、頭皮試料を採取する。このとき、表示が「高―高―高―高」であると、全マーカーが高値であることが産科医にわかる。これは、胎児が現在低酸素症に陥っていて、緊急帝王切開を決断しなければならないことを意味しているにすぎない。手術を知らせるアラームが鳴り、ヘレナはベッドに寝たまま手術室へ急いで連れてこられる。迅速麻酔を行ない、産科医は手を洗って手術着に着替える。次に皮膚を切開し、アラームが鳴ってわずか数分後に胎児を取り出す。
【0067】
上述のとおり、溶血に感受性を示すマーカーもある。溶血が本法に及ぼす影響については、現段階では完全には検討されていないが、転帰がさほど変わらない症例もある。しかし、試料採取中に溶血が頻繁に生じる場合は、カードに溶血用マーカーを統合する。もっとも考えられるシナリオは、第1選択マーカーとして遊離型ヘモグロビンを使用することである。血漿中のHb値を測定することで溶血に関する情報が得られ、その情報があれば、溶血の重症度もつかめると考えられる。溶血の程度によっては、酵素値を考慮に入れて、再計算することもできる。
【0068】
分析法が比色定量法(試薬の色の変化)である場合、状況次第では、LDH単独またはLDHと乳酸、ALT、AST、またはマグネシウム等との併用によって、胎児の状態を判断することができる。
【0069】
図8では、固相化学を用いて分析を行う、代替の試験装置の実施形態を示す。
図8に示される検査デバイス5の利点は、電源が不要である点である。検査デバイス5には、本体/ケーシングに形成される細長い管が配置される。長形の本体50内部には、ハウジング50の前端近くに配置される前チャンバー52へと開通するチャネル51がある。チャネル51のもう1つの端部、ハウジング50の後端近くには、ポンプデバイス53がある。弾性の中空体の形状をしたポンプデバイス53には、そのアウトレット端部にチェックバルブ54が配置される。アウトレットは、(チェックバルブ54から)使い捨てコンパートメント55へと開通する。ハウジング50の前端にはカラーデバイス56が配置され、中央部にはフィルタ58を介して前チャンバー52と連絡する穴57がある。フィルタは、濾過して血液細胞を取り除く。前端より一定の距離を置いて、チャネル51の一部を形成している、固相化学手段8が配置されるさらなるチャンバー59がある。また、ポンプデバイス53に隣接するチャネル51の一部として、バッファーを生じるさらなるチャンバー501が配置され、チャネル51内の血液7量に関する指標となる。
【0070】
図8に示される検査デバイスは、分娩時の使用に適応している。
図8で図示されるとおり、小児の頭皮6に穿刺しして少量の血液7を採取する(それ自体が衆知される)。その後、血液受け7周囲にカラー56を配置することで、検査デバイス5を膣から入れ、血液試料にあてる。次のステップでは、弾性ポンプデバイス53の中空内部から空気を逃がすようにチェックバルブ54が開くポンプ機構53を作動させる。チャネル51を介して血液受け7と連絡するポンプデバイス53開放時に真空が生じ(弾力性のおかげで)、それによって血液はフィルタ58を介してチャネル51に吸引される。したがって、血漿7’は分析チャンバー59に入る。ポンプ機構を何度も適用して十分な検査用血液を確保する。バッファー用チャンバー501中で血液が確認されると、血液量が測定される。その後、検査デバイス5を除去し、分析チャンバー59において化学手段の色を観察することで胎児が低酸素症に陥っているかどうかを確認できる。それ自体が衆知されているように、固相化学手段8を用いて、提示されている色に応じて講じるべき様々な措置を示すことができる。例えば、以下の色を用いて、どの措置を取るべきか示す。緑色が示された場合、取るべき措置はない。赤色が提示された場合、可能な限り迅速に胎児を取り出す。黄色が示された場合、20分以内に新たに試料を採取する。
【0071】
臨床的に、検査デバイス5から上述のような同様の指標が得られる。胎児頭皮から採血するためのキャピラリー管を若干改良した検査デバイス5を併用できることは明らかであるが、好ましくは、採血の際にデバイス5内部に閉鎖システムが生じるようなデザインにする。これは例えばシリコンカラー(図)で胎児の頭部にあてた上端を押すまたはデバイス5を除去して上端に厳封した蓋を装着する(図なし)など、さまざまな方法で実現可能である。
【0072】
われわれは、現在使用されている乳酸検査は、本発明の方法と組み合わせて分析できる。
【0073】
図9において、好ましくは本発明による方法およびデバイスを使用するタイミングに関するフローチャートを示す。フローチャートで示されるとおり、CTGは、好ましくは主要指標として使用すべきである。CTGが正常である場合、通常の措置を取る。しかし、CTGが異常である場合、本発明により胎児の頭皮から直接採血する、あるいは胎児の心臓をST解析することで進めることもできる。
【0074】
本発明は、上述の内容によって制限されるものではないが、添付の請求項の適用範囲内で異なる場合がある。例えば、「胎児血液」、あるいは身体のその他の部位から採取した血液試料の定義は、時に本発明による利益を得るために機能することは、当業者にとって明らかである。本発明と合わせて使用する試料は全血、血漿、および血清である。
【0075】
さらに当業者は、例えばプラスチック等の代わりにガラスまたはその他の適切な材料を使用する等、上の記述から逸脱し、発明の技術を使用せずにさまざまな変更形態を実行可能であることを理解している。