(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
制御プロトコルに基づく制御信号の通信を行った後に、データ転送プロトコルに基づいて、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式によりデータを符号化したデータ信号の通信を行う複数の通信装置にネットワークを介して接続された通信制御装置であって、
前記複数の通信装置毎に、当該通信装置を識別する通信装置識別情報と、前記複数の符号化方式のうち当該通信装置が用いる符号化方式を示す情報とが対応付けられて記憶される装置能力記憶部と、
前記複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式により符号化された前記データ信号を、他の符号化方式により符号化された前記データ信号に変換する変換装置の接続先を示す情報が記憶されている変換装置記憶部と、
前記通信装置から、当該通信装置が用いる前記符号化方式を示す情報が含まれる前記制御信号を受信し、当該通信装置を識別する通信装置識別情報に、受信した制御信号に含まれる符号化方式を示す情報を対応付けて前記装置能力記憶部に記憶させる装置能力登録部と、
通信要求元の前記通信装置から、通信要求先の前記通信装置を識別する通信装置識別情報が含まれる制御信号を受信する受信部と、
前記受信部が前記制御信号を受信すると、前記通信要求元の通信装置に対応付けられた前記符号化方式と、前記通信要求先の通信装置に対応付けられた前記符号化方式とを前記装置能力記憶部から読み出して比較し、比較した前記符号化方式が異なる場合、前記変換装置記憶部から、当該異なる符号化方式の変換を行う前記変換装置の接続先を読み出して当該接続先が含まれる制御信号を前記通信要求元と前記通信要求先との通信装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記通信要求元の通信装置は、第1の符号化方式によりデータ信号を符号化し、前記通信要求先の通信装置は、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式によりデータ信号を符号化し、前記通信要求元の通信装置と前記通信要求先の通信装置とは、前記第1の符号化方式と前記第2の符号化方式とのいずれとも異なる第3の符号化方式によりデータ信号を符号化するネットワークを介して接続され、
前記変換装置記憶部には、前記第1の符号化方式によるデータ信号を前記第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第1の変換装置と、前記第2の符号化方式によるデータ信号を前記第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第2の変換装置との接続先を示す情報が記憶され、
前記通信制御部は、前記通信要求元の通信装置に対しては前記第1の変換装置の接続先を送信し、前記通信要求先の通信装置に対しては前記第2の変換装置の接続先を送信する
ことを特徴とする通信制御装置。
前記通信制御部は、前記通信要求先の通信装置に接続されたシグナリングゲートウェイに、前記第3の符号化方式を示す内部コーデックと、前記第2の符号化方式を示す外部コーデックと、前記第2の変換装置の接続先とを送信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の通信制御装置。
前記通信制御部が前記シグナリングゲートウェイに送信した前記第2の変換装置の接続先は、当該シグナリングゲートウェイによって前記通信要求先の通信装置に接続された呼制御サーバに送信される
ことを特徴とする請求項3に記載の通信制御装置。
前記通信制御部が、前記シグナリングゲートウェイと前記呼制御サーバとを介して前記通信要求先の通信装置に前記第2の変換装置の接続先を送信すると、当該通信要求先の通信装置は、前記呼制御サーバを介して前記シグナリングゲートウェイに応答信号を送信し、応答信号を受信した当該シグナリングゲートウェイは、前記第2の変換装置に、前記第2の符号化方式により前記通信要求先の通信装置との間でデータ信号の通信を行い前記第3の符号化方式により前記第1の変換装置との間でデータ信号の通信を行うことを指示し、
前記通信制御部が、前記シグナリングゲートウェイを介して前記通信要求先の通信装置からの応答信号を受信すると、前記通信要求元の通信装置に接続されたシグナリングゲートウェイに、前記第3の符号化方式を示す内部コーデックと、前記第1の符号化方式を示す外部コーデックと、前記第1の変換装置の接続先とを送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
制御プロトコルに基づく制御信号の通信を行った後に、データ転送プロトコルに基づいて、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式によりデータを符号化したデータ信号の通信を行う複数の通信装置にネットワークを介して接続され、前記複数の通信装置毎に、当該通信装置を識別する通信装置識別情報と、前記複数の符号化方式のうち当該通信装置が用いる符号化方式を示す情報とが対応付けられて記憶される装置能力記憶部と、前記複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式により符号化された前記データ信号を、他の符号化方式により符号化された前記データ信号に変換する変換装置の接続先を示す情報が記憶されている変換装置記憶部と、を備えた通信制御装置の通信制御方法であって、
前記通信装置から、当該通信装置が用いる前記符号化方式を示す情報が含まれる前記制御信号を受信し、当該通信装置を識別する通信装置識別情報に、受信した制御信号に含まれる符号化方式を示す情報を対応付けて前記装置能力記憶部に記憶させる第1のステップと、
通信要求元の前記通信装置から、通信要求先の前記通信装置を識別する通信装置識別情報が含まれる制御信号を受信する第2のステップと、
前記制御信号を受信すると、前記通信要求元の通信装置に対応付けられた前記符号化方式と、前記通信要求先の通信装置に対応付けられた前記符号化方式とを前記装置能力記憶部から読み出して比較し、比較した前記符号化方式が異なる場合、前記変換装置記憶部から、当該異なる符号化方式の変換を行う前記変換装置の接続先を読み出して当該接続先が含まれる制御信号を前記通信要求元と前記通信要求先との通信装置に送信する第3のステップと、
を備え、
前記通信要求元の通信装置は、第1の符号化方式によりデータ信号を符号化し、前記通信要求先の通信装置は、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式によりデータ信号を符号化し、前記通信要求元の通信装置と前記通信要求先の通信装置とは、前記第1の符号化方式と前記第2の符号化方式とのいずれとも異なる第3の符号化方式によりデータ信号を符号化するネットワークを介して接続され、
前記変換装置記憶部には、前記第1の符号化方式によるデータ信号を前記第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第1の変換装置と、前記第2の符号化方式によるデータ信号を前記第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第2の変換装置との接続先を示す情報が記憶され、
前記第3のステップでは、前記通信要求元の通信装置に対しては前記第1の変換装置の接続先を送信し、前記通信要求先の通信装置に対しては前記第2の変換装置の接続先を送信する
ことを特徴とする通信制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなリアルタイムなデータ通信では、通信装置は上述のように複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式により音声等のデータを符号化している。このため、通信要求元の通信装置と通信要求先の通信装置とで用いる符号化方式が異なると、符号化されたデータが復号できずデータ通信を行うことができなかった。ここで、通信要求元の通信装置と通信要求先の通信装置とで用いる符号化方式が異なる場合でも、データ通信ができることが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、通信要求元の通信装置と通信要求先の通信装置とで用いる符号化方式が異なる場合でも、効率良くリアルタイムなデータ通信を行う通信制御装置、通信制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、制御プロトコルに基づく制御信号の通信を行った後に、データ転送プロトコルに基づいて、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式によりデータを符号化したデータ信号の通信を行う複数の通信装置(例えば、本実施形態における通信端末10−1、通信端末10−2、通信端末10−3、・・・)にネットワークを介して接続された通信制御装置(例えば、本実施形態における通信制御装置30)であって、複数の通信装置毎に、通信装置を識別する通信装置識別情報と、複数の符号化方式のうち通信装置が用いる符号化方式を示す情報とが対応付けられて記憶される装置能力記憶部(例えば、本実施形態における装置能力記憶部31)と、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式により符号化されたデータ信号を、他の符号化方式により符号化されたデータ信号に変換する変換装置(例えば、本実施形態におけるメディアGW50−1、メディアGW50−2)の接続先を示す情報が記憶されている変換装置記憶部(例えば、本実施形態における変換装置記憶部32)と、通信装置から、通信装置が用いる符号化方式を示す情報が含まれる制御信号を受信し、通信装置を識別する通信装置識別情報に、受信した制御信号に含まれる符号化方式を示す情報を対応付けて装置能力記憶部に記憶させる装置能力登録部(例えば、本実施形態における装置能力管理部34)と、通信要求元の通信装置から、通信要求先の通信装置を識別する通信装置識別情報が含まれる制御信号を受信する受信部(例えば、本実施形態における通信部36)と、受信部が制御信号を受信すると、通信要求元の通信装置に対応付けられた符号化方式と、通信要求先の通信装置に対応付けられた符号化方式とを装置能力記憶部から読み出して比較し、比較した符号化方式が異なる場合、変換装置記憶部から、異なる符号化方式の変換を行う変換装置の接続先を読み出して接続先が含まれる制御信号を通信要求元と通信要求先との通信装置に送信する通信制御部(例えば、本実施形態における通信制御部38)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、データ信号を、符号化方式を変換せずに中継する中継装置(例えば、本実施形態におけるルータ60−1、ルータ60−2)の接続先を示す情報が記憶されている中継装置記憶部(例えば、本実施形態における中継装置記憶部33)を備え、通信制御部は、受信部が呼制御信号を受信すると、通信要求元の通信装置に対応付けられた符号化方式と、通信要求先の通信装置に対応付けられた符号化方式とを装置能力記憶部から読み出して比較し、比較した符号化方式が一致する場合、中継装置記憶部から、中継装置の接続先を読み出して接続先が含まれる呼制御信号を通信要求元と通信要求先との通信装置に送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、通信要求元の通信装置は、第1の符号化方式によりデータ信号を符号化し、通信要求先の通信装置は、第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式によりデータ信号を符号化し、通信要求元の通信装置と通信要求先の通信装置とは、第1の符号化方式と第2の符号化方式とのいずれとも異なる第3の符号化方式によりデータ信号を符号化するネットワークを介して接続され、変換装置記憶部には、第1の符号化方式によるデータ信号を第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第1の変換装置と、第2の符号化方式によるデータ信号を第3の符号化方式によるデータ信号に変換する第2の変換装置との接続先を示す情報が記憶され、通信制御部は、通信要求元の通信装置に対しては第1の変換装置の接続先を送信し、通信要求先の通信装置に対しては第2の変換装置の接続先を送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、通信制御部は、通信要求先の通信装置に接続されたシグナリングゲートウェイに、第3の符号化方式を示す内部コーデックと、第2の符号化方式を示す外部コーデックと、第2の変換装置の接続先とを送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、通信制御部がシグナリングゲートウェイに送信した第2の変換装置の接続先は、シグナリングゲートウェイによって通信要求先の通信装置に接続された呼制御サーバに送信されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、通信制御部が、シグナリングゲートウェイと呼制御サーバとを介して通信要求先の通信装置に第2の変換装置の接続先を送信すると、通信要求先の通信装置は、呼制御サーバを介してシグナリングゲートウェイに応答信号を送信し、応答信号を受信したシグナリングゲートウェイは、第2の変換装置に、第2の符号化方式により通信要求先の通信装置との間でデータ信号の通信を行い第3の符号化方式により第1の変換装置との間でデータ信号の通信を行うことを指示し、通信制御部が、シグナリングゲートウェイを介して通信要求先の通信装置からの応答信号を受信すると、通信要求元の通信装置に接続されたシグナリングゲートウェイに、第3の符号化方式を示す内部コーデックと、第1の符号化方式を示す外部コーデックと、第1の変換装置の接続先とを送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、制御プロトコルに基づく制御信号の通信を行った後に、データ転送プロトコルに基づいて、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式によりデータを符号化したデータ信号の通信を行う複数の通信装置にネットワークを介して接続され、複数の通信装置毎に、通信装置を識別する通信装置識別情報と、複数の符号化方式のうち通信装置が用いる符号化方式を示す情報とが対応付けられて記憶される装置能力記憶部と、複数の符号化方式のうちいずれかの符号化方式により符号化されたデータ信号を、他の符号化方式により符号化されたデータ信号に変換する変換装置の接続先を示す情報が記憶されている変換装置記憶部と、を備えた通信制御装置の通信制御方法であって、通信装置から、通信装置が用いる符号化方式を示す情報が含まれる制御信号を受信し、通信装置を識別する通信装置識別情報に、受信した制御信号に含まれる符号化方式を示す情報を対応付けて装置能力記憶部に記憶させるステップと、通信要求元の通信装置から、通信要求先の通信装置を識別する通信装置識別情報が含まれる制御信号を受信するステップと、制御信号を受信すると、通信要求元の通信装置に対応付けられた符号化方式と、通信要求先の通信装置に対応付けられた符号化方式とを装置能力記憶部から読み出して比較し、比較した符号化方式が異なる場合、変換装置記憶部から、異なる符号化方式の変換を行う変換装置の接続先を読み出して接続先が含まれる制御信号を通信要求元と通信要求先との通信装置に送信するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、通信制御装置が、複数の通信装置から、通信装置が用いる符号化方式を受信し、通信装置識別情報と、複数の符号化方式のうち通信装置が用いる符号化方式を示す情報とを対応付けて記憶し、通信要求元の通信装置から、通信要求先の通信装置を識別する通信装置識別情報が含まれる呼制御信号を受信し、通信要求元の通信装置に対応付けられた符号化方式と、通信要求先の通信装置に対応付けられた符号化方式とを読み出して比較し、比較した符号化方式が異なる場合、異なる符号化方式の変換を行う変換装置の接続先を読み出して接続先が含まれる呼制御信号を通信要求元と通信要求先との通信装置に送信するようにしたので、通信要求元の通信装置と通信要求先の通信装置とで用いる符号化方式が異なる場合でも、効率良くリアルタイムなデータ通信を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による通信システム1の構成を示すブロック図である。通信システム1は、ネットワークaを構成する通信端末10−1と、呼制御サーバ20−1と、ネットワークcを構成する通信制御装置30と、シグナリングGW40−1、シグナリングGW40−2と、メディアGW50−1と、メディアGW50−2と、ルータ60−1と、ルータ60−2と、ネットワークbを構成する通信端末10−2と、通信端末10−3と、呼制御サーバ20−2とを備えている。ここで、同名の機能部については同様の構成であるので、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等の表記を省略して通信端末10、呼制御サーバ20、シグナリングGW40、メディアGW50、ルータ60等として説明する。
【0016】
ここで、ネットワークaにおける通信端末10−1は第1の符号化方式であるコーデック「a」により通信し、ネットワークbにおける通信端末10−3は第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であるコーデック「b」により通信し、ネットワークcにおけるメディアGW50−1とメディアGW50−2との間では第1の符号化方式と第2の符号化方式とのいずれとも異なる第3の符号化方式であるコーデック「c」により通信する。ここで、ネットワークcにおけるコーデックを内部コーデックといい、これに対してネットワークaやネットワークbにおけるコーデックを外部コーデックという。また、通信を行う複数の通信端末10が同一のコーデックによる通信を行う場合に、その共通するコーデックをダイレクトコーデックという。
【0017】
通信端末10は、予め定められた呼制御プロトコル(シグナリングプロトコル)に基づく呼制御信号の通信を行って接続を確立した後に、確立した接続に基づいて、予め定められたデータ転送プロトコルに基づいて、定められた複数のコーデックのうちいずれかのコーデックにより符号化したデータ信号の通信を行うコンピュータ装置である。呼制御プロトコルとしては、例えばSIPが適用でき、データ転送プロトコルとしては、例えばRTPが適用でき、コーデックとしては、例えばG.711やAMR(Adaptive Multi-Rate)などのコーデックが適用できる。
【0018】
呼制御サーバ20(呼制御サーバ20−1)は、定められた呼制御プロトコルに基づいて、電話番号とIPアドレスを対応付けたり、通信端末10−1から送信される呼制御信号を、通信先の呼制御サーバ20(呼制御サーバ20−2)に送信したりする処理を行う。本実施形態では、呼制御サーバ20はSIPに基づく通信を制御するSIPサーバである。
【0019】
通信制御装置30は、複数の通信端末10と複数のネットワークを介して接続されており、通信を行おうとする通信端末10が通信を開始するのに先立って、通信端末10間における装置能力のネゴシエーションを行うコンピュータ装置である。また、通信制御装置30は、呼制御信号を制御する呼制御サーバ20としての機能を有する。
図2は、通信制御装置30のブロック構成の例を示す図である。通信制御装置30は、装置能力記憶部31と、変換装置記憶部32と、中継装置記憶部33と、装置能力管理部34と、変換装置管理部35と、通信部36と、呼制御部37と、通信制御部38とを備えている。
【0020】
装置能力記憶部31には、複数の通信端末10毎に、通信端末10を識別する通信端末IDと、複数のコーデックのうちその通信端末10が用いるコーデックを示す情報とが対応付けられた装置能力情報が記憶される。
図3は、装置能力記憶部31に記憶される装置能力情報のデータ例を示す図である。装置能力情報には、通信端末IDに対応付けられた電話番号と、メディアタイプと、メディアタイプに応じたコーデック(音声コーデックと、ビデオコーデック、〜)とが含まれる。通信端末を識別する通信端末IDには、SIP−IDを適用しても良い。電話番号は、SIP通信における通信元または通信先を識別する情報である。電話番号は、URI(Uniform Resource Identifier)でも良い。メディアタイプは、対応付けられた通信端末が行う通信の種類を示す情報である。メディアタイプとしては、例えば音声通信であるAUDIOや動画像通信であるVIDEO等が考えられる。ここでは、メディアタイプに応じたコーデックとして、音声通信における音声コーデックと、動画像通信におけるビデオコーデックとを示している。ここでは、このように音声コーデックとビデオコーデックとを例として説明するが、この他のメディアタイプが存在する場合には、そのメディアタイプに応じたコーデックを示す情報が対応付けて記憶することができる。音声コーデックは、対応付けられた通信端末が行う音声コーデックの種類を示す情報である。ビデオコーデックは、対応付けられた通信端末が行うビデオコーデックの種類を示す情報である。ここで、例えば同種であるが帯域が異なるビデオコーデックが存在するような場合には、帯域毎に異なる種類のビデオコーデックが対応付けられるようにすることができる。メディアタイプには、対応付けられた通信端末10が複数の種類を用いる場合は、複数のメディアタイプの種類が対応付けられる。また、複数のメディアタイプに応じた複数のコーデックの種類が対応付けられる。例えば、通信端末IDが「UA(User Agent)4」である通信端末10は、音声コーデックとして「a」と「b」との双方を用いることが示される。
【0021】
変換装置記憶部32には、複数のコーデックのうち定められたコーデックにより符号化されたデータ信号を、他のコーデックにより符号化されたデータ信号にコーデック変換するメディアGW50の接続先を示す変換装置情報が記憶されている。
図4は、変換装置記憶部32に記憶されている変換装置情報のデータ例を示す図である。変換装置情報には、メディアGW50を識別する変換装置識別情報(M−GW−ID)に対応付けられた、コーデック変換パターンと、論理アドレスとが対応付けられる。コーデック変換パターンは、対応付けられたメディアGW50がコーデック変換を行うコーデックを示す。例えば、コーデック変換パターンが音声コーデックの変換パターンを示す「a−c」である場合、コーデックaのデータ信号をコーデックcのデータ信号に変換する処理と、コーデックcのデータ信号をコーデックaのデータ信号に変換する処理とを行うことを示す。論理アドレスは、対応付けられたメディアGW50の接続先を示す情報であり、例えばIPアドレスである。本実施形態では、このように、コーデック「a」によるデータ信号をコーデック「c」によるデータ信号にメディアGW50−1と、コーデック「b」によるデータ信号をコーデック「c」によるデータ信号に変換するメディアGW50−2との接続先を示す情報が記憶される。
【0022】
図2に戻り、中継装置記憶部33には、通信端末10から送信されるデータ信号を、コーデック変換せずに中継するルータ60の接続先を示す中継装置情報が記憶されている。中継装置情報には、ルータ60−1や、ルータ60−2等の中継装置を識別するルータIDに対応付けられた、接続先であるルータ60の論理アドレス(IPアドレス)が含まれる。
装置能力管理部34は、通信端末10から、その通信端末10が用いるコーデックを示す情報が含まれる呼制御信号を受信し、その通信端末10を識別する通信端末IDに、受信した呼制御信号に含まれる、コーデックを示す情報を対応付けた装置能力情報を装置能力記憶部31に記憶させる。
【0023】
変換装置管理部35は、変換装置記憶部32に記憶されている変換装置情報を読み出し、または書き込む。例えば、変換装置管理部35は、通信制御装置30が備えるキーボードやマウス等の入力デバイスがユーザに操作され、変換装置情報が入力されると、入力された変換装置情報を変換装置記憶部32に記憶させる。
【0024】
通信部36は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置との通信を行う。例えば、通信部36は、通信要求元の通信端末10−1から、通信要求先の通信端末10−3を識別する通信端末IDが含まれる呼制御信号を受信する。
呼制御部37は、通信部36を介して通信される呼制御信号に基づく呼制御を行い、複数の通信端末10間でのセッション(接続)を確立する処理を行う。
【0025】
通信制御部38は、通信部36が通信端末10から受信する呼制御信号と、変換装置記憶部32に記憶された変換装置情報とに基づいて、通信を行う通信端末10間でのネゴシエーションを行う。例えば、通信制御部38は、通信部36が呼制御信号を受信すると、通信要求元の通信端末10に対応付けられた音声コーデックと、通信要求先の通信端末10に対応付けられたコーデックとを装置能力記憶部31から読み出して比較し、比較したコーデックが異なる場合、変換装置記憶部32から、その異なるコーデックの変換を行うメディアGW50の接続先を読み出して、読み出した接続先が含まれる呼制御信号を通信要求元の通信端末10と通信要求先の通信端末10とに送信する。例えば、通信端末10−1のコーデックは「a」であり、通信端末10−3のコーデックは「b」であるから、コーデックは異なる。また、ネットワークcのコーデックは「c」である。そこで、通信制御部38は、コーデック「a」とコーデック「c」とをコーデック変換するメディアGW50−1のM−GW−IDを変換装置記憶部32から読み出し、通信端末10−1に送信する。また、通信制御部38は、コーデック「c」とコーデック「b」とをコーデック変換するメディアGW50−2のM−GW−IDを変換装置記憶部32から読み出し、通信端末10−3に送信する。
【0026】
一方、通信制御部38は、通信要求元の通信端末10のコーデックと、通信要求先の通信端末10のコーデックとが一致する場合、中継装置記憶部33から、ルータ60の接続先を読み出してその接続先が含まれる呼制御信号を通信要求元の通信端末10と通信要求先の通信端末10とに送信する。例えば、通信端末10−1のコーデックは「a」であり、通信端末10−4のコーデックは「a」または「b」であるから、コーデックは一致する。この場合、通信制御部38は、通信端末10−1と通信端末10−4との通信を中継するルータ60−1およびルータ60−2の接続先を読み出し、通信端末10−1と通信端末10−4とに送信する。ここで、通信制御部38が接続先の情報を送信する際には、IPアドレス等を直接通知せずに、NAT(Network Address Translation)機能を用いるようにしても良い。
【0027】
図1に戻り、シグナリングGW40は、異なるネットワーク間での呼制御信号を接続するゲートウェイ装置である。
図5は、シグナリングGW40のブロック構成の例を示す図である。シグナリングGW40は、装置能力記憶部41と、装置能力管理部42と、第1の通信部43と、第2の通信部44と、インターワーク部45と、通信制御部46とを備えている。
【0028】
装置能力記憶部41には、通信制御装置30の変換装置記憶部32に記憶されている変換装置情報と同様の情報が記憶される。
装置能力管理部42は、通信制御装置30から送信される変換装置情報を受信し、受信した変換装置情報を装置能力記憶部41に記憶させる。
【0029】
第1の通信部43は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
第2の通信部44は、第1の通信部43とは異なるネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
インターワーク部45は、異なるネットワークの呼制御信号をインターワークする。
通信制御部46は、通信制御装置30から送信されるネゴシエーションのための呼制御信号の通信を制御する。
【0030】
図1に戻り、メディアGW50は、シグナリングGW40と連携しながら、通信端末10が送信するデータ信号のコーデック変換を行う変換装置(ゲートウェイ装置)である。
ルータ60は、通信端末10が送信するデータ信号を、コーデック変換せずに転送する中継装置である。
【0031】
次に、
図6から
図10を参照して、本実施形態による通信制御装置30を備えた通信システム1の動作例を説明する。これらの図においては、通信端末10を「UA」と示し、呼制御サーバ20および通信制御装置30を「SV」と示し、シグナリングGW40を「S−GW」と示し、メディアGW50を「M−GW」と示し、ルータ60を「R」と示す。
【0032】
図6は、通信制御装置30に装置能力情報が記憶される動作例を示す図である。ここに示す装置能力情報の登録処理は、例えば、通信端末10がネットワークに接続された際に行われる。通信端末10−1は、通信端末IDが「UA1」であり、電話番号が「010−1111−1111」であり、使用するコーデックが「a」であるとする。通信端末10−3は、通信端末IDが「UA3」であり、電話番号が「030−3333−3333」であり、使用するコーデックが「b」であるとする。また、通信制御装置30とシグナリングGW40とが属するネットワークcの内部コーデックは、「c」であるとする。
【0033】
通信端末10−1は、SIPに基づいて、自身が使用するコーデック(コーデック「a」)を示す装置能力情報が含まれるレジスタの呼制御信号を生成し、呼制御サーバ20−1に送信する(ステップS1)。呼制御サーバ20−1は、受信した呼制御信号をシグナリングGW40−1に送信する(ステップS2)。シグナリングGW40−1の第1の通信部43が、呼制御サーバ20−1から送信された呼制御信号を受信すると、インターワーク部45を介して、第2の通信部44が、呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS3)。通信制御装置30の通信部36が、シグナリングGW40−1から送信された呼制御信号を受信すると、装置能力管理部34は、通信部36が受信した呼制御信号に含まれる装置能力情報を装置能力記憶部31に記憶させる。
【0034】
同様に、通信端末10−3は、SIPに基づいて、自身が使用するコーデック(コーデック「b」)を示す装置能力情報が含まれるレジスタの呼制御信号を生成し、呼制御サーバ20−2に送信する(ステップS4)。呼制御サーバ20−2は、受信した呼制御信号をシグナリングGW40−2に送信する(ステップS5)。シグナリングGW40−2の第2の通信部44が、呼制御サーバ20−2から送信された呼制御信号を受信すると、インターワーク部45を介して、第1の通信部43が、呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS6)。通信制御装置30の通信部36が、シグナリングGW40−2から送信された呼制御信号を受信すると、装置能力管理部34は、通信部36が受信した呼制御信号に含まれる装置能力情報を装置能力記憶部31に記憶させる。このようにして、ネットワークに接続された通信端末10の装置能力情報が通信制御装置30に記憶される。
【0035】
図7は、通信端末10−1が、通信端末10−3を通信要求先とする通信要求の呼制御信号を、通信制御装置30に送信する動作例を示す図である。
通信端末10−1は、通信要求先である通信端末10−3の電話番号(030−3333−3333)が入力されると、SIPに基づいて、自身が使用するコーデック(コーデック「a」)を示す情報をSDP(Session Description Protocol)により記述したINVITEの呼制御信号を生成し、呼制御サーバ20−1に送信する(ステップS11)。呼制御サーバ20−1は、通信端末10−1から送信される呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号をシグナリングGW40−1に送信する(ステップS12)。シグナリングGW40−1は、受信した呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS13)。通信制御装置30の通信部36が、シグナリングGW40−1から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号から通信端末10−1のコーデック「a」を読み出す。そして、通信制御装置30の呼制御部37が、自身の記憶領域に記憶されている対応テーブルから、通信要求先である電話番号によって示される通信端末10−3の通信端末ID「UA3」を読み出す。
【0036】
さらに、装置能力管理部34が、読み出した通信端末10−3の通信端末ID「UA3」に対応する装置能力(音声コーデック)を、装置能力記憶部31から読み出す。ここでは、通信端末ID「UA3」に対応するコーデック「b」が読み出される。通信制御部38は、装置能力管理部34によって読み出されたコーデック「b」と、通信要求元の通信端末10−1のコーデックであるコーデック「a」とを比較する。ここで、通信端末10−3のコーデック「b」と通信端末10−1のコーデック「a」とは一致しないため、変換装置管理部35が、両者のコーデックを変換するメディアGW50のM−GW−IDを変換装置記憶部32から読み出す。ここでは、外部コーデック「a」と内部コーデック「c」とを変換するメディアGW50−1のM−GW−ID(M−GW1−2)と、外部コーデック「b」と内部コーデック「c」とを変換するメディアGW50−2のM−GW−ID(M−GW2−3)とを読み出す。
【0037】
図8は、通信端末10−1から送信される通信要求の呼制御信号に応じて、通信端末10−1と通信端末10−3とが通信を行う動作例を示す図である。
通信制御装置30は、内部コーデック「c」と、外部コーデック「b」と、読み出した通信端末10−3の接続先であるメディアGW50−2を示すM−GW−ID「M−GW2−3」とをSDPに記述した呼制御信号を、シグナリングGW40−2に送信する(ステップS21)。シグナリングGW40−2は、通信制御装置30から送信された呼制御信号を受信すると、呼制御サーバ20−2と通信端末10−3に対して、メディアGW50−2を介してRTPパスを設定するように指示する。すなわち、シグナリングGW40−2は、メディアGW50−2を示すM−GW−ID「M−GW2−3」を記述した呼制御信号を、呼制御サーバ20−2に送信する(ステップS22)。呼制御サーバ20−2は、シグナリングGW40−2から受信した呼制御信号を、通信端末10−3に送信する(ステップS23)。
【0038】
通信端末10−3は、呼制御サーバ20−2から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号に応じて、「200 OK」を記述した呼制御信号を生成して送信する(ステップS24)。呼制御サーバ20−2は、通信端末10−3から送信された呼制御信号を、シグナリングGW40−2に送信する(ステップS25)。シグナリングGW40−2は、呼制御サーバ20−2から送信された呼制御信号を受信すると、メディアGW50−2に対して、内部コーデック「c」に基づいてネットワークcのRTPパスを設定し、一方、外部コーデック「b」に基づいてネットワークbのRTPパスを設定するように指示する。さらに、コーデック「b」とコーデック「c」とのコーデック変換を行うように指示する(ステップS26)。
【0039】
また、シグナリングGW40−2は、呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS27)。通信制御装置30は、内部コーデック「c」と、外部コーデック「a」と、読み出した通信端末10−1の接続先であるメディアGW50−1を示すM−GW−ID「M−GW1−2」とをSDPに記述した呼制御信号を、シグナリングGW40−1に送信する(ステップS28)。シグナリングGW40−1は、通信制御装置30から送信された呼制御信号を受信すると、メディアGW50−1に対して、内部コーデック「c」に基づいてネットワークcのRTPパスを設定し、一方、外部コーデック「a」に基づいてネットワークaのRTPパスを設定するように指示する。さらに、コーデック「a」とコーデック「c」とのコーデック変換を行うように指示する(ステップS29)。
【0040】
シグナリングGW40−1は、呼制御信号を呼制御サーバ20−2に送信する(ステップS30)。呼制御サーバ20−2は、シグナリングGW40−1から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号を通信端末10−1に送信する(ステップS31)。これにより、通信端末10−1と通信端末10−3との接続が確立され、通信端末10−1と通信端末10−3とは、メディアGW50−1とメディアGW50−2とを介して、RTP通信を行う。ここで、メディアGW50−1とメディアGW50−2とはそれぞれ内部コーデックと外部コーデックとのコーデック変換を行うため、通信端末10−1と通信端末10−3とが異なるコーデックを用いる場合にも、通信を行うことができる。
【0041】
図9は、通信端末10−1が、通信端末10−4を通信要求先とする通信要求の呼制御信号を、通信制御装置30に送信する動作例を示す図である。ここでは、通信端末10−4は、コーデック「a」の符号化を行うものであるとする。
ここでは、
図7において説明した処理と同様に、通信端末10−1は、通信要求先である通信端末10−4の電話番号(030−3333−4444)が入力されると、SIPに基づいて、自身のコーデック(コーデック「a」)を示す情報をSDPにより記述したINVITEの呼制御信号を生成し、呼制御サーバ20−1に送信する(ステップS41)。呼制御サーバ20−1は、通信端末10−1から送信される呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号をシグナリングGW40−1に送信する(ステップS42)。シグナリングGW40−1は、受信した呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS43)。通信制御装置30の通信部36が、シグナリングGW40−1から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号から通信端末10−1のコーデック「a」を読み出す。そして、通信制御装置30の呼制御部37が、自身の記憶領域に記憶されている対応テーブルから、通信要求先である電話番号によって示される通信端末10−4の通信端末ID「UA4」を読み出す。
【0042】
さらに、装置能力管理部34が、読み出した通信端末10−4の通信端末ID「UA4」に対応する装置能力(音声コーデック)を、装置能力記憶部31から読み出す。ここでは、通信端末ID「UA4」に対応するコーデック「a、b」が読み出される。通信制御部38は、装置能力管理部34によって読み出されたコーデック「a、b」と、通信要求元の通信端末10−1のコーデックであるコーデック「a」とを比較する。ここで、通信端末10−4のコーデック「a」と通信端末10−1のコーデック「a」とが一致するため、通信制御部38は、両者の送信を中継するルータ60のルータアドレスを中継装置記憶部33から読み出す。ここでは、ルータ60−1のルータアドレスと、ルータ60−2のルータアドレスとを読み出す。
【0043】
図10は、通信端末10−1から送信される通信要求の呼制御信号に応じて、通信端末10−1と通信端末10−4とが通信を行う動作例を示す図である。
通信制御装置30は、対向呼制御サーバ(呼制御サーバ20−1、呼制御サーバ20−2)に対し、一致するコーデック「a」を用いて、メディアGW50を介さずにデータ信号通信を行うように指示する。すなわち、通信制御装置30は、ダイレクトコーデック「a」と、読み出した通信端末10−4の接続先であるルータ60−2を示すルータアドレスとをSDPに記述した呼制御信号を、シグナリングGW40−2に送信する(ステップS51)。シグナリングGW40−2は、通信制御装置30から送信された呼制御信号を受信すると、呼制御サーバ20−2と通信端末10−3に対して、ダイレクトコーデック「a」に基づいてRTPパスを設定するように指示する。すなわち、シグナリングGW40−2は、ルータ60−2を示すルータIDを記述した呼制御信号を、呼制御サーバ20−2に送信する(ステップS52)。呼制御サーバ20−2は、シグナリングGW40−2から受信した呼制御信号を、通信端末10−4に送信する(ステップS53)。
【0044】
通信端末10−4は、呼制御サーバ20−2から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号に応じて、「200 OK」を記述した呼制御信号を生成して送信する(ステップS54)。呼制御サーバ20−2は、通信端末10−4から送信された呼制御信号を、シグナリングGW40−2に送信する(ステップS55)。シグナリングGW40−2は、呼制御サーバ20−2から送信された呼制御信号を受信すると、ルータ60−2に対して、通信端末10−4と通信端末10−1とのRTPパスを設定するように指示する(ステップS56)。
【0045】
また、シグナリングGW40−2は、呼制御信号を通信制御装置30に送信する(ステップS57)。通信制御装置30は、ダイレクトコーデック「a」と、通信端末10−1の接続先であるルータ60−1を示すルータアドレスとをSDPに記述した呼制御信号を、シグナリングGW40−1に送信する(ステップS58)。シグナリングGW40−1は、通信制御装置30から送信された呼制御信号を受信すると、ルータ60−1に対して、ダイレクトコーデック「a」に基づいて通信端末10−1と通信端末10−4とのRTPパスを設定するように指示する(ステップS59)。
【0046】
シグナリングGW40−1は、呼制御信号を呼制御サーバ20−2に送信する(ステップS60)。呼制御サーバ20−2は、シグナリングGW40−1から送信された呼制御信号を受信すると、受信した呼制御信号を通信端末10−1に送信する(ステップS61)。これにより、通信端末10−1と通信端末10−4との接続が確立され、通信端末10−1と通信端末10−4とは、メディアGW50を介さずに、ルータ60−1とルータ60−2とを介して、RTP通信を行う。
【0047】
このようにすれば、通信要求元である発端末と、通信要求先である着端末とのコーデックが同一であり、発端末と着端末との間の通信を中継する中継網におけるコーデックが異なる場合でも、効率良く通信を行うことができる。例えば、
図11の(a)は、このような場合の従来技術における通信例を示す図である。ここでは、発端末と着端末とは子制御サーバを介してSIPに基づく制御信号を通信する。また、発端末と着端末とはデータ信号のコーデックとしてコーデックa(例えば、AMR)を採用し、中継網においてはコーデックとしてコーデックb(例えば、G.711)が採用されているものとする。このように、発端末と着端末とのコーデックが同一であっても、中継網におけるメディアGWによりコーデック変換が行われることが考えられる。ここでは、発端末から送信される、コーデックaにより符号化されたデータ信号は、中継網における発網側のメディアGWによりコーデックbに変換された後、着網側のメディアGWによりコーデックaに変換され、着端末に送信される。このような変換処理が行われることにより、遅延が発生したり、音声品質が低下したりすることが考えられる。
【0048】
これに対し、
図11の(b)は、本実施形態の通信制御装置30を適用する場合の通信例を示す図である。ここでは、発端末と着端末とが事前にネゴシエーションすることにより、コーデック変換を行うメディアGW50を介さずに、コーデック変換を行わずに中継を行うルータ60を介してRTP通信を行う。これにより、中継網におけるコーデック変換が不要となり、効率良く通信を行うことができる。
【0049】
上述の例では、3つのネットワークが存在する場合の例を説明したが、接続されるネットワークは、2つであっても良い。
図12は、2つのネットワークにおける通信端末10−1と通信端末10−3とが通信を行う動作例を示す図である。ここでは、通信端末10−1のコーデックと通信端末10−3のコーデックとが異なる場合の例を示している。ただし、通信制御装置30がシグナリングGW40とメディアGW50との機能を兼ねることしている。通信端末10−1が通信端末10−3を接続先とする呼設定(INVITE)を送信すると(ステップS71、72)、通信制御装置30は、呼制御サーバ20−1から送信された呼制御信号を受信する。通信制御装置30は、通信端末10−1のコーデックと通信端末10−3のコーデックとを比較する。コーデックが一致しない場合、通信制御装置30は、コーデック「a」とコーデック「b」との変換を行うメディアGW50のアドレス(ここでは、通信制御装置30自身のアドレス)をSDPに記述した呼制御信号を、呼制御サーバ20−2を介して通信端末10−3に送信する(ステップS73、74)。通信端末10−3が通信端末10−1への端末呼び出しの呼制御信号を送信すると(ステップS75、76)、通信制御装置30は、メディアGW50のアドレスを含む端末呼び出しの呼制御信号を、通信端末10−1に送信する(ステップS77、78)。通信端末10−3は、呼制御サーバ20−2等を介して通信端末10−1に応答の呼制御信号を送信し(ステップS79〜82)、通信端末10−1は、通信端末10−3に応答の呼制御信号を送信する(ステップS83〜86)。これにより、通信端末10−1と通信端末10−3との接続が確立され、通信端末10−1と通信端末10−3とは、コーデック変換を行うメディアGW50を介して、RTP通信を行う。
【0050】
図13は、通信端末10−1のコーデックと通信端末10−2のコーデックとが一致する場合の動作例を示す図である。通信端末10−1が通信端末10−2を接続先とする呼設定(INVITE)を送信すると(ステップS91、92)、通信制御装置30は、呼制御サーバ20−1から送信された呼制御信号を受信する。通信制御装置30は、通信端末10−1のコーデックと通信端末10−2のコーデックとを比較する。コーデックが一致する場合、通信制御装置30は、通信端末10−1のアドレスをSDPに記述した呼制御信号を通信端末10−2に送信し、コーデック「a」による通信を行うように指示する(ステップS93、94)。通信端末10−2は、通信端末10−1に端末呼び出しの呼制御信号を送信する(ステップS95〜98)。通信端末10−2は、通信制御装置30等を介して、通信端末10−1に対して、通信端末10−2のアドレスを含む応答の呼制御信号を送信する(ステップS99〜102)。通信端末10−1は、確認の呼制御信号を通信端末10−2に送信する(ステップS103〜106)。これにより、通信端末10−1と通信端末10−2との接続が確立され、通信端末10−1と通信端末10−2とは、メディアGW50を介さずに直接、RTP通信を行う。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、通信要求元の通信端末と通信要求先の通信端末とで用いる符号化方式が異なる場合でも、効率良くリアルタイムなデータ通信を行うことができる。また、通信要求元の通信端末と通信要求先の通信端末とで用いる符号化方式が一致する場合には、不要なコーデック変換等を行わず、効率良くリアルタイムなデータ通信を行うことができる。
【0052】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより通信制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0053】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。