【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の圧力センサーの縦断面図、
図2は、本発明の圧力センサーの上面図、
図3〜
図6は、本発明の圧力センサーの製造工程の概略を説明する縦断面図である。
【0025】
図1〜
図2において、符号10は、全体で本発明の圧力センサーを示している。
【0026】
図1に示したように、本発明の圧力センサー10は、液封型の圧力センサーであり、流路12が形成された継手部材14と、流路12内の流体の圧力を検出する圧力検出エレメント16とを備えている。
【0027】
そして、この継手部材14の流路12と対面するように、圧力検出エレメント16が配置され、その周縁部で継手部材14と溶接され固着されている。
【0028】
圧力検出エレメント16は、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属製のエレメント本体18を備えており、このエレメント本体18に形成された中央開口20内に、ハーメチックガラス22が嵌め込まれて固着されている。
【0029】
また、
図1に示したように、圧力検出エレメント16のエレメント本体18と、金属製のダイヤフラム24と、連通孔26が形成されたダイヤフラム保護カバー28とが、それらの外周縁部において溶接によって一体的に固着されている。
【0030】
そして、この構造によって、エレメント本体18の中央開口20の部分において、ハーメチックガラス22とダイヤフラム24との間に、オイルが封入される液封室30が形成されている。
【0031】
一方、
図1に示したように、ハーメチックガラス22の液封室30の側の面部には、ワンチップ構造のセンサーチップ32が接着剤によって固定されている。
【0032】
このセンサーチップ32は、液封室30内に配設されており、圧力を検出する圧力素子と、この圧力検出素子の出力信号を処理する集積化された電子回路とが一体に形成された圧力センサーチップとして構成されている。
【0033】
また、ハーメチックガラス22には、センサーチップ32に対する信号の入出力を行うための複数個のリードピン34が、それぞれ、貫通状態で、ハーメチック処理により固定されている。
この実施例では、図示しないが、リードピン34は全部で8本設けられている。すなわち、入出力用の端子として後述する、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)用の3本のリードピン34と、センサーチップ32の調整用の端子として5本のリードピン34とが設けられている。
【0034】
リードピン34は、例えば、金製またはアルミニウム製のワイヤー36によって、センサーチップ32と導通接続(ワイヤーボンディング)され、センサーチップ32の外部出力端子や外部入力端子を構成している。
【0035】
そして、継手部材14の流路12から圧力室40内に伝達された流体圧は、ダイヤフラム保護カバー28の連通孔26を通ってダイヤフラム24の表面を押圧し、この押圧力を液封室30内のセンサーチップ32により検知するようにしている。
【0036】
また、
図1に示したように、圧力検出エレメント16の上部には、空間形成部材の第1の空間形成部材を構成する端子台38が、圧力検出エレメント16のエレメント本体18の上方に隣接して配置され、例えば、接着剤によって、圧力検出エレメント16のエレメント本体18に固定されている。
【0037】
この端子台38は、
図1に示したように、略円筒形状であって、その略中央部に、リードピン34を挿通するための挿通孔42aが形成された端子固定用壁42が形成されている。そして、この端子固定用壁42から下方に延設された下方側壁44と、端子固定用壁42から上方に延設された上方側壁46が形成されている。
【0038】
これにより、
図1に示したように、圧力検出エレメント16と端子台38との間に、端子固定用壁42と下方側壁44に囲まれた第1の空間S1が形成されている。
【0039】
そして、圧力検出エレメント16のリードピン34の先端34aは、挿通孔42aに挿通され、端子台38の上方側壁46を貫通するように設けられた端子48に、接続部52において、例えば、溶接により電気的に接続されている。
【0040】
なお、この実施例では、図示しないが、後述する
図2に示したように、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)用の3本の端子48が設けられている。
【0041】
さらに、
図1、
図2に示したように、端子台38の上方側壁46には、嵌合用段部50が形成されており、この嵌合用段部50に嵌合するように、空間形成部材の第2の空間形成部材を構成する蓋部材54が端子台38に隣接して配置されている。
【0042】
すなわち、蓋部材54は、上板部56と側壁58とを備えた略カップ形状であり、側壁58が、端子台38の上方側壁46に形成された嵌合用段部50に嵌合するように構成されている。
【0043】
これにより、
図1に示したように、蓋部材54と端子台38との間に、端子台38の端子固定用壁42と上方側壁46と、蓋部材54の上板部56と側壁58とに囲まれた第2の空間S2が形成されている。
【0044】
すなわち、このように構成することによって、
図1に示したように、端子台38と、端子台38に隣接して配置された蓋部材54によって、端子台38とともに圧力検出エレメント16を覆う、上記の空間S1と空間S2とから構成される大きな空間が形成されていることになる。
すなわち、端子台38の端子固定用壁42において、上記の空間S1、S2との間は連通状態となっており、これにより、端子台38と蓋部材54によって、圧力検出エレメント16を覆う大きな空間が形成されていることになる。
【0045】
さらに、
図1、
図2に示したように、蓋部材54の側壁58には、外側に突設するリード線係止部60が形成されている。このリード線係止部60は、
図2に示したように、略矩形形状であり、3本の外部リード線62、すなわち、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)に対応して、それぞれ、リード線係止部60の係止切欠孔60a、60b、60cが形成されている。
【0046】
すなわち、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)は、
図1、
図2の矢印Aで示したように、係止切欠孔60a、60b、60cに嵌め込まれ、固定されるようになっている。
【0047】
一方、
図1に示したように、端子台38の上方側壁46を貫通するように設けられた端子48の外端部48aに、外部リード線62が、接続部64において、例えば、半田付け、溶接などにより電気的に接続されている。
【0048】
また、
図1の矢印Bで示したように、継手部材14側から、カバー部材66の開口部66b側が挿入され、カバー部材66の内側に突設するフランジ形状の基端部66aが、継手部材14のフランジ部14aと当接した状態となっている。
【0049】
これにより、
図1に示したように、カバー部材66の内部に間隙S3が形成されており、この間隙S3に、カバー部材66の開口部66b側から、接着剤を構成する封入樹脂が充填され、封入樹脂部68が形成されている。
【0050】
なお、この場合、
図1に示したように、封入樹脂部68の上端68aが、蓋部材54のリード線係止部60の上面60dの高さと同一平面以下の高さ、好ましくは、リード線係止部60の上面60dと下面60eとの間に位置するのが望ましい。
【0051】
このように構成される本発明の圧力センサー10は、
図3〜
図6に示した工程によって製造される。
【0052】
すなわち、
図3に示したように、一体的に予め組み立てられた圧力検出エレメント16を用意し、この圧力検出エレメント16に継手部材14を溶接する。
【0053】
次に、
図4に示したように、圧力検出エレメント16のエレメント本体18の上部に、端子台38の下方側壁44を配置して、例えば、接着剤により固定する。この状態で、圧力検出エレメント16のリードピン34の先端34aは、端子台38の端子固定用壁42の挿通孔42aに挿通された状態となっている。
【0054】
この状態で、圧力検出エレメント16のリードピン34の先端34aは、挿通孔42aに挿通され、端子台38の上方側壁46を貫通するように設けられた端子48に、リードピン34の先端34aを、接続部52において、例えば、溶接により電気的に接続する。
【0055】
なお、この状態で、
図4に示したように、圧力検出エレメント16と端子台38との間に、端子固定用壁42と下方側壁44に囲まれた第1の空間S1が形成されている。
【0056】
そして、
図5に示したように、端子台38の上方側壁46を貫通するように設けられた端子48の外端部48aに、外部リード線62を、接続部64において、例えば、溶接、半田付けなどにより電気的に接続する。
【0057】
また、端子台38の上方側壁46に形成された嵌合用段部50に嵌合するように、蓋部材54を端子台38に隣接して配置する。
【0058】
これにより、
図5に示したように、蓋部材54と端子台38との間に、端子台38の端子固定用壁42と上方側壁46と、蓋部材54の上板部56と側壁58とに囲まれた第2の空間S2が形成されている状態となる。
【0059】
また、
図2、
図5の矢印Aで示したように、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)を、リード線係止部60の係止切欠孔60a、60b、60cにそれぞれ嵌め込み、固定する。
【0060】
この状態で、
図6に示したように、継手部材14側から、カバー部材66の開口部66b側を挿入して、カバー部材66の内側に突設するフランジ形状の基端部66aが、継手部材14のフランジ部14aと当接した状態とする。また、必要に応じて、継手部材14のフランジ部14aとカバー部材66の基端部66aとを、例えば、溶接などによって固定する。
【0061】
最後に、
図1に示したように、カバー部材66の内部に形成された間隙S3に、カバー部材66の開口部66b側から、接着剤を構成する封入樹脂を充填して、封入樹脂部68を形成する。
【0062】
そして、この状態では、
図1に示したように、圧力検出エレメント16のリードピン34と、外部リード線62に接続された端子48との接続部52が、空間形成部材の第1の空間形成部材を構成する端子台38と空間形成部材の第2の空間形成部材を構成する蓋部材54とによって形成され、封入樹脂が充填されてない空間S1、S2からなる空間に位置するように配置された状態となる。
【0063】
この状態では、圧力検出エレメント16のリードピン34と、外部リード線62に接続された端子48との接続部52が空間に位置した状態であって、従来のように封入樹脂で覆われた状態ではない。従って、繰り返して圧力センサーが、熱を受けたり冷却された場合にも、熱応力が発生せず、ヒートショック試験に対して強くなり、絶縁不良やショートなどが発生せず、圧力検出エレメントに影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0064】
このように構成される本発明の圧力センサー10によれば、継手部材14の流路12と対面するように配置された圧力検出エレメント16に、圧力検出エレメント16に隣接して端子台38を配置し、端子台38に隣接して蓋部材54を配置するだけで、蓋部材54と端子台38とにより、圧力検出エレメント16を覆う空間S1、S2が形成される。
【0065】
そして、一方が開口し、他方側の基端部66aが継手部材14と当接するカバー部材66を、継手部材14側から装着する。次に、カバー部材66の内部に形成された間隙S3に、接着剤を構成する封入樹脂を充填して、封入樹脂部68を形成する。
【0066】
これによって、
図1に示したように、継手部材14と、圧力検出エレメント16と、圧力検出エレメント16のリードピン34と外部リード線62に接続された端子48とを支持する端子台38と、蓋部材54とが一体化され密封されることになる。
【0067】
従って、従来の圧力センサーのように、複雑な構成が不要で部品点数も少なく、組み立てに時間と手間を要することなく、コストも低減できる。
【0068】
また、接着剤を構成する封入樹脂によって、継手部材14と、圧力検出エレメント16と、圧力検出エレメント16のリードピン34と外部リード線62に接続された端子48とを支持する端子台38と、蓋部材54とが一体化され密封されるので、外部から水分が浸入して、絶縁不良や、圧力検出エレメント16に腐食などの影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0069】
しかも、
図1に示したように、蓋部材54と端子台38とにより、圧力検出エレメント16を覆う空間S1、S2が形成されるので、封入樹脂が内部に浸入して、圧力検出エレメント16に接触することがなく、封入樹脂の熱応力によって、圧力検出エレメント16が破損損傷することがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0070】
さらに、一方が開口し、他方側の基端部66aが継手部材14と当接するカバー部材66を、継手部材14側から装着するので、外部リード線62に引っ張り力が加わった場合にも、カバー部材66の基端部66aが継手部材14と当接して引っ掛かることになる。
【0071】
これにより、封入樹脂に力が加わっても、封入樹脂にクラックなどが発生せず、外部から水分が浸入して、絶縁不良や、圧力検出エレメント16に腐食などの影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0072】
さらに、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)が、
図1、
図2の矢印Aで示したように、蓋部材54の側壁58に外側に突設するリード線係止部60の係止切欠孔60a、60b、60cにそれぞれ嵌め込まれ固定されている。
【0073】
従って、外部リード線62に力が加わったとしても、外部リード線62が固定されているので、柔らかい、接着剤を構成する封入樹脂からなる封入樹脂部68にクラックなどが発生せず、外部から水分が浸入して、絶縁不良や、圧力検出エレメント16に腐食などの影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0074】
さらに、外部リード線62が、リード線係止部60で、その上下が分離された状態となっている。これにより、接着剤を構成する封入樹脂を硬化させる際に、接着剤を構成する封入樹脂が、表面張力によって、外部リード線62を伝わって上方向に這い上がり、封入樹脂部68の上端68aから突設して、見た目などの品質が低下するのを防止することができる。
【0075】
また、この場合、
図1に示したように、封入樹脂部68の上端68aが、蓋部材54のリード線係止部60の上面60dの高さと同一平面以下の高さ、好ましくは、リード線係止部60の上面60dと下面60eとの間に位置するのが望ましい。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、端子台38と蓋部材54を別の部材としたが、端子台38と蓋部材54を一体のものから構成することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。