(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第4の無線接続手段を介して、前記情報通信端末の前記第2の無線接続手段とデータの送受信が可能なとき、前記複数の第3の無線接続手段の中から1以上の無線接続手段を選択するための操作が前記情報通信端末の入力手段から可能となることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク変換装置。
前記複数の第3の無線接続手段の各々に対応するネットワークの接続品質に基づいて、前記通信方式選択部が前記複数の第3の無線接続手段の内から1以上の無線接続手段を選択することを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク変換装置。
外部サーバから、前記情報通信端末、又はネットワーク変換装置が有する1以上の通信方式に対応するネットワークを介して受信した制御情報により、前記通信方式選択部が前記複数の第3の無線接続手段の中から1以上の無線接続手段を選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のネットワーク変換装置。
前記情報通信端末内、又はネットワーク変換装置内に記憶されている所定の選択基準に従い、前記通信方式選択部が前記複数の第3の無線接続手段の中から1以上の無線接続手段を選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のネットワーク変換装置。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンなどの情報通信端末、又は無線通信機能を備えた携帯情報端末を用いて、音声通信のみならず、メールや写真などの各種データの送受信、インターネットの閲覧、音楽や動画のダウンロード、ストリーミング再生など、多様なサービスを無線を介して利用できるようになった。
【0003】
ユーザは、特定の通信事業者と契約することで、無線通信による上記の様なサービスを受けることができる。通信事業者は、1つ、又は複数の通信方式を用いた無線通信サービスを提供する。
【0004】
更に、通信事業者は、サービス内容、料金、契約形態、利用可能な場所などにより、様々なサービスプランを提供している。ユーザは、利用したいサービスや利用場所、利用料金などを考慮して、通信事業者、及び利用サービスプランを選択する。
【0005】
情報通信端末が使用可能な無線通信としては、大別すると、ユーザ固有の電話番号が与えられる携帯電話通信、インターネット通信を含む無線データ伝送を目的とした携帯データ通信若しくは無線LAN通信、又は他機器と直接的に近距離で通信を行う近距離通信等がある。一般的には、1つの情報通信端末には、携帯電話通信機能と少なくとも1つのその他の通信機能が内蔵されている。
【0006】
携帯電話通信及び携帯データ通信として、現在、使用されている通信方式は、WCDMA(Wideband code division multiple access)を用いた3G(第3世代)方式、OFDMA(Orthogonal frequency division multiple access)を用いた4G(第4世代)方式、PHS(Personal handy-phone system)通信方式である。4G方式は、LTE(Long Term Evolution)方式とも呼ばれる。LTE方式には、少なくともTD−LTE、FD−LTE等の複数の方式が含まれる。ユーザは、特定の通信事業者と契約して、ユーザ固有の電話番号及びユーザ識別情報が提供される。
【0007】
無線LAN通信においては、WiMAX(登録商標)方式及びWiFi(登録商標)方式が用いられている。WiFi(登録商標)方式では、2.4GHz、4.9GHz等の幾つかの周波数帯域でサービスが提供されている。ユーザは、WiFi(登録商標)のアクセスポイントの近傍において、WiFi(登録商標)サービスを受けることができる。WiMAX(登録商標)方式は、WiFi(登録商標)方式と比較して無線通信が可能な範囲をカバーするため、アクセスポイントの位置を意識せずに使用することができる。
【0008】
無線LAN通信機能は、携帯電話通信及び携帯データ通信機能を持たない携帯情報端末、ラップトップコンピュータやタブレットコンピュータなどの持ち運び可能なパソコンに内蔵されている。また、スマートフォンにおいても、データ通信用に無線LAN通信機能を備えた機種が提供されている。
【0009】
更に、多くの携帯電話、情報通信端末、携帯情報端末には、その他機器と近距離での直接通信を行うための近距離無線機能が備えられている。近距離無線の通信方式は複数あり、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、赤外線通信、RFIDなどである。これらの近距離無線方式の多くは、通信事業者と契約することなしに使用することができる。
【0010】
上記の通信方式は、現行のサービスで利用可能な通信方式の一例である。
【0011】
ユーザは、契約した通信事業者が提供するサービスの通信方式を用いて、無線通信を行う。しかし、通信方式によっては、携帯基地局やアクセスポイントからの電波が届きにくい場所では利用可能な通信帯域等の通信サービスに影響を与えたり、通信が困難になったりする。
【0012】
一方で、各通信事業者は、通信方式や特定の通信サービスに対して、ユーザが利益を享受できるサービスプランを提供している。例えば、時間帯による割引や通信相手による割引などである。
【0013】
ユーザは、より快適な又は安価な無線通信のサービスを受けるために、複数の端末を所有することがある。例えば、音声通信可能な端末とデータ通信専用の端末である。音声通信可能な端末は、全国のどこでも通信可能な端末であるが、一方のデータ通信専用端末は、利用場所は限定されるが、データ通信速度が速く、通信料金が安いサービスを受けられる端末であるため、双方の端末を所有する場合である。あるいは、個人用と業務用などで複数端末を所有する場合がある。
【0014】
複数の端末を所有することの不便さを解消するため、デュアルモード端末など、複数の通信方式を1つの機器内に内蔵した端末がある。例えば、特許文献1には、PDC(Personal Digital Cellular)とPHS回路を内蔵した端末が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面を参照して、本発明による情報通信端末のネットワーク変換装置について説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0027】
図1は、情報通信端末の構成の一例を示したものである。各種のアプリケーションで作成された音声やデータを無線で送受信する手段について主に示している。参照番号11は情報通信端末、12は音声アプリケーション、13はメールアプリケーション、14はその他アプリケーション、15はOS制御部(制御部ともいう)、16はユーザID制御部、17はマイク/スピーカ/ディスプレイ、18は無線制御送受信部A、19は無線LAN/近距離無線制御送受信部Aを示す。
【0028】
音声アプリケーション12は、携帯電話としての音声通信を行うためのアプリケーションである。電話の発信、着信や音声信号の符号化などを行う。タッチパネル式のディスプレイであれば、ディスプレイ上に番号ボタンを表示させる。メールアプリケーション13は、電子メール画面を立ち上げ、電子メール画面上で作成されたメールデータを送信用データに変換し、また、受信されたデータを電子メール画面に表示するためのアプリケーションである。その他アプリケーション14としては、カメラアプリケーション、音声をデータネットワークで送信するためのVoIPアプリケーション、ダウンロードした動画を閲覧するための動画アプリケーション、Facebookなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスアプリケーション、おサイフケイタイなどの電子マネーアプリケーションなどがある。
【0029】
OS制御部15は、情報通信端末内の全ての機能、手段を制御する。ユーザID制御部16は、情報通信端末を所有するユーザの識別情報を管理する。通常、ユーザ識別情報は、SIM(Subscriber Identification Module)カードを差し込むことで、情報通信端末に与えられる。マイク/スピーカ/ディスプレイ17は、聴覚、視覚等を通してユーザに情報を提供すると共に、ユーザからの入力情報を受け取る。ここで、スピーカは、イヤホンや外部スピーカと接続するためのコネクタとすることもできる。マイクも同様に外部マイクと接続するためのコネクタとすることもできる。ディスプレイは、ユーザに文字や画像などの視覚情報を提供するものであるが、タッチパネル方式のディスプレイでは、キーボードの代わりに、ユーザからの文字情報や選択情報が入力される。
【0030】
図1に示す情報通信端末11は、無線通信において、少なくとも2つの通信方式による通信手段を有している。通信方式の1つは、携帯電話の通信方式であり、無線制御送受信部A18を介して、携帯電話の通信方式を用いて携帯電話のネットワークと接続する(P1)。この情報通信端末11が、携帯電話として3G方式による通信を行うものであれば、無線制御送受信部A18は、3G方式に対応する無線制御送受信部となる。携帯電話機能による音声通信やメール送受信を行う場合は、OS制御部15は、無線制御送受信部A18を選択して、3Gネットワークと接続する。
【0031】
その他の通信方式は、無線LAN通信方式及び複数の近距離無線通信方式の少なくとも1つである。ユーザは、インターネット閲覧やデータ送受信時に、近隣に無線LANのアクセスポイントが存在する場合、通信方式として無線LANを選択することができる。あるいは、同じ近距離無線通信方式を有する他機器と非接触無線接続を行う際には、近距離無線通信方式の1つを選択することができる。
【0032】
OS制御部15は、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19を選択して、無線LAN又は近距離無線通信方式の1つを用いて、データ送受信を行う(P2)。無線LANとして、例えば、2.4GHz帯域のWiFi(登録商標)方式を搭載している場合には、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19は、2.4GHzWiFi(登録商標)方式に対応の無線制御送受信部として、近傍の2.4GHzWiFi(登録商標)アクセスポイントと接続して、データ通信やインターネット接続を行う。近距離無線としては、Bluetooth(登録商標)、zigbee(登録商標)、赤外線通信などの無線通信手段が一般的には内蔵されている。これら近距離無線は、主に、近距離にあるその他の機器と直接的に無線接続して、データ伝送やハンズフリー通話のための音声データ伝送を行う。情報通信端末を使用するユーザは、ユーザ自身が、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、zigbee(登録商標)等の通信方式を選択してデータを送受信することができる。あるいは、使用するアプリケーションが自動的に通信方式を選択する場合もある。例えば、動画アプリケーションを使用する場合、動画伝送が可能なWiFi(登録商標)が自動的に選択される。
【0033】
上記の情報通信端末11は、スマートフォンなどの多機能携帯電話を対象とし、音声通信のみならず、データ送受信、インターネット接続などを簡単に利用できる携帯端末である。しかし、音声通信専用の携帯電話、携帯電話機能を有さないPDA(Personal Data Assistance)などの携帯情報端末やパソコンとすることも可能である。ただし、携帯電話機能を有さない情報機器の場合、
図1における無線制御送受信部A18はなく、データ通信は、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19からのみ行われる。
【0034】
図2に本発明によるネットワーク変換装置21と、ネットワーク変換装置21に無線接続する情報通信端末11を示す。情報通信端末11は、
図1に示される情報通信端末11と同じであるが、ネットワーク変換装置21と接続して、ネットワーク変換装置21を動作させるためのネットワーク変換装置用アプリケーション27がダウンロードされている。なお、ネットワーク変換装置用アプリケーション27は、ハードウェアとして構成することもできる。ネットワーク変換装置用アプリケーション27は、情報通信端末11のデータ送受信の手段を無線制御送受信部A18と無線LAN・近距離無線制御送受信部A19とから選択する。無線LAN・近距離無線制御送受信部A19が選択された場合には、ネットワーク変換装置21を介したデータ送受信が行われる。この選択方法は、ユーザによる手動選択及び所定の基準を考慮した自動選択を含むものであり、サービスレベル、通信事業者、コスト、相手先等を考慮して、ユーザが好む、またはユーザに最適なネットワークを選択することができる。
【0035】
図2に示されるネットワーク変換装置21において、参照番号26はネットワーク変換装置用アプリケーション、22はOS制御部(制御部ともいう)、23は無線LAN・近距離無線制御送受信部B、24は無線制御送受信部B、25はユーザID制御部を示す。
【0036】
ネットワーク変換装置用アプリケーション26は、ネットワーク変換装置21を動作させるためのアプリケーションである。OS制御部22は、情報通信端末11のOS制御部15と同様に、ネットワーク変換装置21内の全ての手段や機能を管理して、動作させる。無線LAN・近距離無線制御送受信部B23は、情報通信端末11の無線LAN・近距離無線制御送受信部A19と非接触で無線接続するための無線通信手段である。このため、無線LAN・近距離無線制御送受信部B23は、情報通信端末11の無線LAN・近距離無線制御送受信部A19が備える通信方式の少なくとも1つは備える必要がある。無線制御送受信部B24は、情報通信端末11の無線制御送受信部A18が対応する通信方式とは異なる通信方式において無線通信を行う。
【0037】
ユーザID制御部B25は、使用するユーザの識別情報を管理する。通常、ユーザ識別情報は、SIMカードを差し込むことで、ネットワーク変換装置21に与えられる。ここで、ユーザID制御部B25におけるユーザIDと情報通信端末11のユーザID制御部16におけるユーザIDとは異なるものである。ユーザID制御部16におけるユーザIDは、情報通信端末11の無線制御送受信部A18で使用される通信方式においてユーザに割当てられた電話番号を含むものである。一方、ユーザID制御部25におけるユーザIDは、ネットワーク変換装置21の無線制御送受信部B24で使用される通信方式においてユーザに割当てられた電話番号を含むものである。
【0038】
情報通信端末11のユーザが、個人使用のネットワーク変換装置21を用いて、情報通信端末11が有している通信方式と異なる通信方式でネットワーク接続を行う場合、情報通信端末11のOS制御部15とネットワーク変換装置21のOS制御部22の一方又は両方でユーザIDの相互認証が行われることになる。一方、ネットワーク変換装置21を複数のユーザが共有する場合、ネットワーク変換装置21のOS制御部22には、使用が許可されるユーザのユーザID情報が記録されていて、情報通信端末とネットワーク変換装置21が無線接続される際にユーザID認証が行われる。あるいは、情報通信端末内にネットワーク変換装置用アプリケーション27をダウンロードする際、許可されたユーザの端末にのみダウンロードを許可することでユーザの認証とすることもできる。更に、不特定ユーザの情報通信端末がネットワーク変換装置21を使用することもできるように、認証機能を設定することもできる。
【0039】
ここで、ネットワーク変換装置21の形状について簡単に説明する。ネットワーク変換装置21は、情報通信端末11を密着して固定する形状とすることができる。情報通信端末11の全体又は一部をネットワーク変換装置21にはめ込むように取り付ける(装着する)ことで、情報通信端末11とネットワーク変換装置21とを一体に構成された端末として使用することができる。更に、情報通信端末の形態を選ばすに、情報通信端末とネットワーク装置の筐体同士が組み合わさる構造としてもよい。例えば、情報通信端末に被せる構造や情報端末の一部に接続する方法などである。
【0040】
また、無線LAN又は近距離無線が届く範囲内において、情報通信端末11とネットワーク変換装置21とを離間して配置することもできる。この場合、ネットワーク変換装置21の形状は、特に限定されず、携帯型や据置き型、壁掛け型などとすることができる。
【0041】
次に、情報通信端末11とネットワーク変換装置21の動作について説明する。以下では、情報通信端末11とネットワーク変換装置21がWiFi(登録商標)方式により無線接続されると仮定する。ただし、その他の近距離無線通信方式で接続する場合も同様の動作となる。
【0042】
1.情報通信端末11のユーザが、ネットワーク変換装置21が対応する通信方式のネットワークに接続して通信を行うことを希望する場合、情報通信端末11をネットワーク変換装置21に取り付け、又は近接させて、ネットワーク変換装置21の電源を入れる。
【0043】
2.ネットワーク変換装置21の無線LAN・近距離無線制御送受信部B23からは、無線LAN・近距離無線制御送受信部B23が有する通信方式において、アクセス可能を知らせる信号が発信される。WiFi(登録商標)方式においては、ビーコン信号が発信される。
【0044】
3.情報通信端末11の無線LAN・近距離無線制御送受信部A19では、近隣のWiFi(登録商標)スポットからのビーコン信号などと共に、ネットワーク変換装置21からのWiFi(登録商標)ビーコン信号を受信する。情報通信端末11の画面には、近隣WiFi(登録商標)スポットやネットワーク変換装置21などの接続可能なアクセスポイント情報が表示される。ユーザは、ネットワーク変換装置21を選択する。
【0045】
4.ネットワーク変換装置21が選択されると、情報通信端末11内に搭載されたネットワーク変換装置用アプリケーション27が立ち上がり、無線接続の手段として、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19を選択する。ここで、ネットワーク変換装置用アプリケーション27は、無線選択接続手段の役割をする。
【0046】
5.情報通信端末11の無線LAN・近距離無線制御送受信部A19とネットワーク変換装置21の無線LAN・近距離無線制御送受信部B23が無線接続されると、情報通信端末11は、その固有識別子をネットワーク変換装置21に送信する。固有識別子は、情報通信端末11の機器番号や情報通信端末11を使用するユーザのユーザIDなどである。ネットワーク変換装置21は、受信した情報通信端末11の固有識別子を用いて、機器の認証を行う。あるいは、情報通信端末11とネットワーク変換装置21が、それぞれの固有識別子を送信して、両機器内で認証を行うこともできる。認証された状態は、保持されることになる。認証が完了すると、情報通信端末11からのデータ信号は、無線LAN又は近距離無線信号としてネットワーク変換装置21に送られ、ネットワーク変換装置21を介して送信されることになる(P3)。
【0047】
6.情報通信端末11の音声アプリケーション12、メールアプリケーション13、その他アプリケーション14で生成されたデータは、OS制御部15を介して、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19に送られる。無線LAN・近距離無線制御送受信部A19では、データをWiFi(登録商標)用データにフォーマット変換して、ネットワーク変換装置21の無線LAN・近距離無線制御送受信部B23に送信する。
【0048】
7.ネットワーク変換装置21の無線LAN・近距離無線制御送受信部B23では、受信したWiFi(登録商標)データからデータ部分を取り出し、無線制御送受信部B24に送る。無線制御送受信部B24は、データを無線制御送受信部B24が有する通信方式のフォーマットに変換し、この通信方式が使用する無線周波数帯域に周波数変換して、ネットワーク変換装置21のアンテナより送信する。
【0049】
ネットワーク変換装置21が無線ネットワークから信号を受信した場合は、上記と逆の動作となる。無線制御送受信部B24が有する通信方式で受信されたデータは、WiFi(登録商標)フォーマットに変換されて、着信情報と共に情報通信端末11に送信される。
【0050】
情報通信端末11では、ネットワーク変換装置21から送られる着信情報により、OS制御部15が、該当するアプリケーションを立ち上げる。例えば、着信情報が、電話に関するものであれば、音声アプリケーション12が立ち上がり、ディスプレイ上に受信電話番号を表示する。ネットワーク変換装置21から送信されたWiFi(登録商標)信号は、無線LAN・近距離無線制御送受信部A19で受信されて、スピーカから出力される。
【0051】
情報通信端末11内のネットワーク変換装置用アプリケーション27の起動は、ユーザがタッチパネル又はその他選択ボタンより行うことができる。あるいは、自動的に起動させることもできる。例えば、情報通信端末11がネットワーク変換装置21に装着された際に、物理的なスイッチが作動して、ネットワーク変換装置用アプリケーション27を起動させることができる。または、赤外線センサなどの手段により、情報通信端末11とネットワーク変換装置21の間隔が所定距離以内になったことを感知して、起動させることができる。更に、ネットワーク変換装置21から送信されるビーコン信号が示すID情報が、情報通信端末11内に予め登録されているネットワーク変換装置21からのビーコン信号のID情報と一致する場合には、ビーコン信号の認証によりネットワーク変換装置用アプリケーション27が自動的に起動するものとしても良い。
【0052】
情報通信端末11とネットワーク変換装置21の間の認証処理の一例を
図3に示す。ここで、情報通信端末11とネットワーク変換装置21の間で認証が行われ、両装置間でデータの送受信が可能とすることを「ペアリング」と称する。また、
図3において、情報通信端末をAで、ネットワーク変換装置をBで表すものとする。
【0053】
図3に示すペアリング処理は、パーソナルモードでのペアリング処理である。即ち、ネットワーク変換装置Bに予め登録されている情報通信端末のみが、このネットワーク変換装置Bを使用することができる。
【0054】
S101において、情報通信端末Aのネットワーク変換装置用アプリケーションが起動する。情報通信端末Aのユーザは、ネットワーク変換装置用アプリケーションの画面を用いて、ネットワーク変換装置Bを介しての無線通信を選択する。ただし、情報通信端末Aとネットワーク変換装置Bとの間の無線接続が自動的に行われる場合には、無線接続が完了(S102)した後、ネットワーク変換装置用アプリケーションが起動するとしても良い。
【0055】
S102において、無線LAN認証が行われて、情報通信端末Aとネットワーク変換装置Bとが無線接続される。認証は、例えば、ネットワーク変換装置Bから情報通信端末Aに、SSID(Service Set Identifier)/WEP(Wired Equivalent Privacy)キーが送信されることで行われる。ここでは、情報通信端末Aとネットワーク変換装置Bとの間の無線接続をWiFi(登録商標)として、無線LAN認証を行うものとしたが、その他の通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標))による無線接続の場合は、その通信方式において規定された認証方法により認証が行われる。無線接続が完了すると、ペアリング処理が開始される。
【0056】
S103において、情報通信端末Aからペアリング要求が送信される。S103のペアリング要求に対し、ネットワーク変換装置Bは、S104において、ペアリング応答を返信する。この後、S105〜S108において、情報通信端末Aとネットワーク変換装置Bとの間で、固有識別子の交換が行われて、互いの装置を認証する。固有識別子としては、SIMとIMEI(International Mobile Station Equipment Identity)などがある。SIMは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)やICCID(IC Card Identity)を含むとする。
【0057】
S105において、情報通信端末Aからネットワーク変換装置Bの固有識別子Bに対する要求が出されて、S106において、固有識別子Bが情報通信端末Aに通知される。更に、S107において、ネットワーク変換装置Bから情報通信端末Aの固有識別子Aに対する要求が出されて、S108において、固有識別子Aがネットワーク変換装置Bに通知される。
図3の例では、両装置間で固有識別子の交換を行うものとしたが、ネットワーク変換装置Bが情報通信端末Aの固有識別子を受信することにより(即ち、S107とS108)、認証が行われるものとしても良い。
【0058】
これらの処理により、S109において、パーソナルモードでのペアリングが完了する。ペアリングの完了により、情報通信端末Aは、ネットワーク変換装置Bの通信方式を用いた無線通信が可能となる。
【0059】
上記の情報通信端末11とネットワーク変換装置21との認証において、認証した状態は、例えば、ネットワーク変換装置21において保持される。1つの情報通信端末11が認証された後、この情報通信端末11と異なる情報通信端末が、ネットワーク変換装置21との無線接続を試みた場合、ネットワーク変換装置21は、この無線接続を許可しない。これにより、情報通信端末11のユーザとは異なるユーザが、ネットワーク変換装置21を使用して、通信を行うことを防止する。
【0060】
一方、災害時など、不特定多数のユーザが、ネットワーク変換装置21が有する通信方式を用いて、通信を行うことが考えられる。この場合、認証された情報通信端末11からの要求により、ネットワーク変換装置21の接続制限が解除される。これにより、不特定多数のユーザの情報通信端末は、認証することなくネットワーク変換装置21に無線接続されて、ネットワーク変換装置21を介した通信を行うことができる。ここで、不特定多数のユーザの代わりに、1つのグループのユーザとしても良く、この場合、特定の複数ユーザに対して、認証が行われる。
【0061】
不特定のユーザがネットワーク変換装置21を使用する場合、ネットワーク変換装置Bに予め登録されている情報通信端末Aが許可することにより、ネットワーク変換装置Bに登録されていない情報通信端末が、ネットワーク変換装置Bを使用することができるようになる。 このように、ネットワーク変換装置Bがアクセスポイントの役割を担うモードを「アクセスポイントモード」と呼ぶ。
【0062】
上記のような動作により、情報通信端末11で生成されたデータは、情報通信端末11が有する通信方式と異なる通信方式のネットワークに接続して送信することができる。あるいは、情報通信端末11が有する通信方式と異なる通信方式のネットワークからデータを受信することができる。
【0063】
ネットワーク変換装置を用いることにより、ユーザは1つの端末を用いて、無線通信ネットワークの切り替えを実現することができる。これにより、ユーザは、使用する場所や時間帯、使用したいサービスなどを考慮して、より適切な無線ネットワークを選択することが可能になる。また、ユーザは、使い慣れた情報通信端末をそのまま使用できるため、端末操作において、ユーザの利便性を損なうことがない。更に、複数端末を使用する際に生じるデータや情報の共有を行う必要がなく、これは機密性の上でも利点となる。
【0064】
次に、ネットワーク変換装置が複数の通信方式による送受信部を有し、任意の基準に基づき通信方式が選択されて、選択された通信方式に対応するネットワークと無線接続する実施例を示す。
【0065】
図4は、ネットワーク変換装置21が、複数の通信方式による送受信部を有する構成を示している。
図4の情報通信端末11は、
図2に示される情報通信端末11と同じものであり、情報通信端末単体では、例えば、3Gネットワークを介して通信を行う。
【0066】
ネットワーク変換装置21は、
図2のネットワーク変換装置21の無線制御送受信部B24が、複数の送受信部を有する他は同じ構成である。ネットワーク変換装置21は、送受信部として、4.9GWiFi送受信部32、WiMAX送受信部33、TD−LTE送受信部34、FD−LTE送受信部35を有する。しかし、これらの通信方式に限定されるものではなく、その他の通信方式、例えば、3G方式、PHS、2.4GWiFiなどに対応する送受信部を有することができる。あるいは、情報通信端末11が3G方式の送受信部を備えている場合、情報通信端末11の3G方式とは異なる通信事業者により提供される3G方式の送受信部を有することもできる。
【0067】
ネットワーク変換装置21は、ネットワーク変換装置21が有する通信方式の中から少なくとも1つを選択する通信方式選択部31を有する。通信方式選択部31は、ネットワーク変換装置21又は情報通信端末11内に予め設定されている選択基準に基づき、通信方式を選択する。あるいは、ユーザが情報通信端末11のタッチパネルなどの入力手段を介して、好みの通信方式を選択することもできる。その際に、情報通信端末11に上記の選択基準に基づく選択すべき通信方式を表示してユーザに通知してもよい。また、ネットワーク側から接続品質、輻輳状況、通信可能な通信帯域、電波受信強度等を含む通信状態などの情報を受信して、選択基準に組み入れることもできる。
【0068】
情報通信端末11で生成された音声信号や、情報通信端末11にインストールされているその他のアプリケーションにて生成されたデータ信号は、無線LAN又は近距離無線信号として、無線LAN・近距離無線制御送受信部B23で受信される。この信号には、通信先電話番号などの制御情報も含まれる。受信された音声信号や、情報通信端末11にインストールされているその他のアプリケーションにて生成されたデータ信号は、通信方式選択部31で選択された通信方式の送受信部に伝送される。例えば、WiMAX通信方式が選択された場合、WiMAX送受信部33でWiMAX信号フォーマットに変換されて、WiMAX用無線周波数帯域に周波数変換された後、ネットワーク変換装置21のアンテナ28から送信される。
【0069】
通信方式選択部31の機能を情報通信端末11内のネットワーク変換装置用アプリケーション27内に含めることができる。この場合、ネットワーク変換装置用アプリケーション27で決定された通信方式に関する情報が、無線LAN・近距離無線制御送受信部B23を介して、ネットワーク変換装置21で受信されて、決定された通信方式に対応する送受信部が選択される。このような構成とすることで、ネットワーク変換装置21を小型、軽量化することができる。
【0070】
次に、通信方式選択部31が、ネットワーク変換装置21が備える通信方式の中より少なくとも1つの通信方式を選択する際の選択基準について説明する。ここで、通信方式を選択することは、接続するネットワークを選択することを意味する。ただし、以下に示す選択基準に限定されるものではない。
【0071】
通信方式の選択をユーザが行うことができる。ネットワーク変換装置21と情報通信端末11が接続されると、情報通信端末11のディスプレイには無線通信が可能なネットワークが表示される。ユーザは、ディスプレイ上のアイコン等をタッチするか、カーソルで選択するなどにより、無線通信を行うためのネットワークを選択することができる。この場合の選択基準には、ユーザの好みによる任意の選択、情報携帯端末からの推奨される選択基準を参考とした任意の選択などが含まれる。
【0072】
一方、通信方式選択部31が所定の選択基準に基づき、接続するネットワークを選択することができる。以下に、幾つかの例を示す。
【0073】
(1)接続性に基づいたネットワーク選択。通信方式選択部31は、無線接続が容易なネットワークを選択することができる。一例として、基地局又はアクセスポイントからの受信感度(又は受信強度)が最も強いネットワークを選択する。あるいは、基地局又はアクセスポイントまでの距離が近く、送信電力が最も小さく済むネットワークを選択することができる。この場合、ネットワーク変換装置21の電力消費を抑えることにも寄与する。また、ネットワークが輻輳中の場合、接続制限などの規制が掛けられている場合、そのネットワークを除外することができる。更に、ユーザが移動中、又はこれから移動する場合において、ハンドオーバが困難なネットワーク(例えば、WiFi)を除外することもできる。この場合、ユーザから、移動中などの情報を情報携帯端末とネットワーク変換装置の双方、又はいずれかに与えることができる。また、GPS等による端末の位置情報から端末の移動を検出して、自動的に除外することもできる。
【0074】
(2)伝送速度に基づいたネットワーク選択。通信方式選択部31は、最も伝送速度が速いネットワークを選択することができる。即ち、最も快適な通信が行えるネットワークが選択される。通信方式選択部31内に予め記憶されている各ネットワークの平均伝送速度又は最大伝送速度を選択基準とすることができる。あるいは、ネットワーク側より通知される現在の伝送状況を選択基準とすることができる。また、チャネルボンディングなど、複数のチャネルを同時に使用できる機能を考慮することもできる。更に、無線伝送を行うデータの種類を選択基準に考慮することもできる。例えば、伝送データの最大伝送速度を収容可能なネットワークを選択することができる。
【0075】
(3)コストに基づいたネットワーク選択。通信方式選択部31は、最も通信料金の低いネットワークを選択することができる。情報通信端末11内、又は通信方式選択部31内の一方又は双方に予め記憶されている各ネットワークにおいて契約されたプランの通信料金を判断基準とすることができる。時間帯によるサービスが提供されている場合には、使用する際の時刻が考慮される。また、使用するアプリケーションに応じて選択することもできる。例えば、電話通信を行うのであれば、電話通信の通信料金に応じてネットワークが選択される。また、データのパケット通信を行うのであれば、パケット通信の通信料金が考慮される。パケット通信において従量制が適用される場合には、想定されるデータ量、例えば、動画であるか、低容量データであるかを判断基準に加えることもできる。予め記憶された選択基準の情報は、定期的、不定期、又は随時更新することができる。この更新は、自動更新とすることができ、更にユーザ操作による更新とすることもできる。更新データは、例えば、外部サーバで生成されて、情報通信端末及びネットワーク変換装置の一方の接続可能な任意の通信方式を介して受信することができる。
【0076】
(4)ロードバランス・冗長性確保等に基づいたネットワーク選択。通信方式選択部31は、ネットワーク側より通知されるネットワーク使用状況に関する情報に基づいて、ネットワークを選択する。後述する判断基準サーバが各ネットワークからの使用情報に基づいて、ネットワーク間のロードバランスを均等にするように、ネットワーク変換装置21に、推奨するネットワークを通知することができる。更に、複数の通信方式を選択して、複数のネットワークと同時に通信を行うこともできる。複数の通信方式に通信データ量を振り分けることにより、ネットワーク間のロードバランスを行う、通信の冗長性を確保する、又は伝送速度を拡大することができる。
【0077】
その他の例として、通信相手先が契約する通信事業者のネットワークに合わせて選択することもできる。一般的には、送信側と受信側の通信事業者が同じ場合には割引が適用されるためである。通信相手先が契約する通信事業者や契約回線種別を判別する方法として、通信相手先端末からの通知を受ける方法や、通信事業者が他の通信事業者から受信したデータに含まれる事業者情報、又は回線種別情報等から判別する方法があるが、これらに限られない。
【0078】
上記の幾つかの判断基準を組み合わせて、1つの判断基準とすることもできる。どの判断基準を選択するのか、幾つかの判断基準を組み合わせる場合に、各基準に与える重み付けをどうするかについては、ユーザが決定することができる、あるいは、通信事業者が決定することができる。
【0079】
更に、選択したネットワークに接続された後で、通信状況の変化によりネットワークを変更することも可能である。例えば、現在使用しているネットワークが混雑し始めて伝送速度が遅くなった場合に、より伝送速度の速いネットワークに変更することができる。または、情報通信端末の操作中に使用するアプリケーションが変更された場合に、そのアプリケーションのデータの種類、データ量に合わせてネットワークを変更することもできる。更に、現在使用しているネットワークの割引が受けられる時間帯が終了した場合などが考えられる。ネットワークの変更は、ネットワークの選択と同様に、ユーザが行うことができる。あるいは、通信方式選択部31が、自動的に、又はユーザからの要請により行うこともできる。
【0080】
続いて、通信方式選択部31が、通信方式(即ち、接続するネットワーク)を選択する手段について説明する。ただし、以下に示す手段は例である。
【0081】
(1)ネットワーク変換装置21の通信方式選択部31内に予め記憶されている選択基準に従い、ネットワークが選択される。また、通信方式選択部機能が情報通信端末11のネットワーク変換装置用アプリケーション27内にある場合には、ネットワーク変換装置用アプリケーション27内に予め記憶されている選択基準に従い、ネットワークが選択される。情報通信端末11又はネットワーク変換装置21には、各ネットワークでの最高、平均又は保証伝送速度、ユーザが契約したプランでの料金やサービス内容などが記憶されている。これらの情報を用いて、所定の選択基準により、ネットワークを選択する。更に、各ネットワークから現在のネットワーク使用状況などの情報を受信して、使用することもできる。
【0082】
(2)ネットワーク側が各ネットワークの使用状況を監視して、選択基準を情報通信端末11又はネットワーク変換装置21に通知することができる。ネットワーク間で共通の外部サーバが、各ネットワークの使用状況や顧客情報に基づいて、選択基準を決める。この様な選択基準はネットワーク側サーバにより動的に作成される。作成された選択基準は、随時、又は端末側からの要請に応じて、端末側に通知される。情報通信端末11又はネットワーク変換装置21は、通知された選択基準に基づいて、ネットワークを選択する。
【0083】
(3)情報通信端末11がネットワーク変換装置21を使用した際のネットワーク接続の履歴を記憶し、接続履歴を選択基準に反映することができる。例えば、最も使用頻度の高いネットワークに対し、高い優先度が与えられる。
【0084】
(4)アクセスポイントモード時に非認証端末に対して、ネットワーク選択肢を制限するように選択基準を設定することができる。非認証端末は、本来、ネットワーク変換装置21、及びネットワーク変換装置21が備えるネットワークを使用する権限がなく、一時的に、又は臨時に使用している。このため、接続できるネットワークに制限を加えるものである。
【0085】
選択基準をユーザが設定することもできる。ユーザが、自身の好みや、ネットワークから得られる情報とは別の情報に基づいて、情報通信端末11から設定する。また、複数の選択基準考慮する際には、各基準に対する重み付けを設定することもできる。
【0086】
更に、災害時などにおいては、特定のネットワークに通信トラヒックが集中して、混雑、輻輳することを回避するために、ネットワーク側から、情報通信端末、ネットワーク変換装置の一方または双方に対して、接続可能なネットワークに制限を加えたり、強制的に1つ以上の特定のネットワークを選択させて、集中した通信トラヒックを誘導し、安定した通信品質、接続品質を確保したりすることもできる。
【0087】
次に、ネットワーク側から端末側に選択基準を通知する場合の構成について説明する。
図5は、ネットワーク側の構成例を示したものである。
図5の参照番号11は情報通信端末、21はネットワーク変換装置、41〜43は基地局、44〜46は移動局通信機能部(例えば3G通信方式におけるMSC:Mobile switching center)、47はデータベース、48は選択基準決定サーバ、49は資源アクセス管理機能(RACF:Resource access control facility)、50はコアネットワークを示す。実線はデータが送受信される回線を示し、点線は選択基準のための情報信号が送受信される回線を示す。
【0088】
ネットワーク変換装置21は、3つの通信方式に対応しているものと想定し、それらは3G通信方式、PHS通信方式、LTE通信方式とする。すると、41、44は、3G通信方式に対応するネットワークの基地局と移動局通信機能部(3G通信方式におけるMSCに相当する機能部分)になる。同様に、42、45は、PHS通信方式に対応するネットワークの基地局と移動局通信機能部、43、46は、LTE通信方式に対応するネットワークの基地局と移動局通信機能部となる。ただし、ネットワーク変換装置21は、3つより多い通信方式に対応することもでき、また上記と異なる通信方式に対応することもできる。
【0089】
ネットワーク変換装置21は、各通信方式の基地局及び移動局通信機能部を介してコアネットワーク50に接続して、通信相手先に対してデータの送受信を行う。
【0090】
ネットワーク側では、選択基準決定サーバ48を設ける。選択基準決定サーバ48は、各通信方式の移動局通信機能部44〜46から、現在の使用状況に関する情報を受信する。更に、データベース47から各種のデータを受信する。例えば、エリア情報、顧客情報、使用情報などである。顧客情報には、ネットワーク変換装置21の情報も含まれ、ネットワーク変換装置21がどの通信方式に対応しているかの情報も有する。更に、選択基準決定サーバ48は、RACFからネットワーク全体の資源割当て情報を受信することもできる。これら情報を用いて、選択基準決定サーバ48は、ネットワーク変換装置21のネットワーク選択のための選択基準を決定する。
【0091】
決定された選択基準は、情報通信端末およびネットワーク変換装置が有する通信方式のうち1以上の通信方式の移動局通信機能部及び基地局を介して、ネットワーク変換装置21と情報通信端末11の一方又は双方に通知される。ネットワーク変換装置21の3つの通信方式の送受信部が、対応するネットワークと接続されている場合、1つのネットワーク回線、例えば、LTE通信方式の回線が選択される。この場合、移動局通信機能部46及び基地局43を介して、選択基準がネットワーク変換装置21に通知される。