【実施例】
【0060】
実験
  以下の実施例は、本発明の特定の好ましい態様および局面を実証し、かつ、さらに例証するために提供され、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0061】
  後に続く実験的開示において、以下の略語が適用される:N(正常な);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);pmol(ピコモル);g(グラム);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム);ng(ナノグラム);lまたはL(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);DS(デキストラン硫酸);およびC(摂氏度)。
【0062】
実施例1
インドールヌクレオシドの合成
  この実施例は、インドールヌクレオシドおよび様々なインドールヌクレオシドの合成を記載する。ベンズイミダゾールヌクレオシド、2,5,6-トリクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)ベンズイミダゾール(参照により本明細書に組み入れられている、Townsend, et al., J. Med. Chem. 1995, 38, 4098-4105;TCRB、4.1、
図1A参照)は、インビトロでのヒトサイトメガロウイルス(HCMV)複製の強力かつ選択的阻害剤であることが報告されている。TCRBのインビボでの不安定性のため(参照により本明細書に組み入れられている、Good et al., Antiviral Res. 1994, 23(S), 103)、このリード化合物の多くの類似体が、ある特定の修飾が、効力および選択性を維持しながらグリコシド結合安定性を増加させることを期待して合成された。異なる複素環式塩基に基づいた類似体の合成が、特に生産的であった。
【0063】
  これらの新しい合成に用いられる代替的複素環は、窒素原子の1つが炭素により置換されているベンズイミダゾールに似ているインドールである。驚くべきことに、2,5,6-トリクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.2、
図1A)、TCRBの直接的類似体、はHCMVに対して不活性、および非細胞毒性の両方であった(参照により本明細書に組み入れられている、Chen, et al., J. Med. Chem. 2000, 43, 2449-2456)。しかしながら、インドール環の3位で置換されたいくつかの誘導体は非常に活性があることが証明された(参照により本明細書に組み入れられている、Chen, J.J. Synthetic Studies of Some Pyrazine, Indole, and Quinoline Nucleosides, Ph. D. Thesis: Department of Chemistry; University of Michigan: Ann Arbor, MI, 1998)。これらの類似体の最も強力かつ選択的なのは、HCMVに対して0.23 μMのIC
50および感染していない宿主細胞に対して45 μMのCC
50を有する2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、
図1A)であった。化合物4.3の選択性指標は、195(CC
50をIC
50で割ることにより計算される)であり、TCRBについて報告された82の選択性指標(Tonwsend et al., 前記を参照)より大きい。
【0064】
  抗ウイルス活性の機構への予備調査は、3-ホルミルインドールヌクレオシド4.3(
図1A)がTCRBのそれと類似した様式で挙動することを示唆した。化合物4.2、TCRB(4.1)の直接的類似体は不活性であったが、3-ホルミルインドールヌクレオシド4.3はTCRBよりいっそう活性があったため、3-置換型インドールヌクレオシド4.3(
図1A)の優れた抗ウイルス活性は、環系の3位における水素結合の存在に起因し得ると考えられた。それゆえに、一連のインドールヌクレオシドの合成および評価は、以前に合成された類似体に対して抗ウイルス活性を増加させる、および/または細胞毒性を低減させる意図をもっている。
【0065】
2-置換型インドールヌクレオシド
  トリクロロベンズイミダゾールヌクレオシドについての場合のように(参照により本明細書に組み入れられている、Migawa, et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 1242-1251)、3位に電子求引性置換基を有するインドールの2-クロロ置換基は、求核置換に感受性が高い。2位に置換アミンを含むベンズイミダゾールヌクレオシド1263W94はHCMVに対して非常に活性があるため(Biron et al., Agents Chemother 2002, 46, 2365-2372)、2位にモノ-およびジ-アルキルアミンを有する一連のインドールヌクレオシド類似体が計画された。
【0066】
  意外にも、ジメチルアミンの保護されていないヌクレオシド4.3(Chen Thesis、前記参照)(
図4.2)との反応は、高温においてさえも進行しなかった。しかしながら、ジメチルアミンのイソプロピリデン保護化ヌクレオシド4.7(Chen, et al.、前記)との反応は、室温でなめらかに起こり、所望の2-ジメチルアミノ誘導体4.8(
図2)を生じた。化合物4.8(
図2)は、その後、90%水性トリフルオロ酢酸での処理により脱保護され、所望のヌクレオシド類似体5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.6、
図2)を与えた。ヌクレオシド4.3とイソプロピリデン保護化コンジナー4.7の間の反応性の違いについての理由は明らかではないが、後の合成において化学的選択性を導くために用いられている。2-クロロ置換基を置換し得る効率的方法に関して、他の類似体もまた遂行された。従って、保護化ヌクレオシド4.7を、脱保護後、2-(N-ピロリジノ)誘導体4.10を供給するようにピロリジンと反応させた。イソプロピリデン保護化3-シアノコンジナー(4.11、
図2)の反応もまた、上記反応条件下でなめらかに進行し、トリフルオロ酢酸での脱保護後、3-ニトリルの2-ジメチルアミノおよび3-(N-ピロリジノ)類似体(4.14および4.15、
図2)の両方を供給した。
【0067】
  対応する2-モノアルキルアミノ化合物を合成することは簡単ではないことが最初は想定された。イミン形成の可能性のある複雑化を避けるために「保護化」モノアルキルアミンの使用を必要とする合成スキームが構想された。従って、保護化インドールヌクレオシド4.7のp-メトキシベンジルメチルアミンとの反応は、非対称2-ジアルキルアミノ誘導体4.17へ導くことが考えられた。化合物4.17(
図3A)は、その後、通常の方法で90%水性トリフルオロ酢酸で脱保護され、続いて、DDQでp-メトキシベンジル保護基を除去し、所望の類似体5,6-ジクロロ-2-メチルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.18、
図3A)を生じることができた。思いがけないことに、これらの余分な段階が必要ではないことが発見された。イミン誘導体4.20を合成する試みにおいて、親ヌクレオシド4.3を、エタノール中のメチルアミンの溶液と反応させた。驚くべきことに、単離されたのはイミンではなかった。完全保護化ヌクレオシド類似体4.3の2-クロロ置換基が求核置換に対して抵抗性であったという上で観察された傾向とは反対に、この場合において唯一の単離された生成物は、5,6-ジクロロ-2-メチルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.18、
図3A)であった。この情報を用いて、対応する2-イソプロピルアミノ誘導体(4.19、
図3A)もまた合成された。
【0068】
  他の2-置換基がこの系列の化合物の活性に有益な効果を生じるかどうかを測定するために、2-メトキシ-および2-チオメトキシ-誘導体もまた調製された。所望の生成物は、過剰のナトリウムメトキシドでの5'-O-アセチルリボシド4.24(
図3B)の脱保護中の副生成物として得られたが、低収量であった。同様に、塩基性条件下でのイミデートの合成の試みは、代わりに、2-メトキシ誘導体4.26(
図3B)へと導いた。
【0069】
3-置換型インドールヌクレオシド
  3つの一般的なアプローチは、このクラスにおける化合物を調製するために用いられた。第一に、既存のヌクレオシド類似体4.3〜4.5(
図1A)が直接的に修飾された。第二に、3-非置換型ヌクレオシド4.2(
図1A)およびそれの保護化類似体の求電子付加による修飾が達成された。第三に、これらの方法のどちらによっても合成され得ない標的が、適切な複素環の合成、続いてグリコシル化および糖部分のさらなる操作により作製された。
【0070】
  芳香族アルデヒドおよびニトリルは修飾のための多くの機会を提供するため、誘導体4.3および4.4(
図3B)は、修飾に大変都合よくできていた。アルデヒド誘導体2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、
図4)は、多数の異なるアミン含有化合物との付加-脱水反応を起こすことができる。セミカルバゾンおよびチオセミカルバゾン(4.27および4.28、
図4)は、それぞれ、セミカルバジドおよびチオセミカルバジドとの4.3(
図4)の反応により合成された。オキシム4.29および4.30(
図4)は、それぞれ、ヒドロキシルアミンおよびメトキシルアミンから類似した方法で生成された。カルバゼート4.31(
図4)は、メチルヒドラジノカルボキシレートを用いて同様に調製された。
【0071】
  芳香族ニトリルもまた、強力な求核剤との、または酸触媒作用下での付加反応を起こすことができる。カルボキサミドオキシム4.33(
図5)は、従って、2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.4、
図5)のヒドロキシルアミンとの反応により合成された。イミデート4.34は、4.4(
図5)の無水メタノールおよび乾性HClガスとの反応により合成されるため、後者のストラテジーの例である。
【0072】
  他のアシル置換基(すなわち、アセチル、プロピオニルなど)が3位において許容的であるかどうかを測定するために、4.3(
図1A)のいくつかの他のアシル化誘導体の合成を遂行した。既知の中間体4.38(Chen Thesis)(
図6A)の5'-ヒドロキシル基は、高温において無水酢酸でアセチル化された。その後、この完全保護化ヌクレオシド類似体は、ビルスマイヤー-ハック条件(ジメチルアセトアミドを用いて)に曝された。ビルスマイヤー-ハック条件は、溶媒としてDMFを用いて以前にインドールヌクレオシドをホルミル化することに成功したが、残念ながら、溶媒としてジメチルアセトアミドでのこれらの同じ条件下では反応は起こらなかった。塩化アセチルおよび塩化アルミニウムを用いる4.39(
図6A)の標準フリーデル-クラフツのアシル化は、所望の3-アセチルインドールヌクレオシド4.40(
図6A)を生成したが、収量は乏しかった。この中間体は、その後、2段階手順において、最初に90%トリフルオロ酢酸で、その後、メタノール性ナトリウムメトキシドで脱保護されて、所望の2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(ββ-D-リボフラノシル)インドール(4.46、
図6A)を生成した。
【0073】
  同じ手順は、3-プロピオニル誘導体4.47(
図6A)の合成のために用いられた。2,5,6-トリクロロ-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.39、
図6A)が、プロピオン酸クロリドでフリーデル-クラフツ条件下でアシル化され、2段階で脱保護されて、所望の2,5,6,-トリクロロ-3-プロピオニル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.47、
図6A)を生じた。
【0074】
  3-トリフルオロアセチル誘導体4.48(
図6A)もまた望ましい。BF
3:SMe
2およびトリフルオロ酢酸無水物を利用する手順(参照により本明細書に組み入れられている、Kiselyov, et al., Tetrahedron Lett. 1995, 36, 4005-4008)は、必須の中間体4.42(
図6A)を供給した。水性トリフルオロ酢酸、続いてメタノール中のナトリウムメトキシドを用いる中間体の脱保護は、所望の生成物4.48(
図6A)を生成した。
【0075】
  3-メチル誘導体についての所望の複素環を合成するために、既知のメチル3,4-ジクロロフェニルアセテート(参照により本明細書に組み入れられている、Deutsch et al., Med. Chem. Res. 1999, 9, 213-222)(4.49、
図6B)が、最初に、CockerおよびGraysonの手順(参照により本明細書に組み入れられている、Cocker et al., J. Chem. Soc. Perkin I 1975, 1347-1352)の修飾によりメチル化された。従って、4.49は、-78℃において液体アンモニア中、ナトリウムアミドで脱プロトン化され、ヨウ化メチルで処理されて、メチル2-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオネート(4.50、
図6B)を供給した。ナトリウムアミドおよびヨウ化メチルの量の最適化は、本質的にジメチル化類似体のいずれも含まない、高収率で所望の化合物を生成する手順へ導いた。HNO
3/H
2SO
4でのフェニル環のニトロ化、続いて、ニトロ基の還元により、中間体メチル2-(6-アミノ-3,4-ジクロロフェニル)アセテート(4.52、
図6B)を生成した。この中間体は、オキシンドール4.53(
図6B)へ酢酸中で環化された。化合物4.53は、その後、オキシ塩化リンおよびイミダゾールで塩素化されて(Chenによる手順;Chen et al.参照)、所望の2,5,6-トリクロロ-3-メチルインドール(4.54、
図6B)を与えた。
【0076】
  掌中の所望のインドール誘導体に関して、注目は、この複素環のグリコシル化へ向けられた。保護化リボフラノシルクロリド4.55(両方とも参照により本明細書に組み入れられているが、Rosemeyer, et al., Helv. Chim. Acta 1988, 71, 1573-1585;およびWilcox, et al., Tetrahedron Lett. 1986, 27, 1011-1014)(
図7)を用いる3-非置換型類似体(Chen et al.)と同じ方法でグリコシル化中間体4.56(
図7)を合成する試みは、所望の物質の少量だけを供給した。これは不可解な結果であった、なぜなら、3位におけるメチル基の付加は、インドールにおける電子分布にほとんど影響を及ぼさないはずだからである。それどころか、3位におけるグリコシル化の競合反応が排除されたため、収率がより良いことを予想したであろう。これは、所望のリボシドの合成のための代替手順の開発を促した。
【0077】
  2,5,6-トリクロロ-3-メチルインドールの保護化2-デオキシリボフラノシルクロリド4.57(Rolland, et al., Synth. Commun. 1997, 27, 3505-3511;参照により本明細書に組み入れられている)(
図7)での縮合は、高収率で保護化2'-デオキシリボフラノシルインドールヌクレオシド4.58(
図7)へ導いた。このヌクレオシド類似体は、メタノール中、ナトリウムメトキシドで脱保護され、その後、5'-水酸基は、かさ高くかつ頑強なt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)エーテルとして保護された。3'-水酸基は、容易にシリル化されるには立体的に込み合いすぎており、実質的には、メタンスルホニルクロリドでメシル化された。その結果として生じた保護化およびメシル化ヌクレオシド類似体(4.60、
図7)は、湿性DMSO中、カリウムt-ブトキシドで処理されて(参照により本明細書に組み入れられている、Cao, et al. Helv. Chim. Acta 1992, 75, 1267-1273)、2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレオシド類似体4.61(
図7)を生じた。これは、アセトン/水中、四酸化オスミウムおよびN-メチルモルホリン-N-オキシドの触媒量でジヒドロキシル化され、所望のヌクレオシド類似体2,5,6-トリクロロ-3-メチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.62、
図7)を生じた。
【0078】
  3-クロロ-および3-ヨード置換型インドールヌクレオシド(4.74および4.75、
図8)もまた合成された。3-メチル誘導体4.62(
図7)についての場合のように、所望の複素環が最初に合成され、グリコシル化および糖操作が合成の後半に行われることが必要とされた。従って、2,5,6-トリクロロインドール(4.63、
図8)は、N-クロロスクシンイミドで塩素化されるか、またはN-ヨードスクシンイミドでヨー化されるかのいずれかで、高収率で、2,3,5,6-テトラハロインドール4.64および4.65(
図8)を供給した。これらは、その後、上のメチル類似体と同じ手順にかけられた。両方は、ナトリウム塩としてα-クロロ糖、3,5-ジ-O-p-トルオイル-2-デオキシ-β-D-リボフラノシルクロリド(4.57、
図8)でグリコシル化された。メタノール中でのナトリウムメトキシドでの脱保護後、化合物は、5'位においてシリル化され、2'位においてメシル化された。塩基誘導のメシレートの除去、続いて中間体2',3'-ジデオキシ-2',3'-ジデヒドロヌクレオシド4.72および4.73(
図8)のジヒドロキシル化により、所望のヌクレオシド類似体2,3,5,6-テトラクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.74、
図8)および2,5,6-トリクロロ-3ヨード-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.75、
図8)が供給された。
【0079】
  ヨード類似体を合成するためのカップリング反応についての条件は、Huff, et al.(Synthesis of Unsymmetrical Biaryls Using a Modified Suzuki Cross-Coupling: 4-Biphenylcarboxaldehyde. In Organic Syntheses, Vol. 75; Smith, A.B., III Ed.; American Chemical Society: Washington, DC, 1997;pp 53-60;参照により本明細書に組み入れられている)から改変された手順を用いる前駆体2,5,6-トリクロロ-3-ヨード-1-(3,5-ジ-O-p-トルオイル-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.67、
図9)を用いて確立された。ヨー化インドールヌクレオシドは、酢酸パラジウム、ホスフィンリガンドおよび塩基の存在下において所望のアリールボロン酸と反応して、高収量の所望の生成物4.76および4.77(
図9)を供給した。これらは、メタノール性ナトリウムメトキシドの標準的条件下で脱保護されて、3-アリール-2'-デオキシリボフラノシルインドールヌクレオシド4.78および4.79(
図9)を生成した。
【0080】
  確立された適切な条件で、対応するリボフラノシル誘導体も合成された。3-ヨードインドール誘導体4.75(
図9)は、ボロン酸エステル形成の可能性のある複雑化を避けるために2段階で5'-O-MOM-2',3'-O-イソプロピリデン誘導体として保護された。保護化中間体4.81(
図9)は、上のそれと同一の方法で2-フランボロン酸および3-チオフェンボロン酸とカップリングし、その後、湿性メタノール性HClで脱保護されて、所望の3-アリールヌクレオシド誘導体4.84および4.85(
図9)を供給した。
【0081】
  もう一つの望ましい合成標的は、3-ホモアルデヒド4.92(
図10)である。既知の3-ホルミル誘導体4.89(
図10)から開始する手順が開発された。アルデヒドを、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドから誘導されたヴィティヒ(Wittig)試薬で処理し、ビニルエーテル4.90(
図10)を生成した。この化合物の湿性メタノール性HClでの処理が、アルデヒドを曝露し、アセトニド保護基を除去することが予想されたが、2つの追加の副反応もまた生じた。5'-O-アセテートのトランスアセチル化は、糖部分を完全に脱保護し、遊離したアルデヒドは、すぐに、ジメチルアセタールとして保護された。このように得られた中間体は、その後、90%水性トリフルオロ酢酸で処理されて、所望の3-ホモアルデヒド4.92(
図10)を供給した。
【0082】
糖修飾インドールヌクレオシド
  インドールヌクレオシドの糖(グリコシル)部分の多くの修飾は可能であり、それらの多数が本明細書に例示されている。5'-デオキシ類似体を合成するために、適切に修飾されたヌクレオシドが構築されなければならなかった。従って、5'-O-トシレート4.93(
図11)が最初に合成され、この化合物は、DMSO中、水素化ホウ素ナトリウムで還元され(参照により本明細書に組み入れられている、Hutchins, et al., Tetrahedron Lett. 1969, 40, 3495-3498)、所望の中間体4.94(
図4.11)を生じた。合成は、その後、2つの所望の3-置換型ヌクレオシド類似体へ分岐することができた。DMF中でのオキシ塩化リンを用いる、またはクロロスルホニルイソシアネートの後、DMFおよび水を用いる、いずれかの通常の方法における脱酸素化中間体4.94の処理は、それぞれ、保護化中間体4.95および4.96(
図11)を生成した。これらの化合物の脱保護は、90%水性トリフルオロ酢酸で達成されて、所望のヌクレオシド類似体4.97および4.98(
図11)を供給した。
【0083】
  5'-デオキシ-5'-アジド誘導体4.102および4.103(
図12)を合成するために、保護化5'-O-トシレート4.93(
図12)が再び用いられた。温DMFにおけるトシレートのアジ化ナトリウムとの置換は、保護化5'-デオキシ-5'-アジドヌクレオシド類似体4.99(
図12)を生成した。化合物4.99は、その後、DMF中でのオキシ塩化リンとか、またはクロロスルホニルイソシアネート、続いてDMFおよび水とのいずれかと反応し、その後、90%水性トリフルオロ酢酸と反応し、所望の類似体2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.102、
図12)および2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.103、
図12)を生じた。
【0084】
  2つの5'-デオキシ-5'-フルオロ類似体の合成について同様のストラテジーが用いられた。部分的に保護された中間体4.38(
図13)は、デオキソフルオル(Deoxofluor)試薬(それの安定性の理由で、DASTより優先して選択された;参照により本明細書に組み入れられている、Lal et al., J. Org. Chem. 1999, 64, 7048-7054を参照されたい)で処理されて、フッ素化中間体4.104(
図13)を供給した。上記の5'-デオキシヌクレオシド類似体の合成においてのように、この可変性中間体は、DMF中でのオキシ塩化リン、またはクロロスルホニルイソシアネートの後DMF、のいずれかで処理されて、アセトニド4.105および4.106(
図13)の90%水性トリフルオロ酢酸での脱保護後、フッ素化ヌクレオシド類似体4.107および4.108(
図13)を供給した。
【0085】
  一連の2'-デオキシヌクレオシドもまた合成された。所望の置換基は、複素環上に設置され得、その後、修飾された複素環のグリコシル化を達成することができた。2,5,6-トリクロロインドール(Chen et al.)(4.111、
図14)は、DMF中でのオキシ塩化リンか、またはジクロロメタンおよびニトロメタン中での塩化アセチルならびに四塩化スズ(参照により本明細書に組み入れられている、Ottoni, et al., Organic Letters 2001, 3, 1005-1007)かのいずれかで処理されて、それぞれ、2,5,6-トリクロロ-3-ホルミルインドール(4.112、
図14)および2,5,6-トリクロロ-3-アセチルインドール(4.115、
図14)を生じた。これらの化合物(4.112および4.115、
図14)は、その後、保護化2-デオキシリボフラノシルクロリド4.57(
図7)でグリコシル化されて、所望の保護化ヌクレオシド類似体4.113および4.116(
図7)を高収率で供給した。しかしながら、脱保護中、2つの非常に異なる挙動が観察された。所望の3-アセチル誘導体4.117(
図14)は予想どおり生成されたが、対応する3-ホルミル誘導体は、様々な異なる脱保護手順のいずれを用いても得られなかった。4.113(
図14)の脱保護から唯一単離された生成物は、2-メトキシ誘導体4.114(
図14)であった。3-シアノ誘導体の脱保護は、所望の2-クロロ(4.119、
図14)および望まれていない2-メトキシ(4.120、
図14)誘導体の両方が生成される、中間結果を生じた。
【0086】
  5'-O-アセチル保護化誘導体2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.43、
図6A)は以前に合成されており(
図6A)、完全保護化類似体2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.46、
図6A)に匹敵する抗ウイルス活性を有することが見出された。3-カルボキサルデヒド4.3および3-ニトリル4.4(
図1A)の5'-O-アセチル類似体が類似した挙動を示すかどうかを測定するために、これらの2つの化合物の合成が開始された(4.122および4.124、
図15)。従って、完全保護化3-非置換型インドールヌクレオシド誘導体4.39(
図15)は、DMF中でのオキシ塩化リンか、またはクロロスルホニルイソシアネート、続いてDMFのいずれかで処理されて、それぞれ、所望の保護化ヌクレオシド類似体4.121および4.123(
図15)を生成した。イソプロピリデン保護基は、その後、90%水性トリフルオロ酢酸で除去されて、所望の5'-O-アセチル保護化類似体4.122および4.124(
図15)を生成した。追加の類似体は、その系列の完成に必要とされる合成手順の数を最小にすることを目的として、部分的保護化3-非置換型類似体4.38(
図6A)の代わりに、部分的保護化3-ホルミル中間体4.7(
図15)から合成された。非対称炭酸エステル4.130(
図15)もまた、アシル置換基と炭酸エステル置換基の間の反応性における違いが、化合物の抗ウイルスプロフィールに類似した影響を及ぼすかどうかを測定することが望まれた。保護化5'-O-置換型ヌクレオシド4.125〜4.127(
図15)が、それゆえに、適当な無水物またはクロロギ酸メチルのいずれかを用いて合成された。アセトニド保護基は、通常の条件下で除去されて、5'-O-アシル誘導体4.128および4.129(
図15)ならびに炭酸メチル4.130(
図15)を供給した。
【0087】
ブロム化インドールヌクレオシド
  少数の2-ブロモ類似体が、これらの化合物もまた非細胞毒性用量において有用な抗ウイルス活性を有することを例証するために例示されている。親化合物4.3(
図1A)の類似体および5'-O-アセチルエステル誘導体4.122(
図15)、加えてカルボキサミドオキシム4.33(
図5)および3-アセチル-2'-デオキシ類似体4.117(
図14)が合成された。
【0088】
  リボフラノシル類似体は、2-クロロ類似体を合成するために用いられるものと対応した手順により合成された。2-ブロモ-5,6-ジクロロインドール(Chen Thesis)(4.131、
図16)は、クロロ糖4.55(
図7)でグリコシル化された。結果として生じたリボフラノシドは、フッ化セシウムで脱保護され、その後、酢酸エステルとして再保護されて、共通の中間体4.134(
図16)を供給した。3-ホルミル誘導体を合成するために、オキシ臭化リンおよびDMFが、所望の2-ブロモ類似体4.135(
図16)を生成した。合成は、これまでのように、4.135(
図16)の、90%水性トリフルオロ酢酸、続いてメタノール性ナトリウムメトキシドでの処理により完了されて、4.136および4.137(
図16)を高収率で供給した。
【0089】
  カルボキサミドオキシム4.140(
図17)もまた、中間体4.134(
図17)から合成された。化合物4.134は、クロロスルホニルイソシアネート、続いてDMFおよび水を用いてシアン化されて、3-シアノインドールヌクレオシド4.138(
図17)を供給した。90%水性トリフルオロ酢酸におけるアセトニドの脱保護に続いて、インサイチューで5'-O-アセテートを脱保護するメタノール性ヒドロキシルアミンで処理し、長時間の反応時間後に、所望のカルボキサミドオキシム4.140(
図4.17)を形成した。
【0090】
  3-アセチル-2'-デオキシインドールヌクレオシド4.117(
図4.14)の2-ブロモ類似体の合成は、既知の複素環2-ブロモ-5,6-ジクロロインドール(4.131、
図4.22)から再び、進められた。交換可能な塩化物のすべての源を除去し、四臭化スズおよび臭化アセチルの両方を用いることにより、所望の2-ブロモ-5,6-ジクロロ-3-アセチルインドール(4.141、
図18)が中位の収率で合成された。掌中の適当な複素環に関して、グリコシル化反応がこれまでのように行われ、中間体4.142(
図4.18)は、メタノール中、ナトリウムメトキシドで脱保護されて、所望のヌクレオシド類似体4.143(
図4.18)を生じた。
【0091】
実施例2
化合物の合成および生物学的評価
  この実施例は、上記の化合物の生物学的評価を記載する。特に、化合物のそれぞれの抗ウイルス活性が試験され、化合物のほとんどすべてが、いくらかの抗ウイルス活性をもった。
【0092】
  上記の化学的系列のそれぞれの1つのメンバーの抗ウイルス活性が、以下の表に例示されている。抗ウイルス活性は、下の実験の部に記載されているようにアッセイされたヒトサイトメガロウイルス(HCMV)および単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を用いて示された。細胞毒性は、また下の実験の部に記載されているように、定常のヒト包皮線維芽細胞(HFF細胞)および増殖しているKB細胞において測定された。
【0093】
【0094】
  各群のメンバーは、抗ウイルス活性を示し、いくつかのメンバーは、感染していない細胞において細胞毒性を生じた濃度より多くとも100分の1低い濃度でHCMVに対して活性があった。
【0095】
A. 実験の部
一般的な化学的手順
  すべての溶媒を、公知の手順に従って使用の前に乾燥させた;すべての試薬は、商業的供給元から得られた、または文献手順から合成され、特に断りのない限り、さらなる精製なしに用いられた。空気感応性反応は、特に断りのない限り、アルゴンのわずかに陽圧下で行われた。室温は、20〜25Cの間であると想定される。溶媒の蒸発は、特に断りのない限り、40C未満において、減圧(水流吸引器、12 mmHg)下で達成された。クロマトグラフィー溶媒系は、v:v比において、または%vとして表される。融点は、Mel-Temp装置上でとられ、補正されていない。薄層クロマトグラフィーは、Analtech(Newark, DE)からのシリカゲルGHLFプレート上で行われた。クロマトグラムは、特に断りのない限り、254 nmにおけるUV光下で可視化された。
1H-NMRスペクトルは、Bruker DPX300分光計上で300 MHzで、またはBruker DRX500分光計上で500 MHzで得られた。
13C-NMRスペクトルは、Bruker DPX300分光計上で75 MHzで、またはBruker DRX500分光計上で125 MHzで得られた。
19F-NMRスペクトルは、Bruker DPX300分光計上で300 MHzで得られた。
1Hについての化学シフト値は、内部テトラメチルシラン標準(0.00 ppm)に対して測定された;
13Cについての化学シフト値は、用いられた溶媒(DMSO-d6について39.52 ppm、およびCDCl
3について77.23 ppm)に対して測定された;
19Fについて化学シフト値は、外部TFA標準(-76.50 ppm)に対して測定された。質量分析法は、University of Michigan Department of Chemistry Mass Spectrometry設備において行われた。元素分析は、University of Michigan Chemistry Department Elemental Analysis設備において行われた。
【0096】
5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.8)
  DMF(1 mL)に溶解された2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)-インドール(4.7、100 mg、0.24 mmol)の溶液へ、40%水性ジメチルアミン(1 mL)を添加した。結果として生じた混合物を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を蒸発させて(0.5 mmHg、40C)、うす黄色結晶固体をもたらした。残留物を水(10 mL)および鹹水(40 mL)に懸濁し、水性懸濁液をEtOAc(2 x 25 mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を鹹水(10 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色結晶固体を生じた。固体をCHCl
3(1 mL)に溶解し、1:2  ヘキサン:EtOAcでのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)へかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色結晶固体として4.8の81 mg(79%)を生じた。
【0097】
5,6-ジクロロ-2-(N-ピロリジノ)-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.9)
  DMF(1 mL)に溶解された2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)-インドール(4.7、100 mg、0.24 mmol)の溶液へ、ピロリジン(1 mL)を添加した。結果として生じた混合物を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を蒸発させて、うす黄色油をもたらした。残留物を水(10 mL)および鹹水(40 mL)に懸濁し、EtOAc(2 x 25 mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を鹹水(10 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の油を生じ、静置すると凝固した。固体をCHCl
3(1 mL)に溶解し、1:2  ヘキサン:EtOAcでのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)へかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色結晶固体として4.9の75 mg(69%)を生じた。
【0098】
5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.6)
  5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.8、74 mg、0.17 mmol)を90%水性TFA(5 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌した。過剰の溶媒を真空下で除去し、残留油を5%水性Na
2CO
3(20 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 25 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/水でのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.6の57 mg(85%)を生じた。
【0099】
5,6-ジクロロ-2-ピロリジノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.10)
  5,6-ジクロロ-2-ピロリジノ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.9、65 mg、0.14 mmol)を90%水性TFA(5 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌した。過剰の溶媒を真空下で除去し、残留油を5%水性Na
2CO
3(20 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 25 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/水でのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.10の39 mg(66%)を生じた。
【0100】
5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.14)
  5,6-ジクロロ-2-ジメチルアミノ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.12、100 mg、0.23 mmol)を90%水性TFA(5 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌した。過剰の溶媒をその後、真空下で除去し、残留油を5%水性Na
2CO
3(20 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 25 ml)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/水でのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.14の77 mg(85%)を生じた。
【0101】
5,6-ジクロロ-2-ピロリジノ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.15)
  5,6-ジクロロ-2-ピロリジノ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)インドール(4.13、73 mg、0.16 mmol)を90%水性TFA(5 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌した。過剰の溶媒をその後、真空下で除去し、残留油を5%水性Na
2CO
3(20 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 25 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/水でのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.15の53 mg(80%)を生じた。
【0102】
5,6-ジクロロ-2-メチルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.18)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、125 mg、0.33 mmol)をエタノール中の33% エチルアミン溶液(10 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で30分間、撹拌した。溶媒を約1 mLまで蒸発させ、EtOAc(50 mL)で希釈した。懸濁液をH
2O(20 mL)および鹹水(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色残留物を生じた。残留物をMeOH(1 mL)に溶解し、20% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、透明な粘性残留物を生じ、それをMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させ、白色微結晶固体として4.18の56 mg(43%)を生じた。
【0103】
5,6-ジクロロ-2-イソプロピルアミノ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.19)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、171 mg、0.45 mmol)をイソプロピルアミン(10 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で16時間、撹拌した。溶媒をその後、蒸発させ、残留物をEtOAc(50 mL)に溶解した。懸濁液をH
2O(20 mL)および鹹水(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色シロップを生じた。残留物をMeOH(1 mL)に溶解し、20% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、透明な粘性残留物を生じ、それをMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させ、白色微結晶固体として4.19の76 mg(42%)を生じた。
【0104】
5,6-ジクロロ-2-メトキシ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.25)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(Chen et al.参照;4.24、148 mg、0.35 mmol)を、ナトリウムメトキシド(21 mg、0.39 mmol)が添加された乾性MeOH(20 mL)に溶解した。溶液を室温で30分間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を10% 水性NaHCO
3に懸濁し、懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。固体をMeOH(1 mL)に溶解し、20% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色固体を生じた(回収された物質の残余は脱保護された2-クロロ誘導体であった)。粗生成物をMeOHに溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色微結晶固体として4.25の50 mg(42%)を生じた。
【0105】
5,6-ジクロロ-2-メトキシ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.26)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.4、100 mg、0.27 mmol)を、ナトリウムメトキシド(100 mg、1.9 mmol)が添加された乾性MeOH(10 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を逆流で2時間、加熱し、その後、室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残留固体をMeOH/H
2Oから再結晶させ、白色粉末として4.26の68 mg(63%)を生じた。
【0106】
2,5,6-トリクロロ-3-[(4-セミカルバゾノ)メチリデン]-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.27)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、76 mg、0.20 mmol)を、セミカルバジド塩酸塩の溶液(2.0 M、0.20 mL、0.40 mmol)および2滴のピリジンが添加されたメタノール(3 mL)に溶解した。溶液を60Cまで10分間、温め、その後、室温で16時間、撹拌し、その時間中に微細な白色沈澱物が発生した。懸濁液を4Cで4時間、冷却し、その後、固体を濾過により収集し、冷水ですすいだ。固体を真空下(0.5 mmHg、65℃)で12時間、乾燥させて、白色結晶固体を生じ、それをMeOHから再結晶させて、白色粉末として4.27の49 mg(56%)を生じた。
【0107】
2,5,6-トリクロロ-3-[(4-チオセミカルバゾノ)メチリデン]-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.28)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、94 mg、0.25 mmol)を、チオセミカルバジド(24 mg、0.26 mmol)が添加されたメタノール(10 mL)に溶解した。溶液を室温で16時間、撹拌し、その時間中に微細な白色沈澱物が発生した。懸濁液を4Cで4時間、冷却し、その後、固体を濾過により収集し、冷水ですすいだ。固体を真空下(0.5 mmHg、65℃)で12時間、乾燥させて、白色粉末として4.28の72 mg(65%)を生じた。
【0108】
2,5,6-トリクロロ-3-(N-ヒドロキシイミノメチリデン)-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.29)
  MeOH(10 mL)中の2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、170 mg、0.45 mmol)の溶液へ、水中(2.0 mL)のメトキシルアミン塩酸塩(39 mg、0.56 mmol)および重炭酸ナトリウム(49 mg、0.48 mmol)の溶液を添加した。結果として生じた混合物を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を蒸発させて、うす黄色残留物をもたらした。残留物を5%水性チオ硫酸ナトリウムの20 mLに懸濁し、EtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、ピンク色残留物を生じた。残留物を、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。適切なUV活性画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.29の124 mg(70%)を生じた。一部を、Et
2O/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体を生じた。
【0109】
2,5,6-トリクロロ-3-(N-メトキシイミノメチリデン)-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.30)
  MeOH(5 mL)中の2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、103 mg、0.27 mmol)の溶液へ、水中(1.0 mL)のメトキシルアミン塩酸塩(27 mg、0.32 mmol)および重炭酸ナトリウム(22 mg、0.26 mmol)の溶液を添加した。結果として生じた混合物を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を蒸発させて、うす黄色残留物をもたらした。残留物を5%水性チオ硫酸ナトリウムの10 mLに懸濁し、EtOAc(2 x 25 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を鹹水(10 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色残留物を生じた。残留物を、80% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。適切なUV活性画分をプールし、蒸発させて、白色粉末を生じた。粉末をEt
2Oから再結晶させて、白色結晶固体として4.30の45 mg(41%)を生じた。
【0110】
2,5,6-トリクロロ-3-[N-(メトキシカルボニルアミノ)イミノメチリデン]-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.31)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、122 mg、0.32 mmol)を、メチルヒドラジノカルボキシレート(115 mg、1.3 mmol)が添加されたMeOH(10 mL)に溶解した。結果生じた溶液を60Cの油浴上で16時間、加熱し、その後、室温まで冷却し、100 mLの水へ注ぎ、溶媒を約50 mLまで蒸発させた。結果として生じた懸濁液を4Cまで冷却し、その後、濾過し、冷水(25 mL)ですすいだ。固体を沸騰EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、淡いピンク色結晶固体として4.31の123 mg(85%)を生じた。
【0111】
2,5,6-トリクロロ-3-[N-(アセチルアミノ)イミノメチリデン]-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.32)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、109 mg、0.29 mmol)を、アセチルヒドラジン(85 mg、1.1 mmol)が添加されたMeOH(5 mL)に溶解した。結果生じた溶液を45Cの油浴上で16時間、加熱し、その後、室温まで冷却し、15 mLの水へ注いだ。結果として生じた懸濁液を4Cまで冷却し、その後、濾過し、その固体を冷水(25 mL)ですすいだ。固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色結晶固体を生じ、それをアセトン/MeOHから再結晶させて、60:40の比における異性体の分離できない混合物である白色微結晶固体として4.32の70 mg(56%)を生じた。
【0112】
2,5,6-トリクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール-3-カルボキサミドオキシム(4.33)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.4、107 mg、0.28 mmol)を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.50 g、7.2 mmol)および水酸化カリウム(0.39 g、7.0 mmol)が添加された乾性MeOH(5 mL)ならびに乾性DMF(1 mL)に溶解した。結果として生じた懸濁液を室温で16時間、撹拌し、その後、鹹水(25 mL)および水(25 mL)へ注ぎ、結果として生じた水性懸濁液をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、透明な油を生じ、それをMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、淡黄褐色固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させ、淡黄褐色固体として4.33の81 mg(70%)を生じた。
【0113】
メチル2,5,6-トリクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール-3-ホルミミデート(4.34)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.4、107 mg、0.28 mmol)を、氷浴において0Cまで冷却された乾性MeOH(10 mL)に溶解した。塩化水素ガスを2時間、その溶液中へゆっくり泡立てて通し、その後、反応容器をきつくキャップして、結果として生じた溶液を室温で24時間、撹拌した。酸性溶液をEt
2O(20 mL)で希釈し、乾燥状態まで蒸発させた。残留固体を10% 水性NaHCO
3(100 mL)に懸濁し、EtOAc(3 x 100 mL、激しく振盪させながら)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じ、それをDMF(0.5 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色結晶固体として4.34の64 mg(58%)を生じた。
【0114】
2,5,6-トリクロロ-3-[N-(ジメチルアミノ)イミノメチリデン]-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.35)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、100 mg、0.26 mmol)を、非対称ジメチルヒドラジン(0.5 mL)が添加されたMeOH(5 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で16時間、撹拌し、その後、真空下で蒸発させ、黄色残留物を生じた。残留物をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.35の87 mg(78%)を生じた。
【0115】
5,6-ジクロロ-1-メチル-8-(β-D-リボフラノシル)ピラゾロ[3,4-b]インドール(4.36)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.3、82 mg、0.22 mmol)を、メチルヒドラジン(0.5 mL)が添加されたメタノール(4 mL)に溶解した。溶液を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を20 mLの鹹水に懸濁し、EtOAc(2 x 20 mL)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を生じた。油を75% MeOH/水でのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体として4.36の29 mg(33%)を生じた。
【0116】
5,6-ジクロロ-3-アミノ-8-(β-D-リボフラノシル)ピラゾロ[3,4-b]インドール(4.37)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.4、102 mg、0.27 mmol)を、ヒドラジン水化物(2 mL)に溶解し、結果として生じた溶液を室温で30分間、撹拌した。このようにして得られた懸濁液を水(8 mL)で希釈し、0℃まで冷却し、懸濁液を濾過し、その固体を水ですすいだ。その固体をMeOH/H
2Oから再結晶させて、白色結晶固体として4.37の91 mg(90%)を生じた。
【0117】
2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.43)
  2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.40、375 mg、0.79 mmol)を、90%水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で5分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10%水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をMeOH(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、透明なガラスを生じ、それを白色結晶固体として4.43の318 mg(93%)を生じた。
【0118】
2,5,6-トリクロロ-3-プロピオニル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.44)
  2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-プロピオニル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.41、178 mg、0.36 mmol)を、90%水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で2分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10%水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体を温MeOHから再結晶させて、白色結晶固体として4.44の152 mg(93%)を生じた。
【0119】
2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.46)
  2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.43、232 mg、0.53 mmol)を、ナトリウムメトキシド(35 mg、0.65 mmol)が添加された乾性MeOH(20 mL)に溶解した。溶液を室温で45分間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を10%水性NaHCO
3(50 mL)に懸濁し、懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。その固体を沸騰EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.46の170 mg(81%)を生じた。
【0120】
2,5,6-トリクロロ-3-プロピオニル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.47)
  2,5,6-トリクロロ-3-プロピオニル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.44、90 mg、0.21 mmol)を、ナトリウムメトキシド(14 mg、0.26 mmol)が添加された乾性MeOH(15 mL)に溶解した。溶液を室温で40分間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を鹹水(50 mL)および水(5 mL)に懸濁し、懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色固体を生じ、それを沸騰EtOAcから再結晶させて、白色結晶固体として4.47の170 mg(81%)を生じた。
【0121】
2,5,6-トリクロロ-3-トリフルオロアセチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.48)
  2,5,6-トリクロロ-3-トリフルオロアセチル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.45、94 mg、0.19 mmol)を、ナトリウムメトキシド(12 mg、0.22 mmol)が添加された乾性MeOH(20 mL)に溶解した。溶液を室温で90分間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を鹹水(40 mL)および水(5 mL)に懸濁し、懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄橙色の固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させて、うす黄色粉末として4.48の48 mg(56%)を生じた。
【0122】
2,5,6-トリクロロ-3-メチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.62)
  2,5,6-トリクロロ-3-メチル-1-(2,3-ジデオキシ-2,3-ジデヒドロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.61、212 mg、0.64 mmol)を、N-メチルモルホリン-N-オキシド(0.20 g、1.7 mmol)およびt-BuOH(0.65 mL、0.065 mmol)中の2.5%四酸化オスミウム溶液が添加されたアセトン(8 mL)および水(1 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2時間、撹拌し、その後、追加のN-メチルモルホリン-N-オキシド(0.20 g、1.7 mmol)を添加し、溶液を室温でさらに16時間、撹拌した。その後、溶媒容量を約2 mLまで減少させ、溶液を5%水性チオ硫酸ナトリウム(30 mL)へ注いだ。結果として生じた混合物をEtOAc(2 x 30 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、橙色の油を生じた。その油を50% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.62の144 mg(62%)を生じた。
【0123】
2,3,5,6-テトラクロロ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.74)
  2,3,5,6-テトラクロロ-1-(2,3-ジデオキシ-2,3-ジデヒドロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.72、0.30 g、0.85 mmol)を、N-メチルモルホリン-N-オキシド(0.25 g、2.1 mmol)およびt-BuOH(1.0 mL、0.10 mmol)中の2.5%四酸化オスミウム溶液が添加されたアセトン(12 mL)および水(3 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2時間、撹拌した。その後、追加のN-メチルモルホリン-N-オキシド(0.25 g、2.1 mmol)を添加し、溶液を室温でさらに16時間、撹拌した。その後、溶媒容量を約5 mLまで減少させ、溶液を5%水性チオ硫酸ナトリウム(125 mL)へ注いだ。結果として生じた混合物をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(50 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、湿った黄色の固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、黄色固体を生じ、それを50% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色粉末として4.74の0.60 g(48%)を生じた。
【0124】
2,5,6-トリクロロ-3-ヨード-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.75)
  2,5,6-トリクロロ-3-ヨード-1-(2,3-ジデオキシ-2,3-ジデヒドロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.73、0.77 g、1.7 mmol)を、N-メチルモルホリン-N-オキシド(0.51 g、4.3 mmol)およびt-BuOH(1.7 mL、0.17 mmol)中の2.5%四酸化オスミウム溶液が添加されたアセトン(24 mL)および水(3 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2時間、撹拌した。その後、追加のN-メチルモルホリン-N-オキシド(0.51 g、4.3 mmol)を添加し、溶液を室温でさらに16時間、撹拌した。その後、溶媒容量を約5 mLまで減少させ、溶液を5%水性チオ硫酸ナトリウム(125 mL)へ注いだ。結果として生じた混合物をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(50 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、湿った黄色の固体を生じた。粗物質をMeOH(2 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(50 x 450 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、黄色固体を生じ、それを50% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.75の0.60 g(72%)を生じた。
【0125】
2,5,6-トリクロロ-3-(2-フリル)-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.78)
  2,5,6-トリクロロ-3-(2-フリル)-1-(3,5-ジ-O-トルオイル-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.76、142 mg、0.22 mmol)を、ナトリウムメトキシド(30 mg、0.56 mmol)が添加された乾性MeOH(10 mL)に懸濁した。懸濁液を、固体が完全に溶解するまで、室温で45分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物を鹹水(50 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、透明な油を生じた。油をCHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それを10% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.78の67 mg(75%)を生じた。
【0126】
2,5,6-トリクロロ-3-(3-チエニル)-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.79)
  2,5,6-トリクロロ-3-(2-チエニル)-1-(3,5-ジ-O-トルオイル-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.77、159 mg、0.24 mmol)を、ナトリウムメトキシド(30 mg、0.56 mmol)が添加された乾性MeOH(12 mL)に懸濁した。懸濁液を、固体が完全に溶解するまで、室温で90分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物を鹹水(50 mL)に懸濁した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、透明な油を生じた。油をCHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それを10% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.79の84 mg(82%)を生じた。
【0127】
2,5,6-トリクロロ-3-(2-フリル)-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.84)
  2,5,6-トリクロロ-3-(2-フリル)-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-メトキシメチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.82、105 mg、0.21 mmol)を、濃厚水性HCl(2 mL)が添加された無水MeOH(10 mL)に溶解した。結果として生じた懸濁液を60℃油浴上で45分間、加熱し、その後、室温まで冷却し、もはやMeOHが残存しなくなるまで蒸発させた。残りの水性懸濁液を鹹水(25 mL)で希釈し、EtOAc(2 x 40 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を10% NaHCO
3(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、薄黒い油を生じた。その油を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす灰色粉末として4.84の63 mg(65%)を生じた。
【0128】
2,5,6-トリクロロ-3-(3-チエニル)-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.85)
  2,5,6-トリクロロ-3-(3-チエニル)-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-メトキシメチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.83、175 mg、0.34 mmol)を、濃厚水性HCl(2 mL)が添加された無水MeOH(10 mL)に溶解した。結果として生じた懸濁液を60℃油浴上で45分間、加熱し、その後、室温まで冷却し、もはやMeOHが残存しなくなるまで蒸発させた。残りの水性懸濁液を鹹水(25 mL)で希釈し、EtOAc(2 x 40 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を10% NaHCO
3(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、橙色の油を生じた。その油を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色残留物を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させて、黄褐色の固体として4.85の110 mg(75%)を生じた。
【0129】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミルメチル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.92)
  2,5,6-トリクロロ-3-[1-(2-メトキシ)ビニル]-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.90、185 mg、0.38 mmol)を、濃厚水性HCl(2 mL)が添加された無水MeOH(10 mL)に溶解した。結果として生じた懸濁液を60℃油浴上で1時間、加熱し、その後、室温まで冷却し、もはやMeOHが残存しなくなるまで蒸発させた。残りの水性懸濁液を鹹水(25 mL)で希釈し、EtOAc(2 x 40 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を10% NaHCO
3(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を生じた。その油を90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、溶液を室温で5分間、撹拌した。溶媒を約1 mLが残存するところまで蒸発させ、残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色粉末を生じた。その固体をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、黄褐色の粉末として4.92の93 mg(62%)を生じた。
【0130】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.97)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.95、139 mg、0.34 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(5 mL)に溶解した。溶液を室温で5分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを5% 水性Na
2CO
3(10 mL)および鹹水(40 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それを沸騰ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.97の86 mg(70%)を生じた。
【0131】
2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.98)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.96、207 mg、0.52 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(5 mL)に溶解した。溶液を室温で5分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを5% 水性Na
2CO
3(10 mL)および鹹水(40 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それを、10% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.98の152 mg(82%)を生じた。
【0132】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.102)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.100、168 mg、0.38 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色の固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それを、沸騰CHCl
3から再結晶させて、うす黄色結晶固体として4.102の117 mg(76%)を生じた。
【0133】
2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.103)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-5-アジド-β-D-リボフラノシル)インドール(4.101、216 mg、0.49 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色の固体を生じ、それを、沸騰CHCl
3から再結晶させて、白色粉末として4.103の165 mg(84%)を生じた。
【0134】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-デオキシ-5-フルオロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.107)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-5-フルオロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.105、133 mg、0.31 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(5 mL)に溶解した。溶液を室温で5分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それを、10% MeOH/CHCl
3およびヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.107の82 mg(68%)を生じた。
【0135】
2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(5-デオキシ-5-フルオロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.108)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-デオキシ-5-フルオロ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.106、133 mg、0.31 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(5 mL)に溶解した。溶液を室温で5分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色の固体を生じ、それを、EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.108の150 mg(88%)を生じた。
【0136】
5,6-ジクロロ-2-メトキシ-3-ホルミル-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.114)
  3-ホルミル-2,5,6-トリクロロ-1-[3,5-ジ-O-(p-トルオイル)-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル]インドール(4.113、198 mg、0.33 mmol)を、ナトリウムメトキシド(75 mg、1.4 mmol)が添加された乾性MeOH(10 mL)に懸濁した。懸濁液を室温で16時間、撹拌し、その時間の後、溶液は透明になった。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物を水(50 mL)に懸濁し、EtOAc(2 x 100 mL)で抽出した。混合性有機抽出物を鹹水(25 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、湿った固体を生じた。粗物質をMeOH(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じた。固体を温MeOHから再結晶させて、白色結晶固体として4.114の82 mg(68%)を生じた。
【0137】
2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.117)
  2,5,6-トリクロロ-3-アセチル-1-[3,5-ジ-O-(p-トルオイル)-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル]インドール(4.116、0.62 g、1.0 mmol)を、ナトリウムメトキシド(220 mg、4.1 mmol)が添加された乾性MeOH(50 mL)に懸濁した。懸濁液を室温で16時間、撹拌し、その時間の後、溶液は最初に透明になり、その後、沈澱物が形成した。懸濁液を4℃で4時間、静置させておき、その後、濾過し、その固体を冷MeOH(10 mL)ですすいだ。その固体を温MeOHから再結晶させ、白色結晶固体として4.117の0.28 g(74%)を生じた。
【0138】
2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.119)および5,6-ジクロロ-2-メトキシ-3-シアノ-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.120)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-[3,5-ジ-O-(p-トルオイル)-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル]インドール(4.118、366 mg、0.63 mmol)を、ナトリウムメトキシド(82 mg、1.5 mmol)が添加された乾性MeOH(30 mL)に懸濁した。懸濁液を室温で16時間、撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去し、残留物を鹹水(100 mL)および水(10 mL)に懸濁した。水性混合物をEtOAc(2 x 100 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粘性残留物を生じた。残留物をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じた。その固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。より迅速に流出した物質を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.120の47 mg(21%)を生じた。より遅く溶出した物質を含む画分をプールし、蒸発させて、白色粉末として4.119の120 mg(53%)を生じた。4.120:
【0139】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.122)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.121、540 mg、1.2 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で5分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10% 水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色粉末を生じ、それをEtOAc/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.122の420 mg(86%)を生じた。
【0140】
2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.124)
  2,5,6-トリクロロ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.123、2.45 g、5.3 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(25 mL)に溶解し、室温で2分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10% 水性NaHCO
3(100 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をDMF(1 mL)に溶解し、7.5% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(50 x 450 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それをCHCl
3/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶固体として4.124の1.85 g(83%)を生じた。
【0141】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-O-プロピオニル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.128)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-プロピオニル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.125、169 mg、0.35 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で2分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10% 水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それを沸騰EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、うす黄色の結晶固体として4.128の112 mg(72%)を生じた。
【0142】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-O-ブチリル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.129)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-ブチリル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.126、164 mg、0.33 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で2分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10% 水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それを沸騰EtOAc/ヘキサンから再結晶させて、うす黄色の結晶固体として4.129の111 mg(74%)を生じた。
【0143】
2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(5-O-メトキシカルボニル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.130)
  2,5,6-トリクロロ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-メトキシカルボニル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.127、191 mg、0.40 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、室温で2分間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留物をEtOAc(100 mL)に溶解した。有機溶液を10% 水性NaHCO
3(50 mL)で洗浄し、その後、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体を10% MeOH/CHCl
3(1 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させて、うす黄色の結晶固体として4.130の126 mg(72%)を生じた。
【0144】
5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-ホルミル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.136)
  5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-ホルミル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.135、257 mg、0.51 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(10 mL)に溶解し、その溶液を室温で5分間、撹拌した。溶媒を、約1 mLが残存するところまで蒸発させ、残りを10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色粉末を生じた。その固体をDMF(0.5 mL)に溶解し、10% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それをEtOAcおよびヘキサンから再結晶させて、白色の結晶固体として4.136の220 mg(93%)を生じた。
【0145】
5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-ホルミル-1-(β-D-リボフラノシル)インドール(4.137)
  5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-ホルミル-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.136、101 mg、0.22 mmol)を、ナトリウムメトキシド(25 mg、0.46 mmol)が添加された乾性MeOH(10 mL)に溶解した。その溶液を、出発物質が消費されるまで(TLC)、室温で15分間、撹拌した。水(30 mL)を添加し、溶液を、MeOHが完全に除去されるまで、蒸発させた。残留の水性懸濁液をEtOAc(3 x 30 mL)で抽出し、混合性有機抽出物を鹹水(20 mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色の固体を生じた。その固体をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、白色の固体を生じ、それをMeOHおよびH
2Oから再結晶させて、うす黄褐色の粉末として4.137の43 mg(47%)を生じた。
【0146】
5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-シアノ-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.139)
  5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-シアノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.138、184 mg、0.36 mmol)を、90% 水性トリフルオロ酢酸(5 mL)に溶解した。結果として生じた溶液を室温で2分間、撹拌し、その後、約1 mLまで蒸発させた。残りの溶液を10% 水性NaHCO
3(50 mL)へ注いだ。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、白色の固体を生じた。その固体を沸騰EtOAcおよびヘキサンから再結晶させて、白色の結晶固体として4.139の149 mg(88%)を生じた。
【0147】
5,6-ジクロロ-2-ブロモ-1-(β-D-リボフラノシル)インドール-3-カルボキサミドオキシム(4.140)
  無水MeOH中のヒドロキシルアミンの溶液を、水酸化カリウム(1.83 g、33 mmol)を無水MeOH(20 mL)に溶解されたヒドロキシルアミン塩酸塩(2.50 g、36 mmol)へ添加し、10分間、撹拌することにより、調製した。結果として生じた固体を濾過し、冷無水MeOH(10 mL)ですすぎ、その濾液をさらに精製することなく、用いた。5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-シアノ-1-(5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)インドール(4.139、133 mg、0.29 mmol)をMeOH中のヒドロキシルアミンの粗溶液に溶解し、室温で4日間、撹拌した。その後、溶媒を真空下で除去し、残留固体を鹹水(40 mL)に溶解した。水性懸濁液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、混合性有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。その固体をMeOH(1 mL)に溶解し、20% MeOH/CHCl
3でのシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じた。固体をMeOH(1 mL)に溶解し、75% MeOH/H
2OでのC18逆相シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(40 x 350 mm)にかけた。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、うす黄色の固体を生じ、それをMeOH/H
2Oから再結晶させて、うす黄色の粉末として4.140の54 mg(41%)を生じた。
【0148】
5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-アセチル-1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)インドール(4.143)
  5,6-ジクロロ-2-ブロモ-3-アセチル-1-[3,5-ジ-O-(p-トルオイル)-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル]インドール(4.142、1.24 g、1.7 mmol)を、ナトリウムメトキシド(250 mg、4.6 mmol)が添加された無水MeOH(75 mL)に懸濁した。懸濁液を室温で2時間、撹拌し、その時間の後、溶液は最初に透明になり、その後、沈澱物が形成した。水(100 mL)を添加し、懸濁液を、もはやMeOHが残存しなくなるまで蒸発させた。残りの固体を濾過し、MeOH/H
2Oから2回、再結晶させて、白色の結晶固体として4.143の475 mg(68%)を生じた。
【0149】
B. 生物学的評価
細胞培養手順
  KB、BSC-1およびHFF細胞の日常的増殖および継代を、10%子ウシ血清または10%ウシ胎児血清(HFF細胞)を追加したハンクス塩[MEM(H)]かまたはアール塩[MEM(E)]のいずれかを含む最小必須培地(MEM)を用いて単層培養において行った。重炭酸ナトリウム濃度を、必要とされる緩衝能に応じるように変化させた。細胞は、HEPES緩衝食塩溶液における0.02%EDTAを加えた0.05%トリプシンを用いることによる通常の手順に従って1:2〜1:10の希釈度で継代させた
30。
【0150】
ウイルス学的手順
  HCMVのTowne株、プラーク精製分離株P
0、は親切にも、Mark Stinski博士、University of Iowa、により提供された。HSV-1のKOS株は、たいていの実験に用いられ、Sandra K. Weller博士、University of Connecticut、により提供された。ストックHCMVは、以前に詳述されているように(参照により本明細書に組み入れられている、Turk, et al., Agents Chemother. 1987, 31, 544-550)、細胞あたり<0.01プラーク形成単位の感染の多重度(m.o.i.)でHFF細胞を感染させることにより調製された。高力価HSV-1ストックは、また以前に詳述されているように(Truk et al.参照)、<0.1のm.o.i.でKB細胞を感染させることにより調製された。ウイルス力価は、以前に記載されているように(参照により本明細書に組み入れられている、Prichard, et al., J. Virol. Methods 1990, 28, 101-106)、HCMVについてHFF細胞の単層培養およびHSV-1についてBSC-1細胞の単層培養を用いて測定された。簡単には、HFFまたはBSC-1細胞を96ウェルのクラスター皿に上記のように蒔き、37℃で一晩、インキュベートした。次の日、培養物にHCMVまたはHSV-1を接種し、96ウェルのプレートの残りの11列に渡って1:3段階希釈した。ウイルス吸着後、種菌を新鮮培地に交換し、培養物を、HCMVについて7日間、HSV-1について2、3日間、インキュベートした。プラークを、ウェルあたり5個〜20個のプラークを与える希釈度を有するウェルにおいて20倍率下で数えた。ウイルス力価は、以下の式に従って計算された:力価(p.f.u./mL)=プラークの数×5×3
n;nは、プラークが数えられたウェルを感染させるために用いられたウイルスの第n番目の希釈を表す。
【0151】
HCMVプラーク減少アッセイ法
  24ウェルのクラスター皿におけるHFF細胞を、上で詳述された手順を用いて1 cm
2細胞シートあたり約100 p.f.u.のHCMVで感染させた。ウイルス吸着後、DMSOにおいて10 mg/mLの原液として調製された化合物を、増殖培地で希釈し、4〜8つの選択された濃度における二連のウェルへ添加した。37℃で7〜10日間のインキュベーション後、細胞シートを固定し、クリスタルバイオレットで染色し、顕微鏡的プラークを上記のように数えた。薬物効果は、薬物の非存在下で観察された数と比較した各薬物濃度の存在下におけるプラークの数における減少のパーセンテージとして計算された。
【0152】
HSV-1 ELISA
  HSV-1を検出するためにELISAを用いた(参照により本明細書に組み入れられている、Prichard, et al., Antiviral Res. 1990, 14, 181-206)。96ウェルのクラスター皿に、10% 子ウシ血清を加えたMEM(E)のウェルあたり200 μLにおいて、ウェルあたり10,000個のBSC-1細胞を蒔いた。37℃での一晩のインキュベーション後、4連での選択された薬物濃度および100 p.f.u./ウェルの濃度でのHSV-1を添加した。37℃での3日間のインキュベーション後、培地を除去し、プレートをブロックして、すすぎ、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合型ウサギ抗HSV-1抗体を添加した。溶液を含む抗体の除去後、プレートをすすぎ、その後、基質としてのテトラメチルベンジジンの溶液のウェルあたり150 μLを添加することにより発色させた。反応をH
2SO
4で停止させ、吸光度を450 nmおよび570 nmにおいて読み取った。薬物効果は、薬物の非存在下におけるウイルスで得られた吸光度と比較した各薬物濃度の存在下における吸光度における低下のパーセンテージとして計算された。
【0153】
細胞毒性アッセイ法
  2つの異なるアッセイ法を日常的細胞毒性試験のために用いた。(i)定常期HFF細胞において生じる細胞毒性が、プラークアッセイ法に用いられたウイルスにより冒されていない細胞の顕微鏡的検査により測定された(参照により本明細書に組み入れられている、Turk, et al., Agents Chemother. 1987, 31, 544-550)。(ii)KB細胞の2つの集団倍加中の化合物の効果が、以前に記載されているように、クリスタルバイオレット染色および染色された細胞から溶出された色素の分光光度定量により測定された(参照により本明細書に組み入れられている、Prichard, et al., Antiviral Res. 1991, 35, 1060-1065)。簡単には、96ウェルのクラスター皿に、ウェルあたり3000〜5000個の細胞でのKB細胞を蒔いた。37℃での一晩のインキュベーション後、試験化合物を6〜8つの濃度で4連において添加した。プレートをCO
2インキュベーターにおいて37℃で48時間、インキュベートし、すすぎ、95% エタノールで固定し、0.1% クリスタルバイオレットで染色した。酸性化エタノールを添加し、プレートを、96ウェルELISAアッセイプレートを読み取るように設計された分光光度計において570 nmで読み取った。
【0154】
データ解析
  用量反応相関が、log
10の薬物濃度に対する上記のアッセイ法において導かれたパラメーターの阻害パーセントの直線回帰により薬物効果を定量化するために用いられた。50パーセント阻害濃度(IC
50の)は、回帰線の直線部分から計算された。陽性対照(HSV-1についてのアシクロビル、HCMVについてのGCV、および細胞毒性についての2-アセチルピリジンチオセミカルバゾン)を含む試料は、すべてのアッセイにおいて用いられた。
【0155】
  上記明細書に挙げられたすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられている。本発明の記載された方法および系の様々な改変および変化は、本発明の範囲および真意から逸脱することなく、当業者にとって明らかであると思われる。本発明は、特定の好ましい態様に関して記載されているが、主張されている本発明がそのような特定の態様に不当に限定されるべきではないことは、理解されるべきである。実際、関連した分野の業者にとって明らかである本発明を実行するための記載された様式の様々な改変は、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。