特許第5656301号(P5656301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656301
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   H01L21/92 602H
   H01L21/92 602K
   H01L21/60 311Q
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-108550(P2013-108550)
(22)【出願日】2013年5月23日
(62)【分割の表示】特願2007-159351(P2007-159351)の分割
【原出願日】2007年6月15日
(65)【公開番号】特開2013-157647(P2013-157647A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2013年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134555
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 茂幸
(72)【発明者】
【氏名】森藤 忠洋
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−035876(JP,A)
【文献】 特開2006−019550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上に四角形状に形成された電極パッド部と、
前記電極パッド部の上面を露出させる第1開口部を含み、前記基板の表面上に、前記電極パッド部の一部と重なるように形成された第1保護層と、
前記電極パッド部上に形成されたバリアメタル層と、
前記バリアメタル層上に形成されたバンプ電極と、
前記第1保護層上の所定領域および前記電極パッド部上の所定領域を覆うように形成された第2保護層と、
を備え、
前記バリアメタル層は、平面的に見て、外周端部が前記電極パッド部の周縁よりも内側に形成され、
前記バリアメタル層は、前記第2保護層上に周縁部を位置させた状態で、前記電極パッド部上に形成され、
前記第2保護層には、前記電極パッド部の上面を露出させるとともに、前記第1開口部よりも小さい開口幅を有する第2開口部が設けられており、
前記第2開口部を規定する端縁部は、前記第1開口部の周縁上において傾斜形状を有し、
前記バンプ電極は、前記バリアメタル層の前記外周端部を覆うように形成され、
前記バリアメタル層の前記周縁部の前記電極パッド部側の表面は、断面視において曲率の中心が前記電極パッド部側のみにある曲面で形成されており、
前記バリアメタル層は、平面的に見て、前記第1開口部と略同心円状に形成されており、
前記第2開口部は、平面的に見て、前記第1開口部と略同心円状に形成されていることを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記第2保護層は、ポリイミドから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電極パッド部は、アルミニウムを含む材料から構成されているとともに、前記バリアメタル層は、チタンを含む材料から構成されており、かつ、前記バンプ電極は、半田バンプから構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記バンプ電極は、半田バンプに代えて、Auバンプ又はCuバンプから構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記バリアメタル層の厚さが10μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記バリアメタル層の幅は、平面的に見て、70μm〜80μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電極パッド部と、前記第1保護層と、前記バリアメタル層と、前記バンプ電極と、前記第2保護層と、を含む半導体チップと、
前記半導体チップが実装されるプリント基板と、
前記半導体チップと前記プリント基板との間に充填される樹脂部材と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記プリント基板は、ガラスエポキシ樹脂で構成されることを特徴とする、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記樹脂部材は、エポキシ樹脂またはアクリル系樹脂からなることを特徴とする、請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1開口部の開口幅は、平面的に見て、85μm〜95μmであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2開口部の開口幅は、平面的に見て、55μm〜65μmであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1保護層は、SiON又はSiOで構成されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記電極パッド部は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、特に、半導体チップがフリップチップ接合された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップがフリップチップ接合された半導体パッケージ(半導体装置)が知られている。このような半導体パッケージに搭載される半導体チップには、フリップチップ接合を行うための半田バンプ(バンプ電極)が形成されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図16図18は、特許文献1に記載された従来の半導体装置の構造を示した概略断面図である。従来の半導体装置では、図16に示すように、半導体基板501の上面上に、電極パッド部502が形成されている。なお、半導体基板501の上面には、ICやLSIなどの回路(図示せず)が作り込まれている。また、半導体基板501の上面上には、半導体基板501の上面を保護するための保護層503が形成されている。この保護層503には、電極パッド部502上の所定領域を露出させる開口部503aが設けられている。また、電極パッド部502上には、バリアメタル層504を介してバンプ電極505が形成されている。このバリアメタル層504は、その周縁部504aが保護層503上に乗り上げるように、電極パッド部502上に形成されている。
【0004】
また、図17に示すように、バンプ電極505が形成された半導体基板501は、上面(回路面)がプリント基板506と対向するようにフェースダウンでプリント基板506上に配置され、バンプ電極505によって、プリント基板506の電極507とフリップチップ接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−13063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載された従来の半導体装置では、バリアメタル層504の周縁部504aが保護層503上に乗り上げるように構成されているので、図17および図18に示すように、半導体基板501とプリント基板506との熱膨張係数の差に起因する熱応力がバンプ電極505に加わった際に、保護層503におけるバリアメタル層504の外周端部504b下の領域(外周端部504bに対応する領域)に亀裂が発生し易くなるという不都合がある。このため、保護層503が破断し易くなるので、保護層503が破断した場合には、保護層503の破断に起因して、半導体装置の信頼性が低下するという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による半導体装置は、基板の表面上に形成された電極パッド部と、電極パッド部の上面を露出させる第1開口部を含み、基板の表面上に、電極パッド部の一部と重なるように形成された第1保護層と、電極パッド部上に形成されたバリアメタル層と、バリアメタル層上に形成されたバンプ電極とを備えている。そして、バリアメタル層は、平面的に見て、外周端部が第1保護層の第1開口部の内側に形成されている。
【0009】
この一の局面による半導体装置では、上記のように、バリアメタル層を、平面的に見て、外周端部が第1保護層の第1開口部の内側に形成されるように構成することによって、バリアメタル層の外周端部の下方には第1保護層が形成されないので、プリント基板上に基板をフリップチップ接合した際に、基板とプリント基板との熱膨張係数の差に起因する熱応力がバンプ電極に加わった場合でも、第1保護層に亀裂が発生するのを抑制することができる。このため、第1保護層の破断を抑制することができるので、第1保護層の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による半導体装置において、好ましくは、第1保護層上の所定領域および電極パッド部上の所定領域を覆うように形成された第2保護層をさらに備え、バリアメタル層は、第2保護層上に周縁部を位置させた状態で、電極パッド部上に形成されている。このように構成すれば、電極パッド部上にバリアメタル層を形成する際に、容易に、バリアメタル層を、平面的に見て、外周端部が第1保護層の第1開口部の内側に位置するように形成することができる。
【0011】
この場合において、好ましくは、第2保護層には、電極パッド部の上面を露出させるとともに、第1開口部よりも小さい開口幅を有する第2開口部が設けられており、第2開口部を規定する端縁部は、傾斜形状を有している。このように構成すれば、バリアメタル層の周縁部を第2保護層上に形成した場合でも、バリアメタル層の破断を抑制することができる。このため、第1保護層の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下を抑制することができることに加えて、バリアメタル層の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下をも抑制することができるので、より容易に、半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0012】
上記第2保護層が形成された構成において、好ましくは、第2保護層は、ポリイミドから構成されている。このように構成すれば、より容易に、第1保護層の破断を抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による半導体装置において、電極パッド部を、アルミニウム含む材料から構成することができるとともに、バリアメタル層を、チタンを含む材料から構成することができ、かつ、バンプ電極を、半田バンプから構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な半導体装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による半導体装置の構造を示した断面図である。
図2図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の構造を示した断面図である。
図3図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの半田バンプを省略した電極部の構造を示した断面図である。
図4図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの半田バンプを省略した電極部の平面図である。
図5】半導体チップをプリント基板上に実装した状態を示した断面図である。
図6】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図7】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図8】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図9】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図10】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図11】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図12】本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。
図13】本実施形態の第1変形例による半導体チップの電極部の構造を示した断面図である。
図14】本実施形態の第2変形例による半導体チップの電極部の構造を示した断面図である。
図15】本実施形態の第3変形例による半導体チップの電極部の構造を示した断面図である。
図16】特許文献1に記載された従来の半導体装置の構造を示した概略断面図である。
図17】特許文献1に記載された従来の半導体装置の構造を示した概略断面図である。
図18図17のA部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、一実施形態による半導体装置は、半導体チップがフリップチップ接合されたBGA(Ball Grid Array)パッケージ型の半導体装置である。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による半導体装置の構造を示した断面図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の構造を示した断面図である。図3図5は、本発明の一実施形態による半導体装置の構造を説明するための図である。まず、図1図5を参照して、本発明の一実施形態による半導体装置の構造について説明する。
【0018】
一実施形態による半導体装置は、図1に示すように、半導体チップ10と、半導体チップ10が実装されるプリント基板20と、半導体チップ10を封止する樹脂封止層30とを備えている。なお、樹脂封止層30は、たとえば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂によって構成されている。
【0019】
半導体チップ10は、シリコン基板などの半導体基板1からなり、半導体基板1の上面には、たとえば、ICやLSIなどの回路(図示せず)が作り込まれている。なお、半導体基板1は、本発明の「基板」の一例である。
【0020】
また、半導体基板1の上面上には、図2および図3に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電極パッド部2が形成されている。また、半導体基板1の上面上には、窒化シリコンからなるパッシベーション層3が形成されている。このパッシベーション層3には、電極パッド部2の所定領域を露出させる第1開口部3aが形成されている。なお、第1開口部3aは、図4に示すように、平面的に見て、略円形形状を有しており、約85μm〜約95μmの開口幅D1に形成されている。また、パッシベーション層3は、電極パッド部2の周縁部と重なるように半導体基板1の上面上に形成されている。なお、パッシベーション層3は、本発明の「第1保護層」の一例である。
【0021】
また、パッシベーション層3上の所定領域、および、電極パッド部2上の所定領域には、ポリイミドからなる絶縁保護層4が形成されている。この絶縁保護層4には、図3および図4に示すように、パッシベーション層3の第1開口部3aの開口幅D1(約85μm〜約95μm)よりも小さい開口幅D2(約55μm〜約65μm)を有する第2開口部4aが設けられている。なお、第2開口部4aは、図4に示すように、平面的に見て、略円形形状を有しており、第1開口部3aとほぼ同心円状に形成されている。また、絶縁保護層4の第2開口部4aを規定する端縁部4bは、傾斜形状に形成されている。なお、絶縁保護層4は、本発明の「第2保護層」の一例である。
【0022】
また、電極パッド部2上には、図2および図3に示すように、約10μmの厚みを有するとともに、チタン(Ti)からなるバリアメタル層5が、周縁部5aを絶縁保護層4上の端縁部4b近傍領域に位置させた状態で形成されている。なお、バリアメタル層5は、図4に示すように、平面的に見て、略円形形状を有しており、第1開口部3aおよび第2開口部4aとほぼ同心円状に形成されている。
【0023】
ここで、本実施形態では、バリアメタル層5は、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に位置するように形成されている。すなわち、バリアメタル層5は、図3または図4に示すように、パッシベーション層3の第1開口部3aの幅D1以下の幅D3(約70μm〜約80μm)に構成されている。
【0024】
また、バリアメタル層5上には、図2に示すように、約70μm〜約100μmの高さ(厚み)を有する球状の半田バンプ6が形成されている。この半田バンプ6は、バリアメタル層5を介して、電極パッド部2と電気的に接続されている。また、半田バンプ6は、バリアメタル層5の上面に加えて、バリアメタル層5の外周端部5bとも接触するように、バリアメタル層5上に形成されている。すなわち、半田バンプ6は、バリアメタル層5の外周端部5bを覆うように、バリアメタル層5に接合されている。これにより、上面のみに半田バンプ6が接合される場合に比べて、接合面積が大きくなるので、半田バンプ6とバリアメタル層5との接合強度が向上する。なお、半田バンプ6は、本発明の「バンプ電極」の一例である。
【0025】
また、図1に示すプリント基板20は、ガラスエポキシ樹脂などから構成されており、多層構造の配線層(図示せず)を有している。また、プリント基板20の上面上には、半導体チップ10の半田バンプ6と電気的に接続される接続パッド部21(図5参照)が複数形成されている。また、プリント基板20の下面上には、接続パッド部21と電気的に接続された電極端子22が複数形成されている。この電極端子22は、球状の半田バンプ6から構成されており、プリント基板20の下面上に格子状に配列されている。
【0026】
また、半田バンプ6が形成された半導体チップ10は、図1および図5に示すように、フェースダウンでプリント基板20上に実装されている。具体的には、図5に示すように、半導体チップ10は、上面(回路面)がプリント基板20と対向するように配置され、半導体チップ10の半田バンプ6が、プリント基板20の接続パッド部21にフリップチップ接合されている。これにより、半田バンプ6と接続パッド部21とが電気的に接続される。
【0027】
なお、半導体チップ10とプリント基板20との間には、図1に示すように、シリコン系樹脂、エポキシ樹脂、または、アクリル系樹脂などからなる樹脂部材40が充填されている。
【0028】
本実施形態では、上記のように、バリアメタル層5を、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に形成されるように構成することによって、バリアメタル層5の外周端部5bの下方にはパッシベーション層3が形成されないので、プリント基板20上に半導体チップ10(半導体基板1)をフリップチップ接合した際に、半導体チップ10とプリント基板20との熱膨張係数の差に起因する熱応力が半田バンプ6に加わった場合でも、パッシベーション層3に亀裂が発生するのを抑制することができる。このため、パッシベーション層3の破断を抑制することができるので、パッシベーション層3の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0029】
なお、バリアメタル層5の外周端部5bの下方には、絶縁保護層4が形成されている一方、この絶縁保護層4は、パッシベーション層3を構成する窒化シリコンに比べて柔らかいポリイミドから構成されているため、バリアメタル層5の周縁部5aが絶縁保護層4上に形成された場合でも、絶縁保護層4が破断されるのを抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態では、絶縁保護層4を、パッシベーション層3上の所定領域および電極パッド部2上の所定領域に形成するとともに、バリアメタル層5を、絶縁保護層4上に周縁部5aを位置させた状態で電極パッド部2上に形成することによって、後述する電極部の形成プロセスにおいて、容易に、バリアメタル層5を、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に位置するように形成することができる。
【0031】
また、本実施形態では、絶縁保護層4の第2開口部4aを規定する端縁部4bを、傾斜形状に形成することによって、バリアメタル層5の周縁部5aを絶縁保護層4上に形成した場合でも、バリアメタル層5を破断し難くすることができる。このため、パッシベーション層3の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下を抑制することができることに加えて、バリアメタル層5の破断に起因する半導体装置の信頼性の低下をも抑制することができるので、より容易に、半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0032】
図6図12は、一実施形態による半導体装置における半導体チップの電極部の形成プロセスを説明するための断面図である。次に、図1〜4および図6図12を参照して、半導体チップ10の電極部の形成プロセスについて説明する。
【0033】
まず、図6に示すように、電極パッド部2が形成された半導体基板1の上面上の全面に、プラズマCVD法などを用いて、窒化シリコンからなるパッシベーション層3を形成する。次に、図7に示すように、フォトリソグラフィ技術などを用いて、パッシベーション層3上の所定領域にレジスト50を形成する。そして、レジスト50をマスクとして、エッチングにより、パッシベーション層3の所定領域を除去する。これにより、パッシベーション層3に、電極パッド部2上の所定領域を露出させる第1開口部3aが形成される。この際、第1開口部3aは、開口幅D1(約85μm〜約95μm、図3および図4参照)に形成する。その後、レジスト50を除去する。
【0034】
続いて、図8に示すように、スピンコーティング法などを用いて、全面に、ポリイミドからなる絶縁保護層14を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁保護層14の所定領域を除去する。その後、熱処理を行うことによって、絶縁保護層14をフローさせる。これにより、図9に示すような絶縁保護層4が得られる。すなわち、絶縁保護層14(図8参照)に、パッシベーション層3の第1開口部3aの開口幅D1(約85μm〜約95μm)よりも小さい開口幅D2(約55μm〜約65μm)を有する第2開口部4aが形成されるとともに、その第2開口部4aを規定する端縁部4bが、傾斜形状に形成される。
【0035】
次に、図10に示すように、蒸着法などを用いて、全面に、約10μmの厚みを有するとともに、チタン(Ti)からなるバリアメタル層15を形成する。次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、バリアメタル層15上の所定領域にレジスト60を形成する。この際、パッシベーション層3の第1開口部3aの内側に対応する領域が開口するように、レジスト60をパターニングする。そして、メッキ法などを用いて、レジスト60をマスクとして、バリアメタル層15上に半田層16を形成する。
【0036】
その後、図12に示すように、レジスト60(図11参照)を除去するとともに、半田層16の周囲のバリアメタル層15をエッチングにより除去する。これにより、図4に示したような、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に形成されたバリアメタル層5が電極パッド部2上に形成される。また、図2および図3に示したように、電極パッド部2上に形成されたバリアメタル層5は、周縁部5aが絶縁保護層4上に位置するように構成される。
【0037】
なお、図12に示すように、上記した絶縁保護層4を形成することによって、電極パッド部2の上面が露出しないように構成することが可能となる。このため、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に形成されるように、バリアメタル層15のエッチングを行ったとしても、電極パッド部2までエッチングされるのを抑制することが可能となる。これにより、容易に、バリアメタル層5を、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に位置するように形成することが可能となる。
【0038】
最後に、リフロー炉内で加熱することによって、半田層16を一旦溶融することにより、半田層16を、図2に示したような球状の半田バンプ6に形成する。これにより、バリアメタル層5上に、半田バンプ6(図2参照)が形成される。このようにして、図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置における半導体チップ10の電極部が形成される。
【0039】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
たとえば、上記実施形態では、絶縁保護層をポリイミドから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、絶縁保護層をポリイミド以外のBCB(ベンゾシクロブテン)や、フッ素樹脂などの有機材料から構成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、ポリイミドからなる絶縁保護層を備えた例を示したが、本発明はこれに限らず、図13に示す本実施形態の第1変形例による半導体チップ110のように、絶縁保護層を備えない構成にしてもよい。この場合、ポリイミドからなる絶縁保護層の代わりにレジストを用いて上記実施形態と同様の電極構造を形成し、その後、レジストを除去することによって、絶縁保護層を備えない構成にすることが可能となる。なお、半導体チップ110とプリント基板との間に、図1に示したような樹脂部材40を充填することによって、レジストを除去した場合でも、フリップチップ接合の信頼性の低下が抑制される。また、図14に示す本実施形態の第2変形例による半導体チップ210のように、電極パッド部2上のパッシベーション層3の第1開口部3aによって露出された領域の全面に、バリアメタル層205を形成するようにしてもよい。この際、バリアメタル層205の厚みをパッシベーション層3の厚みよりも大きくすることによって、半田バンプ6を、バリアメタル層205の外周端部205aを覆うように形成することが可能となる。さらに、図15に示す本実施形態の第3変形例による半導体チップ310のように、バリアメタル層305の外周端部305aを、パッシベーション層3の第1開口部3aから所定の距離を隔てた領域に形成するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、パッシベーション層を窒化シリコンから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、パッシベーション層を窒化シリコン以外の無機材料から構成してもよい。たとえば、パッシベーション層を、SiONや、SiO2などから構成してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、電極パッド部をアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、電極パッド部を、アルミニウムまたはアルミニウム合金以外の金属材料である金(Au)や、AlCu合金などから構成してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、バリアメタル層を、チタンから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、バリアメタル層を、チタン以外の材料から構成してもよい。チタン以外の材料としては、たとえば、TiNや、Taなどが考えられる。また、バリアメタル層を、複数の金属層が積層された積層構造にしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、半田バンプからなるバンプ電極を電極パッド部上に形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、半田バンプ以外のメタルバンプ(たとえば、AuバンプやCuバンプ)などからなるバンプ電極を電極パッド部上に形成してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、半導体チップとプリント基板との間に、樹脂部材を充填した例を示したが、本発明はこれに限らず、半導体チップとプリント基板との間に、樹脂部材を充填しない構成としてもよい。
【0047】
また、以上に説明した構成によれば、上記実施形態において、半導体装置は、電極パッド部2と、パッシベーション層3と、バリアメタル層5と、半田バンプ6と、絶縁保護層4と、を備えている。電極パッド部2は半導体基板1の表面上に形成されている。パッシベーション層3は、電極パッド部2の上面を露出させる第1開口部3aを含み、半導体基板1の表面上に、電極パッド部2の一部と重なるように形成されている。バリアメタル層5は電極パッド部2上に形成されており、半田バンプ6はバリアメタル層5上に形成されている。絶縁保護層4は、パッシベーション層3上の所定領域および電極パッド部2上の所定領域を覆うように形成されている。また、バリアメタル層5は、平面的に見て、外周端部5bがパッシベーション層3の第1開口部3aの内側に形成されている。また、バリアメタル層5は、絶縁保護層4上に周縁部5aを位置させた状態で、電極パッド部2上に形成されている。絶縁保護層4には第2開口部4aが設けられている。この第2開口部4aは、電極パッド部2の上面を露出させるとともに、第1開口部3aよりも小さい開口幅を有している。第2開口部4aを規定する端縁部4bは傾斜形状を有し、半田バンプ6はバリアメタル層5の外周端部5bを覆うように形成されている。そして、バリアメタル層5の周縁部5aの電極パッド部2側の表面は、断面視において曲率の中心が電極パッド部2側のみにある曲面で形成されている。
【0048】
また、絶縁保護層4は、ポリイミドから構成されている。
【0049】
また、電極パッド部2はアルミニウムを含む材料から構成されているとともに、バリアメタル層5はチタンを含む材料から構成されている。さらに、バンプ電極は半田バンプ6から構成されている。
【0050】
また、バンプ電極は、半田バンプ6に代えて、Auバンプ又はCuバンプから構成されていてもよい。
【0051】
また、バリアメタル層5の厚さはたとえば10μmである。
【0052】
また、バリアメタル層5は、平面的に見て、第1開口部3aと略同心円状に形成されている。
【0053】
また、第2開口部4aは、平面的に見て、第1開口部3aと略同心円状に形成されている。
【0054】
また、バリアメタル層5の幅は、平面的に見て、たとえば70μm〜80μmである。
【0055】
また、半導体装置は、半導体チップ10と、プリント基板20と、樹脂部材40と、をさらに備えている。半導体チップ10は、電極パッド部2と、パッシベーション層3と、バリアメタル層5と、半田バンプ6と、絶縁保護層4と、を含んでいる。プリント基板20には半導体チップ10が実装されており、樹脂部材40は半導体チップ10とプリント基板20との間に充填されている。
【0056】
また、プリント基板20は、ガラスエポキシ樹脂で構成されている。
【0057】
また、樹脂部材40は、エポキシ樹脂またはアクリル系樹脂からなる。
【0058】
また、第1開口部3aの開口幅は、平面的に見て、たとえば85μm〜95μmである。
【0059】
また、第2開口部4aの開口幅は、平面的に見て、たとえば55μm〜65μmである。
【0060】
また、パッシベーション層3は、SiON又はSiO2で構成されていてもよい。
【0061】
また、電極パッド部2は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。
【符号の説明】
【0062】
1 半導体基板(基板)
2 電極パッド部
3 パッシベーション層(第1保護層)
3a 第1開口部
4 絶縁保護層(第2保護層)
4a 第2開口部
4b 端縁部
5、15、205、305 バリアメタル層
5a 周縁部
5b 外周端部
6 半田バンプ(バンプ電極)
10、110、210、310 半導体チップ
20 プリント基板
21 接続パッド部
22 電極端子
30 樹脂封止層
40 樹脂部材
図1
図2
図3
図4
図5
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