【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の圧力センサーの縦断面図、
図2は、
図1の本発明の圧力センサーの部分拡大縦断面図である。
【0031】
図1〜
図2において、符号10は、全体で本発明の圧力センサーを示している。
【0032】
図1に示したように、本発明の圧力センサー10は、液封型の圧力センサーであり、流路12が形成された継手部材14と、流路12内の流体の圧力を検出する圧力検出エレメント16とを備えている。
【0033】
そして、この継手部材14の流路12と対面するように、圧力検出エレメント16が配置され、その周縁部で継手部材14と溶接され固着されている。
【0034】
圧力検出エレメント16は、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属製のエレメント本体18を備えており、このエレメント本体18に形成された中央開口20内に、ハーメチックガラス22が嵌め込まれて固着されている。
【0035】
また、
図1に示したように、圧力検出エレメント16のエレメント本体18と、金属製のダイヤフラム24と、連通孔26が形成されたダイヤフラム保護カバー28とが、それらの外周縁部において溶接によって一体的に固着されている。
【0036】
そして、この構造によって、エレメント本体18の中央開口20の部分において、ハーメチックガラス22とダイヤフラム24との間に、オイルが封入される液封室30が形成されている。
【0037】
一方、
図1に示したように、ハーメチックガラス22の液封室30の側の面部には、ワンチップ構造のセンサーチップ32が接着剤によって固定されている。
【0038】
このセンサーチップ32は、液封室30内に配設されており、圧力を検出する圧力素子と、この圧力検出素子の出力信号を処理する集積化された電子回路とが一体に形成された圧力センサーチップとして構成されている。
【0039】
また、ハーメチックガラス22には、センサーチップ32に対する信号の入出力を行うための複数個のリードピン34が、それぞれ、貫通状態で、ハーメチック処理により固定されている。
この実施例では、図示しないが、リードピン34は全部で8本設けられている。すなわち、入出力用の端子として後述する、外部リード線62a(Vout)、62b(Vcc)、62c(GND)用の3本のリードピン34と、センサーチップ32の調整用の端子として5本のリードピン34とが設けられている。
【0040】
リードピン34は、例えば、金製またはアルミニウム製のワイヤー36によって、センサーチップ32と導通接続(ワイヤーボンディング)され、センサーチップ32の外部出力端子や外部入力端子を構成している。
【0041】
そして、継手部材14の流路12から圧力室40内に伝達された流体圧は、ダイヤフラム保護カバー28の連通孔26を通ってダイヤフラム24の表面を押圧し、この押圧力を液封室30内のセンサーチップ32により検知するようにしている。
【0042】
また、
図1に示したように、圧力検出エレメント16の上方には、一定間隔離間して、基板38が設けられ、この基板38の一方の端部に形成された貫通孔38aを貫通するように、リードピン34の先端34aが挿通され、基板38の図示しない回路に電気的に、例えば、半田付けにより接続されている。
【0043】
一方、基板38の他方の端部には、外部リード線54が、基板38の図示しない回路に電気的に、例えば、半田付けにより接続されている。
【0044】
また、
図1に示したように、継手部材14のフランジ部14aと当接した状態で、カバー部材42の基端部44が装着されている。カバー部材42の基端部44と、継手部材14のフランジ部14aとの間は、例えば、半田付け、溶接、接着剤などによって固着されている。
【0045】
なお、カバー部材42の基端部44と、継手部材14のフランジ部14aとの間を固着したが、嵌合して装着するようにすることも可能である。
【0046】
この場合、
図1に示したように、カバー部材42は、このように継手部材14のフランジ部14aと当接する基端部44と、圧力検出エレメント16のエレメント本体18に嵌合するエレメント本体嵌合部46と、このエレメント本体嵌合部46より僅かに小径で、封入樹脂部52を収容する封入樹脂収容部48とから、一体で構成されている。
【0047】
また、
図1に示したように、カバー部材42は、この封入樹脂収容部48が、略鉛直に立設された部分を構成しており、その上方に開口部50を有する筒形状となっている。
【0048】
この場合、カバー部材42の形状が、封入樹脂部52を収容する部分である封入樹脂収容部48において、略鉛直に立設された部分であるという意味における「略鉛直」とは、
図2に示したように、例えば、圧力検出エレメント16のエレメント本体18の上面18aと、封入樹脂収容部48とのなす角度αが、90°近傍、好ましくは、90°よりも±1°の範囲にあれば、後述する効果を奏することができる。
【0049】
これにより、
図1に示したように、カバー部材42の封入樹脂収容部48の内部に間隙Sが形成されており、この間隙Sに、カバー部材42の開口部50側から、接着剤を構成する封入樹脂が充填され、封入樹脂部52が形成されている。
【0050】
このように構成される本発明の圧力センサー10では、
図1に示したように、カバー部材42が、封入樹脂部52を収容する部分である封入樹脂収容部48において、略鉛直に立設された部分であり、この略鉛直に立設された部分を備えた筒形状であるので、従来のように、内径側に延設された段部が存在せず、カバー部材42の封入樹脂部52が開放された状態となっている。
【0051】
従って、封入樹脂が熱によって膨張した場合にも、または、封入樹脂が冷却されて収縮した場合にも、
図2に示したように、封入樹脂部52と圧力検出エレメント16のエレメント本体18との間(
図2の楕円形で囲った部分A)で、熱応力によって剥離が生じることがなく、外部から水分が浸入して、絶縁不良や、圧力検出エレメントに腐食などの影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【0052】
また、
図1に示したように、カバー部材42が、封入樹脂部52を収容する部分である封入樹脂収容部48において、略鉛直に立設された部分を備えた筒形状であるので、従来のように、内径側に延設された段部、小径部が存在せず、カバー部材42の封入樹脂収容部48の内部の間隙Sに封入された封入樹脂部52が、カバー部材42の開口部50により開放された状態となっている。
【0053】
従って、封入樹脂を入れる際に、注入作業が容易で、手間がかからず、コストも低減でき、しかも、防水ケースを構成するカバー部材42全体に樹脂が行き渡り、注入不良が生じたり、気泡が発生して、クラックが生じたりすることなく、外部から水分が浸入して、絶縁不良や、圧力検出エレメント16に腐食などの影響を及ぼすことがなく、正確な圧力の検出が行える。
【実施例2】
【0054】
図3は、本発明の圧力センサーの別の実施例の縦断面図、
図4は、
図3の本発明の圧力センサーの部分拡大縦断面図、
図5は、応力解析を示す図である。
【0055】
この実施例の圧力センサー10は、
図1〜
図2に示した圧力センサー10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0056】
図1〜
図2に示した実施例1の実施例の圧力センサー10では、圧力検出エレメント16の上方に、一定間隔離間して、基板38が設けられていた。
【0057】
これに対して、この実施例の圧力センサー10では、
図3〜
図4に示したように、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38とが、当接した状態で配置されている。
【0058】
このように構成することによって、
図3〜
図4に示したように、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38とが、当接した状態で配置されているので、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38との間に間隙が存在しない。このため、接着剤を構成する封入樹脂を注入した場合にも、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38との間に封入樹脂部52が存在しないことになる。
【0059】
従って、封入樹脂が熱によって膨張した場合に、または、封入樹脂が冷却されて収縮した場合にも、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板との間に熱応力が発生せず、基板38と圧力検出エレメント16が破損損傷することがなく、確実に圧力の検出を行うことができる。
【0060】
また、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38との間に熱応力が発生しないので、圧力検出エレメント16と基板38とを接続するリードピン34との接続部分(リードピン34の先端34a)が損傷して電気的接続が遮断されたり、基板38と外部リード線54とを接続する接続部分(54a)が損傷して電気的接続が遮断されたりすることがなく、確実に圧力の検出を行うことができる。
【0061】
さらに、
図3〜
図4に示したように、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38とが、当接した状態で配置されているので、圧力検出エレメント16と、外部リード線54を接続する基板38との間に間隙が存在しない。このため、接着剤を構成する封入樹脂の量が少なくなり、コストを低減することができるとともに、圧力センサーをコンパクトで小型化することが可能である。
【0062】
図5は、100℃から−40℃に変化させた場合の応力解析を示す図であり、
図5(A)に示したように、特許文献1の圧力センサー100のように、防水ケースを構成するカバー部材106の形状が、大径部であるカバー本体部120aと、内径側に延設された段部120bと、この段部120bから垂直に立設された小径部120cとから構成されている構造であれば、封入樹脂122と、圧力検出エレメント102のエレメント本体126との間において、応力値が21MPaと大きい。
【0063】
これに対して、
図5(B)に示したように、本発明の圧力センサー10のように、防水ケースを構成するカバー部材42の形状が、封入樹脂部52を収容する部分である封入樹脂収容部48において、略鉛直に立設された部分であり、この略鉛直に立設された部分を備えた筒形状である場合には、応力値が6MPaと、約3分の1に低減できることが分かる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、カバー部材42を、継手部材14のフランジ部14aと当接する基端部44と、圧力検出エレメント16のエレメント本体18に嵌合するエレメント本体嵌合部46と、このエレメント本体嵌合部46より僅かに小径で、封入樹脂部52を収容する封入樹脂収容部48とから、一体で構成したが、別部材から構成して相互に固着したカバー部材とすることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。