(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、所定の回転速度が得られる駆動信号と比較して、入力信号の周波数が低く、所定の発生トルクが得られる駆動信号で前記モータの駆動を開始し、前記開度情報に応じて所定の回転速度が得られる第2の駆動信号に切り替えて前記モータを駆動する
ことを特徴とする請求項1記載の浴室換気装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の
浴室換気装
置の実施の形態について説明する。
【0016】
<本実施の形態の換気装置の構成例>
図1は、本実施の形態の換気装置の一例を示す構成図、
図2は、本実施の形態の換気装置の設置例を示す構成図で、本実施の形態の換気装置の一例として、浴室換気乾燥暖房装置について説明する。
【0017】
換気装置1Aは、本例では浴室100に設置される浴室換気乾燥暖房装置であり、空気を吸い込んで循環させる循環ファン11と、空気を吸い込んで排気する換気ファン12を備える。循環ファン11は送風手段の一例で、回転軸の向きを鉛直方向として循環ファンモータ11Mに取り付けられ、循環ファン11の接線方向に沿った風路を形成する循環ファンケース11a内に配置される。
【0018】
本体部10の下面には、循環ファン11の軸方向に沿った循環ファンケース11aの下面に循環ファン吸込口11bが形成され、循環ファン11の接線方向に沿った風路とつながる循環ファン吹出口11cが形成される。
【0019】
循環ファンモータ11Mにより循環ファン11が回転駆動されると、循環ファン吸込口11bから空気が吸い込まれ、循環ファン吸込口11bから吸い込まれた空気が、循環ファン吹出口11cから吹き出される。
【0020】
換気装置1Aは、ヒータ10Hを備える。ヒータ10Hは加熱手段の一例で、例えばPTCヒータが用いられ、循環ファン吹出口11cの近傍に取り付けられる。これにより、循環ファン11を回転駆動すると共にヒータ10Hに通電すると、循環ファン吹出口11cから温風が吹き出す。
【0021】
換気ファン12は送風手段の一例で、回転軸の向きを鉛直方向として換気ファンモータ12Mに取り付けられ、換気ファン12の接線方向に沿った風路を形成する換気ファンケース12a内に配置される。
【0022】
換気ファンケース12aの上面には、換気ファン12の軸方向に沿った上側に換気ファン吸込口12bが形成され、換気ファンケース12aの側面には、換気ファン12の接線方向に沿った風路とつながる換気ファン吹出口12cが形成される。
【0023】
換気ファンモータ12Mにより換気ファン12が回転駆動されると、換気ファン吸込口12bから空気が吸い込まれ、換気ファン吸込口12bから吸い込まれた空気が、換気ファン吹出口12cから吹き出される。
【0024】
換気装置1Aの本体部10は、循環ファンケース11aと換気ファンケース12aが収容される本体ケース13を備える。本体ケース13は、例えば鉄等の金属で構成され、循環ファンケース11aの上側に換気ファンケース12aが重なる形態で取り付けられる。
【0025】
換気装置1Aは、本体ケース13の一の側面に、換気ファン吹出口12cとつながる排気口13EAが形成され、排気口13EAに排気ダクトジョイント14EAが取り付けられる。
【0026】
また、換気装置1Aは、本体ケース13の他の側面に、本体ケース13の内側で循環ファンケース11a及び換気ファンケース12aの上側に形成される風路により換気ファン吸込口12bと繋がる1個または2個の副吸込口13BAが形成され、副吸込口13BAに副吸込ダクトジョイント14BAが取り付けられる。
【0027】
換気装置1Aは、換気ファンケース12aの側部に形成された風路により、換気ファン吸込口12bとつながる換気吸込口15EAが、本体部10の下面に形成され、換気吸込口15EAを開閉する風量調整装置16を備える。
【0028】
風量調整装置16は、換気吸込口15EAを開閉する吸込口開閉ダンパ16EAと、吸込口開閉ダンパ16EAを駆動するダンパモータ16Mを備える。吸込口開閉ダンパ16EAは風路調整部材の一例で、ステッピングモータで構成されるダンパモータ16Mに駆動されて換気吸込口15EAを開閉し、吸込口開閉ダンパ16EAを閉じると、
図2に示す浴室100からの空気の吸い込みが停止される。また、吸込口開閉ダンパ16EAの開度を調整することで、浴室100から吸い込まれる空気の量が調整される。
【0029】
換気装置1Aは、本体部10の下面にフロントパネル17が着脱可能に取り付けられる。フロントパネル17は、循環ファン吸込口11b及び換気吸込口15EAと対向して吸込口グリル17aが形成され、循環ファン吹出口11cと対向して吹出口グリル17bが形成される。
【0030】
換気装置1Aは、
図2に示すように、本体部10に取り付けられたフロントパネル17が、浴室100の天井パネル101に露出する形態で、本体部10が天井パネル101に設置される。
【0031】
また、換気装置1Aは、排気ダクトジョイント14EAに排気ダクト18EAが接続される。更に、換気装置5は、副吸込ダクトジョイント14BAに副吸込ダクト18BAが接続される。
【0032】
換気装置1Aは、図示しない建物の外壁に、排気ダクト18EAに接続される屋外グリル19EAが設置される。また、換気装置1Aは、浴室100に隣接した洗面脱衣室110に、副吸込ダクト18BAに接続される副吸込グリル19BAが設置される。なお、トイレ等の図示しない他室に、副吸込ダクトに接続される副吸込グリルが設置されていても良い。
【0033】
<本実施の形態の風量調整装置の構成例>
図3は、本実施の形態の風量調整装置の一例を示す側面図、
図4は、本実施の形態の風量調整装置の一例を示す平面図であり、次に、換気装置1Aに取り付けられる風量調整装置の詳細について説明する。
【0034】
本実施の形態の風量調整装置16Aは、空気が通る換気吸込口15EAと、換気吸込口15EAを開閉する吸込口開閉ダンパ16EAと、吸込口開閉ダンパ16EAを駆動するダンパ駆動部20Aを備える。換気吸込口15EAは風路開口部の一例で、ダンパフレーム30Aに所定の形状の開口を形成して構成される。
【0035】
ダンパフレーム30Aは、換気吸込口15EAが形成される風路形成枠部31Aと、ダンパ駆動部20Aが実装される実装部32Aを備える。ダンパフレーム30Aは、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
【0036】
風路形成枠部31Aは、空気が通る方向に沿って所定の高さを有し、風路形成枠部31Aに囲まれた空間で換気吸込口15EAが形成される。実装部32Aは、風路形成枠部31Aの対向する第1の側面部33の一方の外側に、換気吸込口15EAと独立した空間を設けて構成される。
【0037】
吸込口開閉ダンパ16EAは、換気吸込口15EAの形状に合わせた平板状の部品で構成される。吸込口開閉ダンパ16EAは、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
【0038】
吸込口開閉ダンパ16EAは、換気吸込口15EAを開閉する動作の支点となる軸16aを備える。吸込口開閉ダンパ16EAは、ダンパフレーム30Aの対向する第1の側面部33に形成された軸受部34に軸16aが支持され、軸16aを支点とした回転動作で換気吸込口15EAを開閉する。
【0039】
ダンパ駆動部20Aは、ダンパモータ16Mと、ダンパモータ16Mの駆動軸に取り付けられた駆動ギア21と、吸込口開閉ダンパ16EAの軸16aに取り付けられたダンパギア22を備える。ダンパモータ16Mは、ダンパフレーム30Aの実装部32Aに取り付けられる。
【0040】
ダンパギア22は、実装部32Aに突出した吸込口開閉ダンパ16EAの一方の軸16aに取り付けられ、駆動ギア21とかみ合う。ダンパギア22は、駆動ギア21に対して大径で歯数の多いギアで、駆動ギア21とダンパギア22の組み合わせで所定の減速比を得る構成である。そして、ダンパギア22は、吸込口開閉ダンパ16EAの回転動作角度に応じた半円形状等の円弧の一部で構成され、占有面積の小型化が図られる。
【0041】
ダンパモータ16Mが回転すると、ダンパモータ16Mの駆動力がダンパギア22に伝達され、吸込口開閉ダンパ16EAが軸16aを支点に回転する。これにより、吸込口開閉ダンパ16EAで換気吸込口15EAを閉じる閉位置から、換気吸込口15EAを開く開位置まで、吸込口開閉ダンパ16EAの回転動作で換気吸込口15EAが開閉される。
【0042】
風量調整装置16Aは、ダンパギア22に形成された突き当て部23が突き当てられる突き当て突部25を実装部32Aに備える。突き当て突部25は位置規制部の一例で、換気吸込口15EAを閉じる閉位置まで吸込口開閉ダンパ16EAを回転させると、ダンパギア22の突き当て部23が突き当てられる位置に形成される。これにより、閉位置まで回転させた吸込口開閉ダンパ16EAの位置が規制される。
【0043】
<本実施の形態の風量調整装置の変形例>
図5は、本実施の形態の変形例の風量調整装置の一例を示す側面図である。本実施の形態の変形例の風量調整装置16Bは、換気吸込口15EAを開閉する第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1と並列して配置され、換気吸込口15EAを開閉する第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を駆動するダンパ駆動部20Bを備える。
【0044】
ダンパフレーム30Bは、換気吸込口15EAが形成される風路形成枠部31Bと、ダンパ駆動部20Bが実装される実装部32Bを備える。ダンパフレーム30Bは、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
【0045】
風路形成枠部31Bは、空気が通る方向に沿って所定の高さを有し、風路形成枠部31Bに囲まれた空間で換気吸込口15EAが形成される。実装部32Bは、風路形成枠部31Bの側面部の外側に、換気吸込口15EAと独立した空間を設けて構成される。
【0046】
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は風路調整部材の一例で、2枚のダンパで換気吸込口15EAの形状に合わせた平板状の部品で構成される。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、所定の樹脂材料で一体に成型された部品、または、所定の樹脂材料で成型された部品の組み合わせで構成される。
【0047】
第1の吸込口開閉ダンパ16EA1は、換気吸込口15EAを開閉する動作の支点となる軸16aを備える。第1の吸込口開閉ダンパ16EA1は、ダンパフレーム30Bの対向する側面部に形成された軸受部に軸16aが支持され、軸16aを支点とした回転動作で換気吸込口15EAを開閉する。
【0048】
第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、換気吸込口15EAを開閉する動作の支点となる軸16bを備える。第2の吸込口開閉ダンパ16EA2は、ダンパフレーム30Bの対向する側面部に形成された軸受部に軸16bが支持され、軸16bを支点とした回転動作で換気吸込口15EAを開閉する。
【0049】
ダンパ駆動部20Bは、ダンパモータ16Mと、ダンパモータ16Mの駆動軸に取り付けられた駆動ギア21と、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の軸16aに取り付けられた第1のダンパギア22Aと、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の軸16bに取り付けられた第2のダンパギア22Bを備える。ダンパモータ16Mは、ダンパフレーム30Bの実装部32Bに取り付けられる。
【0050】
第1のダンパギア22Aは、実装部32Bに突出した第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の一方の軸16aに取り付けられ、駆動ギア21とかみ合う。第1のダンパギア22Aは、駆動ギア21に対して大径で歯数の多いギアで、駆動ギア21と第1のダンパギア22Aの組み合わせで所定の減速比を得る構成である。そして、第1のダンパギア22Aは、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1の回転動作角度に応じた半円形状等の円弧の一部で構成され、占有面積の小型化が図られる。
【0051】
第2のダンパギア22Bは、実装部32Bに突出した第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の一方の軸16bに取り付けられ、第1のダンパギア22Aとかみ合う。第2のダンパギア22Bは、第1のダンパギア22Aと同径で同じ歯数のギアで、第1のダンパギア22Aと第2のダンパギア22Bの組み合わせで回転方向を逆転させる構成である。第2のダンパギア22Bは、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の回転動作角度に応じた半円形状等の円弧の一部で構成され、占有面積の小型化が図られる。
【0052】
ダンパモータ16Mが回転すると、ダンパモータ16Mの駆動力が第1のダンパギア22Aに伝達され、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1が軸16aを支点に回転する。また、第1のダンパギア22Aが回転することで、ダンパモータ16Mの駆動力が第1のダンパギア22Aを介して第2のダンパギア22Bに伝達され、第2の吸込口開閉ダンパ16EA2が軸16bを支点に回転する。
【0053】
これにより、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で換気吸込口15EAを閉じる閉位置から、換気吸込口15EAを開く開位置まで、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の連動した逆方向への回転動作で、換気吸込口15EAが開閉される。
【0054】
風量調整装置16Bは、第1のダンパギア22Aに形成された突き当て部23が突き当てられる突き当て突部25を実装部32Bに備える。突き当て突部25は、換気吸込口15EAを閉じる閉位置まで第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を回転させると、第1のダンパギア22Aの突き当て部23が突き当てられる位置に形成される。これにより、閉位置まで回転させた第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の位置が規制される。
【0055】
<換気装置の制御機能例>
図6は、本実施の形態の換気装置の制御機能の一例を示す機能ブロック図である。換気装置1Aは、CPUやメモリ等で構成される制御部51に、
図1で説明した循環ファン11を駆動する循環ファンモータ11Mと、換気ファン12を駆動する換気ファンモータ12Mが接続される。また、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を駆動するダンパモータ16Mと、ヒータ10Hと、操作部52等が接続される。
【0056】
制御部51は制御手段の一例で、図示しないメモリ等に格納されたプログラムによって例えば暖房運転モード、換気運転モード、乾燥運転モード、及び涼風運転モードを実行する。
【0057】
これら運転モードは、例えば浴室空調装置1本体と独立したリモートコントロール装置である操作部52を、入浴者等の利用者が操作すること等により選択され、制御部51は、選択された運転モードを実行するプログラムに従い循環ファンモータ11M、換気ファンモータ12M、ダンパモータ16M及びヒータ10H等を制御する。
【0058】
制御部51は、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開閉する制御では、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度情報に応じて、ダンパモータ16Mの発生トルクと回転速度を切り替える制御を行う。
【0059】
すなわち、制御部51は、ダンパモータ16Mで所定の発生トルクが得られる第1の駆動信号と、所定の回転速度が得られる第2の駆動信号を切り替えて、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の開閉制御を行う。
【0060】
ダンパモータ16Mはステッピングモータであり、入力信号の周波数により発生トルクと回転速度が制御される。ダンパモータ16Mは、入力信号の周波数が低いと、発生トルクが大きく回転速度が小さくなる。また、入力信号の周波数が高いと、回転速度が大きく発生トルクが小さくなる。
【0061】
そこで、第1の駆動信号は、第2の駆動信号と比較して周波数が低い入力信号とする。例えば、第1の駆動信号の周波数は100pps、第2の駆動信号の周波数は200ppsとする。また、制御部51は、駆動信号を切り替える開度情報として、ダンパモータ16Mに励磁する入力信号のパルス数で、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の停止位置からの開度を判断する。
【0062】
そして、制御部51は、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始し、ダンパモータ16Mに励磁した入力信号のパルス数から、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が所定の角度になったと判断すると、第2の駆動信号に切り替えてダンパモータ16Mを駆動する。
【0063】
<本実施の形態の換気装置の動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の換気装置及び風量調整装置の動作例について説明する。換気装置1Aは、フロントパネル17から本体部10に空気を吸い込み、吸い込んだ空気をフロントパネル17から吹き出す機能、フロントパネル17から吹き出す空気を加熱する機能、及び、フロントパネル17及び副吸込グリル19BAから副吸込ダクト18BAを通して本体部10に吸い込んだ空気を、排気ダクト18EAへ吹き出す機能を有する。
【0064】
これにより、換気装置1Aは、浴室100の空気をフロントパネル17から本体部10に吸い込み、ヒータ10Hに通電して加熱した空気をフロントパネル17から浴室100に吹き出すことで、浴室100に温風を吹き出す暖房モードが実行される。
【0065】
また、換気装置1Aは、フロントパネル17から本体部10に吸い込んだ浴室100の空気、及び、副吸込グリル19BAから副吸込ダクト18BAを通して本体部10に吸い込んだ他室の空気を、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気することで、浴室100等の空気を排気する換気モードが実行される。
【0066】
更に、換気装置1Aは、浴室100内の空気を循環させながら、ヒータ10Hに通電して温風を吹き出す動作と、浴室100内の空気を排気する動作を行うことで、衣類や浴室100等を乾燥させる乾燥モードが実行される。また、ヒータ10Hに通電せずに浴室100内の空気を循環させながら浴室100内の空気を排気する動作を行うことで、夏場の入浴時等を涼しくする涼風モードが実行される。
【0067】
暖房モードでは、ヒータ10Hに通電すると共に、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を閉位置に移動させて換気吸込口15EAを閉じて、換気ファンモータ12Mを駆動する。
【0068】
風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を閉じる動作では、制御部51は、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始する。
【0069】
制御部51は、ダンパモータ16Mに励磁した入力信号のパルス数から、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が所定の角度になったと判断すると、第2の駆動信号に切り替えてダンパモータ16Mを駆動する。そして、制御部51は、ダンパモータ16Mに励磁した入力信号のパルス数から、吸込口開閉ダンパ16EA等が閉位置に移動したと判断すると、ダンパモータ16Mの駆動を停止する。
【0070】
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気がヒータ10Hで加熱されて、フロントパネル17の吹出口グリル17bから、浴室100に温風が吹き出される。
【0071】
また、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
【0072】
暖房モードでは、換気吸込口15EAを風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2で閉じていることで、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、換気ファン12で浴室100の空気は吸い込まれず、暖められた浴室100内の空気が排気されないようにしている。
【0073】
換気モードでは、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。循環ファンモータ11Mは駆動しない。
【0074】
風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開く動作では、制御部51は、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始する。
【0075】
制御部51は、ダンパモータ16Mに励磁した入力信号のパルス数から、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が所定の角度になったと判断すると、第2の駆動信号に切り替えてダンパモータ16Mを駆動する。そして、制御部51は、ダンパモータ16Mに励磁した入力信号のパルス数から、吸込口開閉ダンパ16EA等が所定の閉位置に移動したと判断すると、ダンパモータ16Mの駆動を停止する。
【0076】
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。また、副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
【0077】
乾燥モードでは、ヒータ10Hに通電すると共に、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、換気モードと同じ制御で風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。
【0078】
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気がヒータ10Hで加熱されて、フロントパネル17の吹出口グリル17bから、浴室100に温風が吹き出される。
【0079】
また、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。更に、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
【0080】
涼風モードでは、ヒータ10Hに通電せずに、循環ファンモータ11Mを駆動する。また、換気モードと同じ制御で風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開き、換気ファンモータ12Mを駆動する。
【0081】
これにより、フロントパネル17の吸込口グリル17aから浴室100の空気が循環ファン11で吸い込まれ、循環ファン11で吸い込まれた空気が、フロントパネル17の吹出口グリル17bから浴室100に吹き出される。
【0082】
また、フロントパネル17の吸込口グリル17aから、浴室100の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。更に、洗面脱衣室110に設置した副吸込グリル19BAから、副吸込ダクト18BAを通して他室の空気が換気ファン12で吸い込まれ、排気ダクト18EAを通して屋外グリル19EAから屋外に排気される。
【0083】
さて、上述した換気モード、乾燥モード及び涼風モードでは、風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開位置に移動させて換気吸込口15EAを開くことで、浴室100内の空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。
【0084】
これにより、水分を含んだ空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。また、浴室100や洗面脱衣室110で、入浴剤やヘアスプレー等が使用された場合、その成分を含む空気が換気吸込口15EAから吸い込まれる。
【0085】
水分等を含む空気が換気吸込口15EAから吸い込まれると、吸込口開閉ダンパ16EAの軸16a、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2の軸16a,16bや、吸込口開閉ダンパ16EA、または、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2と換気吸込口15EAの隙間等に、カルキや粘着性のある成分が付着し、吸込口開閉ダンパ16EA、または、第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2が停止位置で固着する場合がある。
【0086】
そこで、停止している風量調整装置16Aの吸込口開閉ダンパ16EA、または風量調整装置16Bの第1の吸込口開閉ダンパ16EA1及び第2の吸込口開閉ダンパ16EA2を開閉する制御では、制御部51は、所定の発生トルクが得られる第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始する。
【0087】
第1の駆動信号は、第2の駆動信号と比較して周波数が低い入力信号であり、ダンパモータ16Mでの発生トルクが大きくなる。これにより、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始すると、吸込口開閉ダンパ16EA等が停止位置で固着している場合でも、固着を剥離して吸込口開閉ダンパ16EA等を動かすことができる。
【0088】
また、ダンパモータ16Mの駆動軸に直接吸込口開閉ダンパ16EA等を取り付けるのではなく、ダンパモータ16Mの駆動ギア21と、吸込口開閉ダンパ16EAのダンパギア22の組み合わせで所定の減速比を得る構成である。これにより、ダンパモータ16Mで発生するトルクを増幅でき、吸込口開閉ダンパ16EAがより大きな作動トルクで回転できるので、固着が発生している場合に、これを確実に剥離できるようになる。
【0089】
一方、第1の駆動信号でダンパモータ16Mを駆動すると、回転速度が低くなるので、吸込口開閉ダンパ16EA等の開閉に要する時間が長くなる。そこで、吸込口開閉ダンパ16EA等の固着が剥離し得る停止位置からの開度を考慮して、所定の発生トルクが得られる第1の駆動信号から、所定の回転速度が得られる第2の駆動信号に切り替える駆動信号の切り替え角度が、開度情報として設定される。
【0090】
第2の駆動信号は、第1の駆動信号と比較して周波数が高い入力信号であり、ダンパモータ16Mでの回転速度が大きくなる。これにより、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が、駆動信号の切り替え角度になったと判断すると、第2の駆動信号に切り替えてダンパモータ16Mを駆動することで、第1の駆動信号で駆動する動作と比較して、ダンパモータ16Mの回転速度が大きくなり、吸込口開閉ダンパ16EA等を高速で動かすことができる。
【0091】
従って、吸込口開閉ダンパ16EA等の開閉に要する時間を、従来と比較して大幅に長くすることなく、固着が発生している場合にこれを確実に剥離できる。浴室100に設置される浴室換気乾燥暖房装置等の換気装置1Aでは、入浴者等が操作部52を操作して運動モードを切り替える際、吸込口開閉ダンパ16EA等の開閉に要する時間が長く掛かると、操作から運転開始までの時間が長くなる。
【0092】
このため、トルクを優先する第1の駆動信号と回転速度を優先する第2の駆動信号を切り替えてダンパモータ16Mを駆動することで、固着の剥離を確実に行いつつ、吸込口開閉ダンパ16EA等の開閉に要する時間が長くならないようにして、入浴者等の待ち時間の増加を防ぐことができる。
【0093】
ここで、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始した後、徐々に入力信号の周波数を第2の駆動信号まで上げる制御も考えられるが、発生トルクが徐々に低下するので、吸込口開閉ダンパ16EA等の固着を剥離できない場合がある。
【0094】
このため、第1の駆動信号でダンパモータ16Mの駆動を開始した後、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が、駆動信号の切り替え角度となるまでは、入力信号の周波数を一定として、所定の発生トルクが得られるようにし、固着の剥離を促進する。
【0095】
なお、ダンパモータ21Mがステッピングモータであるので、制御部51は、ダンパモータ16Mに励磁する入力信号のパルス数で、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度を判断する。本例では、吸込口開閉ダンパ16EA等が10°回転する入力信号のパルス数を、駆動信号の切り替え角度としている。
【0096】
但し、吸込口開閉ダンパ16EAが固着している場合等では、入力信号のパルス数と、吸込口開閉ダンパ16EA等の実際の角度は比例しない場合もある。そこで、駆動信号の切り替え角度である開度情報は、吸込口開閉ダンパ16EA等の実際の角度を表すものでなくても良い。
【0097】
一方、ダンパモータ等の回転部分にロータリーエンコーダを設けて、回転角度を検出できるような構成では、開度情報として、吸込口開閉ダンパ16EA等の実際の作動角度を検出し、駆動信号の切り替えに用いても良い。
【0098】
また、開度情報として、吸込口開閉ダンパ16EA等の停止位置からの開度が、駆動信号の切り替え角度となることを、時間の経過で判断するようにしても良い。更に、センサ等により、角度ではない位置情報を検出するようにしてもよい。