特許第5656056号(P5656056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656056
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】内外連通部材及び熱源機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20141225BHJP
   F24H 1/12 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   F24H9/02 301Z
   F24H1/12 B
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2010-187065(P2010-187065)
(22)【出願日】2010年8月24日
(65)【公開番号】特開2012-47357(P2012-47357A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2013年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】奥田 康成
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−085648(JP,U)
【文献】 実公昭46−009345(JP,Y1)
【文献】 特開平10−238662(JP,A)
【文献】 実開昭58−169441(JP,U)
【文献】 実開昭58−129436(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3025627(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F24H 1/12
F16L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管が内蔵された筺体の内側壁面に取付けられる内外連通部材であって、
筺体内の配管の管路を外部に開くものであり、別個独立した複数の管端部材を有し、各管端部材は筺体内の配管を接続可能であって、各管端部材は一体的に集結可能である内外連通部材において、
複数の管端部材を取付け可能な連結部材を有し、複数の管端部材が前記連結部材を介して一体的に結合することが可能であり、
前記管端部材を前記連結部材に対して回動不能に係止する係止部を備え、前記係止部が前記連結部材と前記管端部材の少なくともいずれかに形成され、
前記係止部は、前記管端部材及び前記連結部材のいずれか一方に形成される係止凸部と、他方に形成される係止溝とから形成されるものであり、前記係止凸部と前記係止溝には当該係止凸部と係止溝の係合とは別途に対になる係合部がそれぞれ形成されるものであって、前記係止溝に係止凸部が嵌入された状態で前記係合部が係合可能であり、前記係合部によって管端部材が連結部材に対して上下方向に移動できなくなることを特徴とする内外連通部材。
【請求項2】
外部から供給された燃料を燃焼し、湯水を介して熱を供給する熱源機であって、給水系統、排水系統、燃料供給系統の少なくともいずれかに請求項1に記載の内外連通部材を備えたことを特徴とする熱源機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機の筺体に給排水口や燃料供給口等の連通口を形成する部材に関するものであり、また、そのような部材を備えた熱源機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筺体内部にバーナ等の燃焼装置と熱交換器とを備え、供給された燃料を燃焼し、湯水等の熱媒を介して熱を供給する熱源機が広く知られている。この熱源機として、供給する熱を給湯、暖房、浴槽への貯湯等々の多種の用途に使用可能な多機能型の熱源機が広く普及している。
【0003】
このような熱源機には筺体壁面に貫通孔を形成し、当該貫通孔に筺体の内外に延びる配管を挿通するものと、当該貫通孔に筺体内外を連通する金具を設けるものとがある。
後者の構成として、例えば、筺体の内部と外部とを中継する金具を設けたものがある。即ち、筺体の内部から当該金具に配管を接続し、筺体の外部から当該金具に配管等の管状部材や水抜き栓等の栓部材を取付けることで筺体の内外を連通するものである。さらにまた、特許文献1に開示された発明のように、筺体壁面に設けた貫通孔に水やドレンの排出口となる金具を設けたものがある。つまり、筺体内部から当該金具に配管等の管状部材を取付け、当該金具から水やドレンを外部へ排出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−134012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、筺体外部から熱源機に接続する配管の数、大きさ、又は形状等に制限があるといった理由や、熱源機自体の意匠上の理由等により、給排水口、燃料供給口、ドレン排出口といった筺体内外を連通する連通口が筺体壁面の特定の一部分に集中してしまう場合がある。このとき、連通口を形成する金具をそれぞれ個別に筺体に取付けると、金具の筺体への取付け作業が煩雑化してしまう。そこで一般的に、このような場合では、複数の連通口を1つの金具で形成する構成が採用されていた。即ち、図18で示されるように、並列した複数の管状部分112を一体化した金具111を用いて、この金具111の各管状部分112のそれぞれを別の連通口として使用するような構成である。そのことにより、1つの金具111を筺体へ取付けるだけで複数の連通口を筺体に形成することができるため、筺体への金具の取付け作業を簡易化することができていた。
【0006】
ところがこのような金具111では、配管を取付ける際に所定の広さを有する空間が必要となるという問題がある。つまり金具111の管状部分112a,112b,112cが近接する位置にあるため、既に取付けた配管や、配管の締めつけや抜け止めのために使用する配管固定部材が新たな配管や配管固定部材の取付けの妨げとなってしまう場合がある。この場合、既に取付けた配管等を避けながら新たな配管等を取付けねばならず、既に取付けた配管等を避けるために所定の広さを有する空間が必要となってしまうという問題である。
【0007】
またさらに、このような金具111には配管の取付けが困難であるという問題もある。これは、1つの金具111に配管を取付けていくと、既に取付けた配管によって金具111の位置が固定されてしまうためである。つまり、1つめの配管を金具111の1つめの管状部分112aに接続する場合では、配管の端部に対して金具を自由に動かすことができる。しかし、2つめ以降の配管を残りの管状部分112b,112cに接続する場合では、既に管状部分112aに接続した配管の撓みの範囲内でしか金具111を動かせなくなってしまう。配管にはステンレス等の撓みにくい素材で形成されるものがあるため、後から取付ける配管と金具との位置合わせが難しくなってしまう。また無理に位置合わせしようとすると、配管が変形してしまうおそれがある。そのため、2本目以降の配管と金具111との位置合わせでは、金具111を配管に対して自由且つ容易に動かすことができず、配管の取付けが困難となってしまっている。
【0008】
ところで近年、狭い場所に設置可能な熱源機が市場から望まれており、そのような要求に応えるべく小型化された熱源機が開発されている。このような熱源機では、熱源機の内部空間が実質的に狭くなってしまう。そのため、狭い範囲でも配管を取付け可能な金具の開発が嘱望されていた。
【0009】
そこで本発明は上記した従来技術の問題点を鑑み、狭い空間であっても配管の接続作業が容易であり、簡易な取付けで熱源機の筺体に複数の連通口を設けることができる内外連通部材を提供することを課題とする。加えて、そのような内外連通部材を備えた熱源機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、配管が内蔵された筺体の内側壁面に取付けられる内外連通部材であって、筺体内の配管の管路を外部に開くものであり、別個独立した複数の管端部材を有し、各管端部材は筺体内の配管を接続可能であって、各管端部材は一体的に集結可能である内外連通部材において、複数の管端部材を取付け可能な連結部材を有し、複数の管端部材が前記連結部材を介して一体的に結合することが可能であり、前記管端部材を前記連結部材に対して回動不能に係止する係止部を備え、前記係止部が前記連結部材と前記管端部材の少なくともいずれかに形成され、
前記係止部は、前記管端部材及び前記連結部材のいずれか一方に形成される係止凸部と、他方に形成される係止溝とから形成されるものであり、前記係止凸部と前記係止溝には当該係止凸部と係止溝の係合とは別途に対になる係合部がそれぞれ形成されるものであって、前記係止溝に係止凸部が嵌入された状態で前記係合部が係合可能であり、前記係合部によって管端部材が連結部材に対して上下方向に移動できなくなることを特徴とする内外連通部材である。
請求項1に記載の発明は、配管が内蔵された筺体の内側壁面に取付けられる内外連通部材であって、筺体内の配管の管路を外部に開くものであり、別個独立した複数の管端部材を有し、各管端部材は筺体内の配管を接続可能であって、各管端部材は一体的に集結可能であることを特徴の一つとする。
【0011】
本発明の内外連通部材は、配管に接続可能な管端部材を複数有し、管端部材が別途独立している。そのため各配管に管端部材を取付けていく際、取付ける配管に対して管端部材をそれぞれ自由に動かすことができる。このことにより、管端部材の配管への取付けをすべて位置決め容易な状態で実施可能となる。またさらに、それぞれの配管に独立した管端部材を個別に取付け可能なため、管端部材の配管への取付けを他の配管から離れた位置で行うことができる。そのため、近接する他の配管が取付け作業の妨げになることがない。これらのことにより、本発明の内外連通部材は配管の取付け作業を容易にできる。また本発明の内外連通部材は一体的に集結可能となっている。そのため、複数の管端部材を一度に筺体の内壁へ取付けることができ、内外連通部材の筺体への取付け作業を容易にすることができる。
即ち本発明の内外連通部材は、内外連通部材への配管の取付け作業及び内外連通部材の筺体への取付け作業を容易に実施することができる。そのため、熱源機の設置作業やメンテナンス作業を簡易化できる。
【0012】
さらに請求項に記載の発明は、複数の管端部材を取付け可能な連結部材を有し、複数の管端部材が前記連結部材を介して一体的に結合することを特徴の一つとする。
【0013】
かかる構成によると、管端部材に他の管端部材との連結手段を形成しなくてよく、管端部材の形状を単純化することができる。そのことにより、管端部材をより強固に形成することができる。
【0014】
さらに請求項に記載の発明は、前記管端部材を前記連結部材に対して回動不能に係止する係止部を備え、前記係止部が前記連結部材と前記管端部材の少なくともいずれかに形成されていることを特徴の一つとする。
【0015】
かかる構成によると、複数の管端部材を回動不能な状態で一体化することができる。そのことにより、管端部材に栓部材等の他の部材を取付ける場合において、ネジ等の回転運動を擁する締結要素を好適に使用することができる。
具体的に説明すると、例えば栓部材と管端部材にそれぞれ雄ネジ部分と雌ネジ部分を形成して両者を取付ける場合、管端部材が連結部材に対して回転してしまうと、取付けの際に供回りしてしまうおそれがある。つまり、熱源機の筺体に対して位置を固定された連結部材に管端部材が回転可能な状態で取付けられていることにより、栓部材を回転させても管端部材が栓部材と共に回転してしまい、螺合させることができない場合がある。しかしながら、本発明の内外連通部材では管端部材を連結部材に対して回動不能に係止でき、この供回りを確実に防止できる。したがって、このような栓部材の着脱を容易に行うことができる。
【0016】
さらに請求項に記載の発明は、前記係止部は、前記管端部材及び前記連結部材のいずれか一方に形成される係止凸部と、他方に形成される係止溝とから形成されるものであり、前記係止凸部と前記係止溝には対になる係合部がそれぞれ形成されるものであって、前記係止溝に係止凸部が嵌入された状態で前記係合部が係合可能であることを特徴の一つとする。
【0017】
かかる構成によると、係止凸部を係止溝に嵌入させて係止部を作用させるとき、係合部を係合した状態とすることができる。即ち、係止部の作用に加えて、係合部を係合させて管端部材の回動を阻止するので、より確実に管端部材の回動を阻止することができる。
【0018】
関連する発明として複数の管端部材を一体的に結合する連結手段が前記管端部材に形成されていることを特徴とする内外連通部材がある。
【0019】
本発明の内外連通部材は、複数の管端部材を一体的に結合する連結手段を管端部材に設けた構成であってもよい。複数の管端部材を管端部材の連結手段で一体化する場合、別途設けた連結部材で複数の管端部材を一体化する構成と比べて部品点数を削減することができる。また、複数の管端部材を管端部材の連結手段で一体化し、さらに別途設けた連結部材で各管端部材を集結させた場合、より強固に集結させることができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、外部から供給された燃料を燃焼し、湯水を介して熱を供給する熱源機であって、給水系統、排水系統、燃料供給系統の少なくともいずれかに請求項1に記載の内外連通部材を備えたことを特徴とする熱源機である。
【0021】
本発明の熱源機は、請求項1に記載の内外連通部材を備えており、当該内外連通部材によって給排水口、燃料供給口、ドレン排出口等の筺体内外を連通する連通口を形成できる。そのため、筺体内部の機器から延びる配管の連通口への着脱が容易であり、設置作業やメンテナンス作業を簡易化できる。加えて、熱源機を小型化して筺体内部の空間が狭い場合であっても、連通口への配管の接続を容易に実施することができる。したがって、熱源機を小型化しても設置作業やメンテナンス作業が煩雑化しない。
【発明の効果】
【0022】
本発明の内外連通部材は、別途独立した配管に接続可能な管端部材を複数有している。そのため、それぞれ個別に配管に取付けることができ、配管の取付け作業が容易であるという効果がある。また、複数の管端部材を集結可能となっているため、筺体へ複数の管端部材をまとめて取付けることができるため、筺体への取付け作業が容易であるという効果がある。即ち、本発明の内外連通部材は、配管の内外連通部材への取付けと筺体への内外連通部材への取付けをどちらも容易にすることができるという効果がある。
また、そのような内外連通部材を備えた本発明の熱源機は、筺体内部の機器から延びる配管の連通口への着脱が容易である。そのことにより、設置作業やメンテナンス作業を簡易化できるという効果がある。加えて本発明の熱源機は、小型化して内部空間が狭い場合であっても筺体内外の連通口への配管の接続を容易に実施できる。そのため、熱源機を小型化しても設置作業やメンテナンス作業が煩雑化しないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る熱源機を示す構成図である。
図2図1のA部分の部分拡大図である。
図3】本発明の実施形態に係る内外連通部材を示す斜視図である。
図4図3の内外連通部材の分解斜視図である。
図5図3の内外連通部材の管端部材を示す斜視図である。
図6図5の管端部材をA方向からみた斜視図である。
図7図5の管端部材をB方向からみた正面図である。
図8図5の管端部材のC−C断面図である。
図9図3の連結部材の斜視図である。
図10図9の連結部材をA方向からみた斜視図である。
図11】配管を取付けた複数の管端部材に連結部材を取付ける様子を示す説明図であって、(a)は近接する位置に配した管端部材に連結部材を近づけた状態を示し、(b)は各管端部材に対し連結部材を傾けた状態を示す。
図12図11に引き続いて複数の管端部材に連結部材を取付ける様子を示す説明図であって、(c)は各管端部材を連結部材に嵌め込んだ状態を示し、(d)は各管端部材に連結部材を取付けた状態を示す。
図13】配管を接続した内外連通部材を熱源機の内部壁面に取付ける様子を示す説明図である。
図14関連する発明を示すものであり、図5とは異なる形態の管端部材を示す平面図であって、(a)は管端部材単体を示し、(b)は複数の管端部材を集結させた状態を示す。
図15関連する発明を示すものであり、図5、14とは異なる形態の管端部材を示す平面図であって、(a)は管端部材単体を示し、(b)は複数の管端部材を集結させた状態を示す。
図16関連する発明を示すものであり、図5、14、15とは異なる形態の管端部材を示す平面図であって、(a)は管端部材単体を示し、(b)は複数の管端部材を集結させた状態を示す。
図17関連する発明を示すものであり、図5、14乃至16とは異なる形態の管端部材を示す斜視図であって、(a)は管端部材単体を示し、(b)は複数の管端部材を集結させた状態を示す。
図18】従来技術の内外連通部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0025】
熱源機1は、図1に示すように、筺体2の内部に燃焼部3と、主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器5と、二次熱交換器5で発生したドレンを中和して筺体2の外部へ排出するための中和装置6とを備えた潜熱回収型の湯水加熱装置である。
【0026】
この熱源機1は、筺体2の上側の幅方向片側端部寄りの位置に燃焼部3が設けられており、燃焼部3の下方に一次熱交換器4が位置している。さらに、一次熱交換器4の下方に二次熱交換器5を収納する収納ケース7があり、収納ケース7の上側であって一次熱交換器4の側方に消音部8が位置している。そして燃焼部2の内部から一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8の各内部を連通する空間が形成されており、燃焼部3で発生した燃焼ガスが流動可能となっている。また収納ケース7の底部には、ドレン排出口9が設けられている。このドレン排出口9は、二次熱交換器5から落下してくるドレンを下方へ位置する中和装置6へと排出するための排出口として機能する。
【0027】
そしてこの熱源機1では、燃焼部3で発生した燃焼ガスが一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8へと流れ、消音部8の排気口8bを経て外部へ放出される。
一方、外部から供給されてきた湯水は入水配管(図示せず)を介して二次熱交換器5へと供給される。そして、湯水は二次熱交換器5を経て一次熱交換器4に流入する。そしてこのとき、二次熱交換器5及び一次熱交換器4で回収した燃焼ガスの熱によって湯水が加熱される。そして、加熱された湯水は一次熱交換器4の出水口から流出し、給湯先となるカランや浴槽等に向けて供給される。
【0028】
ところで、二次熱交換器5は燃焼ガスの主に潜熱を回収するので、二次熱交換器5では燃焼ガスの温度が一定値以下に低下する。そのことにより、燃焼ガスに含まれる水蒸気が液化してドレンが発生する。発生したドレンは収納ケース7を介して中和装置6へと流れ込み、中和された後で外部へと排出される。
なお、この中和装置6には、ステンレス製の第1水抜き配管13(配管)と第2水抜き配管14(配管)が接続されており、メンテナンス時等に中和しているドレンを外部へと排出することができる構成となっている。
【0029】
ここで二次熱交換器5に注目すると、図1,2に示されるように、メンテナンス時などに二次熱交換器5から水を抜くための水抜き管11が接続されている。そして、この水抜き管11は、銅製であり、筺体2の内部側壁2bの下端近傍に取付けられた内外連通部材16に接続されている。また、中和装置6に接続された第1水抜き配管13と第2水抜き配管14もまた、内外連通部材16に接続されている。即ち、水抜き管11、第1水抜き配管13、第2水抜き配管14は内外連通部材16を介して外部と連続している。
【0030】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、内外連通部材16について説明する。
内外連通部材16は、図3に示されるように、3つの管端部材18と1つの連結部材19によって形成されている。そして、図4で示されるように、3つの管端部材18はそれぞれ独立した別の部材であり、連結部材19に嵌め込まれて一体に結束するものである。つまり、3つの管端部材18が1つの連結部材19に取付けられて一体となり、内外連通部材16となっている。
【0031】
まず管端部材18について説明する。
管端部材18はポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を射出成形等の適宜な成形手段によって加工して形成されるものである。この管端部材18は、図5、6に示されるように、外形が略円筒状であり、複数の外径の異なる部分から形成されている。即ち、管端部材18の外周面は長手方向(図5,6におけるX方向)に複数の段差部分を介して連続している。そして、外周面の一部分に外側へ向かって大きく突出する突起24b(係止凸部)を有している。
また管端部材18は、その内部を貫通する中心孔28を有し、この中心孔28は管端部材18の長手方向(図5,6におけるX方向)に延びている。そしてこの中心孔28は、その長手方向(図5,6におけるX方向)両端部に外部との境となる配管接続口26及び外部部材接続口27を備えている。即ち、配管接続口26及び外部部材接続口27は中心孔28の開口部分であり、中心孔28は配管接続口26、外部部材接続口27の間を繋ぐように延設されている。
【0032】
ここで管端部材18の外側部分に注目すると、図5,7で示されるように、配管接続口26側から外部部材接続口27側に向かって、第1フランジ部21、太管部22、細管部23、第2フランジ部24、露出口形成部25がこの順に連続して一体的に形成されている。またこれらの外径は小さい方から、細管部23、太管部22、第1フランジ部21及び露出口形成部25、第2フランジ部24となっている。即ち、細管部23が最も小さく、第2フランジ部24が最も大きくなっている。そして、第1フランジ部21と露出口形成部25は外径が略等しくなっている。
【0033】
第1フランジ部21は、管端部材18の長手方向(図5,7におけるX方向)の片側端部に位置する環状のフランジであり、管端部材18の周方向に延設されると共に外周面から外側に向かって突出している。このとき、その突出方向は外周面に対して直交する方向となっている。また、第1フランジ部21の幅方向(図5,7におけるX方向)の端部の内で配管接続口26と近接する側の端部には、当該端部の先端側に向かうにつれて外径が次第に狭径となるテーパ部21aが形成されている。さらにまた、第1フランジ部21の幅方向(図5,7におけるX方向)の端部の内のもう一方の端部、即ち、テーパ部21aが形成されていない端部は、太管部22と連続している。ここで、第1フランジ部21は太管部22より外径が大きくなっている。したがって、第1フランジ部21と太管22は段差を有して連続している。
【0034】
太管部22及び細管部23は外径の異なる円筒状の部分である。この太管部22及び細管部23は、共に管端部材18の長手方向(図5,6,7におけるX方向)に延びており、その中心軸の位置は同じとなっている。そして、太管部22の長手方向(図5,6,7におけるX方向)における片側端部と、細管部23の長手方向(図5,6,7におけるX方向)における片側端部とが連続している。つまり、太管部2と細管部23は段差22aを有して連続している。また、細管部23の長手方向(図5,6,7におけるX方向)における端部の内のもう一方の端部、即ち、太管部22と連続していない端部は、第2フランジ部24と連続している。ここで細管部23は、第2フランジ部24より外径が小さくなっている。したがって、細管部23は第2フランジ部24とも段差を有して連続している。つまり、細管部23は長手方向(図5,6,7におけるX方向)の両端で太管部23及び第2フランジ部24とそれぞれ段差を有して連続しており、これら周囲の部分より外径が小さい部分となっている。また、細管部23は管端部材18の外周面において最も外径の小さな部分であり、管端部材18の長手方向(図5,6,7におけるX方向)の略中央部分に位置している。このことから、管端部材18は長手方向の中心部分近傍にくびれを有しているといえる。
【0035】
第2フランジ部24は、円環状の土台部24aと、土台部24aの外周面から外側へ突出する突起24bより形成されている。
土台部24aは、管端部材18の周方向に延設されると共に外周面から外側に向かって突出しており、その突出方向は外周面に対して直交する方向となっている。また、土台部24aは、管端部材18の外周面において最も外径の大きな部分となっている。そしてこの土台部24aは、厚さ方向(図5,6,7におけるX方向)の両端で細管部23及び露出口形成部25とそれぞれ段差を有して連続している。
突起24bは、土台部24aの外周面から周方向に突出する断面形状がアーチ状の突起である。つまり突起24bの断面形状は、略長方形状であって突出方向の先端部分が凸状に丸みを帯びた半円状となっている。そしてこの突起24bの略中心部分には、突起24bの突出方向に直交する方向、即ち、突起24bの厚さ方向(図5,6,7におけるX方向)に突起24bを貫通する貫通孔24c(係合部)が形成されている。なお、この貫通孔24cの開口形状は円形となっている。
【0036】
露出口形成部25は、管端部材18の長手方向(図5,7におけるX方向)の片側端部であって、外部部材接続口27に近接する端部に位置する円筒状の部分である。
【0037】
次に管端部材18の内部構造について説明する。図8で示されるように、管端部材18の内部には、中心部分を長手方向(図8のX方向)に貫通する中心孔28と、第2フランジ24の突起24bを幅方向(図8のX方向)に貫通する貫通孔24cとが形成されている。
【0038】
中心孔28は、配管接続口26から外部部材接続口27までを連通する孔であり、その内周面は起伏を有して連続している。つまり、中心孔28は径の大きさが変化しつつ延びる長孔となっており、配管接続口26側から外部部材接続口27側に向かって、それぞれ径の異なる配管挿入部31、連通部32、狭径部33、外部部材挿入部34がこの順に連続して一体的に形成されている。またこれらの内径は小さい方から、狭径部33、連通部32、配管挿入部31及び外部部材挿入部34となっている。即ち、狭径部33が最も小さく、配管挿入部31及び外部部材挿入部34が最も大きくなっている。そして、配管挿入部31及び外部部材挿入部34は外径が略等しくなっている。
【0039】
配管挿入部31は、第1フランジ部21及び太管部22の内部に位置する部分であり、その長手方向(図8のX方向)の両端には、配管接続口26側から外部部材接続口27側に向かうにつれて内径が次第に狭径となるテーパ部31a、31bが形成されている。
【0040】
連通部32は、細管部23の大部分の内部に位置する部分であり、断面形状円形の長孔部分である。
【0041】
狭径部33は、細管部23の内部に位置する部分である。より詳しくは、細管部23の長手方向(図8におけるX方向)の端部の内、外部部材接続口27よりの端部の内部に位置する部分であり、断面形状円形の長孔部分である。この狭径部33は、その長手方向(図8におけるX方向)の両端で連通部32及び外部部材挿入部34と段を有して連続している。
【0042】
外部部材挿入部34は、第2フランジ部24及び外部部材接続口27の内部に位置する部分である。外部部材挿入部34の長手方向(図8におけるX方向)の端部であり、配管接続口26よりの端部には、配管接続口26側から外部部材接続口27側に向かうにつれて内径が次第に拡径となるテーパ部34aが形成されている。またもう一方の端部、即ち、外部部材接続口27側の端部にはその内周壁にねじ山が形成された雌ねじ部34bが形成されている。
【0043】
次に連結部材19について説明する。
連結部材19は、鉄等の金属やステンレス等の合金で形成された板材に対して、適宜の加工を施すことによって形成されるものである。本実施形態の連結部材19は、板材に対して打ち抜き加工を実施した後、曲げ加工を実施して形成している。即ち、連結部材19は、規定の形状の板材を折り曲げることによって形成されている。この連結部材19は、図9、10に示されるように、一方が開放された略直方体状になるように折り曲げられており、その長手方向(図9,10におけるZ方向)の両端部分に平板状の取付け板部44が形成されている。この取付け板部44は、2つの側面部43の各端部をその長手方向(図9,10におけるZ方向)外方へ折り曲げて形成するものである。
【0044】
より詳細には、この連結部材19は、底面部42と、底面部42の端部から立ち上げられた前面部40と、前面部40と連続し底面部42と対向する上面部41とを有している。即ち、上面部41及び底面部42は前面部40の高さ方向(短手方向であり、図9におけるY方向)両端と連続しており、前面部40から同一方向へ突出するように折り曲げられている。
さらに連結部材19は、前面部40の幅方向(図9におけるZ方向)両端部とそれぞれ連続して互いに対向する2つの側面部43を有している。つまり、2つの側面部43は前面部40から同一方向へ突出するように折り曲げられている。
ここで、上面部41及び底面部42と2つの側面部43とは同じ方向へ突出しており、前面部40と上面部41、底面部42、又は2つの側面部43のいずれかとがなす角はすべて略直角となっている。したがって、前面部40、上面部41、底面部42、2つの側面部43とで囲まれた部分は一方が開放された略直方体状となる。
【0045】
そして連結部材19は、2つの側面部43の突出方向先端部分と連続して、側面部43から外方へ突出する2つの取付け板部44を有している。この取付け板部44は、側面部43の突出方向の先端部分を外方へ向かって略直角に折り曲げることにより形成されている。つまり、取付け板部44と側面部43とが成す角は略直角であり、2つ取付け板部44は互いに離れる方向へ突出している。また、取付け板部44は平板状であり、側面部43と取付け板部44を上面部41又は底面部42側からみると略「L」字状に連続している。ところで、上面部41と側面部43の突出方向(図9におけるX方向)の長さは略同一となっている。そして、上面部41の突出方向先端部分に位置する面であり、厚さ方向(図10におけるY方向)へ延びる面である先端面41aと、取付け板部44の面積の広くなっている面である広面部44a,44b(図9,10参照)の内で前面部40から遠い位置にある広面部44bとは同一平面上に位置している。
【0046】
またこのとき、図10に示されるように、上面部41は底面部42に比べて、突出方向(図10におけるX方向)の長さが長くなっており、上面部41の突出方向の長さは底面部42の突出方向の長さの略2倍となっている。
そしてまた、上面部41は側面部43の高さ方向上側(図9,10におけるY方向上側)端部より上側の位置で前面部40から突出し、下面部42は側面部43の高さ方向下側(図9,10におけるY方向下側)端部より下側の位置で前面部40から突出している。加えて、2つの側面部43は、上面部41及び底面部42の幅方向(図9におけるZ方向)両端部より外側の位置で前面部40から突出している。これらのことから、連結部材19の直方体状の部分は、その角部分を切り欠いたような形状となっており、角部分にあたる上面部41と側面部43との間、及び底面部42と側面部43の間には、それぞれ突出方向先端から突出方向基端まで延びる隙間が形成されている。
【0047】
ここで底面部42及び前面部40には、底面部42から前面部40に至るまで延設され、略直角に屈曲して連続する切り欠き溝46が形成されている。そしてこの切り欠き溝46は3つ形成されており、連結部材19の長手方向(図8,9におけるZ方向)において等間隔に整列している。
切り欠き溝46は、図10に示されるように、底面部42においては略長方形状の切り欠きとなっている。即ち、底面部42の突出方向先端から突出方向基端まで延びる切り欠きであり、その突出方向基端部分の近傍に、前面部40に近づくにつれて幅が広くなっていく拡幅部47が形成されている。そして、前面部40に形成された部分と略垂直に連続している。
切り欠き溝46は、図9に示されるように、前面部40においては略アーチ状の切り欠きとなっている。そして前面部40の高さ方向(図9におけるY方向)下端から高さ方向の中心よりやや上側部分まで、底面部42に対して略垂直に延びている。つまり、前面部40の高さ方向(図9におけるY方向)下端側から、底面部42側から上面部41に向かうにつれて幅が狭くなる(下端に向かうにつれて幅が広がる)拡幅部48と、長方形状の部分と、凸形に丸みを帯びた半円状の部分の3つの部分が連続して形成されている。
【0048】
さらに上面部41には、上面部41の突出方向先端から突出方向基端側へ向かって切り欠いた、外形が略「凹」字状の切り欠き50が形成されている。つまり、この切り欠き50は、長方形状の切り欠きである係止溝51を形成する面の一部に、平板状の突出片52(係合部)を設けることにより形成される。突出片52は、係止溝51を形成する面の内、最も前面部40よりの位置にある面であり、上面部41の突出方向に延びる2つの面の間を繋ぐように形成された面に設けられている。そして、当該面から外方へ向かって、前面部40と略垂直な方向に沿って突出している。このとき、突出片52の上面及び下面は上面部41と面一(同じ)となっている。
【0049】
また、上面部41の切り欠き50と、底面部42及び前面部40の切り欠き溝46の位置は、連結部材19の長手方向(図9におけるX方向)において略同一となっている。加えて、上面部41の切り欠き50の幅(連結部材19の長手方向の長さ)L1と、底面部42及び前面部40の切り欠き溝46の幅の内、最も狭い部分の幅L2とは略同一となっている。
【0050】
そしてまた、取付け板部44には、その中心部分を厚さ方向(図9,10におけるX方向)に貫通する貫通孔54が形成されている。
【0051】
次に、本実施形態の内外連通部材16の筺体2の内部側壁2bへの取付け方法について、図11乃至13を主に参照しつつ説明する。
【0052】
図11(a)で示されるように、複数の管端部材18の中心孔28(図5参照)に配管接続口26(図5参照)側から各種配管11,13,14を挿入した状態とする。このとき図11では図示を省略しているが、配管11,13,14の先端部分の外周面に溝を形成し、当該溝にOリング等の封止部材を取付ける等の手段により封止性を向上させてもよい。また、配管の締めつけや抜け止めのために使用する配管固定部材を使用して管端部材18と配管とを強固に取り付けてもよい。また、そのような配管固定部材を取付ける際に、第1フランジ部21のような管端部材18の外周面の凹凸を利用して外れにくくしてもよい。つまり、管端部材18に配管を取付ける際に、封止性及び固定力を向上させるための各種部材及び手段を適宜使用してもかまわない。
またこのとき、図8で示されるように、配管接続口26の近傍には内部に向かうにつれて内径が次第に狭径となるテーパ部31bが設けられており、配管への管端部材18の取付けが容易になっている。つまり、配管を管端部材18に挿入する際、正確に位置合わせできていない状態で挿入しても、配管がテーパ部31bに沿って正しい位置へ移動するため、容易に取付けることができる。またさらに、管端部材18の中心孔28の内部では、図8に示されるように、配管挿入部31と連通部32の内径の大きさが異なっており、これらは内径が次第に狭径となるテーパ部31aを介して連続している。そのため、配管は管端部材18の配管挿入部31、又はテーパ部31aまでしか挿入できなくなっており、配管を管端部材18に挿入しすぎることがない。
【0053】
そして、図11(b)、図12(c)で示されるように、個別に管端部材18を取付けた各種配管11,13,14を一か所に集め、連結部材19の3つの切り欠き溝46に各管端部材18の細管部23が嵌め込まれた状態とする。ここで本実施形態の切り欠き溝46は、前面部40に近づくにつれて幅が広くなっていく拡幅部47が底面部42に形成されている。また前面部40に、底面部42に近づくにつれて幅が広くなっていく拡幅部48が形成されている。そして、底面部42の拡幅部47と前面部40の拡幅部48とは連続している。つまり、切り欠き溝46は、前面部40と底面部42が連続する角部分において、その幅が最も大きく広がっており、角部分から離れるにつれて幅が狭くなっていく。そのため、連結部材19の前面部40と底面部42からなる角部分から管端部材18を挿入すると、その幅が大きいため管端部材18を挿入し易いという利点がある。また、この角部分から挿入された管端部材18は各拡幅部47、48に沿って規定の位置に収まるため、位置決めが容易となる。
【0054】
また、図12(c)、図12(d)で示されるように、各管端部材18の細管部23を連結部材19の切り欠き溝46に深く嵌め込むと共に、切り欠き溝46の上端部分(図9で示される半円形状となっている部分とその近傍)に細管部23の上側の略半分の部分が接触した状態とする。またこのとき、連結部材19の上面部41に形成された3つの切り欠き50に各管端部材18の突起24bが嵌め込まれた状態とし、切り欠き50の突出片52が貫通孔24c内に挿通された状態となるようにする。そしてさらに、連結部材19の底面部42の突出方向先端部分に位置する面であり、厚さ方向(図10におけるY方向)へ延びる面である先端面42a(図10及び図12(d)参照)が、各管端部材18の第2フランジ部24に当接した状態とする。
【0055】
ここで、管端部材18の長手方向(図7におけるX方向)における細管部23と第2フランジ部24の長さの合計L3(図7参照)は、連結部材19上面部41の突出方向の長さL4(図9参照)と略同一となっている。そのことにより、連結部材19に管端部材18を取付けた状態において、前面部40の切り欠き溝46からは管端部材18の第1フランジ部21及び太管部22のみが突出し(図3参照)、細管部23及び第2フランジ部24は連結部材19の対向する2つの側面部43の間に位置する(図12(d)参照)。またこのとき、図12(d)で示されるように、上面部41の先端面41aと、管端部材18の第2フランジ部24における露出口形成部25側の面24d(図6及び図12(d)参照)と、各取付け板部44の広面部44bとは同一平面上に位置している。そして、この同一平面から露出口形成部25が前面部40(図12(c)参照)から離れる方向へ突出している。
【0056】
またこのとき、図12(d)に示されるように、連結部材19の上面部41から、管端部材18の突起24bの一部が突出している。詳細には、突起24bの突出方向先端部分に形成された凸状に丸みを帯びた半円状の部分が上面部41から突出している。
【0057】
ところで、連結部材19の底面部42の突出方向の長さL5(図10参照)に管端部材18の第2フランジ部24の長手方向の長さL6(図7参照)を合わせた長さは、連結部材19の上面部41の突出方向の長さL4(図9参照)と略同一となっている。また、第2フランジ部24の長手方向の長さL6(図7参照)と、連結部材19の切り欠き50の長さ(連結部材19の短手方向の長さ)L7の長さは略同一となっている。そのため、図12(d)で示されるように、管端部材18の第2フランジ部24は切り欠き50と底面部42の先端面42aとが同時に接触するとともに、連結部材19の切り欠き溝46の間には細管部23が位置している。
【0058】
ここで、連結部材19に管端部材18が取付けられた状態について考察すると、前述したように、連結部材19に形成された切り欠き50の係止溝51に管端部材18の第2フランジ部24に形成された突起24bが嵌め込まれている(図12(d)参照)。そのことにより、管端部材18が連結部材19に対して相対的に回転不可能となっている。加えて、管端部材18が連結部材19に対して相対的に左右方向(図3におけるX方向)に移動できなくなっている。
【0059】
また、前述したように、管端部材18の突起24bに形成された貫通孔24cに、連結部材19に形成された切り欠き50の突出片52が挿入されている(図3参照)。そのため、管端部材18が連結部材19に対して相対的に上下方向(図3におけるY方向)に移動できなくなっている。
【0060】
さらにまた、前述したように、管端部材18の細管部23が連結部材19の前面部40に形成された切り欠き溝46に当接するため、管端部材18が連結部材19に対して相対的に上方向(図3におけるY方向上側)に移動できなくなっている。(図3及び図12(c)、図12(d)参照)
【0061】
そしてまた、前述したように、管端部材18の第2フランジ部24が切り欠き50と底面部42の先端面42aとが同時に接触することにより(図12(d)参照)、管端部材18が連結部材19に対して相対的に前方向(図3におけるZ方向手前側)に移動できなくなっている。
【0062】
加えて、図3で示されるように、連結部材19に管端部材18を取付けた際、管端部材18を連結部材19に対して相対的に後方向(図3におけるZ方向奥側)に移動させようとすると、管端部材18の太管部22と細管部23の間に形成された段差22a(図6参照)が、連結部材19の前面部40に当接する。したがって、管端部材18は連結部材19に対して相対的に後方向(図3におけるZ方向奥側)に移動できなくなっている。
【0063】
つまり、連結部材19に管端部材18を取付けた状態において、管端部材18は連結部材19に対する前後上下左右方向への相対的な移動及び、連結部材19に対する回転不能な状態に係止される。したがって、各管端部材18は連結部材19に強固に取付けることができる。また、各管端部材18を連結部材19から取り外す際には、連結部材19を各管端部材18に対して所定の角度に傾けるだけで、管端部材18の突起24b及び貫通孔24cと、連結部材19の係止溝51及び突出片52との間の係合が解除されるため、容易に取り外すことができる。
【0064】
ここで、本実施形態の内外連通部材16は、上述した各管端部材18を連結部材19に取付けた状態で、熱源機1の筺体2を形成する内部側壁2bに取付けた状態で使用することができる。
つまり、図12(d)、図13で示されるように、各管端部材18を取付けた連結部材19を筺体2の内部側壁2bに接触させると共に、内部側壁2bに形成した取付け用貫通孔65と連結部材19の取付け板部44に形成した貫通孔54とを重ねあわせた状態とする。またその状態で、筺体2の外側からねじ等の締結部材64でこれら内部側壁2bの取付け用貫通孔65と連結部材19の貫通孔54とを連通し、連結部材19を内部側壁2bに固着する。
【0065】
このとき上記したように、上面部41の先端面41aと、管端部材24の第2フランジ部24における露出口形成部25側の面24d(図6及び図12(d)参照)と、各取付け板部44の広面部44bとは同一平面上に位置しており(図12(d)参照)、これらは、連結部材19が内部側壁2bに固着された状態において筺体2の内部側壁2bに接触する。そしてこのとき、管端部材18の露出口形成部25の長手方向の長さL8(図7参照)は、筺体2の内部側壁2bの厚さL9(図13参照)より大きくなっている。したがって、管端部材18の露出口形成部25は筺体2の排入口用貫通孔66から筺体2の外部へ突出した状態になる。
【0066】
なお、この筺体2の外部に突出した露出口形成部25の外部部材接続口27(図6図8図12(d)等参照)に図示しない栓部材等の外部部材を挿入し、外部部材挿入部34の雌ねじ部34b(図8参照)と螺合させる等の手段により、管端部材18に外部部材を取付けて使用することができる。そのとき、上記した様に、外部部材挿入部34にはテーパ部34aが形成されているため、外部部材(図示せず)を挿入しすぎることがない。
【0067】
上記したように、本実施形態の管端部材18はポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で形成されるものであり、射出成形等の適宜な成形手段によって形成されるものである。そして、本実施形態の連結部材19は鉄等の金属やステンレス等の合金で形成された板部材を打ち抜き加工、曲げ加工等をすることによって形成されている。そのため本実施形態の内外連通部材16は、従来の管端部材及び連結部材を真鍮等で一体に形成した金具等と比べて安価に形成することができる。
しかしながら管端部材18及び連結部材19の原料及び形成方法はこれに限るものではなく、例えば管端部材18を適宜な金属等で形成してもよい。そのようにすると、管端部材18をより強固に形成することができる。本発明の管端部材18及び連結部材19の原料、作成方法は適宜変更してよい。
【0068】
また作図の都合上省略したが、上記した実施形態の連結部材19は、上面部41、底面部42、2つの取付け板部44等の適宜な部分の角部分を切り落として、面取りしたものであってよい。
【0069】
加えて、上記した実施形態では説明を省略したが、段差22a(図6参照)をテーパ状にしてもよい。即ち、管端部材18の太管部22の細管部23よりの端部を、細管部23に近づくにつれて狭径となるような構成としてもよい。太管部22と細管部23の間に形成される段差22aをテーパ状にすると、管端部材18に連結部材19を取付ける際に、管端部材18に対して傾けた連結部材19の切り欠き溝46の縁部分がこのテーパ状部分に沿って管端部材18に対して相対的に移動する。そのため、姿勢を傾けた状態の連結部材19を管端部材18に近づけていき(図12(c)参照)、切り欠き溝46に管端部材18を深く嵌め込みながら姿勢を変更していく(図12(d)参照)際に、連結部材19を簡単部材18に対して滑らかに相対移動させることができる。また、管端部材18から連結部材19を取り外す際も同様に、連結部材19を管端部材18に対して滑らかに相対移動させることができる。したがって、連結部材19の取り外しを容易にできる。
【0070】
また、上記した実施形態では管端部材18の細管部23を円筒状としたが、この細管部23を角パイプ状としてもよい。つまり、細管部23の断面形状の外周部分を円形でなく、四角形、五角形、六角形等の多角形状としてもよい。そして、連結部材19の切り欠き溝46の形状をそれらに合わせて適宜変更してもよい。例えば、細管部23を四角パイプ状に形成し、その幅を切り欠き溝46の幅が狭い部分と略同じ幅にすると、連結部材19に管端部分18を嵌め込んだとき、連結部材19に対する管端部材18の相対的な回転を阻止することができる。
【0071】
上記した実施形態では、内外連通部材16を筺体2の内部側壁2bに取付けたが、本発明の内外連通部材はこのような構成に限るものではない。例えば筺体2の内部壁面の内で底面を形成する部分に取り付けてもよい。即ち、筺体2の内部側の面であればいずれの部分に取り付けても構わない。
また、上記した実施形態では、管端部材18の筺体2の外部側へ突出する部分(露出口形成部25)に適宜の栓部材等の外部部材を取付ける構成としたが、本発明の内外連通部材はこのような構成に限るものではない。管端部材18の形状を適宜変更して、各種配管内を流れてくる水やドレン等の液体、又は気体を管端部材18から筺体2の外部へ直接排出する構成であってもよい。即ち、管端部材18そのものが排出口、供給口を形成してもよい。
【0072】
上記した実施形態では、管端部材18に第2フランジ部24を形成し、連結部材19に係止溝51を形成した。そして、第2フランジ部の突起24bと係止溝51を係止部として、管端部材18の連結部材19に対する相対的な回転を防止する構成とした。しかしながら、本発明の内外連通部材で使用する係止部はこれに限るものではない。例えば連結部材19を大きく形成すると共に第2フランジ部24の外形を四角柱状とし、管端部材18が連結部材19に対して相対的に回転した際に、第2フランジ部24が連結部材19の底面部42に当接する構成としてもよい。即ち係止部は、管端部材18と連結部材19のいずれかに形成されればよく、管端部材18を連結部材19に対して相対的に回転不能とすることができればよい。
【0073】
またさらに上記した実施形態では、管端部材18に突起24bを形成し、連結部材19に係止溝51を形成する構成としたが、本発明の内外連通部材で使用する係止部はこのような構成に限るものではない。例えば、管端部材18に係止溝を形成し、連結部材19に係止凸部を形成する構成でも構わない。即ち、係止部を構成する係止凸部及び係止溝は管端部材18と連結部材19のどちらに形成されていても構わない。
【0074】
上記した実施形態では、連結部材19を介して複数の管端部材18を集結させる構成とした。次に本発明に関連する態様について説明する。以下の態様は、管端部材に互いに相対的な位置を固定する係合手段を形成して集結させたものである。
【0075】
例えば、図14(a)で示されるように、管端部材100の第2フランジ部101に周方向へ突出する突起101a,101bを形成し、これらの各突起101a,101bに管端部材100の長手方向に延びるピン状の突起101c及び貫通孔101dをそれぞれ形成してもよい。そして、図14(b)で示されるように、複数の管端部材100間のピン状の突起101cと貫通孔101dを係合させることにより、複数の管端部材100を一体的に集結してもよい。
【0076】
また、図15(a)で示されるように、管端部材102の第2フランジ部103に周方向へ突出し、略「J」字状に屈曲する鉤状部材103a,103bを形成してもよい。そして、図15(b)で示されるように、複数の管端部材102間でこれらの鉤状部材103a,103bを係合させ、複数の管端部材102を一体的に集結してもよい。
【0077】
さらにまた、図16(a)で示されるように、管端部材104の第2フランジ部105に周方向へ突出する突起105a,105bを形成し、これら各突起105a,105bにそれぞれ管端部材105の長手方向に延びる貫通孔105cを形成してもよい。そして、図16(b)で示されるように、複数の管端部材104間で夫々の貫通孔105cを重ね合わせ、ねじやクギ等の締結部材106で複数の管端部材104を一体的に集結してもよい。またこのとき、この締結部材106で複数の管端部材104を熱源機1の筺体2内に取り付けても構わない。
【0078】
上記したように、内外連通部材の各管端部材に係合手段を形成した場合、管端部材のみでも一体的に集結可能となっている。しかしながら、これらの管端部材にさらに連結部材を取付ける構成であっても構わない。このようにすると、管端部材をより強固に集結することができる。
【0079】
また、本発明の内外連通部材の形状は適宜変更して構わない。即ち、図17で示されるように、管端部材107の第2フランジ部108の外径が四角柱状であっても構わない。このような管端部材107を使用した場合、その外周部分に筺体2の内部側壁2bへの固着手段を形成した略四角環状の連結部材(図示せず)等を使用して熱源機1の筺体2へ取付けることができる。また、管端部材18の第2フランジ部24以外の部分もこれと同様に適宜形状を変更して構わない。加えて、管端部材18の配管接続口26及び外部部材接続口27も接続する各種配管や栓部材の形状に合わせて適宜変更して構わない。例えば、開口形状が四角形、五角形、六角形等の多角形状であってかまわない。即ち、管端部材は各種配管が取付け可能であり、一体的に集結可能であればよい。
【符号の説明】
【0080】
1 熱源機
2 筺体
2b 内部側壁
11 水抜き管(配管)
13 第1水抜き配管(配管)
14 第2水抜き配管(配管)
16 内外連通部材
18 管端部材
19 連結部材
24b 突起(係止凸部)
24c 貫通孔(係合部)
51 係止溝
52 突出片(係合部)
図1
図2
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