特許第5656004号(P5656004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656004
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】光源点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-184288(P2010-184288)
(22)【出願日】2010年8月19日
(65)【公開番号】特開2012-43657(P2012-43657A)
(43)【公開日】2012年3月1日
【審査請求日】2013年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078020
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】岩井 直子
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 征彦
(72)【発明者】
【氏名】笹井 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−171480(JP,A)
【文献】 特開2009−271414(JP,A)
【文献】 特開2009−021241(JP,A)
【文献】 特開2004−163527(JP,A)
【文献】 特開2005−294821(JP,A)
【文献】 特開2007−080819(JP,A)
【文献】 特開2006−318773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を供給する共通の電源装置と;
それぞれインダクタおよびスイッチング素子を備え、共通の電源装置からインダクタに流入する増加電流をスイッチング素子のオン時に制御し、少なくともスイッチング素子のオフ時にインダクタから流出する減少電流で複数種の光源を点灯する複数nの点灯回路と;
各点灯回路のスイッチング素子のスイッチング周期Tを等しくして、スイッチング周期Tに対して各点灯回路のスイッチング素子のオン可能な位相期間をT/n順次ずらして割り当てており、各点灯回路のスイッチング素子のオン期間を多様な組み合わせで可調整とするとともに、スイッチングの一周期T中に電源装置から各点灯回路のインダクタに流入する増加電流のオンデューティの最大値の合計が100%以下となって時間に対して互いに重ならない範囲で複数種の光源の発光量および混光色を調節可能に制御する制御手段と;
を具備していることを特徴とする光源点灯装置。
【請求項2】
照明装置本体と;
照明装置本体に配設された複数種の光源と;
複数種の光源を発光量および混光色を調節可能に点灯する請求項1記載の光源点灯装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を点灯する光源点灯装置およびこれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発光色の異なる複数種の光源を備えていて、加法混光を利用してそれらの発光を混光することにより、複数種の光源固有の光色のいずれとも相違する新たな光色の照明光を得ることができる。複数種の光源をそれぞれ別異に制御をして混光による光色を変化させるためには、それぞれの種類の光源を独立した点灯回路で点灯させる必要がある。また、複数の光源を備えていて、特定の光源の発光を点滅したり、または発光量を加減したりして、照明の態様を変化させることができる。この態様においては使用する光源の発光色が一種であってもよい。
【0003】
一方、光源を可制御に点灯する点灯回路としてチョッパ回路を採用することができる。チョッパ回路には、昇圧チョッパ、降圧チョッパおよび昇降圧チョッパなどがあることが知られている。これらのチョッパは、そのいずれもスイッチング素子およびインダクタを備えている点で共通している。そして、チョッパの出力端に接続する負荷は、少なくともスイッチング素子のオフ時にインダクタから流出する減少電流で付勢される。なお、チョッパによってはスイッチング素子のオン時にインダクタに流れる増加電流と減少電流の両方で付勢される。
【0004】
複数の光源それぞれを個別に制御して点灯する場合、複数の点灯回路を共通の電源回路に並列接続して、複数の点灯回路をその位相をずらして動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−302008号公報
【特許文献2】特開2009−277506号公報
【特許文献3】特許第3304894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、光源の点灯回路の複数を共通の電源回路に並列接続する場合、複数の点灯回路をその位相をずらして動作させるにしても、電源回路の電源供給能力を最小化することは行われていなかった。
【0007】
本発明は、光源を点灯する複数の点灯回路が並列接続する共通の電源装置の電源供給能力を最小化して小形化およびコスト低減を図った光源点灯装置およびこれを備えた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、光源点灯装置は、複数nの点灯回路と、共通の電源装置と、制御手段とを具備している。複数nの点灯回路は、それぞれインダクタおよびスイッチング素子を備えたチョッパ回路を含んでいるとともに、チョッパ回路のスイッチング素子はそのオン時に共通の電源装置からインダクタに流入する増加電流を制御し、少なくとも上記スイッチング素子のオフ時にインダクタから流出する減少電流で複数種の光源を点灯するように構成される。共通の電源装置は、複数の点灯回路に対してそれぞれ直流電力を供給するので、各点灯回路に対して時間をずらして出力電流を供給する電源装置として作動する。制御手段は、(1)各点灯回路のスイッチング素子のスイッチング周期Tを等しくする、(2)スイッチング周期Tに対して各点灯回路のスイッチング素子のオン可能な位相期間をT/n順次ずらして割り当てる、かつ(3)共通の電源装置から供給されて各点灯回路のインダクタに流れる増加電流を制御するスイッチング素子の一周期におけるオンデューティの最大値の合計が100%以下となって増加電流が時間に対して互いに重ならない範囲で各点灯回路のスイッチング素子のオン時間を可調整とすることで、複数の光源を可調整に制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の点灯回路が複数の光源を最大出力で点灯する状態であっても共通の電源装置の電源供給能力が1つの点灯回路を連続して付勢するのに必要な値以下となるので、比較的小さな電源容量を備えていればよいばかりでなく、複数の光源をそれぞれ可調整とすることができるとともに、小形化およびコスト低減を図った光源点灯装置およびこれを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の光源点灯装置の一実施形態を示すブロック回路図である。
図2】同じく点灯回路の例を示す回路図である。
図3】同じく電圧電流波形図である。
図4】同じく深調光時における点灯回路の出力電圧を示す波形図である。
図5】本発明の照明器具の一実施形態を示す概略断面線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して本発明の光源点灯装置OCの一実施形態を説明する。本実施形態によれば、光源点灯装置OCは、複数の点灯回路CHC1〜CHCn、共通の電源装置DCSおよび制御手段CCを具備している。
【0012】
複数の点灯回路CHC1〜CHCnは、複数の光源LS1LSnをそれぞれ点灯するものである。
【0013】
また、複数の点灯回路CHC1〜CHCnは、それぞれ以下の構成を備えている。すなわち、それぞれ後述するインダクタ、スイッチング素子およびイオードを含んでいる。インダクタは、スイッチング素子のオン時にそこに共通の電源装置DCSから出力する増加電流が流れることにより電磁エネルギーを一時的に蓄積する。そして、スイッチング素子がオフして上記増加電流が流れなくなったときに、蓄積していた電磁エネルギーを放出してインダクタから減少電流が流出する。スイッチング素子は、後述する制御手段CCによりそのスイッチングが他の点灯回路を含めて全体として統合的に制御される。イオードは、少なくともインダクタから流出した減少電流を負荷の光源LSへ流して当該光源LSを点灯するための電流経路を提供する。
【0014】
さらに、複数の点灯回路CHC1〜CHCnは、その数を2以上の整数nとする複数であるが、その数は特段限定されない。しかし、光源LS1LSnが混色を目的とする場合、整数nは2または3であるのが好ましい。また、調光を目的とする場合、整数nはどのような数であってもよい。したがって、整数nが2または3である場合には、混光および調光の両方を可能にする場合に好都合である。
【0015】
さらにまた、複数の点灯回路CHC1〜CHCnは、その他の構成として以下の手段を配設することができる。
【0016】
第1に、複数の点灯回路CHC1〜CHCnを後述する制御手段CCによって制御するために、負荷状態検出手段として負荷電圧検出手段LDV1〜LDVnおよび負荷電流検出手段LDI1〜LDInを各点灯回路CHC1〜CHCnに配設することができる。そして、図示を省略しているインターフェースを経由して負荷電圧検出手段LDV1〜LDVnおよび負荷電流検出手段LDI1〜LDInから得られた負荷状態検出データを制御手段CCに制御入力する。制御手段CCは、負荷状態検出データに基づいて点灯回路CHCのスイッチング素子のオンデューティを制御することで負荷である光源LS1LSnを所要に制御することができる。
【0017】
第2に、点灯回路CHCのスイッチング素子を駆動するために、図示を省略している駆動信号発生回路を配設することができる。そして、制御手段CCから出力される駆動用の制御信号に応じて駆動信号を発生してスイッチング素子を、その制御極に入力してオンさせる。
【0018】
次に、光源LS1LSnについて説明する。光源LS1LSnは、その具体的な構成が限定されない。例えば、LED、蛍光ランプ、高圧放電ランプおよび白熱電球など既知の光源を適宜選択して用いることができる。また、その場合、複数種の光源を用いることも許容される。なお、光源の特性に応じて直流点灯でもよいし交流点灯でもよい。交流点灯の場合には、点灯回路出力側に、さらにインバータを付設して直流−交流変換を行うように構成することが許容される。
【0019】
また、光源LS1〜LSn図1に示すようにLEDの場合、点灯回路CHC1〜CHCn直流出力を直接光源LS1〜 LSnに印加してこれを直流点灯できるので、本実施形態においてLEDは好適な光源である。この場合、複数の発光ダイオード素子を直列接続または直並列接続するなどによって集合的にまたは分散的に配置して単一の光源として作用させることが許容されるのはいうまでもない。
【0020】
共通の電源装置DCSは、複数の点灯回路CHC1〜CHCnに対して共通に電源すなわち直流入力電力を供給する
【0021】
また、共通の電源装置DCSは、交流電源ACの交流電力を直流に変換してこれを構成する場合整流回路手段を具備する。そして、所望により平滑回路手段を付設することができる。電池などの直流電源を用いてこれを構成する場合には、点灯回路CHCの要求する直流電圧を出力するために、必要に応じて例えば昇圧または降圧回路手段などの付加的な構成を具備することが許容される。しかし、点灯回路CHCにおいて、所望の昇圧または降圧を行うことできる。
【0022】
制御手段CCは、複数の点灯回路CHC1〜CHCnの全体を統合して以下の少なくともつの制御態様の下で制御する。
【0023】
第1に、複数の点灯回路CHC1〜CHCnのスイッチング素子等しいスイッチング周期Tでスイッチングさせる。このスイッチング周期Tは、固定されていてもよいが、都合により可変であってもよい。
【0024】
第2に、複数の点灯回路CHC1〜CHCnの数を2以上の整数nとすると、位相期間を順次T/nずらしてスイッチングさせる。したがって、1周期TのT/nの期間が各点灯回路CHC1〜CHCnに対して作動可能な期間として割り当てられる。
【0025】
第3に、複数の点灯回路CHC1〜CHCnのスイッチング素子オン期間を可調整にして共通の電源装置DCSから入力する増加電流を制御する。すなわち、制御手段CCは、複数の点灯回路CHC1〜CHCnを統合的にまたは個別に制御するように構成することができる。例えば、2つの点灯回路CHC1〜CHC2が色温度の異なる2種の光源を点灯して混光が行われる場合、一方の光源の発光量を増加するとき、これに同期して他方の光源の発光量が減少するように構成すれば、混光の色温度を変化させることができる。この場合、色温度を段階的または連続的に変化するように構成することが可能である。また、所望の温度を維持した状態において、混光の発光量を段階的または連続的に変化するように構成することも可能である。
【0026】
第4に、複数の点灯回路CHC1〜CHCnのスイッチング素子オンデューティの最大値の合計が100(%)以下になるように制限するそして、100%の上限以下の範囲内で各点灯回路CHC1〜CHCnのスイッチング素子それぞれデューティ制御することができるように構成する
【0027】
なお、点灯回路CHCの数nが2の場合には、各点灯回路CHCのオンデューティの最大値が均等で100/n=50%であっても実際上支障ない。しかし、例えば点灯回路CHCの数nが3以上の場合には、課調整範囲が小さくなりやすいので、これをなるべく大きく確保するために、全部の点灯回路CHC1〜CHCnのオンデューティの合計値が100%になるのであれば、1つの点灯回路CHCのオンデューティの最大値が100/3(%)を超えていてもよいこととする。この場合であっても、全部の点灯回路CHCの1周期におけるオンデューティの最大値の平均値が100/n(%)になる。したがって、電源装置DCSの電源供給能力が1つの点灯回路CHCを連続して付勢するのに必要な値であっても実質的に問題が低減し、実用上問題はなくなる。
【0028】
また、制御手段CCは、以上の制御を行うために共通の制御素子を用いるのが好ましい。例えば、MPU(マイクロプロセッサー・ユニット)を制御素子として利用することができる。
【0029】
次に、図2を参照して点灯回路CHCの一例についてその基本回路を具体的に説明する。なお、図において、図1と同一符号には同一部分を示している。すなわち、点灯回路CHCは、降圧チョッパであり、スイッチング素子Q、インダクタLおよび出力コンデンサCの直列回路を共通の電源装置DCSの出力端に接続し、ダイオードDをインダクタLおよび出力コンデンサCの直列部分と並列に接続している。なお、負荷の光源LSが出力コンデンサCに並列接続している。
【0030】
点灯回路CHCの動作を簡単に説明すると、次のとおりである。スイッチング素子Qがオンすると、出力コンデンサCおよび光源LSの並列回路を経由してインダクタLに増加電流が流れる。共通の電源装置DCSから出力する増加電流が所定値に達すると、スイッチング素子Qがオフする。これによりインダクタLに蓄積されていた電磁エネルギーが放出されて出力コンデンサCおよび光源LSの並列回路とダイオードDを経由して閉回路内を減少電流が流れる。その結果、増加電流および減少電流が時間的に連続して光源LSに流れることにより、その間光源LSが連続して点灯する。
【0031】
図3は、本発明の上記実施形態における電圧電流波形図であり、2つの点灯回路CHC1、CHC2が共通の電源装置DCSの出力端に並列接続した場合におけるものである。
【0032】
図において、(a)は一方の点灯回路CHC1のスイッチング素子QがオンしているときのインダクタLの電圧V1の波形、(b)は同じくインダクタLに流れる増加電流I1の波形である。また、(c)は他方の点灯回路CHC2のスイッチング素子QがオンしているときのインダクタLの電圧V2の波形、(d)は同じくインダクタLに流れる増加電流I2の波形である。(b)および(d)における点線の部分は、スイッチング素子Qのオフ時にインダクタLから流出する減少電流I1、I2である。(e)は共通の電源装置DCSの出力電流Iの波形であり、2つの点灯回路CHC1、CHC2に流れる増加電流I1、I2が時間的に重なることなしに流れることが理解できる。
【0033】
上記の理由を説明する。すなわち、図3の(a)および(c)において、符号Tはスイッチング素子Qのスイッチング周期を示している。図から理解できるように、2つの点灯回路CHC1とCHC2とのスイッチング素子Qのスイッチング周期の位相がT/2ずれているとともに、2つの点灯回路CHC1、CHC2の最大デューティ比が図示のように50%の状態に規制されているからである。このため、電源装置DCSから見ると、単一の点灯回路CHCの最大デューティ比の増加電流Iが連続した出力電流Iを出力できればよいので、単一の負荷が接続している場合に必要な電源容量を有していればよいことになる。なお、上記回路動作は、スイッチング周波数が特段限定されないが、例えば20kHz以上、好ましくは40kHz以上である。
【0034】
また、図1において、光源LS1、LS2は、前述のように少なくともそれぞれの点灯回路CHC1、CHC2のインダクタLから流出する減少電流で点灯する。この減少電流は、それぞれの点灯回路CHC1、CHC2のスイッチング素子Qがオフしている期間中に流れる。したがって、スイッチング素子Qは、そのオン時に電源装置DCSからの出力電流を点灯回路CHC内へ増加電流として導入するために主として機能していることが理解できる。一方、光源LS1、LS2は、そこに電流が流れることによって点灯するので、点灯回路CHCが減少電流だけでなく、図3に示すように減少電流に加えて増加電流も光源LS1、LS2に連続して流れるように構成されている場合には、スイッチング素子Qのオンと直接関係することなく複数の光源LS1、LS2が同時にほぼ連続して点灯する態様となる。
【0035】
さらに、2つの点灯回路CHC1、CHC2が並列接続する態様では、デューティ比0〜50%の範囲内で光源LS1、LS2を調光することができる。なお、調光中における電源装置DCSからの出力は、最大デューティ比のときより小さくなるので、上記電源容量を有していれば実際上問題はない。
【0036】
しかし、デューティ比が10%未満になると、LEDなどの光源LS1、LS2に明るさのちらつきが生じやすくなるので、全光時を100%とする調光度10%以下の深調光時には、上述のデューティ制御による調光に加えて図4に示すPWM制御を併せて実施するのが好ましい。図4は光源LS1、LS2に印加する電圧波形列を示していて、PWM制御は、図3に示すスイッチング周波数より1桁ないし2桁程度低い周波数で点灯回路CHCの出力電圧の光源LS1、LS2に対する印加期間を間欠的に制御する深調光に好適な調光手法である。そして、調光度に応じてPWM制御の1周期TPWMのうちの電圧印加期間t1、t2の割合を変化させると、光源LS1、LS2の発光量すなわち調光度が変化する。なお、図4において、左側は相対的に調光度が小さい例、右側は調光度が大きい例を示している。
【0037】
図5を参照して本発明の照明器具の一実施形態を説明する。本実施形態において、照明器具LFは、光源点灯装置OC、複数、例えば2つの光源LS1、LS2および照明器具本体10を具備している。
【0038】
光源点灯装置OCは、図1ないし図4に示し、かつ以上説明した構成であり、後述する2つの光源LS1、LS2を個別に制御して点灯することができる。
【0039】
2つの光源LS1、LS2は、発光の色温度が互いに異なる。例えば、光源LS1は、発光の色温度が相対的に高くて青味のある発光を呈するLEDからなる。これに対して、光源LS2は、発光の色温度が相対的に低くて赤味のある発光を呈するLEDからなる。
【0040】
照明器具本体10は、照明器具LFから上記光源点灯装置OCおよび2つの光源LS1、LS2を除いた残余の部分からなり、基台11および透光カバー12を含んでいる。
【0041】
基台11は、天井などの取付面Sに対する取付手段、端子台などの電源導入手段(いずれも図示を省略している。)および2つの光源LS1、LS2の配設スペースなどを備えている。なお、2つの光源LS1、LS2は、それらの発光が混光しやすいように配慮して配設される。例えば、2つの光源LS1、LS2がそれぞれ複数の発光ダイオード素子から構成される場合、発光ダイオード素子は狭角配光特性を有しているので、発光ダイオード素子を混合配置することができる。例えば、2つの光源LS1、LS2がなるべく接近して配置されるよう混合配置するとともに、2つの光源LS1、LS2の全体が環状になるように配置する。
【0042】
透光カバー12は、基台11の前面側に配置された2つの光源LS1、LS2を覆うように配設され、照明器具LFとしての外観を整えるとともに、2つの光源LS1、LS2の発光の混光を良好にするように光学的に配慮することができる。例えば、所望により透光カバー12に適度の光拡散性を付与することができる。
【0043】
また、照明器具LFの利便性を高めるために、図示しないワイヤレスリモートコントロールシステムを付設することができる。この場合、照明器具本体10に受信器を配設し、手元側に送信器を配置する。そうすれば、2つの光源LS1、LS2の点滅、混光および調光の各操作が使用者の手元で送信器を操作することにより可能となる。
【0044】
上記点滅、混光および調光について以下に簡単に説明する。
【0045】
点滅は、2つの光源LS1、LS2を同時または個別に行うことができる。また、光源LS1およびLS2ごとに使用者が予め設定した明るさレベル、換言すれば予め設定された色温度で点滅できるように、制御手段CCにメモリ機能を付与して構成することができる。
【0046】
混光は、2つの光源LS1、LS2をともに点灯することにより行われ、混光によって2つの光源LS1、LS2固有の色温度に対して中間の色温度を有する照明光が得られる。混光によって照明光の色温度を調節するには、2つの光源LS1、LS2の明るさレベルの組み合わせを変化させればよい。しかし、所望により上記に加えていずれか選択した一方の光源だけを点灯するように構成することもできる。
【0047】
調光は、照明光の明るさレベルを変化させるために行われる。この場合、照明光の色温度を変えないで明るさレベルのみを調節することができる。
【0048】
以上のように混光および調光の操作が可能であることにより、照明光の色温度と明るさとを好みに応じて自在に調節することができる。例えば、照明光の青白い光は、体感温度を下げて涼しげな感じを与えるし、オレンジ系の光はリラックスして睡眠や創造的作業に適しているといわれている。また、明るい光は視認性を向上させたり感覚を高めたりし、暗めの光は落ち着いた雰囲気を作るのよいとされる。
【符号の説明】
【0049】
AC…交流電源、C…出力コンデンサ、CC…制御手段、CHC、CHC1、CHCn…点灯回路、DCS…共通の電源装置、D…ダイオード、L…インダクタ、LS1LSn…光源、LDI1、LDIn…負荷電流検出手段、LDV1、LDVn…負荷電圧検出手段、Q…スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5