(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について、二次電池の電圧検出装置に適用した場合を例にとり説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1に、本実施形態における電圧検出装置の構成ブロック図を示す。二次電池10は組電池であり、複数の電池ブロックB1,B2,B3,・・・を直列に接続して構成される。各電池ブロックは、複数の電池モジュールを直列接続して構成され、各電池モジュールはさらに1つまたは複数の単電池(セル)を直列に接続して構成される。二次電池10は、例えばニッケル水素電池である。図では、電池ブロックB1〜B5が示されているが、その個数は特に限定されない。
【0020】
二次電池10の各電池ブロックB1〜B5には、それぞれ両端にスイッチSW1〜SW6が接続され、各スイッチSW1〜SW6の他端にはフライングキャパシタ12が接続される。すなわち、電池ブロックB1の正極側にスイッチSW1が接続され、電池ブロックB1の負極側にスイッチSW2が接続される。スイッチSW1の他端はフライングキャパシタ12の正極側に接続され、スイッチSW2の他端はフライングキャパシタ12の負極側に接続される。また、電池ブロックB2の正極側にスイッチSW2が接続され、電池ブロックB2の負極側にスイッチSW3が接続される。スイッチSW3の他端はフライングキャパシタ12の正極側に接続される。また、電池ブロックB3の正極側にスイッチSW3が接続され、電池ブロックB3の負極側にスイッチSW4が接続される。スイッチSW4の他端はフライングキャパシタ12の負極側に接続される。また、電池ブロックB4の正極側にスイッチSW4が接続され、電池ブロックB4の負極側にスイッチSW5が接続される。スイッチSW5の他端はフライングキャパシタ12の正極側に接続される。また、電池ブロックB5の正極側にスイッチSW5が接続され、電池ブロックB5の負極側にスイッチSW6が接続される。スイッチSW6の他端はフライングキャパシタ12の負極側に接続される。本実施形態では、これらのスイッチSW1〜SW6を総称してスイッチ11とする。
【0021】
スイッチSW1〜SW6は、複数のリレースイッチ、特に複数の半導体リレースイッチであり、マイコン16からの制御指令により制御されるドライバ18からの駆動信号により順次ON/OFF駆動される。
【0022】
フライングキャパシタ12の正極側はスイッチSW101を介して電圧計測回路14に接続され、フライングキャパシタ12の負極側はスイッチSW12を介して電圧計測回路14に接続される。スイッチSW101及びSW102をONすると、フライングキャパシタ12の端子電圧が電圧計測回路14に印加され、電圧計測回路14で計測される。電圧計測回路14は、端子電圧の計測結果をマイコン16に出力する。マイコン16は、端子電圧の計測結果に基づき、各種制御信号を出力する。
【0023】
電池ブロックB1の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、スイッチSW1及びSW2をONし、他のスイッチをOFFとする。これにより、電池ブロックB1の端子電圧がフライングキャパシタ12に印加され、フライングキャパシタ12が充電される。その後、スイッチSW1及びSW2をOFFし、スイッチSW101及びSW102をONすることで、フライングキャパシタ12の端子電圧、つまり電池ブロックB1の端子電圧が電圧計測回路14で測定される。電池ブロックB2の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、スイッチSW2及びSW3をONし、他のスイッチをOFFとする。これにより、電池ブロックB2の端子電圧がフライングキャパシタ12に印加され、フライングキャパシタ12が充電される。その後、スイッチSW2及びSW3をOFFし、スイッチSW101及びSW102をONすることで、フライングキャパシタ12の端子電圧、つまり電池ブロックB2の端子電圧が電圧計測回路14で測定される。電池ブロックB3の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、スイッチSW3及びSW4をONし、他のスイッチをOFFとする。これにより、電池ブロックB3の端子電圧がフライングキャパシタ12に印加され、フライングキャパシタ12が充電される。その後、スイッチSW3及びSW4をOFFし、スイッチSW101及びSW102をONすることで、フライングキャパシタ12の端子電圧、つまり電池ブロックB3の端子電圧が電圧計測回路14で測定される。電池ブロックB4の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、スイッチSW4及びSW5をONし、他のスイッチをOFFとする。これにより、電池ブロックB4の端子電圧がフライングキャパシタ12に印加され、フライングキャパシタ12が充電される。その後、スイッチSW4及びSW5をOFFし、スイッチSW101及びSW102をONすることで、フライングキャパシタ12の端子電圧、つまり電池ブロックB4の端子電圧が電圧計測回路14で測定される。電池ブロックB5の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、スイッチSW5及びSW6をONし、他のスイッチをOFFとする。これにより、電池ブロックB5の端子電圧がフライングキャパシタ12に印加され、フライングキャパシタ12が充電される。その後、スイッチSW5及びSW6をOFFし、スイッチSW101及びSW102をONすることで、フライングキャパシタ12の端子電圧、つまり電池ブロックB5の端子電圧が電圧計測回路14で測定される。
【0024】
このように、電池ブロックB1〜B5の端子電圧を測定する場合、ドライバ18は、
SW1及びSW2をONし、残りをOFF
SW2及びSW3をONし、残りをOFF
SW3及びSW4をONし、残りをOFF
SW4及びSW5をONし、残りをOFF
SW5及びSW6をONし、残りをOFF
のように、互いに隣接する2つのスイッチを同時にONし、残りのスイッチをOFFするように駆動する必要がある。スイッチ11を構成する各スイッチ毎に制御線を設けることも可能であるが、スイッチ数が増大するほど制御線も増大して構成が複雑化するため、スイッチ数が増大しても制御線を抑制できる構成が必要となる。
【0025】
そこで、本実施形態では、スイッチ11をマトリクススイッチで構成するとともに、マトリクスの配置を工夫することで、互いに隣接する2つのスイッチを同時にONすることを可能とするとともに、制御線の本数を削減する。
【0026】
次に、本実施形態におけるマトリクススイッチの構成について詳細に説明する。なお、スイッチ11の個数としては、電池ブロックB1〜B15に接続される合計16個のスイッチの場合について説明する。
【0027】
図2に、本実施形態におけるスイッチ11の構成を示す。スイッチ11は、縦方向(X方向)及び横方向(Y方向)に複数個で構成されたマトリクス状の半導体リレー(フォトMOSリレー)11aと、X方向スイッチ群11bと、Y方向スイッチ群11cから構成される。
【0028】
マトリクス状に配置されたフォトMOSリレーは、それぞれ発光ダイオードLED、及びLEDの光を受光する受光素子から構成され、
図2ではフォトMOSリレーのLED側のみが示されている。フォトMOSリレーのLEDは、LED1〜LED16から構成され、マトリクス状に配置される。LED1〜LED4は横方向に一列に図中左から右に向けて配置され、LED5〜LED8は横方向に一列に図中右から左に向けて配置され、LED9〜LED12は図中左から右に向けて配置され、LED13〜LED16は横方向に一列に図中右から左に向けて配置される。また、LED1,LED8,LED9,LED16は縦方向に一列に配置され、LED2,LED7,LED10,LED15は縦方向に一列に配置され、LED3,LED6,LED11,LED14は縦方向に一列に配置され、LED4,LED5,LED12,LED13は縦方向に一列に配置される。
【0029】
横方向に一列に配置されたLED1〜LED4のそれぞれのアノード(正極側)は、共通の制御線100に接続され、制御線100はY方向スイッチ群11cのスイッチSWY1を介して電源Vccに接続される。横方向に一列に配置されたLED5〜LED8のそれぞれのアノードは、共通の制御線102に接続され、制御線102はY方向スイッチ群11cのスイッチSWY2を介して電源Vccに接続される。横方向に一列に配置されたLED9〜LED12のそれぞれのアノードは、共通の制御線104に接続され、制御線104はY方向スイッチ群11cのスイッチSWY3を介して電源Vccに接続される。横方向に一列に配置されたLED13〜LED16のそれぞれのアノードは、共通の制御線106に接続され、制御線106はY方向スイッチ群11cのスイッチSWY4を介して電源Vccに接続される。
【0030】
縦方向に一列に配置されたLED1,LED8,LED9,LED16のカソード(負極側)は、共通の制御線200に接続され、制御線200はX方向スイッチ群11bのスイッチSWX1を介して接地(GND)される。縦方向に一列に配置されたLED2,LED7,LED10,LED15のカソード(負極側)は、共通の制御線202に接続され、制御線202はX方向スイッチ群11bのスイッチSWX2を介して接地(GND)される。縦方向に一列に配置されたLED3,LED6,LED11,LED14のカソード(負極側)は、共通の制御線204に接続され、制御線204はX方向スイッチ群11bのスイッチSWX3を介して接地(GND)される。縦方向に一列に配置されたLED4,LED5,LED12,LED13のカソード(負極側)は、共通の制御線206に接続され、制御線206はX方向スイッチ群11bのスイッチSWX4を介して接地(GND)される。このように、横方向の制御線100,102,104,106と縦方向の制御線200,202,204,206との交点に対応して、フォトMOSリレーが設けられている。
【0031】
従って、例えばLED1のアノードはスイッチSWY1を介して電源Vccに接続され、LED1のカソードはスイッチSWX1を介して接地されているので、SWX1及びSWY1をともにONすることで、LED1は導通状態となり、LED1を有するフォトMOSリレーはON状態となる。同様に、LED4のアノードはスイッチSWY1を介して電源Vccに接続され、LED4のカソードはスイッチSWX4を介して接地されているので、SWX4及びSWY1をともにONすることで、LED4は導通状態となり、LED4を有するフォトMOSリレーはON状態となる。X方向スイッチ群11b及びY方向スイッチ群11cのON/OFFは、ドライバ18により制御される。
【0032】
図3に、
図2に示すマトリクス配置を模式的に示す。
図2の配置は、横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)の2次元配置として表現することができ、LED1〜LED16、SWX1〜SWX4、SWY1〜SWY4を単にその番号で示すものとすると、
16 15 14 13
9 10 11 12
8 7 6 5
1 2 3 4
のような配置となる。つまり、LED1〜LED16は、左から右に向けて配置され、次に右から左に向けて配置され、さらにその次に左から右へと配置され、さらにその次に右から左に向けて配置されるという、いわゆるジグザグ上に配置される。あるいは一筆書き上に配置される(連続する数字が、互いに隣接するように制御線により接続されて構成される)と言い得る。
【0033】
図4に、
図2及び
図3に示すマトリクススイッチにおける駆動状況を表す真理値表を示す。図において、制御線200,202,204,206をまとめて制御線Xとし、各制御線のスイッチSWX1〜SWX4をX1〜X4として示す。また、制御線100,102,104,106をまとめて制御線Yとし、各制御線のスイッチSWY1〜SWY4をY1〜Y4として示す。また、それぞれのフォトMOSリレーの有するLEDをLED1〜LED16として示す。
【0034】
ドライバ18によりX1,X2をONし、Y1をONにすると、互いに隣接するLED1及びLED2がともにONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X2,X3をONし、Y1をONにすると、互いに隣接するLED2及びLED3がともにONとなり、それ以外のLEDはOFとなる。また、X3,X4をONし、Y1をONにすると、互いに隣接するLED3及びLED4がともにONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X4をONし、Y1,Y2をONにすると、互いに隣接するLED4及びLED5がともにONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。ここで、
図22に示す従来のマトリクススイッチでは、PR2とPR3は横方向及び縦方向のいずれも異なるように配置されているが、
図2及び
図3に示す本実施形態のマトリクススイッチでは、LED4とLED5は横方向は異なるものの縦方向は同一である点に留意されたい。従って、LED4とLED5で共通する制御線206(制御線X4)が存在するため、制御線106(X4)をONすることで、他のLEDをONすることなく制御線100(Y1),102(Y2)を制御することで他のLEDに影響を与えることなくLED4とLED5のみをともにONすることが可能となる。同様に、X1をONし、Y2,Y3をONにすると、互いに隣接するLED8及びLED9がともにONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X4をONし、Y3,Y4をONにすると、互いに隣接するLED12及びLED13がともにONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。X1,X2をONし、Y4をONにすると、互いに隣接するLED15及びLED16がONとなり、それ以外のLEDはOFFとなる。
【0035】
このように、X1〜X4、Y1〜Y4の合計8本の制御線のスイッチをON/OFF制御することで、LED1〜LED16のうち、互いに隣接する2個のLEDのみを順次ONし、それ以外のLEDをOFFにすることができる。一般的には、複数のフォトMOSリレーのうち、隣り合うリレーをRi,Ri+1、Ri+2、Ri+3(iは自然数)とした場合に、まず、Ri及びRi+1のみをONし、次にRi+1及びRi+2のみをONし、次にRi+2及びRi+3のみをONするように駆動すると言える。電池ブロックB1の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW1及びSW2であり、これらをそれぞれLED1及びLED2に対応させると、X1,X2,Y1をONすることで電池ブロックB1の端子電圧を測定できる。また、電池ブロックB2の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW2及びSW3であり、これらをそれぞれLED2及びLED3に対応させると、X2,X3,Y1をONすることで電池ブロックB2の端子電圧を測定できる。以下同様であり、電池ブロックB15の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW15及びSW16であり、これらをそれぞれLED15及びLED16に対応させると、X1,X2,Y4をONすることで電池ブロックB15の端子電圧を測定できる。スイッチSW1〜SW16のそれぞれをON/OFF制御するためにそれぞれ制御線を設けると、16個のスイッチに応じて16本の制御線が必要となるところ、本実施形態では
図2に示すように制御線100〜106、200〜206の合計8本で済み、構成が簡易化されていることに着目されたい。
【0036】
<第2実施形態>
上記の第1実施形態では、マトリクススイッチとして
図2及び
図3に示す配置としているが、これに限定されるものではなく他の配置も可能である。
【0037】
図5に、本実施形態におけるマトリクススイッチの配置を示す。LED1〜LED4が横方向に一列に配置され、LED12〜LED14及びLED5が横方向に一例に配置され、LED11,LED15,LED16,LED6が横方向に一列に配置され、LED7〜LED10が横方向に一列に配置される。また、LED1,LED10〜LED12が縦方向に一列に配置され、LED2,LED9,LED13,LED16が縦方向に一列に配置され、LED3,LED8,LED14,LED15が縦方向に一列に配置され、LED4〜LED7が縦方向に一列に配置される。
【0038】
番号の小さいものから順に説明すると、LED1〜LED4は横方向に一例に左から右に向けて配置され、LED4〜LED7は縦方向に一例に下から上に向けて配置され、LED7〜LED10は横方向に一列に右から左に向けて配置され、LED10〜LED12は縦方向に一列に上から下に向けて配置される。また、LED12〜LED14は横方向に一列に左から右に向けて配置され、LED14,LED15は縦方向に一列に下から上に向けて配置され、LED15,LED16は横方向に一列に右から左に向けて配置される。
【0039】
LED1〜LED4のそれぞれのアノードは共通の制御線100に接続される。LED5,LED12〜LED14のそれぞれのアノードは共通の制御線102に接続される。LED6,LED11,LED15,LED16のそれぞれのアノードは共通の制御線104に接続される。LED7〜LED10のそれぞれのアノードは共通の制御線106に接続される。
【0040】
また、LED1,LED10〜LED12のそれぞれのカソードは共通の制御線200に接続される。LED2,LED9,LED13,LED16のそれぞれのカソードは共通の制御線202に接続される。LED3,LED8,LED14,LED15のそれぞれのカソードは共通の制御線204に接続される。LED4〜LED7のそれぞれのカソードは共通の制御線206に接続される。制御線200〜206はそれぞれスイッチSWX1〜SWX4を介して接地され、制御線100〜106はそれぞれスイッチSWY1〜SWY4を介して電源Vccに接続される。X方向スイッチ群11b及びY方向スイッチ群11cのON/OFFは、ドライバ18により制御されることは第1実施形態の場合と同様である。
【0041】
図6に、
図5の模式図を示す。図から分かるように、LED1〜LED16は順次、半径が小さくなるように螺旋状に配置される。すなわち、
10 9 8 7
11 16 15 6
12 13 14 5
1 2 3 4
のように配置される。この配置も、一筆書き上に配置される(連続する数字が、互いに隣接するように制御線により接続されて構成される)ということができる。
【0042】
図7に、
図5のマトリクススイッチの駆動状況を表す真理値表を示す。本実施形態でも、制御線X1〜X4、Y1〜Y4をON/OFFすることで、互いに隣接するLEDのみをONし、それ以外のLEDをOFFとすることができる。例えば、X4,Y2,Y3をONにすることで、互いに隣接するLED5及びLED6がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X4,Y3,Y4をONにすることで、LED6及びLED7がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X2,X3,Y3をONにすることで、LED15及びLED16がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。
【0043】
このように、本実施形態でも、X1〜X4、Y1〜Y4の合計8本の制御線のスイッチをON/OFF制御することで、LED1〜LED16のうち、互いに隣接する2個のLEDのみを順次ONし、それ以外のLEDをOFFにすることができる。電池ブロックB1の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW1及びSW2であり、これらをそれぞれLED1及びLED2に対応させると、X1,X2,Y1をONすることで電池ブロックB1の端子電圧を測定できる。また、電池ブロックB2の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW2及びSW3であり、これらをそれぞれLED2及びLED3に対応させると、X2,X3,Y1をONすることで電池ブロックB2の端子電圧を測定できる。以下同様であり、電池ブロックB15の端子電圧を測定するためにONするスイッチはSW15及びSW16であり、これらをそれぞれLED15及びLED16に対応させると、X2,X3,Y3をONすることで電池ブロックB15の端子電圧を測定できる。本実施形態でも
図5に示すように制御線100〜106,200〜206の合計8本で済み、構成が簡易化される。
【0044】
<第3実施形態>
図8に、本実施形態におけるマトリクススイッチの配置を示す。LED1,LED2,LED15,LED16が横方向に一列に配置され、LED3、LED4,LED13,LED14が横方向に一例に配置され、LED5,LED6,LED11,LED12が横方向に一列に配置され、LED7〜LED10が横方向に一列に配置される。また、LED2,LED3,LED6,LED7が縦方向に一列に配置され、LED1,LED4,LED5,LED8が縦方向に一列に配置され、LED9,LED12,LED13,LED16が縦方向に一列に配置され、LED10,LED11,LED14,LED15が縦方向に一列に配置される。
【0045】
LED1,LED2,LED15,LED16のそれぞれのアノードは共通の制御線100に接続される。LED3,LED4,LED13,LED14のそれぞれのアノードは共通の制御線102に接続される。LED5,LED6,LED11,LED12のそれぞれのアノードは共通の制御線104に接続される。LED7〜LED10のそれぞれのアノードは共通の制御線106に接続される。
【0046】
また、LED2,LED3,LED6,LED7のそれぞれのカソードは共通の制御線200に接続される。LED1,LED4,LED5,LED8のそれぞれのカソードは共通の制御線202に接続される。LED9,LED12,LED13,LED16のそれぞれのカソードは共通の制御線204に接続される。LED10,LED11,LED14,LED15のそれぞれのカソードは共通の制御線206に接続される。制御線200〜206はそれぞれスイッチSWX1〜SWX4を介して接地され、制御線100〜106はそれぞれスイッチSWY1〜SWY4を介して電源Vccに接続される。X方向スイッチ群11b及びY方向スイッチ群11cのON/OFFは、ドライバ18により制御されることは第1実施形態の場合と同様である。
【0047】
図9に、
図8の模式図を示す。LED1〜LED8はジグザグ上に配置され、LED7〜LED10は横方向に一列に配置され、さらにLED9〜LED16はジグザグ上に配置される。すなわち、
7 8 9 10
6 5 12 11
3 4 13 14
2 1 16 15
のように配置される。この配置も、一筆書き上に配置される(連続する数字が、互いに隣接するように制御線により接続されて構成される)ということができる。
【0048】
図10に、
図8のマトリクススイッチの駆動状況を表す真理値表を示す。X1、X2、Y1をONすると、互いに隣接するLED1及びLED2がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X1,Y1,Y2をONすると、互いに隣接するLED2及びLED3がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。また、X3,X4,Y1をONすると、互いに隣接するLED15及びLED16がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。
【0049】
さらに、本実施形態では、
図8及び
図9に示すように、LED1とLED16が横方向に一列に隣接配置されている。従って、X2,X3,Y1をONすると、互いに隣接するLED16及びLED1がともにONし、それ以外のLEDはOFFとなる。すなわち、
LED1とLED2をON
LED2とLED3をON
・・・
LED14とLED15をON
LED15とLED16をON
と順次、隣接した2つのLEDをONするだけでなく、
LED16とLED1をON
とすることができ、LED1〜LED16のうち、隣接する2つのLEDを巡回的にONすることができる。一般的には、フォトMOSリレーをRj(j=1,2,3,・・・n)とした場合に、Rn−1及びRnのみをONし、次に、Rn及びR1のみをONするように駆動するといえる。LED1は電池ブロックB1に接続され、LED16は電池ブロックB15に接続されているから、電池ブロックB1〜B15のそれぞれの端子電圧を測定する際にはLED1とLED16をともにONする必要はないが、二次電池10の全体の端子電圧を測定する際にはLED1とLED16をともにONすればよい。
【0050】
以上の各実施形態に示すように、マトリクススイッチの配置を所定配置とすることで、スイッチをON/OFF制御するための制御線本数を削減することができる。なお、上記の各実施形態では、LED1〜LED16の場合、つまり、スイッチ11のスイッチ数が16個の場合を例示したが、スイッチ11のスイッチ数が6個以上であれば同様に制御線の削減効果がある。具体的には、本実施形態のようなマトリクススイッチを用いることで、以下のような削減効果がある。
スイッチ数が6個の場合、制御線は5本
スイッチ数が7個の場合、制御線は6本
スイッチ数が8個の場合、制御線は6本
スイッチ数が9個の場合、制御線は6本
・・・
スイッチ数が15個の場合、制御線は8本
スイッチ数が16個の場合、制御線は8本
等である。
【0051】
一方、スイッチ11のスイッチ数が5個以下である場合、制御線の本数に変わりはないものの、本実施形態のようなマトリクススイッチ配置とすることで、耐エラー性が向上する効果がある。
【0052】
図11に、スイッチ11のスイッチ数が4個の場合を示す。
図2等と同様に、フォトMOSリレーのLED側のみを示す。マトリクススイッチとして、LED1〜LED4の4個のLEDが縦横に配置される。LED1及びLED2は横方向に一列に配置され、LED3及びLED4は横方向に一列に配置される。また、LED1及びLED4は縦方向に一列に配置され、LED2及びLED3は縦方向に一列に配置される。
【0053】
LED1及びLED2のそれぞれのアノードは共通の制御線100に接続され、制御線100はスイッチSWY1を介して電源Vccに接続される。LED3及びLED4のそれぞれのアノードは共通の制御線102に接続され、制御線102はスイッチSWY2を介して電源Vccに接続される。LED1及びLED4のそれぞれのカソードは共通の制御線200に接続され、制御線200はスイッチSWX1を介して接地される。LED2及びLED3のそれぞれのカソードは共通の制御線202に接続され、制御線202はスイッチSWX2を介して接地される。
【0054】
以上のような配置において、スイッチX2が何らかの原因により故障して短絡した場合を想定する。
図11において、スイッチSWX2の×印が付されているが、これは故障して短絡したことを示す。
【0055】
図12に、前提として、正常時の動作、つまりスイッチSWX2が短絡していない場合の駆動状況を表す真理値表を示す。X1,X2,Y1をONすると、互いに隣接するLED1及びLED2がともにONする。X2,Y1,Y2をONすると、互いに隣接するLED2及びLED3がともにONする。X1,X2,Y2をONすると、互いに隣接するLED3及びLED4がともにONする。電池ブロックB1の両端にLED1及びLED2が接続され、電池ブロックB2の両端にLED2及びLED3が接続され、電池ブロックB3の両端にLED3及びLED4が接続されるから、このように隣接する2個のLEDをONすることで、各電池ブロックB1〜B3の端子電圧を測定することができる。
【0056】
図13に、スイッチSWX2が短絡した場合の駆動状況を表す真理値表を示す。スイッチSWX2が短絡しているため、X2は常にON状態となるが、図から分かるようにLED1〜LED4のON/OFF動作に影響を与えておらず、SWX2が短絡していない場合と同様に互いに隣接する2個のLEDのみを順次ONすることが可能である。すなわち、たとえスイッチSWX2が短絡するというエラーが生じても、このエラーに対する耐性があり、正常動作が確保される。
【0057】
一方、スイッチ11がこのようなマトリクス配置でない場合、問題が生じ得る。
【0058】
図14に、4個のLED1〜4を並列に配置した構成を示す。LED1〜LED4のそれぞれのアノードは電源Vccに接続され、それぞれのカソードはそれぞれスイッチSWX1〜SWX4を介して接地される。スイッチ数は4個であり、これらのスイッチを駆動する制御線も4本となり、
図11の場合と同様である。
【0059】
図15に、スイッチSWX2が短絡していない場合の駆動状況を表す真理値表を示す。X1,X2をONすると、LED1及びLED2がONする。X2,X3をONすると、LED2及びLED3がONする。X3及びX4をONすると、LED3及びLED4がONする。
【0060】
図16に、
図14に示すようにスイッチSWX2が短絡した場合の駆動状況を表す真理値表を示す。スイッチSWX2が短絡しているため、X2は常にON状態となってしまうため、LED2は常にON状態となる。LED2のみがONである場合には問題ないが、X2,X3,X4がいずれもONとなってしまうと、LED2〜LED4がONとなってしまうため、電池ブロックB3の端子電圧を測定することができない。このことから、
図11に示す本実施形態のマトリクススイッチの優位性は明らかである。
【0061】
また、
図11に示す本実施形態の場合、スイッチSWX1、SWX2、SWY1、SWY2に対し、ON/OFFの同時性が要求されない利点もある。
【0062】
すなわち、
図17に示すように、LED1及びLED2を同時にONする場合、ドライバ18でX方向スイッチ群11b及びY方向スイッチ群11cを駆動するが、まずX方向スイッチ群11bのスイッチSWX1及びスイッチX2をONし、その後、Y方向スイッチ群11cのスイッチSWY1をONすればよい。スイッチSWX1及びスイッチSWX2をONした状態で、1つのスイッチSWY1のみをONするため、2つのスイッチを同時にONするという、スイッチの同時性を確保する必要がない、一方、
図18に示す配置の場合、LED1及びLED2を同時にONするためには、スイッチSWX1及びスイッチSWX2の2つを同時にONしなければならず、同時性が要求される。このことからも、
図11及び
図17に示す本実施形態のマトリクススイッチは有利である。
【0063】
なお、各実施形態では、
図1に示すように二次電池10の電池ブロックB1、B2、・・の端子電圧でフライングキャパシタ12を充電し、フライングキャパシタ12の端子電圧を電圧計測回路14で計測することで各電池ブロックB1,B2,・・・の端子電圧を測定しているが、本発明の特徴はスイッチ11のマトリクス配置にあるので、その後段の構成は
図1に限らず任意の構成を用いることができる。
【0064】
例えば、
図19に示すように、電池ブロックB1,B2,・・・の端子電圧でフライングキャパシタ12を充電するが、フライングキャパシタ12の端子電圧を測定するのではなく、フライングキャパシタ12の充電電流を電流センサ13で検出し、電流センサ13で検出した充電電流を電流計測回路15に供給し、電流計測回路15で充電電流を積算することで端子電圧を測定することも可能である。電流センサ13にはカレントトランスやホール素子を用いることができ、これにより二次電池10側の高圧部と、マイコン16側の低圧部とを分離して絶縁することが可能である。また、この構成によれば、フライングキャパシタ12と計測回路との接続/遮断を制御するためのスイッチSW11及びSW12(
図1を参照)を削減することが可能であり、これらのスイッチを駆動するためのドライバも削減できる。上記の第1〜第3実施形態では、半導体リレーの制御線の本数を削減でき、これにより電圧検出装置の小型化が実現できるが、
図19に示すような電圧計測によるドライバの削減により、電圧検出装置のさらなる小型化を実現できる。
【0065】
因みに、フライングキャパシタ12の蓄積電荷が0の場合にフライングキャパシタ12に流れる充電電流の積算値をSとすると、
V=1/C・S
により端子電圧Vが測定される。
【0066】
また、
図20に示すように、フライングキャパシタ12の代わりにトランス20を設け、このトランスの2次側の電圧をサンプリング回路22でサンプリングする構成とすることもできる。この構成でも、二次電池10側の高圧部と、マイコン16側の低圧部とを分離して絶縁することが可能である。なお、トランス20を用いた測定方式はインパルス応答であり充電時間が不要であるため計測時間の短縮化も可能である。
【0067】
さらに、
図21に示すように、
図1の構成において二次電池10を複数の電池ブロックからなる二次電池10aと、複数の電池ブロックからなる二次電池10bに2分割し、それぞれにフライングキャパシタ12a、12bを接続してそれぞれの回路で並列して端子電圧を測定することでトータルの電圧測定時間を半分に短縮することもできる。この場合、電圧計測回路もそれぞれの回路用に合計2個必要になるが、フライングキャパシタ12a、12bに蓄積された電荷はフライングキャパシタ12a、12bが電圧計測回路に接続されない限りそのまま保持されるので、フライングキャパシタ12a、12bの端子電圧を時間差で測定することで、電圧計測回路14を
図1と同様に1個に抑制することができる。
【0068】
すなわち、
図21において、例えば電池ブロックB1〜B15で二次電池10aが構成され、電池ブロックB16〜B30で二次電池10bが構成されるものとし、二次電池10a、10bそれぞれに接続されるスイッチ11を
図2に示すマトリクススイッチとし、ドライバ18によりスイッチ11のON/OFFを制御するとともに、ドライバ19によりスイッチSW11〜SW14のON/OFFを制御する。スイッチSW101及びSW102は、フライングキャパシタ12aと電圧計測回路14との接続/遮断を制御するスイッチであり、スイッチSW103及びSW104は、フライングキャパシタ12bと電圧計測回路14との接続/遮断を制御するスイッチである。
【0069】
まず、二次電池10aの電池ブロックB1、及び二次電池10bの電池ブロックB16に着目し、電池ブロックB1の両端に接続されるSW1及びSW2をともにONして電池ブロックB1の端子電圧によりフライングキャパシタ12aを充電する。これと同時に、電池ブロックB16の両端に接続されるSW17及びSW18をともにONして電池ブロックB16の端子電圧によりフライングキャパシタ12bを充電する。そして、SW1,SW2,SW17,SW18をOFFし、SW11及びSW12をONしてフライングキャパシタ12aを電圧計測回路14に接続し、フライングキャパシタ12aの端子電圧、つまり電池ブロックB1の端子電圧を測定する。その後、SW101及びSW102をOFFし、SW103及びSW104をONしてフライングキャパシタ12bを電圧計測回路14に接続し、フライングキャパシタ12bの端子電圧、つまり電池ブロックB16の端子電圧を測定する。
【0070】
次に、二次電池10aの電池ブロックB2、及び二次電池10bの電池ブロックB17に着目し、電池ブロックB2の両端に接続されるSW2及びSW3をともにONして電池ブロックB2の端子電圧によりフライングキャパシタ12aを充電する。これと同時に、電池ブロックB17の両端に接続されるSW17及びSW18をともにONして電池ブロックB17の端子電圧によりフライングキャパシタ12bを充電する。そして、SW2,SW3,SW17,SW18をOFFし、SW11及びSW12をONしてフライングキャパシタ12aを電圧計測回路14に接続し、フライングキャパシタ12aの端子電圧、つまり電池ブロックB2の端子電圧を測定する。その後、SW11及びSW12をOFFし、SW13及びSW14をONしてフライングキャパシタ12bを電圧計測回路14に接続し、フライングキャパシタ12bの端子電圧、つまり電池ブロックB17の端子電圧を測定する。
【0071】
以下、同様にして、二次電池10aを構成する電池ブロックB1〜B15の端子電圧、及び二次電池10bを構成する電池ブロックB16〜B30の端子電圧を測定することができる。この例では、スイッチ11として
図2に示すマトリクス配置とすることで制御線の本数を削減できるとともに、2分割した二次電池10a、10b用のそれぞれのスイッチ11の制御線を共通化することで制御線の本数を削減でき、さらに、電圧計測回路14を共通化することで構成を一層簡略化することができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、説明の都合上、制御線が直交し、かつ半導体リレー(フォトMOSリレー)が方形状に配置された形態について説明しているが、接続の方法が同じであれば、制御線同士の交わる角度や実際の半導体リレーの配置は異なっていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、マトリクス状に構成するリレーとして、フォトMOSリレー(半導体リレー)を挙げているが、横方向制御線及び縦方向制御線に接続され、これらの制御線によりON/OFFを制御されるスイッチであれば、他のスイッチでもよい。
また、上記実施形態では、制御線の交点に対応する箇所全てに半導体リレーを設けているが、例えば、下記の配置のように、一部の交点に半導体リレーを設けなくても本発明は実現できる。すなわち、
13 14 15 16
12 11 10 9
7 × × 8
6 × 5 4
1 2 × 3
あるいは、
16 15 14 13
9 10 11 12
× × × ×
8 7 6 5
1 2 3 4
である。上記の配置において、×印は半導体リレーを設けていない交点を示す。
【0074】
また、本発明の実施形態について、二次電池の電圧検出装置を例にとり説明したが、本発明のマトリクススイッチは他の装置にも適用することができる。特に、
図8に示すように互いに隣接する2個のLED、つまりフォトMOSリレーを巡回的にONすることができる配置は、鉄道玩具や工程設備のベルトコンベア等の輸送システムに適用することができる。また、本発明のマトリクススイッチは、ステッピングモータの電圧測定にも適用することができ、特に6相以上のステッピングモータであれば巡回的なマトリクス配置とすることで効率的に各位相の電圧を測定し得る。