【実施例1】
【0019】
以下、本発明の好適な実施例を
図1の(a)、(b)乃至
図4の(a)、(b)を参照して説明する。まず、本実施例に係る加熱式サイドプレートにおける熱風ダクトの構成を説明する。本実施例は、サイドプレートが、スクリードの両側部に固定された固定式サイドプレートと、この固定式サイドフレームにヒンジピンで回動自在に支持された開閉式サイドプレートとで構成されている場合において加熱式の前記固定式サイドフレームに適用されている。以下、本明細書では、この固定式サイドフレームを単にサイドフレームと言う。
【0020】
図1の(a)、(b)において、アスファルトフィニッシャの機械本体に連結牽引されてアスファルト合材を敷き均すスクリード1の両側部にそれぞれサイドプレート2が設けられている。
図1の(a)、(b)では、アスファルトフィニッシャのA矢印で示す走行方向の右方に位置するサイドプレート2だけが示されている。サイドプレート2は、前・後部の全ねじボルト3a,3bを交互に回動操作することで高さ及び前後方向の傾き(アタック角)が所要量調整可能となっている。
【0021】
図1(b)及び
図2(a)に示すように、前記スクリード1の下端部にはスクリードプレート4を一壁面とするスクリード側熱風通路5が形成されている。該スクリード側熱風通路5を図示しないブロアバーナからの熱風がスクリードプレート4を加熱しつつサイドプレート2側に流れる。スクリード1におけるスクリード側熱風通路5の終端部上方位置には、該スクリード側熱風通路5を流れた熱風を、さらにサイドプレート側熱風通路6に流し込むための連通開口7が形成されている。サイドプレート側熱風通路6は、サイドプレート2における仕切板8の下面及びサイドプレート2下端の平板部9の上面を壁面として形成され、その終端部には熱風排出口10が開口されている。
【0022】
図1(a)に示すように、前記連通開口7は、リアスクリードフレーム11下方に相当するスクリード1側位置に形成され、該リアスクリードフレーム11下方のサイドプレートブラケット12部分に、スクリード側熱風通路5とサイドプレート側熱風通路6間を連結する熱風ダクト13がサイドプレート2の上下方向の調整操作に連動して上下にスライド可能に設けられている。
【0023】
図2の(a)、(b)に示すように、熱風ダクト13は平面視がほぼコ字状に形成され、前記連通開口7に対向する面側がほぼ全高にわたって開放部13aとなっている。このため、熱風ダクト13は前記スクリード側熱風通路5に通じる連通開口7に常時連通する状態でサイドプレート2の上下方向の調整操作に連動してサイドプレートブラケット12内を上下にスライドする。
【0024】
前記熱風ダクト13のダクト面積(コ字状面積)は、仕切板8に開口された熱風取込口8aの開口面積よりも僅かに大きく形成されている。このため、熱風ダクト13の下端は仕切板8の上面に係止されている。また、熱風ダクト13の下端には爪13bが形成されており、該爪13bが仕切板8の裏面側に回り込んで該仕切板8の裏面に係止されている。該仕切板8は、サイドプレート2の上下方向の調整操作時に、該サイドプレート2と共に上下に動くことから、熱風ダクト13はサイドプレート2の上下方向の調整操作、即ち仕切板8の上下方向の動きに連動してサイドプレートブラケット12内を上下にスライドする。
【0025】
次に、上述のように構成された加熱式サイドプレートにおける熱風ダクトの可変方法及び作用を説明する。
<サイドプレートが上げ操作された場合>
サイドプレートがスクリードに対し所要量上がるように調整操作された場合を
図3の(a)、(b)を用いて説明する。未舗装面のへりに設置される図示しない盤木が有る場合、サイドプレート2はスクリード1下端より若干程度上げられる。このサイドプレート2を所要量上げる調整操作時に熱風ダクト13がスクリード側熱風通路5に通じる連通開口7に常時連通する状態で上方に所要量スライドし、該熱風ダクト13の実質的な高さ、即ち仕切板8から連通開口7位置までの高さが小になるように可変される。そして熱風ダクト13の実質的な高さが小になるように可変されても、スクリード側熱風通路5の熱気が連通開口7から熱風ダクト13を通ってサイドプレート側熱風通路6に導かれ、サイドプレート2がアスファルト合材の流動化温度以上に加熱される。
<サイドプレートが下げ操作された場合>
サイドプレートがスクリードに対し所要量下がるように調整操作された場合を
図4の(a)、(b)を用いて説明する。未舗装面のへりに設置される図示しない盤木が無い場合、サイドプレート2はスクリード1下端より5cm(アスファルト合材厚さ5cm)程度下げられる。このサイドプレート2を所要量下げる調整操作時に熱風ダクト13がスクリード側熱風通路5に通じる連通開口7に常時連通する状態で下方に所要量スライドし、該熱風ダクト13の実質的な高さ、即ち仕切板8から連通開口7位置までの高さが大になるように可変される。そして熱風ダクト13の実質的な高さが大になるように可変されても、スクリード側熱風通路5の熱気が連通開口7から熱風ダクト13を通ってサイドプレート側熱風通路6に導かれ、サイドプレート2がアスファルト合材の流動化温度以上に加熱される。
【0026】
上述したように、本実施例に係る加熱式サイドプレートにおける熱風ダクトの可変方法においては、サイドプレート2がスクリード1に対し上下に調整されても、この調整操作に連動して熱風ダクト13がスクリード側熱風通路5に通じる連通開口7に常時連通する状態で上下にスライドすることで、スクリード側熱風通路5とサイドプレート側熱風通路6間の熱風の通路が常に確保されてスクリード1におけるスクリードプレート4と共にサイドプレート2を確実に加熱することができる。
【0027】
スクリード側熱風通路5とサイドプレート側熱風通路6とを連結する連結部材を、サイドプレート2の上下の調整操作に対し、湾曲することでこれに対応するフレキシブルパイプ等ではなく、上下にスライドすることでこれに対応する熱風ダクト13を用いたことで、連結部材の配置スペースを格別広くとることが不要となり、特にサイドプレート2の厚みを厚くすることが不要になる。
【0028】
熱風ダクト13の下端がサイドプレート側熱風通路6の一壁面を形成する仕切板8に係止され、熱風ダクト13は仕切板8の上下方向の動きに連動してサイドプレートブラケット12内を上下にスライドする。したがって、熱風ダクト13のスライドスペースを特に設定する必要がなく、サイドプレート2の厚みを格別厚くすることが不要になる。
【0029】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。