(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656929
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】ブラックストリップを備えたパターンリターダ方式の映像表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20141225BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20141225BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20141225BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20141225BHJP
G02B 27/22 20060101ALI20141225BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335 500
G02F1/1335 510
G02F1/1335 505
G09F9/00 313
G09F9/00 338
G09F9/00 361
G09F9/30 338
G09F9/30 349B
G09F9/30 349C
G02B27/22
G02B5/30
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-151134(P2012-151134)
(22)【出願日】2012年7月5日
(65)【公開番号】特開2013-235228(P2013-235228A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2012年7月5日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0046535
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】蔡 熙 泳
【審査官】
佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−158574(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/080968(WO,A1)
【文献】
特開平10−268233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13
G02F1/1333
G02F1/1335−1/13363
G09F9/00
G09F9/30
G02B5/30
G02B27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位画素がマトリックス方式で配列された表示領域と、前記表示領域の周辺に配置された非表示領域とで画定された第1の基板と、
前記第1の基板に貼り付けられた第2の基板と、
貼り付けられた前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在された液晶層と、
前記第1の基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける横方向境界部に沿って配列された複数個の横ブラックストリップと、
前記第1の基板の前記外側表面で前記非表示領域に沿って配列されたフレームストリップと、
前記第1の基板の外側表面に貼り付けられた偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの外側表面に貼り付けられたパターンリターダと、を備え、
前記第1の基板の外側表面は、前記液晶層とは反対側の前記第1の基板の表面であり、
前記偏光フィルムの外側表面は、前記液晶層とは反対側の前記偏光フィルムの表面であり、
前記複数個の横ブラックストリップは、前記フレームストリップにより電気的に接続されることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記第2の基板は、
前記第2の基板の内側表面で前記単位画素を画定するゲート配線及びデータ配線と、
前記ゲート配線及び前記データ配線に接続された薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタに接続され、前記単位画素内に形成された画素電極と、
前記非表示領域に配置された駆動ドライバ素子と、
を備え、
前記第2の基板の内側表面は、前記第1の基板とは反対側の前記第2の基板の表面であることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記第1の基板の外側表面で前記単位画素領域を仕分ける縦方向境界部に沿って配列される複数個の縦ブラックストリップをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記第1の基板の内側表面で前記単位画素内に形成されたカラーフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の映像表示装置 。
【請求項5】
前記第2の基板の内側表面で前記画素電極を覆い、前記単位画素内に形成されたカラーフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置 。
【請求項6】
前記第2の基板の内側表面で前記画素電極と前記第2の基板との間に配置されるカラーフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置 。
【請求項7】
前記第1の基板の内側表面で前記単位画素領域内に形成された前記カラーフィルタを仕分ける縦方向境界部に沿って配列された複数個の縦ブラックストリップをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置 。
【請求項8】
前記横ブラックストリップ及び前記フレームストリップは互いに接続され、不透明金属材質であるモリブデン−チタニウム(MoTi)合金と窒化銅(CuNx)のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の映像表示装置 。
【請求項9】
上部基板を単位画素がマトリックス方式で配列された表示領域と、前記表示領域の周辺に配置された非表示領域とに区画し、前記上部基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける横方向境界部に沿って配列された複数個の横ブラックストリップと、前記上部基板の前記外側表面で前記非表示領域に沿って配列されたフレームストリップとを形成し、前記複数個の横ブラックストリップは前記フレームストリップにより電気的に接続される第1の基板の製造ステップと、前記第1の基板の外側表面に偏光フィルムを貼り付けるステップと、
前記偏光フィルムの外側表面にパターンリターダを貼り付けるステップと、
下部基板の内側表面上で前記単位画素を画定するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線及び前記データ配線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記非表示領域に配置された駆動ドライバ素子とを形成する第2の基板の製造ステップと、
前記非表示領域にシール材を塗布し、液晶層を隔てて前記上部基板の内側表面と前記下部基板の内側表面とが向かい合うように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り付けるステップと、
を含み、
前記第1の基板の外側表面は、前記液晶層とは反対側の前記第1の基板の表面であり、
前記第2の基板の内側表面は、前記第1の基板とは反対側の前記第2の基板の表面であり、
前記偏光フィルムの外側表面は、前記液晶層とは反対側の前記偏光フィルムの表面であることを特徴とする映像表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける縦方向境界部に沿って配列される複数個の縦ブラックストリップをさらに形成することを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の内側表面で前記単位画素を満たすカラーフィルタと、前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成することを特徴とする請求項10に記載の映像表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第2の基板の製造ステップは、前記下部基板の内側表面で前記画素電極を覆い、前記単位画素内にカラーフィルタと、前記カラーフィルタ上で前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成することを特徴とする請求項10に記載の映像表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2の基板の製造ステップは、前記ゲート配線、前記データ配線、前記薄膜トランジスタ、及び前記画素電極を形成する前に、前記下部基板の内側表面で前記単位画素内にカラーフィルタを先に形成し、
前記画素電極上で前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成することを特徴とする請求項10に記載の映像表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の内側表面で前記単位画素内部を満たすカラーフィルタと、前記カラーフィルタを仕分ける縦方向境界部に沿って配列された複数個の縦ブラックストリップと、前記縦ブラックストリップ上にカラムスペーサとをさらに形成することを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記横ブラックストリップ及び前記フレームストリップは互いに接続され、不透明金属材質であるモリブデン−チタニウム(MoTi)合金と窒化銅(CuNx)のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の映像表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラックストリップを備えたパターンリターダ方式の映像表示装置及びその製造方法に関し、特に、本発明は、パターンリターダ間でクロストークを防止し、ブラックマトリックス機能を行うブラックストリップと、当該ブラックストリップを接続し、非表示領域を覆い、背面電極機能を果たすフレームストリップとを備えるパターンリターダ方式の立体映像表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なビデオコンテンツの開発によって2D映像と3D映像を選択的に実現できる表示装置が台頭している。3D映像実現のために、表示装置は、両眼視差方式(stereoscopic technique)または複合視差知覚方式(autostereoscopic technique)を利用する。
【0003】
二重メガネ方式の一例として、表示パネル上にパターンリターダ(Patterned Retarder)を配置した3次元映像表示装置がある。この3次元映像表示装置は、パターンリターダの偏光特性と、使用者が着用した偏光メガネの偏光特性を利用して3D映像を実現することにより、他の立体映像実現方法に比べて、3D映像で左眼と右眼のクロストーク(Cross−Talk)が小さく、輝度に優れて画質が優秀であるという長所がある。
【0004】
図1は、従来技術に係るパターンリターダ方式の3次元映像システムの構造を示した分解斜視図である。パターンリターダ方式の3次元映像システムは、表示パネルDP上に配置されたパターンリターダ(Patterned Retarder)PRの偏光特性と、使用者が着用した偏光メガネPGの偏光特性とを利用して立体映像を実現する。
【0005】
パターンリターダ方式の3次元映像システムは、2Dまたは3D映像を実現する表示パネルDP、当該表示パネルDPの前の表面に貼り付けられたパターンリターダPR、及び偏光メガネPGなどを備える。
【0006】
表示パネルDPは、2D映像と3D映像データを表示する表示素子であって、液晶表示素子(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、無機電界発光素子と有機発光ダイオード素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)とを含む電界発光素子(Electroluminescence Device、EL)、電気泳動表示素子(Electrophoresis、EPD)などの平板表示素子で実現され得る。以下において、表示パネルDPは、液晶表示素子の表示パネルを中心として説明する。
【0007】
表示パネルDPは、データ配線とゲート配線との交差構造によりマトリックス形態で配置された液晶セルを含む。表示パネルDPの下部ガラス基板SLには、データ配線、ゲート配線、薄膜トランジスタ、画素電極、及びストレージキャパシタ(Storage Capacitor)を含む画素アレイが形成される。液晶セルは、薄膜トランジスタに接続された画素電極と共通電極との間の電界により駆動される。表示パネルDPの上部ガラス基板SU上には、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、及び共通電極が形成される。上部ガラス基板SUと下部ガラス基板SLとのそれぞれの内側表面には、液晶のプレチルト角(pre−tilt angle)を設定するための配向膜が形成される。表示パネルDPの上部ガラス基板SUと下部ガラス基板SLとのそれぞれの外部には、上部偏光フィルムPU及び下部偏光フィルムPLが貼り付けられる。
【0008】
パターンリターダPRは、表示パネルDPの上部偏光フィルムPUの外側に貼り付けられる。パターンリターダPRは、表示パネルDPの横方向に配列された1行の画素を基本単位とする各ラインに対応する単位リターダが配列されている。例えば、いずれか1つのゲート配線に沿って共通に接続された画素の領域に相応して1つの単位リターダが割り当てられる。特に、パターンリターダPRの奇数ラインには第1のリターダRT1が割り当てられて形成され、パターンリターダPRの偶数ラインには第2のリターダRT2が割り当てられて形成される。第1のリターダRT1は、表示パネルDPからの光の位相値を+λ/4の分だけ(ここで、λは光の波長)遅延させて第1の円偏光を透過させる。第2のリターダRT2は、表示パネルDPからの光の位相値を−λ/4の分だけ(実際には3λ/4の分だけ)遅延させて第2の円偏光を透過させる。第1のリターダRT1の光透過軸と第2のリターダRT2の光透過軸とは互いに直交する。
【0009】
例えば、パターンリターダPRの第1のリターダRT1は、左円偏光のみを通過させるように実現され得る。そして、第2のリターダRT2は、右円偏光のみを通過させるように偏光フィルタで実現され得る。したがって、表示パネルDPの奇数ラインに表示される映像の光は、第1のリターダRT1を通過して第1の円偏光(すなわち、左円偏光)に変換され、表示パネルDPの偶数ラインに表示される映像の光は、第2のリターダRT2を通過して第2の円偏光(すなわち、右円偏光)に変換される。
【0010】
偏光メガネPGは、第1の偏光フィルタP1を有する左メガネ窓LGと、第2の偏光フィルタP2を有する右メガネ窓RGとを備える。第1の偏光フィルタP1は、パターンリターダPRの第1のリターダRT1と同様な偏光特性がある。第2の偏光フィルタP2は、パターンリターダPRの第2のリターダRT2と同様な偏光特性がある。例えば、偏光メガネPGの第1の偏光フィルタP1は、左円偏光フィルタとして選択され得るし、偏光メガネPGの第2の偏光フィルタP2は、右円偏光フィルタとして選択され得る。
【0011】
このような構造において、第1のリターダRT1に該当する画素では左眼映像を、第2のリターダRT2に該当する画素では右眼映像を表示することにより、3次元映像を実現することができる。これにより、
図1のような立体映像表示装置は、左眼イメージの偏光特性と右眼イメージの偏光特性とを異なるようにし、使用者が見る左眼イメージと右眼イメージとを空間的に分割して3D映像を実現することができる。
【0012】
このようなフィルム型パターンリターダを用いた3D映像表示装置では、横方向の画素行単位で左眼映像と右眼映像とを交互に表示するため、上下視野角方向でクロストーク現象が発生し得る。
図2は、
図1による3D映像表示装置でクロストークが発生する場合を示した図であって、
図1の切り取り線A−A’で切った断面図である。
【0013】
図2に示すように、正面方向より上から(または下から)観覧する場合、左眼映像L1と右眼映像R1とが同時に第1のリターダRT1を介して出射され得る。その結果、偏光メガネPGの左メガネ窓LGに左眼映像L1と右眼映像R1とが同時に通過するクロストーク現象が起こる。平板表示装置を構成する画素単位ごとにブラックマトリックスBMが形成されているが、ブラックマトリックスBMの大きさがクロストークを解決するほど十分な大きさを有していない。
【0014】
このように、垂直方向の視野角問題を解消するために、いくつかの方法が提
案されたことがある。第1に、ブラックマトリックスBMの幅を広く形成してクロストークが発生しない視野角角度を広く確保する方法がある。
図3は、
図2による表示装置において、ブラックマトリックスの幅を広げてクロストークを緩和した立体映像表示装置の構造を示した断面図である。
【0015】
図3に示すように、右眼映像R1が第1のパターンリターダRT1に透射される光経路上にさらに広くなったブラックマトリックスBMが位置することにより、右眼映像R1が第1のパターンリターダRT1に透射されないように遮断する。これにより、表示装置の正面から眺めたとき、垂直方向へ移動して観覧する場合に、ある程度の範囲内ではクロストークが発生しない。しかし、このような構造では、クロストークを効果的に防止するためには、ブラックマトリックスBMの大きさが相当大きくならなければならない。このように、ブラックマトリックスBMの幅が広くなると、開口率が低下して正面で輝度値が低くなり、全体的に画質が暗かったり、正しい彩度値が現れないという問題が生じる。
【0016】
正面開口率確保と3Dクロストーク改善との間では、トレードオフ(Trade−Off)関係があるため、適切な妥協点を探さなければならないという困難がある。したがって、このようなトレードオフ関連性を除去して正面開口率を高めつつ、3Dクロストークを同時に改善する方案が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平5−232403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するために提案されたものであって、その目的は、正面開口率を確保するとともに、3Dクロストークを改善した映像表示装置及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、駆動ICをシール領域内に形成してベゼル領域のない2D/3D映像表示装置で、正面開口率が高く、かつ、3Dクロストークを改善した大面積映像表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そこで、上記の目的を達成するために、本発明に係るブラックストリップを備えたパターンリターダタイプの立体映像表示装置は、単位画素がマトリックス方式で配列された表示領域と、前記表示領域の周辺に配置された非表示領域とで画定された第1の基板と、前記非表示領域に塗布されたシール材により前記第1の基板に貼り付けられた第2の基板と、貼り付けられた前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在された液晶層と、前記第1の基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける横方向境界部に沿って配列された複数個の横ブラックストリップと、前記第1の基板の前記外側表面で前記非表示領域に沿って配列されたフレームストリップとを備える。
【0020】
前記第2の基板は、内側表面で前記単位画素を画定するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線及び前記データ配線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続され、前記単位画素内に形成された画素電極と、前記非表示領域に配置された駆動ドライバ素子とを備えることを特徴とする。
【0021】
前記第1の基板の外側表面で前記単位画素領域を仕分ける縦方向境界部に沿って配列される複数個の縦ブラックストリップをさらに備えることを特徴とする。
【0022】
前記第1の基板の内側表面で前記単位画素内に形成されたカラーフィルタをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
前記第2の基板の内側表面で前記画素電極を覆い、前記単位画素内に形成されたカラーフィルタをさらに備えることを特徴とする。
【0024】
前記第2の基板の内側表面で前記画素電極と前記第2の基板との間に配置されるカラーフィルタをさらに備え、前記画素電極の光反射率は、前記フレームストリップの光反射率との差が5%以内である導電物質を備えることを特徴とする。
【0025】
前記第1の基板の内側表面で前記単位画素内に形成されたカラーフィルタと、前記第1の基板の内側表面で前記単位画素領域内に形成された前記カラーフィルタを仕分ける縦方向境界部に沿って配列された複数個の縦ブラックストリップとをさらに備えることを特徴とする。
【0026】
貼り付けられた前記第1の基板と前記第2の基板との間で所定の貼り付け間隔を維持するように、前記単位画素間に配置されたカラムスペーサをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
前記横ブラックストリップ及び前記フレームストリップは互いに接続され、不透明金属材質であるモリブデン−チタニウム(MoTi)合金と窒化銅(CuNx)のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係るブラックストリップを備えたパターンリターダタイプの立体映像表示装置の製造方法は、上部基板を単位画素がマトリックス方式で配列された表示領域と、前記表示領域の周辺に配置された非表示領域とに区画し、前記上部基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける横方向境界部に沿って配列された複数個の横ブラックストリップと、前記上部基板の前記外側表面で前記非表示領域に沿って配列されたフレームストリップとを形成する第1の基板の製造ステップと、下部基板の内側表面上で前記単位画素を画定するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線及び前記データ配線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記非表示領域に配置された駆動ドライバ素子とを形成する第2の基板の製造ステップと、前記非表示領域にシール材を塗布し、液晶層を隔てて前記上部基板の内側表面と前記下部基板の内側表面とが向かい合うように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り付けるステップとを含む。
【0029】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の外側表面で前記単位画素を仕分ける縦方向境界部に沿って配列される複数個の縦ブラックストリップをさらに形成することを特徴とする。
【0030】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の内側表面で前記単位画素を満たすカラーフィルタと、前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成することを特徴とする。
【0031】
前記第2の基板の製造ステップは、前記下部基板の内側表面で前記画素電極を覆い、前記単位画素内にカラーフィルタと、前記カラーフィルタ上で前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成することを特徴とする。
【0032】
前記第2の基板の製造ステップは、前記ゲート配線、前記データ配線、前記薄膜トランジスタ、及び前記画素電極を形成する前に、前記下部基板の内側表面で前記単位画素内にカラーフィルタを先に形成し、前記画素電極上で前記横ブラックストリップ及び前記縦ブラックストリップのうち、少なくともいずれか1つと重ね合わせられる位置にカラムスペーサをさらに形成し、前記画素電極の光反射率は、前記フレームストリップの光反射率との差が5%以内であることを特徴とする。
【0033】
前記第1の基板の製造ステップは、前記上部基板の内側表面で前記単位画素内部を満たすカラーフィルタと、前記カラーフィルタを仕分ける縦方向境界部に沿って配列された複数個の縦ブラックストリップと、前記縦ブラックストリップ上にカラムスペーサとをさらに形成することを特徴とする。
【0034】
前記横ブラックストリップ及び前記フレームストリップは互いに接続され、不透明金属材質であるモリブデン−チタニウム(MoTi)合金と窒化銅(CuNx)のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る映像表示装置は、ブラックマトリックスと重ね合わせるブラックストリップを備え、クロストークを効果的に防止しつつ、ブラックストリップがブラックマトリックスと同じ幅を有し、垂直空間上で完全重ね合わせられて、正面輝度が十分に確保されるという長所がある。本発明は、導電性ブラックストリップを接続し、駆動回路部及びシール領域を覆う導電性フレームストリップを備えることにより、背面電極なしでも背面電極の機能を果たすことができる。本発明は、ブラックマトリックスを排除した状態でブラックストリップを上部基板の外側表面に形成することにより、立体映像のクロストークを解消するとともに、ブラックマトリックス機能を全て果たすことができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】従来技術に係るパターンリターダ方式の3次元映像システムの構造を示した分解斜視図である。
【
図2】
図1による3D映像表示装置でクロストークが発生する場合を示した図面であって、
図1の切り取り線A−A’で切った断面図である。
【
図3】
図2による表示装置でブラックマトリックスの幅を広げてクロストークの問題を緩和した立体映像表示装置の構造を示した断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る二重ブラックストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
【
図5A】
図4の切り取り線B−B’で切った断面として示した第1の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図5B】
図4の切り取り線B−B’で切った断面として示した第1の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図5C】
図4の切り取り線B−B’で切った断面として示した第1の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図5D】
図4の切り取り線B−B’で切った断面として示した第1の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る二重ブラックストリップ及びフレームストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
【
図7A】
図6の切り取り線C−C’で切った断面として示した第2の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図7B】
図6の切り取り線C−C’で切った断面として示した第2の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図7C】
図6の切り取り線C−C’で切った断面として示した第2の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図7D】
図6の切り取り線C−C’で切った断面として示した第2の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る二重ブラックストリップ及びフレームストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
【
図9A】
図8の切り取り線D−D’で切った断面として示した第3の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図9B】
図8の切り取り線D−D’で切った断面として示した第3の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図9C】
図8の切り取り線D−D’で切った断面として示した第3の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図9D】
図8の切り取り線D−D’で切った断面として示した第3の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図10A】第4の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図10B】第4の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図10C】第4の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【
図10D】第4の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る好ましい実施形態を詳細に説明する。明細書の全体にわたって同じ参照番号は、実質的に同じ構成要素を意味する。以下の説明において、本発明と関連した公知機能または構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0038】
図4及び
図5A〜
図5Dを参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る二重ブラックストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
図5A〜
図5Dは、
図4の切り取り線B−B’で切った断面として示した第1の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【0039】
まず、
図4に示すように、本発明の第1の実施形態に係るパターンリターダ方式の立体映像表示装置は、表示パネルDP上に配置されたパターンリターダ(Patterned Retarder)PRの偏光特性と、使用者が着用した偏光メガネPGの偏光特性とを利用して立体映像を実現する。
【0040】
パターンリターダ方式の3次元映像システムは、2Dまたは3D映像を実現する表示パネルDP、当該表示パネルDPの前の表面に貼り付けられたパターンリターダPR、及び偏光メガネPGなどを備える。表示パネルDPは、2D映像と3D映像データを表示する表示素子であって、液晶表示素子(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、無機電界発光素子と有機発光ダイオード素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)とを含む電界発光素子(ElectroluminescenceDevice、EL)、電気泳動表示素子(Electrophoresis、EPD)などの平板表示素子で実現され得る。以下において、表示パネルDPは、液晶表示素子の表示パネルを中心として説明する。
【0041】
表示パネルDPは、データ配線とゲート配線との交差構造によりマトリックス形態で配置された液晶セルを含む。表示パネルDPの下部ガラス基板SLには、データ配線、ゲート配線、薄膜トランジスタ、画素電極、及びストレージキャパシタ(Storage Capacitor)を含む画素アレイが形成される。液晶セルは、薄膜トランジスタに接続された画素電極と共通電極との間の電界によって駆動される。表示パネルDPの上部ガラス基板SU上には、ブラックマトリックス、カラーフィルター、及び/又は共通電極が形成される。表示パネルDPの上部ガラス基板SUと下部ガラス基板SLとのそれぞれの外部には、上部偏光フィルムPU及び下部偏光フィルムPLが貼り付けられる。上部偏光フィルムPUと下部偏光フィルムPLとは、それぞれの光透過軸が互いに直交するように配置することが好ましい。
【0042】
パターンリターダPRは、表示パネルDPの上部偏光フィルムPUの外側(即ち、上部ガラス基板SUとは反対側の面)に貼り付けられる。パターンリターダPRは、表示パネルDPの横方向に配列された1行の画素を基本単位とする各ラインに対応する単位リターダが配列されている。例えば、いずれか1つのゲート配線に沿って共通に接続された画素の領域に相応して1つの単位リターダが割り当てられる。特に、パターンリターダPRの奇数ラインには第1のリターダRT1が割り当てられて形成され、パターンリターダPRの偶数ラインには第2のリターダRT2が割り当てられて形成される。第1のリターダRT1は、表示パネルDPからの光の位相値を+λ/4の分だけ(ここで、λは光の波長)遅延させて第1の円偏光を透過させる。第2のリターダRT2は、表示パネルDPからの光の位相値を−λ/4の分だけ(実際には3λ/4の分だけ)遅延させて第2の円偏光を透過させる。第1のリターダRT1の光透過軸と第2のリターダRT2の光透過軸とは互いに直交する。
【0043】
例えば、パターンリターダPRの第1のリターダRT1は、左円偏光のみを通過させるように実現され得る。そして、第2のリターダRT2は、右円偏光のみを通過させるように偏光フィルタで実現され得る。したがって、表示パネルDPの奇数ラインに表示される映像の光は、第1のリターダRT1を通過して第1の円偏光(すなわち、左円偏光)に変換され、表示パネルDPの偶数ラインに表示される映像の光は、第2のリターダRT2を通過して第2の円偏光(すなわち、右円偏光)に変換される。
【0044】
偏光メガネPGは、第1の偏光フィルタP1を有する左メガネ窓LGと第2の偏光フィルタP2を有する右メガネ窓RGとを備える。第1の偏光フィルタP1は、パターンリターダPRの第1のリターダRT1と同様な偏光特性がある。第2の偏光フィルタP2は、パターンリターダPRの第2のリターダRT2と同様な偏光特性がある。例えば、偏光メガネPGの第1の偏光フィルタP1は、左円偏光フィルタとして選択され得るし、偏光メガネPGの第2の偏光フィルタP2は、右円偏光フィルタとして選択され得る。
【0045】
このような構造において、第1のリターダRT1に該当する画素では左眼映像を、第2のリターダRT2に該当する画素では右眼映像を表示することにより、3次元映像を実現することができる。これにより、
図4のような立体映像表示装置は、左眼イメージの偏光特性と右眼イメージの偏光特性とを異なるようにし、使用者が見る左眼イメージと右眼イメージとを空間的に分割して3D映像を実現することができる。
【0046】
表示パネルDPで立体映像を表示する場合、画素行ごとに左眼映像と右眼映像とが交互に表示されるが、左眼映像と右眼映像のクロストークを防止するためのブラックストリップBSが上部基板SUの外側表面上に(上部基板SUと上部偏光フィルムPUとの間に)形成される。特に、ブラックストリップBSは、上部基板SUの内側表面(即ち、上部基板SUと液晶層LCとの間にある上部基板SUの面)に形成される横(水平)ブラックマトリックスBMHが形成された範囲内で横ブラックマトリックスBMHと同じであるか、小さな幅を有するように形成される。ここで、基本的に、ある要素の「外側表面」というとき、液晶層LCの方から離れた側又は反対側にある該要素の表面のことであり、また、ある要素の「内側表面」というとき、液晶層LCの方に近い側にある該要素の表面のことである。
【0047】
図4において、縦(垂直)ブラックマトリックスBMVは、上部基板SUの内側表面に形成されるため、点線で表現した。それに対し、横ブラックマトリックスBMHと重ね合わせられるブラックストリップBSは、上部基板SUの外側表面に形成されるため、黒色実線で表現した。
【0048】
また、
図4において、図面符号BZはベゼル領域を示す。ベゼル領域BZは、表示パネルDPで上部基板SUと下部基板SLとを貼り付けるシール材が塗布される非表示領域を含み、駆動回路部が配置される領域及び/又は駆動回路部と表示パネルとを接続するための接続部材が設けられる領域なども含む。
【0049】
以下、
図5A〜
図5Dをさらに参照して、本発明の第1の実施形態に係るブラックストリップを備えたパターンリターダタイプの立体映像表示装置を製造する方法について詳細に説明する。
【0050】
まず、薄膜トランジスタ基板のための透明下部基板SLを用意する。透明な下部基板SLの上部表面上にゲート配線とデータ配線とを互いに直交するように形成して、マトリックス方式で配列された画素領域を画定する。各画素領域には、薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタに接続されて駆動される画素電極とを形成する。
図5Aでは、便宜のため、薄膜トランジスタと画素電極などの駆動素子を含む層を薄膜トランジスタ層TFLとして簡略に示した。(
図5A)
【0051】
次に、カラーフィルタ基板のための透明上部基板SUを用意する。上部基板SUの一側表面上にブラックストリップBSを形成する。特に、本発明に係る表示パネルDPは、横方向に進むパターンリターダPRが配置されるので、単位パターンリターダRT1、RT2間にブラックストリップBSが位置するように配置することが好ましい。クロストークを効果的に防止しつつ、表示パネルの開口率に変化を与えないようにするために、ブラックストリップBSの幅は、ブラックマトリックスBMの幅より小さいか、同一に形成することが好ましい。また、ブラックマトリックスBMの幅と実質的に同じ幅を有するブラックストリップBSをブラックマトリックスBMと透明上部基板SUに垂直な垂直空間上で重ね合わせるように配置することが最も好ましい。
【0052】
例えば、携帯用個人情報機器やノートブックのように、比較的小さな面積を有する表示パネルの場合は、ブラックマトリックスBMとブラックストリップBSとが垂直空間上で完全に重ね合わせるように配置することが好ましい。しかし、場合によって、特に、大画面TVのように、大きな面積を有する表示パネルの場合は、なるべく上下視野角方向から中心部で最上の視聴条件を満たすようにするために、ブラックマトリックスBMとブラックストリップBSとが一部領域のみで重ね合わせられることもできる。
【0053】
ブラックストリップBSが形成された上部基板SUの表面上の全面に背面電極BITを塗布する。背面電極BITは、表示パネルDPを製造する工程で発生できる静電気を防止するための目的で形成する。(
図5B)
【0054】
図5Cに示されるように、上部基板SUを裏返して他側表面(即ち、背面電極BITが形成されていない内側表面)上にブラックマトリックスBMを形成する。ブラックマトリックスBMは、画素領域を仕分ける境界線であり、横方向に進み、画素を仕分ける横ブラックマトリックスBMHと、縦方向に進み、画素を仕分ける縦ブラックマトリックスBMVとを備える。例えば、横ブラックマトリックスBMHは、薄膜トランジスタ基板に形成されたゲート配線が占める領域に対応するように、そして、縦ブラックマトリックスBMVは、データ配線が占める領域に対応するように形成することが好ましい。ここで、横ブラックマトリックスBMHは、ブラックストリップBSと垂直空間上で完全に重ね合わせるように(または、一部領域が重ね合わせるように)形成することが好ましい。その結果、ブラックマトリックスBMにより画素領域に対応するカラーフィルタ領域が画定される。
【0055】
また、カラーフィルタ領域の内部にカラーフィルタCFを形成する。場合によっては、カラーフィルタCFを先に形成し、ブラックマトリックスBMを後に形成することもできる。また、カラーフィルタCF上にオーバーコート層OCを全面塗布する。図示してはいないが、オーバーコート層OC上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層OC自体を配向膜として使用することもできる。オーバーコート層OC上で薄膜トランジスタ基板と貼り付け間隔を維持させるカラムスペーサCSを形成する。カラムスペーサCSは、上部基板SUに垂直な垂直空間でブラックマトリックスBMとオーバーラップするように形成することが好ましい。(
図5C)
【0056】
薄膜トランジスタ基板とカラーフィルタ基板とを液晶層LCを隔てて貼り付ける。カラムスペーサCSにより上部基板SUと下部基板SLとの間のセルギャップが一定に維持される。薄膜トランジスタ基板を構成する下部基板SLの外側面(即ち、薄膜トランジスタ層TFLとは反対の面)に下部偏光板PLを貼り付ける。同様に、カラーフィルタ基板を構成する上部基板SUの外側面(即ち、背面電極BITが形成された面)に上部偏光板PUを貼り付ける。そして、上部偏光板PUの背面電極BITとは反対側の外側表面には、3D映像を表現するためのパターンリターダPRを貼り付ける。特に、パターンリターダPRは、フィルム形態で形成して貼り付けることが好ましい。(
図5D)
【0057】
図5Dをさらに参照すれば、ブラックストリップBSは、ブラックマトリックスBMが、特に、横ブラックマトリックスBMHが形成された領域と重ね合わせるように形成される。特に、液晶表示装置の正面から眺めたとき、ブラックストリップBSが横ブラックマトリックスBMHと重ね合わせられた面積により開口率が低下しない範囲を満たすように重ね合わせ領域を設定することが重要である。携帯用表示装置のように、比較的小さな面積を有する表示パネルでは、ブラックストリップBSと横ブラックマトリックスBMHとが同じ大きさで完全に重ね合わせられることがよい。TVのように、比較的大面積を有する表示パネルの場合、ブラックストリップBSと横ブラックマトリックスBMHとが一部面積で重ね合わせる場合がありうる。この場合は、ブラックストリップBSの幅が横ブラックマトリックスBMHと同じであるか、さらに小さな値を有し、一部領域が重ね合わせるように配置され、正面から見たとき、横ブラックマトリックスBMHと重ね合わせられていないブラックストリップBSの面積が正面開口率を低下させない範囲を有するように配置することが好ましい。その結果、3D映像の視聴の際にも2D映像と同一の正面輝度を保障することができる。
【0058】
また、ブラックストリップBSとブラックマトリックスBMとをそれぞれ上部基板SUの外側表面と内側表面に形成するので、上部基板SUの厚さの分だけの空間的に重ね合わせられた二重ブラックストリップ(Double Black Strip:ブラックマトリックスもブラックストリップの機能をするので、このように呼ぶことができる)構造を有し、左眼映像と右眼映像のクロストークを効果的に防止することができる。
【0059】
以下、
図6及び
図7A〜
図7Dを参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る二重ブラックストリップ及びフレームストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
図7A〜
図7Dは、
図6の切り取り線C−C’で切った断面として示した第2の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【0060】
第2の実施形態に係るパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造は、第1の実施形態と基本的な構成は同様であり、ゲートドライバIC(GIC)を下部基板SUと上部基板SLとを貼り付けるシール領域SE内に直接形成することにより、ベゼル領域を除去した構造であるということに差異がある。以下の説明において、第1の実施形態と重複する部分についての詳細な説明を省略する。
【0061】
まず、
図6に示すように、第2の実施形態に係る表示パネルDPは、ベゼル領域がない。ただし、上部基板SUと下部基板SLとを貼り付けるためのシール領域に対応する上部基板SUの外側表面にフレームストリップOTが囲まれて形成された特徴がある。フレームストリップOTは、ブラックストリップBSを形成するとき、同時に形成するものであり、同じ材質で形成することが好ましい。
【0062】
第1の実施形態では、ブラックストリップBSが横方向に進む帯形状で上部基板SUの外側表面に形成されるため、それぞれのブラックストリップBSが互いに接続されなかった、隔離した構造を有する。しかし、第2の実施形態では、ブラックストリップBSがフレームストリップOTにより全て接続された構造を有する。場合によっては、フレームストリップOTとブラックストリップBSとが接続されないように構成することもできる。ブラックストリップBSとフレームストリップOTとが互いに接続された構造を有する場合、不透明な金属材質で形成すれば、ブラックストリップBS上の上部基板SUの全体表面に塗布する背面電極BITを除去しても、ブラックストリップBSとフレームストリップOTとが第1の実施形態の背面電極BITの機能を果たすことができる。この場合、ブラックストリップBSとフレームストリップOTとは、モリブデン−チタニウム合金(MoTi)または窒化銅(CuNx)のような不透明で、上部基板SUの材質を、貼り付け性に優れ、耐摩耗性に優れた金属材質で形成することが好ましい。
【0063】
以下、
図7A〜
図7Dをさらに参照して、本発明の第2の実施形態に係るブラックストリップを備えたパターンリターダタイプの立体映像表示装置を製造する方法について詳細に説明する。
【0064】
まず、薄膜トランジスタ基板のための透明下部基板SLを用意する。透明な下部基板SLの一側表面上にゲート配線とデータ配線とを互いに直交するように形成して、マトリックス方式で配列された画素領域を画定する。各画素領域には、薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタにより駆動される画素電極とを備える薄膜トランジスタ層TFLを形成する。
【0065】
画素領域が画定された薄膜トランジスタ層TFLは、画像データを表現する表示領域AAに該当する。そして、表示領域AAの外周部は非表示領域NAに仕分けられる。この非表示領域NAは、上部基板SUと下部基板SLとを密封貼り付けするシール材SEが塗布される領域に該当する。この非表示領域NAに薄膜トランジスタ層TFLの素子を駆動するゲート駆動IC(GIC)を形成する。ゲート駆動IC(GIC)は、薄膜トランジスタを製造する工程によって同時に形成することが好ましい。したがって、ゲート駆動IC(GIC)は、第1の実施形態の場合において別に実装される駆動ICより非常に小さな大きさで下部基板SL上に直接形成される。(
図7A)
【0066】
次に、カラーフィルタ基板のための透明上部基板SUを用意する。上部基板SUの一側表面(外側表面)上にブラックストリップBSとフレームストリップOTとを形成する。特に、本発明に係る表示パネルDPは、横方向にパターンリターダPRが配置されるので、単位パターンリターダRT1、RT2間にブラックストリップBSが位置するように配置することが好ましい。クロストークを効果的に防止しつつ、表示パネルの開口率に変化を与えないようにするために、ブラックストリップBSの幅は、横ブラックマトリックスBMHの幅より小さいか、同一に形成することが好ましい。また、ブラックマトリックスBMの幅と実質的に同じ幅を有するブラックストリップBSをブラックマトリックスBMと上部基板SUに垂直な垂直空間上で重ね合わせるように配置することが最も好ましい。
【0067】
例えば、携帯用個人情報機器やノートブックのように、比較的小さな面積を有する表示パネルの場合は、ブラックマトリックスBMとブラックストリップBSとが垂直空間上で完全に重ね合わせるように、配置することが好ましい。しかし、場合によって、特に、大画面TVのように大きな面積を有する表示パネルの場合は、なるべく上下視野角方向から中心部で最上の視聴条件を満たすようにするために、ブラックマトリックスBMとブラックストリップBSとが一部領域のみで重ね合わせられることもできる。
【0068】
一方、フレームストリップOTは、非表示領域NAに対応するように形成することが好ましい。特に、フレームストリップOTは、上部基板SUの外側表面上から横方向に進むブラックストリップBSを全て接続しつつ、上部基板SUの四辺を囲む構造を有することが好ましい。また、ブラックストリップBSとフレームストリップOTとを不透明な金属物質で形成する場合、第1の実施形態において形成していた、背面電極BITに代えることができる。すなわち、背面電極BITに代えて、表示パネルDPを製造する工程で発生できる静電気を防止する機能を十分に果たすことができる。(
図7B)
【0069】
図7Cに示されるように、上部基板SUを裏返して他側表面(ブラックストリップBSとフレームストリップOTが形成されていない、内側表面)上でブラックストリップBSと重ね合わせるようにブラックマトリックスBMを形成する。ブラックマトリックスBMは、画素領域を仕分ける境界線であり、横方向に進み、画素を仕分ける横ブラックマトリックスBMHと、縦方向に進み、画素を仕分ける縦ブラックマトリックスBMVとを備える。例えば、横ブラックマトリックスBMHは、薄膜トランジスタ基板に形成されたゲート配線が占める領域に対応するように、そして、縦ブラックマトリックスBMVは、データ配線が占める領域に対応するように形成することが好ましい。ここで、横ブラックマトリックスBMHは、ブラックストリップBSと上部基板SUに垂直な垂直空間上で完全に重ね合わせるように(または、一部領域が重ね合わせるように)形成することが好ましい。その結果、ブラックマトリックスBMにより画素領域に対応するカラーフィルタ領域が画定される。
【0070】
また、カラーフィルタ領域の内部にカラーフィルタCFを形成する。場合によっては、カラーフィルタCFを先に形成し、ブラックマトリックスBMを後に形成することもできる。そして、カラーフィルタCF上にオーバーコート層OCを全面塗布する。図示してはいないが、オーバーコート層OC上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層OC自体を配向膜として使用することもできる。オーバーコート層OC上で薄膜トランジスタ基板と貼り付け間隔を維持させるカラムスペーサCSを形成する。カラムスペーサCSは、ブラックマトリックスBMの領域内に形成することが好ましい。(
図7C)
【0071】
図7Dに示されるように、薄膜トランジスタ基板とカラーフィルタ基板とを液晶層LCを隔てて貼り付ける。カラムスペーサCSにより上部基板SUと下部基板SLとの間のセルギャップ(Cell Gap)が一定に維持される。特に、上部基板SUと下部基板SLとは、非表示領域NAに塗布されたシール材SEにより完全密封される。薄膜トランジスタ基板を構成する下部基板SLの外側面(即ち、薄膜トランジスタ層TFLとは反対側の面)に下部偏光板PLを貼り付ける。同様に、カラーフィルタ基板を構成する上部基板SUの外側面(即ち、ブラックストリップBS及びフレームストリップOTが形成されている面)に上部偏光板PUを貼り付ける。そして、上部偏光板PUの外部には、3D映像を表現するためのパターンリターダPRを貼り付ける。特に、パターンリターダPRは、フィルム形態で形成して貼り付けることが好ましい。(
図7D)
【0072】
図7Dをさらに参照すれば、ブラックストリップBSは、ブラックマトリックスBMが、特に、横ブラックマトリックスBMHが形成された領域と重ね合わせるように形成される。特に、液晶表示装置の正面から眺めたとき、ブラックストリップBSが横ブラックマトリックスBMHと重ね合わせられた面積により開口率が低下しない範囲を満たすように重ね合わせ領域を設定することが重要である。携帯用表示装置のように、比較的小さな面積を有する表示パネルでは、ブラックストリップBSと横ブラックマトリックスBMHとが同じ大きさで完全に重ね合わせられることがよい。TVのように、比較的大面積を有する表示パネルの場合、ブラックストリップBSと横ブラックマトリックスBMHとが一部面積で重ね合わせる場合がありうる。この場合は、ブラックストリップBSの幅が横ブラックマトリックスBMHと同じであるか、さらに小さな値を有し、一部領域が重ね合わせるように配置され、正面から見たとき、横ブラックマトリックスBMHと重ね合わせられていないブラックストリップBSの面積が正面開口率を低下させない範囲を有するように配置することが好ましい。その結果、3D映像の視聴の際にも2D映像と同一の正面輝度を保障することができる。
【0073】
また、ブラックストリップBSとブラックマトリックスBMとをそれぞれ上部基板SUの外側表面と内側表面に形成するので、上部基板SUの厚さの分だけの空間的に重ね合わせられた二重ブラックストリップ(Double Black Strip:ブラックマトリックスもブラックストリップの機能をするので、このように呼ぶことができる)構造を有し、左眼映像と右眼映像のクロストークを効果的に防止することができる。
【0074】
以下、
図8及び
図9A〜
図9Dを参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る二重ブラックストリップ及びフレームストリップを適用したパターンリターダ方式の3次元映像表示パネルの構造を示した斜視図である。
図9A〜
図9Dは、
図8の切り取り線D−D’で切った断面として示した第3の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【0075】
まず、
図8に示すように、第3の実施形態に係る表示パネルは、第2の実施形態と同様に、ベゼル領域がない。したがって、上部基板SUと下部基板SLとを貼り付けるためのシール領域に対応する上部基板SUの外側表面にフレームストリップOTが囲まれて形成された特徴がある。フレームストリップOTは、ブラックストリップBSを形成するとき、同時に形成するものであり、同じ材質で形成することが好ましい。また、第3の実施形態では、第2の実施形態とは異なり、ブラックマトリックスBMを上部基板SUの内側表面に形成しない代りに、外側表面に形成する。すなわち、ブラックマトリックスBMとブラックストリップBSとの両方が上部基板SUの外側表面に形成される構造を有する。
【0076】
言い替えれば、上部基板SUの内面にブラックマトリックスBMを別に具備せず、上部基板SUの外面にブラックマトリックスBMに代わるブラックストリップBS(または、横ブラックストリップ及び縦ブラックストリップ)が形成された構造を有するともいえる。
図8において、縦ブラックマトリックスBMV、また、横ブラックマトリックスBMHの機能をするブラックストリップBS(または、横ブラックストリップ及び縦ブラックストリップ)の両方が上部基板SUの外側表面に形成されるので、全て黒色実線で表示した。
【0077】
また、第3の実施形態では、縦ブラックマトリックスBMV、また、横ブラックマトリックスBMHの機能を有するブラックストリップBSがフレームストリップOTにより全て接続された構造を有する。場合によっては、フレームストリップOTとブラックストリップBSとが接続されないように構成することもできる。縦ブラックマトリックスBMV、ブラックストリップBS、及びフレームストリップOTが互いに接続された構造を有する場合、不透明な金属材質で形成すれば、上部基板SUの外側全体表面に塗布する背面電極BITを除去しても、縦ブラックマトリックスBMV、ブラックストリップBS、及びフレームストリップOTが第1の実施形態の背面電極BITの機能を果たすことができる。この場合、縦ブラックマトリックスBMV、ブラックストリップBS、及びフレームストリップOTは、モリブデン−チタニウム合金(MoTi)または窒化銅(CuNx)のような不透明で、上部基板SUの材質を、貼り付け性に優れ、耐摩耗性に優れた金属材質で形成することが好ましい。
【0078】
以下、
図9A〜
図9Dをさらに参照して、本発明の第3の実施形態に係るブラックストリップを備えたパターンリターダタイプの立体映像表示装置を製造する方法について詳細に説明する。
【0079】
まず、薄膜トランジスタ基板のための透明下部基板SLを用意する。透明な下部基板SLの一側表面(内側表面)上にゲート配線とデータ配線とを互いに直交するように形成して、マトリックス方式で配列された画素領域を画定する。各画素領域には、薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタにより駆動される画素電極とを備える薄膜トランジスタ層TFLを形成する。
【0080】
画素領域が画定された薄膜トランジスタ層TFLは、画像データを表現する表示領域AAに該当する。そして、表示領域AAの外周部は非表示領域NAに仕分けられる。この非表示領域NAは、上部基板SUと下部基板SLとを密封貼り付けするシール材SEが塗布される領域に該当する。この非表示領域NAに薄膜トランジスタ層TFLの素子を駆動するゲート駆動IC(GIC)を形成する。ゲート駆動IC(GIC)は、薄膜トランジスタを製造する工程によって同時に形成することが好ましい。したがって、ゲート駆動IC(GIC)は、第1の実施形態の場合において別に実装される駆動ICより非常に小さな大きさで下部基板SL上に直接形成される。(
図9a)
【0081】
図示してはいないが、薄膜トランジスタ層TFLが形成された下部基板SLの最上位層でオーバーコートをさらに形成することができる。そして、オーバーコート層上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層を配向膜として使用することもできる。
【0082】
次に、カラーフィルタ基板のための透明上部基板SUを用意する。
図9Bに示されるように、上部基板SUの一側表面(外側表面)上にブラックストリップBSとフレームストリップOTとを形成する。特に、本発明の第3の実施形態では、ブラックマトリックスBMをカラーフィルタCF間に形成せずに、上部基板SUの外側表面に形成する。したがって、第3の実施形態においてブラックストリップBSは、第1の実施形態のブラックマトリックスBMのように、単位画素を仕分けるようにその間に形成されて網形状を有する。すなわち、単位パターンリターダRT1、RT2間に該当する領域に、横ブラックマトリックスBMHとして機能するブラックストリップBSを配置し、画素カラム間に該当する領域に垂直ブラックマトリックスBMV(言わば、縦ブラックストリップ)を配置する。横ブラックマトリックスBMHとブラックストリップBSとが1つの構成要素になりつつ、上部基板SUの外側表面に形成されるので、クロストークを防止しつつ、表示パネルの開口率に変化を与えない。
【0083】
一方、フレームストリップOTは、非表示領域NAに対応するように形成することが好ましい。特に、フレームストリップOTは、上部基板SUの表面に形成された縦ブラックマトリックスBMVとブラックストリップBSとを全て接続しつつ、上部基板SUの四辺を囲む構造を有することが好ましい。また、縦ブラックマトリックスBMV、ブラックストリップBS、及びフレームストリップOTを不透明な金属物質で形成する場合、第1の実施形態において形成していた、背面電極BITに代えることができる。すなわち、背面電極BITに代えて、表示パネルDPを製造する工程で発生できる静電気を防止する機能を十分に果たすことができる。(
図9B)
【0084】
上部基板SUを裏返して他側表面(内側表面)上に、外側表面に形成された縦ブラックマトリックスBMVとブラックストリップBSとにより画定された画素領域に対応する領域にカラーフィルタCFを形成する。そして、カラーフィルタCF上にオーバーコート層OCを全面塗布する。図示してはいないが、オーバーコート層OC上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層OCを配向膜として使用することもできる。オーバーコート層OC上で薄膜トランジスタ基板と貼り付け間隔を維持させるカラムスペーサCSを形成する。カラムスペーサCSは、縦ブラックマトリックスBMV及び/又はブラックストリップBSの領域と重ね合わせるように形成することが好ましい。(
図9C)
【0085】
薄膜トランジスタ基板とカラーフィルタ基板とを液晶層LCを隔てて貼り付ける。カラムスペーサCSにより上部基板SUと下部基板SLとの間のセルギャップ(Cell Gap)を一定に維持することができる。薄膜トランジスタ基板を構成する下部基板SLの外側面に下部偏光板PLを貼り付ける。同様に、カラーフィルタ基板を構成する上部基板SUの外側面に上部偏光板PUを貼り付ける。そして、上部偏光板PUの外部には、3D映像を表現するためのパターンリターダPRを貼り付ける。特に、パターンリターダPRは、フィルム形態で形成して貼り付けることが好ましい。(
図9D)
【0086】
図9Dに示すように、横ブラックマトリックスBMHに代えるブラックストリップBS、また、縦ブラックマトリックスBMVの両方が上部基板SUの外側表面に形成される。したがって、第1の実施形態と比較したとき、ブラックストリップBSが省略され、上部基板SUの内側面に形成されたブラックマトリックスBMが外側面に存在する結果を有する。すなわち、正面から眺めたとき、従来の2D映像表示装置の表示パネルと比較して開口率が低下しない。したがって、3D映像の視聴の際にも2D映像と同一の正面輝度を保障することができる。また、ブラックマトリックスBMがカラーフィルタCFと上部基板SUの厚さの分だけ離隔した位置に形成されるので、左眼映像と右眼映像のクロストークを効果的に防止することができる。
【0087】
以下、
図10A〜
図10Dを参照して、本発明の第1の実施形態ないし第3の実施形態に対する他の例である第4の実施形態として、カラーフィルタが薄膜トランジスタ基板上に直接形成される場合について説明する。ここでは便宜のため、第3の実施形態でカラーフィルタが下部基板SUに形成される場合として説明する。
図10A〜
図10Dは、第4の実施形態に係る3D映像表示装置を製造する方法を示した断面図である。
【0088】
まず、薄膜トランジスタ基板のための透明下部基板SLを用意する。透明な下部基板SLの一側表面(内側表面)上で表示領域AAに、ゲート配線とデータ配線とを互いに直交するように形成して、マトリックス方式で配列された画素領域を画定する。各画素領域には、薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタにより駆動される画素電極とを備える薄膜トランジスタ層TFLを形成する。薄膜トランジスタ層TFL上にカラーフィルタCFを形成する。カラーフィルタCF上にカラムスペーサCSを形成する。カラムスペーサCSは、上部基板SUに形成するブラックストリップBSと重ね合わせる領域の内部に限定的に形成することが好ましい。そして、非表示領域NAには、薄膜トランジスタ層TFLの素子を駆動するゲート駆動IC(GIC)を形成する。ゲート駆動IC(GIC)は、薄膜トランジスタを製造する工程によって同時に形成することが好ましい。したがって、ゲート駆動IC(GIC)は、第1の実施形態の場合において別に実装される駆動ICより非常に小さな大きさで下部基板SL上に直接形成される。(
図10A)
【0089】
次に、透明上部基板SUを用意する。
図10Bに示されるように、上部基板SUの一側表面(外側表面)上にブラックストリップBSとフレームストリップOTとを形成する。特に、本発明の第4の実施形態では、カラーフィルタCFが上部基板SUに形成されず、下部基板SLに形成されるので、ブラックマトリックスBMも上部基板SUの内側表面に形成する必要がない。したがって、第4の実施形態においてブラックストリップBSは、上部基板SUの外側表面上で、第1の実施形態のブラックマトリックスBMのように、単位画素を仕分けするようにその間に形成されて網形状を有する。すなわち、単位パターンリターダRT1、RT2間に該当する領域には、横ブラックマトリックスBMHの機能を含む(横)ブラックストリップBSを配置し、画素カラム間に該当する領域には、垂直ブラックマトリックスBMVとして機能をする(縦)ブラックストリップBSを配置する。ブラックマトリックスBMを別に具備しないが、ブラックマトリックスBMと同じ構造を有するブラックストリップBSが上部基板SUの外側表面に形成されるので、クロストークを防止しつつ、表示パネルの開口率に変化を与えない。
【0090】
また、フレームストリップOTは、非表示領域NAに対応するように形成することが好ましい。特に、フレームストリップOTは、上部基板SUの表面に形成された縦ブラックマトリックスBMVとブラックストリップBSとの両方を接続しつつ、上部基板SUの四辺を囲む構造を有することが好ましい。また、縦ブラックマトリックスBMV、ブラックストリップBS、及びフレームストリップOTを不透明な金属物質で形成する場合、第1の実施形態において形成していた、背面電極BITに代えることができる。すなわち、背面電極BITに代えて、表示パネルDPを製造する工程で発生できる静電気を防止する機能を十分に果たすことができる。(
図10B)
【0091】
必要であれば、上部基板SUを裏返して他側面にオーバーコート層OCを形成する。図示してはいないが、オーバーコート層OC上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層OCを配向膜として使用することもできる。(
図10C)
【0092】
薄膜トランジスタ及びカラーフィルタが形成された下部基板SLと、ブラックストリップBS及びフレームストリップOTが形成された上部基板SUとを液晶層LCを隔てて貼り付ける。カラムスペーサCSにより上部基板SUと下部基板SLとの間のセルギャップ(Cell Gap)を一定に維持することができる。下部基板SLの外側面に下部偏光板PLを貼り付ける。同様に、上部基板SUの外側面に上部偏光板PUを貼り付ける。そして、上部偏光板PUの外部には、3D映像を表現するためのパターンリターダPRを貼り付ける。特に、パターンリターダPRは、フィルム形態で形成して貼り付けることが好ましい。(
図10D)
【0093】
図示してはいないが、カラーフィルタCFが形成された下部基板SLの最上位層にもオーバーコートをさらに形成することができる。そして、上部基板SUの場合と同様に、オーバーコート層上に液晶の初期配列を決定する配向膜をさらに塗布することができ、オーバーコート層を配向膜として使用することもできる。
【0094】
本発明の第4の実施形態に係る表示パネルは、第3の実施形態に係る表示パネルと構造的に大きな差異はない。ただし、カラーフィルタCFが薄膜トランジスタ層TFL上に直接形成され、カラーフィルタCF上にカラムスペーサCSを形成するという点で差異がある。したがって、上部基板SUには、ブラックマトリックス機能とパターンリターダ間のクロストークを防止する機能とを含むブラックストリップBSと、当該ブラックストリップBSを背面電極として活用し、GIP領域を覆うためのフレームストリップBSのみが形成されて、上部基板SUの製造過程が極めて単純であるという差異がある。
【0095】
前述した第4の実施形態では、カラーフィルタCFが薄膜トランジスタ層TFL上に形成された場合について説明した。しかし、必要に応じては、カラーフィルタCFを下部基板SL上に先に形成し、カラーフィルタCF上に薄膜トランジスタ層TFLを形成することもできる。この場合、下部基板SLの最上位層は、画素電極が位置する結果を有する。このような構造では、画素電極が上部基板SUを介してそのまま観覧者の視覚に露出する。特に、画素電極の材質が、反射率の高い金属物質を含むか、窒化銅(CuNx)のように、浅い色相を帯びる銅を含む金属材質である場合(銅の場合、Yellowish現象が生じる)、フレームストリップOTが目立つ現象が生じる。これは、フレームストリップOTも金属材質であり、黒色で反射率による明るさが低いが、画素電極の高い反射率または浅い色相を示す反射率のため、フレームストリップOTが相対的により暗く見えるためである。
【0096】
このような問題を解決するためには、画素電極の光反射率とフレームストリップOTの光反射率との差を5%以内に調整することが必要である。例えば、画素電極には、銅のように浅い彩色を有する金属物質を排除し、モリブデン−チタニウム(MoTi)合金のような物質で形成したり、ITOまたはモリブデン−チタニウムとITOを積層した構造で使用することが好ましい。または、前述した第4の実施形態のように、カラーフィルタCFが薄膜トランジスタ層TFL上に形成されて、画素電極を覆うことにより画素電極の光反射率を著しく下げることが好ましい。
【0097】
以上で説明した内容を介して、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であることが分かるであろう。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められなければならないであろう。