(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各板状リブは、前記蒸発皿における前後の壁に対して交互に接続されるようにして千鳥状に配されており、かつ各板状リブにおける自由端側に前記取付台が設けられていることを特徴とする請求項2記載の冷却ユニット。
前記取付台の上面が前記板状リブの上縁よりも突出して形成されている一方、前記取付台の裏面側には同取付台の前記突出端が嵌る凹部が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項4記載の冷却ユニット。
前記取付台の前記円周リブの周方向の一部に逃がし溝が切り欠き形成されているとともに、前記取付台の中空部の内面における前記逃がし溝の形成位置と対応した位置には、上下方向を向いた補強リブが下縁に達する形態で形成されていることを特徴とする請求項6記載の冷却ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のものは、蒸発皿の直上に圧縮機が載置される構造であるため、凝縮器を冷却した後の排熱が蒸発皿の上面に向けられた場合に、圧縮機の外底面との間で排熱が乱流状態となり、蒸気をスムーズに廃棄できないという問題があり、さらなる改良が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、蒸発皿内の排水を効率良く蒸発させて廃棄するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、圧縮機及び凝縮器ファン付きの凝縮器等を備えた冷凍装置が合成樹脂製のベース上に載置された冷却ユニットであって、前記ベースの一側には前記凝縮器の載置領域が設けられるとともに、この凝縮器の載置領域よりも前記凝縮器ファンにより生じる冷却風の流通方向の前方領域には、除霜水等の排水を貯留して前記凝縮器を冷却した後の排熱により蒸発させる蒸発皿が一体的に形成され、この蒸発皿内に前記圧縮機が当該蒸発皿の底面から浮いた状態で載置されており、かつ前記蒸発皿の底面には、前記排熱の流通方向に沿った向きの複数枚の板状リブが、同排熱の流通方向と交差する方向に間隔を開けて形成されているところに特徴を有する。
上記構成によれば、凝縮器を冷却した後の排熱が、板状リブによって構成された風路に沿ってスムーズに流通することから、蒸発皿内の排水を効率良く蒸発させて廃棄することができる。
【0006】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記蒸発皿の底面には、前記圧縮機の脚部を取り付ける取付台が一体形成され、かつ前記取付台は前記板状リブと繋がった形態で形成されている。
板状リブには取付台が繋がって形成されていることで板状リブ自体の補強が図られ、例えばベースを重ねて収納する場合等において板状リブの破損を未然に防止でき、しかも取付台が排熱のスムーズな流れを阻害することが最小限に抑えられる。
【0007】
(2)前記各板状リブは、前記蒸発皿における前後の壁に対して交互に接続されるようにして千鳥状に配されており、かつ各板状リブにおける自由端側に前記取付台が設けられている。
板状リブが千鳥状に配されていることで排熱の風路が効果的に形成され、かつ各板状リブについては、一端が蒸発皿の壁に、他端が取付台と連結されていることによって、強固に補強される。
【0008】
(3)前記取付台の上面が前記板状リブの上縁よりも突出して形成されている一方、前記取付台の裏面側には同取付台の前記突出端が嵌る凹部が形成されている。
ベースを重ねる場合に、下側のベースの取付台の突出端が、上側のベースの取付台の裏面の凹部に嵌ることで、上下のベースの位置ずれが規制される。
【0009】
(4)前記取付台が、裏面に開口した中空の円錐台状に形成され、この取付台の上面の周縁に、前記板状リブの上縁よりも突出した円周リブが形成されている。
ベースを重ねる場合に、下側のベースの取付台における上面の円周リブが、上側のベースの取付台における中空部の下端に嵌ることで、上下のベースの位置ずれが規制される。
【0010】
(5)前記取付台の前記円周リブの周方向の一部に逃がし溝が切り欠き形成されているとともに、前記取付台の中空部の内面における前記逃がし溝の形成位置と対応した位置には、上下方向を向いた補強リブが下縁に達する形態で形成されている。
円周リブに逃がし溝を設けたことで、取付台の上面に水が溜まることが防がれる。取付台が中空とされたことによりさらに軽量化が図られた上で、補強リブによって必要な強度が確保される。ベースを重ねた場合に、下側のベースの取付台の上面における円周リブの逃がし溝に、上側のベースの取付台の中空部に設けられた補強リブの下端が嵌ることで、上下のベースの回動方向の位置ずれが規制できる。
【0011】
(6)前記ベースの表面には、前記冷凍装置に設けられたドライヤの取付部が一体的に突出形成されているとともに、前記ドライヤ取付部の裏面側には同ドライヤ取付部が嵌る収容空間が設けられている。
ドライヤ取付部をベースに一体的に設けたことで、別途備えた場合と比べて部品点数の削減に寄与し得る。下側のベースのドライヤ取付部は、上側のベースの収容空間に嵌って逃がされることで、ベース同士を背を低くして積み重ねることに寄与できる。圧縮機の取付台と凹部との嵌合と協働して、上下のベース同士の回動方向の位置ずれをより確実に規制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、蒸発皿内の排水を効率良く蒸発させて廃棄することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の一実施形態を
図1ないし
図15に基づいて説明する。この実施形態では、ユニット引き出し式のテーブル型冷蔵庫を例示している。
図1ないし
図3において、符号10は冷蔵庫本体であって、前面に開口した横長の断熱箱体によって構成され、内部が冷蔵室11とされており、底面の四隅に配された脚(図示せず)によって支持されている。冷蔵室11の前面開口は前面枠によって仕切られて左右2個の出入口が形成され、両出入口には、一対の断熱扉12が観音開き式の揺動開閉可能に装着されている。
【0015】
冷蔵庫本体10の正面から見た左側部には、冷却ユニット30が引き出し可能に収納される機械室20が設けられている。機械室20内の上部には、冷蔵室11と連通した断熱性の冷却器室13が張り出し形成され、その前面に出入口13Aが開口されているとともに、冷却器室13の下面側には収納スペース21が確保されている。
冷蔵室11の左側壁には、冷却器室13の冷蔵室11側の開口を含んで同側壁の全面を覆うようにしてダクト15が設けられており、同ダクト15の上部位置には冷気の吹出口16が設けられている一方、下部側には、冷蔵室11内の空気を冷却器室13内に吸い込む吸込口17が設けられている。
【0016】
冷却ユニット30は、
図6ないし
図8に示すように、機械室20の底板22上に摺動可能に載置されるベース31を備えており、このベース31上に、圧縮機33、凝縮器34、ドライヤ35及びキャピラリチューブ36等からなる冷凍装置32と、この冷凍装置32と冷媒配管38により循環接続された冷却器37(蒸発器)とが積み上げられるように搭載された構造である。
具体的には、ベース31上に、手前側から凝縮器34、凝縮器ファン34A及び圧縮機33が載置され、かつ同ベース31の左側縁に沿った位置にドライヤ35が取り付けられる一方、凝縮器34の上面に、冷却器室13の前面の出入口13Aを閉鎖する蓋体39が立てられ、その裏面側に冷却器37と冷却ファン40とが取り付けられている。冷却ユニット30が機械室20内に挿入されると、下段側の冷凍装置32が収納スペース21に収納される一方、冷却器37と冷却ファン40とが出入口13Aから冷却器室13内に収納され、同出入口13Aが蓋体39で閉鎖されるようになっている。
【0017】
機械室20の前面開口には前面パネル23が揺動開閉可能に装着され、前面パネル23の下部寄りの位置には、凝縮器34等を冷却するべく外気の吸気口24が形成されているとともに、上部における正面視の左側縁側に排熱の排気口25が開口されている。なお、排熱の排気口25については、機械室20の奥面や、左側面の奥側下部にも形成されている。
また、本冷蔵庫では、適宜に除霜運転が行われるようになっており、そのため冷却器37には除霜ヒータ42が装備されているとともに、冷却器37の下面側には除霜水を受けるドレンパン43が設けられ、
図3に示すように、排水管45によって機械室20の底部における正面視右寄りの奥部に排水し得るようになっている。
【0018】
冷却ユニット30の構造について、さらに詳細に説明する。冷却ユニット30のベース31は合成樹脂製であって、
図9ないし
図13に示すように、全体としては、機械室20内において手前側の小領域を余してすっぽりと収まるような前後方向に長い平面視略長方形をなす厚板状に形成されている。
冷凍装置32における凝縮器34と凝縮器ファン34Aとは前後に並んで一体的に組み付けられており、ベース31における手前側の半分弱の領域が、凝縮器34と凝縮器ファン34Aとの載置領域50とされている。同載置領域50は、全体としては、方形の浅皿を伏せたような形状に形成されており、裏面の凹部51内には、
図11に示すように、複数枚の補強リブ52が適宜に交差するように形成されて補強されている。載置領域50の表面には、正面視で左側の側縁のほぼ全長に沿って位置決め板54Lが立てられているとともに、右側の側縁に沿った手前側の位置に、短寸の位置決め板54Rが立てられていて、両位置決め板54L,54Rによって、一体的に組み付けられた凝縮器34と凝縮器ファン34Aの左右両面が挟持されて、位置決めされるようになっている。
【0019】
ベース31における凝縮器34等の載置領域50よりも後方の残りの略方形領域では、全周に亘って周壁61が形成されることにより、上記した排水管45を流下した除霜水を受けて溜める蒸発皿60が形成されている。蒸発皿60に溜められた除霜水は、冷却運転中において凝縮器34を冷却した後の排熱が同蒸発皿60の上方を流れることによって蒸発されつつ廃棄されるようになっている。
【0020】
蒸発皿60は詳細には、方形における奥側の両角が切除されたような平面形状であって、言い換えると、奥側の所定領域が幅狭となって突出したような形状をなしている。
蒸発皿60の内底面は、上記した凝縮器34等の載置領域50の表面よりも一段低くなっているとともに、外底面は、
図11に示すように、載置領域50の裏面の凹部51の開口縁並びに補強リブ52の下縁と面一となっている。また、蒸発皿60の周壁61の上縁は、
図10及び
図13に示すように、載置領域50に突設された位置決め板54L,54Rの上縁と面一に揃えられている。載置領域50との間を仕切る前壁61Aは、載置領域50側の面に設けられたリブ62で補強されている。
【0021】
蒸発皿60内には、風向板となる板状リブ64が底面側から立ち上がり形成されている。板状リブ64は、前後方向に細長い形状であってその上縁が周壁61の上縁位置まで達しており、4枚の板状リブ64が、左右方向に間隔を開けて互いに平行に配されている。より詳細には、正面視左端と左から3番目の板状リブ64は、後端が後壁61Bに連結されているのに対して、前端は前壁61Aの手前まで延びているのに留まり、一方、右端と右から3番目の板状リブ64は、前端が前壁61Aに連結されているのに対して、後端は後壁61Bの手前まで延びているのに留まった形態で形成されており、端的には4枚の板状リブ64が千鳥状に並んで形成されている。
【0022】
蒸発皿60内には、冷凍装置32の圧縮機33が設置されるようになっている。そのため、蒸発皿60の底面には、圧縮機33の底部側に設けられた脚部33Aを載せて取り付けるための4個の取付台65が形成されており、特に上記した各板状リブ64の自由端に連結された形態で形成されている。
取付台65は詳細には、裏面に開口した中空の円錐台状に形成されており、各取付台65と、対向した前壁61Aまたは後壁61Bとの間には、なおスペースが確保されている。取付台65の上面66は板状リブ64の上縁と面一に位置しており、上面66の中心にはねじ止め用の取付孔67が形成されている。
また、取付台65の中空部68の内面における前面側には、
図11及び
図14に示すように、上下方向を向いた補強リブ69が下縁にまで達する形態で形成されている。
【0023】
4台の取付台65のうち、手前側の2台の取付台65Aにおける上面66の周縁には、背の低い円周リブ70が立ち上がり形成されており、また、同円周リブ70における中心を挟んだ前後両側の位置には、逃がし溝71が切り欠き形成されている。
詳しくは後記するが、ベース31単体が保管等に際して上下に重ねられた場合、下側のベース31の蒸発皿60に形成された板状リブ64が、上側のベース31の蒸発皿60の外底面に当接する一方、各取付台65の上面66は、対応する取付台65の中空部68における下端の開口面の位置まで達するのであるが、2台の取付台65Aについては、
図14に示すように、その上面66に形成された円周リブ70が、対応する取付台65の中空部68の開口縁内に嵌合し、併せて中空部68の内面の補強リブ69の下端が、円周リブ70に形成された前側の逃がし溝71内に嵌合する設定となっている。
【0024】
蒸発皿60内には、正面視左側壁に沿った位置で、かつ左端の取付台65Aよりも少し奥側の位置において、冷凍装置32の一部をなすドライヤ35の取付部74が形成されている。このドライヤ取付部74は、板状リブ64の上縁まで立ち上がり形成された角筒部75と、同角筒部75の左右の上縁から突出形成された一対の弾性挟持片76とから構成されている。角筒部75内が、下面に開口した収容空間77となっている。
そして、上記のようにベース31が上下に重ねられた場合には、
図15に示すように、下側のベース31のドライヤ取付部74における一対の弾性挟持片76が、上側のベース31のドライヤ取付部74における角筒部75内の収容空間77に下方から進入して収まることが可能となっている。
【0025】
蒸発皿60内における中央の2枚の板状リブ64の間の位置には、オーバーフローパイプ78が立ち上がり形成されている。このオーバーフローパイプ78の突出端は、蒸発皿60の上面よりも少し下方位置に留まっている。
図13に示すように、オーバーフローパイプ78の裏側は二重管構造となっていて、裏側に開口した排水ホース80の接続口79が形成されている。
【0026】
上記したベース31を機械室20の底部に取り付ける構造について、さらに説明する。
ベース31における奥端側の幅狭部、より詳細には蒸発皿60の後壁61Bの奥側の領域では、
図11及び13に示すように、断面L形をなす被係止部82が、後壁61Bよりも一段下がった形態で形成されている。一方、機械室20の奥面の下端部には、
図4に示すように、手前側に張り出した跳ね上がり防止用の係止板46が形成されていて、ベース31が機械室20の奥側に押し込まれた場合に、係止板46が蒸発皿60の後壁61Bに当たりつつ被係止部82の上面に進入し、ベース31の奥側の跳ね上がりを規制するようになっている。
【0027】
上記のようにベース31の奥端側に形成された被係止部82が、後側の把手部を兼用している。
一方、ベース31の前端側すなわち載置領域50の前端側の裏面には、幅方向の中央部から少し右側に寄った位置において、前面に開口した凹部が形成されており、同凹部が前側の把手部84となっている。
【0028】
機械室20の底板22における前端寄りの位置には、
図3に示すように、ベース31の前側の端縁を固定するためのねじ孔48を備えた取付板47が立ち上がり形成されている。取付板47は詳細には、機械室20の底板22上における幅方向の中央から少し左側に寄った位置、言い換えると、ベース31における前側の把手部84の形成位置の左端と対応した位置に形成されている。
一方、ベース31の裏面には、上記の取付板47を嵌めて逃がす逃がし溝85が前後方向に沿って形成されている。同逃がし溝85は、
図10及び
図11に示すように、正面視で左から2番目の板状リブ64Aに沿うようにして、取付台65の位置から載置領域50を通ってベース31の前端面の少し手前の位置まで達するように形成されている。同逃がし溝85の前面が、取付板47を突き当てる停止面85Aとなっており、同停止面85Aには、ベース31の前端面に開口するようにして、ねじ49の挿通孔86が形成されている。同挿通孔86は言い換えると、ベース31の前端面における前側の把手部84の左側に形成されている。
【0029】
なお、上記した逃がし溝85は、蒸発皿60側では、溝底が表面側に隆起した形態で形成されており、したがって左から2番目の板状リブ64Aは、それ自身は背の低いもので隆起部87上に立ち上がり形成された形態となっている。同板状リブ64Aは背が低いことと、下部に隆起部87が設けられていることで補強されている。
一方、他の3枚の板状リブ64は、側面の底部に張り出し形成された補強リブ88で補強されている。
【0030】
続いて、本実施形態の作用及び効果を説明する。
冷却ユニット30は、例えば以下のようにして組み立てられる。冷凍装置32における凝縮器34と凝縮器ファン34Aとは、ベース31の載置領域50に位置決め板54L,54Rで位置決めされつつ載置されて固定される。圧縮機33は、その脚部33Aが蒸発皿60に設けられた対応する取付台65に載せられ、ねじ90によって固定される。なお、後側の2個の脚部33Aは敷き板91を介して取付台65に固定される。さらにドライヤ35が、ドライヤ取付部74における一対の弾性挟持片76で挟持されて取り付けられる。
冷凍装置32側の設置が完了したら、凝縮器34上に蓋体39が立てられたのち、その裏面側に冷却器37と冷却ファン40とが取り付けられ、冷却器37と冷凍装置32側とが冷媒配管38で接続される。
【0031】
上記のように組み立てられた冷却ユニット30が機械室20内に挿入される。詳細には、冷却ユニット30の後端側(奥側)を少し持ち上げつつ前方から機械室20内に挿入し、ベース31の裏面に形成された逃がし溝85の後端側に取付板47を嵌めつつ、ベース31の後端部を機械室20の底板22の手前側に載せる。そののち、冷却ユニット30(ベース31)の前端側を支えながら、ベース31を底板22上に摺動させつつ機械室20内に押し込む。これにより下段側の冷凍装置32が収納スペース21に収納される一方、冷却器37と冷却ファン40とが冷却器室13内に収納される。機械室20の奥面の係止板46がベース31における蒸発皿60の後壁61Bに当たり、またベース31の逃がし溝85の停止面85Aが取付板47に当たったところで押し込みが停止され、併せて冷却器室13の出入口13Aが蓋体39で閉鎖される。
そうしたら、蓋体39がねじ止めにより固定されるとともに、
図5に示すように、ベース31の前端面の挿通孔86にねじ49を通して取付板47のねじ孔48にねじ込むことで、ベース31が機械室20の底面上に固定され、これにより冷却ユニット30の機械室20への組み込みが完了する。
【0032】
冷却ユニット30が正規に組み込まれた状態では、冷却器室13内に収納された冷却ファン40が、ダクト15の上部位置に設けられた吹出口16の裏側に対応する。
また、
図9に示すように、ベース31に設けられた蒸発皿60の右奥側の位置が、ドレンパン43から垂設された除霜水の排水管45の出口の直下に位置する。さらに、蒸発皿60に設けられたオーバーフローパイプ78の接続口79が、
図5に示すように、機械室20の底板22に開口された排水ホース80の挿入口93と整合して配される。
【0033】
冷却運転は、冷凍装置32の圧縮機33(凝縮器ファン34Aを含む)、及び冷却ファン40が駆動されることで行われ、
図2の矢線に示すように、冷蔵室11内の空気がダクト15の吸込口17から冷却器室13内に吸引されて、冷却器37を流通して冷気に変換されたのち、吹出口16から冷蔵室11の天井面側に吹き出されるように循環供給され、冷蔵室11内が冷却される。この間、冷蔵室11の温度が庫内サーミスタ(図示せず)によって検知され、検知温度が予め定められた設定温度よりも低下すると、圧縮機33(凝縮器ファン34Aも含む)が停止し、かつ冷却ファン40が停止若しくは間欠駆動され、冷蔵室11の検知温度が設定温度を上回ると、再び圧縮機33(凝縮器ファン34Aも含む)と、冷却ファン40とが駆動され、これが繰り返されることで、冷蔵室11がほぼ設定温度に維持される。
【0034】
冷却運転の途中において、24時間タイマ等の設定により自動的に、あるいは除霜スイッチを手動操作することにより除霜運転が行われる。除霜の開始に際しては、圧縮機33(凝縮器ファン34Aも含む)と冷却ファン40とが停止される一方、除霜ヒータ42に通電される。冷却器37が加熱されることで着霜が溶融され、除霜水はドレンパン43で受けられたのち排水管45を通って、冷却ユニット30のベース31に形成された蒸発皿60に排水されて溜められる。取付台65を含む板状リブ64が千鳥状に配されていることで、除霜水は蒸発皿60内の全面に亘って溜められる。
【0035】
除霜運転が終了すると冷却運転が再開されるが、冷却運転時には、凝縮器ファン34Aが駆動されることにより、機械室20の前面パネル23の吸気口24から外気が冷却風として吸引されて、凝縮器34を通過する間に同凝縮器34を冷却する。そしてこの凝縮器34を冷却した後の排熱が、蒸発皿60と圧縮機33の底面との間に流れることによって、蒸発皿60に溜められた除霜水が蒸発され、その蒸気が排熱に混じって排気口25から機外へ廃棄されることになる。
【0036】
蒸発皿60内には、排熱の流通方向に沿って複数枚の板状リブ64が形成されているから、同板状リブ64が風向板として機能し、圧縮機33の下面側であるにも拘わらず、排熱は乱流等を生じることなく奥側に向けてスムーズに流れ、除霜水を効率良く蒸発させて廃棄することが可能となる。
また、圧縮機33を蒸発皿60内に搭載する関係上、蒸発皿60内に圧縮機33の脚部33Aを固定する取付台65を設けることになるが、取付台65は板状リブ64の自由端において同板状リブ64に繋がった形態で形成されているから、取付台65が排熱のスムーズな流れを阻害することが最小限に抑えられる。
【0037】
一方、冷却ユニット30の組み付け現場等では、冷却ユニット30を組み付ける前のベース31については、複数枚を重ねて保管することが多い。このようにベース31を単体で扱う場合、同ベース31の構成部位のうち、特に蒸発皿60内に形成された風向板となる板状リブ64は、比較的薄くて細長い形状であるから強度的に弱いことが懸念される。しかしながら、板状リブ64はその一端側が蒸発皿60の前壁61Aまたは後壁61Bに、他端側が蒸発皿60と一体形成された取付台65にそれぞれ繋がって形成されていることで、板状リブ64自体の補強がさらに図られ、ベース31同士を重ねる場合等に、板状リブ64に他のベース31が当たる等に起因して破損を招くことが未然に防止される。
【0038】
ベース31において、そのフラットな上面から突出するのは、蒸発皿60内に設けられた前側の2個の取付台65Aの上面66に形成された円周リブ70と、ドライヤ取付部74における一対の弾性挟持片76であるが、円周リブ70が設けられた取付台65Aは、裏側に中空部68を有しており、またドライヤ取付部74にも、角筒部75内において裏面に開口した収容空間77を有した構造となっている。
そのため、2枚のベース31を上下に重ねた場合に、
図14に示すように、下側のベース31の2台の取付台65Aの上面66の円周リブ70が、上側のベース31の対応する取付台65Aの中空部68の開口縁内に嵌合し、併せて円周リブ70に形成された前側の逃がし溝71内に、中空部68の内面の補強リブ69の下端が嵌合するとともに、
図15に示すように、下側のドライヤ取付部74の一対の弾性挟持片76が、上側のドライヤ取付部74の収容空間77内に嵌りつつ、下側のベース31の上面が、上側のベース31の下面にぴったりと合わさって重ねられる。
【0039】
また、上記した各嵌合によって、上下のベース31間において板面に沿った前後左右方向の位置ずれが規制される。また、下側の取付台65Aの円周リブ70に形成された前側の逃がし溝71内に、上側の取付台65Aの中空部68の補強リブ69が嵌合していることと、下側のドライヤ取付部74の一対の弾性挟持片76が、上側のドライヤ取付部74の断面方形の収容空間77に嵌合されていることは、上下のベース31の回動方向の位置ずれを規制するに有効であり、それに加え、2個の取付台65Aとドライヤ取付部74といった3箇所での嵌合が存在することによって、上下のベース31間の回動方向の位置ずれがより確実に防止される。
その結果、ベース31を単体で複数枚積み重ねる場合に、上下のベース31の対向面がぴったりと合わせられ、また上下のベース31間で板面方向に沿った位置ずれの無い形態で重ねられ、全体として低い背でかつ外形も整ったコンパクトな形態にまとめることができる。
【0040】
なお、取付台65Aの上面66の円周リブ70に逃がし溝71が設けられた構造としたことにより、例えば使用時において、同取付台65Aに水が掛かって円周リブ70内に溜まろうとした場合に、逃がし溝71からこれを蒸発皿60内に逃がすことができ、ねじ90の錆止め等に有効となる。
また、載置領域50に立てられた左右の位置決め板54L,54Rは、ベース31が重ねられた場合に、上側のベース31の載置領域50の下面に当たってこれを受け、すなわちベース31の積み重ね時において、背の低い載置領域50側の上下方向のがたつきを防止する機能も備えている。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)圧縮機の脚部の取付台は、板状リブの長さ方向の途中位置に設けられていても良い。
(2)板状リブは上記実施形態に例示した千鳥状の配置に限らず、その他に、例えば両端とも前後の壁から離間した形態で互いに平行をなすように配置されていてもよい。
(3)上面に円周リブを備える取付台の数は任意であり、またすべての取付台が円周リブを備えていないようにしてもよい。
(4)取付台の外形形状は、上記実施形態に例示した円錐台形に限らず、角錐台形等の他の形状であってもよい。
【0042】
(5)ドライヤの取付部は、蒸発皿内に限らず、凝縮器の載置領域側に設けるようにしてもよい。
(6)また、ドライヤの取付部については別途備えて、後付けするようになっていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(7)上記実施形態では蒸発皿には除霜水のみを溜める場合を例示したが、除霜水に庫内排水を加えて溜めるようにしたものであってもよい。
【0043】
(8)冷却ユニットとしては、ベース上に冷凍装置側のみを搭載して、引き出し可能としたものであってもよい。
(9)さらに、冷却ユニットが機械室内に固定的に設けられるものであってもよい。
(10)本発明は、上記実施形態に例示したテーブル型冷蔵庫に限らず、縦型冷蔵庫やプレハブ式冷蔵庫等、要は、合成樹脂製のベース上に少なくとも冷凍装置を載置した冷却ユニットを備えて、同冷却ユニットを機械室に収容してなる冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。