特許第5656874号(P5656874)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5656874PDE9阻害剤として使用されるアミノヘテロ環化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656874
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】PDE9阻害剤として使用されるアミノヘテロ環化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20141225BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   C07D487/04 143
   C07D487/04CSP
   A61K31/519
   A61P43/00 111
   A61P25/28
【請求項の数】19
【全頁数】109
(21)【出願番号】特願2011-547011(P2011-547011)
(86)(22)【出願日】2010年1月13日
(65)【公表番号】特表2012-515761(P2012-515761A)
(43)【公表日】2012年7月12日
(86)【国際出願番号】IB2010050133
(87)【国際公開番号】WO2010084438
(87)【国際公開日】20100729
【審査請求日】2012年12月25日
(31)【優先権主張番号】61/206,092
(32)【優先日】2009年1月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100131934
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 宏次
(74)【代理人】
【識別番号】100137040
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル マリー クラフィー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョン ヘラル
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ロバート バーホスト
【審査官】 爾見 武志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−516000(JP,A)
【文献】 特表2011−516454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
CA/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
または薬学的に許容できるその塩[式中、

ii)(C〜C)アルキル、
(iii)(C〜C)アルケニル、
(iv)(C〜C)アルキニル、
(v)(C〜C)アルコキシ、
(vi)(C〜C)ハロアルキル、
(vii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、(C〜C)シクロアルキル、
(viii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4〜10員ヘテロシクロアルキル、
(ix)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、および
(x)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリール
からなる群から選択され、
は、水素であり
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および(C〜C)ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1または2であり、
Aは、−CR−または−CHR−CHR−であり、
は、
(i)水素、
(ii)(C〜C)アルキル、
(iii)(C〜C)シクロアルキル、
(iv)4〜10員ヘテロシクロアルキル、
(v)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、
(vi)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリール、および
(vii)LR(式中、
Lは、−CH−、−NR−、および−O−からなる群から選択され、
は、アリール、ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、または(C〜C)アルコキシであり、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
は、水素、メチル、またはエチルである)
からなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成しており、
は、(C〜C)アルコキシまたはR−O−C(O)−(式中、Rは、(C〜C)アルキルである)であり、
は、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルであり、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成している]。
【請求項2】
が、
(i)(C〜C)アルキル、
(ii)(C〜C)シクロアルキル、
(iii)(C〜C)ハロアルキル、
(iv)置換されていてもよい4〜10員ヘテロシクロアルキル、
(v)置換されていてもよいアリール、および
(vi)置換されていてもよいヘテロアリール
からなる群から選択され
が、
(i)水素、
(ii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、
(iii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリール、および
(iv)LR(式中、
Lは、−CH−、−NR−、および−O−からなる群から選択され、
は、アリールまたはヘテロアリールであり、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい)
からなる群から選択され、
が、水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、環式ケトンを形成しており、
が、ハロ、(C〜C)アルキル、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールであり、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成している、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項3】
が、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、またはフェニルであり
が、イソプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロピラニルからなる群から選択され、
Aが−CR−であり、
Lが−CH−または−O−である、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項4】
が、メチル、エチル、シクロプロピル、またはフェニルであり、
が、水素、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニルからなる群から選択され、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)シクロアルキル、カルバモイル、およびLRからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
が、水素、メチル、ヒドロキシ、およびハロからなる群から選択され、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、ベンゾピラノンを形成しており、
が、フェニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フタラジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、イソキノリニル、キノリニル、ベンゾフラニルであり、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、およびシアノからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項3に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項5】
が、メチルまたはエチルであり、
nが1であり、
が、シクロペンチルまたはテトラヒドロ−2H−ピラニルであり、
が、ピリミジニルまたはLRであり、
が、水素、メチル、ヒドロキシ、またはフルオロであり、
Lが−O−であり、
が、置換されていてもよいフェニルである、請求項4に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項6】
が、メチル、エチル、シクロプロピル、またはフェニルであり
が、イソプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルからなる群から選択され、
nが1であり、
Aが−CHR−CHR−であり、
が、メトキシまたはR−O−C(O)−(式中、Rはメチルである)であり、
が、ハロで置換されていてもよいフェニルであり、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、ハロで置換されていてもよいジヒドロキノロンを形成している、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項7】
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリジン−4−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリジン−3−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−5−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリダジン−3−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−5−イルメチル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−4−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(2−メチルピリミジン−4−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−キノリン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3R)−3−(ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3S)−3−(ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−{3−[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]アゼチジン−1−イル}エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−2−イルピロリジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(5−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(4−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(3−フルオロベンジル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
(3aR,9bR)−2−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]−1,2,3,3a,5,9b−ヘキサヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(6−ブロモピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
(3aR,9bR)−8−クロロ−2−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]−1,2,3,3a,5,9b−ヘキサヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]キノリン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(2,3−ジメトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
4−({1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]アゼチジン−3−イル}オキシ)ベンゾニトリル;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(3−メチルフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(3−メトキシフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(3−メトキシフェニル)−3−メチルピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(2−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(2−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(3−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリジン−4−イルピロリジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3R)−3−(2−メチルフェノキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(3−クロロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1S)−1−[(3R)−3−(2−クロロフェノキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリジン−3−イルオキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(2,5−ジクロロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
4−{1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]ピロリジン−3−イル}−N,N−ジメチルベンズアミド;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(2,5−ジメトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3R)−3−(2−メトキシフェノキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ベンジルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
N−シクロブチル−3−{1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]ピロリジン−3−イル}ベンズアミド;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(3,4−ジフルオロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(4−クロロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(4−メトキシフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3S)−3−(2−メトキシフェノキシ)ピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
2−({(3R)−1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]ピロリジン−3−イル}オキシ)ベンゾニトリル;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−{3−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アゼチジン−1−イル}エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
メチル(3R,4S)−1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボキシレート;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[(3S,4R)−3−メトキシ−4−フェニルピロリジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−{3−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アゼチジン−1−イル}エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(2−クロロ−5−フルオロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1R)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチル]スピロ[アゼチジン−3,2’−クロメン]−4’(3’H)−オン;
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項8】
6−{(1R)−1−[3−(4−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[シクロプロピル(3−フェノキシアゼチジン−1−イル)メチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
2−フルオロ−5−[(1−{1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチル}アゼチジン−3−イル)オキシ]ベンゾニトリル;
6−[(1R)−1−(3−キノリン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(5−クロロピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピラジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリジン−4−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリジン−3−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−5−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリダジン−3−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(2−メチルピリミジン−4−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(3−フルオロベンジル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−フェノキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]プロピル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−[(1R)−1−(3−ピリジン−2−イルアゼチジン−1−イル)プロピル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(5−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]プロピル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(5−クロロピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]プロピル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−2−イルメチル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(5−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
6−{(1R)−1−[3−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;および
6−{(1R)−1−[3−(4−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項9】
1−シクロブチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、および
1−イソプロピル−6−[1−(3−フェノキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項10】
下式の化合物
【化2】
または薬学的に許容できるその塩。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる媒体、担体、または希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
第二の医薬剤をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記第二の医薬剤が、ディメボン、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン、およびタクリンからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
神経変性疾患を治療するための、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記疾患がアルツハイマー病である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
神経修復を促進するための、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
脳の損傷を患う哺乳動物において機能回復を促進するための、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
認知障害を治療するための、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
認知力を強化するための、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、9型ホスホジエステラーゼ(「PDE9」)の選択的阻害剤である一連の新規化合物に関する。より詳細には、本発明は、神経変性疾患ならびにPDE9のモジュレーションにより影響を受ける他の疾患および障害の治療および予防に使用するためのピラゾロ[3,4−d]ピリミジノン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
環状ヌクレオチドである環状グアノシン一リン酸(cGMP)および環状アデノシン一リン酸(cAMP)は、重要なセカンドメッセンジャーであり、様々な臓器において、生理学的および病態生理学的な多数の細胞事象の制御および調節の中心的役割を果たす。
【0003】
環状GMPは、一酸化窒素(NO)によって活性化されるグアニリルシクラーゼ(GC)による触媒反応によって、GTPから生成される。そして環状GMPは、cGMP依存性プロテインキナーゼ(cGK)を活性化し、それによって局所的および全体的なシグナル伝達が媒介される。イオンチャネルのコンダクタンス、グリコーゲン分解、細胞のアポトーシス、および平滑筋弛緩を含めた、心臓血管系、神経系、および免疫系における様々な生理的プロセスが、NO/cGMP経路によって制御される。血管では、血管平滑筋が弛緩することで、血管が拡張し、血流が増加する。
【0004】
ホスホジエステラーゼ(PDE)酵素ファミリーは、cGMPおよびcAMPを加水分解する。PDE9酵素は、cAMPよりもcGMPを選択的に加水分解するPDE酵素ファミリーの新しい一員として同定されている。Fisherら、J.Biol.Chem.、273(25)、15559〜15564(1998)を参照されたい。PDE9は、様々なヒト組織、すなわち、精巣、脳、小腸、骨格筋、心臓、肺、胸腺、および脾臓に加え、様々な組織のヒト脈管構造内の平滑筋細胞に存在することがわかっている。
【0005】
最近の研究では、アルツハイマー病におけるNO/cGMP/cGKシグナル伝達の機能不全の関与が直接示されている。たとえば、学習と記憶の生理学的な相関現象である長期増強(LTP)の、アミロイドβペプチドによる混乱は、NO/cGMPシグナル伝達の不調の結果として生じることがわかっている。Puzzoら、J.Neurosci.、25(29):6887〜6897(2005)。さらに、(アルツハイマー病と関連する)前脳アセチルコリンエステラーゼの枯渇により記憶課題に欠陥を示すラットでは、一酸化窒素模倣物の投与によって、GC活性が増大し、記憶課題における失認を後退させた。Bennettら、Neuropsychopharmacology、32:505〜513(2007)。したがって、GC/NO/cGMP/cGKシグナル伝達カスケードを強化することができる治療薬は、アルツハイマー病および他の神経変性障害の治療への新たな手法として有用となり得ると考えられる。
【0006】
PDE9阻害剤は、PDE9によるcGMPの加水分解を軽減または防止することにより、cGMPの細胞内レベルを上昇させ、したがってその効果を強化または延長する。ラットにおいてcGMP濃度が増大すると、社会認識テストおよび物体認識テストにおいて学習および記憶が向上することがわかっている。たとえば、Boessら、Neuropharmacology、47:1081〜1092(2004)を参照されたい。PDE9の阻害は、LTPを増大させることがわかっている。Hendrix、BMC Pharmacol.、5(増刊1):55(2005)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、PDE9の阻害によって調節または正常化することができる状態の治療に有効なPDE9阻害剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物
【0009】
【化1】
(式中、R、R、R、Aおよびnは、本明細書で規定するとおりである)および薬学的に許容できるその塩を対象とする。
【0010】
本発明はまた、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる媒体、担体、または希釈剤とを含有し、場合により第二の医薬剤をさらに含む医薬組成物を対象とする。
【0011】
本発明はさらに、そのような阻害が必要である哺乳動物においてPDE9を阻害する方法であって、その哺乳動物に、PDE9を阻害する量のa)式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、またはb)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる媒体、担体、もしくは希釈剤とを含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0012】
本発明はさらに、そのような治療が必要である哺乳動物において神経変性疾患を治療する方法であって、その哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0013】
本発明はさらに、そのような神経修復が必要である哺乳動物において神経修復を促進する方法であって、その哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0014】
本発明はさらにまた、脳の損傷を患う哺乳動物において機能回復を促進する方法であって、その哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0015】
本発明はさらにまた、そのような改善または治療が必要である哺乳動物において、失認を改善し、認知障害を治療する方法であって、その哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0016】
本発明はさらにまた、そのような強化が必要である哺乳動物において認知力を強化する方法であって、その哺乳動物に、認知力を強化する量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0017】
前述の事項、ならびに以下で明らかとなるであろう本発明の他の利点および特長と共に、本発明の性質は、以下の本発明の詳細な説明および付属の特許請求の範囲を参照することによって、より明確に理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、式(I)の新規な選択的PDE9阻害剤
【0019】
【化2】
および薬学的に許容できるその塩を包含する[式中、
は、(i)水素、(ii)(C〜C)アルキル、(iii)(C〜C)アルケニル、(iv)(C〜C)アルキニル、(v)(C〜C)アルコキシ、(vi)(C〜C)ハロアルキル、(vii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、(C〜C)シクロアルキル、(viii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4〜10員ヘテロシクロアルキル、(ix)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、および(x)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、シアノ、および(C〜C)シクロアルキルからなる群から選択され、
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および(C〜C)ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1または2であり、
Aは、−CR−または−CHR−CHR−であり、
は、(i)水素、(ii)(C〜C)アルキル、(iii)(C〜C)シクロアルキル、(iv)4〜10員ヘテロシクロアルキル、(v)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、(vi)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリール、および(vii)LR(式中、
Lは、−CH−、−NR−、および−O−からなる群から選択され、
は、アリール、ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、または(C〜C)アルコキシであり、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
は、水素、メチル、またはエチルである)
からなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成しており、
は、(C〜C)アルコキシまたはR−O−C(O)−(式中、Rは、(C〜C)アルキルである)であり、
は、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルであり、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成している]。
【0020】
式Iの化合物の一実施形態では、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)ハロアルキル、置換されていてもよい4〜10員ヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択される。
【0021】
別の実施形態では、Rは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、シアノ、およびシクロプロピルからなる群から選択される。
【0022】
別の実施形態では、Rは、(i)水素、(ii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、アリール、(iii)(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリール、および(iv)LR(式中、Lは、−CH−、−NR−、および−O−からなる群から選択され、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、これらはそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)ハロアルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、シアノ、カルボキシ、およびカルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択される。
【0023】
別の実施形態では、Rは、上述のとおりであり、Rは、水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および(C〜C)アルキルからなる群から選択され、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、環式ケトンを形成している。
【0024】
別の実施形態では、Rは、上述のとおりであり、Rは、ハロ、(C〜C)アルキル、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールであり、またはRおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、オキソ基が組み込まれていてもよく、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)ハロアルキルで置換されていてもよいシクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を形成している。
【0025】
式Iの化合物の別の実施形態として、Rが(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、またはフェニルであり、Rが水素であり、Rが、イソプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロピラニルからなる群から選択され、Aが−CR−であり、Lが−CH−または−O−である化合物が挙げられる。
【0026】
他の詳細な実施形態では、本発明はまた、本出願の実施例の部の実施例1〜175に記載の化合物および薬学的に許容できるそれらの塩に関する。
【0027】
本発明の化合物は、驚くべきことに、PDE9の選択的な阻害を含めた薬理活性を示すことがわかり、このことから、この化合物は、PDE9の阻害によって調節または正常化することができる状態の治療、予防、および/または管理に適するものである。
【0028】
本発明の化合物および中間体は、IUPAC(国際純正・応用化学連合)またはCAS(Chemical Abstracts Service、オハイオ州コロンバス)命名法系統のいずれかに従って命名されている。
【0029】
定義
本明細書で使用する特定の用語は、一般に以下のとおりに定義する。
本明細書の様々な炭化水素含有部分の炭素原子含量は、その部分における炭素原子の最小数および最大数を意味する接頭辞によって表示する場合がある。したがって、たとえば、(C〜C)アルキルとは、炭素原子1個〜6個(1と6を含める)のアルキル基を指す。
【0030】
用語「アルコキシ」とは、直鎖状または分枝状の一価の飽和脂肪族炭化水素基が、コア構造に結合している酸素原子に結合したものを指す。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシなどが挙げられる。
【0031】
用語「アルキル」とは、直鎖状または分枝状の一価の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。
【0032】
用語「アルケニル」とは、1つまたは複数の二重結合を有する部分的に不飽和の直鎖状または分枝状脂肪族炭化水素基を意味する。アルケニル基の例として、エテニル(「ビニル」としても知られる)、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、n−ペンテニルなどが挙げられる。用語「アルケニル」は、「シス」および「トランス」の配向、または別法では「Z」および「E」の配向を有する基を包含する。
【0033】
用語「アルキニル」とは、1つまたは複数の三重結合を有する部分的に不飽和の直鎖状または分枝状脂肪族炭化水素基を意味する。アルキニル基の例として、1−プロピニル、2−プロピニル(「プロパルギル」としても知られる)、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルなどが挙げられる。
【0034】
用語「アリール」とは、単環式または多環式の芳香環系、たとえば、アントラセニル、ベンジル、フルオレニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、フェニルなどを意味する。用語「アリール」は、このような環系が部分的に水素化された誘導体、たとえば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルも包含する。
【0035】
用語「アリールオキシ」とは、ベンジルオキシなどの、コア構造に結合している酸素原子に結合したアリール基を意味する。
【0036】
用語「カルバモイル」および「カルバミル」とは、コア構造に結合しているカルボニル基(C=O)に結合したアミノ基(―NR’R’’)を意味する。
【0037】
用語「シクロアルキル」とは、単環式または二環式の飽和シクロアルキル基を意味する。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
【0038】
用語「ハロゲン」および「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素の原子および基を表す。
【0039】
用語「ハロアルキル」とは、少なくとも1個の水素基がハロゲン基で置き換えられているアルキルまたはシクロアルキル置換基を指す。2個以上の水素がハロゲンで置き換えられている場合、ハロゲンは、同じでも異なってもよい。ハロアルキル基の例として、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4−ジフルオロシクロヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1−ブロモエチルなどが挙げられる。
【0040】
用語「ハロアルコキシ」とは、少なくとも1個の水素基がハロゲン基で置き換えられているアルコキシ基を指す。2個以上の水素がハロゲンで置き換えられている場合、ハロゲンは、同じでも異なってもよい。ハロアルコキシ基の例として、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシなどが挙げられる。
【0041】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書では、窒素、酸素、および硫黄などの1個または複数のヘテロ原子を含んでいる不飽和のヘテロ環系を包含する。ヘテロアリール基が2個以上のヘテロ原子を含んでいる場合、ヘテロ原子は、同じでも異なってもよい。ヘテロアリール基は、炭素原子またはヘテロ原子のどちらを介して結合していてもよい。用語「ヘテロアリール」は、このような環系が部分的に水素化された誘導体も包含するものとする。ヘテロアリール基の例として、フラニル(「フリル」としても知られる)、イミダゾリニル、イミダゾリル(「1,3−ジアゾリル」としても知られる)、インドリル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラニル、ピラジニル(「1,4−ジアジニル」としても知られる)、ピラゾリル(「1,2−ジアゾリル」としても知られる)、ピラゾリニル、ピラジル、ピリダジニル(「1,2−ジアジニル」としても知られる)、ピリジル(ピリジニルとしても知られる)、ピリミジニル(「1,3−ジアジニル」および「ピリミジル」としても知られる)、ピロリル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チオフラニル(「チオフェニル」としても知られる)、チオピラニル、トリアジニル、トリアゾリルなどが挙げられる。
【0042】
用語「ヘテロアリール」は、(a)ヘテロシクロアルキル(またはヘテロ環式ケトン)環がアリール環またはヘテロアリール環に縮合している基、または(b)シクロアルキル(または環式ケトン)環がヘテロアリール環に縮合している基を含めて、2個または3個の環が縮合し合っており、少なくとも1つのそうした環が、ヘテロ原子を環原子として含んでいる基も包含する。2縮合環ヘテロアリールの例として、ベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、テトラヒドロベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(「ベンゾチオフェニル」、「チオナフテニル」、および「ベンゾチオフラニル」としても知られる)、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、シンノリニル(「1,2−ベンゾジアジニル」としても知られる)、イミダゾピリジニル(たとえば、イミダゾ[1,2−a]ピリジニルまたはイミダゾ[4,5−c]ピリジニル)、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ナフチリジニル、オキサチオロピロリル、プテリジニル、プタラジニル、プリニル(「イミダゾ[4,5−d]ピリミジニル」としても知られる)、ピラノピロリル、ピラゾロアゼピニル、テトラヒドロピラゾロアゼピニル(たとえば、テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]アゼピニル)、ピラゾロピリジニル、テトラヒドロピラゾロピリジニル(たとえば、テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジニル)、ピラゾロピリミジニル(たとえば、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル)、ピリドピラジニル(たとえば、ピリド[2,3−b]ピラジニル)、ピリドピリジニル、ピロロピラゾリル、ジヒドロピロロピラゾリル(たとえば、ジヒドロピロロ[1,2−b]ピラゾリル)、キナゾリニル(「1,3−ベンゾジアジニル」としても知られる)、キノリニル(「1−ベンゾアジニル」としても知られる)、イソキノリニル(「2−ベンゾアジニル」としても知られる)、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、ジチアナフタレニル、チエノフラニル(たとえば、チエノ[3,2−b]フラニル)などが挙げられる。
【0043】
3縮合環ヘテロアリールの例として、アクリジニル、ジアザアントリル、トリアザフェナントレン、カルバゾリル、カルボリニル、フロシンノリニル、ペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、チアントレニル、キサンテニルなどが挙げられる。
【0044】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、炭素原子の少なくとも1個が、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子で置き換えられている、単環式または多環式の飽和シクロアルキル基を意味する。ヘテロシクルが2個以上のヘテロ原子を含んでいる場合、ヘテロ原子は、同じでも異なってもよい。ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子またはヘテロ原子のどちらを介して結合していてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、4〜10員を有することが好ましい。ヘテロシクロアルキル基の例として、アゼチジニル、ジオキサシクロヘキシル、1,3−ジオキソラニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チアザニルなどが挙げられる。
【0045】
環式基が別の基に結合する方法は、1つに留まらない場合もある。詳細な結合配置の指定がない場合、考えられるすべての配置を企図する。たとえば、用語「ピリジル」は、2−、3−または4−ピリジル(2−、3−または4−ピリジニル)を包含する。
【0046】
用語「哺乳動物」とは、たとえば、イヌ、ネコ、雌牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、およびヒトを含めた動物を意味する。好ましい哺乳動物として、ヒトが挙げられる。
【0047】
用語「オキソ」とは、炭素原子と酸素原子の化合によって生成するカルボニル(C=O)基を意味する。
【0048】
用語「患者」は、ヒトおよび非ヒトの両方の患者を包含する。
【0049】
「薬学的に許容できる」という表現は、明示する担体、媒体、希釈剤、および/または塩が、一般に、製剤を構成する他の成分と化学的および/または物理的に適合し、またそのレシピエントと生理学的に適合することを示す。
【0050】
用語「塩」とは、式(I)の化合物の有機および無機の両方の塩を指す。そうした塩は、化合物の最終の単離および精製の際にin situで調製してもよいし、または式(I)の化合物、プロドラッグ、もしくは立体異性体を、適切な有機もしくは無機の酸もしくは塩基と別途反応させ、そうして生成した塩を単離することによって調製してもよい。代表的な陰イオン塩として、臭化物、塩化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ベシル酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフトエ酸塩、ナフタル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。代表的な陽イオン塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩などが挙げられる。一般には、たとえば、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19(1977)を参照されたい。
【0051】
式(I)の化合物の塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸または塩基の溶液とを適宜混ぜ合わせることにより容易に調製できる。塩は、溶液から沈殿し濾過によって収集することができ、または溶媒を蒸発させて回収することができる。
【0052】
用語「基」とは、化学反応において単一反応物として挙動する原子の集団を意味し、たとえば、有機基は、それを含んでいる化合物に特徴的な性質を付与する、または一連の反応または変換の間に変化しないままである原子の集団である。
【0053】
「反応に不活性な溶媒」または「不活性溶媒」という表現は、出発材料、試薬、中間体、または生成物と、それらの所望の性質に不都合な影響を及ぼす形で相互に作用しない、溶媒または溶媒の混合物を指す。
【0054】
用語「治療する」、「治療すること」、「治療した」、または「治療」は、本明細書では、予防的(たとえば、予防策)、姑息的、または治癒的な使用または成果を包含する。
【0055】
式(I)の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでいる場合もあり、したがって、異なる立体異性体形態で存在することもある。当業者ならば、別段指定しない限り、本明細書において記載、図示、および/または論述する新規な化合物および中間体のすべての立体異性体(たとえば、鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびにそのラセミ混合物)が、特許請求の本発明の範囲内に含まれることを理解されよう。加えて、別段指定しない限り、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体を包含する。
【0056】
ジアステレオ異性体混合物は、その物理的化学的な差異に基づき、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶などの、当業者によく知られた方法によって、その個々のジアステレオ異性体に分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体混合物を、光学活性のある適切な化合物(たとえば、アルコール)との反応によってジアステレオ異性体混合物に変換し、ジアステレオ異性体を分離し、個々のジアステレオ異性体を、対応する純粋な鏡像異性体に変換する(たとえば、加水分解する)ことにより分離することができる。追加の方法として、キラルな塩を使用するラセミ混合物の分割、ならびにキラルクロマトグラフィーが挙げられる。
【0057】
当業者ならば、式(I)の化合物は、水分子がその結晶構造内に組み込まれている水和物として、また溶媒分子がそこに組み込まれている溶媒和物として、結晶形態で存在する場合があることもさらに理解されよう。そうした水和物および溶媒和物形態はすべて、本発明の一部であるとみなされる。
【0058】
従業者ならば、特定の式(I)の化合物が互変異性体として存在する場合もある、すなわち、互いに急速に平衡状態になる2つの異性体間に平衡が存在することは理解されよう。互変異性の一般的な例は、ケト−エノール互変異性、すなわち、
【0059】
【化3】
である。
【0060】
一方の互変異性体が他方に優先して存在する度合いは、置換パターンおよび溶媒の種類を含めた様々な要素に応じて決まる。本発明に従う他の例は、当業者に見当がつくであろう。式(I)の互変異性体形態はすべて、別段指定しない限り、本発明の範囲内に含まれる。
【0061】
本発明は、1個または複数の原子が原子質量または質量数が自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子で置き換えられていること以外は、本明細書で列挙する化合物と同一である、同位体標識された式(I)の化合物も包含する。式(I)の化合物に組み込むことができる同位体の例として、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Clなどの、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられる。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含んでいる式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩は、本発明の範囲内にある。
【0062】
同位体標識された特定の式(I)の化合物、たとえば、Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化した、すなわちH、および14C同位体は、調製しやすく、検出性がよいので、特に好ましい。さらに、ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性がより高いために生じる特定の治療上の優位性、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の減少をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合もある。同位体標識された式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩は、以下のスキームおよび/または実施例で開示する手順と類似した手順を、同位体標識されていない試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識された試薬を用いて実施することにより、一般に調製できる。
【0063】
本発明はまた、一定量の式(I)の化合物またはその化合物の薬学的に許容できる塩と、場合により、薬学的に許容できる媒体、担体、または希釈剤とを含む医薬組成物を包含する。好ましい実施形態では、医薬組成物は、哺乳動物において酵素PDE9を阻害するのに有効な量のものである。別の好ましい実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0064】
本発明は、式(I)で示されるPDE9阻害剤化合物と、薬学的に活性のある1種または複数の追加の薬剤とを組み合わせた使用も包含する。活性薬剤の組合せを投与する場合、活性薬剤は、別個の剤形で逐次もしくは同時に投与してもよいし、または単一剤形に合体させてもよい。したがって、本発明は、一定量の(a)式(I)の化合物またはその化合物の薬学的に許容できる塩を含む第一の薬剤と、(b)薬学的に活性のある第二の薬剤と、(c)薬学的に許容できる担体、媒体、または希釈剤とを含む医薬組成物も包含する。
【0065】
治療する疾患、障害、または状態に応じて、薬学的に活性のある様々な薬剤を選択して、式(I)の化合物と共に使用することができる。本発明の組成物と組み合わせて使用することができる薬学的に活性のある薬剤として、限定はしないが、以下のものが挙げられる。
(i)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、たとえば、ドネペジル塩酸塩(ARICEPT、MEMAC)、サリチル酸フィゾスチグミン(ANTILIRIUM)、硫酸フィゾスチグミン(ESERINE)、メトリホネート、ネオスチグミン、ガンスチグミン、ピリドスチグミン(MESTINON)、アンベノニウム(MYTELASE)、デマルカリウム(demarcarium)、Debio 9902(ZT−1としても知られる、Debiopharm)、リバスチグミン(EXELON)、ラドスチギル(ladostigil)、NP−0361、ガランタミン臭化水素酸塩(RAZADYNE、RIMINYL、NIVALIN)、タクリン(COGNEX)、トルセリン(tolserine)、マレイン酸ベルナクリン、メモクイン(memoquin)、フペルジンA(HUP−A、NeuroHitech)、フェンセリン、およびエドロホニウム(ENLON、TENSILON)、
(ii)アミロイドβ(またはその断片)、たとえば、pan HLA DR結合エピトープ(PADRE)にコンジュゲートしたAβ1〜15、ACC−001(Elan/Wyeth)、ACI−01、ACI−24、AN−1792、Affitope AD−01、CAD106、およびV−950、
(iii)アミロイドβ(またはその断片)に対する抗体、たとえば、バピネオズマブ(AAB−001としても知られる)、AAB−002(Wyeth/Elan)、ACI−01−Ab7、BAN−2401、静脈内Ig(GAMMAGARD)、LY2062430(ヒト化m266、Lilly)、PF−04360365(RN−1219としても知られる、Pfizer)、RN−6G(Pfizer)、R1450(Roche)、ACU−5A5、huC091、ならびに国際特許公開第WO04/032868号、第WO05/025616号、第WO06/036291号、第WO06/069081号、第WO06/118959号、米国特許公開第US2003/0073655号、第US2004/0192898号、第US2005/0048049号、第US2005/0019328号、欧州特許公開第EP0994728号および第1257584号、および米国特許第5,750,349号で開示されているもの、
(iv)アミロイドを低減または阻害する薬剤(アミロイドの生成、蓄積、および線維化(fibrillization)を軽減する薬剤を含める)、たとえば、コロストリニン(colostrinin)、ビスノルシムセリン(bisnorcymserine)(BNCとしても知られる)、NIC5−15(Humanetics)、E−2012(エーザイ)、ピオグリタゾン、クリオキノール(PBT1としても知られる)、PBT2(Prana Biotechnology)、フルルビプロフェン(ANSAID、FROBEN)およびそのR−鏡像異性体タレンフルルビル(tarenflurbil)(FLURIZAN)、ニトロフルルビプロフェン、フェノプロフェン(FENOPRON、NALFON)、イブプロフェン(ADVIL、MOTRIN、NUROFEN)、イブプロフェンリシネート、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム(MECLOMEN)、インドメタシン(INDOCIN)、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN)、ジクロフェナクカリウム、スリンダク(CLINORIL)、スリンダク硫化物、ジフルニサル(DOLOBID)、ナプロキセン(NAPROSYN)、ナプロキセンナトリウム(ANAPROX、ALEVE)、ARC031(Archer Pharmaceuticals)、CAD−106(Cytos)、LY450139(Lilly)、インスリン分解酵素(インスリシンとしても知られる)、イチョウ抽出物のEGb−761(ROKAN、TEBONIN)、トラミプロセート(CEREBRIL、ALZHEMED)、エプロジセート(FIBRILLEX、KIACTA)、化合物W(3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)安息香酸)、NGX−96992、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ(NEP)としても知られる)、scyllo−イノシトール(シリトール(scyllitol)としても知られる)、アトルバスタチン(LIPITOR)、シンバスタチン(ZOCOR)、KLVFF−(EEX)3、SKF−74652、メシル酸イブタモレン、およびRAGE(終末糖化産物の受容体)阻害剤、たとえば、TTP488(PF−4494700としても知られる、Transtech)およびTTP4000(Transtech)、ならびにPTI−777を含めた米国特許第7,285,293号で開示されているもの、
(v)αアドレナリン受容体作動薬、たとえば、クロニジン(CATAPRES)、メタラミノール(ARAMINE)、メチルドパ(ALDOMET、DOPAMET、NOVOMEDOPA)、チザニジン(ZANAFLEX)、フェニレフリン(ネオシネフリンとしても知られる)、メトキサミン、シラゾリン、グアンファシン(INTUNIV)、ロフェキシジン、キシラジン、モダフィニル(PROVIGIL)、アドラフィニル、およびアルモダフィニル(NUVIGIL)、
(vi)βアドレナリン受容体遮断薬(β遮断薬)、たとえば、カルテオロール、エスモロール(BREVIBLOC)、ラベタロール(NORMODYNE、TRANDATE)、オクスプレノロール(LARACOR、TRASACOR)、ピンドロール(VISKEN)、プロパノロール(INDERAL)、ソタロール(BETAPACE、SOTALEX、SOTACOR)、チモロール(BLOCADREN、TIMOPTIC)、アセブトロール(SECTRAL、PRENT)、ナドロール(CORGARD)、酒石酸メトプロロール(LOPRESSOR)、コハク酸メトプロロール(TOPROL−XL)、アテノロール(TENORMIN)、ブトキサミン、およびSR59230A(Sanofi)、
(vii)抗コリン薬、たとえば、アミトリプチリン(ELAVIL、ENDEP)、ブトリプチリン、メシル酸ベンズトロピン(COGENTIN)、トリヘキシフェニジル(ARTANE)、ジフェンヒドラミン(BENADRYL)、オルフェナドリン(NORFLEX)、ヒヨスチアミン、アトロピン(ATROPEN)、スコポラミン(TRANSDERM−SCOP)、臭化メチルスコポラミン(PARMINE)、ジシクロベリン(BENTYL、BYCLOMINE、DIBENT、DILOMINE、トルテロジン(DETROL)、オキシブチニン(DITROPAN、LYRINEL XL、OXYTROL)、臭化ペンチエナート、プロパンテリン(PRO−BANTHINE)、シクリジン、イミプラミン塩酸塩(TOFRANIL)、マレイン酸イミプラミン(SURMONTIL)、ロフェプラミン、デシプラミン(NORPRAMIN)、ドキセピン(SINEQUAN、ZONALON)、トリミプラミン(SURMONTIL)、およびグリコピロレート(ROBINUL)、
(viii)抗痙攣薬、たとえば、カルバマゼピン(TEGRETOL、CARBATROL)、オクスカルバゼピン(TRILEPTAL)、フェニトインナトリウム(PHENYTEK)、ホスフェニトイン(CEREBYX、PRODILANTIN)、ジバルプロエクスナトリウム(DEPAKOTE)、ギャバペンチン(NEURONTIN)、プレガバリン(LYRICA)、トピリメート(topirimate)(TOPAMAX)、バルプロ酸(DEPAKENE)、バルプロ酸ナトリウム(DEPACON)、1−ベンジル−5−ブロモウラシル、プロガビド、ベクラミド、ゾニサミド(TRERIEF、EXCEGRAN)、CP−465022、レチガビン、タラムパネル(talampanel)、およびプリミドン(MYSOLINE)、
(ix)抗精神病薬、たとえば、ルラシドン(SM−13496としても知られる、大日本住友)、アリピプラゾール(ABILIFY)、クロルプロマジン(THORAZINE)、ハロペリドール(HALDOL)、イロペリドン(FANAPTA)、デカン酸フルペンチキソール(DEPIXOL、FLUANXOL)、レセルピン(SERPLAN)、ピモジド(ORAP)、デカン酸フルフェナジン、フルフェナジン塩酸塩、プロクロルペラジン(COMPRO)、アセナピン(SAPHRIS)、アバペリドン(abaperidone)、ロキサピン(LOXITANE)、メソリダジン、モリンドン(MOBAN)、ペルフェナジン、チオリダジン、チオチキシン(thiothixine)、トリフルオペラジン(STELAZINE)、クロザピン(CLOZARIL)、ノルクロザピン(norclozapine)(ACP−104)、リスペリドン(RISPERDAL)、パリペリドン(INVEGA)、メルペロン、オランザピン(ZYPREXA)、クエチアピン(SEROQUEL)、セルチンドール、スルピリド(MERESA、DOGMATYL、SULPITIL)、タルネタント、アミスルプリド、ジプラシドン(GEODON)、ブロナンセリン(LONASEN)、ACP−103(Acadia Pharmaceuticals)、およびビフェプルノクス、
(x)カルシウムチャネル遮断薬、たとえば、ニルバジピン(ESCOR、NIVADIL)、ジペルジピン(diperdipine)、アムロジピン(NORVASC、ISTIN、AMLODIN)、フェロジピン(PLENDIL)、ニカルジピン(CARDENE)、ニフェジピン(ADALAT、PROCARDIA)、MEM1003およびその親化合物ニモジピン(NIMOTOP)、ニソルジピン(SULAR)、ニトレンジピン、ラシジピン(LACIPIL、MOTENS)、レルカニジピン(ZANIDIP)、リファリジン(lifarizine)、ジルチアゼム(CARDIZEM)、ベラパミル(CALAN、VERELAN)、AR−R 18565(AstraZeneca)、ならびにエネカジン(enecadin)、
(xi)カテコールO−メチル基転移酵素(COMT)阻害剤、たとえば、トルカポン(TASMAR)、エンタカポン(COMTAN)、およびトロポロン、
(xii)中枢神経系刺激薬、たとえば、カフェイン、フェンメトラジン、フェンジメトラジン、ペモリン、フェンカムファミン(GLUCOENERGAN、REACTIVAN)、フェネチリン(CAPTAGON)、ピプラドール(MERETRAN)、デアノール(ジメチルアミノエタノールとしても知られる)、メチルフェニデート(DAYTRANA)、メチルフェニデート塩酸塩(RITALIN)、デクスメチルフェニデート(FOCALIN)、アンフェタミン(単独または他のCNS刺激薬、たとえばADDERALL(アスパラギン酸アンフェタミン、硫酸アンフェタミン、デキストロアンフェタミンサッカレート、および硫酸デキストロアンフェタミン)との組合せ)、硫酸デキストロアンフェタミン(DEXEDRINE、DEXTROSTAT)、メタンフェタミン(DESOXYN)、リスデキサンフェタミン(VYVANSE)、およびベンズフェタミン(DIDREX)、
(xiii)副腎皮質ホルモン剤、たとえば、プレドニゾン(STERAPRED、DELTASONE)、プレドニゾロン(PRELONE)、酢酸プレジソロン(predisolone acetate)(OMNIPRED、PRED MILD、PRED FORTE)、リン酸プレドニゾロンナトリウム(ORAPRED ODT)、メチルプレドニゾロン(MEDROL)、酢酸メチルプレドニゾロン(DEPO−MEDROL)、およびコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(A−METHAPRED、SOLU−MEDROL)、
(xiv)ドーパミン受容体作動薬、たとえば、アポモルヒネ(APOKYN)、ブロモクリプチン(PARLODEL)、カベルゴリン(DOSTINEX)、ジヒドレキシジン(dihydrexidine)、ジヒドロエルゴクリプチン、フェノルドパム(CORLOPAM)、リスリド(DOPERGIN)、ペルゴリド(PERMAX)、ピリベジル(TRIVASTAL、TRASTAL)、プラミペキソール(MIRAPEX)、キンピロール、ロピニロール(REQUIP)、ロチゴチン(NEUPRO)、SKF−82958(GlaxoSmithKline)、およびサリゾタン、
(xv)ドーパミン受容体拮抗薬、たとえば、テトラベナジン(NITOMAN、XENAZINE)、7−ヒドロキシアモキサピン(7−hydroxyamoxapine)、ドロペリドール(INAPSINE、DRIDOL、DROPLETAN)、ドンペリドン(MOTILIUM)、L−741742、L−745870、ラクロプリド、SB−277011A、SCH−23390、エコピパム(ecopipam)、SKF−83566、およびメトクロプラミド(REGLAN)、
(xvi)ドーパミン再取込み阻害剤、たとえば、マレイン酸ノミフェンシン(MERITAL)、バノキセリン(vanoxerine)(GBR−12909としても知られる)およびそのデカン酸エステルDBL−583、ならびにアミネプチン、
(xvii)γ−アミノ−酪酸(GABA)受容体作動薬、たとえば、バクロフェン(LIORESAL、KEMSTRO)、シクロフェン(siclofen)、ペントバルビタール(NEMBUTAL)、プロガビド(GABRENE)、およびクロメチアゾール、
(xviii)ヒスタミン3(H3)拮抗薬、たとえば、シプロキシファン(ciproxifan)、ならびに米国特許公開第US2005−0043354号、第US2005−0267095号、第US2005−0256135号、第US2008−0096955号、第US2007−1079175号、および第US2008−0176925号、国際特許公開第第WO2006/136924号、第WO2007/063385号、第WO2007/069053号、第WO2007/088450号、第WO2007/099423号、第WO2007/105053号、第WO2007/138431号、および第WO2007/088462号、および米国特許第7,115,600号で開示されているもの、
(xix)免疫調節薬、たとえば、酢酸グラチラマー(コポリマー1としても知られる、COPAXONE)、MBP−8298(合成ミエリン塩基性タンパク質ペプチド)、フマル酸ジメチル、フィンゴリモド(FTY720としても知られる)、ロキニメックス(LINOMIDE)、ラキニモド(laquinimod)(ABR−215062およびSAIK−MSとしても知られる)、ABT−874(ヒト抗IL−12抗体、Abbott)、リツキシマブ(RITUXAN)、アレムツズマブ(CAMPATH)、ダクリズマブ(ZENAPAX)、およびナタリズマブ(TYSABRI)、
(xx)免疫抑制薬、たとえば、メトトレキサート(TREXALL、RHEUMATREX)、ミトキサントロン(NOVANTRONE)、ミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT)、ミコフェノール酸ナトリウム(MYFORTIC)、アザチオプリン(AZASAN、IMURAN)、メルカプトプリン(PURI−NETHOL)、シクロホスファミド(NEOSAR、CYTOXAN)、クロラムブシル(LEUKERAN)、クラドリビン(LEUSTATIN、MYLINAX)、αフェトプロテイン、エタネルセプト(ENBREL)、および4−ベンジルオキシ−5−((5−ウンデシル−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−2,2’−ビ−1H−ピロール(PNU−156804としても知られる)、
(xxi)インターフェロンβ−1a(AVONEX、REBIF)およびインターフェロンβ−1b(BETASERON、BETAFERON)を含めたインターフェロン、
(xxii)単独またはDOPA脱炭酸酵素阻害剤(たとえば、カルビドパ(SINEMET、CARBILEV、PARCOPA)、ベンセラジド(MADOPAR)、α−メチルドパ、モノフルロメチルドパ(monofluromethyldopa)、ジフルオロメチルドパ、ブロクレシン、またはm−ヒドロキシベンジルヒドラジン)と組み合わせたレボドパ(またはそのメチルもしくはエチルエステル)、
(xxiii)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、たとえば、メマンチン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)、アマンタジン(SYMMETREL)、アカンプロセート(CAMPRAL)、ベソンプロジル、ケタミン(KETALAR)、デルセミン、デキサナビノール、デキセファロキサン(dexefaroxan)、デキストロメトルファン、デキストロルファン、トラキソプロジル(traxoprodil)、CP−283097、ヒマンタン(himantane)、イダンタドール(idantadol)、イペノキサゾン、L−701252(Merck)、ランシセミン(lancicemine)、レボルファノール(DROMORAN)、LY−233536およびLY−235959(どちらもLilly)、メサドン(DOLOPHINE)、ネラメキサン、ペルジンホテル(perzinfotel)、フェンシクリジン、チアネプチン(STABLON)、ジゾシルピン(MK−801としても知られる)、EAB−318(Wyeth)、イボガイン、ボアカンギン(voacangine)、チレタミン、リルゾール(RILUTEK)、アプチガネル(CERES0TAT)、ガベスチネル(gavestinel)、およびレマシミド(remacimide)、
(xxiv)モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、たとえば、セレギリン(EMSAM)、セレギリン塩酸塩(l−デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド(safinamide)、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサギリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、CHF−3381(Chiesi Farmaceutici)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デソキシペガニン(desoxypeganine)、ハルミン(テレパチン(telepathine)またはバナステリン(banasterine)としても知られる)、ハルマリン、リネゾリド(ZYVOX、ZYVOXID)、およびパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL)、
(xxv)ムスカリン受容体(詳細にはM1サブタイプ)作動薬、たとえば、塩化ベタネコール(DUVOID、URECHOLINE)、イタメリン(itameline)、ピロカルピン(SALAGEN)、NGX267、アレコリン、L−687306(Merck)、L−689660(Merck)、ヨウ化フルトレトニウム(furtrethonium iodide)(FURAMON、FURANOL)、ベンゼンスルホン酸フルトレトニウム、p−トルエンスルホン酸フルトレトニウム、McN−A−343、オキソトレモリン、サブコメリン(sabcomeline)、AC−90222(Acadia Pharmaceuticals)、およびカルバコール(CARBASTAT、MIOSTAT、CARBOPTIC)、
(xxvi)神経保護薬、たとえば、2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−3−オンオキシム、デスモテプラーゼ、アナチバント(anatibant)、アスタキサンチン、ニューロペプチドNAP(たとえば、AL−108およびAL−208、どちらもAllon Therapeutics)、ニューロストロール(neurostrol)、ペラムペネル(perampenel)、イスプロニクリン、ビス(4−β−D−グルコピラノシルオキシベンジル)−2−β−D−グルコピラノシル−2−イソブチルタルトレート(ダクチロリンB(dactylorhin B)またはDHBとしても知られる)、ホルモバクチン(formobactin)、キサリプロデン(XAPRILA)、ラクタシスチン、ジメボリン塩酸塩(dimeboline hydrochloride)(ディメボン)、ジスフェントン(disufenton)(CEROVIVE)、アルンジン酸(ONO−2506、PROGLIA、CEREACT)、シチコリン(シチジン5’−ジホスホコリンとしても知られる)、エダラボン(RADICUT)、AEOL−10113およびAEOL−10150(どちらもAeolus Pharmaceuticals)、AGY−94806(SA−450およびMsc−1としても知られる)、顆粒球コロニー刺激因子(AX−200としても知られる)、BAY−38−7271(KN−387271としても知られる、Bayer AG)、アンクロッド(VIPRINEX、ARWIN)、DP−b99(D−Pharm Ltd)、HF−0220(17−β−ヒドロキシエピアンドロステロン、Newron Pharmaceuticals)、HF−0420(オリゴトロピン(oligotropin)としても知られる)、ピリドキサール5’−リン酸(MC−1としても知られる)、ミクロプラスミン、S−18986、ピクロゾタン、NP031112、タクロリムス、L−セリル−L−メチオニル−L−アラニル−L−リシル−L−グルタミル−グリシル−L−バリン、AC−184897(Acadia Pharmaceuticals)、ADNF−14(米国国立保健研究所)、スチルバズレニルニトロン(stilbazulenyl nitrone)、SUN−N8075(第一サントリー生物医学研究所)、およびゾナムパネル(zonampanel)、
(xxvii)ニコチン受容体作動薬、たとえば、エピバチジン、ABT−089(Abbott)、ABT−594、AZD−0328(AstraZeneca)、EVP−6124、R3487(MEM3454としても知られる、Roche/Memory Pharmaceuticals)、R4996(MEM63908としても知られる、Roche/Memory Pharmaceuticals)、TC−4959およびTC−5619(どちらもTargacept)、およびRJR−2403、
(xxviii)ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取込み阻害剤、たとえば、アトモキセチン(STRATTERA)、ドキセピン(APONAL、ADAPIN、SINEQUAN)、ノルトリプチリン(AVENTYL、PAMELOR、NORTRILEN)、アモキサピン(ASENDIN、DEMOLOX、MOXIDIL)、レボキセチン(EDRONAX、VESTRA)、ビロキサジン(VIVALAN)、マプロチリン(DEPRILEPT、LUDIOMIL、PSYMION)、ブプロピオン(WELLBUTRIN)、およびラダキサフィン(radaxafine)、
(xxix)他のPDE9阻害剤、たとえば、BAY73−6691(Bayer AG)、ならびに米国特許公開第US2003/0195205号、第US2004/0220186号、第US2006/0111372号、第US2006/0106035号、およびUSSN12/118,062(2008年5月9日出願)で開示されているもの、
(xxx)以下のものを含めた他のホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤:(a)PDE1阻害剤(たとえば、ビンポセチン(CAVINTON、CERACTIN、INTELECTOL)および米国特許第6,235,742号で開示されているもの)、(b)PDE2阻害剤(たとえば、エリスロ−9−(2−ヒドロキシ−3−ノニル)アデニン(EHNA)、BAY60−7550、および米国特許第6,174,884号で開示されているもの)、(c)PDE4阻害剤(たとえば、ロリプラム、Ro20−1724、イブジラスト(KETAS)、ピクラミラスト(piclamilast)(RP73401としても知られる)、CDP840、シロミラスト(ARIFLO)、ロフルミラスト、トフィミラスト(tofimilast)、オグレミラスト(GRC3886としても知られる)、テトミラスト(OPC−6535としても知られる)、リリミファスト(lirimifast)、テオフィリン(UNIPHYL、THEOLAIR)、アロフィリン(arofylline)(LAS−31025としても知られる)、ドキソフィリン、RPR−122818、またはメセムブリン(mesembrine))、および(d)PDE5阻害剤(たとえば、シルデナフィル(VIAGRA、REVATIO)、タダラフィル(CIALIS)、バルデナフィル(LEVITRA、VIVANZA)、ウデナフィル、アバナフィル、ジピリダモール(PERSANTINE)、E−4010、E−4021、E−8010、ザプリナスト、PF−489791(Pfizer)、UK−357903(Pfizer)、DA−8159、ならびに国際特許出願WO2002/020521、WO2005/049616、WO2006/120552、WO2006/126081、WO2006/126082、WO2006/126083、およびWO2007/122466で開示されているもの)、
(xxxi)キノリン、たとえば、キニーネ(その塩酸塩、二塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、およびグルコン酸塩を含める)、クロロキン、ソントキン(sontoquine)、ヒドロキシクロロキン(PLAQUENIL)、メフロキン(LARIAM)、およびアモジアキン(CAMOQUIN、FLAVOQUINE)、
(xxxii)β−セクレターゼ阻害剤、たとえば、WY−25105、(+)−フェンセリン酒石酸塩(POSIPHEN)、LSN−2434074(LY−2434074としても知られる)、PNU−33312、KMI−574、SCH−745966、Ac−rER(N−アセチル−D−アルギニル−L−アルギニン)、ロキシスタチン(loxistatin)(E64dとしても知られる)、およびCA074Me、
(xxxiii)γ−セクレターゼ阻害剤、たとえば、LY−411575(Lilly)、LY−685458(Lilly)、ELAN−G、ELAN−Z、4−クロロ−N−[2−エチル−1(S)−(ヒドロキシメチル)ブチル]ベンゼンスルホンアミド、
(xxxiv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体拮抗薬、たとえば、スピペロン、levo−ピンドロール、BMY7378、NAD−299、S(−)−UH−301、NAN190、WAY100635、レコゾタン(lecozotan)(SRA−333としても知られる、Wyeth)、
(xxxv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体作動薬、たとえば、PRX−03140(Epix)、
(xxxvi)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体拮抗薬、たとえば、ミアンセリン(TORVOL、BOLVIDON、NORVAL)、メチオテピン(メチテピンとしても知られる)、リタンセリン、ALX−1161、ALX−1175、MS−245、LY−483518(SGS518としても知られる、Lilly)、MS−245、Ro04−6790、RO43−68544、Ro63−0563、RO65−7199、Ro65−7674、SB−399885、SB−214111、SB−258510、SB−271046、SB−357134、SB−699929、SB−271046、SB−742457(GlaxoSmithKline)、Lu AE58054(Lundbeck A/S)、およびPRX−07034(Epix)、
(xxxvii)セロトニン(5−HT)再取込み阻害剤、たとえば、アラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)、エスシタロプラム(LEXAPRO、CIPRALEX)、クロミプラミン(ANAFRANIL)、デュロキセチン(CYMBALTA)、フェモキセチン(MALEXIL)、フェンフルラミン(PONDIMIN)、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン(PROZAC)、フルボキサミン(LUVOX)、インダルピン、ミルナシプラン(IXEL)、パロキセチン(PAXIL、SEROXAT)、セルトラリン(ZOLOFT、LUSTRAL)、トラゾドン(DESYREL、MOLIPAXIN)、ベンラファキシン(EFFEXOR)、ジメルジン(NORMUD、ZELMID)、ビシファジン、デスベンラファキシン(PRISTIQ)、ブラソフェンシン(brasofensine)、およびテソフェンシン、
(xxxviii)栄養因子、たとえば、神経成長因子(NGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、ERSOFERMIN)、ニューロトロフィン3(NT−3)、カルジオトロフィン−1、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューブラスチン(neublastin)、メテオリン(meteorin)、およびグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ならびに栄養因子の生成を刺激する薬剤、たとえば、プロペントフィリン、イデベノン、PYM50028(COGANE、Phytopharm)、およびAIT−082(NEOTROFIN)、
など。
【0066】
本発明はまた、哺乳動物においてPDE9を阻害する方法であって、そのような阻害が必要である哺乳動物に、PDE9を阻害する量の、(a)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、または(b)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を薬学的に許容できる媒体、担体、もしくは希釈剤中に含む医薬組成物を、単独で、または上述のような第二の薬剤と組み合わせて投与することを含む方法を包含する。
【0067】
本発明はまた、哺乳動物においてPDE9阻害によって媒介される状態を治療する方法であって、そのような治療が必要である哺乳動物に、治療有効量の、(a)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、または(b)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を薬学的に許容できる媒体、担体、もしくは希釈剤中に含む医薬組成物を、単独で、または上述の第二の薬剤と組み合わせて投与することを含む方法も包含する。
【0068】
本発明の方法によって治療、管理、または予防することができる状態として、神経変性に関連する疾患および障害、たとえば、アレキサンダー病、アルパーズ症候群、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルー・ゲーリック病または運動ニューロン疾患としても知られる)、血管拡張性失調症、バッテン病(シュピールマイアー−フォークト−シェーグレン−バッテン病としても知られる)、ビンスワンゲル認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、双極性障害、ウシ海綿状脳症(BSE)、カナバン病、化学療法によって誘発される認知症、コケイン症候群、皮質基底核変性症、クロイツフェルト−ヤコブ病、うつ病、ダウン症候群、前頭側頭葉変性症(前頭側頭型認知症、意味性認知症、および進行性非流暢性失語を含める)、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病、緑内障、ハンチントン病(舞踏病)、HIV関連認知症、運動亢進、ケネディー病、コルサコフ症候群(健忘性作話性症候群(amnesic−confabulatory syndrome))、クラッベ病、レビー小体型認知症、進行性非流暢性失語症(logopenic progressive aphasia)、マシャド−ジョセフ病(3型脊髄小脳失調症)、多発性硬化症、多系統萎縮症(オリーブ橋小脳萎縮症)、重症筋無力症、パーキンソン病、ペリツェウス−メルツバッヘル病、ピック病、初老期認知症(pre−senile dementia)(軽度認知障害)、原発性側索硬化症、原発性進行性失語、放射線誘発認知症、レフサム病(フィタン酸蓄積疾患)、サンドホフ病、シルダー病、統合失調症、意味性認知症、老年認知症、シャイ−ドレーガー症候群、脊髄小脳失調症、脊髄性筋萎縮症、スティール−リチャードソン−オルスゼフスキー病(進行性核上性麻痺)、脊髄癆、遅発性ジスキネジア、血管アミロイド症、および血管性認知症(多発脳梗塞性認知症)が挙げられる。
【0069】
神経変性疾患または障害は、アルツハイマー病であることが好ましい。
【0070】
本発明の方法によって治療または管理することができる、PDE9に関連する他の状態および障害として、泌尿生殖器系の障害、たとえば、性機能不全、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、糖尿病、心血管の障害または疾患、たとえば、全身性高血圧、肺高血圧、うっ血性心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、発作、血栓症、血管開通性の低下状態(たとえば、経皮経管冠動脈形成術後)、末梢血管疾患、腎疾患、狭心症(安定、不安定、および異型(プリンツメタル)狭心症を含める)、ならびに血流の改善によって終末臓器の機能が向上する任意の状態が挙げられる。
【0071】
本発明はまた、脳、脊髄、または末梢神経の外傷性または非外傷性損傷を患う患者において神経修復および機能回復を促進する方法に関する。外傷性脳損傷としては、突然の外傷(たとえば、事故、落下、襲撃)によって、脳組織に、裂け、伸び、挫傷、または腫脹による損傷が引き起こされる、(頭蓋が破損していない)閉鎖性頭部損傷、および開放性または(物体が頭蓋を貫通し、硬膜を破っている)穿通性頭部損傷の両方が挙げられる。非外傷性脳損傷の原因としては、動脈瘤、卒中、髄膜炎、無酸素症、低酸素症、または虚血による酸素欠乏、脳腫瘍、感染症(たとえば、脳炎)、中毒、物質乱用などが挙げられる。本発明は、脳損傷ならびに神経変性疾患および障害の結果として生じる認知障害および認知機能不全の治療に有用である。
【0072】
本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物において上述の状態を予防する方法であって、その哺乳動物に、一定量の、(a)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、または(b)式(I)の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を薬学的に許容できる媒体、担体、もしくは希釈剤中に含む医薬組成物を、単独で、または上述のような第二の薬剤と組み合わせて、前記状態を予防するように計画された適切な投薬計画の一環として投与するステップを含む方法に関する。
【0073】
本発明はまた、認知力を向上させ、また知覚、集中、学習、記憶、意思疎通、論理的思考、および問題解決力の欠陥を含めた失認を改善する方法に関する。
【0074】
適切な投薬計画、投与する各用量の量、および化合物を投与する間隔は、他の考慮事項の中でも、使用する本発明の式(I)の化合物、使用する医薬組成物の種類、治療を受ける対象の特徴、ならびに治療する状態の種類および重症度に応じて決まる。一般に、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の有効な用量は、1日約0.1mg〜約3,500mgの範囲である。体重が約70kgである正常な成人では、1日一用量にするか、または数回に分けて、体重1kgあたり約0.01mg〜約50mgの範囲の投与量で通常は十分であり、1kgあたり約0.2〜2.5mgが好ましい。投与は、一用量(たとえば1日1回)もしくは多用量でも、または一定注入によるものでもよい。
【0075】
一般投与量範囲の多少の変動は、治療を受ける対象の年齢および大きさ、企図される投与経路、投与する特定の化合物などに応じて必要となる場合もある。特定の哺乳動物対象のための投与量範囲および最適投与量の決定は、この開示の利益を手にする熟練従業者の技量の範囲内である。
【0076】
式(I)の化合物は、経口、頬側、舌下、経眼、局部(たとえば、経皮)、非経口(たとえば、静脈内、筋肉内、または皮下)、直腸、大槽内、腟内、腹腔内、膀胱内、局所(たとえば、粉剤、軟膏、または滴剤)、経鼻、および/または吸入剤形を含めた、様々な従来の投与経路によって投与することもでき、または「フラッシュ」製剤を使用して、すなわち、水を使用する必要なしに医薬を口で溶解させて投与することもできる。当業者には見当がつくとおり、適切な投薬計画、投与する各用量の量、および化合物を投与する間隔は、使用する式(I)の化合物もしくはそのプロドラッグ、使用する医薬組成物の種類、治療を受ける対象の特徴、および/または治療する状態の重症度に応じて決まる。
【0077】
分量の活性成分を含有する種々の医薬組成物の調製方法は、当業者に知られており、またはこの開示に照らして明らかとなろう。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、ペンシルヴェニア州イーストン、第19版(1995)を参照されたい。
【0078】
そのような組成物に適する医薬品担体、媒体、および希釈剤として、不活性な固体希釈剤または充填剤、滅菌水溶液、および様々な有機溶媒が挙げられる。本発明の化合物と、薬学的に許容できる担体、媒体、または希釈剤とを合わせて生成される医薬組成物は、錠剤、粉末、ロゼンジ、シロップ、注射用溶液などの様々な剤形にして容易に投与される。
【0079】
経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、粉末、および顆粒が挙げられる。こうした固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の従来の不活性な医薬品賦形剤(または担体)、たとえば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、または(a)充填剤もしくは増量剤、たとえば、デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトール、ケイ酸、(b)結合剤、たとえば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシア、(c)保水剤、たとえば、グリセロール、(d)崩壊剤、たとえば、寒天、炭酸カルシウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合シリケート、炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarders)、たとえば、パラフィン、(f)吸収促進剤、たとえば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、たとえば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸着剤、たとえば、カオリンおよびベントナイト、および/または(i)滑沢剤、たとえば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物と混和される。カプセル剤および錠剤の場合では、剤形は、緩衝剤をさらに含んでもよい。
【0080】
固体剤形は、即時型放出剤形のための上で詳述したものなどの賦形剤と共に、デバイスの本体にコーティングおよび/または包含される、放出速度調節剤として働く追加の賦形剤を含有する調節型放出剤形およびパルス型放出剤形として製剤することもできる。放出速度調節剤としては、限定はしないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、キサンタンガム、アンモニオメタクリレートコポリマー、硬化ヒマシ油、カルナウバロウ、パラフィンロウ、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。調節型放出剤形およびパルス型放出剤形は、放出速度調節型賦形剤の1種または組合せを含有してよい。
【0081】
本発明の医薬組成物はさらに、急速分散型または溶解型投与製剤(FDDF)で構成されてもよい。分散型または溶解型という用語は、本明細書でFDDFについて述べるのに使用するとき、使用される原薬の溶解性次第となり、すなわち、原薬が不溶性である場合では、急速分散型剤形を調製することができ、原薬が可溶性である場合では、急速溶解型剤形を調製することができる。
【0082】
同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟または硬充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもできる。
【0083】
錠剤、糖衣丸、カプセル剤、顆粒などの固体剤形は、腸溶コーティングや当業者によく知られている他のコーティングなどの剤皮および外皮を施して調製することができる。こうした固体剤形は、乳白剤も含んでよく、(1種または複数の)活性化合物を遅延型、持続型、または制御型の方式で放出するような組成物の剤形にすることもできる。用いることができる包埋用組成物の例は、ポリマー物質およびロウである。(1種または複数の)活性化合物を、適宜上述の賦形剤の1種または複数を用い、マイクロカプセル化された形態にすることもできる。
【0084】
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。液体剤形は、活性化合物に加えて、たとえば、エタノール、イソプロパノール、エチルカルボネート、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(詳細には、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などのような、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有してよい。
【0085】
医薬組成物は、(1種または複数の)活性化合物に加えて、懸濁化剤、たとえば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などをさらに含んでもよい。甘味剤、香味剤、および着香剤も含んでよい。
【0086】
本発明の医薬組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの佐剤をさらに含んでよい。本組成物の微生物混入は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを用いて防止することができる。等張化剤、たとえば、糖類、塩化ナトリウムなどを含めることも望ましい。注射用医薬組成物の吸収は、吸収を遅らせることができる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用して長引かせることができる。
【0087】
非経口投与では、ゴマ油もしくはラッカセイ油、プロピレングリコール水溶液、または滅菌水溶液の溶液を用いることもできる。こうした水溶液は、必要に応じて適切に緩衝剤処理すべきであり、液体希釈剤をまず、十分な食塩水またはグルコースで等張性にすべきである。これらの水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内投与に特に適する。この点に関して、用いられる滅菌水性媒質はすべて、当業者に知られている標準技術によって容易に入手できる。
【0088】
鼻腔内投与または吸入による投与では、式(I)の化合物は、患者が圧搾またはポンピングするポンプスプレー容器から溶液または懸濁液の形で、または加圧容器またはネブライザーから、適切な噴射剤、たとえば、二酸化炭素ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、または他の適切な気体を使用しながら、エアロゾルスプレー体裁として送達するのが好都合である。加圧エアロゾルの場合では、弁を設けることにより投与量単位を決定して、計量された量を送達することができる。加圧容器またはネブライザーは、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有するものでよい。1種または複数の本発明の化合物と、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤とからなる混合粉末を含有する、吸入器または注入器に入れて使用するための(たとえばゼラチン製の)カプセルおよびカートリッジを製剤することもできる。
【0089】
本発明の医薬組成物は、獣医学的使用での治療に合わせた仕様にすることもでき、その場合、本発明の化合物もしくは獣医学的に許容できるその塩、または獣医学的に許容できるその溶媒和物もしくはプロドラッグを、標準的な獣医学の慣行に従って、適切に許容される製剤として投与し、特定の動物に最も適切となる用法および投与経路は、獣医学の従業者によって決定される。
【0090】
一般に、式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩は、以下のスキームおよび実施例で開示する具体例としての経路に従って、ならびに当業者に知られており、またはこの開示に照らして明らかとなる従来の他の調製手順によって調製することができる。こうした方法は、本発明の別の態様となる。
【実施例】
【0091】
スキームおよび実施例に記載する反応のための出発化合物の一部は、本明細書で例示するとおりに調製される。他のすべての出発化合物は、Sigma−Aldrich Corp.、ミズーリ州セントルイスなどの一般の市販品供給元から入手することができる。
【0092】
別段指摘しない限り、以下の実験に関する略語は、表1に示す意味を有する。
【0093】
【表1】
【0094】
当スキームおよび実施例で開示する方法は、本発明を例示する目的のものにすぎず、それを限定すると解釈されるものではない。
【0095】
実験手順
実験は一般に、特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体を用いた場合では、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬は、無水溶媒を含めて、適切な場合では一般にそれ以上精製せずに使用した(一般に、Aldrich Chemical Co.、ウィスコンシン州ミルウォーキーのSure−Seal(商標)製品)。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)または大気圧化学イオン化(APCI)のいずれかの計測により報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、用いた重水素化溶媒の残留ピークまたはテトラメチルシラン標準物質を基準とした百万分率(ppm、δ)で表示する。
【0096】
(実施例1)
6−{(1R)−1−[3−(4−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0097】
【化4】
【0098】
ステップ1.(1S)−1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチルメタンスルホネート(C5)の調製
A.5−アミノ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(C1)の調製。テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルヒドラジン二塩酸塩(R.R.Ranatungeら、J.Med.Chem.2004、47、2180〜2193を参照されたい)(43g、228mmol)のEtOH(300mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(32.6g、479mmol)をゆっくりと加え、得られる混合物を室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を、(エトキシメチレン)マロノニトリル(27.8g、228mmol)のEtOH(300mL)溶液中に移した。室温で30分間撹拌した後、反応液を還流温度で2時間加熱した。次いでそれを室温に冷却し、真空中で濃縮して、C1を橙色の固体として得、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0099】
B.5−アミノ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C2)の調製。C1(≦228mmol)のEtOH(300mL)溶液を35%過酸化水素水(100mL)で処理した後、濃アンモニア水溶液(300mL)で処理した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次いで飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(800mL)で失活させた。真空中でEtOHの大部分を除去すると固体が得られ、それを濾過によって単離し、水(2×200mL)およびジエチルエーテル(2×150mL)で洗浄して、C2を固体として得た。収率:2ステップで31g、147mmol、64%。MS (APCI) m/z 211.2 (M+1). 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)
δ 1.70 (m, 2H), 1.93 (m, 2H), 3.40 (m, 2H), 3.95 (dd,
J=11.1, 3.2 Hz, 2H), 4.26 (m, 1H), 6.24 (m, 2H), 6.67 (br s, 1H), 7.20 (br s,
1H), 7.66 (s, 1H).
【0100】
C.(1S)−2−{[4−カルバモイル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル]アミノ}−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(C3)の調製。C2(38.1g、181mmol)の無水ジオキサン(1000mL)懸濁液に、(1S)−2−クロロ−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(30g、199mmol)を加えた。混合物を還流温度で2時間加熱し、次いで真空中で濃縮してC3を得、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0101】
D.6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C4)の調製。C3(≦181mmol)を水(700mL)に懸濁させた懸濁液を無水炭酸カリウム(100g)で処理した。混合物を45℃で約18時間加熱し、次いで酢酸で中和し、クロロホルム(4×1L)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、真空中で溶媒を除去すると、C4がオフホワイトの固体として得られた。収率:2ステップで43.1g、163mmol、90%。LCMS m/z 265.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.67 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.92 (br d, J=13 Hz, 2H), 2.39 (m, 2H),
3.62 (br dd, 見かけ br t, J=12, 12 Hz, 2H), 4.15 (br dd,
J=11.7, 4 Hz, 2H), 4.84 (tt, J=11.6, 4.3 Hz, 1H), 4.90 (q, J=6.7 Hz, 1H), 8.08
(s, 1H), 10.65 (br s, 1H).
【0102】
E.化合物C5の調製。C4(20.0g、75.7mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液をトリエチルアミン(15.8mL、113mmol)で処理し、0℃に冷却し、30分間撹拌した。冷反応液に塩化メタンスルホニル(99%、5.92mL、75.7mmol)を滴下添加し、これをその後18時間かけて室温に温めた。真空中で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜5%のMeOHジクロロメタン溶液)によって精製した。混合画分を再度クロマトグラフィーにかけると、追加の生成物が得られ、C5を固体として得た。全収率:10.6g、31.0mmol、41%。LCMS m/z 341.1 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.86 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.93 (br d, J=12 Hz, 2H), 2.39 (m, 2H),
3.23 (s, 3H), 3.61 (ddd, 見かけ td, J=12, 12, 2.1 Hz, 2H),
4.16 (br dd, J=11.4, 3.5 Hz, 2H), 4.86 (tt, J=11.7, 4.2 Hz, 1H), 5.70 (q, J=6.7
Hz, 1H), 8.08 (s, 1H).
【0103】
ステップ2.2−アゼチジン−3−イル−4−メチルピリジン(C9)の調製
A.tert−ブチル3−[(メチルスルホニル)オキシ]アゼチジン−1−カルボキシレート(C6)の調製。tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(97%、5.0g、28mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液をトリエチルアミン(7.8mL、56mmol)で処理し、0℃に冷却した。冷反応液に塩化メタンスルホニル(2.28mL、29.3mmol)のジクロロメタン溶液を滴下添加し、これを2時間0℃に保ち、次いでその後18時間かけて室温に温めた。真空中で溶媒を除去し、残渣をエーテルに溶き、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1のヘプタン:EtOAc、次いで2:1のヘプタン:EtOAc)によって精製して、C6を固体として得た。収率:6.5g、26.0mmol、93%。LCMS m/z 503.1 (2M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.44 (s, 9H), 3.06 (s, 3H), 4.09 (ddd, J=10.4, 4.2,
1.2, 2H), 4.27 (ddd, J=10.4, 6.6, 1.2 Hz, 2H), 5.19 (tt, J=6.6, 4.2 Hz,
1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 28.23, 38.33, 56.45 (br), 67.25, 80.29, 155.80.
【0104】
B.tert−ブチル3−ヨードアゼチジン−1−カルボキシレート(C7)の調製。ヨウ化カリウム(12.9g、77.7mmol)とC6(6.5g、26.0mmol)をDMF(40mL)中で合わせた。反応混合物を110℃で16時間撹拌し、次いで真空中で濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過し、真空中で溶媒を除去すると残渣が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:4:1のヘプタン:EtOAc)によって精製して、C7を固体として得た。収率:6.2g、21.9mmol、84%。LCMS m/z 284.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.43 (s, 9H), 4.28 (m, 2H), 4.46 (m, 1H), 4.64 (m, 2H). 13C
NMR (100 MHz, CDCl3) δ 2.57, 28.27, 61.49,
80.09, 155.52.
【0105】
C.tert−ブチル3−(4−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C8)の調製。亜鉛塵(98%、354mg、5.3mmol)のTHF(15mL)懸濁液に1,2−ジブロモエタン(98%、0.031mL、0.35mmol)を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物を塩化トリメチルシリル(99%、0.045mL、0.35mmol)で処理し、1時間撹拌した。この時点で、C7(1.0g、3.53mmol)のTHF(5mL)溶液を滴下添加した。反応液を60℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。2−ブロモ−4−メチルピリジン(97%、0.486mL、4.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(99%、82.9mg、0.071mmol)を加え、混合物を還流温度で1時間加熱し、次いで室温で約18時間撹拌した。反応液をCelite(珪藻土)で濾過し、濾液を濃縮し、次いでEtOAcおよび飽和炭酸ナトリウム水溶液で処理した。得られる沈殿を濾過によって除去し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:1:4〜1:1のEtOAc:ヘプタン)によって精製すると、C8が固体として得られた。収率:245mg、0.987mmol、28%。LCMS m/z 249.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44 (s, 9H), 2.33 (s, 3H), 3.82 (tt, J=8.9, 6.0 Hz, 1H), 4.13 (m,
2H), 4.28 (dd, 見かけ t, J=8.7, 8.7 Hz, 2H), 6.98 (d,
J=5.0 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 8.43 (d, J= 5.0 Hz, 1H). 13C NMR
(100 MHz, CDCl3) δ 20.96, 28.36, 34.90, 54.6
(v br), 79.30, 122.46, 122.88, 147.67, 149.30, 156.38, 160.64.
【0106】
D.化合物C9の調製。化合物C8(124mg、0.50mmol))をジクロロメタン(2mL)と混合し、トリフルオロ酢酸(1mL)で処理した。反応混合物を室温で約18時間撹拌し、次いで真空中で濃縮して化合物C9を得、定量的な変換であると考えられたため、これを精製せずに次のステップで使用した。LCMS m/z 149.1 (M+1)。
【0107】
ステップ3.表題化合物1の合成。化合物C5(114mg、0.333mmol)と化合物C9(74.1mg、0.50mmol)をアセトニトリル(2mL)およびトルエン(2mL)中で合わせ、トリエチルアミン(0.116mL、0.83mmol)で処理した。反応混合物を90℃で5時間加熱し、次いで冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1のクロロホルム:MeOH)によって精製して、化合物1を固体として得た。収率:92mg、0.23mmol、69%。LCMS m/z 395.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.91 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.37 (m, 2H),
3.44 (dd, 見かけ t, J=7, 7 Hz, 1H), 3.60 (m, 4H), 3.77 (m,
3H), 4.14 (br d, J=11.6 Hz, 2H), 4.83 (tt, J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 6.99 (d, J=5.0
Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.44 (d, J=5.0 Hz, 1H).
【0108】
(実施例2)
6−[シクロプロピル(3−フェノキシアゼチジン−1−イル)メチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0109】
【化5】
【0110】
ステップ1.6−[クロロ(シクロプロピル)メチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C13)の調製。
A.6−(ジメトキシメチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C10)の調製。メチルジメトキシアセテート(19.9g、148mmol)および化合物C2(15.6g、74.2mmol)を分子ふるい(16g)と合わせ、混合物をカリウムt−ブトキシドのTHF溶液(1.0M、150mL、150mmol)で処理した。反応混合物を約18時間加熱還流し、次いでそれを濾過し、収集した固体を追加のTHFですすいだ。濾液を合わせて酢酸で中和し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5%のMeOHクロロホルム溶液)によって精製して、C10を白色の固体として得た。収率:9.8g、33mmol、44%。MS (APCI) m/z 295.2 (M+1). 1H NMR (300 MHz, CDCl3)
δ 1.91 (br d, J=10.5 Hz, 2H), 2.38 (m, 2H), 3.48 (s,
6H), 3.60 (dd, J=11, 12, 2H), 4.14 (br d, J=11 Hz, 2H), 4.90 (m, 1H), 5.22 (s,
1H), 8.10 (s, 1H), 9.52 (br s, 1H).
【0111】
B.ヒドロキシ[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]メタンスルホン酸(C11)の調製。化合物C10(1.0g、3.4mmol)を塩酸水溶液(1N、10mL)およびTHF(10mL)と合わせ、para−トルエンスルホン酸一水和物(646mg、3.40mmol)で処理した。反応混合物を16時間67℃に加熱し、その間に反応混合物が淡黄色の溶液になった。これを室温に冷却し、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した。亜硫酸水素ナトリウム(707mg、6.79mmol)を加え、反応液を室温で1時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後、EtOHと3回共沸させて、未精製のC11をオフホワイトの固体として得たが、この固体は、過剰の亜硫酸水素ナトリウムおよび1当量のpara−トルエンスルホン酸ナトリウム塩をまだ含有していた。この未精製材料を次の反応で使用した。回収:2.9g、定量的と考えられる。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 生成物のピークのみ: δ 1.84 (m, 2H), 2.11 (m, 2H), 3.54 (br dd,
見かけ t, J=12, 12 Hz, 2H), 3.98 (br dd, J=11.3, 4 Hz,
2H), 4.38 (br s, 1H), 4.88 (m, 1H), 4.93 (br s, 1H), 6.78 (br s, 1H), 8.08 (s,
1H).
【0112】
C.6−[シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C12)の調製。前のステップの未精製のC11(1.45g、≦1.7mmol)をTHF(10mL)中でスラリー化し、臭化シクロプロピルマグネシウムのTHF溶液(0.50M、33.9mL、17mmol)で数回に分けて処理した。わずかな発熱量が観察され、反応液が黄色になり、それを16時間加熱還流し、次いで室温に冷却し、塩化アンモニウム水溶液(3M、20mL)で失活させた{注意:発熱および気体放出}。混合物を室温で1時間撹拌し、次いでジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン〜2.5%のMeOHジクロロメタン溶液)によって精製して、C12を淡黄色の固体/ゴム状物質として得たが、H NMRによって評価したところ、外来のシクロプロピル材料が混入していた。この材料は次のステップまで持ち越された。収率:252mg、<0.87mmol、<51%。LCMS m/z 289.3 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
生成物のピークのみ: δ 0.56 (m, 4H), 1.24
(m, 1H), 1.90 (m, 2H), 2.36 (dddd, J=12, 12, 12, 4.6 Hz, 2H), 3.58 (dd, J=12,
12 Hz, 2H), 4.12 (br dd, J=11.7, 4 Hz, 2H), 4.17 (d, J=7.0 Hz, 1H), 4.81 (tt,
J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H).
【0113】
D.化合物C13の調製。C12(252mg、<0.87mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液をトリエチルアミン(0.18mL、1.3mmol)および塩化メタンスルホニル(0.08mL、1.0mmol)で処理し、室温で16時間撹拌した。次いで反応液を水中に注ぎ、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて水で2回、1N塩酸水溶液で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過し、減圧下で溶媒を除去すると残渣が得られ、それをシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン〜1.5%のMeOHジクロロメタン溶液)によって精製して、C13を淡黄色のゴム状物質として得た。収率:3ステップで100mg、0.32mmol、19%。LCMS m/z 309.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.68 (m, 2H), 0.79 (m, 1H), 0.93 (m, 1H), 1.74 (m, 1H), 1.95 (m,
2H), 2.40 (m, 2H), 3.62 (br dd, J=12, 12 Hz, 2H), 4.16 (br d, J=12 Hz, 2H),
4.21 (d, J=9.5 Hz, 1H), 4.86 (tt, J=11.7, 4.2 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 11.00 (br
s, 1H).
【0114】
ステップ2.表題化合物2の合成。化合物C13(100mg、0.32mmol)、3−フェノキシアゼチジン(75.6mg、0.407mmol)、およびトリエチルアミン(0.102mL、0.732mmol)をアセトニトリル(3mL)中で合わせ、16時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、水中に注いだ。得られる混合物をジクロロメタンで2回抽出し、有機層を水、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 2.5%のMeOHジクロロメタン溶液)によって精製すると、化合物2が得られた。収率:27mg、0.064mmol、20%。LCMS m/z 422.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.46 (m, 2H), 0.58 (m, 1H), 0.77 (m, 1H), 0.86 (m, 1H), 1.93 (m,
2H), 2.39 (m, 2H), 2.63 (d, J=8.9 Hz, 1H), 3.19 (dd, J=7.6, 6.1 Hz, 1H), 3.52
(dd, J=7.9, 6.0 Hz, 1H), 3.61 (m, 2H), 3.83 (br dd, J=7, 7 Hz, 1H), 4.01 (br
dd, J=7, 7 Hz, 1H), 4.15 (br dd, J=11.4, 4 Hz, 2H), 4.82 (tt, J=11.8, 4.2 Hz,
1H), 4.85 (m, 1H), 6.78 (br d, J=8.6 Hz, 2H), 6.98 (br t, J=7.4 Hz, 1H), 7.29
(dd, J=8.8, 7.4 Hz, 2H), 8.07 (s, 1H), 9.74 (br s, 1H).
【0115】
(実施例3)
1−シクロブチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0116】
【化6】
【0117】
ステップ1.5−アミノ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(C14)の調製。シクロブチルヒドラジン二塩酸塩(11.63g、73.12mmol)のEtOH(110mL)懸濁液を氷浴で冷却し、固体ナトリウムエトキシド(9.95g、146mmol)で45分間かけて少量ずつ処理を施し、その間反応混合物の内部温度を約0℃に保った。混合物を氷浴中でさらに1時間撹拌し、次いで、(エトキシメチレン)マロノニトリル(8.93g、73.1mmol)のEtOH(70mL)溶液を、反応混合物の内部温度が0℃〜5℃の間に保たれる速度で、約1.5時間かけて滴下添加した。次いで反応液を約18時間かけて室温に温め、その後それを還流温度で1.5時間加熱した。室温に冷却した後、真空中で溶媒を除去し、残渣をEtOAcと水とに分配した。水層を追加のEtOAcで2回抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して未精製のC14を得、これを精製せずに次のステップで使用した。収率:14.1g、質量回収率>100%。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.9 (m, 2H), 2.4 (m, 2H), 2.65 (m, 2H), 4.25 (br s, 2H), 4.45 (m,
1H), 7.5 (s, 1H).
【0118】
ステップ2.5−アミノ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C15)の調製。未精製のC14(14.1g、≦73.12mmol)を氷浴で冷却し、予め冷却(氷浴)した濃硫酸(55mL)で処理した。冷却浴を取り外し、溶液が得られるまで反応混合物を撹拌した。室温で約18時間撹拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ、これそのものを氷浴で冷却し、引き続いて濃水酸化アンモニウム水溶液を加えてpH約11〜12に調整した。得られる沈殿を濾過によって収集し、水で3回、次いでジエチルエーテルで3回洗浄して、C15を黄色の固体として得た。収率:2ステップで6.0g、33mmol、45%。MS (APCI) m/z 181.2 (M+1). 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)
δ 1.73 (m, 2H), 2.27 (m, 2H), 2.44 (m, 2H), 4.68 (m,
1H), 6.15 (m, 2H), 6.6 (br s, 1H), 7.2 (br s, 1H), 7.68 (s, 1H).
【0119】
ステップ3.(1S)−2−[(4−カルバモイル−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(C16)の調製。C15(5.00g、27.7mmol)を無水ジオキサン(120mL)に懸濁させた氷冷懸濁液に、(1S)−2−クロロ−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(3.86mL、30.5mmol)をゆっくりと加えた。混合物を111℃で8時間加熱し、次いで冷却し、室温で約18時間撹拌した。反応液を真空中で濃縮してC16を得、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0120】
ステップ4.1−シクロブチル−6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C17)の調製。化合物C17は、C3の代わりにC16を使用したことを除き、実施例1のC4の合成についての一般手順に従って調製した。さらに、この場合では、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:50:1のクロロホルム:MeOH)によって精製して、C17を固体として得た。収率 5.70g、24.3mmol、87%。LCMS m/z 235.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.64 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.91 (m, 2H), 2.44 (m, 2H), 2.75 (m, 2H),
4.26 (br s, 1H), 4.89 (q, J=6.6 Hz, 1H), 5.25 (m, 1H), 8.06 (s, 1H), 11.07 (br
s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.93, 22.42, 29.84, 50.92, 67.67, 104.42, 134.66, 151.71, 159.25,
161.48.
【0121】
ステップ5.(1S)−1−(1−シクロブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチルメタンスルホネート(C18)の調製。化合物C18は、C4の代わりにC17を使用し、クロマトグラフィーによる精製を0%〜5%のMeOHジクロロメタン溶液でなく0.5%〜1%のMeOHクロロホルム溶液で実施したことを除き、実施例1のC5の合成についての一般手順に従って調製して、C18を固体として得た。収率:6.0g、19.2mmol、79%。LCMS m/z 311.4 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.85 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.93 (m, 2H), 2.46 (m, 2H), 2.78 (m, 2H),
3.23 (s, 3H), 5.29 (m, 1H), 5.69 (q, J=6.6 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 11.65 (br s,
1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.93, 20.39, 29.84, 38.75, 51.07, 74.91, 104.98, 134.71, 151.07,
155.61, 159.27.
【0122】
ステップ6.1−シクロブチル−6−[(1R)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C19)の調製。tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(2.50g、14.4mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(3.7mL、48mmol)で処理し、反応液を室温で約18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル(20mL)およびトルエン(20mL)と混合した。次いで、粉砕した炭酸カリウム(13.3g、96mmol)を加えた後、化合物C18(3.0g、9.6mmol)を加え、混合物を5時間90℃に加熱した。室温に冷却した後、反応液を真空中で濃縮し、水で希釈し、塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:2%のMeOHクロロホルム溶液)によって精製して、C19を固体として得た。収率:1.95g、6.74mmol、70%。MS (APCI) m/z 287.9 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.33 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.90 (m, 2H), 2.44 (m, 2H),
2.76 (m, 2H), 3.17 (br dd, J=7, 4 Hz, 1H), 3.28 (br dd, J=7, 4 Hz, 1H), 3.58
(m, 3H), 4.44 (m, 1H), 5.28 (m, 1H), 8.12 (s, 1H).
【0123】
ステップ7.表題化合物3の合成。2−クロロピリミジン(79.2mg、0.691mmol))、カリウムtert−ブトキシド(163mg、1.45mmol)、および化合物C19(200mg、0.691mmol)をTHF(5mL)中で合わせ、混合物を70℃で8時間加熱した。反応液を室温に冷却し、真空中で濃縮し、残渣を水とジクロロメタンとに分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:0.5%〜1%のMeOHクロロホルム溶液)によって精製すると、3が固体として得られた。収率:109mg、0.297mmol、43%。LCMS m/z 368.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (v br s, 3H), 1.91 (m, 2H), 2.45 (m, 2H), 2.76 (m, 2H), 3.32
(v br s, 1H), 3.53 (v br m, 2H), 3.97 (v br s, 2H), 5.28 (m, 2H), 6.99 (t,
J=4.9 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.51 (d, J=5.0 Hz, 2H)
【0124】
(実施例4)
1−イソプロピル−6−[1−(3−フェノキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0125】
【化7】
【0126】
ステップ1.5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(C20)の調製。(エトキシメチレン)マロノニトリル(12.83g、105mmol)とイソプロピルヒドラジン塩酸塩(11.06g、100mmol)をEtOH(250mL)中で合わせた。ジイソプロピルエチルアミン(36.6mL、210mmol)を滴下添加すると、反応混合物がいくらか温まった。反応液を室温で約18時間撹拌した。次いで真空中で揮発性物質を除去し、得られる粘稠な黄色の油状物をジクロロメタンに溶解させ、短いシリカゲルカラムにかけた。カラムをジクロロメタン(約300mL)に続いてEtOAcとヘキサンの1:1混合物(約750mL)で溶離し、EtOAc:ヘキサン溶離液を減圧下で濃縮して、C20を淡黄色の固体として得た。収率:12.1g、80.6mmol、81%。LCMS m/z 151.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 1.26 (d, J=6.6 Hz, 6H), 4.41 (七重線, J=6.5 Hz, 1H), 6.52 (br s, 2H), 7.53 (s, 1H).
【0127】
ステップ2.5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C21)の調製。化合物C20(4.0g、27mmol)を濃硫酸(約10mL)と合わせ、室温で2時間撹拌した。次いで反応液を氷上に注ぎ、濃水酸化アンモニウム水溶液でpH9に調整し、ジクロロメタンとTHFの混合物で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮してC21を得た。収率:3.02g、18.0mmol、67%。LCMS m/z 169.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.39 (d, J=6.6 Hz, 6H), 4.39 (七重線, J=6.6
Hz, 1H), 7.69 (s, 1H).
【0128】
ステップ3.5−[(2−ブロモプロパノイル)アミノ]−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C22)の調製。化合物C21(16.8g、100mmol)を、無水DMF(400mL)とトリエチルアミン(30.8mL、221mmol)の混合物に溶解させ、氷浴で0℃に冷却した。臭化2−ブロモプロパノイル(43.2g、200mmol)を滴下添加し、反応液を0℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物をもとの体積の約5分の1に濃縮し、EtOAc(800mL)と2N塩酸水溶液(800mL)とに分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(800mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(800mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、減圧下で溶媒を除去すると、C22が橙色の残渣として得られ、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0129】
ステップ4.6−(1−ブロモエチル)−1−イソプロピル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C23)の調製。未精製C22(前のステップのもの、≦100mmol)の無水トルエン(800mL)懸濁液に、para−トルエンスルホン酸一水和物(9.5g、50mmol)を加え、フラスコにDean−Starkトラップを備え付け、混合物を還流温度で16時間加熱した。次いで反応液を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。得られる混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1のクロロホルム:MeOH)によって精製して、(第二の成分が混入した)C23をベージュ色の固体として得た。収率:2ステップで11.2g、<39.3mmol、<39%。LCMS m/z 285.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
(主成分のみ): δ 1.45 (d, J=6.7 Hz,
3H), 1.46 (d, J=6.7 Hz, 3H), 1.99 (d, J=6.8 Hz, 3H), 4.96 (七重線, J=6.6 Hz, 1H), 5.13 (q, J=6.8 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 12.36 (br s,
1H).
【0130】
ステップ5.表題化合物4の合成。3−フェノキシアゼチジン塩酸塩(260mg、1.40mmol)、C23(200mg、0.701mmol)、および炭酸カリウム(290mg、2.1mmol)をアセトニトリル(10mL)中で合わせた。反応混合物を室温で2時間、次いで還流温度で3時間撹拌した。反応液を真空中で濃縮し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られる残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:200:1のクロロホルム:MeOH)にかけて4を得た。収率:149mg、0.42mmol、60%。MS (APCI) m/z 354.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.35 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.53 (d, J=6.6 Hz, 6H), 3.22
(br dd, J=6, 7 Hz, 1H), 3.39 (br dd, J=6.5, 6.5 Hz, 1H), 3.55 (q, J=6.6 Hz,
1H), 3.87 (m, 2H), 4.83 (m, 1H), 5.02 (七重線, J=6.6 Hz,
1H), 6.77 (d, J=7.7 Hz, 2H), 6.97 (m, 1H), 7.28 (dd, J=8.5, 7.5 Hz, 2H), 8.06
(s, 1H), 9.85 (br s, 1H).
【0131】
(実施例5)
2−フルオロ−5−[(1−{1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチル}アゼチジン−3−イル)オキシ]ベンゾニトリル
【0132】
【化8】
【0133】
ステップ1.5−[(2−ブロモプロパノイル)アミノ]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C24)の調製。C2(5.0g、23.8mmol)およびトリエチルアミン(3.65mL、26.2mmol)を無水DMF(50mL)に溶かした溶液を氷浴で冷却し、臭化2−ブロモプロパノイル(5.4g、25mmol)の滴下添加によって処理した。混合物を0℃で30分間撹拌し、室温に温め、周囲温度でさらに2時間撹拌した。反応液をEtOAc(200mL)と2N塩酸水溶液(500mL)とに分配し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、濾液を濃縮すると、未精製のC24が橙色の残渣として得られ、これを精製せずに次のステップで使用した。
【0134】
ステップ2.6−(1−ブロモエチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C25)の調製。前のステップのC24(≦23.8mmol)をトルエン(100mL)に懸濁させた懸濁液をpara−トルエンスルホン酸(2.3g、11.9mmol)で処理し、Dean−Starkトラップを使用して6時間加熱還流した。次いで混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液に続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して残渣を得、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1のクロロホルム:MeOH)によって精製した。得られる黄橙色の固体を第二のシリカゲルカラム(溶離液 100:1のクロロホルム:MeOH)にかけて、C25を黄色の固体として得た。収率:2ステップで1.1g、3.36mmol、14%。純度:85%(LCMSによる)。LCMS m/z 327.0, 329.1 2つの臭素の同位体(M+1). 1H
NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.92 (m, 2H), 2.06
(d, J=6.3 Hz, 3H), 2.31 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 4.08 (m, 2H), 4.94 (m, 1H), 5.09
(q, J=6.6 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H).
【0135】
ステップ3.6−[1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C26)の調製。t−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレート(519mg、3.00mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液をトリフルオロ酢酸(0.77mL、10mmol)で処理し、得られる混合物を室温で約18時間撹拌した。追加のトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応液をさらに3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣にアセトニトリル(40mL)を加えた後、固体炭酸カリウム(2.76g、20mmol)およびC25(654mg、2.00mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで3時間90℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、濾過し、残存する固体を追加のジクロロメタンで洗浄した。濾液を合わせて真空中で濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:40:1〜20:1のクロロホルム:MeOH)にかけてC26を得た。収率:368mg、1.15mmol、58%。MS (APCI) m/z 320.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.34 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.91 (m, 2H), 2.38 (dddd, 見かけ qd, J=12, 12, 12, 4.6 Hz, 2H), 3.17 (br s, 1H), 3.28 (br s, 1H),
3.52-3.68 (m, 5H), 4.14 (dd, J=11.3, 3.6 Hz, 2H), 4.46 (m, 1H), 4.85 (tt,
J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H).
【0136】
ステップ4.1−{1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチル}アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(C27)の調製。C26(1.34g、4.20mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液を、トリエチルアミン(1.17mL、8.41mmol)で、次いで塩化メタンスルホニル(0.49mL、6.3mmol)の滴下添加によって処理した。反応液を室温で約18時間撹拌し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜4%のMeOHジクロロメタン溶液)によって2回精製して、C27を固体として得た。収率:1.12g、2.82mmol、67%。LCMS m/z 398.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.36 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.90 (m, 2H), 2.29 (m, 2H), 3.10 (s, 3H),
3.39 (dd, J=8.3, 5.4 Hz, 1H), 3.44 (dd, J=8.4, 5.3 Hz, 1H), 3.62 (m, 3H), 3.76
(br dd, J=7.4, 7.4 Hz, 1H), 3.84 (br dd, J=7.4, 7.4 Hz, 1H), 4.10 (br d, J=11.6
Hz, 2H), 4.97 (tt, J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 5.15 (m, 1H), 8.03 (s, 1H).
【0137】
ステップ5.表題化合物5の合成。化合物C27(50mg、0.13mmol)、2−フルオロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(34.5mg、0.25mmol)、および炭酸カリウム(52.2mg、0.38mmol)をアセトニトリル(5mL)中で合わせ、混合物を還流温度で約18時間加熱した。真空中で溶媒を除去すると残渣が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:1%〜3%のMeOHジクロロメタン溶液)によって精製して、5を固体として得た。収率:19mg、0.043mmol、33%。LCMS m/z 439.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.37 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.89 (m, 2H), 2.29 (dddd, J=12, 12, 12, 5
Hz, 2H), 3.28 (dd, J=8.3, 5.4 Hz, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.61 (m, 3H), 3.86 (br dd,
J=7, 7 Hz, 1H), 3.92 (br dd, J=7, 7 Hz, 1H), 4.09 (br dd, J=11.6, 3.7 Hz, 2H),
4.90 (m, 水のピークにより不明確, 推定1H),
4.98 (tt, J=11.6, 4.3 Hz, 1H), 7.19 (m, 2H), 7.28 (m, 1H), 8.03 (s, 1H).
【0138】
(実施例6)
1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ピリミジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0139】
【化9】
【0140】
ステップ1.(1S)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチルメタンスルホネート(C32)の調製
A.5−アミノ−1−シクロペンチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(C28)の調製。シクロペンチルヒドラジン二塩酸塩(50.9g、0.294mol)の無水EtOH(640mL)溶液を0℃に冷却し、少量ずつのナトリウムエトキシド(40.0g、0.588mol)で2時間かけて処理した。混合物を0℃で45分間撹拌し、次いで(エトキシメチレン)マロノニトリル(35.9g、0.294mol)のEtOH溶液で1時間かけて数回に分けて処理した。加えた後、反応液を0℃で30分間撹拌し、次いで1時間かけて室温に温めた。混合物を還流温度で2時間加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮し、その後残渣を水と混合し、得られる懸濁液を濾過した。収集した固体を水で3回、次いでジエチルエーテルとヘキサンの1:1混合物で3回洗浄し、C28をベージュ色の固体として得た。収率:44.0g、0.250mol、85%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.69 (m, 2H), 1.92 (m, 2H), 2.06 (m, 4H), 4.34 (m, 1H), 7.50 (s,
1H).
【0141】
B.5−アミノ−1−シクロペンチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(C29)の調製。化合物C28(44.0g、0.250mol)を濃硫酸(200mL)に0℃で少量ずつ加えた。加え終えた後、反応混合物を0℃〜室温に温め、約18時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、次いで濃水酸化アンモニウム水溶液を加えてpHを9〜10にした。得られる固体を濾過によって収集し、水で3回洗浄し、次いでジエチルエーテルとヘキサンの1:1混合物で3回洗浄して、C29をオフホワイトの固体として得た。収率:39.8g、0.205mol、82%。LCMS m/z 195.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 1.57 (m, 2H), 1.80 (m, 4H), 1.92 (m, 2H), 4.52 (m,
1H), 6.15 (s, 2H), 6.61 (br s, 1H), 7.15 (br s, 1H), 7.62 (s, 1H).
【0142】
C.(1S)−2−[(4−カルバモイル−1−シクロペンチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(C30)の調製。C29(16.4g、84.4mmol)を無水1,4−ジオキサン(200mL)に懸濁させた氷冷懸濁液に、(1S)−2−クロロ−1−メチル−2−オキソエチルアセテート(12mL、95mmol)をゆっくりと滴下添加した。0℃で40分間撹拌した後、反応混合物を還流温度で2時間加熱した。次いでそれを室温に冷却し、真空中で濃縮してC30を得、これを次のステップでそのまま使用した。
【0143】
D.1−シクロペンチル−6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C31)の調製。前のステップの化合物C30(84.4mmolと想定)を水(200mL)とTHF(20mL)の混合物に溶解させた。この溶液に炭酸カリウム(60g、0.43mol)を加え、得られる混合物を50℃で2日間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C31を黄褐色の固体として得た。収率:2ステップで17.5g、70.5mmol、84%。LCMS m/z 249.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 1.41 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.67 (m, 2H), 1.90 (m, 4H),
2.06 (m, 2H), 4.61 (q, J=6.6 Hz, 1H), 5.13 (m, 1H), 8.02 (s, 1H).
【0144】
E.C32の調製。C31(純度93重量%、87.74g、328.6mmol)の2−メチルテトラヒドロフラン(408mL)溶液を4−メチルモルホリン(54.4mL、495mmol)で処理し、5分後に塩化メタンスルホニル(26.7mL、345mmol)で処理した。反応の温度を3時間25℃〜40℃の間に保った。室温に冷却した後、反応混合物をCeliteで濾過してモルホリン塩を除去し、フィルターケーキを5〜10体積の2−メチルテトラヒドロフランで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:9:1のEtOAc:ヘキサン)によって精製した。純粋な画分を合わせ、濃縮して、C32をわずかに黄色の固体として得た。収率:48.6g、149mmol、45%。混合画分を合わせ、濃縮して40グラムの残渣を得、これをメチルtert−ブチルエーテル(100mL)での摩砕によって精製して、追加のC32を白色の固体として得た。合計収率:79.5g、244mmol、74%。LCMS m/z 325.1 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.75 (m, 2H), 1.86 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.99 (m, 2H), 2.13 (m, 4H),
3.23 (s, 3H), 5.18 (m, 1H), 5.70 (q, J=6.7 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 11.04 (br s,
1H).
【0145】
ステップ2.2−アゼチジン−3−イルピリミジンジメタンスルホネート(C34)の調製
A.tert−ブチル3−ピリミジン−2−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C33)の調製。亜鉛粉末(150.1g、2.30mol)および分子ふるい(50g)を反応フラスコ中で合わせ、真空中で10分間火炎乾燥した。フラスコが室温に戻ったら、そこにTHF(4L)を満たし、1,2−ジブロモエタン(24.4mL、0.28mol)を加えた。反応混合物を10分間50℃に加熱し、次いで周囲温度になるようにし、その時点で塩化トリメチルシリル(33.5mL、0.264mol)を加えた{注意:若干の発熱}。混合物を室温で約18時間撹拌した。C7(500g、1.77mol)を1.5時間かけてゆっくりと加えた後、さらに18時間撹拌した。別のフラスコにおいて、THF(1.3L)中で2−ブロモピリミジン(253g、1.59mol)を分子ふるい(85g)と合わせ、混合物を脱気した。この混合物をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(32.7g、0.0283mol)で処理し、次いでC7からの反応混合物を含有するフラスコに加えた。反応液を25時間撹拌し、次いでCeliteで濾過した。減圧下で濾液を濃縮し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液(2L)とEtOAc(2L)とに分配した。水層をEtOAc(2×2L)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られる黄色の液体残渣をメチルtert−ブチルエーテル(500mL)で摩砕し、沈殿を濾過によって除去した。濾液を部分的に濃縮すると、固体が沈殿し、この時点の混合物を氷水浴で冷却した。次いで濾過すると固体が得られ、これを最小量の冷メチルtert−ブチルエーテルで洗浄して、C33を白色の固体として得、これを次のステップにそのまま使用した。収率:131g、0.557mol、31%。GCMS m/z 180 ([M-tert-butyl]+1); 136 ([M-BOC]+1). 1H
NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.45 (s, 9H), 4.0 (m,
1H), 4.3 (m, 4H), 7.2 (t, 1H), 8.75 (d, 2H).
【0146】
B.化合物C34の調製。C33(131g、0.557mol、前のステップのもの)をジクロロメタン:ジオキサン(9:1の比、1L)に溶かした氷冷溶液に、メタンスルホン酸(108.3mL、1.67mol)を加えた。混合物を撹拌しながら約18時間かけて室温に温めた。沈殿を濾過し、メチルtert−ブチルエーテルで洗浄して、C34を白色の固体として得た。収率:180g、0.550mol、99%。LCMS m/z 136.2 (M+1). 1H NMR (300 MHz, D2O) δ 2.55 (s, 6H), 4.33 (m, 5H), 7.64 (t, J=5.3 Hz, 1H), 8.90 (d, J=5.2
Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, D2O) δ 36.47, 38.53, 49.98, 121.63, 158.08, 164.37.
【0147】
ステップ3.表題化合物6の合成。化合物C32(35g、107mmol)およびC34(38.62g、118mmol)をアセトニトリル(700mL)と混合し、不均一な反応混合物をトリエチルアミン(134mL、961mmol)で処理し、3.5時間80℃に加熱した。反応液は、均一になり淡黄色になった。生成物をポット温度80〜90℃で蒸留して、350〜500mLのアセトニトリルが残るまで濃縮した。次いでそれを室温に冷ましながら結晶化した。混合物を約18時間撹拌し、次いで濾過して、6を固体として得た。収率:21g、57.5mmol、54%。結晶化するのでなくクロマトグラフィーにかけた以外は同様の条件下で調製した6のサンプルについては、生成物の少ない方の鏡像異性体を、Chiralpak AD−Hカラムを使用するキラルクロマトグラフィー(5μm、2.1×25cm、移動相:70:30の二酸化炭素:MeOH、流量65g/分)によって除去した。化合物6は、保持時間が約3.35分の、2番目に溶出する鏡像異性体であった。LCMS m/z 366.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.72 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 2.11 (m, 4H),
3.58 (m, 2H), 3.71 (dd, J=7.1, 7.1 Hz, 1H), 3.79 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 5.16
(m, 1H), 7.19 (t, J=4.9 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.72 (d, J=5.0 Hz, 2H), 9.86 (br
s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.07, 24.73, 32.38, 32.45, 37.61, 56.69, 57.69, 57.78, 65.09,
105.09, 119.00, 134.54, 157.11, 157.93, 160.39, 169.82 (1個の芳香族シグナルが観測されず).
【0148】
(実施例7)
6−[(1R)−1−(3−キノリン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0149】
【化10】
【0150】
ステップ1.2−アゼチジン−3−イルキノリン(C37)の調製
A.2−ヨードキノリン(C35)の調製。2−クロロキノリン(8.18g、50.0mmol)、塩化トリメチルシリル(98%、6.48mL、50.0mmol)、およびヨウ化ナトリウム(98%、15.3g、100mmol)をプロピオニトリル(50mL)と混合し、還流温度で約18時間加熱した。次いで反応液を室温に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(1N、25mL)で失活させた。EtOAcで抽出した後、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜100%の酢酸エチルヘプタン溶液)によって精製するとC35が得られた。収率:5.33g、20.9mmol、42%。LCMS m/z 255.9 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.57 (ddd, J=8.1, 6.9, 1.2 Hz, 1H), 7.75 (m, 4H), 8.05 (br d, J=8.5
Hz, 1H).
【0151】
B.tert−ブチル3−キノリン−2−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C36)の調製。化合物C36は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりにC35を使用し、パラジウム触媒およびC35を加えた後に反応液を50℃で18時間撹拌したことを除き、実施例1のC8の合成についての一般手順に従って調製した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 0〜100%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、C36を得た。収率:1.05g、3.69mmol、47%。LCMS m/z 285.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.48 (s, 9H), 4.07 (m, 1H), 4.30 (dd, J=8.6, 5.9 Hz, 2H), 4.41 (dd,
J=8.7, 8.7 Hz, 2H), 7.43 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.53 (ddd, J=8.1, 6.9, 1.1 Hz, 1H),
7.72 (ddd, J=8.4, 6.9, 1.4 Hz, 1H), 7.81 (br d, J=8.1 Hz, 1H), 8.07 (br d,
J=8.5 Hz, 1H), 8.16 (d, J=8.5 Hz, 1H).
【0152】
C.C37の調製。C36(1.0g、3.5mmol)を塩酸メタノール溶液(1.25M、50mL、62mmol)に溶かした溶液を、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、6N水酸化ナトリウム水溶液で生成物を遊離塩基に変換した後、ジクロロメタンで抽出した。真空中で溶媒を除去すると、C37が得られた。収率:310mg、1.68mmol、48%。LCMS m/z 185.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 3.80 (dd, J=8.0, 8.0 Hz, 2H), 3.91 (dd, J=7.4, 7.4
Hz, 2H), 4.16 (m, 1H), 7.54 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J=8.1, 6.9, 1.1 Hz,
1H), 7.74 (ddd, J=8.4, 6.9, 1.6 Hz, 1H), 7.96 (m, 2H), 8.32 (d, J=8.5 Hz, 1H).
【0153】
ステップ2.表題化合物7の合成。化合物7は、C9の代わりにC37を使用し、クロマトグラフィーをEtOH中0〜10%のEtOAc勾配を用いて実施したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製して、7をガラスとして得た。収率:480mg、1.11mmol、79%。LCMS m/z 431.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.93 (br d, J=12.6 Hz, 2H), 2.39 (m, 2H),
3.63 (m, 4H), 3.79 (m, 1H), 3.87 (m, 2H), 4.06 (m, 1H), 4.15 (m, 2H), 4.86 (tt,
J=11.7, 4 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.54 (ddd, J=8.1, 6.9, 1.2 Hz, 1H),
7.73 (ddd, J=8.4, 6.9, 1.4 Hz, 1H), 7.82 (dd, J=8.2, 1.1 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H),
8.09 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.15 (d, J=8.5 Hz, 1H).
【0154】
(実施例8)
6−{(1R)−1−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0155】
【化11】
【0156】
ステップ1.2−アゼチジン−3−イル−6−メチルピリジン(C39)の調製
A.tert−ブチル3−(6−メチルピリジン−2−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C38)の調製。化合物C38は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに2−ブロモ−6−メチルピリジンを使用したことを除き、実施例1のC8の合成についての一般手順に従って調製した。収率:397mg、1.60mmol、45%。LCMS m/z 249.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 2.54 (s, 3H), 3.85 (tt, J=8.8, 6.1 Hz, 1H), 4.13 (dd,
J=8.6, 6.1 Hz, 2H), 4.30 (dd, J=8.8, 8.8 Hz, 2H), 7.02 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.08
(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.55 (dd, J=7.7, 7.7 Hz, 1H). 13C NMR (100
MHz, CDCl3) δ 24.72, 28.65, 35.42, 55.2 (v 広幅), 79.61, 118.32, 121.61, 137.05, 156.75, 158.39, 160.60.
【0157】
B.化合物C39の調製。化合物C39は、C8の代わりにC38を使用したことを除き、実施例1のC9の合成についての一般手順に従って調製した。収率:74.1mg、0.50mmol、100%。LCMS m/z 149.1 (M+1)。
【0158】
ステップ2.化合物8の合成。化合物8は、C9の代わりにC39を使用したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製した。化合物8は、オフホワイトの固体として単離した。収率:41mg、0.104mmol、31%。LCMS m/z 395.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.91 (br d, J=12.6 Hz, 2H), 2.38 (m, 2H),
2.54 (s, 3H), 3.45 (dd, J=6.5, 6.5 Hz, 1H), 3.55-3.65 (m, 4H), 3.72-3.85 (m,
3H), 4.14 (dd, J=11.4, 3.9 Hz, 2H), 4.84 (tt, J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 7.02 (d,
J=7.7 Hz, 1H), 7.05 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.53 (dd, J=7.7, 7.7 Hz, 1H). 8.06 (s,
1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.19, 24.54, 32.17, 36.64, 53.69, 57.53, 58.65, 65.16, 67.01,
105.31, 118.39, 121.25, 134.72, 136.64, 151.89, 157.86, 158.08, 159.73, 160.80.
【0159】
(実施例9)
6−{(1R)−1−[3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0160】
【化12】
【0161】
ステップ1.3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジン(C40)の調製。水酸化パラジウム(500mg)と1−(ジフェニルメチル)−3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジン(500mg、1.50mmol)をエタノール(50mL)中で合わせ、50psiで18時間水素化した。次いで反応混合物をCeliteで濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:00:5:2のクロロホルム:MeOH:濃水酸化アンモニウム水溶液)によって精製して、C40を得た。収率:188mg、1.12mmol、75%。LCMS m/z 168.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.44 (br s, 1H), 3.76 (m, 2H), 3.89 (m, 2H), 4.91 (m, 1H), 6.66 (m,
2H), 6.93 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 54.55, 70.81, 115.43, 115.51, 115.76, 115.99, 152.96, 156.15,
158.53.
【0162】
ステップ2.表題化合物9の合成。化合物9は、C9の代わりにC40を使用したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製した。収率:258mg、0.624mmol、85%。LCMS m/z 414.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.91 (br d, J=12.6 Hz, 2H), 2.37 (m, 2H),
3.23 (br s, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.61 (m, 3H), 3.88 (br s, 2H), 4.14 (dd, J=11.5,
4.0 Hz, 2H), 4.75-4.88 (m, 2H), 6.71 (m, 2H), 6.97 (m, 2H), 8.06 (s, 1H).この材料(80%ee)を、Chiralpak AS−Hカラムを使用するクロマトグラフィー(溶離液:85:15の二酸化炭素:MeOH)にかけた後、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(溶離液:100:1のクロロホルム:MeOH)にかけて、純粋な鏡像異性体9を得た。収率:102mg。鏡像体過剰率:100%、LCMSおよびH NMRは基本的に変わりなし。
【0163】
(実施例10)
6−{(1R)−1−[3−(5−クロロピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]エチル}−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0164】
【化13】
【0165】
ステップ1.2−アゼチジン−3−イル−5−クロロピリミジン(C42)の調製
A.tert−ブチル3−(5−クロロピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C41)の調製。化合物C41は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに、5−クロロ−2−ヨードピリミジンを使用し、反応を室温で実施し、1:4のEtOAc:ヘプタンを使用してクロマトグラフィーによる精製を実施したことを除き、実施例1のC8の合成についての一般手順に従って調製した。収率:1.13g、4.19mmol、42%。LCMS m/z 270.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44 (s, 9H), 4.00 (tt, J=8.8, 6.0 Hz, 1H), 4.21 (dd, J=8.5, 6.0
Hz, 2H), 4.31 (dd, J=8.7, 8.7 Hz, 2H), 8.66 (s, 2H). 13C NMR
(100 MHz, CDCl3) δ 28.32, 35.59, 54.0 (br),
79.48, 129.47, 155.69, 156.32, 168.01.
【0166】
B.化合物C42の合成。化合物C42は、C8の代わりにC41を使用したことを除き、実施例1のC9の合成についての一般手順に従って調製した。収率:170mg、1.00mmol、100%。LCMS m/z 170.1 (M+1)。
【0167】
ステップ2.表題化合物10の合成。化合物10は、C9の代わりにC42を使用したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製した。収率:240mg、0.577mmol、86%。LCMS m/z 416.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.91 (br d, J=12.6 Hz, 2H), 2.38 (m, 2H),
3.52-3.64 (m, 4H), 3.68 (dd, J=7.3, 7.3 Hz, 1H), 3.78 (dd, J=7.7, 7.7 Hz, 2H),
3.99 (m, 1H), 4.14 (dd, J=11.3, 4.0 Hz, 2H), 4.83 (tt, J=11.6, 4.2 Hz, 1H),
8.06 (s, 1H), 8.67 (s, 2H), 9.9 (br s, 1H). 13C NMR (100 MHz,
CDCl3) δ 18.02, 32.18, 37.06, 53.76, 56.80,
57.83, 65.02, 67.03, 105.32, 129.44, 134.74, 151.88, 155.60, 157.81, 160.52,
167.62.
【0168】
(実施例11)
6−[(1R)−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0169】
【化14】
【0170】
ステップ1.3−フェニルアゼチジン(C43)の調製。化合物C43は、1−(ジフェニルメチル)−3−(4−フルオロフェノキシ)アゼチジンの代わりに1−(ジフェニルメチル)−3−フェニルアゼチジン(M.C.HillierおよびC−y.Chen、J.Organic Chem.2006、71、7885〜7887を参照されたい)を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーを100:5:1のクロロホルム:MeOH:濃水酸化アンモニウム水溶液を溶離液として実施したことを除き、実施例9のC40の合成についての一般手順に従って調製した。収率:427mg(多少の不純物を含有する)、<3.21mmol、<19%。LCMS m/z 134.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
生成物のピークのみ: δ 4.02 (m, 2H), 4.11
(m, 3H), 7.29 (m, 5H).
【0171】
ステップ2.表題化合物11の合成。化合物11は、C9の代わりにC43を使用し、クロマトグラフィーによる精製を200:1のクロロホルム:MeOHを溶離液として実施したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製した。収率:485mg、1.28mmol、67%。鏡像体過剰率:89.5%。LCMS m/z 380.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.92 (br d, J=12.6 Hz, 2H), 2.39 (m, 2H),
3.25 (dd, J=5.6, 5.6 Hz, 1H), 3.38 (dd, J=5.8, 5.8 Hz, 1H), 3.51 (q, J=6.7 Hz,
1H), 3.62 (m, 2H), 3.79 (m, 3H), 4.15 (br dd, J=11.5, 3.4 Hz, 2H), 4.84 (tt,
J=11.6, 4.2 Hz, 1H), 7.23-7.37 (m, 5H), 8.07 (s, 1H), 9.87 (br s, 1H). 13C
NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.23, 32.17, 34.96,
53.72, 59.03, 60.24, 65.43, 67.01, 105.31, 126.80, 128.56, 134.74, 141.41,
151.83, 157.78, 160.56 (1個の芳香族シグナルが観測されず).この材料を、キラルクロマトグラフィー(カラム:Chiralpak AD−H、2.1×25cm、移動相:85:15の二酸化炭素:MeOH、流量65g/分)にかけて、純粋な鏡像異性体11を得た。収率:333mg。鏡像体過剰率:100%、LCMSおよびH NMRは基本的に変わりなし。
【0172】
(実施例12)
6−[(1R)−1−(3−ピラジン−2−イルアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0173】
【化15】
【0174】
ステップ1.2−アゼチジン−3−イルピラジン(C45)の調製
A.tert−ブチル3−ピラジン−2−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C44)の調製。化合物C44は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに2−ヨードピラジンを使用したことを除き、実施例1のC8の合成についての一般手順に従って調製した。収率:360mg、1.53mmol、43%。LCMS m/z 236.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 3.91 (tt, J=8.7, 5.9 Hz, 1H), 4.18 (dd, J=8.5, 6.0
Hz, 2H), 4.32 (dd, J=8.7, 8.7 Hz, 2H), 8.47 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.50 (d,
J=1.7 Hz, 1H), 8.60 (dd, J=2.5, 1.5 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz,
CDCl3) δ 28.35, 32.59, 54.55 (br), 79.63,
143.17, 143.70, 144.52, 156.30 (1個の低磁場シグナルが観測されず).
【0175】
B.C45の調製。化合物C45は、C8の代わりにC44を使用したことを除き、実施例1のC9の合成についての一般手順に従って調製した。収率:67.6mg、0.500mmol、100%。LCMS m/z 136.1 (M+1)。
【0176】
ステップ2.表題化合物12の合成。化合物12は、C9の代わりにC45を使用し、クロマトグラフィーによる精製を200:1、次いで100:1のクロロホルム:MeOHを溶離液として実施したことを除き、実施例1の1の合成についての一般手順に従って調製した。MS (APCI) m/z 382.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.35 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.90 (br d, J=12.5 Hz, 2H),
2.36 (m, 2H), 3.50 (dd, J=7.0, 7.0 Hz, 1H), 3.56-3.67 (m, 4H), 3.81 (m, 2H),
3.93 (m, 1H), 4.13 (br dd, J=11.5, 3.6 Hz, 2H), 4.84 (tt, J=11.7, 4.2 Hz, 1H),
8.05 (s, 1H), 8.46 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.51 (d, J=1.7 Hz, 1H), 8.57 (dd, J=2.5,
1.7 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 17.92, 32.15, 34.10, 53.73, 56.95, 58.35, 64.93, 66.98, 105.25,
134.69, 143.10, 143.93, 144.23, 151.79, 155.54, 157.98, 160.19.
【0177】
(実施例13)
1−シクロペンチル−6−{(1R)−1−[3−(ピリミジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−イル]エチル}−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
【0178】
【化16】
【0179】
ステップ1.1−シクロペンチル−6−[(1R)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(C46)の調製。化合物C46は、C18の代わりにC32を使用したことを除き、実施例3のC19の合成についての一般手順に従って調製した。収率:2.0g、6.6mmol、69%。MS (APCI) m/z 302.0 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.33 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.71 (m, 2H), 1.97 (m, 2H),
2.10 (m, 4H), 3.18 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 3.51-3.65 (m, 3H), 4.44 (m, 1H), 5.17
(m, 1H), 8.09 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.25, 24.69, 32.41, 57.75, 61.87, 62.15, 62.57, 64.63, 104.92,
134.62, 152.11, 159.04, 160.41.
【0180】
ステップ2.表題化合物13の合成。化合物13は、C19の代わりにC46を使用したことを除き、実施例3の3の合成についての一般手順に従って調製した。収率:130mg、0.34mmol、21%。LCMS m/z 382.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.70 (m, 2H), 1.94 (m, 2H), 2.08 (m, 4H),
3.25 (br s, 1H), 3.42 (br s, 1H), 3.56 (br s, 1H), 3.92 (br s, 2H), 5.15 (m,
1H), 5.27 (m, 1H), 6.96 (t, J=4.8 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.49 (d, J=4.8 Hz,
2H), 9.89 (br s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.02, 24.68, 32.36, 57.71, 58.44, 60.22, 65.14 (br), 65.31,
105.02, 115.58, 134.51, 151.93, 157.89, 159.38, 163.99 (1個の芳香族シグナルが観測されず).
【0181】
この材料(85%ee)を、Chiralpak AS−Hカラムを使用するクロマトグラフィー(溶離液:90:10の二酸化炭素:MeOH)にかけた後、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(溶離液:100:1のクロロホルム:MeOH)にかけて、純粋な鏡像異性体13を得た。収率:68mg。LCMS m/z 382.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (br s, 3H), 1.72 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 2.10 (m, 4H), 3.30 (br
s, 1H), 3.47 (br s, 1H), 3.60 (br s, 1H), 3.96 (br s, 2H), 5.16 (m, 1H), 5.29
(m, 1H), 6.98 (t, J=4.8 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.50 (d, J=4.8 Hz, 2H), 9.87 (br
s, 1H).
【0182】
追加実施例
市販されていない(以下の表2で示す)実施例14〜87の化合物の合成で使用する側鎖は、以下の方法に従って調製した。
【0183】
調製例1
3−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)アゼチジンの調製
【0184】
【化17】
A.1,1−ジフェニルメタンアミン(C47)の調製。ベンゾフェノン(250g、1.37mol)、ホルムアミド(250mL)、および85%ギ酸(31.5mL)の混合物を3時間190℃に加熱した。反応混合物を140℃に冷却し、冷水(1.2L)中に注いだ。得られる沈殿を濾過によって収集し、これに濃塩酸水溶液(600mL)を加え、反応混合物を激しく撹拌しながら還流温度で加熱した。塩酸塩を濾過によって収集し、水、次いでジエチルエーテルで洗浄した。白色の結晶を2.5N水酸化ナトリウム水溶液で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を減圧下で蒸留して、C47を無色の油状物として得た。収率:227.5g、1.24mol、90%。
【0185】
B.1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オール塩酸塩(C48)の調製。2−(クロロメチル)オキシラン(260g、2.81mol)およびC47(500g、2.73mol)をMeOH(1L)に溶かした溶液を、還流温度で4日間加熱した。減圧下で溶媒を除去して白色の沈殿を得、これを濾過によって収集した。固体をアセトンで洗浄し、乾燥させてC48を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0186】
C.1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(C49)の調製。C48(360g、1.31mol)およびトリエチルアミン(330g、3.26mol)をジクロロメタン(3L)に溶かした溶液に、0℃で塩化メタンスルホニル(180g、1.57mol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で失活させ、次いでジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C49を得た。収率:360g、1.14mol、87%。
【0187】
D.1−(ジフェニルメチル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アゼチジン(C50)の調製。C49(317g、1.0mol)のアセトニトリル(1.5L)溶液に、4−(トリフルオロメチル)フェノール(194.4g、1.2mol)および炭酸カリウム(165.6g、1.2mol)を加えた。反応混合物を還流温度で約20時間加熱し、次いで混合物を濾過し、真空中で濃縮した。ジクロロメタン(800mL)を加え、有機相を水で洗浄し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1のヘキサン:ジエチルエーテル)によって精製して、C50を得た。収率:373g、0.97mol、97%。
【0188】
E.化合物P1の調製。C50(191g、0.50mol)のMeOH(2L)溶液に10%水酸化パラジウム担持炭素(9.6g)を加え、懸濁液を45psiにて60℃で約18時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮してP1を得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。収率:86.6g、0.40mol、80%。LCMS m/z 218.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.85 (m, 2H), 3.96 (m, 2H), 4.99 (m, 1H), 6.77 (d, 2H), 7.50 (m,
2H).
【0189】
調製例2
3−(3−クロロフェノキシ)アゼチジンの調製
【0190】
【化18】
A.1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オール塩酸塩(C48)の調製。化合物C48は、2−(クロロメチル)オキシランの代わりに1,3−ジクロロプロパン−2−オールを使用したことを除き、調製例1に記載の手順に従って調製した。収率:4321g、15.7mol、48%。
【0191】
B.1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル メタンスルホネート(C49)の調製。化合物C49は、調製例1に記載の手順に従って調製して、C49を黄色の固体として得た。収率:303g、0.96mol、91%。1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 2.91 (s, 3H), 3.13 (m, 2H), 3.55 (m, 2H), 4.31 (s, 1H), 4.02 (m,
1H), 7.14 (m, 2H), 7.20 (m, 4H), 7.31 (m, 4H).
【0192】
C.3−(3−クロロフェノキシ)−1−(ジフェニルメチル)アゼチジン(C51)の調製。水素化ナトリウム(60%、油中分散液、25.2g、0.63mol)をDMF(1.5L)に懸濁させた撹拌した懸濁液に、0℃で3−クロロフェノール(70.88g、0.63mol)を加えた。加え終えた後、反応混合物を1時間撹拌し、次いでC49(200g、0.63mol)を一度に加えた。反応液を還流温度で3時間加熱し、水で希釈し、EtOAc(3×1L)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)によって精製して、C51を淡黄色の固体として得た。収率:123g、0.35mol、51%。
【0193】
D.化合物P2の調製。C51(200g、0.569mol)のジクロロメタン(2L)溶液に、室温でクロロギ酸2−クロロエチル(75mL、0.726mol)を滴下添加した。加え終えた後、反応混合物を4時間撹拌し、濃縮乾燥した。残渣をMeOH(2L)に溶解させ、反応混合物を還流温度で3時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテル(500mL)を加え、得られる沈殿を濾過して、P2を白色の固体として得た。収率:60g、0.27mol、44.5%。LCMS m/z 184.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 3.95 (m, 2H), 4.43 (m, 2H), 5.15 (m, 1H), 6.85 (m,
1H), 6.97 (s, 1H), 7.08 (m, 1H), 7.32 (m, 1H), 9.58 (br s, 2H).
【0194】
調製例3
3−(3−フルオロフェノキシ)アゼチジンの調製
【0195】
【化19】
A.3−(3−フルオロフェノキシ)−1−(ジフェニルメチル)アゼチジン(C52)の調製。化合物C52は、3−クロロフェノールの代わりに3−フルオロフェノールを使用したことを除き、調製例2でC51の合成について記載した手順に従って調製した。収率:9.5g、28.5mmol、85%。この材料をさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0196】
B.化合物P3の調製。C52(5g、15mmol)をエタノール(50mL)に溶かした撹拌した溶液に、ギ酸アンモニウム(4.2g、75mmol)を加えた後、10%パラジウム担持炭素(1g)を加え、得られる懸濁液を還流温度で6時間加熱した。次いで触媒をCeliteでの濾過によって除去し、固体をEtOHで洗浄した。濾液を合わせて真空中で濃縮して残渣を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc:ヘキサン)によって精製して、P3をその遊離塩基として得た。これを塩酸エタノール溶液中にて0℃で撹拌することにより塩酸塩に変換した。1時間後、減圧下で溶媒を除去し、得られた残渣を撹拌し、ジエチルエーテルで洗浄して、P3をオフホワイトの固体として得た。収率:1.5g、9.0mmol、50%。融点104〜106℃。MS m/z 168 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.94 (br s, 2H), 4.42 (br s, 2H), 5.05-5.11 (m, 1H), 6.71-6.74 (dd,
J =2.2, 2.2 Hz, 1H), 6.76-6.80 (m, 1H), 6.82-6.87 (m, 1H), 7.32-7.37 (m, 1H),
9.61 (br s, 2H).
【0197】
調製例4
2−アゼチジン−3−イルピリジン二塩酸塩の調製
【0198】
【化20】
A.tert−ブチル3−ピリジン−2−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C53)の調製。化合物C53は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに2−ブロモピリジンを使用したことを除き、実施例1でC8の調製について記載した手順に従って調製した。収率:15.7g、67mmol、67%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.40 (s, 9H), 3.87-4.04 (m, 3H), 4.15-4.19 (m, 2H), 7.25-7.32 (m,
2H), 7.74 (dd, J=6, 6 Hz, 1H), 8.59 (d, J=4 Hz, 1H).
【0199】
B.化合物P4の調製。C53(15.7g、67mmol)のMeOH(600mL)溶液に塩酸ジオキサン溶液(4M、67mL、0.27mol)を加えた。反応混合物を40〜50℃で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣をMeOHから再結晶させて、P4を得た。収率:11.2g、54.1mmol、80%。MS (APCI) m/z 135.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 4.26-4.31 (m, 4H), 4.48-4.57 (m, 1H), 7.77 (dd,
J=7.1, 7.1 Hz, 1H), 8.06 (d, J=7.1 Hz, 1H), 8.36 (dd, 1H, J=7, 7.1 Hz), 8.76
(d, J=7 Hz, 1H), 9.57 (s, 1H), 9.89 (s, 1H).
【0200】
調製例5
4−アゼチジン−3−イルピリジン二塩酸塩の調製
【0201】
【化21】
化合物P5は、調製例4でP4の合成について記載した一般手順に従って調製した。得られる沈殿を濾別し、MeOH/THF混合物から再結晶させて、二塩酸塩P5を得た。収率:6.6g、31.9mmol、68%。MS (APCI) m/z 135.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 4.1-4.2 (m, 2H), 4.27-4.45 (m, 3H), 8.1 (d, J=6.6 Hz,
2H), 8.91 (d, J=6 Hz, 2H), 9.66 (br s, 1H), 9.82 (br s, 1H).
【0202】
調製例6
3−アゼチジン−3−イルピリジン二塩酸塩の調製
【0203】
【化22】
化合物P6は、調製例4でP4の合成について記載した一般手順に従って調製して、二塩酸塩P6を得た。収率:8g、38.6mmol、53%。MS (APCI) m/z 135.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 4.13-4.22 (m, 2H), 4.26-4.36 (m, 3H), 8.00 (dd,
J=6.1, 6.1 Hz, 1H), 8.65 (d, J=6.1 Hz, 1H), 8.81 (d, J=6.1 Hz, 1H), 9.01 (s,
1H), 9.52 (br s, 1H), 9.74 (br s, 1H).
【0204】
調製例7
5−アゼチジン−3−イルピリミジン二塩酸塩の調製
【0205】
【化23】
化合物P7は、調製例4でP4の合成について記載した一般手順に従って調製して、二塩酸塩P7を得た。収率:5.2g、25mmol、39%。1H NMR: (400 МHz,
DMSO-d6) δ 4.15-4.22 (m, 3H), 4.24-4.30 (m,
2H), 9.02 (s, 2H), 9.17 (s, 1H), 9.41-9.57 (s, 1H), 9.59-9.75 (s, 1H).
【0206】
調製例8
3−アゼチジン−3−イルピリダジン二塩酸塩の調製
【0207】
【化24】
A.tert−ブチル3−ピリダジン−3−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C54)の調製。化合物C54は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに3−クロロピリダジンを使用したことを除き、実施例1のC8の合成で記載した手順に従って調製した。収率:5g、18.5mmol、10%。
【0208】
B.化合物P8の調製。化合物P8は、C53の代わりにC54を使用したことを除き、P4の調製で記載した手順に従って調製した。収率:3.7g、15.3mmol、54%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.13-4.22 (m, 2H), 4.26-4.36 (m, 3H), 8.00 (dd, J=6, 6 Hz, 1H),
8.65 (d, J=6 Hz, 1H), 8.81 (d, J=6 Hz, 1H), 9.01 (s, 1H), 9.52 (br s, 1H), 9.74
(br s, 1H).
【0209】
調製例9
4−アゼチジン−3−イルピリミジントリス(トリフルオロ酢酸塩)の調製
【0210】
【化25】
A.tert−ブチル3−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}アゼチジン−1−カルボキシレート(C55)の調製。1−(tert−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−カルボン酸(22.3g、0.111mol)のTHF(250mL)溶液に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(24.4g、0.150mol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(15.0g、0.154mol)をアセトニトリル(300mL)とトリエチルアミン(22.6mL、0.162mol)の混合物に懸濁させた懸濁液を加えた。得られる混合物を室温で24時間撹拌し、次いで反応液を真空中で濃縮した。残渣を水(300mL)およびEtOAc(800mL)に溶き、有機層を分離し、5%クエン酸水溶液(2×200mL)、水(2×150mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×150mL)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過し、溶媒を除去すると、C55が淡黄色の油状物として得られた。収率:28.15g、0.12mol、100%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.12-4.09 (m, 2H), 4.03-3.99 (m, 2H), 3.64-3.56 (m, 1H), 3.63 (s,
3H), 3.17 (s, 3H), 1.40 (s, 9H).
【0211】
B.tert−ブチル3−アセチルアゼチジン−1−カルボキシレート(C56)の調製。臭化メチルマグネシウムをTHFとトルエンの混合物(25:75)に溶かした1.4M溶液(99.0mL、0.139mol)に、C55(27.1g、0.111mol)のTHF(200mL)溶液を40分間かけて滴下添加し、その間反応温度を約0℃に保った。加え終えた後、混合物を10〜15℃で2時間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、10%クエン酸水溶液(150mL)で失活させた。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×300mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(2×250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、溶媒を除去すると残渣が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)によって精製して、C56を得た。収率:20.6g、0.10mol、93%。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.04-4.02 (m, 4H), 3.43-3.35 (m, 1H), 2.16 (s, 3H), 1.42 (s, 9H).
【0212】
C.t−ブチル3−[(2E)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−2−エノイル]アゼチジン−1−カルボキシレート(C57)の調製。C56(20.6g、0.103mol)のDMFジメチルアセタール溶液を還流温度で45時間加熱した。反応混合物を蒸発にかけ、トルエン(2×200mL)と共沸させてC57を得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。収率:28.0g、0.11mol、>100%。
【0213】
D.tert−ブチル3−ピリミジン−4−イルアゼチジン−1−カルボキシレート(C58)の調製。ナトリウムメトキシド(3.33g、0.062mol)のMeOH(75mL)溶液に、ホルムアミジン塩酸塩(4.96g、0.062mol)およびC57のMeOH(75mL)溶液を順次加えた。反応混合物を還流温度で50時間加熱し、溶媒をジオキサンと交換し、混合物を還流温度でもう40時間加熱した。その時点で、真空中で溶媒を除去し、残渣を水(150mL)およびEtOAc(250mL)で処理した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×250mL)で抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)によって精製して、C58を得た。収率:2.0g、8.5mmol、21%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.18 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.73 (d, J=5.1 Hz, 1H), 7.48
(dd, J=5.1, 1.2 Hz, 1H), 4.21-4.17 (m, 2H), 4.02-3.98 (m, 2H), 3.96-3.88
(m, 1H), 1.39 (s, 9H).
【0214】
E.化合物P9の調製。C58(1.9g、8mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした0〜5℃の溶液に、トリフルオロ酢酸(9.9mL、14.7g、0.13mol)を加えた。反応混合物を冷却しながら30分間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られる残渣をジクロロメタン(5×50mL)、さらにMeOH(5×50mL)と共沸させて、P9を褐色のシロップとして得た。収率:2.42g、7.9mmol、99%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.33 (br s, 1H), 9.00 (br s, 1H), 9.24 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.78 (d,
J=5.1 Hz, 1H), 7.52 (dd, J=5.1, 1.2 Hz, 1H), 4.33-4.19 (m, 5H).
【0215】
調製例10
4−アゼチジン−3−イル−2−メチルピリミジントリス(トリフルオロ酢酸塩)の調製
【0216】
【化26】
化合物P10は、調製例9に記載の一般手順に従って調製して、P10を白色の固体として得た。収率:20.8g、42.2mmol、96%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 15.29 (br s, 2H), 9.15 (br s, 1H), 8.83 (br s, 1H), 8.66 (d, J=5.1
Hz, 1H), 7.31 (d, J=5.1 Hz, 1H), 4.29-4.15 (m, 5H), 2.65 (s, 3H).
【0217】
調製例11
2−[(3S)−ピロリジン−3−イルオキシ]ピリミジントリフルオロ酢酸塩の調製
【0218】
【化27】
A.tert−ブチル(3S)−3−(ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート(C59)の調製。tert−ブチル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(990mg、5.29mmol)のTHF(10mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(593mg、5.29mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を30分間撹拌し、次いで2−クロロピリミジン(606mg、5.29mmol)を加えた。混合物を室温で撹拌し、薄層クロマトグラフィーによってモニターした。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%のEtOAcヘキサン溶液)によって精製して、C59を得た。収率:1.29g、4.9mmol、92%。LCMS m/z 266.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.43 (s, 9H), 2.10-2.25 (m, 2H), 3.50-3.64 (m, 4H), 5.51(m, 1H),
6.93 (m, 1H), 8.50 (m, 2H).
【0219】
B.化合物P11の調製。C59(1.29g、4.85mmol)およびトリフルオロ酢酸(5mL)をジクロロエタン(15mL)に混ぜた混合物を、室温で4時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、生成物を高真空中で乾燥させて、トリフルオロ酢酸塩P11を得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。LCMS m/z 166.2 (M+1)。P11の(R)−鏡像異性体は、tert−ブチル(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートを出発材料として使用し、同じようにして調製することができる。
【0220】
調製例12
2−アゼチジン−3−イル−5−メチルピリミジン二塩酸塩の調製
【0221】
【化28】
A.2−クロロ−5−メチルピリミジン(C60)の調製。2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジン(50g、0.31mol)、水(500mL)、および亜鉛塵(50g、0.94mol)の混合物を還流温度で終夜加熱した。反応混合物を濾過し、濾液をジクロロメタン(3×500mL)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を石油エーテルから再結晶させて、化合物C60を白色の固体として得た。収率:27.9g、0.22mol、75%。LCMS m/z 129.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.25 (s, 3H), 8.40 (s, 2H).
【0222】
B.2−ヨード−5−メチルピリミジン(C61)の調製。0℃に冷却したヨウ化水素酸(13mL)をC60(2.0g、15.6mmol)に加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、チオ硫酸ナトリウムで処理した。水層をEtOAcで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、C61を白色の粉末として得た。収率:1.54g、6.99mmol、45%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.24 (s, 3H), 8.29 (s, 2H).
【0223】
C.tert−ブチル3−(5−メチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C62)の調製。化合物C62は、2−ブロモ−4−メチルピリジンの代わりに2−ヨード−5−メチルピリミジンC61を使用したことを除き、実施例1でC8の合成について記載した手順に従って調製した。収率:1.01g、4.05mmol、81%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44 (s, 9H), 2.37 (s, 3H), 4.25 (m, 3H), 4.33 (m, 2H), 8.78 (s,
2H).
【0224】
D.化合物P12の調製。C62(469mg、1.88mmol)のプロパン−2−オール溶液に、塩酸のプロパン−2−オール溶液(1N、0.376mL、3.76mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をジクロロメタンで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(6N、0.625mL、3.76mmol)で処理した。有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られる固体をジクロロメタン(1mL)とジエチルエーテル(10mL)の混合物で摩砕し、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、P12を得た。収率:203mg、1.36mmol、72%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.34 (s, 3H), 4.18-4.23 (m, 5H), 8.66 (s, 2H).
【0225】
調製例13
2−(アゼチジン−3−イルメチル)ピリミジンの調製
【0226】
【化29】
A.2−(クロロメチル)ピリミジン(C63)の調製については、M.G.N.RusselおよびR.W.Carling、J.Med.Chem.、2005、48、1367〜1383、ならびにY.TodorokiおよびM.Sawada、Bioorganic&Med.Chem.、2004、13、363〜386に記載されている。
【0227】
B.トリフェニル(ピリミジン−2−イルメチル)ホスホニウムクロリド(C64)の調製。C63(8g、48.5mol)のベンゼン(80mL)溶液にトリフェニルホスフィン(12.7g、48.5mol)を加え、混合物を還流温度で約24時間加熱した。反応混合物が室温まで冷却させた後、得られる固体を濾過し、ベンゼン(80mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、C64を得た。収率:17.1g、48.2mol、99%。LCMS (ES+) m/z 355.2 (M+)。
【0228】
C.tert−ブチル3−(ピリミジン−2−イルメチレン)アゼチジン−1−カルボキシレート(C65)の調製。C64(900mg、2.3mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(221mg、2.3mmol)をジメチルスルホキシド(20mL)に混ぜた混合物を、室温で1時間撹拌した後、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(473mg、2.76mmol)を加えた。反応混合物を約18時間撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(25mL)で処理した。混合物を10分間撹拌し、有機層をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルに予備吸着させ、クロマトグラフィーによって精製して、C65を得た。収率:460mg、1.86mmol、80%。LCMS (ES+) m/z 248.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 4.67 (s, 2H), 4.94
(m, 2H), 6.44 (br s, 1H), 7.03 (t, J=4.9 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.0 Hz, 2H).
【0229】
D.tert−ブチル3−(ピリミジン−2−イルメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C66)の調製。ピペリジン(1.27g、14.9mmol)およびギ酸(1.59mL、14.9mmol)をEtOH(50mL)に混ぜた混合物に、C65(3.5g、14.2mmol)およびパラジウム(炭素担持率10重量%、350mg)を加えた。反応混合物を78℃で5時間加熱し、Celiteパッドで濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルに予備吸着させ、クロマトグラフィー(勾配:ヘプタン:EtOAc)によって精製して、C66を得た。収率:3.23g、13.0mmol、92%。LCMS (ES+) m/z 250.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 1.41 (s, 9H), 3.09 (m, 1H), 3.24
(d, J=7.7 Hz, 2H), 3.72 (dd, J=8.8, 5.5 Hz, 2H), 4.07 (dd, J=8.5, 8.5 Hz, 2H),
7.13 (t, J=4.9 Hz, 1H), 8.63 (d, J=5 Hz, 2H).
【0230】
E.化合物P13の調製。P13は、C59の代わりにC66を使用したことを除き、調製例11でP11の合成について記載した手順に従って調製した。化合物P13は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0231】
調製例14
2−ピロリジン−3−イル−ピリミジンの調製
【0232】
【化30】
A.2−ビニルピリミジン(C67)の調製。C64(4.5g、12.7mmol)のTHF(13mL)溶液にナトリウムtert−ブトキシド(1.22g、12.7mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。ホルムアルデヒド水溶液(37%、2.8mL、38mmol)を加え、混合物をさらに18時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに予備吸着させ、クロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル)によって2回精製して、C67を得た。収率:950mg、8.96mmol、71%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.72 (dd, J=10.6, 2.1 Hz, 1H), 6.60 (dd, J=17.4, 2.1 Hz, 1H), 6.86
(dd, J=17.4, 10.6 Hz, 1H), 7.11 (t, J=4.9 Hz, 1H), 8.68 (d, J=4.8 Hz, 2H).
【0233】
B.2−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)ピリミジン(C68)の調製。C67(888mg、8.37mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.19mL、2.51mmol)を加えた後、N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(2.58g、10.9mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液を滴下添加した。反応混合物を室温で約18時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルに予備吸着させ、クロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン:MeOH)によって精製して、C68を得た。収率:1.37g、5.73mmol、68%。LCMS (ES+) m/z 240.4 (M+1)。
【0234】
C.2−ピロリジン−3−イル−ピリミジン(P14)の調製。ギ酸アンモニウム(166mg、2.51mmol)をMeOH(8mL)に混ぜた混合物に、C68(600mg、2.51mmol)のEtOH(2mL)溶液およびパラジウム担持炭素(10%、60mg)を加えた。反応液を60℃で46時間加熱し、次いで室温で24時間放置した。反応混合物をCeliteパッドで濾過し、濾液をシリカゲルに予備吸着させた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン:EtOAc)によって精製すると、P14が得られた。収率:120mg、0.80mmol、32%。この材料は、H NMRによって評価したところ純粋ではなかったが、さらに精製せずに使用した。
【0235】
調製例15
2−アゼチジン−3−イル−4,6−ジメチルピリミジンの調製
【0236】
【化31】
化合物P15は、2−クロロ−5−メチルピリミジンの代わりに2−クロロ−4,6−ジメチルピリミジン(2−クロロ−4,6−ジメチルピリミジンの合成については、G.VladおよびI.T.Horvath、J.Organic Chem.、2002、67、6550〜6552に記載されている)を使用したことを除き、調製例12でP12の合成について記載した一般手順に従って調製して、P15を得た。収率:345mg、2.11mmol、43%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.44 (s, 6H), 4.00 (m, 2H), 4.14 (m, 3H), 7.12 (s, 1H).
【0237】
調製例16
2−アゼチジン−3−イル−5−シクロプロピルピリミジンの調製
【0238】
【化32】
A.2−クロロ−5−シクロプロピルピリミジン(C69)の調製。化合物C69は、5−ブロモ−2−クロロピリミジンから、D.J.WallaceおよびC−y.Chen、Tetrahedron Letters、2002、43、6987〜6990に記載の手順に従って調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.79 (m, 2H), 1.14 (m, 2H), 1.87 (m, 1H), 8.36 (s, 2H).
【0239】
B.2−アゼチジン−3−イル−5−シクロプロピルピリミジン(P16)の調製。化合物P16は、2−クロロ−5−メチルピリミジンの代わりに2−クロロ−5−シクロプロピルピリミジンC69を使用したことを除き、調製例12でP12の合成について記載した一般手順に従って調製した。収率:303mg、1.73mmol、59%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.82 (m, 2H), 1.10 (m, 2H), 1.96 (m, 1H), 4.2-4.3 (br m, 5H), 8.55
(s, 2H).
【0240】
調製例17
2−アゼチジン−3−イル−4−メチルピリミジンの調製
【0241】
【化33】
化合物P17は、2−クロロ−5−メチルピリミジンの代わりに2−クロロ−4−メチルピリミジン(2−クロロ−4−メチルピリミジンの合成については、D.B.Harden&M.J.Mokrosz、J.Organic Chem.、1998、53、4137〜4140に記載されている)を使用したことを除き、調製例51に記載のP12の合成についての一般手順に従って調製して、P17を得た。収率:647mg、4.34mmol、87%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.52 (s, 3H), 4.0 (m, 2H), 4.12 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 7.23 (d,
J=5.4 Hz, 1H), 8.59 (d, J=5.4 Hz, 1H).
【0242】
調製例18
5−(アゼチジン−3−イルメチル)−2−メチルピリジンの調製
【0243】
【化34】
A.tert−ブチル−3−(ヨードメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C70)は、W.A.Slusarchyk&S.A.Bolton、Bioorganic&Med.Chem.Letters、2002、12、3235〜3238に記載の手順に従って調製した。
【0244】
B.{[1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イル]メチル}(ヨード)亜鉛(C71)の調製。アルゴン中にて亜鉛粉末(116.5g、1.78mol)をジメチルアセトアミド(300mL)に懸濁させた。塩化トリメチルシリルと1,2−ジブロモエタンの混合物(7:5v/v、34.5mL)を加え、混合物を20分間撹拌した。水で冷却しながらC70(426.8g、1.437mol)のジメチルアセトアミド(650mL)溶液を加え、反応混合物を終夜撹拌した。得られる化合物C71の溶液の濃度は、約1mol/Lであり、これを次のステップで使用した。
【0245】
C.t−ブチル3−[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]アゼチジン−1−カルボキシレート(C72)の調製。5−ブロモ−2−メチルピリジン(25g、0.145mol)をジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、溶液を脱気した。溶液に、アルゴン雰囲気中にて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5g、4.4mmol)、ヨウ化銅(1.7g、8.7mmol)、および化合物C71の1mol/L溶液(170mL)を加えた。反応混合物を50℃で12時間撹拌し、この間、触媒の部分的な分解が観察され、追加の量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5g、4.4mmol)およびヨウ化銅(0.9g、4.7mmol)を加えた。反応混合物を50℃で48時間撹拌し、冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(600mL)とジエチルエーテル(600mL)の混合物中に注いだ。得られる混合物を30分間撹拌し、Celite層で濾過して不溶性の不純物を除去した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(4×300mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発にかけた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)によって精製して、化合物C72を得た。収率:27.9g、0.106mol、73%。
【0246】
D.化合物P18の調製。化合物C72(27.9g、0.106mol)を、0℃でトリフルオロ酢酸(100mL)に溶解させ、反応混合物をこの温度で2時間撹拌した後、蒸発にかけた。残渣をベンゼンと共沸させ、得られるトリフルオロ酢酸塩を30%炭酸カリウム溶液で処理し、遊離塩基生成物をジクロロメタンで数回抽出した。有機抽出物を合わせて蒸発にかけ、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム:MeOH:アンモニア)によって精製して、化合物P18を得た。収率:3.8g、0.024mol、23%。LCMS m/z 163.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 2.40 (s, 3H), 2.79 (m, 3H), 2.93 (m, 1H), 3.23 (m,
2H), 3.44 (m, 2H), 7.12 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 8.26 (d, 1H).
【0247】
調製例19
4−(アゼチジン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル塩酸塩の調製
【0248】
【化35】
化合物P19は、4−(トリフルオロメチル)フェノールの代わりに4−ヒドロキシベンゾニトリルを使用したことを除き、調製例1でC50の合成について記載した一般手順に従って調製した。最終の脱保護ステップは、調製例2のP2の調製で記載したとおりであり、P19を白色の固体として得た。収率:34.9g、0.166mmol、71%。融点88〜90℃。
【0249】
調製例20
3−(4−メチルフェノキシ)アゼチジンの調製
【0250】
【化36】
化合物P20は、4−(トリフルオロメチル)フェノールの代わりに4−メチルフェノールを使用したことを除き、調製例1でP1の合成について記載した一般手順に従って調製して、P20を黄色の油状物として得た。収率:3.6g、0.02mol、69%。LCMS m/z 164.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 2.24 (s, 3H), 3.48 (m, 2H), 3.72 (m, 2H), 4.89 (m,
1H), 6.67 (d, 2H), 7.06 (d, 2H).
【0251】
調製例21
2−(アゼチジン−3−イルオキシ)ピリジンの調製
【0252】
【化37】
A.t−ブチル3−(ピリジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレート(C73)の調製。化合物C73は、tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレートから、実施例3の調製で記載した最終ステップについての手順に従って調製して、C73を得た。収率:578mg、2.31mmol、80%。LCMS (ESI) m/z 251.4 (M+1) 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.43 (s, 9H), 3.96 (m, 2H), 4.30 (m, 2H), 5.30 (m,
1H), 6.75 (m, 1H), 6.87 (m, 1H), 7.57 (m, 1H), 8.08 (m, 1H).
【0253】
B.化合物P21の調製。化合物P21は、実施例3のC19の調製で、カップリングステップで使用する前に、t−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレートについて記載したように、C73をトリフルオロ酢酸で脱保護して調製した。
【0254】
調製例22
tert−ブチル3−(ピラジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレートの調製
【0255】
【化38】
化合物P22は、2−ブロモピリジンの代わりに2−クロロピラジンを使用し、調製例21でP21の合成について記載した一般手順に従って調製して、P22を得た。LCMS (ESI) m/z 252.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.43 (s, 9H), 3.97 (m, 2H), 4.32 (m, 2H), 5.30 (m,
1H), 8.03 (dd, J=2.5, 1.2 Hz, 1H), 8.16 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.26 (d, J=1.2 Hz,
1H).化合物P22は、実施例3のC19の調製で、カップリングステップで使用する前に、tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレートについて記載したように、トリフルオロ酢酸を用いて脱保護した。
【0256】
調製例23
tert−ブチル3−(ピリミジン−2−イルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレートの調製
【0257】
【化39】
化合物P23は、2−ブロモピリジンの代わりに2−クロロピリミジンを用いたことを除き、調製例21のP21の調製で記載した一般手順に従って調製して、P23を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.42 (s, 9H), 4.02 (m, 2H), 4.30 (m, 2H), 5.29 (m, 1H), 6.97 (t,
J=4.9 Hz, 1H), 8.50 (d, J=4.9 Hz, 2H).化合物P23は、実施例3のC19の調製で、カップリングステップで使用する前に、t−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレートについて記載したように、トリフルオロ酢酸を用いて脱保護した。
【0258】
調製例24
tert−ブチル3−[(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)オキシ]アゼチジン−1−カルボキシレートの調製
【0259】
【化40】
化合物P24は、2−ブロモピリジンの代わりに2−クロロ−4,6−ジメチルピリミジンを使用したことを除き、P21の調製で記載した一般手順に従って調製して、P24を得た。LCMS (ESI) m/z 280.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.39 (s, 9H), 2.34 (s, 6H), 3.96 (m, 2H), 4.25 (m,
2H), 5.26 (m, 1H), 6.66 (s, 1H).化合物P24は、実施例3のC19の調製で、カップリングステップで使用する前に、t−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシレートについて記載したように、トリフルオロ酢酸を用いて脱保護した。
【0260】
調製例25
3−ベンジルアゼチジン−3−オールの調製
【0261】
【化41】
A.1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オン(C74)の調製。三酸化硫黄ピリジン(29.95g、188mmol)をDMSO(100mL)に溶かした0℃の溶液に、トリエチルアミン(26.2mL)およびC48(15.0g、62.7mmol)を含有するDMSO(50mL)を加えた。5分後に混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応を飽和塩化ナトリウム水溶液で失活させ、EtOHで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:1:100:200のMeOH:トリエチルアミン:EtOAc:ヘキサン)によって精製して、C74を黄色の固体として得た。収率:12.2g、51.4mmol、82%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.02 (s, 4H), 4.61 (s, 1H), 7.23 (m, 2H), 7.32 (m, 4H), 7.49 (m,
4H).
【0262】
B.3−ベンジル−1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オール(C75)の調製。C74(5.8g、24.4mmol)を無水ジエチルエーテル(200mL)に溶かした−78℃の溶液に、塩化ベンジルマグネシウム(1.0M、24.4mL、24.4mmol)を加えた。混合物を徐々に室温に温め、終夜撹拌した。混合物を0℃に冷却し、水で失活させ、Celiteで濾過した。濾液をEtOAcで抽出し、有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:9のEtOAc:ヘキサン)によって精製して、C75を白色の固体として得た。収率:3.0g、9.1mmol、37%。
【0263】
C.3−ベンジルアゼチジン−3−オール(P25)の調製。化合物P25は、C50の代わりにC75を使用したことを除き、調製例1のP1の調製で記載した手順に従って調製した。MS m/z 164.1 (M+1)。
【0264】
調製例26
3−ベンジル−3−フルオロアゼチジンの調製
【0265】
【化42】
A.3−ベンジル−1−(ジフェニルメチル)−3−フルオロアゼチジン(C76)の調製。C75(0.64g、1.95mmol)を無水THF(20mL)に溶かした−78℃の溶液に、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.51mL、3.89mmol)を加えた。混合物を室温にゆっくりと温め、2時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:9のEtOAc:ヘキサン)によって精製して、C76を黄色の油状物として得た。収率:0.52g、1.57mmol、81%。MS m/z 332.1 (M+1)。
【0266】
B.3−ベンジル−3−フルオロアゼチジン(P26)の調製。化合物P26は、C50の代わりにC76を使用したことを除き、調製例1のP1の調製で記載した手順に従って調製して、P26を得た。化合物P26は、それ以上精製せずに次のステップで使用した。MS m/z 166.2 (M+1)。
【0267】
調製例27
3−ベンジルアゼチジンの調製
【0268】
【化43】
A.3−ベンジリデン−1−(ジフェニルメチル)アゼチジン(C77)の調製。臭化ベンジルトリフェニルホスホニウム(7.31g、16.86mmol)を無水ジメチルスルホキシドに懸濁させた懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(2.08g、18.54mmol)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した後、C74(2.0g、8.43mmol)を加えた。反応混合物を終夜60℃に加熱し、氷水で失活させ、ジエチルエーテル(4×300mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけた。残渣を熱ヘキサン(100mL)に溶解させ、室温に冷却した。得られる固体を濾過によって除去し、濾液を蒸発にかけて、C77を黄色の固体として得た。収率:2.8g、8.93mmol、定量的。MS m/z 312.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.96 (m, 2H), 4.14 (m, 2H), 4.60 (m, 1H), 6.18 (s, 1H), 7.05 (m,
2H), 7.20-7.35 (m, 9H), 7.47 (m, 4H).
【0269】
B.3−ベンジル−1−(ジフェニルメチル)アゼチジン(C78)の調製。C77(0.85g、2.74mmol)をMeOH(20mL)およびヘキサン(20mL)に溶かした溶液に、パラジウム担持炭素(10%湿潤品、200mg)を加えた。反応混合物をParr装置において40psiの水素中にて室温で6時間水素化した。混合物を濾過し、真空中で濃縮してC78を得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0270】
C.3−ベンジルアゼチジン(P27)の調製。化合物P27は、C50の代わりにC78を使用したことを除き、調製例1のP1の調製で記載した手順に従って調製して、P27を得た。化合物P27は、さらに精製せずに次のステップで使用した。MS m/z 148.2 (M+1)。
【0271】
調製例28
5−(アゼチジン−3−イルメチル)ピリミジンの調製
【0272】
【化44】
A.tert−ブチル3−(ピリミジン−5−イルメチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C79)の調製。化合物C79は、5−ブロモ−2−メチルピリジンの代わりに5−ブロモピリミジンを使用したことを除き、調製例18のC72の合成についての一般法に従って調製した。収率:51.5g、0.206mol、83%。
【0273】
B.5−(アゼチジン−3−イルメチル)ピリミジン(P28)の調製。C79(51.5g、0.026mol)のMeOH(100mL)溶液を塩酸ジオキサン溶液(4M、250mL)で処理し、混合物を18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をMeOHと共に再蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム:MeOH:アンモニア)によって2回精製して、P28を得た。収率:3.2g、0.021mol、10%。1H NMR (DMSO-d6) δ 2.9 (m, 3H), 3.2 (m, 2H), 3.4 (m, 2H), 8.7 (s, 2H), 9.0 (s, 1H).
【0274】
調製例29
2−クロロピリド[2,3−d]ピリミジンの調製
【0275】
【化45】
A.ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−オール(C80)の調製。2−アミノニコチンアルデヒド(100g、0.82mol)と尿素(220g、3.67mol)の混合物を4時間165℃に加熱した。油浴が90℃に冷めたとき、水(350mL)を加え、反応液を約18時間かけてさらに冷ました。次いで混合物を濾過し、固体を水(1L)に懸濁させ、超音波浴に1時間浸した。このプロセスを、1回は水、次はMeOHを用い、2回繰り返して、C80を白色の固体として得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。収率:145g>100%。
【0276】
B.2−クロロピリド[2,3−d]ピリミジン(P29)の調製。オキシ塩化リン(750mL)とC80(145g、≦0.82mol、前のステップのもの)の混合物を還流温度で4時間加熱した。室温に冷却した後、減圧下でオキシ塩化リンを除去し、得られる油状物および固体を冷ジクロロメタンで希釈し、氷上に注いだ。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、Celiteで濾過した。濾液をジクロロメタン(5×1.5L)で抽出した後、有機抽出物を合わせ、それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P29を橙色の固体として得、これをさらに精製せずに使用した。収率:2ステップで30g、0.18mol、22%。LCMS m/z 165.9 (M+1). 1H NMR (300 MHz, CDCl3)
δ 7.6 (m, 1H), 8.4 (m, 1H), 9.3 (m, 1H), 9.4 (s, 1H).
【0277】
【表2-1】
【0278】
【表2-2】
【0279】
【表2-3】
【0280】
【表2-4】
【0281】
【表2-5】
【0282】
【表2-6】
【0283】
【表2-7】
【0284】
【表2-8】
【0285】
【表2-9】
【0286】
【表2-10】
【0287】
【表2-11】
【0288】
【表2-12】
【0289】
【表2-13】
【0290】
【表2-14】
【0291】
【表2-15】
【0292】
追加の実施例88〜175の化合物は、以下で表3に表示するとおり、次の方法AからEに従って調製した。
【0293】
方法A
N−置換6−(1−アミノエチル)−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンの調製
【0294】
【化46】
アミン(0.14mmol)をバイアルに量り取り、6−(1−ブロモエチル)−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(22mg、0.07mmol、C2の代わりにC29を使用したことを除き、実施例5のC25の合成と似たようにして調製したもの)をDMF:アセトニトリルの1:5混合物(0.6mL)に溶かした溶液で処理した。炭酸カリウム(29mg、0.21mmol)を加え、反応液を振盪し、82℃で8時間加熱した。反応液を室温に冷却し、水(1.5mL)およびEtOAc(2.5mL)を加えた。反応液をボルテックス撹拌し、有機分を分離し、短い硫酸ナトリウムカラムに通した。このプロセスを2回繰り返した。各反応の濾液を合わせて真空中で濃縮し、次いで3%のトリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液(0.5mL)で処理した。混合物を15分間振盪し、溶媒を真空中で除去し、未精製サンプルをDMSO(1mL)に溶解させ、分取HPLC(カラム:Xterra PrepMS C18、5μm、19×100mm、溶媒A:0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液(v/v)、溶媒B:アセトニトリル、勾配:5%〜95%B)によって精製して、最終実施例を得た。
【0295】
方法B
N−置換6−[(1R)−1−アミノエチル]−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンの調製
【0296】
【化47】
1:1のトリフルオロ酢酸:ジクロロメタンの溶液(0.75mL)に、t−ブトキシカルボニルで保護されたアミン(0.1mmol)を加え、室温で18時間振盪した。反応液を真空中で濃縮し、トリエチルアミンを1:1のトルエン:アセトニトリルに溶かした2.33mM溶液(0.15mL)を加えた。次に、(1S)−1−(1−シクロペンチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル)エチルメタンスルホネート(C32、16.3mg、0.05mmol)を1:1のトルエン:アセトニトリル(0.6mL)に溶解させたものを加え、反応液を8時間90℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、48時間放置し、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)およびEtOAc(2.2mL)を加えた。反応液をボルテックス撹拌し、有機層を分離し、強陽イオン交換固相抽出(SCX SPE)カートリッジにかけた。抽出プロセスを2回繰り返した後、SPEカラムを最後にEtOAc(5mL)で洗浄した。カラムをトリエチルアミンのMeOH溶液(1N、6mL)で溶離して、粗生成物を放出させた。溶離液を真空中で濃縮し、DMSO(1mL)に溶解させ、分取HPLC(カラム:XBridge C18、5μm、19×100mm、溶媒A:0.03%の水酸化アンモニウム水溶液(v/v)、溶媒B:0.03%の水酸化アンモニウムアセトニトリル溶液(v/v)、勾配:15%〜95%B)によって精製して、最終実施例を得た。
【0297】
方法C
N−置換6−[(1R)−1−アミノエチル]−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンの調製
【0298】
【化48】
アミン塩酸塩(0.150mmol)を1:1のジクロロエタン:メタノール(2.4mL)に溶解させ、SCX SPEカラムにかけた。供給バイアルを追加の1:1のジクロロエタン:MeOH(2.4mL)ですすぎ、それをカラムに加え、カラムをMeOH(4mL)で溶離した。カラムをトリエチルアミンMeOH溶液(1N)で溶離して、アミンの遊離塩基を放出させた。これら溶離液を真空中で濃縮し、トリエチルアミンを1:1のトルエン:アセトニトリルに溶かした溶液(0.83mM、0.15mL)で処理した。次に、C32(16.3mg、0.05mmol)を1:1のトルエン:アセトニトリル(0.6mL)に溶かした溶液を加え、反応液を8時間90℃に加熱した。次いで反応液を室温で18時間振盪し、水酸化ナトリウム水溶液(1N、1.5mL)および酢酸エチル(2.2mL)を加えた。反応液をボルテックス撹拌し、有機物を分離し、SCX SPEカラムにかけた。抽出プロセスを2回繰り返した後、カラムを最後にEtOAc(5mL)で洗浄した。カラムをトリエチルアミンのMeOH溶液(1N、6mL)で溶離して、粗生成物を放出させた。真空中で溶媒を除去し、残渣をDMSO(1mL)に溶解させ、以下の分取HPLC方法、すなわち、方法1(カラム:XBridge C18、5μm、19×100mm、溶媒A:0.03%の水酸化アンモニウム水溶液(v/v)、溶媒B:0.03%の水酸化アンモニウムアセトニトリル溶液(v/v)、適切な勾配を使用)、方法2(カラム:XBridge C18、5μm、19×100mm、溶媒A:0.05%のトリフルオロ酢酸水溶液(v/v)、溶媒B:0.05%のトリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液(v/v)、適切な勾配を使用)、方法3(カラム:Atlantis dC18、5μm、19×100mm、溶媒A:0.05%のトリフルオロ酢酸水溶液(v/v)、溶媒B:0.05%のトリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液(v/v)、適切な勾配を使用)の1つによって精製して、最終実施例を得た。
【0299】
方法D
O−置換6−[1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンの調製
【0300】
【化49】
アルコール(0.1mmol)に、1−{(1R)−1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチル}アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(20mg、0.05mmol)のDMF(0.77mL)溶液を加えた。炭酸セシウム(49mg、0.15mmol)を加え、反応液を20時間70℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、EtOAc(2mL)を加え、その後反応液を35℃に加熱し、振盪した。反応液を遠心分離にかけて粒子を分離し、2.4mLの反応混合物をSCX−SPEカラムに移した。反応容器に追加の2.4mLのEtOAcを加え、SCX−SPEカラムに移した。カラムをMeOH(5mL)で洗浄し、次いで、トリエチルアミンのMeOH溶液(6mL)で溶離して、所望の生成物を放出させた。真空中で溶媒を除去した。トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(10%、0.5mL)を加え、混合物を15分間振盪した。真空中で溶媒を除去し、未精製材料サンプルをDMSO(0.6mL)に溶解させ、方法Aについて記載した条件を使用して精製して、最終実施例を得た。
【0301】
方法E
O−置換6−[1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エチル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンの調製
【0302】
【化50】
生成物を、1−{(1R)−1−[4−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]エチル}アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(20mg、0.05mmol)をDMFでなく0.50mLのアセトニトリルに溶解させ、炭酸セシウムの代わりに炭酸カリウム(21mg、0.15mmol)を使用したことを除き、方法Dの一般手順に従って合成した。化合物を、方法Aについて記載した条件を使用して精製して、最終実施例を得た。
【0303】
【表3-1】
【0304】
【表3-2】
【0305】
【表3-3】
【0306】
【表3-4】
【0307】
【表3-5】
【0308】
【表3-6】
【0309】
【表3-7】
【0310】
【表3-8】
【0311】
生物学的プロトコール
哺乳動物(たとえばヒト)における(本明細書で詳述した)疾患の治療または予防における、式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩の有用性は、以下で述べるアッセイを含めて、当業者に知られている従来のアッセイでのその活性によって実証することができる。そのようなアッセイは、式(I)の化合物の活性を他の既知の化合物の活性と比較することができる手段ともなる。
【0312】
ホスホジエステラーゼ9(PDE9)阻害活性
PDE9 IC50、384ウェルアッセイ:試験化合物を100%のジメチルスルホキシドに可溶化し、15%のジメチルスルホキシド/水に希釈して必要な濃度とした。PDE9A酵素をゆっくりと解凍し、1.3mMのMgClを含有する50mMのTris HCl緩衝液(室温でpH7.5)に希釈した。試験薬物および放射リガンド(50nMのH−cGMP)を含有する384ウェルプレートにPDE9A酵素を加えてインキュベートを開始した。室温で30分間インキュベートした後、10μMの6−ベンジル−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンをプレートの各ウェルに加えて、反応を停止した。次いでホスホジエステラーゼSPAビーズ(Amersham/GE)を0.2mg/ウェルの濃度でアッセイプレートに加えた。H−cGMP放射リガンドが酵素によって切断された結果として生じるH−5’GMPの量を測定することにより、試験化合物の活性を評価した。アッセイプレートをMicrobeta Trilux Counter(PerkinElmer)でのparalux計数にかけることにより、SPAビーズに結合したH−5’GMPのレベルを決定した。飽和濃度の6−ベンジル−1−シクロペンチル−1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(10μM)の存在下で結合する放射リガンドによって、非特異的結合を決定した。各試験化合物のIC50値(特異的結合の50%の阻害が生じる濃度)は、濃度反応の非線形回帰(曲線フィッティング)によって算出しており、以下で表4に示す。
【0313】
PDE9 IC50、96ウェルアッセイ:このアッセイは、ホスホジエステラーゼシンチレーション近接(SPA)アッセイ(GE Healthcare Life Sciences)を使用して実施した。このアッセイは、96ウェル透明底マイクロタイタープレート(Costar3632、Corning Inc)で実施した。ヒト組み換え型PDE9酵素をSF−9細胞中で生成し、細胞ペレットを緩衝液(20mMのTris、2mMのベンズアミジン、1mMのEDTA、250mMのスクロース、100μMのPMSF、HClでpH7.5)中で超音波処理し、4℃で20分間40,000×gで遠心分離した。上清を−80℃で保管した。[8−H]グアノシン3’,5’−環状リン酸(TRK392、GE Healthcare Life Sciences)を、最終ウェル濃度が50nMになるようにアッセイ緩衝液(50mMのTris−HCl、pH7.5、1.3mMのMgClを含有)に希釈した。試験化合物をDMSOに溶解させ、DI HOに希釈し、20%DMSO/80%HO中に段階希釈し、最終濃度を2%DMSOとした。アッセイについては、PDE9をアッセイ緩衝液で希釈して、20%以下の基質が5’GMPに加水分解されるようにした。各アッセイウェルは、10μLの試験化合物または溶媒、40μlの[H]cGMP、および50μlの酵素を含有したものであり、高濃度のPDE阻害剤によってバックグラウンドを決定した。アッセイは、酵素を加えて開始し、室温で30分間実施した。酵素活性を完全に阻害するのに十分である10μLのPDE9阻害剤を加えた後直ちに、ウェルあたり50μLのSPAビーズを加えてアッセイを終結させた。プレートにシールをし、ボルテックス撹拌し、300分間を超えて静置し、次いでWallac TriLux MicroBeta LSCでカウントした。各試験化合物のIC50値を以下で表4に示す。
【0314】
【表4-1】
【0315】
【表4-2】
【0316】
本明細書の全体において引用した参照文献はすべて、参照により本明細書に明確に援用される。
【0317】
現在のところ好ましい本発明の特定の実施形態について本明細書で記載してきたが、本発明が属する分野の技術者には、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、記載した実施形態の変更および修正を行ってよいことは明白であろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲および法律の適用可能な規則によって要求される程度にしか限定されないものとする。