【実施例1】
【0014】
実施例1のランプと、これを備えた照明器具について、
図1〜
図6を参照して詳細に説明する。
【0015】
図6において照明器具11は例えばダウンライトとして使用される。この照明器具11は、器具設置場所である屋内の天井板に開けられた円形の取付け孔に埋め込まれて設置される。
【0016】
照明器具11は、器具本体12と、ソケット13と、ランプ14等を備えている。ソケット13は器具本体12に取付けられている。ランプ14はソケット13に取外し可能に取付けられている。なお、実施例1の照明器具11はダウンライトであるので、その各部の位置関係については上下方向を基準に以下説明する。
【0017】
まず、ランプ14を説明する。
図1から
図4に示すようにランプ14は、ランプ本体21と、シート22と、発光モジュール23と、反射部材24と、点灯装置25と、照明カバー26を備えている。このランプ14の全光束は例えば1100lm〜1650lmであり、発光モジュール23の入力電力(消費電力)は20W〜25Wである。
【0018】
ランプ本体21は、ケース28及び口金部材29を備える。ケース28の上部及び口金部材29は、所定の規格寸法の口金部30を形成している。この口金部30はGH76p形の口金である。
【0019】
ケース28は、電気絶縁性を有する合成樹脂で成形されている。ケース28は、端壁部31、周壁部32、筒部33、及び基板支持部37,38を有している。
【0020】
端壁部31はケース28の上壁をなしている。周壁部32は円筒状である。周壁部32は端壁部31の周縁から下方に折れ曲がっている。ケース28の軸方向一端の開口28a(
図4参照)が、周壁部32の下端をなす先端に形成されている。筒部33は周壁部32より小径である。この筒部33は、端壁部31から周壁部32とは反対方向、つまり、上方向に突出されている。
【0021】
基板支持部37,38は、端壁部31と開口28aとの間に設けられている。具体的には、基板支持部37が、端壁部31と周壁部32とが形成する角部の内側に設けられている。この基板支持部37は環状の座面で形成されている。基板支持部37の内側に基板支持部38が設けられている。基板支持部38は端壁部31の中央から下方向に折れ曲がった円筒状の壁部で形成されている。好ましい例として、基板支持部38の一部に、
図4に示すように電線を通すための溝39が形成されている。この基板支持部38の下端をなす先端と、基板支持部37をなす座面とは、同じ高さに位置されている。
【0022】
ケース28の軸方向他端部、つまり、上部に位置された端壁部31の中央に孔34が開口されている。この孔34は、円形状で、基板支持部38で囲まれている。なお、孔34と基板支持部38とは別々に設けてもよい。つまり、孔34と基板支持部38とは、互いの径は異なるが、互いの中心が一致している同心的な関係が成立する配置に夫々設けることが可能である。
【0023】
図4に示すようにケース28の端壁部31に、複数のねじ通孔35(一個のみ図示)と、一対のピン通孔36(一方のみ図示)が開けられている。ねじ通孔35は孔34に寄せて設けられ、ピン通孔36は周壁部32に寄せて設けられている。
【0024】
図4に示すようにケース28の周壁部32に、複数の支え部40と、複数の取付け溝41と、凹凸部32aが形成されている。
【0025】
各支え部40は、反射部材24を支えるために周壁部32の内周面に設けられている。一つの支え部40は、反射部材24の回り止めをするリブ40aを有している。各取付け溝41は、開口28aの近傍に設けられている。凹凸部32aは、周壁部32の上部外周面に設けられている。この凹凸部32aによって周壁部32の表面積が増やされている。
【0026】
口金部材29は、例えば金属、セラミックス、或いは熱伝導性に優れた樹脂等で形成されている。実施例1の口金部材29はアルミダイキャスト製である。口金部材29は、ベース部29aとこの下面に一体に突出された突部46を有している。
【0027】
ベース部29aは円板状であり、その直径はケース28の筒部33の直径よりわずかに大きい。それにより、
図3に示すようにベース部29aは、筒部33を覆って、ベース部29aの周部が筒部33の外周面から側方に突出されるように設けられている。
【0028】
図4に示すように口金部材29の下面でかつ突部46の周りに複数の取付け孔45が形成されている。これら取付け孔45の夫々にねじ44がねじ通孔35を通ってねじ込まれる。これらねじ44のねじ込みによって、ケース28にその上方から口金部材29が取付けられている。
【0029】
突部46の先端面は、端部壁31よりも下方に位置されていて、例えば基板支持部37をなす座面及び基板支持部38の先端と、同じ高さである。突部46の先端面は、モジュール用の取付け面をなしていて、平坦である。この取付け面の形状及び面積は、発光モジュール23の形状及び面積に対応している。
【0030】
突部46に、モジュール固定用の取付け穴48が突部46の先端面(取付け面)に開放して複数設けられている。
図3及び
図5に示すように突部46の先端面はシート57で覆われている。
【0031】
このシート57は、熱伝導性に優れた材料、例えばシリコーン樹脂シートで作られている。この他、例えばアルミニウム、錫、亜鉛等の金属の箔でシート57を形成しても良い。シート57が金属箔製の場合は、シリコーン樹脂シートに比較して、熱による劣化が起こり難く、長期にわたって熱伝導性能を維持できる。シート57は、取付け穴48に対向する孔(図示しない)を有している。なお、シート57は省略することが可能である。
【0032】
突部46の外形寸法は孔34より小さい。この突部46のベース部29aからの高さ(突出寸法)は、少なくとも発光モジュール23がケース28の孔34に挿入される寸法に設定されている。実施例1では突部46の先端面46a(
図3及び
図5参照)が孔34の下端に略達するように突部46が孔34に挿入されている。
【0033】
口金部材29の周部に、複数の切欠50と複数のキー51とが、口金部材29の周方向に等間に形成されている。複数の切欠50はキー51間に形成されている。キー51はベース部29aの周縁より外側に突出されている。実施例1では、キー51及び切欠50は夫々3個ずつ設けられているが、2個ずつであっても、4個ずつであって、或いはそれ以上であってもよい。
【0034】
熱伝導用のシート22は、口金部材29のベース部29aの上面(背面)に取付けられている。シート22は、ランプ14が器具本体12に取付けられた状態で、ランプ14から器具本体12に、ランプ14の熱を効率よく伝えるために用いられている。
【0035】
シート22は、多角形例えば
図2に示すように六角形であるが、円形であってもよい。このシート22は、例えばシリコーン樹脂製のシート本体とこれに積層された金属箔との二層構造をなしている。シート本体は、弾性を有していて、ベース部29aに接着剤を用いて貼り付けられている。金属箔は、アルミニウム、錫、亜鉛等からなる。この金属箔の表面の摩擦抵抗は、シート本体に比較して小さい。
【0036】
発光モジュール23は、基板53、発光部54、電気コネクタ55、レジスト層59(
図5参照)、を備えている。
【0037】
基板53の熱伝導性は後述の回路基板77の熱伝導性より優れている。こうした性能を得るために、実施例1の基板53は、
図5に示すように金属ベース53aの一面に絶縁層53bを積層して形成されている。
【0038】
金属ベース53aは、例えば鉄、銅、又はアルミニウム等で作られる。絶縁層53bは、金属ベース53aより薄く、例えば電気絶縁性を有する合成樹脂製で作られる。なお、こうした金属ベース53aを有した基板に代えて、熱伝導性に優れたセラミックスの平板で基板53を形成することも可能である。絶縁層53bの表面は基板53の素子実装面53cを形成している。この素子実装面53cに金属箔からなる配線パターン56(
図5参照)が形成されている。
【0039】
発光部54は、基板53に実装されていて、基板53より小さい。発光部54は例えばCOB(Chip On Board)形の光源で形成されている。この発光部54は、半導体製の複数の発光素子54a、複数のボンディングワイヤ54b、枠部材54c、及び封止部材54d等を有している。
【0040】
各発光素子54aには例えばLED(発光ダイオード)が用いられている。実施例1では、発光素子54aに、青色の光を発するベアチップ、すなわち、青色LEDが使用されている。これら発光素子54aは、基板53の絶縁層53b上、つまり、素子実装面53cにダイボンドされている。
【0041】
ボンディングワイヤ54bには、金属細線、例えば金の細線線が用いられている。これらボンディングワイヤ54bは、各発光素子54aを電気的に直列接続してワイヤボンディングされている。これと共に、直列接続された発光素子列の両端と配線パターン56とが、ボンディングワイヤ54bによって電気的に接続されている。
【0042】
枠部材54cは、電気絶縁性を有する合成樹脂製で、絶縁層53b上に形成されている。この枠部材54cの内側に、各発光素子54a及び各ボンディングワイヤ54bが収容されている。封止部材54dは、各発光素子54a及び各ボンディングワイヤ54bを封止するために、これらを埋めて枠部材54cの内側に充填されている。この封止部材54dは透光性の合成樹脂、例えば透明シリコーン樹脂等からなる。封止部材54dの表面は、発光部54の光が出射される発光面54eを形成している。
【0043】
封止部材54dに蛍光体が混ぜられている。蛍光体は、発光素子54aが発した光の一部によって励起されて、発光素子54aが発した光とは異なる色の光を放射する。発光面54eから白色系の照明光を出射させるために、青色LEDが発した青色光の一部で励起されて黄色の光を放射する蛍光体が用いられている。
【0044】
なお、COB形の発光部54に代えて、SMD(Surface Mount Device)の発光部を用いることも可能である。SMD形の発光部は、基板53上に実装された複数個のSMDパッケージにより形成される。SMDパッケージは、ベアチップからなるLEDと実装用の接続端子を有している。
【0045】
レジスト層59は、電気絶縁性で、発光部54の外部で基板53の素子実装面53c及び配線パターン56を覆っている。電気コネクタ55は発光部54の外側で基板53上に配設されている。この電気コネクタ55と配線パターン23aとは電気的に接続されている。
【0046】
発光モジュール23は、これを通って複数の取付け穴48にねじ込まれた複数のねじ58(
図4参照)によって、突部46に固定されている。これにより、シート57が、突部46の先端面と基板53の裏面をなす金属ベース53aとで挟まれている。したがって、基板53から口金部材29の突部46への良好な熱伝導が可能な状態に、発光モジュール23が突部46上に配置されている。なお、ねじ止めに代えて、接着剤を用いて突部46の先端面に発光モジュール23の基板53を接着することも可能である。
【0047】
反射部材24は、電気絶縁性を有する合成樹脂で一体に成形された反射筒部68及びフランジ部69と、反射面70とを有している。
【0048】
反射筒部68は、その上端に小径開口を有し、下端に大径開口を有している。反射筒部68の中心軸線と直交する方向の断面は円形である。反射筒部68は、小径開口から大径開口に向けて次第に径が広がったテーパ形状をなしている。つまり、反射筒部68は段階的又は連続的に大径開口側ほど径が広がっている。段階的なテーパ形状とは、径が異なる複数の部位が連続している形状である。反射筒部68の径が連続的に広がる態様は、
図3の例に限らず、反射筒部68がその内側に突出するような湾曲して径が拡大する態様も含んでいる。
【0049】
反射筒部68の小径端部68aは小径開口を囲んでいる。この小径端部68aは、発光モジュール23の発光部54を収容できる大きさである。小径端部68aは、ケース28の孔34より小径である。小径端部68aは、口金部材29の突部46の形状より小さい。更に、小径端部68aの外周に環状突起68cが形成されている。この環状突起68cは、回路基板77の中心孔79の縁に、実装面77a側から接している。
【0050】
反射筒部68の大径端部68bは大径開口を囲んでいる。この大径端部68bは孔34より大径である。
【0051】
フランジ部69は、大径端部68bから折れ曲がっている。フランジ部69の周部に、複数の保持爪75が形成されている。これら保持爪75はケース28の各支え部40に係合される。それにより、フランジ部69がケース28の開口縁部から外れないように支えられる。一つの保持爪75は、一つに支え部40のリブ40aに嵌る。それにより、反射部材67がケース28に回転止めされている。
【0052】
反射面70は、反射筒部68の内周面とフランジ部69の下面(表面)とにわたり連続して設けられている。反射面70は、光反射率の高い白色の層や鏡面からなる。鏡面からなる反射面70は、アルミニウム等を蒸着すること形成できる。この場合、フランジ部69の外周部をマスキングして、この外周部を非蒸着部とすることにより、外周部での電気絶縁性を向上することが可能である。
【0053】
反射部材24がケース28に取付けられた状態で、小径端部68aは突部46の先端面に接するように位置されている。これにより、発光モジュール23は、反射筒部68内にこの筒部の小径開口を通って収容されている。
【0054】
点灯装置25は、回路基板77及びこれに実装された複数の回路部品78を備えている。これら回路基板77及び回路部品78によって、例えば整流回路及びDC/DCコンバータ等を備えた電源回路が構成されている。整流回路は、商用交流電源の電圧を整流しかつ平滑する回路である。DC/DCコンバータは、スイッチング素子を有し、この素子のスイッチングで数kHz〜数百kHzの高周波を生成する。それによって、点灯装置25は、定電流の直流電力を出力する。
【0055】
回路基板77の板部は電気絶縁性を有した合成樹脂製である。このため、回路基板77の材料コストは、発光モジュール23の基板53より安価である。回路基板77は、板部の一面に形成された回路パターン面77bを有している。
【0056】
回路基板77はその中央部に中心孔79を有している。この中心孔79に臨んで切欠部80が回路基板77に形成されている。切欠部80はケース28の溝39に対応して設けられている。
【0057】
中心孔79及び回路基板77の外周形状は共に円形である。中心孔79は、ケース28の孔34と同径である。したがって、中心孔79の形状は、突部46の形状より大きく、当然に発光モジュール23よりも大きい。中心孔79の内側に反射筒部68の小径端部68aが入り込んでいる。
【0058】
回路基板77の回路パターン面77bと反対側の面は実装面77aである。この実装面77aに、棒状のリードを有したディスクリート部品(回路部品78)が配設されている。これらディスクリート部品のリードは回路パターン面77bから突出されている。これらのリードは回路パターン面77bに半田付けされている。
【0059】
回路部品78のうちで以下の部品のうちの少なくとも一つ、好ましくは全てが、回路基板77の外周寄りに配設されている。回路基板77からの突出高さが高い回路部品、発熱量が大きい回路部品、及び熱に弱い電解コンデンサなどの回路部品。
【0060】
実装面77aに図示しない電気コネクタが実装されている。このコネクタは、切欠部80の近傍位置に配設されている。これとともに、電気コネクタは、コネクタ付きの電線Cを経由して発光モジュール23の電気コネクタ55に電気的に接続される。
【0061】
点灯装置25は、その回路パターン面77bをケース28の端壁部31に対向させてケース28に収容されている。点灯装置25の回路基板77の外周部は、基板支持部37に支持されている。回路基板77の内周部は基板支持部37に支持されている。回路基板77は図示しないねじによりケース28に固定されている。回路基板77は端壁部31と平行に配置されている。
【0062】
ケース28に固定された回路基板77の実装面77aは、突部46の先端よりケース28の開口28aに近付けられている。更に、実装面77aの高さ位置と、発光モジュール23の基板53の素子実装面53cとは同じ高さである。ここで、高さが同じとは、光源モジュール23と回路基板77の厚み寸法の合計した寸法である。更に、高さが同じとは、上下方向にずれた範囲を許容する。
【0063】
実装面77aに実装された回路部品78は、ケース28の周壁部32と反射部材67と回路基板77とで囲まれたケース28内の空間に配置されている。
【0064】
複数のランプピン81が、ケース28の各ピン通孔36に圧入してケース28に取付けられている。これらランプピン81はケース28の上方に垂直に突出されている。つまり、ランプピン81は、端壁部31の上面から垂直に突出されている。ランプピン81は回路基板77に電気的に図示しないリード線を用いて接続されている。なお、リード線を用いることに代えて、ランプピン81を回路基板77に対して起立するように直接取付けて、このランプピン81をケース28の端壁部31に貫通させることも可能である。
【0065】
照明カバー26は、透光性及び光拡散性を有した合成樹脂がガラス等の材料で円板状に形成されている。照明カバー26はその周部に嵌込み部84を有している。嵌込み部84はケース28の周壁部32の内周に嵌め込まれる。嵌込み部84に複数の係止爪85が形成されている。これら係止爪85は、周壁部32の各取付け溝41に係止される。
【0066】
各係止爪85が各取付け溝41に係止された状態で、嵌込み部84と各支え部40とが、反射部材67の各保持爪75を挟み込む。それにより、反射部材24が保持されている。なお、ケース28の支え部40を用いずに、照明カバー26の嵌込み部84と回路基板77とで反射部材24を挟んで、この反射部材24を保持することも可能である。この場合、支え部40は補強用のリブとすることができる。
【0067】
図1等に示すように照明カバー26の下面(表面)の周部に一対の指掛け部86が突設されている。指掛け部86は器具本体12に対するランプ14の取付け操作及び取外し操作を容易にするために形成されている。指掛け部86の形状は、任意であるが、ランプ14の外観を損なわないように目立たず、かつ、配光に支障を与えないと共に、ランプ14を着脱操作する際の操作が容易な構成であることが好ましい。更に、照明カバー26の下面の周部に、器具本体12へのランプ装着位置を表示する例えば三角形のマーク87が形成されている。
【0068】
図6に示すように器具本体12は、反射体91と、放熱体92と、取付け板93と、複数の取付けばね94などを備えている。
【0069】
反射体91は金属製例えばアルミニウム合金製である。この反射体91は、下端が開口されていると共に、この開口に向けて次第に径が広げられている。反射体91の頂部に円形の開口部91aが形成されている。放熱体92も金属製例えばアルミニウム合金製である。この放熱体92は反射体91の上部に取付けられている。放熱体92は接触部92aを有している。この接触部92aは開口部91aを通じて反射体91の内部に臨んでいる。
【0070】
取付け板93も金属製例えばアルミニウム合金製である。この取付け板93は、放熱体92の上部に取付けられていて、この放熱体92の側方に突出されている。取付け板93に端子台95が取付けられている。取付けばね94は、板ばねで、屋内の天井に器具本体12を取付けるために用いられている。これら取付けばね94は放熱体92に取付けられている。
【0071】
ソケット13は、反射体91の頂部の下面に取付けられている。このソケット13は、開口部91aを囲む大きさの環状に形成されている。ソケット13に、一対の接続孔97が形成されている(
図6に一方のみ図示され、他方は放熱体92で隠されている。)。接続孔97はソケット13の周方向に延びていて、長孔状である。一対の接続孔97の内側には夫々図示しない端子が配置されている。これらの端子には端子台95を経由して商用交流電源が供給される。
【0072】
ソケット13の内周面に、複数の取付け溝98と複数の取付け突起99が、ソケット13の周方向に等間隔でかつ交互に形成されている。これら取付け溝98と取付け突起99は、器具本体12へのランプ14の取付け及び取外しを可能にするために設けられている。これら取付け溝98及び取付け突起99と、ランプ14の各キー51と切欠50とは相互に対応している。
【0073】
取付け溝98にキー51を係合させるとともに、取付け突起99に切欠50を係合させることで、ソケット13にランプ14が取付けられている。取付け突起99に切欠50を係合させるには、器具本体12に挿入されたランプ14を一方向に回動させればよい。切欠50から取付け突起99の係合を外すには、ランプ14を取付けるときとは逆方向にランプ14を回動させればよい。
【0074】
ランプ14を組立てる手順を説明する。
【0075】
口金部材29のベース部29aの上面にシート22を取付ける。又、口金部材29の突部46の先端面をシート57で覆い、更に、このシート57を挟んで発光モジュール23を突部46にねじ止めする。発光モジュール23の電気コネクタ55に、電線Cを接続する。この電線Cをケース28の孔34に通してケース28内に導く。この状態で、ケース28の上部に口金部材29をねじ止めする。
【0076】
この後、ケース28にランプピン81を圧入して、ケース28内に点灯装置25を収容する。このとき、ケース28内への点灯装置25の収容に際して、電線Cをケース28の溝39に通すとともに、この電線Cを回路基板77の電気コネクタに接続する。これとともに、点灯装置25の回路基板77の外周部をケース28の基板支え部37に嵌め込んで支持させ、回路基板77の内周部をケース28の基板支え部38に接触させて支持させる。
【0077】
次に、ケース28内にこのケース28の開口28aを通して反射部材24を収容する。このとき、反射筒部68の小径端部68aが、回路基板77の中心孔79に挿入される。それにより、ケース28の孔34に挿入されている口金部材29の突部46の先端面周部に、小径端部68aが接触若しくは近接されている。これと共に、小径端部68aの内側に発光モジュール23が収容される。しかも、反射部材67の保持爪75が、ケース28の支え部40に対向する。
【0078】
この状態で、照明カバー26をケース28の開口28aに嵌めて、この照明カバー26の係止爪85をケース28の取付け溝41に係止させる。これに伴い、照明カバー26の嵌込み部84が反射部材67の保持爪75に接して、この嵌込み部84が支え部40に押付けられる。それにより、保持爪75が、嵌込み部84と支え部40とで挟まれる。これと共に、反射部材67の基板押え部74が回路基板77を基板支え部37,38に押付ける。これにより、回路基板77が基板押え部74と基板支え部37,38とで挟まれる。
【0079】
したがって、ケース28に収容された点灯装置25の回路基板77と反射部材67が、ケース28に照明カバー26が取付けられることにより、ケース28と照明カバー26とで反射部材67が挟まれた状態に保持される。
【0080】
照明器具11にランプ14を支持させる手順を説明する。
【0081】
ランプ14を器具本体12の下端開口からソケット13に挿入する。即ち、ランプ14の口金部材29をソケット13の内側に挿入する。それにより、口金部材29の各切欠50がソケット13の各取付け突起99に通される。同様に、口金部材29の各キー51がソケット13の各取付け溝98に通される。これとともに、ランプ14の各ランプピン81がソケット13の各接続孔97に通される。又、口金部材29に取付けられているシート22が、放熱体92の接触部92aに接触される。
【0082】
続いて、ランプ14を放熱体92に押付けた状態で、ランプ14を所定角度回転させる。この回転操作のとき、照明カバー26の下面に突出されている指掛け部86に指を引掛けることで、ランプ14を回動させることができる。したがって、ランプ14の周面と器具本体12の内周面との間に作業者の指が入るスペースが確保されなくても、ランプ14を容易に回動させることができる。
【0083】
ランプ14が所定方向に回転されることで、口金部材29の各切欠50が、ソケット13の各取付け突起99から外れて、これら取付け突起99に口金部材29の周部が引っ掛かる。これとともに、口金部材29の各キー51が各取付け溝98から外れてソケット13に引っ掛かる。したがって、ランプ14がソケット13に取付けられる。
【0084】
更に、こうしたランプ14の取付けに伴い、ランプ14の各ランプピン81が、ソケット13の各接続孔97内を移動する。それにより、各接続孔97内に配置されている各端子にランプピン81が接触されるので、ランプ14は給電可能な状態に接続される。
【0085】
以上のようにランプ14がソケット13に支持されると、ランプ14の口金部材29のベース部29aが、このベース部29aに接着されているシート22を介して放熱体92に接触部92aに密接された状態に保持される。このため、ランプ14への給電により発光素子54aが発光に伴って発する熱を、シート57、突部46、ベース部29a,及びシート22を伝導させて、器具本体12に効率よく放出することが可能である。
【0086】
ランプ14を器具本体12から外すには、まず、ランプ14を器具本体12への取付け時と逆方向に回転させる。これに伴い、口金部材29の各キー51がソケット13の各取付け突起99上を移動される。これとともに、口金部材29の各キー51がソケット13の各取付け溝98から外れる位置に移動される。続いて、ランプ14を下方へ移動させる。これに伴い、各ランプピン81がソケット13の各接続孔97から外れる。これと共に、口金部材29の各切欠50がソケット13の各取付け突起99から外れ、口金部材29の各キー51がソケット13の各取付け溝98から外れる。更に、口金部材29がソケット13の内側から外れて、ランプ14がソケット13から取出される。
【0087】
次に、ランプ14の点灯と放熱について説明する。
【0088】
電源は、電源線から端子台95、ソケット13の端子、及びランプ14のランプピン81を通じて、点灯装置25に供給される。これにより、点灯装置25から発光モジュール23の各発光素子54aに点灯用の直流出力が供給されて、各発光素子54aが発光(点灯)される。したがって、発光モジュール23の発光面54eから白色系の照明光が、下方に向けて出射される。この照明光は、反射筒部68の内側を進行し、照明カバー26を透過して器具本体12の下方に出射される。
【0089】
発光面54eから出射された照明光のうちで、反射筒部68の反射面70に入射された光は、この反射面70で下方に反射されて照明カバー26を透過する。なお、反射筒部68の大径開口より外側で照明カバー26の内面で上方に反射された光は、反射部材24のフランジ部69の表面で照明カバー26に向けて反射される。
【0090】
以上のように発光モジュール23から出射された照明光は、ケース28の下端開口に向けて反射部材24で反射される。反射部材24での反射ロスが以下のように防止されるので、ランプ14からその下方への光の取出し効率を向上することが可能である。
【0091】
即ち、口金部材29が有した突部46の先端部は、ケース28の孔34に挿入されていて、この突部46の先端面に発光モジュール23が取付けられている。これにより、発光モジュール23は、口金部材29のベース部29aからケース28の開口28aに向けて遠ざかって突出している。言い換えれば、発光モジュール23の発光面54eは、反射筒部68の小径開口と大径開口との間に配設されていて、反射筒部68の出射口をなす大径開口に近付けられている。したがって、発光モジュール23から出射された光の取出し効率が向上される。
【0092】
これと共に、反射筒部68の小径端部68aは、発光モジュール23を囲んでいる。しかし、小径端部68aは、ケース28の孔34に挿入されてなく、突部46の先端面に略達している。しかも、反射筒部68はその小径端部68aを起点として径が拡大している。これにより、発光面54eから出射されて、反射筒部68の斜状の内面に入射した照明光を、この反射筒部68に出射口をなす大径開口に向けて確実に反射させることが可能である。それにより、発光モジュール23から出射された光の取出し効率が向上される。
【0093】
なお、反射筒部68がケース28の孔34を貫通した構成(比較例)では、孔34と口金部材29のベース部29aとの間に配置される反射部材24の筒状端部は、略真っ直ぐな筒構造となる。この略真っ直ぐな筒状端部の内面に入射された照明光は、反射筒部68の出射口に向けて反射され難い。このため、比較例での光の取出し効率は実施例1よりも低い。
【0094】
又、反射筒部68の小径端部68aの直径は、前記比較例での筒状端部の直径より大きい。小径端部68aは所定の大きさの発光モジュール23を収容している。このため、反射筒部68を大径とすることなく、小径端部68aの内側に発光モジュール23を収容できる。これにより、ランプ14の径を大きくしないで済む利点がある。
【0095】
これに対して、反射筒部がケース28の孔34を貫通する既述の比較例では、筒状端部の先端開口が口金部材29のベース部29aの間近に近付けられていて、この先端開口内に所定の大きさの発光モジュールが収容される。このため、反射筒部を大径にすることが必要であり、反射部材が大形となる。これに伴い、ランプ14が大形となる。
【0096】
ランプ1の点灯中、発光モジュール23が有した各発光素子54aは熱を発する。金属ベース53aを有した基板53は、金属製の口金部材29の突部46に熱伝導可能に接続されている、このため、各発光素子54aの熱は、主としてシート57を通して突部46に効率よく伝導される。更に、突部46の熱は、突部46より広いベース部29aで広げられて、シート22を経由して、このシート22が密接された器具本体12の放熱体92に伝導される。放熱体92の熱は、この放熱体92が有した放熱フィン92aから空気中に放出される。
【0097】
こうした放熱により、発光素子54aの温度上昇が抑制される。したがって、発光素子54aの寿命低下や発光効率の低下等を抑制することが可能である。
【0098】
なお、ランプ14から放熱体92に伝導された熱の一部は、器具本体12、複数の取付けばね94、及び取付け板93にも夫々伝導されて、空気中に放出される。点灯装置25が発する熱は、ケース28及び照明カバー26に伝わり、これらケース28及び照明カバー26から空気中に放出される。