【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、腹腔鏡で患者の身体の中へ比較的硬いある長さの縫合糸を挿入する際に用いるための配置システムに関する。
【0008】
本開示にしたがうと、縫合糸配置システムが提供され、この縫合糸配置システムは、手術針と、遠位端と近位端とを有する可撓性の縫合糸であって、可撓性の縫合糸の遠位端は、手術針に取り付けられる、可撓性の縫合糸と、遠位端と近位端とを有する標的縫合糸であって、標的縫合糸の遠位端は、可撓性の縫合糸の近位端に固定される、標的縫合糸とを備える。
【0009】
標的縫合糸は、標的縫合糸の外面上に配置された複数のとげを含み得る。
【0010】
縫合糸配置システムは、遠位端と近位端とを有する中空のカラーを含み得、中空のカラーは、可撓性の縫合糸の近位端と標的縫合糸の遠位端との中間に配置される。標的縫合糸の遠位端は、中空のカラーの近位端内に解放可能なように固定され得る。標的縫合糸は、モノフィラメントであり得る。標的縫合糸は、可撓性の縫合糸の近位端に解放可能なように固定され得る。
【0011】
可撓性の縫合糸の遠位端は、手術針の本体部分内に形成された縫合糸穴内に固定され得る。縫合糸穴は、本体部分の中央に形成され得る。可撓性の縫合糸の遠位端は、本体部分内に形成された縫合糸穴内にクリンプされ得る。手術針は、本体部分の各端部に形成された組織を貫通する先端を有する両先針であり得る。手術針は、手術縫合装置と関連付けられた係合構造の受容のための、各組織を貫通する先端に隣接して形成された、係合スロットを含み得る。
【0012】
本開示の別の局面にしたがうと、縫合糸配置システムは、本体部分と本体部分の各端部に形成された組織を貫通する先端とを有する手術針と、遠位端と近位端とを有するマルチフィラメント縫合糸であって、マルチフィラメント縫合糸の遠位端は、手術針の本体部分における縫合糸穴内に固定される、マルチフィラメント縫合糸と、遠位端と近位端とを有する中空のカラーであって、マルチフィラメント縫合糸の近位端は、中空の遠位端内にある、中空のカラーと、遠位端と近位端とを有するモノフィラメント標的縫合糸であって、モノフィラメント標的縫合糸の遠位端は、中空のカラーの近位端内に解放可能なように固定される、モノフィラメント標的縫合糸とを備える。
【0013】
モノフィラメント標的縫合糸は、とげのある縫合糸であり得る。
【0014】
手術針は、縫合糸穴に隣接する少なくとも1つのクリンプ隆起を含み得る。
【0015】
手術針は、手術縫合装置と関連付けられる係合構造の受容のための、少なくとも1つの係合スロットを含み得る。
【0016】
とげのある縫合糸は、とげのある合成縫合糸であり得、とげのある合成縫合糸は、細長い本体と、細長い本体から延びており、内面を画定する少なくとも1つのとげとを含み得る。内面は、細長い本体の長手軸に対して第1の向きに配置された第1の部分と、長手軸に対して第2の向きに配置された第2の部分とを含み得る。第1および第2の部分のうちの少なくとも1つは、実質的に直線状であり得る。
【0017】
第1および第2の部分は、細長い本体のそれぞれの長手軸に対して第1および第2の角度にあり得る。第2の角度は、第1の角度未満であり得る。第1の角度は、約0°〜約90°であり得る。第1の角度は、約30°〜約50°であり得る。第2の角度は、約0°〜約90°であり得る。第2の角度は、約2°〜約25°であり得る。
【0018】
少なくとも1つのとげの内面は、細長い本体の長手軸に対して第3の向きに配置された第3の部分を含み得、第3の向きは、約0°〜約90°である第3の角度を画定し得る。第3の角度は、約2°〜約50°であり得る。
【0019】
縫合糸配置システムであって、手術針と遠位端および近位端を有する可撓性の縫合糸とを含む、縫合糸配置システムもまた、開示される。可撓性の縫合糸の遠位端は、手術針に固定的に固定される。標的縫合糸が提供され、標的縫合糸は、遠位端と近位端とを有する。標的縫合糸の遠位端は、可撓性の縫合糸の近位端に解放可能なように固定される。遠位端と近位端とを有する中空のカラーが、可撓性の縫合糸の近位端と標的縫合糸の遠位端との中間に配置される。標的縫合糸の遠位端は、中空のカラーの近位端内に解放可能なように固定される。
【0020】
一実施形態において、標的縫合糸は、比較的硬い縫合糸である。特定の実施形態において、標的縫合糸は、標的縫合糸の外面上に配置された複数のとげを含む。
【0021】
可撓性の縫合糸の遠位端は、手術針の本体に形成された縫合糸穴内に固定される。縫合糸穴は、本体部分の中央に形成される。可撓性の縫合糸の遠位端は、本体部分に形成された縫合糸穴内にクリンプされる。
【0022】
一実施形態において、手術針は、本体部分の各端部に形成された組織を貫通する先端を有する両先針である。より特定の実施形態において、手術針は、手術縫合装置と関連付けられる係合構造の受容のための、各組織を貫通する先端に隣接して形成された、係合スロットを含む。
【0023】
縫合糸配置システムであって、本体部分と本体部分の各端部に形成された組織を貫通する先端とを含む、縫合糸配置システムもまた開示される。手術針は、本体部分内に中央に配置された縫合糸穴を含む。縫合糸配置システムはまた、遠位端および近位端を有する可撓性のマルチフィラメント縫合糸を含み、このマルチフィラメント縫合糸の遠位端は、手術針の本体部分における縫合糸穴内に固定される。縫合糸配置システムは、遠位端および近位端を有する中空のカラーをさらに含み、マルチフィラメント縫合糸の近位端は、中空のカラーの遠位端内に固定的に固定される。加えて、縫合糸配置システムは、遠位端および近位端を有する比較的硬い標的縫合糸を含む。硬い標的縫合糸の遠位端は、中空のカラーの近位端内に解放可能なように固定される。
【0024】
特定の実施形態において、比較的硬い標的縫合糸は、とげのある縫合糸である。別の実施形態において、手術針は、縫合糸穴に隣接した少なくとも1つのクリンプ隆起を含む。なおもさらなる特定の実施形態において、手術針は、手術縫合装置に関連付けられる係合構造の受容のための、少なくとも1つの係合スロットを含む。
【0025】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
手術針配置システムであって、
手術針と、
遠位端と近位端とを有する可撓性の縫合糸であって、該可撓性の縫合糸の該遠位端は、該手術針に取り付けられる、可撓性の縫合糸と、
遠位端と近位端とを有する標的縫合糸であって、該標的縫合糸の該遠位端は、該可撓性の縫合糸の該近位端に固定される、標的縫合糸と
を備える、縫合糸配置システム。
(項目2)
上記標的縫合糸は、該標的縫合糸の外面上に配置された複数のとげを含む、項目1に記載の縫合糸配置システム。
(項目3)
遠位端と近位端とを有する中空のカラーをさらに含み、該中空のカラーは、上記可撓性の縫合糸の上記近位端と上記標的縫合糸の上記遠位端との中間に配置される、項目1に記載の縫合糸配置システム。
(項目4)
上記標的縫合糸の上記遠位端は、上記中空のカラーの上記近位端内に解放可能なように固定される、項目3に記載の縫合糸配置システム。
(項目5)
上記標的縫合糸は、モノフィラメントである、項目3に記載の縫合糸配置システム。
(項目6)
上記標的縫合糸は、上記可撓性の縫合糸の上記近位端に解放可能なように固定される、項目4に記載の縫合糸配置システム。
(項目7)
上記可撓性の縫合糸の上記遠位端は、上記手術針の本体部分内に形成された縫合糸穴内に固定される、項目1に記載の縫合糸配置システム。
(項目8)
上記縫合糸穴は、上記本体部分の中央に形成される、項目7に記載の縫合糸配置システム。
(項目9)
上記可撓性の縫合糸の上記遠位端は、上記本体に形成された上記縫合糸穴内にクリンプされる、項目7に記載の縫合糸配置システム。
(項目10)
上記手術針は、上記本体部分の各端部に形成された、組織を貫通する先端を有する両先針である、項目8に記載の縫合糸配置システム。
(項目11)
上記手術針は、手術縫合装置と関連付けられる係合構造の受容のための、各組織を貫通する先端に隣接して形成された、係合スロットを含む、項目10に記載の縫合糸配置システム。
(項目12)
本体部分と該本体部分の各端部に形成された組織を貫通する先端とを有する手術針と、
遠位端と近位端とを有するマルチフィラメント縫合糸であって、該マルチフィラメント縫合糸の該遠位端は、該手術針の該本体部分における縫合糸穴内に固定される、マルチフィラメント縫合糸と、
遠位端と近位端とを有する中空のカラーであって、該マルチフィラメント縫合糸の該近位端は、該中空のカラーの該遠位端内にある、中空のカラーと、
遠位端と近位端とを有するモノフィラメント標的縫合糸であって、該モノフィラメント標的縫合糸の該遠位端は、該中空のカラーの該近位端内に解放可能なように固定される、モノフィラメント標的縫合糸と
を備える、縫合糸配置システム。
(項目13)
上記モノフィラメント標的縫合糸は、とげのある縫合糸である、項目12に記載の縫合糸配置システム。
(項目14)
上記手術針は、上記縫合糸穴に隣接する少なくとも1つのクリンプ隆起を含む、項目12に記載の縫合糸配置システム。
(項目15)
上記手術針は、手術縫合装置と関連付けられる係合構造の受容のための、少なくとも1つの係合スロットを含む、項目12に記載の縫合糸配置システム。
(項目16)
上記とげのある縫合糸は、とげのある合成縫合糸であり、該とげのある合成縫合糸は、
細長い本体と、
該細長い本体から延びており、内面を画定する少なくとも1つのとげと
を含み、該内面は、
該細長い本体の長手軸に対して第1の向きに配置された第1の部分と、
該長手軸に対して第2の向きに配置された第2の部分と
を含む、項目13に記載の縫合糸配置システム。
(項目17)
上記第1および第2の部分のうちの少なくとも1つは、実質的に直線状である、項目16に記載の縫合糸配置システム。
(項目18)
上記第1および第2の部分は、上記細長い本体のそれぞれの長手軸に対して第1および第2の角度にある、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目19)
上記第2の角度は、上記第1の角度未満である、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目20)
上記第1の角度は、約0°〜約90°である、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目21)
上記第1の角度は、約30°〜約50°である、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目22)
上記第2の角度は、約0°〜約90°である、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目23)
上記第2の角度は、約2°〜約25°である、項目17に記載の縫合糸配置システム。
(項目24)
上記少なくとも1つのとげの上記内面は、上記細長い本体の上記長手軸に対して第3の向きに配置された第3の部分を含み、該第3の向きは、約0°〜約90°である第3の角度を画定する、項目16に記載の縫合糸配置システム。
(項目25)
上記第3の角度は、約2°〜約50°である、項目24に記載の縫合糸配置システム。
【0026】
(摘要)
縫合糸配置システムが開示され、この縫合糸配置システムは、縫合糸配置システムに固定的に取り付けられた可撓性の縫合糸と、可撓性の縫合糸に解放可能なように固定された標的縫合糸とを含む。可撓性の縫合糸と標的縫合糸との間にはカラーが配置され、このカラーは、可撓性の縫合糸に固定的に固定される。標的縫合糸は、カラーに解放可能なように固定され、標的縫合糸は、手術処置が完了した際に、カラーから取り外され得る。手術針は、手術縫合装置によって操作されるように特別に構成された、両先手術針である。