特許第5655791号(P5655791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許56557913−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体及びその中間体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655791
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体及びその中間体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 227/02 20060101AFI20141225BHJP
   C07C 227/18 20060101ALI20141225BHJP
   C07C 229/50 20060101ALI20141225BHJP
   C07C 255/47 20060101ALI20141225BHJP
   C07C 227/12 20060101ALI20141225BHJP
   C07C 69/757 20060101ALI20141225BHJP
   C07C 235/82 20060101ALI20141225BHJP
   C07D 235/02 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   C07C227/02
   C07C227/18CSP
   C07C229/50
   C07C255/47
   C07C227/12
   C07C69/757 A
   C07C235/82
   C07D235/02 E
【請求項の数】11
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2011-541815(P2011-541815)
(86)(22)【出願日】2010年11月18日
(86)【国際出願番号】JP2010006757
(87)【国際公開番号】WO2011061935
(87)【国際公開日】20110526
【審査請求日】2013年10月18日
(31)【優先権主張番号】特願2009-264071(P2009-264071)
(32)【優先日】2009年11月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 徳晃
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 利仁
(72)【発明者】
【氏名】和田 久弥
(72)【発明者】
【氏名】谷本 寿英
(72)【発明者】
【氏名】太田 孝明
(72)【発明者】
【氏名】木村 好博
【審査官】 爾見 武志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/061698(WO,A1)
【文献】 特開2004−339199(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/000790(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/000791(WO,A1)
【文献】 特開2006−193507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 227/02
C07C 69/757
C07C 227/12
C07C 227/18
C07C 229/50
C07C 235/82
C07C 255/47
C07D 235/02
CA/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【化1】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
(A)式(II)に示される化合物又はその塩を式(III)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化2】
(上記式(II)中、R3は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【化3】
(上記式(III)中、R4は、−SiR414243であり、R41、R42及びR43は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R5は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(B)前記式(III)に示される化合物又はその塩を式(IV)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化4】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(C)前記式(IV)に示される化合物又はその塩を式(V)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化5】
(上記式(V)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(D)前記式(V)に示される化合物又はその塩を式(VI)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化6】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(E)前記式(VI)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、製造方法。
【請求項2】
式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【化7】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
式(VI)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程を含む、製造方法。
【化8】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項3】
式(VI)に示される化合物又はその塩を式(I)に示される化合物又はその塩に変換する前記工程が、
(F)前記式(VI)に示される化合物又はその塩を式(VII)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化9】
(上記式(VII)中、R1及びR2は、前記と同義である。R10は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基であり、R11は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。但し、R10及びR11は、同時に水酸基ではない。)
(G)前記式(VII)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【化10】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
(A)式(II)に示される化合物又はその塩を式(III)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化11】
(上記式(II)中、R3は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【化12】
(上記式(III)中、R4は、−SiR414243であり、R41、R42及びR43は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R5は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(B)前記式(III)に示される化合物又はその塩を式(IV)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化13】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(C)前記式(IV)に示される化合物又はその塩を式(V)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化14】
(上記式(V)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(H)前記式(V)に示される化合物又はその塩を式(IX)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【化15】
(上記式(IX)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R12は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(I)前記式(IX)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、製造方法。
【請求項5】
式(IV)に示される化合物又はその塩。
【化16】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項6】
式(V)に示される化合物又はその塩。
【化17】
(上記式(V)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項7】
式(VI)に示される化合物又はその塩。
【化18】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項8】
式(VIII)に示される化合物又はその塩。
【化19】
(上記式(VIII)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R13は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項9】
式(VII)に示される化合物又はその塩。
【化20】

(上記式(VII)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R10は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。R11は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。但し、R10及びR11は、同時に水酸基ではなく、同時にC1-6アルコキシ基ではない。R10及びR11のいずれか一方が水酸基のとき、他方はC1-6アルコキシ基ではない。)
【請求項10】
式(IX)に示される化合物又はその塩。
【化21】

(上記式(IX)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R12は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【請求項11】
式(X)に示される化合物又はその塩。
【化22】

(上記式(X)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R14は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用な3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体の製造方法に関する。また、本発明は、この製造工程で製造される新規な中間体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
グルタミン酸等の興奮性アミノ酸は、哺乳類の中枢神経系(CNS)において、長期増強(学習及び記憶)、シナプス可塑性の発生、運動制御、呼吸、心血管調節及び知覚といった種々の生理的プロセスを調節する。
【0003】
現在、グルタミン酸受容体は、「受容体がイオンチャネル型構造を持つイオノトロピック型」:イオンチャネル型グルタミン酸受容体(iGluR)及び「受容体がG−タンパク質と共役しているメタボトロピック型」:代謝活性型グルタミン酸受容体(mGluR)の2つのクラスに大きく分類されている(非特許文献1参照)。いずれのクラスの受容体も、興奮性経路に従って正常なシナプス伝達に介在しているようである。これらは、また、発生段階から生涯を通じてシナプス結合の修飾に関与しているようである(非特許文献2参照)。
【0004】
これまでに同定されている8つのサブタイプの代謝活性型グルタミン酸受容体は薬理学的特性と共役する細胞内セカンドメッセンジャーにより、3つのグループ(グループI、II及びIII)に分類される。この中で、グループIIの受容体(mGluR2/mGluR3)は、アデニル酸シクラーゼと結合し、ホルスコリン刺激による環状アデノシン−1−リン酸(cAMP)の蓄積を抑制する(非特許文献3参照)。このことから、グループII代謝活性型グルタミン酸受容体に拮抗する化合物は、急性及び慢性の精神医学的疾患並びに神経学的疾患の治療又は予防に有効であると考えられる。
【0005】
3位置換の2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体は、グループII代謝活性型グルタミン酸受容体に対して強い拮抗作用を示すことが認められており、統合失調症、不安及びその関連疾患、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害の治療及び予防、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療及び予防に有用である(特許文献1〜3、非特許文献4〜6参照)。
【0006】
例えば、グループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質として、下記式(IA)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体及びその薬学上許容される塩又はその水和物が開示されている(特許文献1参照)。
【0007】
【化1】
【0008】
(上記式(IA)中、RA及びRBは同一又は異なって、水酸基、C1-10アルコキシ基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、ヒドロキシC2-6アルコキシ基、アミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のヒドロキシC2-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、あるいは、NRF−CHRG−A−CO2H(RF及びRGは同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシC1-6アルキル基、ヒドロキシカルボニルC1-6アルキル基、C1-10アルキル基、フェニル基、フェニルC1-6アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシフェニルC1-6アルキル基、ナフチル基、ナフチルC1-6アルキル基、芳香族複素環C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アミノC2-6アルキル基、グアニジノC2-6アルキル基、メルカプトC2-6アルキル基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基、アミノカルボニルC1-6アルキル基を示し、あるいは、RF及びRGは互いに結合して、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を形成する基を示し、互いに結合して環状アミノ基を形成することもできる。RHは水素原子又はカルボキシル基の保護基を示し、Aは単結合、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を示す。)で表される天然型又は非天然型アミノ酸残基を示し、RCは、C1-10アシル基、C1-6アルコキシC1-6アシル基、ヒドロキシC2-10アシル基、C1-6アルコキシカルボニルC1-6アシル基、ヒドロキシカルボニルC1-6アシル基、又はRI−NH−A−CH−RG−CO(RG、Aは前記と同義であり、RIは水素原子又はアミノ基の保護基を示す。)で表されるアミノ酸残基を示し、RD及びREは同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ヘテロ原子を1つ以上含む5員複素芳香環、あるいは、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、RD及びREは、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
【0009】
前記式(IA)に示されるグループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質及びその合成中間体の実験室規模での合成法については、複数の報告がなされている(特許文献1及び3、非特許文献4及び6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第03/061698号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/000790号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2005/000791号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Science, 258, 597−603 (1992)
【非特許文献2】Trends Pharmacol.Sci., 11, 508−515 (1990)
【非特許文献3】Trends Pharmacol.Sci., 14, 13−20 (1993)
【非特許文献4】J.Med.Chem., 47, 4570−4587 (2004)
【非特許文献5】Bioorg.Med.Chem., 14, 3405−3420 (2006)
【非特許文献6】Bioorg.Med.Chem., 14, 4193−4207 (2006)
【発明の概要】
【0012】
特許文献1及び3、並びに非特許文献4及び6に開示された既存の合成方法において、前記式(IA)のRA及びRBが水酸基であり、RCが水素原子であるグループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質は、下記式(IIA)に示される合成中間体6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチルエステル(中間体(IIA))から9〜10工程もの多段階を経て合成される。
【0013】
【化2】
【0014】
この合成経路では、工程数が多いことから総収率の低下を招くのみならず、製造費用の低減並びに製造期間の短縮化が困難であるという点で、なお一層の改良が必要とされていた。加えて既存合成法には、爆発性の懸念のあるアジ化ナトリウムを使用する必要性並びに同様の懸念のあるアジド官能基を有する合成中間体を経由する必要性がある上、毒性の高い四酸化オスミウムや一酸化炭素を使用する必要があり、製造時の安全性確保という観点からも改善の余地があった。
【0015】
特許文献1に開示された前記式(IA)で示されるグループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質は、治療薬として有用であることから、これらの化合物の製造方法において、反応暴走等の安全性上の課題がなく、容易にスケールアップでき、費用対効果があって安全な試薬を用いることができ、工程数がより少なくて効率の良い、大量生産に適した製造方法の開発が必要とされている。
【0016】
本出願の発明者らは、既存合成法の有する全ての課題を一挙に解決すべく、下記式(II)で示される中間体から5〜6工程で下記式(I)で示されるグループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質を合成することのできる新規な合成経路及び新規な合成中間体化合物を見出した。
【0017】
すなわち本発明は、
(1)式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【0018】
【化3】
【0019】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
(A)式(II)に示される化合物又はその塩を式(III)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0020】
【化4】
【0021】
(上記式(II)中、R3は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【0022】
【化5】
【0023】
(上記式(III)中、R4は、−SiR414243であり、R41、R42及びR43は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R5は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(B)前記式(III)に示される化合物又はその塩を式(IV)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0024】
【化6】
【0025】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(C)前記式(IV)に示される化合物又はその塩を式(V)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0026】
【化7】
【0027】
(上記式(V)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(D)前記式(V)に示される化合物又はその塩を式(VI)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0028】
【化8】
【0029】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(E)前記式(VI)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、製造方法、
(2)式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【0030】
【化9】
【0031】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
式(VI)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程を含む、製造方法、
【0032】
【化10】
【0033】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(3)式(VI)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する前記工程が、
(F)前記式(VI)に示される化合物又はその塩を式(VII)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0034】
【化11】
【0035】
(上記式(VII)中、R1及びR2は、前記と同義である。R10は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基であり、R11は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。但し、R10及びR11は、同時に水酸基ではない。)
(G)前記式(VII)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、(1)又は(2)に記載の製造方法、
(4)式(I)に示される3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法であって、
【0036】
【化12】
【0037】
(上記式(I)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。)
(A)式(II)に示される化合物又はその塩を式(III)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0038】
【化13】
【0039】
(上記式(II)中、R3は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【0040】
【化14】
【0041】
(上記式(III)中、R4は、−SiR414243であり、R41、R42及びR43は、同一又は異なって、C1-6アルキル基であり、R5は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(B)前記式(III)に示される化合物又はその塩を式(IV)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0042】
【化15】
【0043】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(C)前記式(IV)に示される化合物又はその塩を式(V)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0044】
【化16】
【0045】
(上記式(V)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(H)前記式(V)に示される化合物又はその塩を式(IX)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
【0046】
【化17】
【0047】
(上記式(IX)中、R1及びR2は、前記と同義であり、R12は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(I)前記式(IX)に示される化合物又はその塩を前記式(I)に示される化合物又はその塩に変換する工程と、
を含む、製造方法、
(5)式(IV)に示される化合物又はその塩、
【0048】
【化18】
【0049】
(上記式(IV)中、R6は、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。R7は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(6)式(V)に示される化合物又はその塩、
【0050】
【化19】
【0051】
(上記式(V)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R8は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(7)式(VI)に示される化合物又はその塩、
【0052】
【化20】
【0053】
(上記式(VI)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R9は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(8)式(VIII)に示される化合物又はその塩、
【0054】
【化21】
【0055】
(上記式(VIII)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R13は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(9)式(VII)に示される化合物又はその塩、
【0056】
【化22】
【0057】
(上記式(VII)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R10は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。R11は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。但し、R10及びR11は、同時に水酸基ではなく、同時にC1-6アルコキシ基ではない。R10及びR11のいずれか一方が水酸基のとき、他方はC1-6アルコキシ基ではない。)
(10)式(IX)に示される化合物又はその塩、又は
【0058】
【化23】
【0059】
(上記式(IX)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R12は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
(11)式(X)に示される化合物又はその塩である。
【0060】
【化24】
【0061】
(上記式(X)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基、又は、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R1及びR2は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。R14は、C1-6アルコキシ基、アミノ基又は水酸基である。)
【0062】
本発明の製造方法を用いることにより、前記式(I)で示されるグループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質の合成を前記式(II)で示される中間体から5〜6工程に短縮することが可能になった。同時に、総収率が既存合成法に比べて大幅に向上した。加えて、爆発性の懸念のあるアジ化ナトリウムの使用並びに同様の懸念のあるアジド官能基を有する合成中間体の経由を回避できただけでなく、毒性の高い四酸化オスミウムや一酸化炭素の使用も回避することができた。
【0063】
すなわち、既存合成法との比較において、反応暴走等の安全性上の課題が解決され、容易にスケールアップでき、費用対効果があって安全な試薬を用いて製造でき、工程数がより少なくて効率の良い、大量生産により適した本発明の製造方法により、グループII代謝活性型グルタミン酸受容体拮抗物質である前記式(I)の3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体の効率的な製造が可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本明細書において、特に断りのない限り、「−」及び「〜」を用いて記載された数値範囲は、両端の値を含む。
【0065】
「C1-10アルキル基」とは、炭素原子を1〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は炭素原子を3〜10個有する環状アルキル基を示す。
直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、5−メチルヘキシル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1−イソプロピルブチル基、4,4−ジメチルペンチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、4−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルブチル基、3−メチルオクチル基、2,5−ジメチルヘプチル基、1−(1−メチルプロピル)−2−メチルブチル基、1,4,5−トリメチルヘキシル基、1,2,3,4−テトラメチルペンチル基、7−メチルオクチル基、6−メチルノニル基、8−メチルノニル基、5−エチル−2−メチルヘプチル基、2,3−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ブチル基、シクロプロピルメチル基、2−(シクロプロピル)エチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−(シクロブチル)ペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0066】
「C2-10アルケニル基」とは、少なくとも1個の二重結合を有する、炭素原子を2〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は、炭素原子を5〜10個有する環状アルケニル基を示し、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ヘキセニル基、2−シクロペンテニル基等が挙げられる。
【0067】
「1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基」とは、同一又は異なる1〜7個のフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子で置換されたナフチル基を示し、例えば、1−フルオロ−2−ナフチル基、2−フルオロ−1−ナフチル基、1−クロロ−2−ナフチル基、2−クロロ−1−ナフチル基、1−ブロモ−2−ナフチル基、2−ブロモ−1−ナフチル基、1−ヨード−2−ナフチル基、2−ヨード−1−ナフチル基、1,3−ジフルオロ−2−ナフチル基等が挙げられる。
【0068】
「複素芳香族基」とは、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子の内、少なくとも1つ以上の原子を含む単環の5員若しくは6員芳香環、又は、これらの単環にベンゼン環が縮合しているか、若しくは、互いに縮合した双環性の芳香環を示す。例えば、フリル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾイル、イソキサゾイル、イミダゾイル、ピラゾイル、チアゾイル、イソチアゾイル、オキサジアゾイル、チアジアゾイル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、インダゾイル、ベンゾイソキサゾイル、ベンゾイソチアゾイル、ベンゾイミダゾイル、ベンゾオキサゾイル、ベンゾチアゾイル、ピリジジル、キノリニル、イソキノリニル、ピロダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル等が挙げられる。
【0069】
「C1-10アルコキシ基」とは、炭素原子を1〜10個有する直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基等が挙げられる。
【0070】
「ハロゲン原子、フェニル基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-10アルキル基、環状C3-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、環状C3-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又はフェノキシ基から選択される1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。
例えば、1つの置換基で置換されたフェニル基としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−シクロプロピルフェニル基、3−シクロプロピルフェニル基、4−シクロプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−シクロブチロキシフェニル基、3−シクロブチロキシフェニル基、4−シクロブチロキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、3−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−ヒドロキシカルボニルフェニル基、3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−ヒドロキシカルボニルフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基等が挙げられる。
2つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,3−ジヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,5−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、3−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−クロロ−3−フルオロフェニル基、3−ブロモ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−クロロフェニル基、3−ブロモ−4−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、4−クロロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フルオロ−3−メトキシフェニル基、3−ブロモ−4−メトキシフェニル基、4−ブロモ−3−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−フェノキシフェニル基、4−クロロ−3−フェノキシフェニル基、3−クロロ−4−ニトロフェニル基、4−クロロ−3−ニトロフェニル基、4−ブロモ−3−ニトロフェニル基、3−ブロモ−4−ニトロフェニル基、3−アミノ−4−ブロモフェニル基、4−アミノ−3−ブロモフェニル基、3−ブロモ−4−ヒドロキシカルボニル基、4−ブロモ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−フルオロ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、3−フルオロ−4−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−フルオロ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、3−シアノ−4−フルオロフェニル基、3−シアノ−4−フルオロフェニル基、4−シアノ−3−メチルフェニル基、3−シアノ−4−メチルフェニル基、3−シアノ−4−メトキシフェニル基、4−シアノ−3−メトキシフェニル基等が挙げられる。
3つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル基、3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル基等が挙げられる。
4つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,5−ジブロモ−3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジブロモ−2,4−ジメトキシフェニル基等が挙げられる。
5つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
【0071】
「R1及びR2が、互いに結合して環状構造を形成する形態」とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、オキサシクロブチル基、オキサシクロペンチル基、オキサシクロヘキシル基、オキサシクロヘプチル基、オキサシクロオクチル基、アザシクロブチル基、アザシクロペンチル基、アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、アザシクロオクチル基等を形成している形態が挙げられる。
【0072】
「C1-6アルコキシ基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖状アルコキシ基、炭素原子数3〜6個の分岐鎖状アルコキシ基又は炭素原子数3〜6個の環状アルコキシ基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、1−メチルプロポキシ基、tert−ブトキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0073】
「C1-6アルキル基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子数3〜6個の分岐鎖状アルキル基又は炭素原子数3〜6個の環状アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、イソヘキシル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0074】
「ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基」とは、少なくとも1個のフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子で置換されたベンゾイル基を示し、例えば、3−クロロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、4−ヨードベンゾイル基等が挙げられる。
【0075】
「塩」とは、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸との塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ピルビン酸、ジフェニル酢酸、桂皮酸、グリコール酸、D−乳酸、L−乳酸、D−マンデル酸、L−マンデル酸、D−グルクロン酸、D−グルコン酸、ラクトビオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、(+)−カンファー酸、2−ケトグルタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ピログルタミン酸、D−酒石酸、L−酒石酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(−)−10−カンファースルホン酸、イセチオン酸等の有機酸との塩;
リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩;
アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ジシクロヘキシルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、アルギニン、リシン、N、N'―ジベンジルエチレンジアミン等のアミンとの塩;及び
テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、コリン等の4級アンモニウムイオンとの塩等が挙げられる。
【0076】
「不活性溶媒」は、具体的には、目的の反応に関与しない溶媒である。
【0077】
本発明において、式(I)に示した化合物又はその塩のR1とR2の組み合わせの具体例として、R1及びR2の一方が水素原子であり、他方が3,4−ジクロロフェニル基等1〜5個のハロゲン原子で置換されたフェニル基である組み合わせが挙げられる。
【0078】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態は、式(II)に示される化合物又はその塩を出発原料とするものである。好ましくは、R3がメトキシ基又はエトキシ基である。さらに好ましくは、R3がエトキシ基である。
【0079】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(III)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R4が、トリメチルシリル基又はトリエチルシリル基であり、R5が、メトキシ基又はエトキシ基である。さらに好ましくは、R4がトリメチルシリル基であり、R5がエトキシ基である。
【0080】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(IV)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R6が、水素原子、ベンゾイル基、ハロゲン原子で置換されたベンゾイル基又は−SiR616263であり、R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基であり、R7が、メトキシ基又はエトキシ基である。さらに好ましくは、R6が水素原子であり、R7がエトキシ基である。
【0081】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(V)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R8が、メトキシ基、エトキシ基又はアミノ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R8がエトキシ基又はアミノ基である。
【0082】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(VI)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R9が、メトキシ基、エトキシ基又はアミノ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R9がアミノ基である。
【0083】
式(VI)に示した化合物又はその塩のジアステレオマーである式(VIII)に示した化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、好ましくはR13がメトキシ基,エトキシ基又はアミノ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R13がアミノ基である。
【0084】
また、式(VI)及び式(VIII)に示される化合物の塩の好ましい例としては、クエン酸、L−酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸塩が挙げられる。
【0085】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(VII)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R10が、アミノ基、水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R11が、アミノ基、水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である(但し、R10及びR11は、同時に水酸基ではない。)。さらに好ましくは、R10がアミノ基であり、R11がアミノ基又は水酸基である。
【0086】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態は、式(VI)に示される化合物又はその塩を出発原料とするものである。置換基の組み合わせについて、好ましくは、R9が、メトキシ基、エトキシ基又はアミノ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R9がアミノ基である。
【0087】
本発明における式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法の好ましい実施形態においては、中間体である式(IX)に示される化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、R12が、アミノ基、水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R12が水酸基である。
【0088】
式(IX)に示した化合物又はその塩のジアステレオマーである式(X)に示した化合物又はその塩の置換基の組み合わせについて、好ましくはR14が、アミノ基、水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R1が、水素原子であり、R2が、3,4−ジクロロフェニル基である。さらに好ましくは、R14が水酸基である。
【0089】
本発明は、式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法、すなわち、式(II)に示した化合物又はその塩から出発して中間体である式(VI)に示した化合物又はその塩を経由する式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法、中間体である式(VI)に示した化合物又はその塩から出発する式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法、及び式(II)に示した化合物又はその塩から出発して中間体である式(IX)に示した化合物又はその塩を経由する式(I)に示した化合物又はその塩の製造方法に関するものである。また、本発明は、それらの製造中間体である式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)及び式(X)に示した化合物又はその塩に関するものである。
【0090】
本発明は、以下に示す方法によって実施することができる。本発明の一実施形態を下記スキーム1、スキーム2及びスキーム3に示す。
<スキーム1>
【0091】
【化25】
【0092】
上記スキーム1の式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR13は、前述の定義の通りである。
【0093】
出発原料となる式(II)に示される化合物は、文献に記載の方法にて製造することができる。(参照文献:Org.Lett., 6, 3775−3777 (2004)、J.Med.Chem., 43, 4893−4909 (2000)、Org.Biomol.Chem., 2, 168−174 (2004)、Tetrahedron, 57, 7487−7493 (2001)、国際公開第WO 02 / 00595 号パンフレット)
【0094】
(工程1):式(II)の化合物を不活性溶媒中、塩基の存在下、シリル化剤と反応させることにより、式(III)の化合物が得られる。
【0095】
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0096】
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン等の有機アミン塩基、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属塩基等を使用することができる。
【0097】
シリル化剤としては、例えば、クロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、トリフルオロメタンスルン酸トリメチルシリル、クロロトリエチルシラン、クロロトリイソプロピルシラン、tert−ブチルクロロジメチルシラン等を使用することができる。また、クロロトリメチルシランとの組み合わせで添加剤としてヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を使用することができる。
【0098】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−60〜100℃の範囲であり、より好ましくは0〜60℃の範囲である。
【0099】
塩基の使用量は、原料の式(II)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0100】
シリル化剤の使用量は、原料の式(II)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0101】
溶媒の使用量は、原料の式(II)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0102】
式(III)の化合物は、反応後処理後の濃縮残渣として精製することなく、あるいは後処理溶液として濃縮することなく、次の工程の原料として使用することができる。(参考文献:J.Med.Chem., 43, 4893−4909 (2000)、Bioorg.Med.Chem., 10, 433−436 (2002))
【0103】
(工程2):式(III)の化合物を不活性溶媒中、添加剤の存在下又は非存在下、酸化剤と反応させることにより、本発明の式(IV)の化合物が得られる。
ここで、R6がベンゾイル基又はハロゲン原子で置換されたベンゾイル基である本発明の式(IV)の化合物は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の塩基存在下、メタノール、エタノール等の溶媒中、反応させることでR6が水素原子である本発明の式(IV)の化合物に導くことができる。
【0104】
また、R6が−SiR616263(R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。)である本発明の式(IV)の化合物は、酸性条件(希塩酸、酢酸水溶液等)又は塩基性条件(炭酸カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド等)にて処理することにより、R6が水素原子である本発明の式(IV)の化合物に導くことができる。
【0105】
また、式(III)の化合物の酸化反応にて、R6が水素原子である本発明の式(IV)の化合物と共に生成したR6が−SiR616263(R61、R62及びR63は、同一又は異なって、C1-6アルキル基である。)である本発明の式(IV)の化合物は、反応の後処理条件(酸処理、塩基処理、又はチオ硫酸ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液、亜硫酸水素ナトリウム水溶液による処理等)等に付すことにより、R6が水素原子である本発明の式(IV)の化合物に変換することができる。
【0106】
酸化剤としては、例えば、3−クロロ過安息香酸、過安息香酸、モノペルオキシフタル酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム塩、過酢酸等の過酸;
メチルトリオキソレニウム又はトリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(PCWP)等の触媒存在下での過酸化水素;
トリクロロアセトニトリル又はアセトニトリル等のニトリル化合物存在下での過酸化水素;
トリクロロアセトニトリル又はアセトニトリル等のニトリル化合物及びアセトン等のケトン化合物存在下での過酸化水素;
アセトン等のケトン化合物存在下でのオキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4);
ジメチルジオキシラン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、四酸化オスミウムとN−メチルモルホリン−N−オキシド、四酢酸鉛、ヨードシルベンゼンと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化クロミル、オゾン等を使用することができる。(参考文献:Organic Reactions, 62, 1−356 (2003))
【0107】
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;
アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0108】
添加剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ピリジン、酢酸等が挙げられる。
【0109】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜100℃の範囲であり、より好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0110】
酸化剤の使用量は、原料の式(III)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0111】
触媒の使用量は、原料の式(III)の化合物に対して0.001〜0.5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.002〜0.1モル当量の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.05モル当量の範囲である。
【0112】
溶媒の使用量は、原料の式(III)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0113】
式(IV)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、中和晶析又は蒸留等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【0114】
(工程3):R7がC1-6アルコキシ基であり、R6が水素原子である式(IV)の化合物を、不活性溶媒中、酸の存在下、式R12CHOC(=NH)CCl3で示される化合物(R1及びR2は、前記と同義である。)と反応させることにより、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(V)の化合物が得られる。(参考文献:J.Chem.Soc.,Chem.Commun., 1240−1241 (1981)、J.Chem.Soc., Perkin Trans.1, 2247−2250 (1985))
【0115】
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0116】
酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ビストリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロ酢酸、塩化水素、過塩素酸等のブレンステッド酸、又は三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)等のルイス酸を使用することができる。
【0117】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−30〜50℃の範囲であり、より好ましくは−10〜20℃の範囲である。
【0118】
式R12CHOC(=NH)CCl3で示される化合物(R1及びR2は、前記と同義である。)の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0119】
酸の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して0.01〜2モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.1〜1.5モル当量の範囲であり、より好ましくは0.3〜1モル当量の範囲である。
【0120】
溶媒の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは5〜15質量倍の範囲である。
【0121】
式R12CHOC(=NH)CCl3で示される化合物(R1及びR2は、前記と同義である。)は、文献記載の方法に従い、式R12CHOHで示されるアルコールとトリクロロアセトニトリルを塩基存在下、反応させることによって得ることができる。(参考文献:J.Chem.Soc., Perkin Trans.1, 2247−2250 (1985)、Tetrahedron Lett.,37, 1481−1484 (1996))
【0122】
さらに、R7がC1-6アルコキシ基であり、R6が水素原子である式(IV)の化合物を不活性溶媒中、塩基の存在下、式R12CHXで示される化合物(R1及びR2は、前記と同義である。)と反応させることによっても、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(V)の化合物を得ることができる。ここで、XはOC(=NH)CCl3以外の脱離基を示し、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等である。
【0123】
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0124】
塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化銀(I)等の無機塩基類;
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド塩基類;
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機アミン塩基類;
カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド等のアルコキシド塩基類を使用することができる。
【0125】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−30〜100℃の範囲であり、より好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0126】
式R12CHXで示される化合物(R1、R2及びXは、前記と同義である。)の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0127】
塩基の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0128】
溶媒の使用量は、原料の式(IV)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは5〜15質量倍の範囲である。
【0129】
なお、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(V)の化合物をエステルの一般的な加水分解反応条件(参考文献:T.W.Greene, P.G.M.Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis")にて反応させることにより、R8が水酸基である本発明の式(V)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0130】
また、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(V)の化合物を不活性溶媒中、アンモニアと反応させることにより、R8がアミノ基である本発明の式(V)の化合物を得ることができる。
【0131】
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;
トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0132】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−20〜100℃の範囲であり、より好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0133】
アンモニアの使用量は、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(V)の化合物に対して1〜100モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは5〜50モル当量の範囲であり、より好ましくは3〜10モル当量の範囲である。
【0134】
溶媒の使用量は、R8がC1-6アルコキシ基である本発明の式(IV)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0135】
本発明の式(V)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、中和晶析又は蒸留等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【0136】
(工程4):式(V)の化合物を不活性溶媒中、ルイス酸の存在下、アンモニアと反応させた後、ルイス酸存在下又は非存在下、シアノ化剤と反応させることにより、本発明の式(VI)の化合物又はその塩と本発明の式(VIII)の化合物又はその塩を得ることができる。(参考文献:Tetrahedron Lett., 41, 6403−6406 (2000)、Tetrahedron Lett., 42, 1499−1502 (2001)、J.Org.Chem., 69, 843−856 (2004)、J.Org.Chem., 70, 8027−8034 (2005)、Synlett, 1875−1878 (2006))
【0137】
又は、式(V)の化合物を不活性溶媒中、ルイス酸の存在下、アンモニア及びシアノ化剤と反応させることによっても、本発明の式(VI)の化合物又はその塩と本発明の式(VIII)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0138】
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒;
トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0139】
ルイス酸としては、例えば、チタニウム(IV)イソプロポキシド、チタニウム(IV)メトキシド、チタニウム(IV)エトキシド、チタニウム(IV)プロポキシド、チタニウム(IV)ブトキシド、臭化リチウム、過塩素酸リチウム、臭化マグネシウム、臭化マグネシウム・ジエチルエーテル錯体、酢酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ヘキサフルオロリン酸フェロセニウム、塩化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、塩化ニオブ(V)、酸化モリブデン(VI)、塩化ルテニウム(III)、ヨウ化ロジウム(III)水和物、塩化インジウム(III)、臭化インジウム(III)、ヨウ化インジウム(III)、バナジルトリフラート、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、ヨウ素、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)、塩化タリウム(III)、塩化ビスマス(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)、ランタン(III)イソプロポキシド、硝酸ランタン(III)6水和物、塩化セリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸プラセオジム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ネオジム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ガドリニウム(III)、塩化ガドリニウム(III)6水和物、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)等を使用することができる。
【0140】
シアノ化剤としては、例えば、トリメチルシリルシアニド、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、アセトンシアノヒドリン、ジエチルシアノホスホネート、ジエチルアルミニウムシアニド、tert−ブチルジメチルシリルシアニド、トリブチルチンシアニド等を使用することができる。
【0141】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、式(V)の化合物とアンモニアの反応においては、好ましくは0〜30℃の範囲であり、引き続くシアノ化剤との反応においては、好ましくは−40〜30℃の範囲であり、式(V)の化合物とアンモニア及びシアノ化剤の反応においては、好ましくは−40〜30℃の範囲である。
【0142】
アンモニアの使用量は、式(V)の化合物に対して1〜100モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは5〜50モル当量の範囲であり、より好ましくは5〜15モル当量の範囲である。
【0143】
ルイス酸の使用量は、式(V)の化合物に対して0.01〜10モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.1〜5モル当量の範囲であり、より好ましくは0.1〜2モル当量の範囲である。
【0144】
シアノ化剤の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0145】
溶媒の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0146】
さらに、式(V)の化合物を不活性溶媒中、アンモニア、アンモニウム塩又はアンモニアとアンモニウム塩の混合物とシアノ化剤を反応させることにより、本発明の式(VI)の化合物又はその塩と本発明の式(VIII)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0147】
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒;
トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0148】
アンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム等を使用することができる。
【0149】
シアノ化剤としては、例えば、トリメチルシリルシアニド、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、アセトンシアノヒドリン、ジエチルシアノホスホネート、ジエチルアルミニウムシアニド、tert−ブチルジメチルシリルシアニド、トリブチルチンシアニド等を使用することができる。
【0150】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜100℃の範囲であり、より好ましくは20〜60℃の範囲である。
【0151】
アンモニアの使用量は、式(V)の化合物に対して1〜100モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは5〜50モル当量の範囲であり、より好ましくは3〜10モル当量の範囲である。
【0152】
アンモニウム塩の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜10モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは2〜5モル当量の範囲である。
【0153】
シアノ化剤の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
【0154】
溶媒の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0155】
9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物又はその塩をエステルの一般的な加水分解反応条件(参考文献:T.W.Greene, P.G.M.Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis")、又はカルバモイル基の一般的な加水分解反応条件(参考文献:R.C.Larock, "Comprehensive Organic Transformations")にて反応させることにより、R9が水酸基である本発明の式(VI)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0156】
同様に、R13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物又はその塩をエステルの一般的な加水分解反応条件(参考文献:T.W.Greene, P.G.M.Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis")、又はカルバモイル基の一般的な加水分解反応条件(参考文献:R.C.Larock, "Comprehensive Organic Transformations")にて反応させることにより、R13が水酸基である本発明の式(VIII)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0157】
9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物、R13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物、又はそれらの任意の割合の混合物を不活性溶媒中、酸と反応させることにより、R9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物の酸との塩、又はR13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物の酸との塩、又はそれらの任意の割合の混合物を得ることができる。
【0158】
さらに、溶媒と酸の組み合わせを選択することにより、R9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物とR13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物の任意の割合の混合物から、R9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物の酸との塩、又はR13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物の酸との塩を高純度の固体として得ることができる。
【0159】
上記塩形成反応にて酸と溶媒の組み合わせを適切に選択することにより、本発明の式(VI)の化合物の酸との塩、及び本発明の式(VIII)の化合物の酸との塩の溶媒に対する溶解度の差を大きくすることができる。この溶解度の差を利用して本発明の式(VI)の化合物の酸との塩を単純なろ過操作のみで高純度の固体(結晶)として得ることができる。または、式(VI)の化合物の酸との塩を高純度のろ液として本発明の式(VIII)の化合物の酸との塩から分離することが可能である。さらに、本塩形成反応を適切に実施すれば、原料の本発明の式(V)の化合物は必ずしも精製品である必要はなく、未精製品でもよい。本方法は、大量スケール製造に適用可能であり、良好な分離効率も期待できる。
酸と溶媒の組み合わせの好ましい例としては、有機酸と酢酸溶媒又はエステル系溶媒の組み合わせが挙げられる。好ましい有機酸は、例えばクエン酸、L−酒石酸、シュウ酸、又はp−トルエンスルホン酸であり、好ましいエステル系溶媒は、例えば酢酸エチルである。
【0160】
前記塩形成反応にて、R9がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VI)の化合物、R13がC1-6アルコキシ基又はアミノ基である本発明の式(VIII)の化合物、又はそれらの任意の割合の混合物は、それぞれの精製品又はそれら精製品の任意の割合の混合物として、あるいは、それぞれの未精製品又は任意の割合の混合物の未精製品として使用することができる。
【0161】
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒;
トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;
アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;
アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
【0162】
酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ピルビン酸、ジフェニル酢酸、桂皮酸、グリコール酸、D−乳酸、L−乳酸、D−マンデル酸、L−マンデル酸、D−グルクロン酸、D−グルコン酸、ラクトビオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、(+)−カンファー酸、2−ケトグルタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ピログルタミン酸、D−酒石酸、L−酒石酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(−)−10−カンファースルホン酸、イセチオン酸等の有機酸等を使用することができる。
【0163】
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜30℃の範囲である。
【0164】
酸の使用量は、式(VI)の化合物、式(VIII)の化合物又はそれらの混合物に対して0.33〜50モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜5モル当量の範囲である。
【0165】
溶媒の使用量は、式(VI)の化合物、式(VIII)の化合物又はそれらの混合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
【0166】
本発明の式(VI)の化合物又はその塩と本発明の式(VIII)の化合物又はその塩は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、等電点沈殿、等電点結晶化、中和晶析又は蒸留等の方法によって、それぞれの精製品又はそれら精製品の任意の割合の混合物として、あるいは、それぞれの未精製品又は任意の割合の混合物の未精製品として得ることができる。
【0167】
(工程5):式(VI)の化合物又はその塩を酸性条件又は塩基性条件にて反応させることにより、本発明の式(VII)の化合物又はその塩(R10及びR11は、同時に水酸基ではない。)を得ることができる。特にR10がアミノ基である本発明の式(VII)の化合物又はその塩は、式(VI)の化合物又はその塩を酸化的条件にて反応させることによっても得ることができる。(参考文献:R.C.Larock, "Comprehensive Organic Transformations")
【0168】
酸性条件としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等の酸と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ギ酸、酢酸、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0169】
塩基性条件としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0170】
酸化的条件としては、例えば、過酸化水素と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩基又はその水溶液と、ジメチルスルホキシド等の溶媒を使用し、0〜50℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。(参考文献:Synthesis, 949−950 (1989)、Bull.Chem.Soc.Jpn., 54, 793−799 (1981))
【0171】
酸化的条件における過酸化水素の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
【0172】
酸化的条件における塩基の使用量は、式(VI)の化合物に対して0.1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.1〜1モル当量の範囲であり、式(VI)の化合物の酸との塩に対しては、塩を遊離塩基体にするのに必要な塩基の量を前記の塩基使用量に加えた使用量が好ましい。塩基の水溶液を使用する場合は、0.1〜10モル濃度(M)の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10モル濃度の範囲である。
【0173】
酸化的条件におけるジメチルスルホキシド等の溶媒の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜5質量倍の範囲である。
【0174】
本発明の式(VII)の化合物又はその塩は、単一化合物又はそれらの混合物として得ることができる。
【0175】
本発明の式(VII)の化合物又はその塩は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、等電点沈殿、等電点結晶化、中和晶析又は蒸留等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【0176】
本発明の式(VII)の化合物又はその塩は、単離、精製することなく、反応混合物のまま次の工程6に使用することができる。
【0177】
(工程6):式(VII)の化合物又はその塩を酸性条件又は塩基性条件にて加水分解することにより、本発明の式(I)の化合物又はその塩を得ることができる。(参考文献:R.C.Larock, "Comprehensive Organic Transformations")
【0178】
酸性条件としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等の酸と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ギ酸、酢酸、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0179】
塩基性条件としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0180】
本発明の式(I)の化合物又はその塩は、等電点沈殿、等電点結晶化、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、中和晶析、蒸留又は昇華等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【0181】
(工程7):式(VI)の化合物又はその塩を酸性条件、塩基性条件、酸化的条件に引き続く塩基性条件又は酸化的塩基性条件にて反応させることにより、本発明の式(I)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0182】
酸性条件としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ギ酸、酢酸、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0183】
塩基性条件としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜100℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0184】
酸化的条件に引き続く塩基性条件としては、例えば、過酸化水素と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩基又はその水溶液と、ジメチルスルホキシド等の溶媒を使用し、0〜50℃の温度にて実施する等の酸化的条件(参考文献:Synthesis, 949−950 (1989)、Bull.Chem.Soc.Jpn., 54, 793−799 (1981))にて反応させた後、反応液に水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基又はその水溶液と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を加えて0〜100℃の温度にて実施する等の塩基性条件にて反応させる等の条件が挙げられる。
【0185】
酸化的条件における過酸化水素の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
【0186】
酸化的条件における塩基の使用量は、式(VI)の化合物に対して0.1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.1〜1モル当量の範囲であり、式(VI)の化合物の酸との塩に対しては、塩を遊離塩基体にするのに必要な塩基の量を前記の塩基使用量に加えた使用量が好ましい。塩基の水溶液を使用する場合は、0.1〜10モル濃度(M)の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10モル濃度の範囲である。
【0187】
酸化的条件におけるジメチルスルホキシド等の溶媒の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜5質量倍の範囲である。
【0188】
酸化的条件における反応時間は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は薄層クロマトグラフィー(TLC)等で原料の式(VI)の化合物の消失を確認するまでの時間であり、通常0.1〜24時間の範囲である。
【0189】
酸化的条件に引き続く塩基性条件における塩基の使用量は、式(VI)の化合物に対して3〜30モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは3〜10モル当量の範囲であり、塩基の水溶液を使用する場合は、0.1〜10モル濃度(M)の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10モル濃度の範囲である。
【0190】
酸化的条件に引き続く塩基性条件における溶媒の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜5質量倍の範囲であるが、溶媒を使用しないこともできる。
【0191】
酸化的塩基性条件としては、例えば、過酸化水素と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩基又はその水溶液と、ジメチルスルホキシド等の溶媒を使用し、0〜40℃の温度にて反応させた後、引き続き、50〜100℃の温度にて反応させる等の条件が挙げられる。
【0192】
酸化的塩基性条件における過酸化水素の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
【0193】
酸化的塩基性条件における塩基の使用量は、式(VI)の化合物に対して3〜30モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは5〜15モル当量の範囲であり、式(VI)の化合物の酸との塩に対しては、塩を遊離塩基体にするのに必要な塩基の量を前記の塩基使用量に加えた使用量が好ましい。塩基の水溶液を使用する場合は、0.1〜10モル濃度(M)の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10モル濃度の範囲である。
【0194】
酸化的塩基性条件におけるジメチルスルホキシド等の溶媒の使用量は、式(VI)の化合物又はその塩に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜10質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜5質量倍の範囲である。
【0195】
酸化的塩基性条件における0〜40℃の温度にて反応させる時間は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は薄層クロマトグラフィー(TLC)等で原料の式(VI)の化合物の消失を確認するまでの時間であり、通常0.1〜24時間の範囲である。
【0196】
本発明の式(I)の化合物又はその塩は、等電点沈殿、等電点結晶化、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、蒸留又は昇華等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
<スキーム2>
【0197】
【化26】
【0198】
上記スキーム2の式中、R1、R2、R8、R9及びR13は、前述の定義の通りである。
【0199】
(工程8):本発明の式(VI)の化合物又はその塩、本発明の式(VIII)の化合物又はその塩、又はそれらの任意の割合の混合物を酸性条件にて反応させることにより、本発明の式(V)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0200】
酸性条件としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等の酸と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ギ酸、酢酸、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0〜150℃の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0201】
本発明の式(VI)の化合物又はその塩、本発明の式(VIII)の化合物又はその塩、又はそれらの任意の割合の混合物は、それぞれの精製品又はそれら精製品の任意の割合の混合物として、あるいは、それぞれの未精製品又は任意の割合の混合物の未精製品として使用することができる。
例えば、工程4において当該化合物の単離、精製の際に生じた混合物画分や再結晶母液又はその濃縮残渣、当該化合物の酸との塩の単離、精製の際に生じた、固体をろ別した時のろ液又はその濃縮残渣等も使用することができる。すなわち、本工程の実施により、式(I)に示される化合物又はその塩の合成においては望みの立体化学ではない副生成物である本発明の式(VIII)の化合物又はその塩は、式(I)に示される化合物又はその塩の合成中間体である本発明の式(V)の化合物又はその塩に変換され、廃棄することなく有効利用することができる。
【0202】
本発明の式(V)の化合物又はその塩は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、中和晶析又は蒸留等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
<スキーム3>
【0203】
【化27】
【0204】
上記スキーム3の式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12及びR14は、前述の定義の通りである。
【0205】
工程1、工程2及び工程3は、前記スキーム1に記載したものと同様である。
【0206】
(工程9):式(V)の化合物又はその塩を不活性溶媒中、炭酸アンモニウム及びシアン化カリウム又はシアン化ナトリウムと反応させることにより、本発明の式(IX)の化合物又はその塩、本発明の式(X)の化合物又はその塩又は本発明の式(IX)の化合物又はその塩と本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を得ることができる。(参考文献:Tetrahedron: Asymmetry, 8, 511−514 (1997)、J.Med.Chem., 43, 4893−4909 (2000)、J.Org.Chem., 69, 4516−4519 (2004)、Tetrahedron , 60, 6711−6745 (2004)、Tetrahedron: Asymmetry, 20, 1−63 (2009)、Org.Proc.Res.Dev.,10, 28−32 (2006))
【0207】
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができるが、好ましくは水とアルコール系溶媒の混合溶媒である。
【0208】
反応温度は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは20〜80℃の範囲であり、より好ましくは40〜70℃の範囲である。
【0209】
炭酸アンモニウムの使用量は、式(V)の化合物に対して2〜20モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは3〜10モル当量の範囲であり、より好ましくは3〜5モル当量の範囲である。
【0210】
シアン化カリウム又はシアン化ナトリウムの使用量は、式(V)の化合物に対して1〜10モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜5モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
【0211】
溶媒の使用量は、式(V)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
【0212】
8がC1-6アルコキシ基である式(V)の化合物をメタノール又はエタノール等の溶媒中、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液等の塩基にて反応させてR8が水酸基である式(V)の化合物又はその塩に変換した後、その反応混合物に炭酸アンモニウム及びシアン化カリウム又はシアン化ナトリウムを加えて反応させることにより、R12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩、R14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩、又はR12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩とR14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を得ることができる。
【0213】
12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩、R14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩、又はR12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩とR14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物をN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、メタノール又はエタノール、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤と反応させることにより、R12がメトキシ基又はエトキシ基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩、R14がメトキシ基又はエトキシ基である本発明の式(X)の化合物又はその塩、又はR12がメトキシ基又はエトキシ基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩とR14がメトキシ基又はエトキシ基である本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を得ることができる。
【0214】
12がC1-6アルコキシ基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩、R14がC1-6アルコキシ基である本発明の式(X)の化合物又はその塩、又はR12がC1-6アルコキシ基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩とR14がC1-6アルコキシ基である本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液にて加水分解することにより、R12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩、R14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩、又はR12が水酸基である本発明の式(IX)の化合物又はその塩とR14が水酸基である本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を得ることができる。
【0215】
本発明の式(IX)の化合物又はその塩、本発明の式(X)の化合物又はその塩又は本発明の式(IX)の化合物又はその塩と本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、中和晶析又は蒸留の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【0216】
(工程10):本発明の式(IX)の化合物又はその塩、又は本発明の式(IX)の化合物又はその塩と本発明の式(X)の化合物又はその塩の混合物を塩基性条件又は酸性条件にて反応させることにより、本発明の式(I)の化合物又はその塩を得ることができる。
【0217】
塩基性条件としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0℃〜還流の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0218】
酸性条件としては、例えば、塩化水素、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸と、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ギ酸、酢酸、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用し、0℃〜還流の温度にて実施する等の条件が挙げられる。
【0219】
本発明の式(I)の化合物又はその塩は、等電点沈殿、等電点結晶化、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー、蒸留又は昇華等の方法による精製品、又は未精製品として得ることができる。
【実施例】
【0220】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく具体的に説明するが、本発明はこれらの記載により限定的に解釈されるものではない。下記実施例における収率は、反応条件により影響を受けているものがあり、最適化された反応条件を選択することによってさらに高い収率にすることが可能である。
【0221】
(実施例1)
エチル(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシレート(3a)の合成
【0222】
【化28】
【0223】
エチル(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(2a)250gのトルエン(1251g)溶液に、トリエチルアミン205gを添加した。得られた溶液を5℃以下に冷却後、内温が5℃以下に保持されるようにトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル359gを滴下した。滴下終了後、水1253gを加えて分液した。有機層を5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液1252g並びに水1251gにて順次洗浄した。有機層を減圧下濃縮した後、残渣にトルエン631gを加えて再び減圧下濃縮し、エチル(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシレート(3a)の濃縮残渣を得た。
【0224】
1H NMR ( 600 MHz, CDCl3 ) δ: 0.22 ( s, 9H ), 1.32 ( t, J = 7.2 Hz, 3H ), 2.28−2.32 ( m, 1H ), 2.42−2.48 ( m, 1H ), 2.54−2.57 ( m, 1H ), 2.65−2.71 ( m, 1H ), 4.27 ( q, J = 7.2 Hz, 2H ), 4.62−4.64 ( m, 1H ). MS ( EI ) m/z : 258 ( M+ ), 223 ( base ).
【0225】
(実施例2)
エチル(1R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a)の合成
【0226】
【化29】
【0227】
実施例1で得たエチル(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシレート(3a)の濃縮残渣にトルエン2577g並びにトリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(PCWP)(参考文献:J.Org.Chem., 53, 3587−3593 (1988)、J.Org.Chem., 62, 7174−7177 (1997))111gを加えて30℃に加熱した。内温が45℃を越えないように30wt%過酸化水素水183gを1時間10分間かけて滴下し、10分間撹拌した。反応液を氷水浴にて冷却後、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液347g並びに30wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液1420gを順次加えた。溶媒を減圧下留去後、残渣にセルロースパウダー(KC−フロック)114g並びに酢酸エチル1745gを加え、1昼夜撹拌した。懸濁液をろ過後、固体を酢酸エチル1737gにて洗浄した。ろ液並びに洗液を合わせて分液し、水層を酢酸エチル1728gにて抽出した。有機層を合わせて減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1、引き続き1:1)にて精製し、淡褐色油状物質のエチル(1R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a)201gを得た。
【0228】
1H NMR ( 600 MHz, CDCl3 ) δ: 1.34 ( t, J = 7.2 Hz, 3H ), 2.31−2.37 ( m, 1H ), 2.58 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 2.61−2.64 ( m, 1H ), 2.72−2.77 ( m, 2H ), 4.05−4.10 ( m, 1H ), 4.31 ( q, J = 7.2 Hz, 2H ). MS ( EI ) m/z : 202 ( M+ ), 125 ( base ).
【0229】
(実施例3)
エチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a')及びエチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−3−[(3−クロロベンゾイル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4b')の合成
【0230】
【化30】
【0231】
エチル(1RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシレート(3a')41.35g(含量84.2wt%)のクロロホルム(302.1g)溶液を6℃に冷却した後、炭酸水素ナトリウム22.94gを加え、11℃以下で3−クロロ過安息香酸(mCPBA)39.50g(含量65wt%)を44分間かけて添加した。この混合物を撹拌しながら4.5時間かけて25℃まで昇温させた。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液(チオ硫酸ナトリウム(無水)7.48g,水75.61g)を加えて25分間撹拌した。10分間放置後、有機層と水層に分離した。水層をクロロホルム151.6gと151.1gで再抽出した。有機層を合わせ、水96gにて洗浄後、無水硫酸マグネシウム30.26gを加えた。5分間撹拌後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:1)にて精製し、無色油状物質のエチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a')7.436g及び無色固体のエチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−3−[(3−クロロベンゾイル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4b')19.33gを得た。(4b')19.33gを酢酸エチル−ヘキサンにて再結晶して無色固体の(4b')10.74gを得た。
【0232】
(4b'):1H NMR ( 300 MHz, CDCl3 ) δ: 1.35 ( t, J = 7.2 Hz, 3H ), 2.52−2.63 ( m, 1H ), 2.72−2.77 ( m, 1H ), 2.82−2.94 ( m, 2H ), 4.33 ( q, J = 7.2 Hz, 2H ), 5.17−5.26 ( m, 1H ), 7.40 ( t, J = 7.9 Hz, 1H ), 7.54−7.59 ( m, 1H ), 7.92−7.96 ( m, 1H ), 8.01−8.04 ( m, 1H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 341 [(M+H)+], 343 {[(M+2)+H]+}, 363 [(M+Na)+], 365 {[(M+2)+Na]+}. IR ( KBr ) cm-1 : 3072, 2968, 1756, 1722, 1324, 1290, 1255, 1218, 1128, 1105, 1086, 1012, 748 . Anal. Calcd. for C16H14ClFO5 : C, 56.40; H, 4.14; Cl, 10.41; F, 5.58. Found: C, 56.41; H, 4.18; Cl, 10.36; F, 5.58.
【0233】
(実施例4)
メチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4c')及びメチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−3−[(3−クロロベンゾイル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4d')の合成
【0234】
【化31】
【0235】
エチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−3−[(3−クロロベンゾイル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4b')1.072gのメタノール(10.75g)溶液に炭酸カリウム0.031gを加えた。この混合物を4時間撹拌した後、さらに炭酸カリウム0.012gを加えた。1時間撹拌後、1M塩酸0.322gを加えて液性をpH6にし、15時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、クロロホルム及び水を加えて残渣を溶解した。得られた混合液に1M塩酸を加え、水層の液性をpH1にしてクロロホルムにて抽出した。有機層を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状物質のメチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4c')0.476g及び無色泡状固体のメチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−3−[(3−クロロベンゾイル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4d')0.008gを得た。
【0236】
(4c'):1H NMR ( 300 MHz, CDCl3 ) δ: 2.30−2.41 ( m, 1H ), 2.61−2.66 ( m, 1H ), 2.68 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 2.70−2.81 ( m, 2H ), 3.87 ( s, 3H ), 4.03−4.13 ( m, 1H ).
(4d'):1H NMR ( 300 MHz, CDCl3 ) δ: 2.53−2.64 ( m, 1H ), 2.73−2.78 ( m, 1H ), 2.82−2.94 ( m, 2H ), 3.88 ( s, 3H ), 5.17−5.27 ( m, 1H ), 7.40 ( t, J = 7.9 Hz, 1H ), 7.53−7.60 ( m, 1H ), 7.91−7.97 ( m, 1H ), 8.01−8.04 ( m, 1H ).
【0237】
(実施例5)
エチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a')、エチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−オキソ−3−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4e')及びエチル(1RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(2a')の合成
【0238】
【化32】
【0239】
エチル(1RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシレート(3a')0.44g(含量89.0wt%)のトルエン(3mL)溶液にトリクロロアセトニトリル0.310mL、アセトン0.445mL及びリン酸水素二カリウム0.105gを加えて氷水浴にて冷却した。この混合物に30wt%過酸化水素水0.347gを滴下し、0〜3℃にて1時間、引き続き19〜22℃にて3時間20分間撹拌した。反応液を氷水浴にて冷却後、5wt%亜硫酸ナトリウム水溶液8mLを加えてトルエンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た残渣(0.480g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=8:1、5:1、3:1)にて精製し、溶出順に無色油状物質のエチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−オキソ−3−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4e')0.014g、無色油状物質のエチル(1RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(2a')0.124g及び無色油状物質のエチル(1RS,3RS,5RS,6RS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a')0.034gを得た。
【0240】
(4e'): 1H NMR ( 600 MHz, CDCl3 ) δ: 0.16 ( s, 9H ), 1.33 ( t, J = 7.2 Hz, 3H ), 2.30−2.36 ( m, 1H ), 2.52−2.55 ( m, 1H ), 2.61−2.69 ( m, 2H ), 4.03−4.08 ( m, 1H ), 4.29 ( q, J = 7.2 Hz, 2H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 297 [(M+Na)+].
【0241】
(実施例6)
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)の合成
【0242】
【化33】
【0243】
エチル(1R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(4a)11.98gのテトラヒドロピラン(120g)溶液に、3,4−ジクロロベンジル2,2,2−トリクロロアセトイミデート33.7g(含量85wt%)を添加した。得られた溶液にトリフルオロメタンスルホン酸4.44gのテトラヒドロピラン(12g)溶液を15分間かけて24〜31℃にて添加した。24〜30℃にて1.5時間撹拌した後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液120gに注ぎ、有機層を10%塩化ナトリウム水溶液134gにて洗浄した。有機層を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、黄色油状物質のエチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)16.51gを得た。
【0244】
1H NMR ( 300 MHz, CDCl3 ) δ: 1.33 ( t, J = 7.2 Hz, 3H ), 2.34−2.45 ( m, 1H ), 2.57−2.75 ( m, 3H ), 3.84−3.93 ( m, 1H ), 4.30 ( q, J = 7.2 Hz, 2H),4.56 ( d, J = 11.9 Hz, 1H ), 4.95 (d, J = 11.9 Hz, 1H ), 7.18 ( dd, J = 8.2 and 2.1 Hz, 1H ), 7.41 ( d, J = 8.2 Hz, 1H ), 7.46 ( d, J = 2.1 Hz, 1H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 378 [(M+NH4)+].
【0245】
(実施例7)
(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(5b)の合成
【0246】
【化34】
【0247】
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)2.14gを7Mアンモニア−メタノール溶液8mLに溶解し、室温にて1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣1.956gを得た。この残渣1.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製し、固体1.02gを得た。この固体を酢酸エチル3mLにて懸濁後、ろ取・乾燥して、無色固体の(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(5b)0.4709gを得た。
【0248】
mp 157−160 ℃. 1H NMR ( 300 MHz, DMSO−d6 ) δ: 2.29−2.39 ( m, 1H ), 2.40−2.45 ( m, 1H ), 2.55−2.64 ( m, 1H ), 2.67−2.74 ( m, 1H ), 3.85−3.94 ( m, 1H ), 4.61 ( d, J = 12.3 Hz, 1H ), 4.79 ( d, J = 12.3 Hz, 1H ), 7.34 ( dd, J = 8.2 and 2.2 Hz, 1H ), 7.61 ( d, J = 2.2 Hz, 1H ), 7.62 ( d, J = 8.2 Hz, 1H ), 7.86 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 8.07 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 354 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3374, 3176, 1747, 1694, 1472, 1436, 1272, 1235, 1099, 986. Anal. Calcd for C14H12Cl2FNO3 : C, 50.62; H, 3.64; N, 4.22; Cl, 21.35; F, 5.72. Found : C, 50.51; H, 3.67; N, 4.14; Cl, 21.24; F, 5.57.
【0249】
(実施例8)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(8a)の合成
【0250】
【化35】
【0251】
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)4.03gに8Mアンモニア−メタノール溶液13.9mLを加えた混合液に、窒素雰囲気下、チタニウム(IV)イソプロポキシド4.0mLを加えて25℃にて7時間撹拌した。反応液を氷水浴にて冷却してトリメチルシリルシアニド1.66mLを加え、0℃にて6時間、引き続き0〜19℃にて12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得た粗生成物に酢酸エチル50mLを加えて懸濁した後、ろ過して固形物を酢酸エチル50mLにて洗浄した。ろ液及び洗液を減圧下濃縮して得た残渣について、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを2回実施(1回目溶離液;酢酸エチル:クロロホルム=4:1、2回目溶離液;;クロロホルム:酢酸エチル=1:2〜1:4、引き続き酢酸エチル)し、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60F254プレート、クロロホルム:メタノール=10:1にて展開)にて低極性側にスポットを示す画分1.06g、高極性側にスポットを示す画分1.75g及びそれらの混合物画分0.36gを得た。
【0252】
高極性側にスポットを示す画分1.75gを酢酸エチル−ヘキサンにて再結晶して無色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)1.67gを得た。また、低極性側にスポットを示す画分1.06gを酢酸エチル−ヘキサンにて懸濁後、ろ過して無色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(8a)1.01gを得た。それぞれのろ液と前記混合物画分を合わせた濃縮残渣0.48gを酢酸エチル−ヘキサンにて懸濁後、ろ過して無色固体の(6a)と(8a)の混合物0.371gを得た。
【0253】
(6a):mp 121−125 ℃. 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.98−2.02 ( m, 1H ), 2.12−2.18 ( m, 1H ), 2.26−2.29 ( m, 1H ), 2.34−2.39 ( m, 1H ), 3.68−3.73 ( m, 1H ), 4.62 ( d, J = 12.6 Hz, 1H ), 4.73 ( d, J = 12.6 Hz, 1H ), 7.38 ( dd, J = 8.4 and 2.0 Hz, 1H ), 7.63 ( d, J = 8.4 Hz, 1H ), 7.65 ( d, J = 2.0 Hz, 1H ), 7.65 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.84 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+], 382 {[(M+2)+Na]+}. IR ( KBr ) cm-1 : 3420, 3364, 3304, 3193, 2233, 1672, 1604, 1474, 1377, 1129, 1031. Anal. Calcd for C15H14Cl2FN3O2 : C, 50.30; H, 3.94; N, 11.73; Cl, 19.80; F, 5.30. Found : C, 50.25; H, 3.99; N, 11.52; Cl, 19.68; F, 5.08.
(8a):mp 183−186 ℃. 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.94−1.98 ( m, 1H ), 2.15−2.21 ( m, 1H ), 2.24−2.31 ( m, 2H ), 3.97−4.02 ( m, 1H ), 4.59 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 4.72 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 7.38 ( dd, J = 8.3 and 1.8 Hz, 1H ), 7.63 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.67 ( d, J = 1.8 Hz, 1H ), 7.68 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.92 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+], 382 {[(M+2)+Na]+}. IR ( KBr ) cm-1 : 3405, 3211, 2228, 1643, 1238, 1122, 1104. Anal. Calcd for C15H14Cl2FN3O2 : C, 50.30; H, 3.94; N, 11.73; Cl, 19.80; F, 5.30. Found : C, 50.32; H, 3.96; N, 11.63; Cl, 19.77; F, 5.15.
【0254】
(実施例9)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)の合成
【0255】
【化36】
【0256】
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)15.0g(含量97.1wt%)及び8Mアンモニア−メタノール溶液51.0mLの懸濁液をアルゴン雰囲気下、17〜25℃にて69分間撹拌した。反応液を氷水浴にて冷却し、チタニウム(IV)イソプロポキシド14.5g(含量95.0wt%)を0〜6℃にて8分間かけて滴下した。氷水浴をはずして室温にて4.5時間撹拌後(〜25℃まで上昇)、冷却恒温槽にて−6℃に冷却した。トリメチルシリルシアニド4.58g(含量96.0wt%)を−6〜−4℃にて10分間かけて滴下後、−5℃にて17時間50分間、0℃にて2時間35分間撹拌した。
【0257】
シリカゲル60N(球状・中性)14.7gに酢酸エチル73mLを加えた懸濁液に撹拌下、前記反応液を添加し、酢酸エチル292mLにて反応液の容器を洗浄しながら、洗液をシリカゲル懸濁液に加えた。この懸濁液を14〜20℃にて30分間撹拌後、吸引ろ過し、酢酸エチル365mLにて洗浄した。ろ液及び洗液を合わせて減圧下濃縮後、残渣を減圧乾燥して粗生成物15.0gを得た。
【0258】
得られた粗生成物を酢酸165mLに溶解した溶液に、クエン酸(無水)7.76g(含量98.0wt%)を加え、26〜27℃にて15時間50分間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過し、固体を酢酸40mLにて洗浄した。得られた固体を50℃にて減圧乾燥して無色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)12.9gを得た。
【0259】
mp 144 ℃(分解). 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.98−2.03 ( m, 1H ), 2.12−2.18 ( m, 1H ), 2.26−2.30 ( m, 1H ), 2.34−2.39 ( m, 1H ), 2.66 ( d, J = 15.1 Hz, 2H ), 2.75 ( d, J = 15.1 Hz, 2H ), 3.68−3.74 ( m, 1H ), 4.62 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 4.73 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 7.38 ( dd, J = 8.3 and 2.3 Hz, 1H ), 7.63 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.65 ( d, J = 2.3 Hz, 1H ), 7.66 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.85 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3498, 3426, 3190, 2541, 1716, 1571, 1433, 1244, 1190, 1125. Anal. Calcd for C21H22Cl2FN3O9 : C, 45.83; H, 4.03; N, 7.64; Cl, 12.88; F, 3.45. Found : C, 45.69; H, 4.09; N, 7.55; Cl, 12.72; F, 3.38.
【0260】
(実施例10)
(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(5b)の合成
【0261】
【化37】
【0262】
実施例9にて得られたろ液及び洗液(酢酸溶液)190.36gのうち、174.84g[(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b):0.351g及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(8b):3.853gを含む]に水174mLを加え、90〜93℃にて4.5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水を加えて抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=20:1)に付し、得られた濃縮残渣をクロロホルム−ヘキサンにて結晶化させ、無色固体の(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(5b)2.07gを得た。
【0263】
(実施例11)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)の合成
【0264】
【化38】
【0265】
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)61.7g(含量49.5wt%)に8Mアンモニア−メタノール溶液106mLを加え、室温にて撹拌した。冷却下、内温が20℃を越えないようにチタニウム(IV)イソプロポキシド30.4gを加えて1時間撹拌した。引き続き、冷却下、内温が5℃を越えないようにトリメチルシリルシアニド9.62gを滴下し、12時間撹拌した。反応液に酢酸エチル271gを加えた。別の容器にシリカゲル60N(球状・中性)31gと酢酸エチル139gを撹拌しながら混合し、この懸濁液に先の酢酸エチルにて希釈した反応液を滴下した。室温にて30分間撹拌後、固体をろ別し、酢酸エチル690gにて洗浄した。ろ液及び洗液を合わせて減圧濃縮して得た残渣を酢酸446gに溶解後、クエン酸(無水)19.4gを加えた。混合物を室温にて13時間撹拌後、析出した固体をろ取し、酢酸163gにて洗浄した。得られた固体を50℃にて減圧乾燥し、淡褐色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)23.4gを得た。
【0266】
(実施例12)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド L−酒石酸塩(6c)の合成
【0267】
【化39】
【0268】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(8a)の混合物250.2mg[(6a):168.6mg及び(8a):74.8mgを含む。]の酢酸エチル(5mL)溶液にL−酒石酸107.9mg(含量99wt%)を加えて、室温にて19時間15分間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄し、室温にて減圧乾燥した。得られた無色粉末265.9mgのうち、254.6mgを酢酸エチル2.5mLに懸濁して、室温にて15.5時間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄して、室温にて減圧乾燥し、無色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド L−酒石酸塩(6c)206.9mgを得た。
【0269】
mp 154−157 ℃(分解). 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.98−2.03 ( m, 1H ), 2.11−2.18 ( m, 1H ), 2.26−2.30 ( m, 1H ), 2.34−2.39 ( m, 1H ), 3.68−3.73 ( m, 1H ), 4.31 ( s, 2H ), 4.62 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 4.73 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 7.38 ( dd, J = 8.3 and 2.1 Hz, 1H ), 7.64 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.65 ( d, J = 2.1 Hz, 1H ), 7.66 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.85 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3325, 1679, 1601, 1426, 1380, 1131, 1068, 683. Anal. Calcd for C19H20Cl2FN3O8 ( 0.5 H2O付着として ) : C, 44.12; H, 4.09; N, 8.12; Cl, 13.71; F, 3.67. Found : C, 44.22; H, 3.97; N, 7.98; Cl, 13.57; F, 3.71.
【0270】
(実施例13)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド シュウ酸塩(6d)の合成
【0271】
【化40】
【0272】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(8a)の混合物251.0mg[(6a):171.5mg及び(8a):75.1mgを含む。]の酢酸エチル(5mL)溶液に、シュウ酸67.7mg(含量98wt%)を加えて、室温にて17時間50分間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄し、室温にて減圧乾燥した。得られた無色粉末229.1mgのうち、217.0mgを酢酸エチル2.5mLに懸濁して室温にて15.5時間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄して室温にて減圧乾燥し、無色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド シュウ酸塩(6d)193.5mgを得た。
【0273】
mp 156−159 ℃(分解). 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.99−2.04 ( m, 1H ), 2.12−2.19 ( m, 1H ), 2.27−2.31 ( m, 1H ), 2.35−2.40 ( m, 1H ), 3.69−3.75 ( m, 1H ), 4.62 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 4.73 ( d, J = 12.4 Hz, 1H ), 7.38 ( dd, J = 8.3 and 1.8 Hz, 1H ), 7.64 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.65 ( d, J = 1.8 Hz, 1H ), 7.67 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.85 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3431, 1765, 1710, 1694, 1599, 1244, 1139, 722. Anal. Calcd for C17H16Cl2FN3O6 : C, 45.55; H, 3.60; N, 9.37; Cl, 15.82; F, 4.24. Found : C, 45.43; H, 3.65; N, 9.21; Cl, 15.62; F, 4.16.
【0274】
(実施例14)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(6e)の合成
【0275】
【化41】
【0276】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(8a)の混合物251.7mg[(6a):172.0mg及び(8a):75.3mgを含む。]の酢酸エチル(5mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸139.4mg(含量98wt%)を加えて、室温にて18時間20分間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄し、室温にて減圧乾燥した。得られた無色粉末248.0mgのうち、233.2mgを酢酸エチル2.5mLに懸濁して室温にて15.5時間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、酢酸エチル2mLにて洗浄して室温にて減圧乾燥し、無色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩(6e)220.6mgを得た。
【0277】
mp 198−202 ℃(分解). 1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 2.25−2.31 ( m, 2H ), 2.29 ( s, 3H ), 2.51−2.57 ( m, 2H ), 4.08−4.15 ( m, 1H ), 4.65 ( s, 2H ), 7.11 ( d, J = 8.0 Hz, 2H ), 7.39 ( dd, J = 8.3 and 1.8 Hz, 1H ), 7.48 ( d, J = 8.0 Hz, 2H ), 7.66 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.68 ( d, J = 1.8 Hz, 1H ), 7.86 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.96 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 380 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3391, 3165, 1688, 1544, 1207, 1168, 1158, 1132, 1011, 687, 564. Anal. Calcd for C22H22Cl2FN3O5S : C, 49.82; H, 4.18; N, 7.92; Cl, 13.37; F, 3.58; S, 6.05. Found : C, 49.68; H, 4.16; N, 7.82; Cl, 13.27; F, 3.81; S, 5.98.
【0278】
(実施例15)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(6f)の合成
【0279】
【化42】
【0280】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)22.5mg、酢酸0.1mL、水0.1mL並びに濃塩酸0.2mLの混合物を75℃(外温)にておよそ6時間加熱撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、淡褐色固体の(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(6f)24.6mgを得た。
【0281】
1H NMR ( 300 MHz, DMSO−d6 ) δ: 2.21−2.32 ( m, 1H ), 2.33−2.42 ( m, 1H ), 2.52−2.59 ( m, 1H ), 2.59−2.65 ( m, 1H ), 4.00−4.13 ( m, 1H ), 4.63 ( d, J = 12.1 Hz, 1H ), 4.72 ( d, J = 12.1 Hz, 1H ), 7.03 ( br s, 0.62H, exchangeable with D2O ), 7.06 ( br s, 0.38H, exchangeable with D2O ), 7.20 ( br s, 0.62H, exchangeable with D2O ), 7.23 ( br s, 0.38H, exchangeable with D2O ), 7.37 ( br s, 0.62H, exchangeable with D2O ), 7.39 ( dd, J = 8.4 and 2.1 Hz, 1H ), 7.40 ( br s, 0.38H, exchangeable with D2O ), 7.66 ( d, J = 8.4 Hz, 1H ), 7.69 ( d, J = 2.1 Hz, 1H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 357 [(M−H)-].
【0282】
(実施例16)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキサミド(7a)の合成
【0283】
【化43】
【0284】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)303.0mgのジメチルスルホキシド(1.2mL)溶液に、水浴冷却下(約13℃)、炭酸カリウム35.5mgを加え、引き続き30wt%過酸化水素水0.2mLを添加し、30分間撹拌後、室温にて67.5時間撹拌した。反応液に水3mLを添加後、析出固体をろ過して水1.2mLにて洗浄した。得られた固体を室温にて減圧乾燥し、無色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキサミド(7a)313.2mgを得た。
【0285】
1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 1.87−1.91 ( m, 1H ), 1.91−1.94 ( m, 1H ), 2.09−2.15 ( m, 2H, exchangeable with D2O ), 2.19−2.24 ( m, 2H ), 3.60−3.66 ( m, 1H ), 4.49 ( d, J = 12.6 Hz, 1H ), 4.68 ( d, J = 12.6 Hz, 1H ), 7.21 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.25 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.20 ( br s, 0.62H, exchangeable with D2O ), 7.23 ( br s, 0.38H, exchangeable with D2O ), 7.29 ( dd, J = 8.3 and 2.3 Hz, 1H ), 7.52 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.54 ( d, J = 2.3 Hz, 1H ), 7.58 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ), 7.71 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 376 [(M+H)+].
【0286】
(7a)のHPLC保持時間は、約8.1分[(6a)のHPLC保持時間は、約19.3分]。HPLC測定は、
カラム;CAPCELL PAK C18 UG120 5μm 150×4.6 mm ID、カラムオーブン温度:40℃、流速:1mL/min、検出波長:205nm(UV)、
移動相;A液:メタノール、B液:0.1%リン酸水溶液、
グラジエント条件;A液/B液=30/70を25分間かけてA液/B液=80/20にした後、A液/B液=80/20にて5分間保持、
の条件にて実施した。
【0287】
(実施例17)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−カルバモイル−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(7b)の合成
【0288】
【化44】
【0289】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)500.1mgのジメチルスルホキシド(1mL)溶液に、室温(約20℃)にて30wt%過酸化水素水0.15mLを加え、引き続き6.25M水酸化ナトリウム水溶液2.5mLを添加し(51℃まで発熱)、25℃にて3時間45分間撹拌した。反応液に氷冷下、3M塩酸4.3mLを滴下し、約pH4に調整した。得られたスラリーを室温にて1時間撹拌後、吸引ろ過してエタノールにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥して無色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−カルバモイル−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(7b)307.4mgを得た。
【0290】
1H NMR ( 600 MHz, DMSO−d6 ) δ: 2.00−2.04 ( m, 1H ), 2.07−2.11 ( m, 1H ), 2.21−2.32 ( m, 2H ), 3.84−3.90 ( m, 1H ), 4.46 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 4.60 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 7.28 ( dd, J = 8.3 and 2.1 Hz, 1H ), 7.31 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.54 ( d, J = 2.1 Hz, 1H ), 7.56 ( br s, 1H, exchangeable with D2O ), 7.59 ( d, J = 8.3 Hz, 1H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 377 [(M+H)+].
【0291】
(7b)のHPLC保持時間は、約12.9分[(6b)のHPLC保持時間は、約19.3分]。HPLC測定条件は、実施例16に記載の条件と同様である。
【0292】
(実施例18)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)の合成
【0293】
【化45】
【0294】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)0.195g、酢酸1.9mL並びに濃塩酸1.9mLの混合物を75℃の油浴にて31時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却後、析出した固体をろ取した。水5.28gにて固体を洗浄後、通気乾燥して固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)0.094gを得た。本化合物は、既存の方法にて合成した(1a)(国際公開第03/061698号パンフレットにおける化合物34)とプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)及びHPLC保持時間が一致した。
【0295】
1H NMR ( 300 MHz, DMSO−d6 ) δ: 2.07−2.14 ( m, 2H ), 2.25−2.41 ( m, 2H ), 3.87−3.99 ( m, 1H ), 4.43 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 4.54 ( d, J = 12.2 Hz, 1H ), 7.30 ( dd, J = 8.2 and 1.9 Hz, 1H ), 7.57 ( d, J = 1.9 Hz, 1H ), 7.59 ( d, J = 8.2 Hz, 1H ). MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 376 [(M−H)-].
【0296】
(1a)のHPLC保持時間は、約11.9分[(6a)のHPLC保持時間は、約16.5分]。HPLC測定は、
カラム;CAPCELL PAK C18 UG120 5μm 150×4.6 mm ID、カラムオーブン温度:40℃、流速:1mL/min、検出波長:205nm(UV)、
移動相;A液:アセトニトリル、B液:0.1%リン酸水溶液、
グラジエント条件;A液/B液=10/90を25分間かけてA液/B液=80/20にした後、A液/B液=80/20にて5分間保持、
の条件にて実施した。
【0297】
(実施例19)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)の合成
【0298】
【化46】
【0299】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド(6a)99.2mgのジメチルスルホキシド(0.3mL)溶液に、水浴冷却下、25wt%水酸化ナトリウム水溶液13μLを加え、引き続き30wt%過酸化水素水1.0mLを添加した。室温にて30分間撹拌後に反応液の一部を採取してHPLCを測定した結果、原料の(6a)に相当する保持時間約19.3分のピークが消失し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキサミド(7a)に相当する保持時間約8.1分のピークのみが観察されたことを確認した(HPLC測定条件は、実施例16に記載の条件と同様である。)。
引き続き、室温にて45分間撹拌後、反応液にエタノール0.6mL及び25wt%水酸化ナトリウム水溶液1mLを加えて75℃にて4時間、室温にて18時間撹拌した。反応液に氷冷下、3M塩酸3.0mLを加えた後、室温にて4時間撹拌した。得られたスラリーを吸引ろ過後、減圧乾燥して淡黄色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)80.3mgを得た。
【0300】
(実施例20)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)の合成
【0301】
【化47】
【0302】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)200.3mgのジメチルスルホキシド(0.4mL)溶液に、室温にて30wt%過酸化水素水0.06mLを加え、引き続き6.25M水酸化ナトリウム水溶液1mLを添加した。室温にて1時間撹拌後、反応液の一部を採取してHPLCを測定した結果、原料の(6b)に相当する保持時間約19.3分のピークが消失し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−カルバモイル−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(7b)に相当する保持時間約12.7分のピークのみが観察されたことを確認した(HPLC測定条件は、実施例16に記載の条件と同様である。)。
引き続き、室温にて30分間撹拌後、反応液を92〜100℃にて2時間、室温にて16時間、さらに100℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷した反応液に3M塩酸0.22mLを滴下し(pH1)、室温にて2時間25分間撹拌後、10分間氷冷した。得られたスラリーを吸引ろ過後、減圧乾燥して淡黄色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)141.4mgを得た。
【0303】
(実施例21)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)の合成
【0304】
【化48】
【0305】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキサミド クエン酸塩(6b)32.5gにジメチルスルホキシド63.9gと30wt%過酸化水素水9.88gを加え、10分間撹拌した。この混合物に20wt%水酸化ナトリウム水溶液202gを1時間かけて滴下し、滴下終了後10分間撹拌した。反応混合物を加熱し、内温80℃以上でおよそ13時間撹拌した。反応液を氷水浴にて内温16℃まで冷却後、塩酸にてpHを1〜2程度に調整した。析出した固体をろ取し、得られた固体をエタノール:水=1:1(v/v)の混合溶媒290mL並びにエタノール90mLにて順次洗浄した。得られた固体を50℃にて減圧下乾燥し、淡黄〜淡褐色固体の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(1a)21.1gを得た。
【0306】
(実施例22)
(1R,2R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2',5'−ジオキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4'−イミダゾリジン]−6−カルボン酸(9a)及び(1R,2S,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2',5'−ジオキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4'−イミダゾリジン]−6−カルボン酸(10a)の合成
【0307】
【化49】
【0308】
エチル(1R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート(5a)0.928g、メタノール4.70g及び水4.66gの混合物に水酸化ナトリウム0.1073g(含量96wt%)を加え、室温にて2時間40分間撹拌した。途中、1時間10分後に反応液の一部を採取してHPLCを測定した結果、原料の(5a)に相当する保持時間約27.5分のピークが消失し、エステルが加水分解されたカルボン酸体と推定される保持時間約25.7分のピークが観察されることを確認した(HPLC測定条件は、実施例16に記載の条件と同様である。以下、同様。)。反応液に炭酸アンモニウム2.042g(含量97wt%)及びシアン化ナトリウム0.55g(含量97wt%)を加えて65℃の油浴にて6時間加熱撹拌後、室温にて約14時間撹拌した。反応液の一部を採取してHPLCを測定した結果、保持時間約25.7分のピークが消失し、保持時間約19.6分に(1R,2R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2',5'−ジオキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4'−イミダゾリジン]−6−カルボン酸(9a)に相当するピーク及び保持時間約18.8分に(1R,2S,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]−6−フルオロ−2',5'−ジオキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4'−イミダゾリジン]−6−カルボン酸(10a)に相当するピークが、ピーク面積比(9a)/(10a)=2.2の比率にて観察されることを確認した。反応液に濃塩酸3.49g(含量35wt%)を加えて得られた懸濁液をろ過して固体を得た。得られた固体は、HPLCを測定した結果、ピーク面積比(9a)/(10a)=6.6である(9a)と(10a)の混合物であることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0309】
本発明により、代謝型グルタミン酸受容体拮抗物質として有用な3−アルコキシ−2−アミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はその塩の製造方法に関して、安全性上の課題が解決され、容易にスケールアップでき、費用対効果があって、工程数がより少なくて効率の良い、大量生産に適した製造法を提供することが可能となった。