【実施例1】
【0018】
図1,
図2に、実施例1のキースイッチ1の構造を示す。
図1は、絶縁基板3の固定接点部30をカバーテープ6,スナッププレート2,緩衝材4,スペーサシート5を透明化した状態で示す平面図である。
図2は、実施例1のキースイッチ1を
図1のA−Aで切断した状態で示す断面図である。
【0019】
図1,
図2において、キースイッチ1は、上部(
図2の紙面左側)にあるスナッププレート2と下部(
図2の紙面右側)にある絶縁基板3との間に緩衝材4を挟み込むもので、絶縁基板3の上面に、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等のプラスチックシート(フィルム)からなるテープ基材の両面(上下面)に粘着剤が印刷や塗布等で設けられた粘着テープからなるスペーサシート5を挟んで緩衝材4が貼り合わされ、その緩衝材4の上面に、例えばPET等のプラスチックシートからなるテープ基材の片面(下面)に粘着剤が印刷や塗布等で設けられた片面粘着テープからなり、若干の伸縮性(可撓性)を有するカバーテープ6によって上から押えられてスナッププレート2が固定されている。
【0020】
絶縁基板3は、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板からなり、その表面には、固定接点部30が設けられ、その固定接点部30には、銅箔等からなる第1の固定接点31と第2の固定接点32がエッチング等で形成されている。また、絶縁基板3の表面には、配線パターン33,34が第1,第2の固定接点31,32と同時に形成されている。
【0021】
第1,第2の固定接点31,32は、所定のギャップ(間隙)L3を設けて互いに噛合して対向する櫛歯状に形成されている。
【0022】
第1,第2の固定接点31,32は、円弧形状の基部ライン31a,32aと、この基部ライン31a,32aの内縁から円弧形状の弦となる直線に対して直角な方向に並行して突出する複数本の歯部ライン31b,32bと、歯部ライン31b,32bの相互間に形成される複数のギャップ31c,32cとを有し、櫛歯状パターン(回路)に形成されている。歯部ライン31b,32bは、一定なライン幅L1を有し、等ピッチ間隔で並行に配列されている。ギャップ31c,32cは、歯部ライン31b,32bのライン幅L1よりも大きい一定なギャップ幅L2を有し、等ピッチ間隔で並行に配列されている。これら歯部ライン31b,32bとギャップ31c,32cとで、第1,第2の固定接点31,32の櫛歯部が構成されている。また、第1,第2の固定接点31,32は、それぞれの基部ライン31a,32aが同一円周上に配置され、それぞれの歯部ライン31b,32bがその両側と先端側にギャップL3もって相手側のギャップ31c,32c内に挿入配置されて、それぞれの櫛歯部が互いに噛合した状態で対向している。そして、固定接点部30では、第1の固定接点31の歯部ライン31bと第2の固定接点32の歯部ライン32bとが、交互に等ピッチ間隔で並行して配列されている。また、第1,第2の固定接点31,32は、それぞれの基部ライン31a,32aを例えば長円形の両端半円部に沿って配置し、それぞれの櫛歯部が長円形の長手方向で互いに噛合した状態で対向するようにしてもよい。さらに、それぞれの基部ライン31a,32aを平行な二本の直線に沿って配置し、それぞれの櫛歯部が平行な二本の直線と直角な方向で互いに噛合した状態で対向するようにしてもよい。
【0023】
絶縁基板3は、ポリエステルフィルムでもよく、第1,第2の固定接点31,32は、銀等の導電体パターン(回路)を印刷で形成したものでもよい。さらに、ガラス入りエポキシ基板等の硬質基板に、銅箔をエッチングしたものでもよい。図示する絶縁基板3は、片面FPCであり、上部にあるカバー層(カバーレイ)の一部が円形に取り除かれた部分が固定接点部30になっている。また、中央にありカバー層で被覆された銅箔等の導電体パターン(回路)であって、カバー層の一部が円形に取り除かれた部分で露出され、表面にニッケル/金メッキ等が施された部分が第1,第2の固定接点31,32になっている。
【0024】
スペーサシート5には、固定接点部30と略同じ大きさ・形状の円形の抜き孔50が形成されている。そして、固定接点部30と抜き孔50とが平面視で略同心状に配置されて略一致するように、絶縁基板3に対してスペーサシート5を位置決めした状態で、絶縁基板3の上面にスペーサシート5の下面を下部粘着層を介して貼り付けている。
【0025】
緩衝材4は、固定接点部30に対応する位置に抜き孔40を有するスペーサシート41と、そのスペーサシート41を挟んで貼り合わされた上部シート42及び下部シート43とで構成され、3層構造を有する。また、上部シート42と下部シート43との間には、スペーサシート41を介して形成されるギャップ(空気層)40aが設けられている。
【0026】
スペーサシート41の抜き孔40は、固定接点部30と略同じ大きさ・形状の円形に形成されている。そして、スペーサシート41は、例えばPET等のプラスチックシートからなるテープ基材の両面(上下面)に粘着剤が印刷や塗布等で設けられた両面粘着テープからなり、スペーサシート41の上面に上部粘着層を介して上部シート42の下面が貼り付けられ、スペーサシート41の下面に下部粘着層を介して下部シート43の上面が貼り付けられている。そして、固定接点部30と抜き孔40とが平面視で略同心状に配置されて略一致するように、絶縁基板3に対して緩衝材4を位置決めした状態で、絶縁基板3の上面に貼り付けられたスペーサシート5の上面に上部粘着層を介して緩衝材4の下部シート43の下面を貼り付けている。
【0027】
上部シート42は、シリコーンゴムからなるゴムシート42aとし、弾力性に富み、下部シート43は、PETからなるプラスチックシートの下面に、少なくとも第1の固定接点31の1本の櫛歯部(1本の歯部ライン31b)とそれに隣接する第2の固定接点32の1本の櫛歯部(1本の歯部ライン32b)とに跨る大きさを有する例えば銅箔からなる円形の可動接点44がエッチングにて形成された接点シート43aとし、若干の伸縮性(可撓性)を有し、絶縁基板3と接点シート43aとの間にスペーサシート5を介して形成されるギャップ(空気層)50aの上下に可動接点44と固定接点部30とが配置されている。ゴムシート42aの材料には、天然ゴムや合成ゴムを使用してもよい。接点シート43aのプラスチックシート材料には、ポリエステル系以外のプラスチック材料を使用してもよい。可動接点44は、プラスチックシートの下面の銅ペーストやカーボンペースト等の導電体を印刷形成したものでもよい。また、プラスチックシートの下面に貼着する銅板やカーボン板でもよい。図示する可動接点44は、抜き孔40と平面視で略同心状に配置され、第1の固定接点31の中央の6本の櫛歯部(6本の歯部ライン31b)とそれらに隣接する第2の固定接点32の中央の6本の櫛歯部(6本の歯部ライン32b)とに跨る大きさを有する円形に形成されている。
【0028】
スナッププレート2は、ステンレスやリン青銅等のバネ性を有するドーム状の薄板の金属からなり、頂部からの押圧力に対してクリック感触を伴って、変位可能となっている。
【0029】
スナッププレート2は、円盤形のドーム状に形成され、固定接点部30の直径よりもやや大きい直径を有している。また、スナッププレート2の頂部(中心部)には、上面開口で、平坦な底面20aを有する凹部20が設けられている。この凹部20によって、スナッププレート2の頂部は、その周囲より一段下げられて配置され、バネ性が取り除かれ、絶縁基板3及び緩衝材4と並行になる。凹部20の平坦な底面20aは、少なくとも第1の固定接点31の1本の櫛歯部(1本の歯部ライン31b)とそれに隣接する第2の固定接点32の1本の櫛歯部(1本の歯部ライン32b)とに跨る大きさを有する。図示する凹部20は、スナッププレート2と略同心・同軸な下窄まりの円錐台形に形成され、この凹部20の平坦な底面20aは、第1の固定接点31の中央の2本の櫛歯部(2本の歯部ライン31b)とそれらに隣接する第2の固定接点32の中央の2本の櫛歯部(2本の歯部ライン32b)とに跨る大きさを有する円形に形成されている。
【0030】
そして、カバーテープ6の下面に粘着層を介してスナッププレート2の上面が貼り付けられており、固定接点部30とスナッププレート2とが平面視で略同心状に配置されるように、絶縁基板3に対してカバーテープ6を位置決めした状態で、絶縁基板3の上面にスペーサシート5を介して貼り付けられた緩衝材4の上部にあるゴムシート42aの上面にカバーテープ6の下面を粘着層を介して貼り付け、ゴムシート42aの上面にカバーテープ6によってスナッププレート2を上から押えて固定し、これにより、キースイッチ1が組み立てられている。
【0031】
また、予め、カバーテープ6,スナッププレート2,緩衝材4,スペーサシート5からなるスナッププレート付きシート(スイッチユニット)を形成し、固定接点部30と、スナッププレート2及び抜き孔40,50とが平面視で略同心状に配置されるように、絶縁基板3に対してスナッププレート付きシートを位置決めした状態で、絶縁基板3の上面にスナッププレート付きシートの下面(スペーサシート5の下面)を貼り付けて、キースイッチ1を組み立ててもよい。
【0032】
以上のように構成されたキースイッチ1の中央部では、下から上(
図2の紙面右から左)に向かって、絶縁基板3の固定接点部30、スペーサシート5の抜き孔50からなるギャップ50a、緩衝材4の下部の接点シート43a、緩衝材4の中央のスペーサシート41の抜き孔40からなるギャップ40a、緩衝材4の上部のゴムシート42aが、この順に設けられ、そのゴムシート42aの上方にスナッププレート2の上向きに膨らんだドーム形状によって作られるスナッププレート2の内部空間からなるギャップを介してスナッププレート2の上部(この上部の頂部には平坦な底面20aを有する凹部20が設けらている)が設けられている。また、キースイッチ1の周縁部では、下から上(
図2の紙面右から左)に向かって、絶縁基板3、スペーサシート5、緩衝材4の下部の接点シート43a、緩衝材4の中央のスペーサシート41、緩衝材4の上部のゴムシート42aが、この順に密着した状態で設けられ、そのゴムシート42aの上面にスナッププレート2の下端周縁部が当接支持されている。
【0033】
図3に、実施例1のキースイッチ1の動作を示す。
図3(A)は、無操作時の状態を示す断面図、
図3(B)は、スナッププレート2の反転直後の状態を示す断面図、
図3(C)は、スナッププレート2の反転途中の状態を示す断面図、
図3(D)は、スナッププレート2の反転完了時の状態を示す断面図である。なお、
図3(A)にのみ符号を付し、
図3(B),
図3(C),
図3(D)については、
図3(A)と同一のため省略した。
【0034】
キースイッチ1は、その上にキートップ7を配し操作する。
図3(A)に示すように、キースイッチ1の無操作時には、スナッププレート2の全体が上向きに膨らんだドーム形状となっているため、スナッププレート2の上部は、その上向きに膨らんだドーム形状によって作られるスナッププレート2の内部空間からなるギャップをもって緩衝材4の上部のゴムシート42aと対向し、そのゴムシート42aは、緩衝材4の中央のスペーサシート41の抜き孔40からなるギャップ40aをもって緩衝材4の下部の接点シート43aと対向し、その接点シート43aは、スペーサシート5の抜き孔50からなるギャップ50aをもって絶縁基板3の固定接点部30と対向している。それに伴って、接点シート43aの下面に設けられた可動接点44と絶縁基板3の固定接点部30に設けられた第1,第2の固定接点31,32とは、スペーサシート5の抜き孔50からなるギャップ50aの上下に配置され、上下の可動接点44と第1,第2の固定接点31,32間で距離(絶縁)を保持しているため、第1の固定接点31と第2の固定接点32間はOFFになっている。
【0035】
そして、
図3(B)に示すように、操作者がキートップ7を介してスナッププレート2の上方のカバーテープ6を押圧すると、スナッププレート2の上部が反転する。それに伴って、スナッププレート2の頂部の凹部20が下降し、その凹部20の底面20aがゴムシート42aの上面に当接する。すると、まず、
図3(C)に示すように、底面20aによって、ゴムシート42aをその下方にあるギャップ40aを介して押し下げ、続いて、
図3(D)に示すように、ゴムシート42aと接点シート43aをその接点シート43aの下方にあるギャップ50aを介して押し下げ、ついに、底面20aは、ゴムシート42aと接点シート43aを介して固定接点部30(絶縁基板3)に衝突し、スナッププレート2の反転(変位)が完了する。それに伴って、可動接点44が、第1の固定接点31の中央の2本の櫛歯部(2本の歯部ライン31b)とそれらに隣接する第2の固定接点32の中央の2本の櫛歯部(2本の歯部ライン32b)とに接触し、可動接点44は、第1の固定接点31と第2の固定接点32間を導通させて、ONにする。このON状態で、押圧を解除すると、スナッププレート2の上部が元の上向きに膨らんだドーム形状に復帰する。それに伴って、緩衝材4も元の絶縁基板3と並行する状態に復帰するため、
図6(A)に示すように、可動接点44が、第1,第2の固定接点31,32から離れ、可動接点44と第1,第2の固定接点31,32間で距離(絶縁)を保持するようになり、第1の固定接点31と第2の固定接点32間を非導通とさせて、OFFにする。
【0036】
そして、キースイッチ1では、スナッププレート2が押圧されて反転し固定接点部30(絶縁基板3)に衝突することで、クリック感触を得ることができる。
【0037】
また、キースイッチ1では、スナッププレート2が押圧されて反転し固定接点部30(絶縁基板3)に衝突する際、スナッププレート2と固定接点部30との間には、弾力性に富むゴムシート42a(上部シート42)が挟み込まれて介在するため、そのゴムシート42aの弾力性に基づく緩衝作用が得られ、この緩衝作用によって衝突時の衝撃を減らし、衝突により生じる操作音(感触音)を低減することができる。
【0038】
また、
図6(B),
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100A,100B,100Cでは、スナッププレート102が接触して押された緩衝材106a,106b,106cが直接第1の固定接点104に衝突し、衝突時の衝撃が直接第1の固定接点104(絶縁基板103)に伝わるが、キースイッチ1では、スナッププレート2が押圧されて反転し固定接点部30に衝突する際、スナッププレート2と固定接点部30との間には、ゴムシート42aが挟み込まれて介在すると共に、そのゴムシート42aと固定接点部30との間には、接点シート43a(下部シート43)が挟み込まれて介在するため、スナッププレート102が接触して押されたゴムシート42aが直接固定接点部30に衝突することがないため、衝突時の衝撃が直接固定接点部30に伝わることがなく、これにより、ゴムシート42aの弾力性に依存しない緩衝作用が得られ、この緩衝作用によって衝突時の衝撃をさらに減らし、衝突により生じる操作音をさらに低減することができる。
【0039】
また、
図6(B),
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100A,100B,100Cでは、スナッププレート102が反転時の初期スピード(初速)を維持し緩衝材106a,106b,106cを介して第1の固定接点104に衝突するが、キースイッチ1では、スナッププレート2が押圧されて反転すると、スナッププレート2は、その反転途中にゴムシート42aと接点シート43aを押し下げて、固定接点部30との衝突で反転を完了するため、ゴムシート42aと接点シート43aがスナッププレート2の変位(反転)抵抗となり、スナッププレート2が押圧されて反転し固定接点部30に衝突する際のスピードは、スナッププレート102の反転時の初期スピードよりも減速されたスピードとなり、これにより、ゴムシート42aの弾力性に依存しない緩衝作用が得られ、この緩衝作用によって衝突時の衝撃をさらに減らし、衝突により生じる操作音をさらに低減することができる。
【0040】
また、
図6(B),
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100A,100B,100Cでは、スナッププレート102はその頂部も含んで全体にバネ性を有するドーム状の薄板の金属からなり、緩衝材106a,106b,106cも全体に弾力性を有し、スナッププレート102が押圧されて緩衝材106a,106b,106cを介して第1の固定接点104に衝突する際、その衝突面は、下向きの凸状となり、第1の固定接点104と並行せず、面積も小さいが、キースイッチ1では、スナッププレート2の頂部に平坦な底面20aを有する凹部20が設けられるため、スナッププレート2がゴムシート42aと接点シート43aを介して固定接点部30に衝突する際、その衝突面は、固定接点部30と並行し、面積も大きくなるため、緩衝材4とは別にスナッププレート形状による緩衝作用が得られると共に、上述したゴムシート42aの弾力性に基づく緩衝作用及びゴムシート42aの弾力性に依存しない各緩衝作用を助長し、この点でも、衝突時の衝撃をさらに減らし、衝突により生じる操作音をさらに低減することができる。
【0041】
また、
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100B,100Cでは、スナッププレート102の変位は、緩衝材16aa,106bによってスナッププレート102の設置面(第2の固定接点105の上面)よりも高い面で完了し、スナッププレート102が押圧され、これが反転し緩衝材16aa,106bを介して第1の固定接点104に衝突するまでのストロークが緩衝材16aa,106bによって減らされるが、キースイッチ1では、スナッププレート2の変位は、スナッププレート2の設置面(ゴムシート42aの上面)よりも低い面で完了するようになり、スナッププレート2が押圧され反転し、ゴムシート42aと接点シート43aを介して固定接点部30に衝突するまでのストロークが増えるため、スナッププレート102の反転スピードを減速したとしても、絶縁基板3とスナッププレート2との間に緩衝材4を挟み込んでいない場合と同等のクリック感触を確保することが可能となる。
【0042】
こうして、キースイッチ1は、クリック感触を確保しながら、操作音をより一層低減化し、静音性に優れたものとなっている。
【0043】
さらに、
図6(B),
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100A,100B,100Cでは、スナッププレート102はその頂部も含んで全体にバネ性を有するドーム状の薄板の金属からなり、緩衝材106a,106b,106cも全体に弾力性を有し、スナッププレート102が押圧されて緩衝材106a,106b,106cを介して第1の固定接点104に接触する際、その接触面は、下向きの凸状となり、第1の固定接点104と並行せず、面積も小さいため、接触安定性に欠ける面があるが、キースイッチ1では、スナッププレート2の頂部に平坦な底面20aを有する凹部20が設けられるため、スナッププレート2が押圧されて反転し、接点シートの下面に設けられた可動接点44が第1の固定接点31と第2の固定接点32の両方と接触する際のその接触面は、第1,第2の固定接点31,32と並行し、面積も大きくなっているため、安定した接触を得ることができる。
【0044】
こうして、キースイッチ1は、クリック感触及び接触信頼性を確保しながら、操作音をより一層低減化し、静音性に優れたものとなっている。
【0045】
また、
図6(B)に示したキースイッチ100Aの緩衝材106aには、異方性の導電ゴム部材を使用する必要があり、操作者の押圧力が一定しないことに起因する接触不良が問題となるが、キースイッチ1では、緩衝材4の下部シート43に接点シート43を使用することで、スナッププレート2を押圧し反転させるだけで、接点シート43により確実に第1の固定接点31と第2の固定接点32間を導通させ、ONにすることができるため、操作者の押圧力が一定しないことに起因する接触不良の問題がない。
【0046】
また、
図6(B),
図6(C),
図6(D)に示したキースイッチ100A,100B,100Cでは、スナッププレート102はその頂部も含んで全体にバネ性を有するドーム状の薄板の金属からなり、緩衝材106a,106b,106cも全体に弾力性を有しているため、スナッププレート102とキートップの中心がずれてセットされ、スナッププレート102がその中心からずれた位置で押圧されると、すなわち、スナッププレート102が偏心押しされると、スナッププレート102が中心からずれた部分で変位し、スナッププレート102の中心が最下部ではなくなり、クリック感触は鈍化し、また、接触不良を招くが、キースイッチ1では、スナッププレート2とキートップ7の中心がずれてセットされ、スナッププレート2がその中心から多少ずれた位置で押圧され、スナッププレート102が偏心押しされても(
図6のキースイッチ1と仮想線に示すキートップ7の位置関係を参照)、スナッププレート2の頂部には、平坦な底面20aを有する凹部20が設けられ、この凹部20によって、スナッププレート2の頂部は、その周囲より一段下げられて配置され、バネ性が取り除かれ、絶縁基板3及び緩衝材4と並行になっているため、スナッププレート102の中心が常に最下部となり、スナッププレート2の偏心押しに起因するクリック感触の鈍化及び接触不良の問題がない。