特許第5656902号(P5656902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人東京工業大学の特許一覧

<>
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000002
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000003
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000004
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000005
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000006
  • 特許5656902-アクチュエータ 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656902
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   H02K41/03 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-76171(P2012-76171)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-207966(P2013-207966A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2013年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】今城 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】福岡 輝章
(72)【発明者】
【氏名】中井 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】藤川 周一
(72)【発明者】
【氏名】何 冬覚
(72)【発明者】
【氏名】進士 忠彦
【審査官】 田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−262969(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/128321(WO,A1)
【文献】 特開2005−057289(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0111912(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平面が巻平面である第1のラジアルボイスコイルおよび前記第1の平面に垂直な第2の平面が巻平面である第1のスラストボイスコイルを備えた第1のボイスコイル固定子と、
前記第1のラジアルボイスコイルおよび前記第1のスラストボイスコイルを貫通する第1の磁束を発生させるとともに、前記第1のラジアルボイスコイルに第1のコイル電流が流されることおよび前記第1のスラストボイスコイルに第2のコイル電流が流されることによって動かされる第1の永久磁石可動子と、
前記第1および第2の平面に垂直な第3の平面が巻平面である第2のラジアルボイスコイルおよび前記第2の平面が巻平面である第2のスラストボイスコイルを備えた第2のボイスコイル固定子と、
前記第2のラジアルボイスコイルおよび前記第2のスラストボイスコイルを貫通する第2の磁束を発生させるとともに、前記第2のラジアルボイスコイルに第3のコイル電流が流されることおよび前記第2のスラストボイスコイルに第4のコイル電流が流されることによって動かされる第2の永久磁石可動子と、
前記第1および第2の永久磁石可動子の移動によって位置決めされるアクチュエータ可動子と、
を有し、
前記第1の永久磁石可動子は、前記第1の磁束および前記第1および第2のコイル電流によって発生するローレンツ力によって動かされ、
前記第2の永久磁石可動子は、前記第2の磁束および前記第3および第4のコイル電流によって発生するローレンツ力によって動かされ、
前記アクチュエータ可動子は、前記第1および第2の永久磁石可動子の移動によって3つの軸方向の回転角度および3方向の並進変位の6自由度が駆動制御されることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記第1の永久磁石可動子は、前記第1のスラストボイスコイルを貫通するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1のスラストボイスコイルは、前記第1のラジアルボイスコイルの内環部を通過するよう配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第1のボイスコイル固定子および前記第1の永久磁石可動子と、前記第2のボイスコイル固定子および前記第2の永久磁石可動子とは、それぞれ前記アクチュエータ可動子の外周部に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1のラジアルボイスコイルは、前記第1の平面内に複数配置されるとともに、前記第2のラジアルボイスコイルは、前記第3の平面内に複数配置され、
前記アクチュエータ可動子を、前記第2の平面に垂直な軸方向に回転させる際には、
前記第1のコイル電流が、前記第1のラジアルボイスコイル毎に異なる方向に流されるとともに、前記第3のコイル電流が、前記第2のラジアルボイスコイル毎に異なる方向に流されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部分を電磁力で浮上させて位置決めするアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
可動部分を電磁力で浮上させて位置決めする装置の1つにアクチュエータ(電磁アクチュエータ)がある。このアクチュエータは、例えばレーザ加工機のビーム集光レンズや放電加工機の電極を可動部分とし、可動部分を電磁力で浮上させて位置決めを行う。
【0003】
アクチュエータには、XYZ並進とXYZまわり回転の6自由度を駆動制御する6自由度アクチュエータがある。例えば、特許文献1に記載の6自由度アクチュエータは、電磁石の吸引力によって可動部分を非接触で浮上させ、これにより可動部分のZ方向への位置決めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−273285号公報(段落番号「0053」〜「0070」、図14〜18)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、超伝導磁気浮上特性試験装置において、可動部分を電磁石で保持してのZ方向の位置決めを行っているので、Z方向のストロークを大きくとれないという問題があった。さらに、Z方向とXY方向の磁気回路が分離されているので、装置の全体サイズが大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大きなストロークで位置決めを行うことができる小さな構成のアクチュエータを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の平面が巻平面である第1のラジアルボイスコイルおよび前記第1の平面に垂直な第2の平面が巻平面である第1のスラストボイスコイルを備えた第1のボイスコイル固定子と、前記第1のラジアルボイスコイルおよび前記第1のスラストボイスコイルを貫通する第1の磁束を発生させるとともに、前記第1のラジアルボイスコイルに第1のコイル電流が流されることおよび前記第1のスラストボイスコイルに第2のコイル電流が流されることによって動かされる第1の永久磁石可動子と、前記第1および第2の平面に垂直な第3の平面が巻平面である第2のラジアルボイスコイルおよび前記第2の平面が巻平面である第2のスラストボイスコイルを備えた第2のボイスコイル固定子と、前記第2のラジアルボイスコイルおよび前記第2のスラストボイスコイルを貫通する第2の磁束を発生させるとともに、前記第2のラジアルボイスコイルに第3のコイル電流が流されることおよび前記第2のスラストボイスコイルに第4のコイル電流が流されることによって動かされる第2の永久磁石可動子と、前記第1および第2の永久磁石可動子の移動によって位置決めされるアクチュエータ可動子と、を有し、前記第1の永久磁石可動子は、前記第1の磁束および前記第1および第2のコイル電流によって発生するローレンツ力によって動かされ、前記第2の永久磁石可動子は、前記第2の磁束および前記第3および第4のコイル電流によって発生するローレンツ力によって動かされ、前記アクチュエータ可動子は、前記第1および第2の永久磁石可動子の移動によって3つの軸方向の回転角度および3方向の並進変位の6自由度が駆動制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小さな構成のアクチュエータで位置決めのストロークを大きくとれるという効果を奏する。また、アクチュエータによって可動させる可動部分を小さく構成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係るアクチュエータを示す一部透視図を含む斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係るアクチュエータの永久磁石可動子とボイスコイル固定子の構成を示す図である。
図3図3は、ラジアルボイスコイルの形状を説明するための図である。
図4図4は、スラストボイスコイルの形状を説明するための図である。
図5図5は、永久磁石可動子の着磁極性と磁路を説明するための図である。
図6図6は、実施形態のアクチュエータが有しているセンサの配置位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態に係るアクチュエータを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係るアクチュエータを示す一部透視図を含む斜視図である。本実施形態のアクチュエータ100は、XYZ並進とXYZまわり回転の6自由度(3つの軸方向の回転角度および3方向の並進変位)を全てボイスコイルのローレンツ力で駆動制御する6自由度アクチュエータである。
【0012】
アクチュエータ100は、レーザ加工機のビーム集光レンズや放電加工機の電極などを位置決めするために、可動部分(ビーム集光レンズや電極などの被駆動体)を電磁力で浮上させて位置決めを行う。アクチュエータ100は、磁気回路をアクチュエータ100の外周部分に設けることでアクチュエータ100の中央に別部品を取り付けられる構造となっている。
【0013】
アクチュエータ100は、アクチュエータ可動子1と、永久磁石可動子2a〜2dと、ボイスコイル固定子3a〜3dと、ベースプレート4と、センサ7a〜7fと、を備えている。なお、図1では、センサ7a,7c,7dを図示しており、センサ7b,7e,7fの図示を省略している。
【0014】
アクチュエータ可動子1は、永久磁石可動子2a〜2dに接合されており、永久磁石可動子2a〜2dが移動することによって位置決めされる。アクチュエータ可動子1は、その中央部でビーム集光レンズ(図示せず)や電極(図示せず)等の可動部分を保持する。ここでのアクチュエータ可動子1は、概略平板状の部材であり、その中央部に可動部分を配設するための例えば円板状の空間が設けられている。図1では、アクチュエータ可動子1の主面がXY平面と略平行になるよう、アクチュエータ可動子1が配置されている場合を図示している。
【0015】
ビーム集光レンズなどの可動部分は、アクチュエータ可動子1に固定された状態で、XYZ並進とXYZまわり回転を行う。XYZ並進は、X方向への位置移動、Y方向への位置移動、およびZ方向への位置移動である。XYZまわり回転は、X軸を回転軸とした回転移動(回転角度θ)、Y軸を回転軸とした回転移動(回転角度φ)、およびZ軸を回転軸とした回転移動(回転角度ψ)である。
【0016】
ボイスコイル固定子3a〜3dは、それぞれ永久磁石可動子2a〜2dに並進力、回転力を発生させる。ボイスコイル固定子3a〜3dは、それぞれ複数のスラストボイスコイルと複数のラジアルボイスコイルを有している。スラストボイスコイルは、スラスト方向駆動のボイスコイルであり、ラジアルボイスコイルは、ラジアル方向駆動のボイスコイルである。
【0017】
ボイスコイル固定子3a,3cは、それぞれアクチュエータ可動子1の+X方向の端部側、−X方向の端部側に配置されている。また、ボイスコイル固定子3b,3dは、それぞれアクチュエータ可動子1の−Y方向の端部側、+Y方向の端部側に配置されている。
【0018】
永久磁石可動子2a〜2dは、概略平板状の形状を有しており、アクチュエータ可動子1に対して垂直に結合されている。永久磁石可動子2a,2cは、それぞれ主面がYZ平面に対して略平行になるよう配置され、永久磁石可動子2b,2dは、それぞれ主面がZX平面に対して略平行になるよう配置されている。
【0019】
永久磁石可動子2a,2cは、それぞれアクチュエータ可動子1の+X方向の端部側、−X方向の端部側で、アクチュエータ可動子1に接合されている。また、永久磁石可動子2b,2dは、それぞれアクチュエータ可動子1の−Y方向の端部側、+Y方向の端部側で、アクチュエータ可動子1に接合されている。
【0020】
永久磁石可動子2a〜2dは、それぞれボイスコイル固定子3a〜3dが有している複数のスラストボイスコイルを貫通し、かつ複数のラジアルボイスコイルに挟まれるよう配置される。
【0021】
このように、本実施の形態の永久磁石可動子2a〜2dとボイスコイル固定子3a〜3dは、それぞれアクチュエータ可動子1の外周部に配置されており、アクチュエータ可動子1の中央部が空けられている。ベースプレート4は、ボイスコイル固定子3a〜3dを固定した状態で保持する。
【0022】
センサ7a〜7fは、センサ7a〜7fとアクチュエータ可動子1との間のギャップを検出する。アクチュエータ100は、永久磁石可動子2a〜2dに流す電流量および電流方向を制御する制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、センサ7a〜7fで検出されたギャップに基づいて、可動部分のXYZ並進とXYZまわり回転を算出し、算出結果を用いて永久磁石可動子2a〜2dへのフィードバック制御を行う。
【0023】
具体的には、制御装置は、算出したXYZ並進とXYZまわり回転とに基づいて、所望位置へ可動部分を移動させるために必要なXYZ方向への移動量とXYZ軸まわりの回転量を算出し、算出結果に応じた電流をボイスコイル固定子3a,3cに流す。
【0024】
つぎに、図1に示したアクチュエータ100の構成要素である永久磁石可動子2a〜2dとボイスコイル固定子3a〜3dの構成について説明する。図2は、実施の形態に係るアクチュエータの永久磁石可動子とボイスコイル固定子の構成を示す図である。また、図3は、ラジアルボイスコイルの形状を説明するための図であり、図4は、スラストボイスコイルの形状を説明するための図である。
【0025】
なお、図1に示したアクチュエータ100の構成要素である永久磁石可動子2a〜2dは、何れも同様の構成を有しているので、ここでは、永久磁石可動子2bの構成について説明する。また、図1に示したアクチュエータ100の構成要素であるボイスコイル固定子3a〜3dは、何れも同様の構成を有しているので、ここでは、ボイスコイル固定子3bの構成について説明する。
【0026】
図2では、ボイスコイル固定子3bの正面図と、ボイスコイル固定子3bのAA断面図と、を示している。また、図3では、図2のボイスコイル固定子3bをAA線で切断した場合のボイスコイル固定子3bの斜視図を示している。また、図4では、ボイスコイル固定子3bの一部を透視図および斜視図として示している。
【0027】
ボイスコイル固定子3bは、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bを備えている。また、永久磁石可動子2bは、スラストボイスコイル10b,11b,12bを備えている。
【0028】
ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bの巻平面は何れもZX面であり、スラストボイスコイル10b,11b,12bの巻平面は何れもXY面である。これにより、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bの巻平面とスラストボイスコイル10b,11b,12bの巻平面は直交している。
【0029】
ボイスコイル固定子3bでは、ラジアルボイスコイル6bの上側にラジアルボイスコイル5bが配置され、ラジアルボイスコイル9bの上側にラジアルボイスコイル8bが配置されている。
【0030】
そして、ボイスコイル固定子3bでは、永久磁石可動子2bを挟んで対向するよう、ボイスコイル固定子3bの上部側にラジアルボイスコイル5b,8bが配設されている。同様に、ボイスコイル固定子3bでは、永久磁石可動子2bを挟んで対向するよう、ボイスコイル固定子3bの下部側にラジアルボイスコイル6b,9bが配設されている。ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、永久磁石可動子2bにY方向の推力を発生させる。
【0031】
ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、Y方向から見た場合にロの字形状(矩形環状)となっている。具体的には、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、ロの字形状の上面および底面を有した柱体(矩形環状柱体)である。換言すると、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、4本の柱状体がロの字形状に並ぶよう接合されている。このように、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、所定の高さ(柱状体の高さ)を有した概略筒状をなしている。
【0032】
また、ボイスコイル固定子3bでは、スラストボイスコイル10b,11b,12bのロの字形状の内部側(内環部)を永久磁石可動子2bが貫通するようスラストボイスコイル10b,11b,12bが配置されている。これにより、スラストボイスコイル10b,11b,12bは、ロの字形状の各主面がXY平面と平行になるようボイスコイル固定子3b内に配置されている。
【0033】
また、スラストボイスコイル10b,11b,12bは、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bと同様の形状を有している。スラストボイスコイル10b,11b,12bは、永久磁石可動子2bにZ方向の推力を発生させる。
【0034】
ボイスコイル固定子3bでは、永久磁石可動子2bがZX平面内に配置され、永久磁石可動子2bを囲うようにしてXY平面内にスラストボイスコイル10b,11b,12bが配置される。
【0035】
図4では、ラジアルボイスコイル5b,8bとスラストボイスコイル10bの配置関係を示している。スラストボイスコイル10bが有している4本の柱状部のうち、X方向に延びる一方の柱状部がラジアルボイスコイル5bの内壁面(内環部)によって囲まれ、他方の柱状部がラジアルボイスコイル8bの内壁面によって囲まれるよう、ラジアルボイスコイル5b,8bが配置される。
【0036】
同様に、スラストボイスコイル12bが有している4本の柱状部のうち、X方向に延びる一方の柱状部がラジアルボイスコイル6bの内壁面によって囲まれ、他方の柱状部がラジアルボイスコイル9bの内壁面によって囲まれるよう、ラジアルボイスコイル6b,9bが配置される。
【0037】
換言すると、スラストボイスコイル10bは、ラジアルボイスコイル5b,8bの内環部を通過するよう配置されており、スラストボイスコイル12bは、ラジアルボイスコイル6b,9bの内環部を通過するよう配置されている。
【0038】
そして、スラストボイスコイル11bが有している4本の柱状部のうち、X方向に延びる一方の柱状部がラジアルボイスコイル5b,6bの外壁面(外環部)によって挟まれ、他方の柱状部がラジアルボイスコイル8b,9bの外壁面によって挟まれるよう、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bが配置される。
【0039】
永久磁石可動子2bは、ラジアル推力を発生させる永久磁石セグメントと、スラスト推力を発生させる永久磁石セグメントと、磁束を通す磁性部材と、を有しており、永久磁石可動子2bでは、これらが一体成形されている。
【0040】
ラジアル推力を発生させる永久磁石セグメントは、ラジアルボイスコイル5b,8bの間と、ラジアルボイスコイル6b,9bの間と、に配置されている。また、磁性部材は、スラスト推力を発生させる永久磁石セグメントに挟まれている。そして、永久磁石可動子2bのうち、スラスト推力を発生させる永久磁石セグメントおよび磁性部材からなる部分は、スラストボイスコイル10b間、スラストボイスコイル11b間、スラストボイスコイル12b間に囲まれるよう配置される。
【0041】
ボイスコイル固定子3bには、+X方向である方向D1または−X方向である方向D2に電流(コイル電流)が流される。例えば、ラジアルボイスコイル5bへは、上側の柱状部に方向D1の電流が流される。これにより、ラジアルボイスコイル5bの下側の柱状部には、方向D2の電流が流れる。換言すると、−Y方向から+Y方向に向かってラジアルボイスコイル5bを見た場合に、ラジアルボイスコイル5bへはZX平面内で左回りに電流が流される。
【0042】
同様に、ラジアルボイスコイル6b,8b,9bへは、上側の柱状部に方向D1の電流が流される。これにより、ラジアルボイスコイル6b,8b,9bの下側の柱状部には、方向D2の電流が流れる。換言すると、−Y方向から+Y方向に向かってラジアルボイスコイル6b,8b,9bを見た場合に、ラジアルボイスコイル6b,8b,9bへはZX平面内で左回りに電流が流される。
【0043】
これにより、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、永久磁石可動子2bに+Y方向の推力を発生させることができる。また、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bにおいて、電流方向を逆にすることで、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bは、永久磁石可動子2bにX軸まわりのΘ方向の回転力を発生させることができる。
【0044】
また、永久磁石可動子2a〜2dには、+X方向である方向D1または−X方向である方向D2に電流(コイル電流)が流される。例えば、スラストボイスコイル10b,12bへは、左側の柱状部に方向D1の電流が流される。これにより、スラストボイスコイル10b,12bの右側の柱状部には、方向D2の電流が流れる。換言すると、+Z方向から−Z方向に向かってスラストボイスコイル10b,12bを見た場合に、スラストボイスコイル10b,12bへはXY平面内で左回りに電流が流される。
【0045】
また、スラストボイスコイル11bへは、左側の柱状部に方向D2の電流が流される。これにより、スラストボイスコイル11bの右側の柱状部には、方向D1の電流が流れる。換言すると、+Z方向から−Z方向に向かってスラストボイスコイル10b,12bを見た場合に、スラストボイスコイル11bへはXY平面内で右回りに電流が流される。
【0046】
これにより、スラストボイスコイル10b,11b,12bは、永久磁石可動子2bに+Z方向の推力を発生させることができる。このように、永久磁石可動子2bを取り囲むようにスラストボイスコイル10b〜12bを配置しているので、スラストボイスコイル10b〜12bは、Z方向の推力を発生させることができる。
【0047】
このように、本実施形態では、永久磁石可動子2bにおいて、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bと、スラストボイスコイル10b〜12bと、の両者が直交するよう配置され、且つ両者が交互に並ぶよう配置されている。さらに、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bの内側にスラストボイスコイル10b,11b,12bが配置されている。この構成により、アクチュエータ100を小型・軽量に構成することが可能となる。
【0048】
つぎに、永久磁石可動子2a〜2dの着磁極性と磁路について説明する。図5は、永久磁石可動子の着磁極性と磁路を説明するための図である。図5では、図2と同様に、ボイスコイル固定子3bのAA断面図を示している。なお、永久磁石可動子2a〜2dを用いた磁路は、何れも同様の磁路であるので、ここでは永久磁石可動子2bを用いた磁路について説明する。
【0049】
永久磁石可動子2bは、ラジアル推力を発生させる永久磁石セグメント13b,17b,21b,25bと、スラスト推力を発生させる永久磁石セグメント14b,15b,18b,19b,22b,23bと、磁束を通す磁性部材16b,20b,24bと、を有している。
【0050】
永久磁石セグメント13b,17b,21b,25bは、ZX平面に平行な主面を有した板状の部材である。また、永久磁石セグメント14b,15b,18b,19b,22b,23bは、ZX平面に平行な主面を有した板状の部材である。そして、磁性部材16bは、ZX平面に平行な主面を有した板状の部材であり、永久磁石セグメント14b,15bに挟まれるよう配置されている。同様に、磁性部材20bは、ZX平面に平行な主面を有した板状の部材であり、永久磁石セグメント18b,19bに挟まれるよう配置されている。同様に、磁性部材24bは、ZX平面に平行な主面を有した板状の部材であり、永久磁石セグメント22b,23bに挟まれるよう配置されている。なお、以下の説明では、永久磁石セグメント14b,15bと磁性部材16bとからなる部材、永久磁石セグメント18b,19bと磁性部材20bとからなる部材、永久磁石セグメント22b,23bと磁性部材24bとからなる部材を、それぞれスラスト推力発生部P,Q,R(図示せず)という。
【0051】
永久磁石可動子2bでは、+Z方向から−Z方向に向かって、永久磁石セグメント13b、スラスト推力発生部P、永久磁石セグメント17b、スラスト推力発生部Q、永久磁石セグメント21b、スラスト推力発生部R、永久磁石セグメント25bの順番でこれらが配置されている。
【0052】
具体的には、上側(+Z側)のラジアルボイスコイル5b,8bの間に永久磁石セグメント13bが配置され、下側(−Z側)のラジアルボイスコイル5b,8bの間に永久磁石セグメント17bが配置される。そして、スラストボイスコイル10bの間に磁性部材16bを有したスラスト推力発生部Pが配置される。
【0053】
同様に、上側のラジアルボイスコイル6b,9bの間に永久磁石セグメント21bが配置され、下側のラジアルボイスコイル6b,9bの間に永久磁石セグメント25bが配置される。そして、スラストボイスコイル12bの間に磁性部材24bを有したスラスト推力発生部Rが配置される。また、スラストボイスコイル11bの間に磁性部材20bを有したスラスト推力発生部Qが配置される。
【0054】
まず、磁路Aについて説明する。磁路Aは、ラジアルボイスコイル5bの上側、永久磁石セグメント13b、磁性部材16b、永久磁石セグメント14b、スラストボイスコイル10bの左側によって形成される磁路である。
【0055】
磁路Aでは、永久磁石セグメント13bのN極から出た磁束が、磁性部材16bに入る。この磁束は、永久磁石セグメント14bを貫通するとともに、永久磁石セグメント14bの起磁力で磁束を増やしてスラストボイスコイル10bに入り、ラジアルボイスコイル5bの上側を経て永久磁石セグメント13bのS極に戻る。
【0056】
ラジアルボイスコイル5bの上側に対して、+X方向である方向D1の電流を流すことにより、−Y方向である方向D3にローレンツ力を発生させることができる。また、スラストボイスコイル10bの左側(−Y側)に対して、+X方向である方向D1の電流を流すことにより、磁路Aの磁束によって−Z方向である方向D4にローレンツ力を発生させることができる。このように磁路Aの磁束は、ラジアルボイスコイル5bとスラストボイスコイル10bの両方の推力に寄与することが可能となる。磁路Bについても磁路Aと同様である。
【0057】
つぎに、磁路Cについて説明する。磁路Cは、永久磁石セグメント17b、磁性部材16b、永久磁石セグメント14b、スラストボイスコイル10b、ラジアルボイスコイル5bの下側、スラストボイスコイル11b、永久磁石セグメント18b、磁性部材20bによって形成される磁路である。
【0058】
磁路Cでは、永久磁石セグメント17bのN極から出た磁束が、磁性部材16bに入る。この磁束は、永久磁石セグメント14bを貫通するとともに、永久磁石セグメント14bの起磁力で磁束を増やしてスラストボイスコイル10bに入り、ラジアルボイスコイル5bの下側を貫通し、スラストボイスコイル11bに入る。そして、スラストボイスコイル11bを出た磁束は、永久磁石セグメント18bのS極に入り、永久磁石セグメント18bの起磁力で磁束を増やして磁性部材20bに入る。さらに、磁性部材20bを出た磁束は、永久磁石セグメント17bのS極に戻る。
【0059】
ラジアルボイスコイル5bの下側に対して、−X方向である方向D2の電流を流すことにより、−Y方向である方向D3にローレンツ力を発生させることができる。また、スラストボイスコイル10bの左側(−Y側)に対して+X方向である方向D1の電流を流し、スラストボイスコイル11bに−X方向である方向D2の電流を流すことにより、磁路Cの磁束によって−Z方向である方向D4にローレンツ力を発生させることができる。このように磁路Cの磁束は、ラジアルボイスコイル5bとスラストボイスコイル11bの両方の推力に寄与することが可能となる。磁路Dについても磁路Cと同様である。
【0060】
つぎに、磁路Eについて説明する。磁路Eは、ラジアルボイスコイル6bの上側へ流す電流の向きがラジアルボイスコイル5b下側の電流の向きに対して逆向きであるが、その他は磁路Cと同様である。また、磁路Fについては、磁路Eと同様である。これにより、磁路E,Fの磁束は、ラジアルボイスコイル6bとスラストボイスコイル12bの両方の推力に寄与することが可能となる。
【0061】
つぎに、磁路Gについて説明する。磁路Gは、ラジアルボイスコイル6bの下側へ流す電流の向きがラジアルボイスコイル5bの上側の電流の向きに対して逆向きであるが、その他は磁路Aと同様である。また、磁路Hについては、磁路Gと同様である。これにより、磁路G,Hの磁束は、ラジアルボイスコイル6bとスラストボイスコイル12bの両方の推力に寄与することが可能となる。
【0062】
ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bとスラストボイスコイル10b,11b,12bへ流す電流の向きおよび大きさを制御することにより、永久磁石可動子2bの移動方向および移動距離を制御することが可能となる。
【0063】
例えば、永久磁石可動子2bをZ方向に移動させる場合には、スラストボイスコイル10b,11b,12bへ流す電流の向きおよび大きさが制御される。また、永久磁石可動子2bをY方向に移動させる場合には、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bへ流す電流の向きおよび大きさが制御される。また、永久磁石可動子2bをX軸まわりのΘ方向に回転させる場合には、ラジアルボイスコイル5b,6bへの電流方向とラジアルボイスコイル8b,9bへの電流方向とを異なる方向とする。
【0064】
同様に、ボイスコイル固定子3dを用いることにより、永久磁石可動子2dを、Z方向およびY方向へ移動させることができるとともに、X軸まわりのΘ方向に回転させることができる。
【0065】
また、ボイスコイル固定子3aを用いることにより、永久磁石可動子2aを、Z方向およびX方向へ移動させることができるとともに、Y軸まわりのΦ方向に回転させることができる。
【0066】
同様に、ボイスコイル固定子3cを用いることにより、永久磁石可動子2cを、Z方向およびX方向へ移動させることができるとともに、Y軸まわりのΦ方向に回転させることができる。
【0067】
また、ボイスコイル固定子3a,3cの少なくとも一方と、ボイスコイル固定子3b,3dの少なくとも一方と、を用いることにより、可動部分をZ軸まわりのψ方向に回転させることができる。
【0068】
このように、本実施形態の永久磁石可動子2b、ボイスコイル固定子3bは、ラジアル推力とスラスト推力の磁束を兼用しているので、アクチュエータ100を小型化、軽量化することが可能となる。換言すると、永久磁石可動子2bによる磁路を、ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bとスラストボイスコイル10b〜12bで共用することによって、アクチュエータ100の小型化、軽量化を実現している。
【0069】
また、ラジアルボイスコイル5b,8bやラジアルボイスコイル6b,9bの内側にスラストボイスコイル10b,12bを配置するとともに、ラジアルボイスコイル5b,8bとラジアルボイスコイル6b,9bの間にスラストボイスコイル11bを配置しているので、アクチュエータ100を小型化、軽量化することが可能となる。
【0070】
図6は、実施形態のアクチュエータが有しているセンサの配置位置を説明するための図である。図6では、永久磁石可動子2b、ボイスコイル固定子3b、センサ7a〜7fを上面側(+Z方向から−Z方向)から見た場合の、センサ7a〜7fの配置位置を示している。
【0071】
センサ7a〜7fは、例えば渦電流式変位計であり、導電性(例えばアルミニウム)のアクチュエータ可動子1との間のギャップ(距離)を検出する。センサ7a,7eは、アクチュエータ可動子1のX方向の変位を検出し、センサ7cは、アクチュエータ可動子1のY方向の変位を検出する。また、センサ7fは、アクチュエータ可動子1のZ方向の変位を検出する。
【0072】
センサ7a,7eは、ともにアクチュエータ可動子1の中心CxからY方向にオフセット配置されている。具体的には、センサ7aは、アクチュエータ可動子1の中心Cxから距離LRだけ−Y方向にオフセット配置され、センサ7eは、アクチュエータ可動子1の中心Cxから距離LRだけ+Y方向にオフセット配置されている。この配置により、センサ7a,7eは、Z軸まわりのΨ方向の回転角度ψを検出することができる。
【0073】
また、センサ7aの下方(−Z方向)には、センサ7bが配置されている。センサ7bは、センサ7aとの組み合わせにより、Y軸まわりのΦ方向の回転角度φを検出することができる。同様に、センサ7cの下方(−Z方向)には、センサ7dが配置されている。センサ7dは、センサ7cとの組み合わせにより、X軸まわりのΘ方向の回転角度θを検出することができる。
【0074】
センサ7a,7b,7c,7d,7e,7fの各検出変位を、変位S1,S2,S3,S4,S5,S6とすると、アクチュエータ可動子1の回転角度θ,φ,ψと並進変位x,y,zを、以下の式(1)〜(6)で表すことができる。
【0075】
θ=(S4−S3)/(2LT)・・・(1)
φ=(S2−S1)/(2LT)・・・(2)
ψ=(S1+S2)/(−2LR)・・・(3)
x=(S2−S5)/2・・・(4)
y=(S3+S4−S1−S5)/2・・・(5)
z=S6−(LYZ(S4−S3)−LZX(S2−S1))/(2LT)・・・(6)
【0076】
なお、ここでの2LTは、センサ7c,7dのZ方向の配置間隔(距離)である。また、LRは、センサ7aとアクチュエータ可動子1のYZ面内の距離、センサ7cとアクチュエータ可動子1のZX面内の距離、またはセンサ7eとアクチュエータ可動子1のYZ面内の距離である。なお、LRは、センサ7bとアクチュエータ可動子1のYZ面内の距離、センサ7dとアクチュエータ可動子1のZX面内の距離であってもよい。
【0077】
アクチュエータ100の制御装置は、上述した式(1)〜(6)を用いてアクチュエータ可動子1の回転角度θ,φ,ψ、並進変位x,y,zを検出する。そして、制御装置は、ボイスコイル(ラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9b、スラストボイスコイル10b,11b,12b)を電流制御することによって、アクチュエータ可動子1(ビーム集光レンズなどの可動部分)を、所望の値(位置)にフィードバック制御する。
【0078】
なお、本実施の形態では、ボイスコイル固定子3bがラジアルボイスコイル5b,8bを備える場合について説明したが、ボイスコイル固定子3bの構成は、ラジアルボイスコイル5b,8bの一方を備える構成であってもよい。
【0079】
また、ボイスコイル固定子3bがラジアルボイスコイル6b,9bを備える場合について説明したが、ボイスコイル固定子3bの構成は、ラジアルボイスコイル6b,9bの一方を備える構成であってもよい。
【0080】
また、ボイスコイル固定子3bが4つのラジアルボイスコイル5b,6b,8b,9bを備える場合について説明したが、ボイスコイル固定子3bは、5つ以上のラジアルボイスコイルを有していてもよい。この場合も、ラジアルボイスコイルは、ZX面内に配置され、ラジアルボイスコイルの間に永久磁石可動子2bが配置される。
【0081】
また、本実施の形態では、アクチュエータ100が、4つのボイスコイル固定子3a〜3dを備える場合について説明したが、アクチュエータ100の構成は、ボイスコイル固定子3a,3cの何れか一方を備える構成であってもよい。同様に、アクチュエータ100の構成は、ボイスコイル固定子3b,3dの何れか一方を備える構成であってもよい。
【0082】
また、アクチュエータ100の構成は、永久磁石可動子2a,2cの何れか一方を備える構成であってもよい。同様に、アクチュエータ100の構成は、永久磁石可動子2b,2dの何れか一方を備える構成であってもよい。また、永久磁石可動子2a〜2dやボイスコイル固定子3a〜3dを、アクチュエータ可動子1の中央部に配置してもよい。
【0083】
本実施形態のアクチュエータ100は、全ての6自由度を電磁力でフィードバック制御するので、可動部分に対して完全非接触となる。これにより、機械的な保持機構が不要になり、アクチュエータ100を小型、軽量に構成できる。
【0084】
また、可動部分に対して完全非接触であるので、機械的な摺動を伴わずに可動部分を動作させることが可能になる。したがって、アクチュエータ100の寿命が長くなり、潤滑油の追加等の保守を簡素化できる。
【0085】
このように実施の形態によれば、XYZ並進とXYZまわり回転の6自由度を全てボイスコイルのローレンツ力で駆動制御するので、可動部分のストロークを大きくとることが可能となる。
【0086】
また、Z方向とXY方向の磁気回路を分離することなく配置できるので、アクチュエータ100の全体サイズを小さくすることが可能となる。また、アクチュエータ100の中央部を囲うように永久磁石可動子2a〜2dとボイスコイル固定子3a〜3dが配置されているので、アクチュエータ100の中央部に可動部分を配置することが可能となる。
【0087】
また、機械的な摺動を伴わずに可動部分を動作させることができるので、消費電力量の削減量が14〜25%となって数値最適解に近い効果が得られ、かつ、数値最適解では困難なリアルタイム・オンラインの実装が可能な近似解を与えることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明に係るアクチュエータは、可動部分を電磁力で浮上させて行う位置決めに適している。
【符号の説明】
【0089】
1 アクチュエータ可動子
2a〜2d 永久磁石可動子
3a〜3d ボイスコイル固定子
5b,6b,8b,9b ラジアルボイスコイル
7a〜7f センサ
10b〜12b スラストボイスコイル
13b〜15b,17b〜19b,21b〜23b,25b 永久磁石セグメント
16b,20b,24b 磁性部材
100 アクチュエータ
A〜H 磁路
図1
図2
図3
図4
図5
図6