特許第5655471号(P5655471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655471
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】電話装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20141225BHJP
   H04M 1/2745 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   H04M1/00 L
   H04M1/2745
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-219019(P2010-219019)
(22)【出願日】2010年9月29日
(65)【公開番号】特開2012-74970(P2012-74970A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 喜文
(72)【発明者】
【氏名】横坂 直克
【審査官】 岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−115930(JP,A)
【文献】 特開2004−320381(JP,A)
【文献】 特開2006−287511(JP,A)
【文献】 特開2008−048290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24−1/82
99/00
H04Q 3/58−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め操作者を特定者リストに登録し、自電話装置を操作する操作者を特定するタグリーダーと、自電話装置を操作する操作者が前記特定者リストに登録された操作者であるか否かを特定する操作者特定手段と、前記特定者リストに登録された操作者が発信し応答がなかった場合に当該発信操作した操作者の識別情報と当該発信の相手電話番号を対応付けて非応答発信履歴として記憶する非応答発信履歴記憶手段と、を有し、
前記非応答発信履歴記憶手段に記憶されている相手電話番号から着信した場合に、前記相手電話番号に係る情報およびまたは前記相手電話番号に対応して前記非応答発信履歴記憶手段に記憶されている操作者に係る情報を、自電話装置が備える表示部に表示することを特徴とする電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話装置であって、
前記非応答発信履歴記憶手段は、操作者各々をグループ化して記憶し、前記非応答発信履歴記憶手段に記憶されている相手電話番号から着信した場合に、前記相手電話番号に対応して前記非応答発信履歴記憶手段に記憶されている操作者が属するグループに係る情報を、自電話装置が備える表示部に表示することを特徴とする電話装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置に係り、特に、相手が着信した電話に出られないなど発信元の操作者が特定できない状況で、相手が折り返し電話を行った場合に、発信元の操作者を特定できる電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、相手が話中の場合や不在で電話に出られない場合、操作者は発信を行った事と操作者情報を、相手にメールで通知する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−324791公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、相手は受信したメールを必ず閲覧するとは限らないため操作者を特定できない。また、操作者側でもメール通知を行う際に予め相手先のメールアドレスを設定しておく必要がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、相手が折り返し電話を行った際に、操作者情報を表示するため、操作者以外が応対しても、操作者が特定できる電話装置を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、予め操作者を特定者リストに登録し、自電話装置を操作する操作者を特定するタグリーダーと、自電話装置を操作する操作者が特定者リストに登録された操作者であるか否かを特定する操作者特定手段と、特定者リストに登録された操作者が発信し応答がなかった場合に当該発信操作した操作者の識別情報と当該発信の相手電話番号を対応付けて非応答発信履歴として記憶する非応答発信履歴記憶手段と、を有し、非応答発信履歴記憶手段に記憶されている相手電話番号から着信した場合に、相手電話番号に係る情報およびまたは相手電話番号に対応して非応答発信履歴記憶手段に記憶されている操作者に係る情報を、自電話装置が備える表示部に表示する電話装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、折り返し電話に対して、操作者情報を表示するので、操作者以外が応対しても、操作者を特定できる。さらに、操作者不在の場合に、操作者が属するグループ関係者を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電話システムのブロック図である。
図2】電話装置の機能ブロック図である。
図3】操作者記憶部の登録内容を説明する図である。
図4】非応答発信履歴記憶部の登録内容を説明する図である。
図5】電話装置のフォローチャートである。
図6】着信処理を説明するフローチャートである。
図7】発信処理を説明するフローチャートである。
図8】操作者登録処理を説明するフローチャートである。
図9】他の着信処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0011】
まず、図1を参照して、電話システム500の構成を説明する。図1において、電話システム500は、WAN300と、LAN100と、2台の電話装置200とから構成されている。電話装置200は、LAN100およびWAN300を介して他のネットワークに接続する機器である。電話装置200は、発信時に、操作者を特定し、応答がなかった場合に、相手電話番号と操作者を含んだ履歴を記憶する。着信時に、相手電話番号を抽出して、履歴を参照し、当該折り返し電話の起源となった発信者を特定して、表示する。
【0012】
図2を参照して、電話装置200構成を説明する。図2において、電話装置200は、タグリーダー201と、操作者登録部202と、操作者記憶部203と、操作者管理部204と、通信制御部205と、操作部206と、発信情報生成部207と、非応答発信検出部208と、非応答発信履歴記憶部209と、非応答発信履歴管理部210と、着信電話番号抽出部211と、非応答発信履歴検索部212と、操作者検索部213と、表示部214と、非応答対応登録部215と、操作者情報通知部216とから構成されている。
【0013】
操作者登録部202は、タグリーダー201を介して操作者情報として入力された識別番号および氏名およびグループ名を操作者記憶部203に記憶する。操作者記憶部203は、操作者登録部202から入力された情報を記憶する。操作者管理部204は、LAN100に接続された電話装置200毎の操作者情報を共有するため、操作者記憶部203を参照し、記憶されている操作者情報を通信制御部205へ出力する。また、通信制御部205から操作者情報が入力された場合、操作者管理部204は、操作者情報を操作者記憶部203に出力して、操作者情報を更新する。
【0014】
操作部206は、ユーザから各種操作を受け付けるためのインタフェースである。発信情報生成部207は、タグリーダー201から入力された識別番号と操作部206から入力された発信先電話番号を通信制御部205へ出力する。非応答発信検出部208は、発信後、通信制御部205から相手非応答である旨を通知された場合に、非応答電話番号および識別番号を検出して、非応答発信履歴記憶部209に記憶する。なお、非応答とは、相手が応答したが、応答直後に切断となった場合も含む。
【0015】
非応答発信履歴記憶部209は、非応答発信検出部208から入力された情報を記憶する。非応答発信履歴管理部210は、LAN100に接続された本装置200毎の非応答発信履歴情報を共有するため、非応答発信履歴記憶部209を参照し、記憶されている非応答発信履歴情報を通信制御部205へ出力する。また、通信制御部205から非応答発信履歴情報が入力された場合は、非応答発信履歴情報を非応答発信履歴記憶部209に出力して、非応答発信履歴情報を更新する。
【0016】
着信電話番号抽出部211は、通話制御部205から入力された着信電話番号を抽出し、非応答発信履歴検索部212へ出力する。
非応答発信履歴検索部212は、非応答発信履歴記憶部209を参照し、着信電話番号抽出部210より入力された着信電話番号から非応答電話番号を含むレコードを検索し、当該レコードの識別番号を操作者検索部213へ出力する。
【0017】
操作者検索部213は、操作者記憶部203を参照し、非応答発信履歴検索部212から入力された識別番号を含むレコードを検索し、当該レコードの氏名を特定して、操作者とし、当該レコードのグループ名と同一である他レコードを検索し、当該レコードの氏名を特定し、関係者として、表示部214へ出力する。なお、着信に対して自動応答の場合は、前記操作者を操作者情報通知部216へ出力する。
【0018】
表示部214は、操作者検索部213から入力された操作者情報を表示する。非応答対応登録部215は、操作部206から非応答電話番号および氏名および非応答対応情報を通知された場合に、非応答発信履歴記憶部209を参照し、非応答電話番号かつ識別番号に該当するレコードの非応答対応フィールドに非応答対応情報を記憶する。なお、発信時、タグ情報に非応答対応情報を備えることで、非応答発信検出部208で検出された非応答電話番号に対して非応答対応情報を記憶することもできる。操作者情報通知部216は、操作者検索部213から入力された氏名を通信制御部205へ出力する。
【0019】
図3を参照して、操作者記憶部203の登録内容を説明する。図3において、操作者記憶部203は、識別番号2031と、グループ名2032と、氏名2033とからなる複数のレコード2030から構成されている。
【0020】
操作者記憶部203には、操作者登録部202により、登録する識別番号毎にレコード2030が記憶される。
【0021】
図4を参照して、非応答発信履歴記憶部209の登録内容を説明する。図4において、は、非応答発信履歴記憶部209の登録内容は、非応答電話番号2091と、識別番号2092と、非応答対応2093とからなる複数のレコード2090からなる。
【0022】
非応答発信履歴記憶部209には、非応答発信検出部208により、相手が非応答である旨を通知された場合に、非応答電話番号毎のレコード2090が記憶される。非応答電話番号2091は、非応答の発信先の電話番号である。識別番号2092は、タグリーダー201より入力された識別番号である。非応答対応2093は、操作者の操作により設定する。非応答対応2093の自装置表示は、実施例1で追って説明し、操作者情報通知は、実施例2で説明する。
【0023】
図5を参照して、電話装置200の動作を説明する。図5において、電話装置200は、着信ありか判定する(S501)。NOのとき、電話装置200は、発信操作ありか判定する(S502)。NOのとき、電話装置200は、操作者登録操作ありか判定する(S503)。NOのとき、電話装置200は、ステップ501に遷移する。
【0024】
ステップ501でYESのとき、電話装置200は、着信処理を実行して(S504)、ステップ501に遷移する。ステップ502でYESのとき、電話装置200は、発信処理を実行して(S505)、ステップ501に遷移する。ステップ503でYESのとき、電話装置200は、操作者登録処理を実行して(S506)、ステップ501に遷移する。
【0025】
図6を参照して、図5の着信処理において、非応答対応2093が自装置表示である場合を説明する。図6において、電話装置200は、着信電話番号を抽出する(S600)。電話装置200は、着信電話番号を含むレコードを非応答発信履歴記憶部209から検索する(S601)。電話装置200は、該当レコードの識別番号2092を用いて操作者記憶部203を検索する(S602)。電話装置200は、該当レコードの氏名2033を抽出して操作者とする(S603)。電話装置200は、当該レコードのグループ2032を抽出する(S604)。電話装置200は、グループ名を含むグループ氏名リスト(図示せず)のレコードを検索する(S605)。電話装置200は、当該レコードの氏名を関係者とする(S606)。電話装置200は、操作者および関係者を表示して(S607)、リターンする。
【0026】
図7を参照して、図5の発信処理を説明する。図7において、電話装置200は、タグリーダーの検出を待つ(S801)。タグリーダーを検出したとき(S801:YES)、電話装置200は、電話番号を受け付ける(S802)。電話装置200は、発信する(S803)。電話装置200は、非応答発信を検出したか判定する(S804)。NOのとき、電話装置200は、そのままリターンする。ステップ804でYESのとき、電話装置200は、識別番号および非応答電話番号を抽出する(S805)。電話装置200は、非応答発信履歴記憶部のレコードに識別番号および非応答電話番号を登録する(S806)。電話装置200は、非応答対応情報の入力を受け付ける(S807)。電話装置200は、当該レコードの非応答対応2093を登録する(S808)。電話装置200は、非応答発信履歴記憶部の新たなレコードを他の電話装置200Aに通知して(S809)、リターンする。
【0027】
図8を参照して、図5の操作者登録処理を説明する。図8において、電話装置200は、タグリーダーの検出を待つ(S900)。タグリーダーを検出したとき(S900:YES)、電話装置200は、操作者記憶部203のレコードに登録する(S901)。電話装置200は、操作者記憶部203の新たなレコードを他の電話装置200Aに音声メッセージで通知して(S902)、リターンする。
上述した実施例1に拠れば、折り返し電話に対する操作者および関係者の表示でき、対応者が明確になる効果がある。
【実施例2】
【0028】
図9を参照して、図4の非応答対応2093が操作者情報通知のときの処理を説明する。図9において、ステップ700〜703は、ステップ600〜603と同一なので、説明を省略する。電話装置200は、自動応答して、操作者名を通知して(S704)、リターンする。
上述した実施例2に拠れば、折り返し電話に対して操作者を通知できる効果がある。
【0029】
尚、本実施の形態では、相手に操作者名を通知しているが、本願はこれに限定しない。例えば、予め操作者の音声を音声メッセージとして録音し、録音した音声を伝言メッセージとして相手に通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
100…LAN、200…電話装置、201…タグリーダー、202…操作者登録部、203…操作者記憶部、204…操作者管理部、205…通信制御部、206…操作部、207…発信情報生成部、208…非応答発信検出部、209…非応答発信履歴記憶部、210…非応答発信履歴管理部、211…着信電話番号抽出部、212…非応答発信履歴検索部、213…操作者検索部、214…表示部、215…非応答対応登録部、216…操作者情報通知部、300…WAN、500…電話システム。
図1
図2
図3
図4
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