(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水道水からなる水供給源と、流体が充填された流体タンクからの流体供給源の回路を切り替えて、いずれか一方の流体を医療用ユニット内の流体回路に供給する流体回路切替装置において、前記水道水側の水供給源と流体タンク側の流体供給源の回路をいったん非接触状態に分離する行程と、前記分離する行程を経た後に前記いずれか一方の流体回路を医療用ユニット内の流体回路に接続する行程とからなる流体回路切替手段を備えたことを特徴とする医療用ユニットの流体回路切替装置。
前記流体回路切替手段は、前記水供給源回路を遮断すると共に、流体タンクからの前記流体供給源の回路を医療用ユニット内の流体回路に接続する切替手段1と、流体タンクからの前記流体供給源を遮断するとともに、前記水供給源を医療用ユニット内の流体回路に接続する切替手段2と、流体タンクからの前記流体供給源および前記水供給源のそれぞれを遮断すると共に、医療用ユニット内の流体回路への流体供給口を遮断し、前記3方の回路を非接触状態にする切替手段3とからなり、切替手段1、切替手段2、切替手段3それぞれの切替を制御する切替制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の医療用ユニットの流体回路切替装置。
前記流体タンクは、内部を空気圧にて加圧し、該空気圧にて流体タンク内に充填された流体を医療用ユニット内の流体回路に供給することを特徴とする請求項1,10または11記載の医療用ユニットの流体回路切替装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
消毒液や洗浄水が水道水側へ逆流することを防止するという目的を、水供給源と消毒・洗浄用水の流体供給源の回路をいったん非接触状態に分離する行程と、前記分離する行程を経た後に前記いずれか一方の流体回路を医療用ユニット内の流体回路に接続する行程とからなる流体回路切替手段を備えたことにより実現した。以下,医療用ユニットの例として、歯科診療用ユニットを用いて説明する
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1は、一例として歯科診療用ユニット1内に構成する管路系統が、
図1に示すように水圧源2に加圧水供給管路1aが接続され、その下流側に向かって順に給水開閉弁3a、フィルタ4a、逆止弁5、給水開閉弁3b、減圧弁6a、フィルタ4bが接続され、その先に、流体回路切替手段として弁付連結継手オス7aが接続されている。一方、空気圧源9には加圧空気管路1bが接続され、その下流に向かって順に減圧弁6b、加圧開閉弁10、流体タンク11が接続され、その先に流体回路切替手段として弁付連結継手オス7bが接続されている。
【0018】
上記において、点線枠内に示される三方切替弁12を用いる場合は、流体回路切替手段として前記弁付連結継手オス7a の先には弁付連結継手メス8aが、また前記弁付連結継手オス7bの先には弁付連結継手メス8bが対向していて、対向するいずれかを選択して接続することにより接続された管路の流体はその先に設けられた自動作動し得る切替弁45にて切替制御され、複数の開閉弁13の開閉制御によりその先に設けられたコップ給水14、マイクロモータ15、タービン16、スケーラ17、スリーウェイシリンジ18等のハンドピースに送られる。また水圧源2側および空気圧源9側の弁付連結継手オス7aおよび弁付連結継手メス8a相互間を離間して非接触にすることにより
流体タンク11からの流体供給源および水供給源それぞれを遮断すると共に、
歯科診療用ユニット1内の流体回路への流体供給口を完全に遮断することが可能になる。また、前記三方切替弁12に替えて下方の点線枠内に示される逆止弁付三方管路46を用いてもよく、この場合は、前記切替弁45に替えて逆止弁5にて逆流が防止され、複数の開閉弁13側に送られる。なお
弁付連結継手オス7a、弁付連結継手メス8aおよび弁付連結継手オス7b、弁付連結継手メス8bの接続部相互間は、前記と同様にいずれか一方が接続された場合に他方の接続部相互間は離間され完全に遮断される。
【0019】
従って、前記流体回路切替手段は、水供給源回路を遮断すると共に、
流体タンク11からの流体供給源の回路を
歯科診療用ユニット1内の流体回路に接続する切替手段1と、
流体タンク11からの流体供給源を遮断するとともに水供給源を
歯科診療用ユニット1内の流体回路に接続する切替手段2と、
流体タンク11からの流体供給源および水供給源それぞれを遮断すると共に
歯科診療用ユニット1内の流体回路への流体供給口を遮断し、前記3方の回路を非接触状態にする切替手段3とからなり、前記切替手段1、切替手段2、切替手段3それぞれの切り替えを切替制御手段にて制御するものである。
【0020】
図2は、歯科診療用ユニット1に対して本発明の実施例に係る流体タンク11および流体回路切替装置30が装着された図である。歯科診療用ユニット1は基台20と、基台20の上に設けられた患者用椅子21と、患者用椅子21の左側に設けられたドクターテーブル23と、患者用椅子21の右側に設けられたユニット本体部22と、アシスタントハンガ24が備えられている。
【0021】
術者が使用するドクターテーブル23には、デジタル表示パネル(不図示)およびインスツルメントハンガ28が備えられている。またアシスタントハンガ24にはアシスタントが使用するバキューム、シリンジ(不図示)が配置されている。またユニット本体部22にはコップ給水用ノズル27や、オートカラン26、スピットンボウル25等が設けられている。
【0022】
図3は、本実施例の流体回路切替装置30に流体タンク11を装着した状態の外観を示す斜視図である。図に示すように流体回路切替装置30は、カバー34で覆われており、その前面にスライド機構操作部31と、三方切替弁操作部41、左右に一対のカップリング解除ボタン32を備え、流体回路切替装置30の下面には流体タンク11が接続されている。流体タンク11の上部には流体タンク11の内部を加圧する加圧開閉弁10と、流体タンク11内の圧力を示す圧力計36と、圧力調整用の加圧調整ネジ37と、流体タンク11内の流体を加圧する減圧弁6が設けられている。
【0023】
図4は、
図3おける流体回路切替装置のカバー34を外した状態を示す斜視図である。なお、本実施例では給水Aを水道水、給水Bを消毒液とする。図に示すように流体回路切替装置30は、左右に移動するスライド機構39と、これを手動にて操作するスライド機構操作部31を備え、一例として、給水A側の弁付連結継手オス7が対向する弁付連結継手メス8にワンタッチ接続手段により接続されている。この接続はカップリング解除操作部40を押すことで解除することができる。また前記弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8を接続した上で、三方切替弁操作部41を給水A側に回すことで給水A側への通水が可能になる。これにより、三方切替弁12は歯科診療用ユニット1側につながり、給水Aからの水道水が歯科診療用ユニット1へ給水される。
【0024】
このように給水A側が
弁付連結継手オス7および
弁付連結継手メス8にて接続され、かつ三方切替弁12を給水A側に切り替えることにより、これと同時に、給水B側は弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8の相互間が離間され、切り離される。これにより給水B側と流体回路との間が完全に分離される。従って逆流は不可能になる。
【0025】
また、流体回路切替装置30に接続された流体タンク11には、減圧弁6と、加圧調整ネジ37と、圧力計36が設けられているので、加圧開閉弁10の操作により、歯科診療用ユニット1からの圧縮空気にて流体タンク11内の流体を加圧し、圧縮空気の加圧力にて流体を歯科診療用ユニット1内の流体回路に送り出すことが可能になる。なお流体タンク11内には、消毒液または飲料水(ナチュラルウォータ、ナチュラルミネラルウォータ、ミネラルウォータ、ボトルドウォータ、浄水、蒸留水等を含む)を充填する。また、ここで言う消毒液とは、流体回路の管壁に付着したバイオフィルムの細菌を消毒しうるものとする。例えば消毒用エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、クエン酸、酢酸等の有機酸、過酸化水素等の水溶性過酸化物、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩、人が飲んでも問題のない殺菌に有効な極めて低濃度消毒液、その他のものを一種または複数種組み合わせで用いることができる。因みに上記飲料水に関しては、農林水産省の「ミネラルウォータ類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」に規定されている。
【0026】
図5(a)(b)(c)は流体回路切替装置30の正面図であり、
図5(a)に示すように水平方向にスライドするスライド機構31が中央に位置し、弁付連結継手8は給水A側および給水B側のいずれにも離間され接続されていない非接触状態を示している。なお図中の給水Aは水道水、給水Bは消毒液とする。
【0027】
図5(b)(c)は流体回路切替装置30の作動を示す。
図5(b)に示すようにスライド機構操作部31を手動操作して
スライド機構39を給水A側に移動させ、給水A側の弁付連結継手7と弁付連結継手8とを接続し、更に三方切替弁12を給水A側に切り替えることで通水する。これと同時に、給水B側は、弁付連結継手オス7および弁付連結継手8の間が離間し完全に分離されて通水が不可能な状態になることを示している。なお、この状態から接続を解除する場合は、カップリング解除操作部40押すことにより給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8を分離することができる。
【0028】
また
図5(c)に示すようにスライド機構操作部31を手動操作してスライド機構39を給水B側に移動させることで、給水B側の
弁付連結継手オス7と
弁付連結継手メス8とが接続され、同時に給水A側の弁付連結継手オス7と
弁付連結継手メス8との間が離間され分離される。これにより給水Aと歯科診療用ユニット内の流体回路との間が遮断される。更に三方切替弁12を給水B側に切り替えて通水することで給水B側の流体が歯科診療用ユニット1内の流体回路に供給される。
【0029】
また、前記における三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を設けてもよい。接続と分離の方法は上記と同様であるのでその説明を省略する。この場合、逆止弁付三方管路46はスライド機構39に連動しない構成であり、流路の切り替えに逆止弁付三方管路46を使用することにより切替動作が不要になり、手間をかけずに通水することが可能になる。
【0030】
次に、
図6を用いて三方切替弁12の切り替えによる通水操作を説明する。(S1)はスライド機構39の操作により給水A側を接続するとともに、三方切替弁12を給水A側に切り替ることにより歯科診療用ユニット1内の流体回路29側に供給が可能となり、同時に給水B側が遮断され、給水B側からの流体は流体回路29内に逆流することが防止される。(切替手段2)
【0031】
次に(S2)に示すように、スライド機構39の操作により給水A側および給水B側を遮断する。これにより、給水A側および給水B側の流体はいずれも流体回路29側に供給することができなくなる。(切替手段3)
【0032】
次に、(S3)に示すようにスライド機構39の操作により給水B側を接続すると共に三方切替弁12を給水B側に切り替えることにより給水B側から流体回路29側に流体を供給することが可能になり、同時に給水A側が遮断され、給水B側からの流体は給水A側に逆流することが防止される。(切替手段1)
なお前記切替手段1から3において遮断された接続端の相互間は離間されるので連結接続される状態となることが防止される。
【実施例2】
【0033】
本実施例は、
図7(a)(b)(c)に示すように、三方切替弁操作部41の円周上にギア42を、スライド機構操作部31の下面にラック43を設けて、前記ギア42とラック43を
噛合させたラック・ギア機構を構成し、回転運動と直線運動を相互に変換するもので、スライド機構操作部31または三方切替弁操作部41のいずれか一方を操作することにより他方が連動する構成である。これにより、三方切替弁12の操作とカップリング接続動作が連動となる。
【0034】
即ち、三方切替弁操作部41を操作すると、スライド機構操作部31が左右に移動し、スライド機構操作部31を操作すると三方切替弁操作部41が回転する。また、この機構により接続を分離するためのワンタッチ解除操作が不要になる。
図7(b)は上記機構により給水A側に通水した状態、
図7(c)は給水B側に通水した状態を示す。
【0035】
また、前記三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。接続と分離の方法は上記と同様であるのでその説明を省略する。なお、この場合、逆止弁付三方管路46はスライド機構39に連動しない構成であり、通水させる切替操作も不要である。このように手間をかけずに、通水することが可能になる。
【実施例3】
【0036】
本実施例は、流体回路の切り替えをモータにて自動制御するものである。
図8(a)(b)(c)に示すようにモータ48の回転軸にギア42を設けると共に、スライド機構39の上面および下面にラック43を設け、前記ギア42とラック43を
噛合させることにより回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構を構成している。更に三方切替弁操作部41の円周上にギア42を設けて、スライド機構39の下面に設けられたラック43に
噛合させ、スライド機構39の上部に設けられたモータ48を回転することで、この回転に連動してスライド機構39を左右に連動させる。
【0037】
即ち、ラック・ギア機構にて、スライド機構39と三方切替弁12とが左右に連動する構成である。またモータ48による自動制御のために、自動的に接続および解除が行われる。従ってワンタッチ操作は不要となる。またモータ48は三方切替弁操作部41の下側に設けてもよい。また電動による連動の際には、接続時に、音、光、ディスプレイ表示等で報知する制御にしてもよい。
【0038】
図8(b)は、モータ48をスライド機構39の上部に設けた場合における給水A側と通水した状態を示す。このように、三方切替弁12が給水A側に正しく通水するように連動制御される。
図8(c)は、給水B側に通水した状態を示す。
【0039】
また、前記
図8において、連動するのはスライド機構までとし、三方切替弁12のみ手動で操作する構成にしてもよい。この場合も、図に示すようにスライド機構39の上面にラック43を設けると共に、スライド機構の上部にモータ48を設け、モータ48の回転軸に設けられたギア42と前記ラック43を
噛合させることによりラック・ギア機構を構成し、モータ48の回転にて回転運動を直線運動に変換する。これによりモータ48の回転に連動してスライド機構39が左右に移動する。またモータ48による自動制御のため、自動的に接続および解除が行われる。従って、ワンタッチ解除操作は不要となる。また接続された後、手動にて三方切替弁12を通水方向に操作することで通水が可能になる。
【0040】
また、前記における三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。その接続と分離の構成は前記と同様であるのでその説明を省略する。なお逆止弁付三方管路46はスライド機構39に連動しない構成であり、通水させる切替操作も不要である。
【実施例4】
【0041】
本実施例は前記実施例1から3における水平型スライド機構に替えて縦型スライド機構にて構成したものである。
図9及び
図10に示すように流体回路切替装置30は、カバー34で覆われており、前面に左右一対のカップリング解除ボタン32と、回転動作部44と、三方切替弁操作部41とが備えられている。また流体路切替装置30の下側に流体タンク11の上端が接続されている。流体タンク11には内部の流体を加圧するための加圧開閉弁10と、内部の圧力を示す圧力計36と、圧力を調整する加圧調整ネジ37と、内部の流体を加圧する減圧弁6を備えている。
【0042】
流体回路切替装置30の内部は、図
10に示すように、本実施例では水道水を供給する給水Aおよび消毒液や洗浄水を供給する給水Bの接続口が備えられ、
給水 A1とA2、
給水B1とB2はフレキシブルチューブ49等にて連結されている。
【0043】
図に示すように流体回路切替装置30にはギア42が設けられた回転動作部44が中央に備えられ、回転動作部44の左右における縦方向にラック43が設けられたスライド機構39が備えられ、ギア42とラック43とが
噛合する縦方向のラック・ギア機構が構成されていて、回転動作部44を手動で回転することにより、左右のスライド機構39が互いに相反する方向に上下動する構成となっている。
【0044】
更に、給水A側の弁付連結継手オス7に対応する弁付連結継手メス8がワンタッチで接続可能であり、この接続はカップリング解除操作部40を押すことで解除が可能になっている。そして弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8が接続された後に、三方切替弁操作部41を給水A側に回すことで給水A側から
歯科診療用ユニット1側に通水が可能になる。
【0045】
一方、給水A側に接続され、三方切替弁12にて給水A側に切り替えられると同時に、給水B側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8の相互間は離間され、流体回路から完全に分離された状態になる。
【0046】
上記構成を
図11(a)(b)(c)にて説明する。図に示すように、給水A側と給水B側との間に設けられた回転動作部44の円周上にギア42を、給水A側とB側のスライド機構39内側にラック43を設けてギア42とラック43とを
噛合させることにより縦方向のラック・ギア機構を構成している。なお
給水A1とA2、
給水B1とB2はフレキシブルチューブ49などで接続されている。
【0047】
上記構成の流体回路切替装置30は、
図11(b)に示すように回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構により回転動作部44の手動回転に連動して給水A側と給水B側の弁付連結継手オス7それぞれが互いに相反する方向に上下動し、一方の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8は接続されると同時に、他方の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8の相互間が離間され切り離される。
図11(b)は給水A側に通水し
図11(c)は給水B側に通水した状態を示す。このとき、三方切替弁12は連動しないので手動操作となる。この接続はカップリング解除操作部40を押すことで解除が可能である。なお三方切替弁12は歯科診療用ユニット1(
図2)側に接続されている。
【0048】
また、前記における三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。接続と分離の方法は上記と同様であるのでその説明を省略する。
【実施例5】
【0049】
本実施例は
図12(a)(b)(c)及び
図13(a)(b)(c)に示すように、水道水を供給する給水Aおよび消毒液や洗浄水を供給する給水Bの接続口を備え、
給水A1とA2、
給水B1とB2はフレキシブルチューブ49などで連結されている。
【0050】
本実施例の流体回路切替装置30は、
図12(a)に示すように円周にギア42が設けられた回転動作部44が中央に備えられ、回転動作部44の左右におけるスライド機構39の内側にラック43が設けられ、このギア42とラック43とが
噛合して回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構が構成されている。これにより、回転動作部44の手動回転に連動して左右のスライド機構39が互いに相反する方向に上下動して流体回路の接続または分離をする構成になっている。接続された給水側に対しては三方切替弁12が通水方向に連動操作で切り替えられる構成になっている。
【0051】
上記構成により、
図12(b)に示すように給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8とが接続し、この接続に連動して三方切替弁12も給水A側に切り替えられ通水が可能になる。同時に、給水B側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8は相互間が離間され切り離される。またこの接続は解除操作が不要である。そして三方切替弁12は歯科診療用ユニット1(
図2)とつながり、給水Aからの水道水を歯科診療用ユニット1側に給水することが可能になる。
図12(c)は給水B側と通水した状態を示す。
【0052】
また、流体回路切替装置30には、
図13(a)に示すように円周にギア42が設けられた回転動作部44が中央に備えられ、回転動作部44の左右におけるスライド機構39の内側にラック43が設けられ、このギア42とラック43とが
噛合して回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構が構成されている。更にその下側に円周にギア42が設けられた三方切替弁12が設けられ、これにより、回転動作部44の手動回転に連動して左右のスライド機構39が互いに相反する方向に上下動して流体回路の接続または分離をする構成になっている。接続された給水側に対しては三方切替弁12が通水方向に連動操作で切り替えられる構成になっている。
【0053】
上記構成により、
図13(b)に示すように給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8とが接続し、この接続に連動して三方切替弁12も給水A側に切り替えられ通水が可能になる。同時に、給水B側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8は相互間が離間され切り離される。またこの接続は解除操作が不要である。そして三方切替弁12は歯科診療用ユニット1(
図2)とつながり、給水Aからの水道水を歯科診療用ユニット1側に通水することが可能になる。
図13(c)は給水B側と通水した状態を示す。
【0054】
また、前記、
図12における三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。また、接続と分離の方法は前記と同様であるのでその説明を省略する。なお逆止弁付三方管路46は連動しない構成であり、通水させる切替操作も不要である。
【実施例6】
【0055】
本実施例は
図14(a)(b)(c)及び
図15(a)(b)(c)に示すように水道水を供給する給水Aおよび消毒液や洗浄水を供給する給水Bの接続口を備え、
給水A1とA2、
給水B1とB2はフレキシブルチューブ49などで連結されている。
図14(a)に示す流体回路切替装置30には、円周にギア42が設けられた回転動作部44が中央に備えられ、回転動作部44の左右におけるスライド機構39の内側にラック43が設けられ、このギア42とラック43とが
噛合して、回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構が構成されている。その下側にモータ48と、モータ48の回転軸に円周にギア42を設けられた回転動作部44が備えられ、モータ48の回転に連動して左右のスライド機構39が互いに相反する方向に上下動し流体回路の接続または分離をする構成になっている。接続された給水側に対しては三方切替弁12が通水方向に連動操作にて切り替えられる構成になっている。
【0056】
上記構成により、
図14(b)に示すように給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8とが接続し、この接続に連動して三方切替弁12も給水A側に切り替えられ通水が可能になる。またこの接続は解除操作が不要である。そして三方切替弁12は歯科診療用ユニット1(
図2)とつながり、給水Aからの水道水を歯科診療用ユニット1側に通水することが可能になる。
【0057】
このように電動により給水A側が接続され、この接続に連動して三方切替弁12が給水A側に切り替えられると同時に、給水B側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8は相互間が離間され切り離される。また
図14(c)に示すように給水B側が接続されることにより給水A側は弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8は相互間が離間され切り離される。
【0058】
また
図15(a)に示す流体回路切替装置30には、中央にモータ48と、その回転軸上に、円周にギア42が設けられた回転動作部44が設けられ、回転動作部44の左右におけるスライド機構39の内側にラック43が設けられ、前記ギア42とラック43とが
噛合して回転運動を直線運動に変換するラック・ギア機構が構成されている。更にその下側に三方切替弁12が設けられ、モータ48の回転にて左右のスライド機構39が互いに相反する方向に上下動して流体回路の接続または分離をする構成になっている。そしてこのスライド機構39の作動に連動して三方切替弁12が通水方向に作動し、接続された給水側に対して通水することが可能に構成されている。
【0059】
上記構成により、
図15(b)図に示すように給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8とが接続され、この接続に連動して三方切替弁12も給水A側に切り替えられ、通水が可能になる。またこの接続は解除操作が不要である。そして三方切替弁12は歯科診療用ユニット1(
図2)とつながり、給水Aからの水道水を歯科診療用ユニット1側に給水することが可能になる。
【0060】
このように電動により給水A側が接続され、更にこの電動に連動して三方切替弁12が給水A側に切り替えられ、給水B側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8が相互間は離間され切り離される。また
図15(c)に示すように給水B側と接続することにより給水A側の弁付連結継手オス7と弁付連結継手メス8の相互間が離間される。
【0061】
また、前記
図14(a)(b)(c)及び
図15(a)(b)(c)における三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。この場合、接続と分離の方法は上記と同様であるのでその説明を省略する。なお逆止弁付三方管路46は連動しない構成であり、通水させる切替操作も不要である。
【0062】
また、前記
図14(a)(b)(c)及び
図15(a)(b)(c)において、連動するのはスライド機構までとし、三方切替弁12のみ手動で操作する構成にしてもよい。この場合、接続と分離の方法は
図14及び
図15と同様であるのでその説明を省略する。また、三方切替弁12に替えて逆止弁付三方管路46を用いてもよい。なお、逆止弁付三方管路46は連動しない構成であり、通水させる切替操作も不要である。
【0063】
以上の述べた本発明の
歯科診療用ユニット1において、回転運動を直線運動に変換する機構としてラックとギアが
噛合するラック・ギア機構を用いた例について説明したが、これに限定するものではなく、本発明の
流体回路切替装置30における切替操作を満足するものであれば他の変換機構を用いることができる。
【0064】
以上により本実施例の
歯科診療用ユニット1は、水道水の流体回路と消毒・洗浄用の流体を供給する流体タンクの流体回路とを完全に分離し、クロスコネクションを防止することが出来るので、消毒液が水道水側へ逆流する恐れがない。また流体回路を洗浄するときも、水圧源を分離してから行うので、消毒液や洗浄液が水道水側に逆流する恐れがなく、安全に洗浄することができる。
【0065】
なお本実施例では
歯科診療用ユニット1の流体回路に対して本願発明を適用した例について述べたが、本願発明は前記
歯科診療用ユニット1に限らず、水を用いて治療をする診療器具を有する診察装置の総てに適用することが可能である。例えば耳鼻咽喉科、産婦人科、泌尿器科、眼科などで用いられる管路洗浄装置または診療装置などに適用可能である。