(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記集品対象の物品のうちで、ピッキング設備において集品できる設備全体のアイテム(物品の品目/種類)に占める比率が大きい(例えば、33%位)にもかかわらず、実際の出荷比率は極端に少ない(例えば、1%に満たない)物品は、仕分け先の物品要求情報が少ない物品として「下位品」として定義される。
【0006】
従来のピッキング設備のように、下位品を含めた全アイテムにそれぞれ、ピッキング棚の区画収納空間を割り当てると、ピッキング棚が大きくなり、また集品容器を搬送する搬送ラインの長さが長くなり、その結果、ピッキングエリアが広くなり、広い設置スペースが必要となるという問題があった。さらにピッキング棚を搬送ラインにそって分割してゾーンを形成し、ゾーン毎に作業者(ピッキング作業者)を配置してピッキング作業を行う設備では、上述したようにピッキング棚が大きくなり、また集品容器を搬送する搬送ラインの長さが長くなると、前記ゾーンの数が増えてピッキング作業者が多く必要となり、にもかかわらず、下位品が多く割り当てられたゾーンでは、ピッキング作業量が極端に少なく、ピッキング作業者は暇になり、各ゾーンのピッキング作業量にバラツキが生じるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ピッキングエリアの広がりを防止でき、各ゾーンのピッキング作業量を均一にできるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、ピッキング対象の物品が収納された物品容器をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎に、ピッキングする前記物品の情報を表示する表示手段を設けたピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、仕分け先が特定された集品容器を搬送する搬送ラインを備え、前記搬送ラインにより搬送されている前記各集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて表示される前記表示手段の物品の情報にしたがって前記ピッキング棚の各区画収納空間から物品のピッキング作業を行うピッキング設備であって、
前記各仕分け先の物品要求情報に応じて、前記仕分け先の物品要求情報が少ない物品で
ある下位品を、1仕分け先、1品目または複数の品目、およびこれら品目の要求数量から
なる単位で集品して下位品群を形成し、前記ピッキング棚に、ピッキング作業を実行する複数のゾーンを設定し、前記ゾーンに分散して、前記下位品群を収納する専用の区画収納空間を設け、
前記区画収納空間には、複数の前記下位品群が、前記搬送ラインにより順に搬送される集品容器に割り当てられた仕分け先順に取り出されるように収納し、前記表示手段により前記専用の区画収納空間が指定されたときは、指定された区画収納空間に収納されている下位品群を
割り当てられた仕分け先順に取り出し、前記集品容器に、一括して投入することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、前記単位で集品して下位品群が形成され、ゾーンの専用の区画収納空間に、下位品群が収納され、表示手段により専用の区画収納空間が表示されると、この専用の区画収納空間に収納されている下位品群を形成する全ての下位品は集品容器に投入される(集品される)。
【0010】
このように、ゾーンに専用の区画収納空間が設けられ、専用の区画収納空間には、前記単位で集品された下位品群が収納されることにより、専用の区画収納空間が1品目の下位品に限定されることがなくなり、よって全ての下位品を割り付ける区画収納空間を設ける必要がなくなり、ピッキングエリアの広がりが防止される。
【0012】
上記構成によれば、ゾーンの専用の区画収納空間には、複数の下位品群が、搬送ラインにより順に搬送される集品容器に割り当てられた仕分け先順に取り出されるように収納され、搬送ラインにより順に搬送される集品容器に、順に下位品群を取り出して、下位品は集品容器に投入される(集品される)。これにより、先に取り出さなければならない下位品群が、他の下位品群の後に位置し、下位品が集品できなくなる不具合が回避される。
【0013】
また
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記専用の区画収納空間は、複数のゾーンに設けられ、仕分け先が同一の前記下位品群は、前記ゾーンの専用の区画収納空間に分散して収納されることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、仕分け先が同一の下位品群は、ゾーンに分散され、よって、対応す
る集品容器へのゾーンでのピッキング作業量の均一化が図れる。
また
請求項3に記載の発明は、請求項1〜
請求項2のいずれか1項に記載の発明であっ
て、前記専用の区画収納空間は、各ゾーンにそれぞれ設け、形成された下位品群の総数を
、前記ゾーンの数により除算することにより、前記各ゾーンの専用の区画収納空間へ収納
する下位品群の数が設定され、設定された数に応じて、前記下位品群は各ゾーンに配分さ
れて収納されることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、下位品群の総数を、ゾーン数により除算して、各専用の区画収納空間へ収納する下位品群の数を設定することにより、各専用の区画収納空間へ収納する下位品群の数量は、略同量となる。よって、各ゾーンにおけるピッキング作業量の均一化が図れる。
【0016】
また
請求項4に記載の発明は、請求項1〜
請求項3のいずれか1項に記載の発明であっ
て、下位品群は、下位品用の物品容器に収納されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、下位品群は下位品用の物品容器に収納され、下位品用の物品容器に
よって搬送される。このとき、表示手段により専用の区画収納空間が表示されると、この
専用の区画収納空間に収納されている下位品用の物品容器が、容器ごと取り出され、中身
の全ての下位品は集品容器に投入される。
【発明の効果】
【0017】
本発明のピッキング設備は、ゾーンに専用の区画収納空間が設けられて、専用の区画収納空間には、1仕分け先、1品目または複数の品目、およびこれら品目の要求数量からなる単位で集品された下位品群が収納されることにより、全ての下位品を区画収納空間に割り付ける必要がなくなり、ピッキングエリアの広がりを防止できる、という効果を有している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
ピッキング設備10は、個別の予め登録されたお客(ユーザー)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、出荷するピッキング設備であり、
図2〜
図4に示すように、集品対象の物品群を収納するフローラック(ピッキング棚の一例)11と、集品ライン12(集品容器の搬送ラインの一例)と、フローラック11の各間口22(後述する)へ入荷用容器21(後述する)を補充する補充ライン13が備えられている。
【0020】
「集品ライン12」
集品ライン12は、フローラック11に沿って敷設され、集品容器投入エリア(図示せず)において投入された、ユーザー(仕分け先の一例)が予め設定された(仕分け先が特定された)複数(実施の形態では6個)の集品容器15を、同時にゾーンZ(後述する)毎にタクト送りし、梱包エリア(図示せず)へ搬出するラインであり、例えば、ベルトコンベヤから形成されている。
【0021】
タクト送りによる各集品ライン12の各ゾーンZの各集品容器15の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器15への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段)16が設けられている。
【0022】
このコンベヤ投入表示器16は、赤色ランプ付きの押釦スイッチであり、ランプの点灯により、後述するフローラック11の間口22によりピッキングされた物品23を投入する集品容器(ピッキング作業を実行する仕分け位置の集品容器)15を指示(表示)し、スイッチの操作により、ピッキング終了が入力される。
【0023】
「フローラック11」
前記フローラック11は、ピッキング(集品)対象の物品23を収納した入荷用容器(物品容器の一例)21を、4個(複数の一例)連続して格納可能な複数の間口(区画収納空間の一例)22を有し、一例として4段6列(計24個)の間口22毎に、ピッキング作業を実行する単位としてゾーンZが設定されている。実施の形態では、15(複数の一例)のゾーンZに分けられている。
【0024】
また各ゾーンZにはそれぞれ、設けられている間口22のうちの一つの間口22が、後述する下位品専用の入荷用容器(下位品用の物品容器の一例)21Aのみを収納する下位品専用間口(下位群を収納する専用の区画収納空間の一例)22Aとして設定され、各間口22にはそれぞれ、下位品専用間口22Aを除いて、1アイテム(1品目)で特定される物品23がそれぞれ割り当てられており、各間口22の物品23の割り当ては、後述するピッキングコントローラ24(
図5)に登録されている。
【0025】
また全ての間口22(下位品専用間口22Aを含む)にはそれぞれ、ピッキング表示器(表示手段の一例)27が設けられている。各ピッキング表示器27には、ピッキングする物品23の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器28(数量表示手段)と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ29(完了操作手段)が備えられている。
【0026】
「下位品専用の入荷用容器21Aと下位品専用間口22A」
前記下位品専用間口22Aに収納される下位品専用の入荷用容器21Aについて説明する。
【0027】
上述したようにユーザーの物品要求情報(注文)が少ない物品として定義される下位品23Aを、各ユーザーの物品要求情報に応じて、1ユーザー、1アイテム、およびその要求数量(注文量)からなる単位で集品して、下位品群を形成し、前記各下位品専用の入荷用容器21Aはそれぞれ、各下位品群を収納して形成される。
【0028】
すなわち、集品ライン12へ順に投入される集品容器15に割り当てたユーザーの順で、且つ各ユーザー毎に、その物品要求情報から下位品23Aを抽出し、その下位品23A毎に、その注文量とからなるデータを形成し、各データに連続番号(入荷用容器21Aの独自のナンバーに相当する)を付して、下位品専用の入荷用容器21Aを形成するデータ(予めピッキング作業を開始する前に下位品専用の入荷用容器21Aを形成するためのデータ、以下、作業前ピッキングデータと称す)を形成する。
【0029】
例えば、設備全体に収納される物品23のアイテム数を350(物品23を特定する物品ナンバー:001〜350)、そのうち下位品23Aのアイテム数を100(物品23を特定する物品ナンバー:251〜350)とすると、物品要求情報から物品ナンバー251〜350の物品23(下位品23A)を抽出し、
図6に示すように、ユーザー順(このユーザー順は、上述したように集品ライン12に投入される順となる)に、ユーザーのナンバーと、注文された下位品23Aの物品ナンバー(251〜350)と、その注文量からなるデータを形成し、各データを、予め連続番号(ケース・ナンバー)が付された入荷用容器21Aに割り当て、作業前ピッキングデータを形成する。
【0030】
これら各作業前ピッキングデータに基づいて、補充エリア(図示せず)において、ピッキング作業前に、1ユーザー、1アイテム、およびその要求数量(注文量)からなる単位で下位品23Aが集品され(下位品群が形成され)、収納されて入荷用容器21Aが形成される。
【0031】
また
図1に示すように、各ゾーンZの下位品専用間口22Aには、予め最上流のゾーンZから順に(下流のゾーンZからでもよい)繰り返し、入荷用容器21Aに付された連続番号順に下位品専用の入荷用容器21Aが割り当てられる。すなわち、下位品専用の入荷用容器21Aの総数が、ゾーンZの数により除算されることにより、各ゾーンZの下位品専用間口22Aへ収納する下位品専用の入荷用容器21Aの数が設定され、集品ライン12に投入される集品容器15に割り当てられたユーザー順に、各ゾーンZの下位品専用間口22Aに、予め最上流のゾーンZから順に繰り返し、入荷用容器21Aが割り当てられ、連続番号が小さいものから、下位品専用間口22Aの取り出し口側(集品ライン12側)へ並べられる。
【0032】
例えば、最上流のゾーン(1)の下位品専用間口22Aには、ケースナンバーが(1)、(16)、(31)…の入荷用容器21Aが割り当てられる。
図6に示すデータによれば、ゾーン(1)の下位品専用間口22Aには、取り出し口側(集品ライン側)から順に、ユーザーナンバー(001)用の物品ナンバー(260)の下位品23Aが2個収納された入荷用容器21A、続いてユーザーナンバー(013)用の物品ナンバー(271)の下位品23Aが3個収納された入荷用容器21A、続いてユーザーナンバー(026)用の物品ナンバー(267)の下位品23Aが1個収納された入荷用容器21Aが割り当てられる。
【0033】
上記割り当てにより、下位品専用間口22Aには、下記のように下位品専用の入荷用容器21Aが収納される。
(イ).下位品専用間口22Aにはそれぞれ、アイテムが同一の入荷用容器21が連続して収納される他の間口22とは異なって、アイテムが異なる入荷用容器21Aが連続して収納される。
【0034】
(ロ).各ゾーンZの専用の下位品専用間口22Aにはそれぞれ、複数の下位品専用の入荷用容器21Aが、集品ライン12により順に搬送される集品容器15に割り当てられたユーザー順に取り出されるように収納される。
【0035】
(ハ).ユーザーが同一の下位品専用の入荷用容器21Aは、各ゾーンZの下位品専用間口22Aに分散して収納される。
(ニ).下位品専用の入荷用容器21Aの総数が、ゾーンZの数により除算されることにより、各ゾーンZの下位品専用間口22Aへ収納する下位品専用の入荷用容器21Aの数が設定され、設定された数に応じて、下位品専用の入荷用容器21Aは各ゾーンZに配分されて収納される。
【0036】
「補充ライン13」
補充ライン13は、フローラック11の各間口22,22Aへ入荷用容器21,21Aを補充する公知のスタッカークレーン32から構成されており、スタッカークレーン32は、フローラック11の背面側(集品ライン12とは反対側)に沿って配設された一定経路、すなわち走行レール33Aおよび天井レール33Bに沿って案内されて移動し、補充エリア(図示せず)より搬送されてきた入荷用容器21を指定された間口22へ背面側から投入し、また補充エリアにおいて形成され搬送されてきた下位品専用の入荷用容器21Aを指定された下位品専用間口22Aへ背面側から投入する。またスタッカークレーン32へ指令するコントローラとして、後述する入荷用容器補充コントローラ34(
図5)が設けられている。
【0037】
「制御構成」
ピッキング設備10の制御手段として、
図5に示すように、統括コンピュータ41と、前記入荷用容器補充コントローラ34と、前記ピッキングコントローラ24が備えられている。
【0038】
「統括コンピュータ41」
統括コンピュータ41には、次のデータが予め設定、あるいは入力されている。
・予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー。これらナンバーは、集品ライン12へ投入する集品容器15へ順に割り当てられる。
【0039】
・前記各ユーザーからの注文データ{各仕分け先からの物品要求情報;物品を特定する情報(例えば、物品の品目、物品名、物品コード等;実施の形態では、物品を特定する物品ナンバー)と注文量(個数)からなる単数または複数のデータ}。
【0040】
・下位品23Aと見なす物品のデータ{実施の形態では、物品ナンバー(251)〜(350)の物品}。
・下位品23Aを除く注文対象(集品対象)の物品23がそれぞれ格納されているゾーンZの間口22のデータ(ナンバー)。
【0041】
・下位品専用間口22Aが割り当てられたゾーンZの間口のデータ(ナンバー)。
統括コンピュータ41は、次の機能を有している。
(イ).ピッキングコントローラ24へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
【0042】
(ロ).各ゾーンZのそれぞれの間口22に割り当てた、下位品23Aを除く注文対象(集品対象)の物品23のデータ(実施の形態では、物品を特定する物品ナンバー)を入荷用容器補充コントローラ34へ出力する。
【0043】
(ハ).予め登録された各個別のユーザーから注文データを受け付けると、各ユーザー毎に、物品ナンバー251〜350の下位品23Aを抽出し、
図6に示すように、ユーザーナンバーと、注文された下位品23Aの物品ナンバー(251)〜(350)と、その注文量からなるデータを形成し、各データを、予め連続番号(ケースナンバー)が付された入荷用容器21Aに割り当て、前記作業前ピッキングデータを形成し、これら作業前ピッキングデータを、入荷用容器補充コントローラ34へ出力する。
【0044】
また入荷用容器21Aを連続番号順に、
図1に示すように、最上流のゾーンZから順に、繰り返し下位品専用間口22Aに割り当てる。各下位品専用間口22Aに割り当てた入荷用容器21Aのナンバーを入荷用容器補充コントローラ34へ出力する。
【0045】
(ニ).注文データが無いユーザーを除いて、且つ各ユーザー毎に抽出した下位品23Aを除いて、
図7に示すように、仕分けデータを形成し、これに下位品専用間口22Aに割り当てた入荷用容器21Aのナンバーを加えて全体の仕分けデータを形成し、ピッキングコントローラ24へ出力する。
【0046】
図7に示すように、縦方向に、予めユーザーに割り当てられたユーザーのナンバーが並び、横方向に、上流側からゾーンZ毎の間口22および下位品専用間口22Aが並んでおり、個別のユーザー毎に、下位品23Aを除いて注文された物品23毎、すなわち物品23が格納されているゾーンZの間口22毎に、注文された数量が入力されている。また上述したように、下位品専用間口22Aには、入荷用容器21Aのケースナンバーが、この入荷用容器21Aのユーザーの行に入力されている。
【0047】
「入荷用容器補充コントローラ34」
入荷用容器補充コントローラ34には、統括コンピュータ41より上述したように次のデータが入力されている。
【0048】
・各ゾーンZのそれぞれの間口22に割り当てた、下位品23Aを除く物品23の物品ナンバー)。
・各下位品専用間口22Aに割り当てた入荷用容器21Aのナンバー。
【0049】
・入荷用容器21A毎の作業前ピッキングデータ。
入荷用容器補充コントローラ34は、次の機能を有している。
(イ).作業前ピッキングデータを入力すると、補充エリアへ出力して、作業前ピッキングデータに基づいて、連続番号を付した入荷用容器21Aに下位品23Aを収納させる。
【0050】
(ロ).下位品23Aを収納した入荷用容器21Aを出庫させ、スタッカークレーン32に指令して、指定された各ゾーンZのそれぞれの下位品専用間口22Aへ収納させる。
(ハ).下位品23Aを除く物品23の物品ナンバーで指定された物品23のデータを入力すると、補充エリアへ出力して、このデータの物品23が収納された入荷用容器21を出庫させ、スタッカークレーン32に指令して、指定された各ゾーンZのそれぞれの間口22へ収納させる。
【0051】
「ピッキングコントローラ24」
ピッキングコントローラ24は、ピッキング作業制御用のコントローラであり、
図5に示すように、統括コンピュータ41と、各ゾーンZ毎のピッキング表示器27およびコンベヤ投入表示器16と、集品ライン12が接続され、統括コンピュータ41より上述した全体の仕分けデータが入力されている。
【0052】
ピッキングコントローラ24は、次の機能を有している。
(イ).全体の仕分けデータを、統括コンピュータ41から入力すると、タクト毎に、集品ライン12の各ゾーンZの各停止位置に停止する集品容器15に割り当てられたユーザーのナンバーを形成する。
【0053】
例えば、ゾーンZ(1)において、タクト1では、集品ライン12上の最初の集品容器群の6個の集品容器15が対象とされ、次のタクト2では、集品ライン12上の次の集品容器群の6個の集品容器15が対象とされる。
【0054】
(ロ).作業の開始指令が入力されると、集品ライン12をタクト駆動し、物品23を投入させる集品容器15が停止している位置のコンベヤ投入表示器16の赤色ランプを点灯させるとともに、ピッキング作業を実行する集品容器15に割り当てられたユーザーナンバーとゾーン・ナンバーで、全体仕分けデータを検索してこのゾーンZにおいてピッキングする単数または複数の間口22と数量、および下位品専用間口22Aを求め、これら間口22のピッキング表示器27のランプ(完了押釦スイッチ29)を点灯し、ディジタル数量表示器28に注文量を表示する。下位品専用間口22Aでは、ピッキング表示器27のランプ(完了押釦スイッチ29)のみを点灯する。
【0055】
ピッキング作業者により、ディジタル数量表示器28に表示された数量の物品23が取り出されて完了押釦スイッチ29が押し操作されると、この間口22でのピッキング終了と確認し、取り出した物品23が、コンベヤ投入表示器16の赤色ランプが点灯している集品容器15へ投入され、全ての間口22,22Aから取り出した物品23、下位品23Aが集品容器15へ投入されてコンベヤ投入表示器16の押釦スイッチが押し操作されると、前記間口22,22Aからこの集品容器15へのピッキングが終了したと判断し、続いて次の集品容器15へのピッキング作業に移る。なお、下位品専用間口22Aが指定されると、ピッキング作業者は、入荷用容器21Aをそのまま下位品専用間口22Aより取り出し、中身の下位品23Aを全て集品容器15へ投入する。
【0056】
(ハ).全ゾーンZにおいて、集品ライン12上の集品容器15へのピッキング作業が終了したことを確認すると、集品ライン12へタクト送り信号を出力する。これにより、集品ライン12上の集品容器15は下流のゾーンZへタクト送りされる。このとき、空の6個の集品容器15が最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、最下流のゾーンZ(15)の集品容器15は、梱包エリアへ搬出される。
【0057】
(ニ).作業終了信号を入力すると、集品ライン12を停止する。
「作用」
上記構成による作用を説明する。
【0058】
統括コンピュータ41に、各ユーザーより注文情報が入力されると、前記作業前ピッキングデータと全体仕分けデータが形成され、入荷用容器補充コントローラ34へ作業前ピッキングデータが出力され、全体仕分けデータがピッキングコントローラ24へ出力される。
【0059】
ピッキング作業の開始前に、入荷用容器補充コントローラ34からの、下位品23Aを除く物品23の物品ナンバーで指定された物品23のデータの指示により、入荷用容器21がスタッカークレーン32を使用してフローラック11の各間口22に収納され、また入荷用容器補充コントローラ34からの作業前ピッキングデータの指示により、下位品専用の入荷用容器21Aが形成され、この下位品専用の入荷用容器21Aがスタッカークレーン32を使用してフローラック11の各下位品専用間口22Aに収納される。
【0060】
ピッキング作業が開始されると、予めユーザーが割り当てられた集品容器15が、ユーザー順に集品ライン12へ投入される。ピッキングコントローラ24により、集品ライン12が駆動されてゾーンZに集品容器15群が搬送されてくると、全体仕分けデータに基づいて、ゾーンZ毎に、各集品容器15に割り当てられたユーザーの注文情報の物品23,下位品23Aの集品が実行される。このとき、下位品専用間口22Aからは、下位品専用の入荷用容器21Aが容器ごと取り出されて、中身の下位品23A全てが集品容器15に集品される。
【0061】
そして、全ゾーンZにおいて、集品ライン12上の集品容器15へのピッキング作業が終了すると、集品ライン12上の集品容器15は下流のゾーンZへタクト送りされ、空の6個の集品容器15が最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、最下流のゾーンZ(15)の集品容器15は、梱包エリアへ搬出される。
【0062】
以上のように本実施の形態によれば、各ゾーンZに下位品専用間口22Aが設けられて、各下位品専用間口22Aには、前記単位で下位品23Aを収納した下位品専用の入荷用容器21A(下位品群)が収納されることにより、全ての下位品23Aに間口22を割り付ける必要がなくなり、ピッキングエリアの広がりを防止でき、さらに各ゾーンZにおけるピッキング作業者の負担を同一にすることができる。
【0063】
また本実施の形態によれば、各ゾーンZの下位品専用間口22Aにはそれぞれ、複数の下位品専用の入荷用容器21Aが、集品ライン12により順に搬送される集品容器15に割り当てられたユーザー順に取り出されるように収納され、集品ライン12により順に搬送される集品容器15に、順に下位品専用の入荷用容器21Aを取り出して、下位品23Aは集品容器15に投入される(集品される)ことにより、先に取り出さなければならない下位品専用の入荷用容器21Aが、他の下位品専用の入荷用容器21Aの後に位置し、下位品23Aが集品できなくなる不具合を回避することができる。
【0064】
また本実施の形態によれば、仕分け先(ユーザー)が同一の下位品専用の入荷用容器21Aは、各ゾーンZに分散されることにより、対応する集品容器15への各ゾーンZでのピッキング作業量の均一化を図ることができる。
【0065】
また本実施の形態によれば、下位品専用の入荷用容器21A(下位品群)の総数を、ゾーンZの数により除算して、各下位品専用間口22Aへ収納する下位品専用の入荷用容器21Aの数を設定することにより、各下位品専用間口22Aへ収納する下位品専用の入荷用容器21Aの数量は、略同量となることにより、各ゾーンZにおけるピッキング作業量の均一化を図ることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、入荷用容器21Aには1アイテムの下位品23Aしか収納していないが、1箱の入荷用容器21A内に、複数のアイテムの下位品23Aを収納することも可能である。このとき、収納される下位品23Aの容積と、入荷用容器21Aの容積と比較し、空きの容積があるかどうかを確認し、空きの容積に収納可能なアイテムを組み合わせる。また逆に、入荷用容器21Aの容積により、組み合わせる下位品23Aのアイテムを設定するようにしてもよく、下位品23Aが下位品専用の入荷用容器21Aより溢れることがないように設定できる。
【0067】
また本実施の形態では、物品群が収納された下位品専用の入荷用容器21Aを、下位品専用間口22Aに収納しているが、物品群を直接、取り扱って下位品専用間口22Aに収納するようにすることも可能である。
【0068】
また本実施の形態では、各ゾーンZの下位品専用間口22Aからそれぞれ取り出す下位品専用の入荷用容器21Aは、集品容器15に対して1個に限定するように、下位品専用の入荷用容器21Aに収納する下位品23Aのアイテムと注文量が設定されるようにしてもよい。この構成によれば、各ゾーンZでは、集品容器15に対して、下位品専用間口22Aより取り出す下位品専用の入荷用容器21Aは1個に限定され、各ゾーンZにおけるピッキング作業量の均一化を図ることができる。
【0069】
また本実施の形態では、各ゾーンZには、下位品専用間口22Aを一つしか設けていないが、複数、設けるようにしてもよい。
また本実施の形態では、各ゾーンZに下位品専用間口22Aを必ず設けているが、必ずしも、全てのゾーンZに、下位品専用間口22Aを設ける必要はなく、少なくとも一つのゾーンZに下位品専用間口22Aを設けるようにしてもよい。全てのゾーンZではないが、複数のゾーンZに下位品専用間口22Aを設けるときは、ゾーンZに分散して設けるようにする。少なくとも一つのゾーンZに、下位品専用間口22Aを設けて下位品専用の入荷用容器21Aを収納することによっても、全ての下位品23Aに間口22を割り付ける必要がなくなり、ピッキングエリアの広がりを防止できる。
【0070】
また本実施の形態では、集品ライン12を1本としているが、複数の集品ライン12として集品容器15を搬送するようにしてもよく、また各ゾーンZの集品容器15の停止位置に対応して仮置台や自動投入装置を配置し、この仮置台や自動投入装置に、次のタクト時に搬送されてくる集品容器15のための物品23または下位品23Aを先行してピッキングしておき、次のタクト時に集品容器15に投入するようにすることもできる。
【0071】
また本実施の形態では、集品容器15はタクト搬送されているが、連続搬送されるようにしてもよい。
また本実施の形態では、集品ライン12に沿って備えられたフローラック11は、その複数の間口(区画収納空間の一例)22,22Aを集品ライン12に向けて配置しているが、複数の間口22,22Aを集品ライン12とは直角な向きとして配置してもよい。
【0072】
また本実施の形態では、物品23,23Aの格納手段としてフローラック11を使用しているが、固定棚であってもよい。このとき、補充ライン13を使用せずに、作業者が入荷用容器21,21Aを間口22,22Aへ格納する。
【0073】
また本実施の形態では、フローラック11の各間口22,22Aに格納されるものとして入荷用容器21,21Aを使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレット」(入荷用パレット)であってもよく、またピッキングされた物品が投入されるものとして集品容器15を使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレットのようなもの」(集品パレット)であってもよい。
【0074】
また本実施の形態では、全ての間口22にピッキング表示器(表示手段の一例)27が設けられているが、下位品専用間口22Aには、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ29(完了操作手段)のみを設けるようにしてもよい。
【0075】
また本実施の形態では、ピッキング作業前に、入荷用容器21,21Aを全ての間口22,22Aに格納するようにしているが、ピッキング作業の進捗状況に応じてピッキング作業中に順次、格納するようにしてもよい。