(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持ブロックには、前記キャスターの上端部のベースプレートが挿入されるプレート受容部と、前記プレート受容部に前記ベースプレートを抜け止めするためのキャスターストッパが挿入されるキャスターストッパ受容部とが形成され、
前記バー挿入孔を、前記キャスターストッパ受容部の内部に連通させて、前記キャスターストッパ受容部の内部に前記連絡バーの一部を露出させ、前記キャスターストッパが前記バーストッパと協働して前記連絡バーの前記孔内スペース側への移動を禁止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の台車用連絡バー結合構造。
前記支持ブロックの壁部に、前記バー挿入孔への前記連絡バーの挿入方向と直交する方向で貫通して前記孔内スペースに連通したバーストッパ挿入孔を設け、そのバーストッパ挿入孔を通して前記孔内スペースに前記バーストッパを挿入可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の台車用連絡バー結合構造。
前記支持ブロックには、前記キャスターの上端部のベースプレートが挿入されるプレート受容部と、前記プレート受容部に前記ベースプレートを抜け止めするためのキャスターストッパが挿入されるキャスターストッパ受容部とが形成され、
前記孔内スペースを、前記キャスターストッパ受容部の内部に連通させて、前記キャスターストッパを前記バーストッパに兼用したことを特徴とする請求項1に記載の台車用連絡バー結合構造。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を
図1〜
図13に基づいて説明する。
図1に示した台車10は、平面形状が四角形の枠形をなし、その4辺に沿って延びた連絡バー11と、四隅でキャスター13を支持した支持ブロック20との連結に、本発明に係る台車用連絡バー結合構造が適用されている。
【0019】
連絡バー11は、例えば、アルミ製の、所謂、アングル材であって、断面形状がL字状をなし、そのL字の縦辺部分を構成する縦板部11Bが、横辺部分を構成する横板部11Aより上方に直立している。また、
図2に示すように、連絡バー11の横板部11Aには、その両端部に1対ずつの結合貫通孔12,12が形成されている。これら結合貫通孔12,12は、共に円形孔であって、連絡バー11の長手方向に並べられると共に、横板部11Aの幅方向の中央より縦板部11B側にずらして配置されている。
【0020】
図5に示すように、キャスター13は、四角形のベースプレート14を上端部に備えている。また、ベースプレート14の下面中央には、旋回支持部15が鉛直軸を中心に旋回可能に取り付けられ、その旋回支持部15に備えた1対の支持脚部15A,15Aが、車輪16を回転可能に支持している。
【0021】
支持ブロック20は、樹脂成形品であって、
図3(A)に示すように、ブロック本体21の上面に1対の上面突壁22,22を備えた構造になっている。ブロック本体21の全体は、上下に扁平な直方体の一角部を切除した上に、さらに凹ませて内角凹部23とした形状になっている。また、ブロック本体21のうち内角凹部23を設けたことで切除された架空の一角部に対する対角位置の角部は、台車10全体の枠構造における四隅の角部でもあるメイン角部24になっている。
【0022】
支持ブロック20は、メイン角部24を2分の1ずつ(45度ずつ)に分割する二分割面S1対して左右対称な形状になっている。具体的には、前記した上面突壁22,22は、ブロック本体21の上面のうちメイン角部24を挟んで直交した1対の外縁部全体に沿って配置されている。また、内角凹部23の内面は、内角奥面23Aとその両側の内角側面23B,23Bとからなり、内角奥面23Aは、二分割面S1と直交する平坦面になっている。一方、内角側面23B,23Bは、メイン角部24を挟んで直交したブロック本体21の外側面20S,20S(
図4参照。以下、「メイン外側面20S」という)と平行な平坦面になっている。また、
図3(A)に示すように、ブロック本体21のうち内角凹部23の両側には、内角側面23B,23Bに対して直交しかつ、上面突壁22,22の各一端面と面一になったブロック先端面20T,20Tが備えられている。
【0023】
ブロック本体21の上面21Aの略全体は、平板状のメイン上部壁25によって覆われている。また、ブロック本体21のメイン側面20S,20Sは、メイン側壁26,26によって覆われている。そして、1対の上面突壁22,22は、ブロック本体21の上面21Aにおける両メイン側壁26,26側の外縁部のうち両メイン側壁26,26より僅かに内側にずれた位置でメイン上部壁25から起立しかつ、メイン角部24で互いに直交している。
【0024】
図4に示すように、各上面突壁22の上端部からは外側に向かって上端鍔壁22Cが張り出し、ブロック本体21の上面21Aのうち上面突壁22,22より外側のL字形領域を上方から覆っている。また、その上面21AのL字形領域と上端鍔壁22Cとの間には、上面突壁22,22同士の交差部分に角部補強リブ22Lが形成されると共に、両上面突壁22,22の長手方向の中央に外側面補強リブ22S,22Sが形成されている。そして、これら角部補強リブ22L及び外側面補強リブ22S,22Sによって、上端鍔壁22Cと上面突壁22とメイン上部壁25(
図3(A)参照)とが連絡されている。
【0025】
また、各上面突壁22のうちブロック先端面20T側の端部では、メイン側壁26から上方に延設された上下連絡壁22Aが、空間22Kを挟んで上面突壁22と対向しており、その上下連絡壁22Aの上端部が上端鍔壁22Cに接続されている。
【0026】
図3(A)に示すように、ブロック本体21のうち内角凹部23の内角奥面23A及び内角側面23B,23Bは、内角奥部壁27及び内角側部壁28,28によって覆われている。また、
図4に示すように、ブロック本体21の内部には、内角奥部壁27の左右方向の両端寄り位置から各メイン側壁26,26に向かって二分割面S1(
図3(A)参照)と平行に延びた1対のプレートサイド支持リブ29B,29Bが設けられている。それらプレートサイド支持リブ29B,29Bの上端部は、前記したメイン上部壁25(
図3参照)と一体になり、プレートサイド支持リブ29B,29Bの下面は、ブロック本体21全体の下面と面一になっている。
【0027】
プレートサイド支持リブ29B,29Bの間には、内角奥部壁27寄り位置にプレート前端支持リブ29Aが設けられている。プレート前端支持リブ29Aは、内角奥部壁27と平行になって対向している。また、プレート前端支持リブ29Aの下端面は、ブロック本体21全体の下面と面一になり、プレート前端支持リブ29Aの上端面は、図示しないが、ブロック本体21の上下方向の中間に配置されている。また、プレート前端支持リブ29Aは、上下方向の中間より下側部分のみがプレートサイド支持リブ29B,29Bと一体になり、プレート前端支持リブ29Aの上側部分は、下側部分に比べて左右方向で段付き状に横幅が小さくなって、プレートサイド支持リブ29B,29Bから切り離されている。以下、プレート前端支持リブ29Aのうち横幅が小さい前記上側部分を、プレート前端支持リブ29Aの上側幅狭部29H(
図4参照)ということとする。
【0028】
プレートサイド支持リブ29B,29Bの互いの対向面の下端縁には、プレート下面支持棚壁30,30が設けられている。これらプレート下面支持棚壁30,30は、プレートサイド支持リブ29B,29Bのうちプレート前端支持リブ29Aよりメイン側壁26,26側に延びている。また、両プレート下面支持棚壁30,30の上面は、互いに面一な平坦になっている。
【0029】
プレート下面支持棚壁30,30より上側には、1対のプレート上面支持リブ31,31が設けられている。それら1対のプレート上面支持リブ31,31は、プレートサイド支持リブ29B,29Bと平行になってプレート前端支持リブ29Aとメイン側壁26,26との間に延び、さらに、プレート前端支持リブ29Aと内角奥部壁27との中間位置までプレート前端支持リブ29Aから内角奥部壁27に張り出している(
図8参照)。また、1対のプレート上面支持リブ31,31は、上記プレート前端支持リブ29Aの上側幅狭部29Hの両側部に配置されて、それらプレート上面支持リブ31,31同士の間隔は、プレート下面支持棚壁30,30同士の間隔より狭くなっている。さらに、プレート上面支持リブ31,31の下面は、プレート下面支持棚壁30,30の上面に対して、前記したキャスター13におけるベースプレート14の板厚分だけ上方にずらして配置されている。そして、これらプレート上面支持リブ31,31の下面とプレート下面支持棚壁30,30の上面とプレートサイド支持リブ29B,29Bとプレート前端支持リブ29Aとに囲まれた領域が、本発明に係るプレート受容部33になっている。また、1対のメイン側壁26,26の下縁部のうち1対のプレートサイド支持リブ29B,29Bに挟まれた部分が切除されて、プレート受容部33を側方に開放するプレート挿入口33Kになっている。そして、
図5に示すように、プレート挿入口33Kからプレート受容部33内にベースプレート14がスライド挿入される。
【0030】
プレート受容部33に挿入されたベースプレート14を抜け止めするために、プレート上面支持リブ31,31の間には、弾性係止片32が設けられている。弾性係止片32は、プレート前端支持リブ29Aからメイン側壁26,26同士の交差部分に向かってプレート上面支持リブ31,31と平行に延びた片持ち梁状をなし、その先端から下方に係止突部32Aが突出している。また、係止突部32Aを除く弾性係止片32全体の下面は、プレート上面支持リブ31,31の下面より僅かに上方に位置し、係止突部32Aは、プレート上面支持リブ31,31の下面より下方に突出している。さらに、係止突部32Aには、プレート前端支持リブ29A側を向いてそのプレート前端支持リブ29Aと平行になった係止面32Bと、係止面32Bと反対側で弾性係止片32の先端に向かって徐々に上方に向かうように傾斜したガイド面32Cとが備えられている。そして、ベースプレート14をプレート受容部33に挿入する過程で、ベースプレート14がガイド面32Cに摺接して弾性係止片32が上方に弾性変形する。そして、ベースプレート14がプレート受容部33の奥部まで挿入されたところで、弾性係止片32が弾性復元して、
図5に示すように、係止面32Bがベースプレート14の縁部に係止し、ベースプレート14がプレート受容部33に抜け止めされる。
【0031】
ブロック本体21には、
図10に示したキャスターストッパ50を装着するためのキャスターストッパ受容部40が設けられている。具体的には、
図8に示すように、弾性係止片32とメイン上部壁25との間に設けられて、弾性係止片32の上方への弾性変形を許容する変形許容空間40Aと、1対のプレート上面支持リブ31,31とそれらの両側方の1対のプレートサイド支持リブ29B,29Bとの間の側部空間40B,40Bとが、プレート前端支持リブ29Aより内角奥部壁27側で互いに連通すると共に、その内角奥部壁27に形成された中央受容口40Kで外側に開放してキャスターストッパ受容部40になっている。
【0032】
図3(B)に示すように、中央受容口40Kの下辺中央には、内角奥部壁27から上方に延設された開口下端壁38Aが設けられ、この開口下端壁38Aにより、中央受容口40Kの開口形状が、四角形の下辺中央を上方に段付き状に凹ませた形状、即ち、「凹」の文字の上下を逆転させた形状になっている。また、その開口下端壁38Aは、プレート前端支持リブ29Aの上側幅狭部29H(
図4参照)と同じ横幅をなしている。そして、プレート前端支持リブ29Aの上側幅狭部29Hと開口下端壁38Aとの上端縁の間が水平で平坦な係合壁38Cで連絡されている。また、その係合壁38Cには、
図8に示すように、四角形の係止孔38Kが貫通形成されている。さらには、開口下端壁38Aとプレート前端支持リブ29Aの上側幅狭部29Hの両側縁部の間は、連絡リブ38B,38Bにて連絡されている。
【0033】
図8に示すように、メイン上部壁25のうちキャスターストッパ受容部40の両側部空間40B,40Bに臨んだ部分からは、内部上面突条34,34が突出しいる。各内部上面突条34は、メイン側壁26から内角奥部壁27に向かう中間位置まで、プレートサイド支持リブ29Bと平行に延びている。
【0034】
図8に示すように、支持ブロック20のうち、プレートサイド支持リブ29B,29Bよりキャスターストッパ受容部40の両外側部分には、本発明に係るバー挿入孔41,41が設けられ、各バー挿入孔41に前記した連絡バー11と共に後述するバーストッパ60(
図11参照)とが挿入される。具体的には、前記した各内角側部壁28は、内角奥部壁27と交差して通過してから支持ブロック20内でプレートサイド支持リブ29Bと交差する位置まで真っ直ぐ延びている。そして、バー挿入孔41は、上方をメイン上部壁25で覆われ、両側方を内角側部壁28とメイン側壁26とによって覆われている。
【0035】
内角側部壁28とプレートサイド支持リブ29Bとの交差部分よりメイン角部24側にずれた位置では、メイン側壁26と直交する終端リブ35がメイン側壁26とプレートサイド支持リブ29Bとの間を連絡している。その終端リブ35は、前記した上面突壁22の外側の外側面補強リブ22S(
図4参照)と同一平面内に配置されていて、この終端リブ35によってバー挿入孔41の奥部が閉じられている。また、終端リブ35よりブロック先端面20T側では、メイン上部壁25とメイン側壁26とが切り離されていて、上端鍔壁22Cより下側の空間がバー挿入孔41に連通している(
図3(B)参照)。
【0036】
図4に示すように、メイン側壁26、内角側部壁28及び終端リブ35に囲まれた領域の下端部には、複数の補強リブ42が格子状に張り巡らされ、これら補強リブ42によって
図3(B)に示すようにバー挿入孔41の下面側が閉じられている。これら補強リブ42群には、
図4に示すように、内角側部壁28及びメイン側壁26に直交した横リブ43が、少なくとも4つ含まれ、それら横リブ43に直交した縦リブ45が少なくとも2つ含まれている。以下、横リブ43同士を区別する場合には、ブロック先端面20T側から終端リブ35に向かって順番に、第1の横リブ43A,第2の横リブ43B(本発明の「第2直列補強リブ」に相当する),第3の横リブ43C,第4の横リブ43Dというとする。
【0037】
図6に示すように、横リブ43群のうち第1の横リブ43Aは、その外面が上面突壁22及びメイン上部壁25の外面と面一になってブロック先端面20Tを構成するように配置されている。そして、バー挿入孔41におけるブロック先端面20T側の開口が端部受容口41Kになっている。また、第1と第2の横リブ43A,43Bの上端部の間は、メイン上部壁25と平行な孔下面構成壁44によって全体が閉塞されている。これと同様に、第3と第4の横リブ43C,43Dの上端部の間も、全体が孔下面構成壁44によって閉塞されている。これらに対し、キャスターストッパ受容部40の幅方向の中央(1対の縦リブ45,45に挟まれた部分)において、第2と第3の横リブ43B,43Cの間には孔下面構成壁44がなく、第2と第3の横リブ43B,43Cの間の空間がバー挿入孔41の内側下面に開口して係合孔44Aになっている。
【0038】
なお、キャスターストッパ受容部40の幅方向の両側部には、第2と第3の横リブ43B,43Cの上端部の間も孔下面構成壁44によって閉塞されている(
図7参照)。また、
図3(B)に示すように、第1の横リブ43Aと孔下面構成壁44とが交差した端部受容口41Kの下縁部には、その両端部を陥没させて1対の段差凹部41J,41Jが形成されている。
【0039】
図8に示すように、プレートサイド支持リブ29Bのうち終端リブ35との交差部と、内角側部壁28との交差部とに挟まれた部分には、プレートサイド支持リブ29Bにおけるメイン上部壁25側の一部を切除して連通孔37が形成されている。
図7に示すように、連通孔37の上下方向の大きさは、連絡バー11における横板部11Aの板厚の約2倍の程度になっている。また、
図8に示すように、キャスターストッパ受容部40のうち連通孔37より中央受容口40K側の両側部の内部上面(メイン上部壁25の下面)は、バー挿入孔41内のバー挿入孔41の内部上面と面一になっている。
【0040】
各バー挿入孔41の内部上面(メイン上部壁25の下面)からは、1対の結合突部36,36が突出している。これら結合突部36,36は、断面円形になっていて、バー挿入孔41の奥行き方向に並べられると共に、バー挿入孔41の幅方向の中央より上面突壁22寄りに配置されている。また、
図6に示すように、端部受容口41K側の結合突部36は、その結合突部36のうち端部受容口41K寄りの半分が、第2の横リブ43Bの真上に位置するように配置されている。なお、メイン上部壁25には、結合突部36,36に挟まれた部分に矩形の上面孔25Wが貫通形成されている。
【0041】
上記したキャスターストッパ受容部40に挿入されるキャスターストッパ50は、全体が
図10(A)と
図10(B)とに示され、バー挿入孔41に挿入されるバーストッパ60は、全体が
図11(A)と
図11(B)とに示されている。まず、キャスターストッパ50について説明する。
図10(A)に示すように、キャスターストッパ50は、センター挿入部材51と、1対のサイド挿入部材52,52とを挿入支持部53の前面53Fから平行に延ばした構造になっている。また、これらセンター挿入部材51、サイド挿入部材52及び挿入支持部53は、上面側が開放し、内部にリブを備えた筐体構造になっている。
【0042】
1対のサイド挿入部材52,52は、センター挿入部材51の両側に配置され、センター挿入部材51より短くなっている。また、各サイド挿入部材52の長手方向の中央には、内部に箱形補強壁52Hが設けられている。その箱形補強壁52Hは、サイド挿入部材52の下面に開放し、サイド挿入部材52の上面側が閉塞している。そして、上記した支持ブロック20の内部上面突条34が箱形補強壁52Hの上面に当接する(
図13参照)。また、各サイド挿入部材52におけるセンター挿入部材51側の側縁部を除いた全体は、キャスターストッパ50全体の上面に対して僅かに下方にずれた配置になっている。
【0043】
図10(B)に示すように、挿入支持部53の下面における左右方向の両端部からは、下面突部53T,53Tが突出していて、挿入支持部53の後面53Rの形状が、中央受容口40Kと同一になっている。また、キャスターストッパ50をキャスターストッパ受容部40に抜け止めするために、キャスターストッパ50には、センター挿入部材51の基端部から挿入支持部53に亘る範囲の壁面を切除して、弾性係止片54が形成されている。弾性係止片54は、片持ち梁の先端から下方に三角形の係止突部54Aを突出させた構造をなし、係止突部54Aにおける挿入支持部53R側がその挿入支持部53Rと平行な係止面54Bをなす一方、その反対側が傾斜面54Cになっている。
【0044】
次に、バーストッパ60について説明する。
図11(A)に示すように、バーストッパ60は、上面が開放した略直方体形状の筐体の内部に補強リブ64を備えた構造になっている。また、補強リブ64は、バーストッパ60のバー挿入孔41への挿入方向に延びた1対の縦リブ65,65の中間部同士の間を横リブ66(本発明の「第1直列補強リブ」に相当する)にて連絡した構造になっている。さらに、1対の縦リブ65,65は、例えば、前記した支持ブロック20の補強リブ42における係合孔44Aの両側の縦リブ45,45(
図4参照)と同じ間隔に配置され、バーストッパ60の後端壁67と横リブ66との間隔は、補強リブ42における第1と第2の横リブ43A,43Bの間隔と同じになっている。
【0045】
図11(B)に示すように、バーストッパ60の下面のうちバー挿入孔41への挿入方向の後端縁からは、その両側部から下面突部61,61が突出し、バー挿入孔41の段差凹部41J,41Jに収まるようになっている。また、バーストッパ60の下面における前後及び左右方向の中央には、弾性係止片63(本発明の「ストッパ抜止手段」に相当する)が設けられている。弾性係止片63は、バーストッパ60の底壁から一部を切り離してなる片持ち梁の先端から下方に三角形の係止突部63Aを突出させた形状になっている。また、係止突部63Aにおける後側部分は、バーストッパ60の下面と直交した係止面63Bになっていて、前記した横リブ66に隣接している。一方、係止突部63Aにおける前側部分は、バーストッパ60の下面に対して傾斜した傾斜面63Cになっている。
【0046】
本実施形態の台車10の構成部品の構造に関する説明は以上である。次に、台車10の組み立て方法と共に、連絡バー11と支持ブロック20との間に適用された台車用連絡バー結合構造の作用効果について説明する。
【0047】
連絡バー11と支持ブロック20とを組み付けるには、その前に各支持ブロック20にキャスター13を取り付けておいてもよいが、そうではない組み付け方法について説明する。まず、
図6に示すように、支持ブロック20のバー挿入孔41に端部受容口41Kから連絡バー11を挿入する。具体的には、連絡バー11の縦板部11Bを上面突壁22と上下連絡壁22Aの間の空間22Kに挿入し、連絡バー11の横板部11Aをバー挿入孔41内の上面から僅かに下方にずらした状態にしてバー挿入孔41の奥部まで挿入する。
【0048】
すると、連絡バー11の先端がバー挿入孔41の奥部の終端リブ35に当接し、横板部11Aの先端角部が連通孔37に受容されると共に、バー挿入孔41内の各結合突部36と連絡バー11の各結合貫通孔12とが同軸上に並んで上下方向で対向する。この状態で、連絡バー11を支持ブロック20のメイン上部壁25側に移動し、結合突部36と結合貫通孔12とを凹凸係合させる。このとき、連絡バー11の下面とバー挿入孔41に内側下面との間に、本発明に係る孔内スペース41S(
図6及び
図7参照)が形成される。そこで、バーストッパ60を端部受容口41Kから孔内スペース41Sに挿入する。
【0049】
すると、その挿入過程でバーストッパ60における弾性係止片63の傾斜面63Cが端部受容口41Kの開口縁に摺接して弾性係止片63が弾性変形する。そして、バーストッパ60が正規位置まで挿入されると、弾性係止片63が弾性復元して、弾性係止片63の係止面63Bが係合孔44Aの内面に係止し、バーストッパ60がバー挿入孔41内に抜け止めされる。また、バーストッパ60が正規位置まで挿入されると、バーストッパ60の下面突部61,61(
図11(B)参照)がバー挿入孔41の段差凹部41J,41J(
図3(B)参照)に収まってバーストッパ60の後面が支持ブロック20のブロック先端面20Tと面一になる(
図6参照)。なお、バーストッパ60をバー挿入孔41に、上下を逆にして後挿入した場合には、下面突部61,61と連絡バー11とが干渉し、奥まで挿入することができない。
【0050】
図6に示すように、バーストッパ60がバー挿入孔41に収まると、そのバーストッパ60によって連絡バー11の下方への移動が禁止され、結合突部36と結合貫通孔12とが凹凸係合した状態に保持される。また、バー挿入孔41内の一方の結合突部36と、その鉛直下方にある支持ブロック20の第2の横リブ43Bとの間にバーストッパ60の横リブ66が挟まれて、それら結合突部36と横リブ66と第2の横リブ43Bが鉛直方向で一直線上に並んだリブ直列構造になる。このリブ直列構造により、結合突部36、横リブ66等の並び方向でブロック本体21及びバーストッパ60が変形し難い状態で補強し合い、強度が高くなる。
【0051】
各支持ブロック20の各バー挿入孔41に連絡バー11とバーストッパ60を組み付け、例えば、4つの連絡バー11にて4つの支持ブロック20を連絡した枠構造にしたら、次いで、各支持ブロック20にキャスター13を取り付ける。そのためには、前述したようにキャスター13のベースプレート14をプレート受容部33内に挿入して弾性係止片32にて抜け止めする(
図5参照)。そして、各支持ブロック20のキャスターストッパ受容部40にキャスターストッパ50をそれぞれ挿入する。
【0052】
すると、バーストッパ60の挿入時と同様に、キャスターストッパ50の弾性係止片54が弾性変形してから復元し、
図9に示すように、弾性係止片54の係止面54Bが係止孔38Kの内面に係止して、キャスターストッパ50がキャスターストッパ受容部40内に抜け止めされる。また、この状態で、キャスターストッパ50の下面突部53T,53T(
図10(B)参照)がキャスターストッパ受容部40における開口下端壁38A(
図3(B)参照)の両側に収まってキャスターストッパ50の後面53Rが支持ブロック20における内角凹部23の内角奥面23Aと面一になる。なお、キャスターストッパ50の上下を逆にしてキャスターストッパ受容部40に誤挿入した場合には、下面突部53T,53Tが中央受容口40Kの開口縁に干渉して、奥まで挿入することはできない。
【0053】
各支持ブロック20のキャスターストッパ受容部40にキャスターストッパ50が収まると、
図12に示すように、キャスターストッパ50のセンター挿入部材51によって弾性係止片32の上方への変形が規制され、弾性係止片32とキャスター13のベースプレート14とが係合した状態に保持される。また、
図13に示すように、連絡バー11のうち連通孔37を通してキャスターストッパ受容部40内に突入していた部分の下側には、キャスターストッパ50のサイド挿入部材52が配置される。これによりバーストッパ60とキャスターストッパ50との協働により、連絡バー11の下方への移動が禁止され、結合突部36と結合貫通孔12とが凹凸係合の保持が強固になる。
【0054】
ところで、台車10の縦又は横の大きさを変更するために連絡バー11を交換する場合は、例えば、支持ブロック20からバーストッパ60とキャスターストッパ50みのを取り外し、キャスター13を支持ブロック20に取り付けた状態のままで連絡バー11を交換すればよい。なお、バーストッパ60を支持ブロック20から取り外す際には、支持ブロック20の下面から工具等によってバーストッパ60の弾性係止片63を押し上げれた状態にして引き抜けばよい。キャスターストッパ50に関しても同様である。
【0055】
このように本実施形態の連絡バー11と支持ブロック20との台車用連絡バー結合構造では、バー挿入孔41の結合突部36と連絡バー11の結合貫通孔12とを凹凸係合させるために、支持ブロック20における結合突部36の支持壁部(メイン上部壁25)を、従来の弾性係止片のように弾性変形させる必要がないので、支持ブロック20における結合突部36の支持強度を高くしたり、結合突部36と結合貫通孔12との係合を深くして、従来より強固に連絡バー11をバー挿入孔41に抜け止めすることができる。また、バーストッパ60は、孔内スペース41Sから抜け出す方向への力を、連絡バー11及び支持ブロック20の他の構成部品から受けることはないので、バーストッパ60を孔内スペース41Sに抜け止めするための弾性係止片63による係止力を小さくすることができ、バーストッパ60の挿抜抵抗も小さくすることができる。即ち、本実施形態の台車用連絡バー結合構造によれば、小さい操作力で連絡バー11をバー挿入孔41に強固に抜け止めすることができる。また、本実施形態では、バーストッパ60のみならず、キャスターストッパ50によっても結合突部36と結合貫通孔12との凹凸係合が外れないように保持しているので、その保持力が高くなると共に、バーストッパ60の小型化が可能になる。
【0056】
なお、本実施形態の台車10では、支持ブロック20とキャスター13との結合構造に、従来の連絡バーと支持ブロックとの結合構造が適用されているが、キャスター13は、損傷しない限り、取り替えることはないので、連絡バー11と支持ブロック20との着脱に比べてキャスター13と支持ブロック20との着脱頻度は高くない。これにより、連絡バー11を支持ブロック20に着脱する場合ほど、キャスター13を支持ブロック20に着脱する際の操作性を高くする必要がなく、その分、弾性係止片32の強度を高くして、キャスター13の支持ブロック20に対する結合力を高くすることができる。つまり、従来の支持ブロックと連絡バーとの間の結合強度不足のような問題は、本実施形態の支持ブロック20とキャスター13との間では生じ難い。
【0057】
[第2実施形態]
本実施形態は、
図14〜
図19に示されており、バー挿入孔41に対してバーストッパ60Vを連絡バー11とは異なる方向から挿入可能な構成になっている。即ち、
図14(B)に示すように、本実施形態の支持ブロック20Vのメイン側壁26,26には、それぞれバー挿入孔41に連通したバーストッパ挿入孔46,46が形成されている。バーストッパ挿入孔46は全体が横長の四角形をなし、その開口辺の下辺部分における両端には、段付き状に陥没した段差凹部46J,46Jが備えられている。また、バーストッパ挿入孔46の内側上面は、バー挿入孔41の内側上面に対して連絡バー11の板厚分だけ下方に位置し、段差凹部46J,46Jを除いたバーストッパ挿入孔46の内側下面はバー挿入孔41の内側下面と面一になっている。
【0058】
本実施形態の支持ブロック20Vの補強リブ42からは、
図4に示された前記第1実施形態の支持ブロック20の第3の横リブ43Cが排除されると共に、縦リブ45,45の間から第4の横リブ43Dが排除され、さらに、
図15に示すように、第2の横リブ43Bより終端リブ35側では、縦リブ45,45の間から孔下面構成壁44が排除されている。そして、縦リブ45,45の間の空間がバー挿入孔41の内側下面に開口して係合孔44K(
図15参照)になっている。
【0059】
なお、
図14(A)に示すように、上面突壁22には、バー挿入孔41の上方に位置した部分に、内向窓22Wが貫通形成されている。また、その内向窓22Wを外側から覆うように外カバー壁22Eが設けられ、その外カバー壁22Eの外面側が格子リブ22J(
図14(B)参照)によって補強されている。
【0060】
図16(A)に示すように、本実施形態のバーストッパ60Vは、バーストッパ挿入孔46に挿入可能な直方体における前端部の左右の両角部を斜めにカットした形状になっている。また、
図16(B)に示すように、バーストッパ60Vは、左右方向で略3等分する位置に、バーストッパ挿入孔46への挿入方向に延びた1対の区画壁69A,69Aを備え、それら区画壁69A,69Aの間では、下面が中央下面壁69Cによって閉塞される一方、上面が、
図16(A)に示すように開放している。そして、中央下面壁69Cに、前記第1実施形態のバーストッパ60と同様に弾性係止片63が形成されている。
【0061】
バーストッパ60Vのうち区画壁69A,69Aの両外側では、上面がサイド上面壁69B,69Bによって閉塞される一方、下面が
図16(B)に示すように開放している。また、区画壁69A,69Aの長手方向の中間部と、バーストッパ60Vの1対の外側壁68S,68Sとの間は、側部連絡リブ69D,69Dによって連絡され、さらに、
図16(A)に示すように、中央下面壁69Cと前面壁68Fとの間及び、中央下面壁69Cと後面壁68Rとの間は、それぞれ三角リブ69Lによって連絡されている。
【0062】
図16(B)に示すように、バーストッパ60Vの下面には、バーストッパ挿入孔46への挿入方向に延びた1対の第1突条62,62が設けられている。1対の第1突条62,62は、
図17に示すように、1対の区画壁69A,69Aよりバーストッパ60Vの横方向の中央寄り位置にずらして配置されている。また、
図16(B)に示すように、バーストッパ60Vの外側壁68S,68Sの下端部は、バーストッパ60V全体の下面に対して第1突条62,62と同じ量だけ突出して1対の第2突条62A,62Aになっている。そして、これら第1と第2の突条62,62Aを設けたことで、バーストッパ60Vとバーストッパ挿入孔46との嵌め合いの現合調整が可能になっている。また、
図17に示すように、一方の結合突部36(同図の右側の結合突部36)に、外側壁68Sが下方から当接可能に配置され、その外側壁68Sの真下に、支持ブロック20Vの第2の横リブ43Bが位置して、第2突条62Aと第2の横リブ43Bとが当接可能になっている。即ち、本実施形態のバーストッパ60V及び支持ブロック20Vも、第1実施形態で説明したリブ直列構造を備えている。
【0063】
なお、本実施形態では、他方の結合突部36(
図17の左側の結合突部36)に区画壁69Aが当接可能に配置されているので、その区画壁69Aの真下で、縦リブ45に当接可能な位置に第1突条62を配置してリブ直列構造としてもよい。また、上記第1突条62,62と同様の突条(図示せず)を前記第1実施形態のバーストッパ60の下面に設けて現合調整可能にしてもよい。その場合、上記したリブ直列構造とするために、バーストッパ60のうち横リブ66の真下に突条を配置することが好ましい。
【0064】
本実施形態の構成に関する説明は以上、上記以外は、前記第1実施形態の構成と同じになっている。この本実施形態の支持ブロック20Vでは、連絡バー11をバー挿入孔41に挿入した後、
図18に示すように、バーストッパ60Vをバーストッパ挿入孔46から孔内スペース41S内に挿入する。すると、前記第1実施形態のバーストッパ60と同様に、
図15に示すように、バーストッパ60Vにおける弾性係止片63が係合孔44Kに係止し、バーストッパ60Vがバーストッパ挿入孔46に抜け止めされる。そして、
図17に示すように、バーストッパ60Vが、連絡バー11の下方に位置して、連絡バー11の下方への移動を規制する。このように本実施形態の連絡バー11と支持ブロック20Vとの台車用連絡バー結合構造においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0065】
また、第1実施形態の構成では、バー挿入孔41にバーストッパ60を凹入するために、隣り合った支持ブロック20,20同士の間に、少なくともバーストッパ60の1つ分以上のスペースをあける必要があったが、本実施形態の構成によれば、そのようなスペースを隣り合った支持ブロック20V,20V同士の間に設ける必要がなくなる。よって、例えば、
図19に示すように、隣り合った支持ブロック20V,20V同士を接合し、それら支持ブロック20V,20V同士の間で連絡バー11を視認不能な形態の台車10Vとなるように連絡バー11と支持ブロック20Vとを組み立てることもできる。
【0066】
[第3実施形態]
本実施形態は、
図20〜
図25に示されている。本実施形態の支持ブロック20Wは、
図20〜
図22に示すように、キャスターストッパ受容部40Wとバー挿入孔41,41とを広範囲に亘って連通させて、キャスターストッパ50Wで、第1実施形態のキャスターストッパ50とバーストッパ60,60とを兼用した構造になっている。具体的には、内角側部壁28,28は、
図20及び
図21に示すように、ブロック先端面20T,20Tの一側部に柱状に僅かに残されている。また、
図22に示すように、プレートサイド支持リブ29B,29Bは、キャスターストッパ受容部40Wにおけるキャスターストッパ50Wの挿入口40Nよりキャスターストッパ受容部40Wの奥側でかつ連通孔37の手前位置まで切除されている。
【0067】
これに対し、キャスターストッパ50Wは、
図24(A)及び
図24(B)に示すように、前記第1実施形態のキャスターストッパ50における挿入支持部53を両側方に延長し、その挿入支持部53から両側端部からバーストッパ部71,71をセンター挿入部材51及びサイド挿入部材52と平行に延ばした構造になっている。そして、連絡バー11をバー挿入孔41に挿入して結合貫通孔12と結合突部36とを係合させてから、
図23に示すように、キャスターストッパ受容部40Wにキャスターストッパ50Wを挿入すると、前記第1実施形態と同様に弾性係止片54と係止孔38Kとの係合によってキャスターストッパ50がキャスターストッパ受容部40W内に抜け止めされると共に、キャスターストッパ50Wのセンター挿入部材51によって弾性係止片32の弾性変形が禁止される。また、バーストッパ部71は、バー挿入孔41側に進入して連絡バー11の下方に配置されると共に、サイド挿入部材52は、連通孔37を通過した連絡バー11の端部の下方に配置される。そして、バーストッパ部71とサイド挿入部材52とが協働して連絡バー11の下方への移動を禁止する。そして、
図25のように連絡バー11と支持ブロック20Wとで台車10を構成することができる。このように、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の構成によれば、部品点数の削減が図られる。
【0068】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。