特許第5656078号(P5656078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5656078設備機器制御システム、及び設備機器制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656078
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】設備機器制御システム、及び設備機器制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20141225BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   H05B37/02 F
   F24F11/02 103D
   F24F11/02 103C
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-55240(P2011-55240)
(22)【出願日】2011年3月14日
(65)【公開番号】特開2012-190741(P2012-190741A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2013年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(72)【発明者】
【氏名】古川 慧
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和浩
(72)【発明者】
【氏名】大塚 俊裕
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 康裕
(72)【発明者】
【氏名】貞清 一浩
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−071197(JP,A)
【文献】 特開2002−112360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F24F 11/02
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に備えられている設備機器の運転を制御する設備機器制御システムであって、
前記設備機器を運転する期間、及び前記設備機器を運転させるエリアを示す運転スケジュール情報を記憶するスケジュール記憶部と、
前記建物内において行われる作業の内容と、当該作業が行われる期間とを示す情報を含む電子メールを端末装置から受信するメール受信部と、
前記メール受信部が受信した電子メールに含まれる作業の内容、及び期間に基づいて、前記設備機器を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報を前記スケジュール記憶部に記憶させるスケジュール生成部と、
前記スケジュール記憶部に記憶されている運転スケジュール情報に基づいて、前記設備機器を制御する制御部と、
を具備し
前記制御部は、
前記作業が複数の作業からなる場合、前記複数の作業に対して予め定められている順序で、前記端末装置に対して作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、前記複数の作業それぞれに対応する前記設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択する
ことを特徴とする設備機器制御システム。
【請求項2】
少なくとも1つの電子メールアドレスを含むグループを予め記憶しているグループ記憶部を更に具備し、
前記スケジュール生成部は、
前記受信した電子メールに含まれる送信元アドレスが、前記グループに含まれているか否かを判定し、該送信元アドレスが前記グループに含まれている場合、前記運転スケジュール情報を生成し、該送信元アドレスが前記グループに含まれていない場合、前記運転スケジュール情報を生成しない
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器制御システム。
【請求項3】
前記運転スケジュール情報には、認証用のコードが含まれており、
前記スケジュール生成部は、
前記端末装置から受信した電子メールに含まれる作業の期間と重複する運転スケジュール情報がスケジュール記憶部に記憶されている場合において、前記作業の期間と重複する運転スケジュール情報に含まれる認証用のコードと一致する認証用のコードが前記電子メールに含まれているとき、前記作業の期間と重複する運転スケジュール情報を前記電子メールに含まれる作業の内容及び期間に基づいて、該運転スケジュール情報を更新し、一致する認証用のコードが前記電子メールに含まれていないとき、前記運転スケジュール情報を更新しない
ことを特徴とする請求項1又は請求項のいずれかに記載の設備機器制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記設備機器を運転するスケジュールの終了時刻まで所定の期間になると、前記端末装置に対して、作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、該エリアにおける設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択する
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の設備機器制御システム。
【請求項5】
建物に備えられている設備機器を運転する期間、及び該設備機器を運転させるエリアを示す運転スケジュール情報を記憶するスケジュール記憶部を有し、前記設備機器の運転を制御する設備機器制御システムにおける設備機器制御方法であって、
前記建物内において行われる作業の内容と、当該作業が行われる期間とを示す情報を含む電子メールを端末装置から受信するメール受信ステップと、
前記メール受信ステップにおいて、受信した電子メールに含まれる作業の内容、及び期間に基づいて、前記設備機器を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報を前記スケジュール記憶部に記憶させるスケジュール生成ステップと、
前記スケジュール記憶部に記憶されている運転スケジュール情報に基づいて、前記設備機器を制御する制御ステップと、
を有し、
前記制御ステップでは、
前記作業が複数の作業からなる場合、前記複数の作業に対して予め定められている順序で、前記端末装置に対して作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、前記複数の作業それぞれに対応する前記設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択する
ことを特徴とする設備機器制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備機器制御システム、及び設備機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物に備えられている設備機器、例えば、照明器具や空調設備などを予め定められた運転スケジュールに基づいて、計画的に運転することが行われている。また、予め定められたエリアごとに、設備機器の運転、停止を制御することにより、設備機器の省エネルギー化が行われている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
更に、RFIDなどが組み込まれたタグを用いて、タグを所持した利用者の建物への入退を管理している建物では、タグに組み込まれたRFIDを検出することにより、建物内の照明や、空調などの設備機器の制御が、利用者が位置するエリアに対して行われている。このように、利用者の有無に応じた設備機器の制御は、運転スケジュールに基づいた制御に比べ、建物等の利用状況に即した制御が行われるので、電力等のエネルギーの利用効率を改善し、省エネルギー化を進めることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−135816号公報
【特許文献2】特開2010−065960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようにRFIDなどのタグを用いた設備機器の制御を行っている建物内において、タグを所持しない利用者が建物に入る場合には、タグを所持しない利用者が建物に入って作業する期間、エリアに応じて、設備機器を運転するスケジュールなど設定する必要がある。例えば、タグを所持しない利用者としては、建物内の清掃員や、建物内に備えられている設備機器の補修要員などであり、清掃や補修を行うエリア及び期間に応じて、設備機器を運転するスケジュールを設定する必要がある。
【0006】
上述のようにRFIDなどのタグを用いて設備機器を制御している建物内において、タグを所持しない利用者のために設備機器の運転スケジュールを設定する際には、設備機器を制御する制御装置を操作して、設備機器の運転内容(期間、エリア)を入力する必要がある。このように制御装置の操作を伴うため、設備機器の運転スケジュールに変更が生じた場合、制御装置を管理している管理者に連絡をとり、運転スケジュールの変更を依頼する手間が生じるという問題があった。また、管理者が不在の場合、運転スケジュールの変更を行うことができないことがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、設備機器を制御する制御装置の操作を要することなく、設備機器の運転内容を定め、変更を行うことができる設備機器制御システム、及び設備機器制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明は、建物に備えられている設備機器の運転を制御する設備機器制御システムであって、前記設備機器を運転する期間、及び前記設備機器を運転させるエリアを示す運転スケジュール情報を記憶するスケジュール記憶部と、前記建物内において行われる作業の内容と、当該作業が行われる期間とを示す情報を含む電子メールを端末装置から受信するメール受信部と、前記メール受信部が受信した電子メールに含まれる作業の内容、及び期間に基づいて、前記設備機器を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報を前記スケジュール記憶部に記憶させるスケジュール生成部と、前記スケジュール記憶部に記憶されている運転スケジュール情報に基づいて、前記設備機器を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記作業が複数の作業からなる場合、前記複数の作業に対して予め定められている順序で、前記端末装置に対して作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、前記複数の作業それぞれに対応する前記設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択することを特徴とする設備機器制御システムである。
【0010】
また、本発明は、上記に記載の発明において、少なくとも1つの電子メールアドレスを含むグループを予め記憶しているグループ記憶部を更に具備し、前記スケジュール生成部は、前記受信した電子メールに含まれる送信元アドレスが、前記グループに含まれているか否かを判定し、該送信元アドレスが前記グループに含まれている場合、前記運転スケジュール情報を生成し、該送信元アドレスが前記グループに含まれていない場合、前記運転スケジュール情報を生成しないことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記運転スケジュール情報には、認証用のコードが含まれており、前記スケジュール生成部は、前記端末装置から受信した電子メールに含まれる作業の期間と重複する運転スケジュール情報がスケジュール記憶部に記憶されている場合において、前記作業の期間と重複する運転スケジュール情報に含まれる認証用のコードと一致する認証用のコードが前記電子メールに含まれているとき、前記作業の期間と重複する運転スケジュール情報を前記電子メールに含まれる作業の内容及び期間に基づいて、該運転スケジュール情報を更新し、一致する認証用のコードが前記電子メールに含まれていないとき、前記運転スケジュール情報を更新しないことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記制御部は、前記設備機器を運転するスケジュールの終了時刻まで所定の期間になると、前記端末装置に対して、作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、該エリアにおける設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、建物に備えられている設備機器を運転する期間、及び該設備機器を運転させるエリアを示す運転スケジュール情報を記憶するスケジュール記憶部を有し、前記設備機器の運転を制御する設備機器制御システムにおける設備機器制御方法であって、前記建物内において行われる作業の内容と、当該作業が行われる期間とを示す情報を含む電子メールを端末装置から受信するメール受信ステップと、前記メール受信ステップにおいて、受信した電子メールに含まれる作業の内容、及び期間に基づいて、前記設備機器を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報を前記スケジュール記憶部に記憶させるスケジュール生成ステップと、前記スケジュール記憶部に記憶されている運転スケジュール情報に基づいて、前記設備機器を制御する制御ステップと、を有し、前記制御ステップでは、前記作業が複数の作業からなる場合、前記複数の作業に対して予め定められている順序で、前記端末装置に対して作業が終了したか否かの応答を求める電子メールを送信し、前記端末装置からの応答に応じて、前記複数の作業それぞれに対応する前記設備機器の運転を停止するか、あるいは運転を延長するかのいずれかを選択することを特徴とする設備機器制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、予め定められたアドレスから送信されたメールに記載されている作業内容及びその期間に応じて、設備機器を運転するエリア及びその期間を設定することができるので、人手を介して制御装置を操作することなく設備機器の運転スケジュールを設定することができる。また、メールを送信することで、設備機器の運転及びその期間を変更することができるので、スケジュールの変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態における設備機器制御システム1の構成を示す概略ブロック図である。
図2】本実施形態において端末装置14がメールサーバ12宛てに送信する電子メールの一例を示す図である。
図3】本実施形態における設備機器2に対する運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理のフローチャートである。
図4】本実施形態における制御サーバ13が運転スケジュール情報に基づいて設備機器2を制御する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における設備機器制御システム、及び設備機器制御方法を説明する。
【0017】
図1は、本実施形態における設備機器制御システム1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、設備機器制御システム1は、建物に備えられている複数の設備機器2を制御するシステムであり、データサーバ11と、メールサーバ12と、制御サーバ13と、複数の端末装置14とを具備している。ここで、設備機器2は、例えば、建物内のエリアごとに備えられている照明器具や、空調設備などである。
設備機器制御システム1は、端末装置14から送信される電子メールに基づいて、設備機器2を運転するスケジュールを設定、及び変更することができるシステムである。
【0018】
データサーバ11は、グループ記憶部111と、スケジュール記憶部112とを備えている。グループ記憶部111には、予め定められたグループごとに、当該グループに属する設定者それぞれの電子メールアドレスが対応付けられて記憶されている。スケジュール記憶部112には、設備機器2を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報が記憶される。
運転スケジュール情報には、設備機器2の運転開始時刻と、運転停止時刻と、設備機器2を運転させる建物内のエリアを識別する識別子と、当該エリアにおける作業内容を示す識別子と、当該スケジュールを変更する際のパスワードと、当該スケジュールの繰り返しの有無を示す情報とが含まれている。運転開始時刻と、運転停止時刻とは、日付と時刻との組合せで示してもよいし、曜日と時刻との組合せで示してもよい。更に、当日のみ、又は毎日の繰り返しを示す場合、運転開始時刻と、運転停止時刻とには、時刻のみを含め、日付及び曜日を省略してもよい。
【0019】
メールサーバ12は、メール送受信部121と、スケジュール生成部122とを備えている。メール送受信部121は、端末装置14と電子メールの送受信を行う。スケジュール生成部122は、メール送受信部121が端末装置14から受信した電子メールに基づいて、運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報をデータサーバ11に備えられているスケジュール記憶部112に記憶させる。
【0020】
制御サーバ13は、エリアテーブル131と、運転レベルテーブル132と、確認先記憶部133と、制御部134と、を備えている。エリアテーブル131には、建物内のエリアそれぞれを識別する識別子に、当該エリアに備えられている設備機器2の識別子が対応付けられて記憶されている。運転レベルテーブル132には、建物を利用する利用者が建物内で行う作業を識別する識別子と、建物内のエリアそれぞれを識別する識別子と、当該作業に応じて予め定められている設備機器2の運転状態を示す情報とが対応付けられて記憶されている。
【0021】
ここで、設備機器2の運転状態とは、設備機器2が照明器具の場合、対応する作業に要求される照度を得るための調光率であり、設備機器2が空調設備の場合、対応する作業に要求される室温を得るための給気温度である。また、建物内で行われる作業は、清掃作業や、建物内に備え付けられている機器のメンテナンス、事務作業、精密な製図などである。また、運転レベルテーブル132において、作業を識別する識別子と、エリアを識別する識別子と、運転状態を示す情報とが対応付けられているのは、エリアごとに運転状態を切り替えるためである。例えば、設備機器2が照明器具である場合に、窓などが設けられているエリアにおいて、日中に作業が行われる場合、窓などを介して外部よりある程度の照度が得られることが期待される場合、設備機器2の調光率を他のエリアに比べ低くするように切り替えることができる。
【0022】
確認先記憶部133には、運転スケジュール情報に基づいて設備機器2を運転させた場合において、当該設備機器2を停止させる際に問い合わせを行う先である作業者の電子メールアドレスが記憶されている。
制御部134は、データサーバ11に備えられているスケジュール記憶部112に記憶されている運転スケジュール情報を読み出し、読み出した運転スケジュール情報に基づいて、建物に備えられている設備機器2の運転及び停止を制御する。具体的には、制御部134は、読み出した運転スケジュール情報に含まれている運転開始時刻になると、設備機器2の運転を開始させ、運転停止時刻になると設備機器2を停止させる制御を行う。
【0023】
このとき、制御部134は、運転スケジュール情報に含まれている建物内のエリアを識別する識別子に対応する設備機器2の識別子をエリアテーブル131から読み出すことで、制御対象としての設備機器2を選択する。また、制御部134は、運転スケジュール情報に含まれている作業内容に対応する設備機器2の運転状態を運転レベルテーブル132から読み出して、制御対象の設備機器2に対して読み出した運転状態が得られるように制御を行う。
【0024】
端末装置14は、メールサーバ12宛てに電子メールを送信することができる情報機器であり、例えば、携帯電話や、パーソナルコンピュータ、携帯型の情報端末などである。端末装置14は、設備機器2に対する運転のスケジュールを設定する設定者の操作に応じて、設備機器2の運転のスケジュールを設定するための電子メールをメールサーバ12宛てに送信する。また、端末装置14は、メールサーバ12から受信する電子メールを表示し、設定者の操作に応じて、当該受信した電子メールに対する応答としての電子メールを送信する。
【0025】
図2は、本実施形態において端末装置14がメールサーバ12宛てに送信する電子メールの一例を示す図である。同図に示すように、端末装置14が送信する電子メールでは、宛先がメールサーバ12になっており、本文に「1 0830 1200 4 2 1234 0」が記載されている。本文に記載されている数字の列は、スケジュールの設定又は解除を示す情報「1」と、建物内において行われる作業の期間(開始時刻として「0830」、終了時刻として「1200」)と、作業を行うエリア(作業場所IDとして「4」)と、当該作業の内容(作業内容IDとして「2」)と、パスワード「1234」と、繰り返しの有無「0」とが記載されている。具体的には、図2に示す本文の内容は、時刻8:30から時刻12:00までの期間で、識別子「4」で識別されるエリアにおいて、識別子「2」で識別される作業に応じた設備機器2の運転のスケジュールを設定し(スケジュールの設定:「1」)、当該スケジュールを繰り返して設定しない(繰り返しの無:「0」)ことを示している。
【0026】
なお、図2では、電子メールの本文に設備機器2に対する1つのスケジュールを示す情報が含まれる例を示しているが、これに限らずに、複数のスケジュールが含まれるようにしてもよい。換言すると、複数の作業に対応させて、設備機器2を運転するスケジュールを設定するようにしてもよい。この場合、複数の作業に対応する運転スケジュール情報は、それぞれの開始時刻が早い順に順序が付けられた上で、関連付けられてスケジュール記憶部112に記憶される。
【0027】
図3は、本実施形態における設備機器2に対する運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理のフローチャートである。
メールサーバ12において、メール送受信部121が端末装置14から設備機器2を運転するスケジュールに関する電子メール、例えば、図2に示したような予め定められたフォーマットに従って情報が配列された電子メールを受信すると(ステップS101)、メール送受信部121は、受信した電子メールをスケジュール生成部122に出力する。
スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれるスケジュールの設定又は解除を示す情報に基づいて、当該電子メールがスケジュールを設定することを示しているか否かを判定する(ステップS102)。
【0028】
ステップS102において、スケジュールを設定することを示している場合(ステップS102:Yes)、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれる情報に基づいて、設備機器2を運転するスケジュールの設定を行う(ステップS103)。具体的には、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれる情報に基づいて、運転スケジュール情報を生成し、生成した運転スケジュール情報をデータサーバ11のスケジュール記憶部112に記憶させ、処理をステップS104に進める。
一方、ステップS102において、スケジュールを設定することを示していない場合(ステップS102:No)、スケジュール生成部122は、処理をステップS106に進める。
【0029】
ステップS104において、スケジュール生成部122は、入力された電子メールの送信元のアドレスが含まれるグループに属する電子メールアドレスをデータサーバ11のグループ記憶部111から読み出して照会する。
そして、ステップS105において、スケジュール生成部122は、当該グループに電子メールアドレスが含まれているメンバーに設備機器2を運転するスケジュールの内容及びパスワードを通知する。具体的には、スケジュール生成部122は、読み出し電子メールアドレスを宛先とし、ステップS102において生成した運転スケジュール情報を本文とする電子メールを送信させる制御をメール送受信部121に対して行い、運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理を終了する。
【0030】
ステップS106において、スケジュール生成部122は、パスワードは正しいか否かを判定する。具体的には、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれる作業の期間及び作業を行うエリアと、作業の期間及び作業を行うエリアとが重複する運転スケジュール情報をデータサーバ11のスケジュール記憶部112から読み出す。そして、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれるパスワードと、読み出した運転スケジュール情報に含まれるパスワードとが一致するか否かを判定する。
スケジュール生成部122は、両者のパスワードが一致する場合に、パスワードが正しいと判定してステップS107に処理を進め、両者のパスワードが一致しない場合に、パスワードが正しくないと判定してステップS110に処理を進める。
【0031】
ステップS107において、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれるスケジュールの設定又は解除を示す情報に基づいて、当該電子メールがスケジュールを変更することを示しているか否かを判定する。
スケジュール生成部122は、入力された電子メールがスケジュールを変更することを示している場合(ステップS107:Yes)、入力された電子メールに含まれる情報に基づいて、設備機器2を運転するスケジュールの変更を行う(ステップS108)。
【0032】
具体的には、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれる情報に基づいて、運転スケジュール情報を生成し、スケジュール記憶部112に記憶されている運転スケジュール情報のうち、作業の期間及び作業を行うエリアが重複する運転スケジュール情報を生成した運転スケジュール情報で上書きをすることにより、スケジュール記憶部112に記憶されている運転スケジュール情報を変更して、運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理を終了する。
【0033】
また、ステップS107において、スケジュール生成部122は、入力された電子メールがスケジュールを変更することを示していない場合(ステップS107:No)、スケジュールの解除を行い(ステップS109)、運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理を終了する。具体的には、スケジュール生成部122は、入力された電子メールに含まれる作業の期間及び作業を行うエリアと、作業の期間及び作業を行うエリアとが重複する運転スケジュール情報をデータサーバ11のスケジュール記憶部112から削除することにより、スケジュールの解除を行う。
【0034】
ステップS110において、スケジュール生成部122は、メールサーバ12宛てに送信された電子メールに含まれるパスワードが違うことを示す情報を含む電子メールを、入力された電子メールの送信元の電子メールアドレス又は端末装置14に送信させる制御をメール送受信部121に対して行い、運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理を終了する。このように、スケジュール生成部122に入力された電子メールを送信した端末装置14にパスワードが違うことを示す電子メールを返信する。これにより、端末装置14の操作を行った設定者に対して、パスワードを確認した上で、設備機器2の運転のスケジュールを設定又は変更をする電子メールを再度送信することを促す。
【0035】
図4は、本実施形態における制御サーバ13が運転スケジュール情報に基づいて設備機器2を制御する処理のフローチャートである。ここでは、運転スケジュール情報に含まれる作業を行う作業者が端末装置14を所持し、当該作業者が端末装置14を操作することができる場合について説明する。
【0036】
制御サーバ13において、制御部134は、設備機器2を制御する処理を開始すると、スケジュール記憶部112に記憶されている運転スケジュール情報のうち、開始時刻が現在の時刻と一致する運転スケジュール情報の前の運転スケジュール情報が終了しているか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、制御部134は、スケジュール記憶部112に記憶されている運転スケジュール情報のうち、開始時刻が現在の時刻と一致する運転スケジュール情報を読み出す。そして、制御部134は、読み出した運転スケジュール情報と順序の付けられた運転スケジュール情報であって、読み出した運転スケジュール情報の前に関連付けられている運転スケジュール情報(以下、前の運転スケジュール情報という。)があるか否かを判定する。
【0037】
順序の付けられた運転スケジュール情報がない場合、制御部134は、前の運転スケジュール情報に基づいた設備機器2の運転が終了しているとして、ステップS305に処理を進める。
一方、順序の付けられた運転スケジュール情報がある場合、制御部134は、当該運転スケジュール情報に基づいた設備機器2の運転が終了しているか否かを判定し、終了している場合、ステップS305に処理を進め、終了していない場合、ステップS302に処理を進める。
【0038】
ステップS302において、制御部134は、確認先記憶部133に記憶されている電子メールアドレスに対して、前の運転スケジュール情報に対する終了報告の送信を促す旨のメッセージが含まれる電子メールを送信させる制御をメールサーバ12のメール送受信部121に対して行う。
ステップS303において、端末装置14は、終了報告の送信を促す旨のメッセージが含まれる電子メールをメールサーバ12から受信すると、当該メッセージを出力する。そして、端末装置14は、作業者の操作に応じて、前の運転スケジュール情報に対する終了報告を含む電子メールをメールサーバ12に送信する。
ステップS304において、メールサーバ12のメール送受信部121は、前の運転スケジュール情報に対する終了報告を含む電子メールを端末装置14から受信すると、当該電子メールを制御サーバ13に送信する。
【0039】
ステップS305において、制御サーバ13の制御部134は、前の運転スケジュール情報に基づいた設備機器2の運転が終了していることが確認できると、ステップS301において読み出した運転スケジュール情報に基づいて、設備機器2の運転を開始させ、処理をステップS306に進める。
ステップS306において、制御部134は、現在の時刻がステップS301において読み出した運転スケジュール情報の終了時刻の10分前であるか否かを判定する。すなわち、制御部134は、運転スケジュール情報の終了時刻まで所定の期間(10分間)になったか否かを判定する。
【0040】
現在の時刻が終了時刻の10分前である場合(ステップS306:Yes)、制御部134は、確認先記憶部133に記憶されている作業者の電子メールアドレス宛に終了確認のメール送信を行わせる制御をメールサーバ12のメール送受信部121に対して行う。そして、ステップS307において、メール送受信部121は、作業が終了しているか否かを問い合わせる内容のメッセージを含む電子メールを作業者の電子メールアドレス宛に送信する。
一方、現在の時刻が終了時刻の10分前でない場合(ステップS306:No)、制御部134は、処理をステップS313に進める。
【0041】
端末装置14は、ステップS307において送信された、作業が終了しているか否かを問い合わせる内容のメッセージを含む電子メールをメールサーバ12から受信すると、当該メッセージを出力する。そして、ステップS308において、端末装置14は、作業者の操作に応じて、作業の期間の延長を申請する内容を示す電子メールか、あるいは、作業の終了を報告する内容を示す電子メールかのいずれかをメールサーバ12に送信する。
【0042】
ステップS309において、メールサーバ12のメール送受信部121は、作業が終了しているか否かを問い合わせる内容のメッセージを含む電子メールを作業者の電子メールアドレス宛に送信してから、ステップS308における電子メールの受信が10分以内にあったか否かを判定し、10分以内にあった場合(ステップS309:Yes)、処理をステップS310に進める。
一方、10分以内になかった場合(ステップS309:No)メール送受信部121は、10分以内に問い合わせに対する返信がなかったことを示す情報を制御サーバ13に送信して、制御サーバ13にステップS311の処理を行わせる。
【0043】
ステップS310において、メール送受信部121は、ステップS308において受信した電子メールに作業の終了を示す内容が含まれているか否かを判定し、作業の終了を示す内容が含まれている場合(ステップS310:Yes)、メール送受信部121は、問い合わせに対する返信に作業の終了を示す内容が含まれていたことを示す情報を制御サーバ13に送信して、制御サーバ13にステップS311の処理を行わせる。
一方、作業の終了を示す内容が含まれていない場合(ステップS310:No)、メール送受信部121は、問い合わせに対する返信に作業の終了を示す内容が含まれていないことを示す情報を制御サーバ13に送信して、制御サーバ13にステップS312の処理を行わせる。
【0044】
ステップS311において、制御サーバ13の制御部134は、ステップS301において読み出した運転スケジュール情報に基づいて運転させている設備機器2を停止させる制御を行い、設備機器2を制御する処理を終了させる。
ステップS312において、制御部134は、設備機器2を運転させる期間の延長処理を行う。具体的には、制御部134は、ステップS301において読み出した運転スケジュール情報の終了時刻が予め定められた期間(例えば、30分間)延長されるように、終了時刻を変更し、ステップS306に処理を進める。このとき、終了時刻が変更された運転スケジュール情報をスケジュール記憶部112に記憶させて、当該運転スケジュール情報を更新するようにしてもよい。
【0045】
ステップS313において、制御サーバ13の制御部134は、現在時刻が毎時20分又は50分であるか否かを判定し、現在の時刻が毎時20分又は50分である場合(ステップS313:Yes)、確認先記憶部133に記憶されている作業者の電子メールアドレス宛に終了確認のメール送信を行わせる制御をメールサーバ12のメール送受信部121に対して行い、メール送受信部121にステップS307の処理を行わせる。
一方、現在の時刻が毎時20分又は50分でない場合(ステップS313:No)、制御部134は、ステップS306に処理を進める。
【0046】
上述のように処理を行うことにより、設備機器制御システム1は、作業者が所持している端末装置14に対して、作業の進捗状況を応答させる電子メールを送信することで、作業の進捗状況を確認する。これにより、運転スケジュール情報に含まれる終了時刻より早く作業が終了した場合において、作業が終了したことを示す電子メールを受信すると、制御部134が設備機器2を停止させるので、設備機器2の無駄な運転を抑制して省エネルギーを図ることができる。
また、ステップS313における処理として、作業の進捗状況を応答させる電子メールを30分ごとに送信することで、定期的に作業の進捗状況を確認することができ、設備機器2の無駄な運転を抑制して省エネルギーを図ることができる。
【0047】
また、複数の作業が連続して行われる場合、各作業に対応する運転スケジュール情報に順序が付けられた上で、関連付けられてスケジュール記憶部112に記憶される。そして、設備機器制御システム1は、各運転スケジュール情報に基づいて設備機器2を運転させる前に、当該運転スケジュール情報に対して前の運転スケジュール情報に対する作業が終了しているか確認をする(ステップS301〜ステップS305)。すなわち、複数の作業に対して予め定められている順序で、各作業が終了しているか否かの応答を求める電子メールを端末装置14に送信し、端末装置14からの応答に応じて、設備機器2の運転を停止するか、あるいは延長するかを選択するようにした。これにより、作業者に対して作業が終了したことを報告させることを怠らせないことができる。
【0048】
本実施形態による設備機器制御システム1によれば、制御サーバ13を直接操作することなしに、設備機器2を運転するスケジュールを定めたり、変更したりすることができ、電子メールを送信することができれば、遠隔地から設備機器2を運転するスケジュールを定めたり、変更したりすることができる。
また、各運転スケジュール情報にはパスワードが含まれており、当該運転スケジュール情報の変更又は削除(解除)には、パスワードによる確認を必要としている(ステップS106〜S109)ので、当該パスワードが通知されるメンバーのみが運転スケジュール情報の変更又は削除を行うことができる。これにより、メンバー以外の設定者が、設備機器2を運転するスケジュールの変更を誤って行ってしまう可能性を低くすることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、作業者には予め電子メールアドレスが割り当てられている構成について説明したが、これに限ることなく、運転スケジュール情報に作業者の電子メールアドレスを含めるようにしてもよい。この場合、設備機器2の運転のスケジュールを設定する場合、作業者の電子メールアドレスを含めた電子メールをメールサーバ12に送信するようにし、運転スケジュール情報に当該電子メールアドレスが含まれるようにする。更に、制御サーバ13は、運転スケジュール情報に含まれる作業者の電子メール宛に作業の進捗具合を問い合わせる電子メールを送信するようにする。これにより、作業の進捗具合を問い合わせる先を柔軟に変更することができ、設備機器制御システム1の利用形態に応じた運用を行うことが容易になる。
【0050】
また、スケジュール生成部122は、運転スケジュール情報を生成する際、受信した電子メールの送信元の電子メールアドレスが、グループ記憶部111に記憶されているか否かを判定し、送信元の電子メールアドレスがグループ記憶部111に記憶されている場合、運転スケジュール情報を生成し、送信元の電子メールアドレスがグループ記憶部111に記憶されていない場合、運転スケジュール情報を生成しないようにしてもよい。これにより、設備機器2を運転するスケジュールを示す運転スケジュール情報をスケジュール記憶部112に記憶させることができる権限を、グループ記憶部111に電子メールアドレスが記憶されている設定者に限定することができる。
【0051】
上述のデータサーバ11、メールサーバ12、及び制御サーバ13は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述したグループ記憶部111、スケジュール記憶部112、メール送受信部121、スケジュール生成部122、エリアテーブル131、運転レベルテーブル132、確認先記憶部133、制御部134それぞれの機能をコンピュータシステムに実行させるプログラムが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、運転のスケジュールの設定、変更、及び解除を行う処理と、制御サーバ13が運転スケジュール情報に基づいて設備機器2を制御する処理とが行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータシステムが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0052】
1…設備機器制御システム、2…設備機器、11…データサーバ、12…メールサーバ、13…制御サーバ、14…端末装置、111…グループ記憶部、112…スケジュール記憶部、121…メール送受信部、122…スケジュール生成部、131…エリアテーブル、132…運転レベルテーブル、133…確認先記憶部、134…制御部
図1
図2
図3
図4