(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機を用いたゲームシステムに本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話、スマートフォンなどの情報処理装置を用いた場合においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0028】
(ゲームシステムの全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る管理装置等が実現されるゲームシステム1の全体構成を示す模式図である。このゲームシステム1は、複数の携帯型ゲーム機100とゲームサーバ200とが、ネットワーク300を介して接続されて構成される。
一例として、携帯型ゲーム機100は、移動体通信により、図示せぬ基地局等を介して、ネットワーク300へ接続可能となっている。また、所定範囲内(例えば、互いに無線通信が可能となる範囲内)に存在する携帯型ゲーム機100同士は、アドホック通信等により、個別にデータを送受信することも可能となっている。
そのため、ユーザが携帯型ゲーム機100を外出先等に持ち出した場合でも、携帯型ゲーム機100は、最寄りの基地局等を通じてネットワーク300に接続し、ゲームサーバ200と通信可能となる。また、近傍に存在する(同様に持ち出された)他の携帯型ゲーム機100とも、個別に通信可能となる。
【0029】
そして、このゲームシステム1では、ユーザ等を表すオブジェクト(一例として、人や動物等のキャラクタやカード等の絵札など)に、複数の携帯型ゲーム機100を渡り歩いて、旅をさせることを特徴としている。このオブジェクトには、後述するように、ユーザによって、任意の目的地が設定されている。そのため、オブジェクトは、設定された目的地に向け、各携帯型ゲーム機100を渡り歩いて旅することになる。
つまり、ゲームシステム1では、このようなオブジェクトを、ユーザ(所有者)の携帯型ゲーム機100から他の携帯型ゲーム機100に移転させ、そこから更に他の携帯型ゲーム機100に移転させるといった移転動作を繰り返させて、目的地まで旅をさせる。
【0030】
(携帯型ゲーム機の構成)
図2は、上述した携帯型ゲーム機100の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照し、携帯型ゲーム機100について説明する。
【0031】
携帯型ゲーム機100は、処理制御部110と、コネクタ121と、カートリッジ130と、移動体通信部141と、無線通信部142と、通信コントローラ143と、サウンドアンプ151と、スピーカ152と、操作キー161と、表示部171と、タッチパネル172と、測位ユニット181と、カメラユニット191とを備える。
【0032】
処理制御部110は、CPU(Central Processing Unit)コア111と、画像処理部112と、音声処理部113と、VRAM(Video Random Access Memory)114と、WRAM(Work RAM)115と、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ116と、タッチパネルコントローラ117と、を備える。
【0033】
CPUコア111は、接続された各構成要素との間で、制御信号やデータをやりとりしつつ、携帯型ゲーム機100全体を制御する。具体的には、コネクタ121に装着されたカートリッジ130内のROM(Read Only Memory)131から、ゲーム等のプログラムを読み出して、そのプログラムに従った各種処理を実行する。
【0034】
画像処理部112は、カートリッジ130内のROM 131から読み出したデータや、CPUコア111にて処理されたデータを画像処理した後、これをVRAM 114に格納する。
また、画像処理部112は、後述するオブジェクト情報のオブジェクトデータを使用して、オブジェクトの画像データを生成したり、メッセージのテキストデータを生成する。
【0035】
音声処理部113は、所定数の音源データ等を備えており、ゲームの進行等に応じて発生させるべき効果音や楽曲データを生成する。
また、音声処理部113は、後述するオブジェクト情報のオブジェクトデータを使用して、メッセージの音声データを生成する。
【0036】
VRAM 114は、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部112等により画像処理されたデータ(画像データ等)を記憶する。
例えば、VRAM 114は、オブジェクトが携帯型ゲーム機100に滞在している場合に、そのオブジェクトを表示するための画像データ(画像処理部112により生成された画像データ)等を記憶する。
【0037】
WRAM 115は、CPUコア111がプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
例えば、WRAM 115は、オブジェクトが滞在している場合に、そのオブジェクトについての情報を記憶する。具体的には、
図3に示すようなオブジェクト情報Objを記憶する。このオブジェクト情報Objには、オブジェクトデータ、所有ユーザID、出発日時、出発地、目的地、滞在先ユーザID、移転日時、及び、移転地等が含まれている。
【0038】
オブジェクトデータは、例えば、オブジェクトを表示するための3Dモデルデータやメッセージデータからなる。
この3Dモデルデータを使用して、オブジェクト(キャラクタ)の表情を変えたり、オブジェクトの向きを変えたりしながら画像データを生成することができるようになっている。
また、メッセージデータは、所定のタイミングで表示や発音され、オブジェクトが発する(喋る)内容をユーザに伝えるのに使用される。
【0039】
所有ユーザIDは、オブジェクトの所有者を識別するための情報である。つまり、オブジェクトが複数の携帯型ゲーム機100を渡り歩いても(オブジェクト情報が転送されても)、旅の起点となった携帯型ゲーム機100のユーザが分かるようになっている。なお、後述するように、この所有ユーザIDを使用してゲームサーバ200に問い合わせると、そのユーザが使用する携帯型ゲーム機100を特定できるようになっている。
【0040】
出発日時、及び、出発地は、オブジェクトが最初に移転した日時と場所(一例として、緯度・経度)を示している。つまり、所有者の携帯型ゲーム機100から他の携帯型ゲーム機100へオブジェクトの最初の移転が行われた日時と場所を示している。
【0041】
目的地は、オブジェクトに設定されている目的地(一例として、緯度・経度)を示している。つまり、オブジェクトの所有者が定めた、オブジェクトの旅の目的地がセットされている。
【0042】
滞在先ユーザIDは、オブジェクトが現在滞在(居候)している携帯型ゲーム機100のユーザを示している。
そして、移転日時、及び、移転地は、オブジェクトが現在滞在している携帯型ゲーム機100に移転した日時と場所(一例として、緯度・経度)を示している。つまり、オブジェクトにおける最新の移転が行われた日時と場所を示している。
【0043】
また、WRAM 115は、ユーザに設定されたホーム位置(一例として、緯度・経度)も記憶する。このホーム位置は、ゲームの初期設定などで、ユーザの自宅等の位置情報が設定される。なお、ホーム位置の設定は、例えば、携帯型ゲーム機100がユーザの自宅等にある際に、後述する測位ユニット181にて計測した位置情報を用いて設定される。この他にも、地図や地域の一覧を表示して、ユーザに選択された地域(区・市・町・村等)の代表点を示す位置情報を用いて、ホーム位置を設定してもよい。
【0044】
図2に戻って、LCDコントローラ116は、表示部171を制御し、所定の表示用画像を表示させる。具体的にLCDコントローラ116は、VRAM 114に記憶された画像データ等を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、表示部171に出力する。
例えば、LCDコントローラ116は、オブジェクトが携帯型ゲーム機100に滞在している場合に、そのオブジェクトやメッセージ等を、表示部171に出力する。また、LCDコントローラ116は、アイコン等を含むゲーム画像を表示部171に出力してもよい。
【0045】
タッチパネルコントローラ117は、ユーザの指等によるタッチパネル172への接触(タッチ)を検出する。例えば、表示部171にアイコン等が表示されている状態で、タッチパネル172上の接触位置を検出し、対応するアイコン等への操作を受け付ける。
【0046】
コネクタ121は、カートリッジ130を脱着可能とする端子であり、カートリッジ130が装着された際に電気的に接続し、カートリッジ130との間で所定のデータを送受信する。
【0047】
カートリッジ130は、ROM 131と、RAM(Random Access Memory)132と、を備える。
ROM 131には、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
例えば、ROM 131には、オブジェクトを移転させるプログラム(後述する移転処理)等が記憶されている。
また、ROM 131には、例えば、国内全域の地図情報も記憶されている。なお、この地図情報には、各区・市・町・村等の位置情報(一例として、緯度・経度)、及び、各種ランドマークの位置情報等が含まれている。また、道路網、鉄道網、定期空路網、及び、定期海路網等の情報が含まれていてもよい。
【0048】
RAM 132には、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。なお、RAM 132は、一例として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成されており、カートリッジ130を携帯型ゲーム機100から取り外した際にも、データが保持される様になっている。この他にも、ボタン電池等による電源供給により、RAM 132のデータが保持されるようにしてもよい。
このようなカートリッジ130が装着されたまま、携帯型ゲーム機100の電源が投入されると、当該ROM 131内のプログラムがCPUコア111によって実行され、本実施形態の端末装置等が実現される。
なお、このようなカートリッジ130を用いる代わりに、プログラム等が記録された光ディスク等を用いるようにしてもよい。この場合も同様に、光ディスク内に記録されたプログラムがCPUコア111によって実行され、本実施形態の管理装置等が実現される。
【0049】
移動体通信部141は、ネットワーク300との接続を中継する基地局との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。この基地局は、移動体通信網における通信中継装置であり、サービスエリアをカバーするために、相当数が適宜配置されている。
つまり、移動体通信網のサービスエリア内であれば、外出先等であっても、移動体通信部141は、最寄りの基地局を通じてネットワーク300に接続し、ゲームサーバ200と通信することができる。
この移動体通信部141には、一例として、SIM(Subscriber Identity Module Card)が装着されており、SIM内に記録されたIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等により、移動体通信時における個体識別等が可能となっている。
例えば、オブジェクトが滞在している状態で、そのオブジェクトの目的地に到着した場合に、移動体通信部141は、上述したオブジェクト情報、及び、カメラユニット191にて撮影された画像を含む報告情報をゲームサーバ200に送信し、ゲームサーバ200からその報告情報をオブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。つまり、移動体通信部141は、ゲームサーバ200を経由して、起点となった携帯型ゲーム機100に報告情報を送信する。
この他にも、移動体通信部141は、ネットワーク300を介して他の携帯型ゲーム機100と通信を行うことも可能となっている。
【0050】
無線通信部142は、他の携帯型ゲーム機100等との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナを介して所定のデータを送受信する。この無線通信には、例えば、小電力の出力規格が適用されており、その通信可能範囲内(規格に沿った電波の出力範囲内等)に限り、通信が可能となっている。
つまり、外出先等であっても、この通信可能範囲内に複数の携帯型ゲーム機100が存在していれば、それぞれの無線通信部142により、互いに通信を行うことができる。
この無線通信部142には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されており、無線通信時における個体識別等が可能となっている。
例えば、無線通信部142は、オブジェクトが滞在している場合(オブジェクトが対応付けられている場合)に、移転先となり得る近傍の携帯型ゲーム機100に向けて、無線通信を試みる。また、オブジェクトが滞在していない場合(オブジェクトが対応付けられていない場合)に、無線通信部142は、移転元の携帯型ゲーム機100から無線通信が試みられた場合に、応答やホーム位置等を返信する。
また、無線通信部142は、近傍の無線アクセスポイントを通じてネットワーク300に接続し、ゲームサーバ200等と通信することも可能となっている。
【0051】
通信コントローラ143は、移動体通信部141、及び無線通信部142をそれぞれ制御し、各種通信の仲立ちをする。
例えば、移動体通信を行う際に、通信コントローラ143は、移動体通信部141を制御して、携帯型ゲーム機100とゲームサーバ200との間で行われる通信の仲立ちをする。
また、無線通信を行う際に、通信コントローラ143は、無線通信部142を制御して、携帯型ゲーム機100同士で個別に行われる通信の仲立ちをする。
この他にも、移動体通信によって(ネットワーク300を介して)、他の携帯型ゲーム機100と通信する場合や、無線通信によって(近傍の無線アクセスポイントを通じ、ネットワーク300を介して)、ゲームサーバ200と通信する場合などに、通信コントローラ143は、移動体通信部141や無線通信部142を制御し、相手側との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0052】
サウンドアンプ151は、処理制御部110(音声処理部113)にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ152に供給する。
スピーカ152は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ151にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0053】
操作キー161は、携帯型ゲーム機100に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0054】
表示部171は、LCD等からなり、LCDコントローラ116に制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
例えば、表示部171は、オブジェクトが滞在している場合に、そのオブジェクトの画像やメッセージ等を表示する。この他にも表示部171は、タッチパネル172への接触(タッチ操作)を受け付けるためのアイコン等を含んだゲーム画像を表示してもよい。
【0055】
タッチパネル(タッチスクリーン)172は、表示部171に前面に重畳して配置され、ユーザの指等の接触による入力を受け付ける。
例えば、タッチパネル172は、静電容量方式のタッチセンサパネル等からなり、指等の接触に伴い変化する静電容量の変化を捉えて、タッチ位置等を検出する。
なお、タッチパネル172は、このような表示部171の前面に配置されるだけでなく、他の箇所にも配置してもよい。例えば、携帯型ゲーム機100の背面にも、タッチパネル(タッチパッド)172を配置してもよい。
また、タッチパネル172における接触位置の検出手法は、このような静電容量方式に限られず、他に、抵抗膜方式等であってもよい。
【0056】
測位ユニット181は、例えば、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送られる信号を受信し、所定のタイミング毎に、携帯型ゲーム機100の現在位置を測位する。そして、測位した現在位置を示す位置情報(一例として、緯度・経度等)を、通信コントローラ143(移動体通信部141等)により、ゲームサーバ200に送信する。また、後述するカメラユニット191が画像を撮影した際に、この位置情報(撮影位置)を供給して、画像(ヘッダ部)に付加させる。
なお、このようなGPS衛星を用いる代わりに、測位ユニット181は、複数の基地局からの電波強度(受信強度等)を用いて、携帯型ゲーム機100の現在位置を測位してもよい。
【0057】
カメラユニット191は、例えば、携帯型ゲーム機100の前面と背面にそれぞれレンズが配置され、何れか一方のレンズから集光した被写体の像を所定画素数の撮影素子上に結像させることにより、画像(静止画や動画)を撮影する。
なおその際、測位ユニット181から供給された位置情報(撮影位置)等をヘッダ部に付加した画像(画像データ)を生成する。例えば、オブジェクトが目的地に到着し、後述するような撮影を促すメッセージに応じて、ユーザが静止画(写真)を撮影した場合に、カメラユニット191は、このような画像を生成する。
【0058】
(ゲームサーバの構成)
図4は、上述したゲームサーバ200の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照し、ゲームサーバ200について説明する。
【0059】
ゲームサーバ200は、例えば、汎用のコンピュータ等からなり、通信部211と、処理制御部212と、データベース213とを含んで構成されている。
【0060】
通信部211は、例えば、モデムや回線終端装置等からなり、ネットワーク300と常時接続可能となっている。つまり、各携帯型ゲーム機100(より詳細には移動体通信部141等)からのアクセスに対して常時応答でき、種々の情報を送受信可能となっている。また、通信部211側から対象の携帯型ゲーム機100(通信可能となっている場合)へのアクセスも可能となっており、その携帯型ゲーム機100との間で、種々の情報を送受信可能となっている。
例えば、通信部211は、携帯型ゲーム機100から送られる情報(一例として、報告情報等)を受信する。つまり、オブジェクトが滞在している状態(オブジェクトが対応付けられている状態)で、そのオブジェクトの目的地に到着した携帯型ゲーム機100から送られる、オブジェクト情報及び、撮影された画像を含む報告情報を受信する。
そして、データベース213が参照され、オブジェクトの所有者(携帯型ゲーム機100)が特定されると、通信部211は、その報告情報を、所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
【0061】
処理制御部212は、例えば、CPU等からなり、ゲームサーバ200全体を制御する。
例えば、処理制御部212は、携帯型ゲーム機100から送られた情報(一例として、報告情報等)を通信部211にて受信すると、データベース213を参照して、所定の情報(例えば、オブジェクトの所有者の端末IDや識別情報等)を得る。
【0062】
データベース213は、例えば、ハードディスク等からなり、各携帯型ゲーム機100を管理するための情報を記憶する。
一例として、データベース213は、
図5に示すような端末管理情報を記憶している。この端末管理情報は、各携帯型ゲーム機100を管理するための情報であり、端末ID、識別番号、ユーザID、及び、ニックネーム等が含まれている。
【0063】
端末IDは、ゲームサーバ200が管理する各携帯型ゲーム機100に採番された番号等である。
識別情報は、例えば、各携帯型ゲーム機100における上述したSIM内に記録されたIMSI等からなり、ゲームサーバ200から携帯型ゲーム機100へアクセスする場合に用いられる情報である。この他に、識別情報は、携帯番号(電話番号)等であってもよい。
【0064】
ユーザIDは、ゲームサーバ200が管理する各ユーザ(携帯型ゲーム機100のユーザ)に採番された番号等である。
ニックネームは、各ユーザによって任意に設定された名称等である。
【0065】
(実施形態1)
以下、上述した携帯型ゲーム機100により実現される本発明の管理装置について説明する。
図6は、本発明の実施形態1に係る管理装置10の概要構成を示すブロック図である。この管理装置10は、オブジェクトの移転を制御する。
【0066】
(管理装置の構成)
図6に示すように、管理装置10は、抽出部11と、選択部12と、更新部13と、通知部14とを備えて構成されている。
【0067】
まず、抽出部11は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の近傍に存在している他の携帯型ゲーム機100を抽出する。例えば、抽出部11は、アドホック通信等により、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100から通信可能となる範囲内の携帯型ゲーム機100を逐次抽出する。ここで、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100とは、上述したように、起点となる所有者の携帯型ゲーム機100(他の携帯型ゲーム機100へ移転していない場合)や、オブジェクトが移転した先の携帯型ゲーム機100を示している。
具体的に、オブジェクト情報を記憶している携帯型ゲーム機100は、所定のタイミング毎に、他の携帯型ゲーム機100との個別の無線通信を試み、応答してきた携帯型ゲーム機100が1つ以上あれば、それらの携帯型ゲーム機100をアドホック通信が可能な範囲にある端末として抽出する。
なお、上述した無線通信部142及び通信コントローラ143等が、このような抽出部11として機能しうる。
【0068】
選択部12は、抽出された他の携帯型ゲーム機100の中から、所定の移転条件を満たし移転先となり得る携帯型ゲーム機100を選択する。例えば、選択部12は、抽出された携帯型ゲーム機100からホーム位置(携帯型ゲーム機100に設定されている自宅等の位置情報)を取得し、そのホーム位置がオブジェクトの目的地に最も近い位置にある携帯型ゲーム機100を選択する。
具体的に、オブジェクト情報を記憶している携帯型ゲーム機100は、抽出された各携帯型ゲーム機100に対して、アドホック通信により、ホーム位置の問い合わせを行うなどして、それぞれのホーム位置を取得する。そして、各ホーム位置とオブジェクト情報の目的地とを比較して、最も近い位置にある携帯型ゲーム機100を選択する。なおその際、現在位置(測位した位置情報)とも比較し、現在位置の方が各ホーム位置よりも目的地に近い場合(つまり、何れの携帯型ゲーム機100にも移転させない方がよいとされる場合)には、選択を行わずに、次の選択の機会を待つようにしてもよい。
なお、上述したCPUコア111、無線通信部142、及び、通信コントローラ143等がこのような選択部12として機能しうる。
【0069】
更新部13は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100から、選択された携帯型ゲーム機100へ、オブジェクトを移転させる。例えば、更新部13は、移転元の携帯型ゲーム機100が有しているオブジェクト情報を、移転先の携帯型ゲーム機100へ送信することにより、オブジェクトを移転させる。
具体的に、オブジェクト情報を記憶している携帯型ゲーム機100は、移転先として選択された携帯型ゲーム機100に対して、アドホック通信により、オブジェクト情報を送信する。そして、移転先の携帯型ゲーム機100から移転の完了を示す情報が返送されると、自身のオブジェクト情報を削除する。なお、削除する代わりに、移転済み等のフラグをセットするなどにより、オブジェクト情報を有していない(記憶していない)様に振る舞うようにしてもよい。
また、移転先の携帯型ゲーム機100は、受信したオブジェクト情報を適宜更新して保存する。例えば、移転先の携帯型ゲーム機100は、上述した
図3のオブジェクト情報Objにおける滞在先ユーザID、移転日時、及び、移転地等を自身の情報に基づいて更新する。
なお、上述したCPUコア111、無線通信部142、及び、通信コントローラ143等がこのような更新部13として機能しうる。
【0070】
通知部14は、所定の報告条件が満たされれば、オブジェクトの所有者が使用する携帯型ゲーム機100に、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100に係る報告情報を通知する。例えば、通知部14は、オブジェクトが目的地に到達した場合に、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100にて生成された画像等を含む報告情報を、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100(つまり、起点となった携帯型ゲーム機100)に通知する。
具体的に、オブジェクト情報を記憶している携帯型ゲーム機100は、現在位置(測位した位置情報)が、オブジェクト情報の目的地に到着したと認められる程度の範囲内(一例として、半径2キロメートルの円内)に位置する場合に、目的地に到着した旨と、撮影を促すメッセージを表示部171に表示する。このメッセージを見たユーザにより撮影が行われると、携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報、及び、撮影された画像(写真)を含む報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。なお、新たに撮影する代わりに、既に撮影済みの画像をそのユーザが選択してもよい。
また、オブジェクトが目的地に到着した場合以外にも、最新の移転から所定時間が経過した場合や、最新の移転位置から所定距離を超えている場合などに、通知(報告情報を生成してオブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信)を行うようにしてもよい。例えば、オブジェクト情報を記憶している携帯型ゲーム機100は、現時刻(現在の日時)が、オブジェクト情報の移転日時から所定時間(一例として、3日分の時間)を経過している場合や、現在位置が、オブジェクト情報の移転地を基準として、目的地から離れるように、所定距離(一例として、10キロメートル)を超えている場合などに、現在位置を含んだ報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
この他にも、ゲームサーバ200からの要求や問い合わせに応答して、画像や現在位置を含んだ報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信してもよい。
なお、上述したCPUコア111、移動体通信部141、通信コントローラ143、測位ユニット、及び、カメラユニット191等がこのような通知部14として機能しうる。
【0071】
(管理装置の動作)
以下、このような構成の管理装置10の動作について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明の実施形態1に係る管理装置10(つまり、各携帯型ゲーム機100)にて実行される移転処理の一例を示すフローチャートである。この移転処理は、各携帯型ゲーム機100において、例えば、電力消費等が考慮された時間間隔を空けて、繰り返し実行される。
【0072】
まず、携帯型ゲーム機100は、オブジェクトが滞在しているか否かを判別する(ステップS301)。つまり、携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報を記憶しているかどうかを判別する。
携帯型ゲーム機100は、オブジェクトが滞在していないと判別すると(ステップS301;No)、後述するステップS310に処理を進める。
【0073】
一方、オブジェクトが滞在していると判別した場合(ステップS301;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、オブジェクトが目的地に到着したか否かを判別する(ステップS302)。すなわち、携帯型ゲーム機100は、現在位置が、オブジェクト情報の目的地に到着したと認められる程度の範囲内であるかどうかを判別する。
携帯型ゲーム機100は、オブジェクトが目的地に到着したと判別すると(ステップS302;Yes)、後述するステップS309に処理を進める。
【0074】
一方、オブジェクトが目的地に到着していないと判別した場合(ステップS302;No)に、携帯型ゲーム機100は、無線通信を試みる(ステップS303)。つまり、近傍に存在し得る他の携帯型ゲーム機100に向けて、個別の無線通信を試みる。
そして、携帯型ゲーム機100は、他の携帯型ゲーム機100から応答があったか否かを判別する(ステップS304)。
すなわち、抽出部11は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の近傍に存在している他の携帯型ゲーム機100を抽出する。
携帯型ゲーム機100は、応答がなかったと判別すると(ステップS304;No)、一旦処理を終了する。
【0075】
一方、応答があったと判別した場合(ステップS304;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、応答と共に送られるホーム位置を取得し、移転先を選択する(ステップS305)。
すなわち、選択部12は、抽出された(つまり、応答があった)他の携帯型ゲーム機100の中から、所定の移転条件を満たし移転先となり得る携帯型ゲーム機100を選択する。この場合、一例として、選択部12は、応答があった携帯型ゲーム機100からホーム位置を取得し、そのホーム位置がオブジェクト情報の目的地に最も近い携帯型ゲーム機100を選択する。
なおその際、現在位置とも比較し、現在位置の方が各ホーム位置よりも目的地に近い場合には、選択を行わずに一旦処理を終了し、次の選択の機会を待つようにしてもよい。
【0076】
携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報を移転先の携帯型ゲーム機100に送信する(ステップS306)。
すなわち、更新部13は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100から、選択された携帯型ゲーム機100へ、オブジェクトを移転させるために、オブジェクト情報を送信する。
【0077】
携帯型ゲーム機100は、移転が完了したか否かを判別する(ステップS307)。つまり、オブジェクト情報を送信した他の携帯型ゲーム機100から移転の完了を示す情報が返信されたかどうかを判別する。
携帯型ゲーム機100は、移転が完了しなかったと判別すると(ステップS307;No)、一旦処理を終了する。例えば、途中で、無線通信(アドホック通信)が切断された等により、移転が完了しなかった場合には、そのまま処理を終了する。なお、再度実行される移転処理にて、無線通信が回復していれば、上記と同様に、移転先の携帯型ゲーム機100が選択され、そして、オブジェクト情報が送信されるため、移転の完了を示す情報を受信し得る。
【0078】
一方、移転が完了したと判別した場合(ステップS307;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報を削除する(ステップS308)。つまり、移転元の携帯型ゲーム機100は、自身のオブジェクト情報を削除する。なお、削除する代わりに、移転済み等のフラグをセットするなどにより、オブジェクト情報を有していない(記憶していない)様に振る舞うようにしてもよい。
【0079】
また、上述したステップS302にて、オブジェクトが目的地に到着したと判別した場合(ステップS302;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、報告情報を生成して、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する(ステップS309)。
すなわち、通知部14は、報告条件が満たされたため(この場合、目的地に到着)、オブジェクトの所有者が使用する携帯型ゲーム機100に、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100に係る報告情報を通知する。例えば、通知部14は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100にて生成された画像等を含む報告情報を、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に通知する。
具体的に、携帯型ゲーム機100は、滞在先のユーザに対して、目的地に到着した旨と、撮影を促すメッセージを表示する。そして、ユーザにより撮影が行われると、その携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報、及び、撮影された画像(写真)を含む報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。なお、新たに撮影する代わりに、既に撮影済みの画像をそのユーザが選択してもよい。
そして、携帯型ゲーム機100は、上述したステップS308に処理を進めて、自身のオブジェクト情報を削除する。
【0080】
なお、オブジェクトが目的地に到着した場合以外にも、最新の移転から所定時間が経過した場合や、最新の移転位置から所定距離を超えている場合などに、通知(報告)を行うようにしてもよい。例えば、携帯型ゲーム機100は、現時刻が、オブジェクト情報の移転日時から所定時間を経過している場合や、現在位置が、オブジェクト情報の移転地を基準として、目的地から離れるように、所定距離を超えている場合などに、現在位置を含んだ報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。なお、この場合には、上述したステップS308をスキップして、一旦処理を終了する。つまり、オブジェクト情報が削除されないため、再度実行される移転処理にて、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100として、上記と同様の処理を行う。
【0081】
また、上述したステップS301にて、オブジェクトが滞在していないと判別した場合(ステップS301;No)に、携帯型ゲーム機100は、無線通信があるか否かを判別する(ステップS310)。
すなわち、以降は、携帯型ゲーム機100が移転先となり得る場合の処理であり、近傍に存在し得る移転元となる携帯型ゲーム機100から、上述したステップS303のように、無線通信が試みられているかどうかを判別する。
携帯型ゲーム機100は、無線通信がないと判別すると(ステップS310;No)、一旦処理を終了する。
【0082】
一方、無線通信があったと判別した場合(ステップS310;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、無線送信に応答して、ホーム位置を返信する(ステップS311)。つまり、自身のユーザにより設定されている自宅等の位置情報を、移転元となる携帯型ゲーム機100に返信する。
【0083】
携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報を受信したか否かを判別する(ステップS312)。つまり、移転元となる携帯型ゲーム機100にて、上述したステップS305のように、自身が移転先に選択されると、上述したステップS306のように、オブジェクト情報が送られてくる。そのため、携帯型ゲーム機100は、このようなオブジェクト情報を受信したかどうかを判別する。
携帯型ゲーム機100は、オブジェクト情報を受信しなかったと判別すると(ステップS312;No)、一旦処理を終了する。
【0084】
一方、オブジェクト情報を受信したと判別した場合(ステップS312;Yes)に、携帯型ゲーム機100は、そのオブジェクト情報を更新して保存する(ステップS313)。
例えば、携帯型ゲーム機100は、上述した
図3に示すオブジェクト情報Objにおける滞在ユーザID、移転日時、及び、移転地等を自身の情報に基づいて更新し、更新後のオブジェクト情報を保存する。
【0085】
そして、携帯型ゲーム機100は、移転完了を返信する(ステップS314)。つまり、オブジェクトの移転が完了した旨を示す情報を、移転元となる携帯型ゲーム機100に返信する。この返信により、移転元となる携帯型ゲーム機100にて、上述したステップS308のように、元のオブジェクト情報が削除される。つまり、移転元の携帯型ゲーム機100から、移転先の携帯型ゲーム機100へ、オブジェクトが移転したことになる。
【0086】
このような移転処理によって、オブジェクトが複数の携帯型ゲーム機100を渡り歩いて行き、目的地まで旅をさせることができる。そして、オブジェクトが目的地まで到着すると、その目的地で滞在先の携帯型ゲーム機100にて撮影された画像等を、オブジェトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信することができる。
このため、ユーザ(オブジェトの所有者)は、返送された報告情報により、オブジェクトが行った旅の様子を楽しむことができる。この結果、娯楽性等をより高めることができる。
【0087】
以下、より具体的に、オブジェクトを東京駅から横浜港まで旅をさせる場合について、
図8〜
図11を参照して説明する。なお、オブジェクトの所有者は、携帯型ゲーム機100aのユーザであるものとし、東京駅にてそのユーザが旅の目的地を横浜港に設定したものとする。また、各携帯型ゲーム機100では、上述した
図7の移転処理が実行されている(繰り返し、実行されている)ものとする。
【0088】
起点となる東京駅において、一例として、
図8(a)に示すように、携帯型ゲーム機100aの近傍には、携帯型ゲーム機100b〜100dが存在している。オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100aには、目的地が横浜港と設定されたオブジェクト情報Objが記憶されており、また、携帯型ゲーム機100b〜100dには、それぞれのホーム位置(千葉市、浦和市、及び、川崎市の緯度・経度)が設定されている。
【0089】
まず、携帯型ゲーム機100aは、上述したステップS303にて、近傍に存在し得る他の携帯型ゲーム機100に向けて、個別の無線通信を試みる。この無線通信を受けて、携帯型ゲーム機100b〜100dは、上述したステップS311にて、ホーム位置をそれぞれ返信する。この場合、携帯型ゲーム機100b〜100dから、千葉市、浦和市、及び、川崎市(より詳細には、緯度・経度)が、ホーム位置として返信される。
【0090】
携帯型ゲーム機100aは、上述したステップS305にて、移転先を選択する。この場合、目的地の横浜港に最も近いホーム位置が川崎市であるため、携帯型ゲーム機100aは、携帯型ゲーム機100dを移転先として選択する。
携帯型ゲーム機100aは、上述したステップS306にて、オブジェクト情報を移転先の携帯型ゲーム機100に送信する。つまり、
図8(b)に示すように、携帯型ゲーム機100aは、オブジェクト情報Objを、携帯型ゲーム機100dに送信する。
そして、携帯型ゲーム機100aは、上述したステップS308にて、自身のオブジェクト情報を削除する(移転完了を確認した場合)。一方、携帯型ゲーム機100dは、上述したステップS313にて、オブジェクト情報を更新して保存する。
これにより、携帯型ゲーム機100aから携帯型ゲーム機100dへ、オブジェクト(オブジェクト情報Obj)が移転したことになる。
【0091】
この携帯型ゲーム機100dのユーザが、例えば、電車に乗って、自宅等のある最寄り駅の川崎駅まで移動したとする。なお、電車内等にて、他の携帯型ゲーム機100が携帯型ゲーム機100dの近傍にあれば、上記と同様の処理が行われ、オブジェクトが移転することも起こり得る。ここでは、説明を容易にするために、電車内等では、オブジェクトの移転が行われず、オブジェクトが携帯型ゲーム機100dに滞在したまま、ユーザと共に川崎駅まで到着したものとする。
【0092】
この川崎駅において、一例として、
図9(a)に示すように、携帯型ゲーム機100dの近傍には、携帯型ゲーム機100e,100fが存在している。オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100dには、オブジェクト情報Objが記憶されており、また、携帯型ゲーム機100e,100fには、それぞれのホーム位置(横浜市、及び、国立市の緯度・経度)が設定されている。
【0093】
携帯型ゲーム機100dは、上記と同様に、近傍に存在し得る他の携帯型ゲーム機100に向けて、個別の無線通信を試みる。この無線通信を受けて、携帯型ゲーム機100e,100fは、上記と同様に、ホーム位置を返信する。この場合、携帯型ゲーム機100e,fから、横浜市、及び、国立市(より詳細には、緯度・経度)が、ホーム位置として返信される。
【0094】
携帯型ゲーム機100dは、上記と同様に、移転先を選択する。この場合、目的地の横浜港に最も近いホーム位置が横浜市であるため、携帯型ゲーム機100dは、携帯型ゲーム機100eを移転先として選択する。
携帯型ゲーム機100dは、上記と同様に、オブジェクト情報を移転先の携帯型ゲーム機100に送信する。つまり、
図9(b)に示すように、携帯型ゲーム機100dは、オブジェクト情報Objを、携帯型ゲーム機100eに送信する。
そして、携帯型ゲーム機100dは、上記と同様に、自身のオブジェクト情報を削除する(移転完了を確認した場合)。一方、携帯型ゲーム機100eは、上記と同様に、オブジェクト情報を更新して保存する。
これにより、携帯型ゲーム機100dから携帯型ゲーム機100eへ、オブジェクトが移転したことになる。
【0095】
この携帯型ゲーム機100eのユーザが、例えば、バスに乗って、自宅等のある横浜港の近くまで移動したとする。なお、バス内等にて、他の携帯型ゲーム機100が携帯型ゲーム機100eの近傍にあれば、上記と同様の処理が行われ、オブジェクトが移転することも起こり得る。ここでは、説明を容易にするために、バス内等では、オブジェクトの移転が行われず、オブジェクトが携帯型ゲーム機100eに滞在したまま、ユーザと共に横浜港の近くまで到着したものとする。
【0096】
具体的には、
図10(a)に示すように、携帯型ゲーム機100eが横浜港の近くに位置していると、携帯型ゲーム機100eは、上述したステップS302にて、オブジェクトが目的地に到着したと判別する。
ここで携帯型ゲーム機100eは、目的地に到着した旨と、撮影を促すメッセージを表示する。一例として、携帯型ゲーム機100eは、
図10(b)に示すようなメッセージMSG1を表示して、ユーザに港の撮影を促す。
そして、ユーザにより撮影が行われると(又は、既に撮影済みの画像が選択されると)、携帯型ゲーム機100eは、上述したステップS309にて、報告情報を生成し、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
具体的に、携帯型ゲーム機100eは、オブジェクト情報、及び、撮影された画像(港の画像)を含む報告情報を生成する。そして、携帯型ゲーム機100eは、一例として、
図11(a)に示すように、港の画像が含まれる報告情報Repを、ゲームサーバ200を経由して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100aに送信する。
また、携帯型ゲーム機100eは、上述したステップS308に処理を進めて、自身のオブジェクト情報を削除する。
【0097】
図11(a)のように、報告情報Repを受信した携帯型ゲーム機100aは、報告情報Repに含まれるオブジェクト情報を保存することで、オブジェクトが帰還する。
この帰還により、携帯型ゲーム機100aは、一例として、
図11(b)に示すようなメッセージMSG2を表示して、目的地までの旅が達成できた旨や、目的地の画像(写真)が取得できた旨を所有者に通知する。
そして、携帯型ゲーム機100aは、報告情報Repに含まれる画像を、一例として、
図11(c)に示すように表示する。
【0098】
このように、オブジェクトが複数の携帯型ゲーム機100を渡り歩いて行き、目的地まで旅をさせることができる。そして、オブジェクトが目的地まで到着すると、その目的地で滞在先の携帯型ゲーム機100にて画像を撮影等してもらい、その画像を含んだ報告情報を、オブジェトの所有者の携帯型ゲーム機100に返送する。
このため、ユーザ(オブジェトの所有者)は、返送された報告情報により、オブジェクトが行った旅の様子を楽しむことができる。この結果、娯楽性等をより高めることができる。
【0099】
(実施形態2)
上記の実施形態1では、携帯型ゲーム機100により実現される管理装置10について説明したが、管理装置10は、ゲームサーバ200によって実現されてもよい。
以下、ゲームサーバ200によって管理装置10が実現される本発明の実施形態2に係る管理装置10について説明する。
なお、管理装置10がゲームサーバ200によって実現されるため、ゲームサーバ200のデータベース213にて管理される情報が異なっている。
そのため、データベース213に管理される情報について、先に、
図12を参照して説明する。
【0100】
データベース213は、一例として、
図12(a)に示すような端末管理情報、及び、
図12(b)に示すようなオブジェクト管理情報を記憶している。
図12(a)に示す端末管理情報は、端末ID、識別番号、ユーザID、ニックネーム、現在位置、ホーム位置、及び、オブジェクトID等が含まれている。すなわち、上述した
図5の端末管理情報に加えて、現在位置、ホーム位置、及び、オブジェクトIDが管理されている。
【0101】
現在位置は、携帯型ゲーム機100の位置情報(一例として、緯度・経度)を示している。この現在情報は、各携帯型ゲーム機100から所定のタイミングで逐次送られる位置情報に従って更新される。なお、更新されないまま所定時間が経過した場合に、その位置情報がクリアされ、現在位置が不明となるように管理される。
【0102】
ホーム位置は、携帯型ゲーム機100のユーザによって設定された自宅等の位置情報(一例として、緯度・経度)を示している。例えば、ゲームの初期設定などで、ユーザの携帯型ゲーム機100から送られた位置情報が設定される。
【0103】
オブジェクトIDは、携帯型ゲーム機100に対応付けられているオブジェクトを示している。つまり、オブジェクトが滞在している端末(携帯型ゲーム機100)に、そのオブジェクトのオブジェクトIDがセットされる。なお、オブジェクトが滞在していない場合には、空欄を示す情報がセットされる。
そして、後述するオブジェクトの移転処理が行われると、移転元から移転先へと、このオブジェクトIDが移動(ムーブ)される。つまり、移転先の端末には、移転元からムーブされたオブジェクトIDがセットされ、移転元の端末には、空欄を示す情報がセットされる。
【0104】
図12(b)に示すオブジェクト管理情報は、各オブジェクトのオブジェクト情報を管理するための情報であり、オブジェクトID、オブジェクトデータ、所有ユーザID、出発日時、出発地、目的地、滞在先ユーザID、移転日時、及び、移転地等が含まれている。
すなわち、上述した
図3のオブジェクト情報Objが集約されて、ゲームサーバ200側で管理されるようになっている。なお、各オブジェクト情報を識別するために、オブジェクトIDが採番されている他は、管理される内容に変更はない。
【0105】
(管理装置の構成)
続いて、本発明の実施形態2に係る管理装置10の構成について説明する。実施形態2に係る管理装置10の構成は、上述した
図6に示す実施形態1の管理装置10と同様である。
ただし、ゲームサーバ200によって実現されるため、各構成の内容は、以下に述べるように、実施形態1の管理装置10とは異なっている。
【0106】
まず、抽出部11は、ネットワーク上にて管理している各携帯型ゲーム機100の位置情報等に従って、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100から所定範囲内の携帯型ゲーム機100を抽出する。
具体的に、抽出部11は、上述した
図12(a)に示す端末管理情報を参照して、オブジェクトIDがセットされている(空欄でない)携帯型ゲーム機100を特定する。そして、特定した携帯型ゲーム機100の現在位置を基準として、所定範囲内(一例として、半径2キロメートルの円内)に位置する携帯型ゲーム機100(オブジェクトIDがセットされていない端末)を抽出する。
この際、何れの携帯型ゲーム機100も抽出されない場合には、範囲を広げて(一例として、半径5キロメートルの円内)、その範囲内に位置する携帯型ゲーム機100を抽出してもよい。
なお、上述した処理制御部212及びデータベース213等が、このような抽出部11として機能しうる。
【0107】
選択部12は、抽出された携帯型ゲーム機100の中から、所定の移転条件を満たし移転先となり得る携帯型ゲーム機100を選択する。
具体的に、選択部12は、上述した
図12(b)に示すオブジェクト管理情報を参照し、オブジェクト(オブジェクトID)に設定されている目的地を取得する。そして、再び
図12(a)の端末管理情報を参照し、抽出された携帯型ゲーム機100の各ホーム位置と目的地とを比較して、最も近い携帯型ゲーム機100を選択する。なおその際、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置とも比較し、その現在位置の方が各ホーム位置よりも目的地に近い場合(つまり、何れの携帯型ゲーム機100にも移転させない方がよいとされる場合)には、選択を行わずに、次の選択の機会を待つようにしてもよい。
なお、上述した処理制御部212及びデータベース213等がこのような選択部12として機能しうる。
【0108】
更新部13は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100から、選択された携帯型ゲーム機100へ、オブジェクトを移転させる。例えば、更新部13は、ネットワーク上にて管理しているオブジェクトの識別子等を、移転元の携帯型ゲーム機100から移転先の携帯型ゲーム機100へと移動させる。
具体的に、更新部13は、
図12(a)の端末管理情報において、移転元の携帯型ゲーム機100にセットされているオブジェクトIDを、移転先の携帯型ゲーム機100に付け替える。つまり、移転先の携帯型ゲーム機100端末には、移転元からムーブされたオブジェクトIDがセットされ、移転元の携帯型ゲーム機100には、空欄を示す情報がセットされる。
また、更新部13は、
図12(b)のオブジェクト管理情報から移転が行われたオブジェクトのオブジェクトデータを読み出して、移転先の携帯型ゲーム機100に送信する。一方、移転元の携帯型ゲーム機100に対しては、オブジェクトデータの削除を指示する。
なお、上述した処理制御部212及びデータベース213等がこのような更新部13として機能しうる。
【0109】
通知部14は、所定の報告条件が満たされれば、オブジェクトの所有者が使用する携帯型ゲーム機100に、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100に係る報告情報を通知する。例えば、通知部14は、オブジェクトが目的地まで到達できた場合に、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100にて生成された画像等を含む報告情報を、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に通知する。
具体的に、通知部14は、
図12(b)のオブジェクト管理情報を参照し、オブジェクト(オブジェクトID)に設定されている目的地を取得する。続いて、
図12(a)の端末管理情報を参照し、そのオブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置が、目的地に到着したと認められる程度の範囲内(一例として、半径2キロメートルの円内)に到達したかどうかを判別する。到着したと判別すると、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100にアクセスし、目的地に到着した旨と、撮影を促すメッセージを表示させる。ユーザにより撮影が行われると(又は、撮影済みの画像が選択されると)、撮影された画像を、ゲームサーバ200にて受信する。
そして、通知部14は、撮影された画像を含む報告情報を生成すると、
図12(a)の端末管理情報を参照して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に報告情報を送信する。
また、オブジェクトが目的地に到着した場合以外にも、最新の移転から所定時間が経過した場合や、最新の移転位置から所定距離を超えている場合などに、通知(報告)を行うようにしてもよい。例えば、通知部14は、
図12(b)のオブジェクト管理情報を参照し、移転日時や移転地を取得する。そして、現時刻(現在の日時)が、移転日時から所定時間(一例として、3日分の時間)を経過している場合や、そのオブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置が、移転地を基準として、目的地から離れるように、所定距離(一例として、10キロメートル)を超えている場合などに、その現在位置を含んだ報告情報を生成し、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
なお、上述した通信部211、処理制御部212及びデータベース213等がこのような通知部14として機能しうる。
【0110】
(管理装置の動作)
以下、このような構成の管理装置10の動作について、図面を参照して説明する。
図13は、本発明の実施形態2に係る管理装置10にて実行される移転処理の一例を示すフローチャートである。この移転処理は、例えば、所定の時間間隔を空けて、繰り返し実行される。
【0111】
まず、管理装置10は、オブジェクトが滞在している端末(携帯型ゲーム機100)を特定する(ステップS401)。
例えば、抽出部11は、
図12(a)の端末管理情報を参照して、オブジェクトIDがセットされている(空欄でない)携帯型ゲーム機100を特定する。
【0112】
管理装置10は、特定した携帯型ゲーム機100が、滞在しているオブジェクトに設定された目的地に到着したか否かを判別する(ステップS402)。
例えば、通知部14は、
図12(b)のオブジェクト管理情報を参照し、オブジェクト(オブジェクトID)に設定されている目的地を取得する。続いて、
図12(a)の端末管理情報を参照し、そのオブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置が、目的地に到着したと認められる程度の範囲内に到達したかどうかを判別する。
管理装置10は、目的地に到着していないと判別すると(ステップS402;Yes)、後述するステップS406に処理を進める。
【0113】
一方、オブジェクトの目的地に到着していないと判別した場合(ステップS402;No)に、管理装置10は、周辺に位置する端末(携帯型ゲーム機100)を抽出する(ステップS403)。
例えば、抽出部11は、
図12(a)の端末管理情報を参照して、上述したステップS401にて特定した携帯型ゲーム機100の現在位置を基準として、所定範囲内に位置する携帯型ゲーム機100(オブジェクトIDがセットされていない端末)を抽出する。
この際、何れの携帯型ゲーム機100も抽出されない場合には、範囲を広げて、その範囲内に位置する携帯型ゲーム機100を抽出してもよい。それでも、何れの携帯型ゲーム機100も抽出されない場合には、一旦処理を終了し、再度実行される移転処理にて、再び携帯型ゲーム機100の抽出を試みてもよい。
【0114】
管理装置10は、移転先となる端末(携帯型ゲーム機100)を選択する(ステップS404)。
例えば、選択部12は、
図12(b)のオブジェクト管理情報を参照し、オブジェクト(オブジェクトID)に設定されている目的地を取得する。そして、再び
図12(a)の端末管理情報を参照し、抽出された携帯型ゲーム機100の各ホーム位置と目的地とを比較して、最も近い携帯型ゲーム機100を選択する。なおその際、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置とも比較し、その現在位置の方が各ホーム位置よりも目的地に近い場合には、選択を行わずに一旦処理を終了し、次の選択の機会を待つようにしてもよい。
【0115】
管理装置10は、選択した端末(携帯型ゲーム機100)に、オブジェクトを移転させる(ステップS405)。
例えば、更新部13は、
図12(a)の端末管理情報において、移転元の携帯型ゲーム機100にセットされているオブジェクトIDを、移転先の携帯型ゲーム機100に付け替える。つまり、移転先の携帯型ゲーム機100端末には、移転元からムーブされたオブジェクトIDがセットされ、移転元の携帯型ゲーム機100には、空欄を示す情報がセットされる。
また、更新部13は、
図12(b)のオブジェクト管理情報から移転が行われたオブジェクトのオブジェクトデータを読み出して、移転先の携帯型ゲーム機100に送信する。一方、移転元の携帯型ゲーム機100に対しては、オブジェクトデータの削除を指示する。
【0116】
また、上述したステップS402にて、オブジェクトが目的地に到着したと判別した場合(ステップS402;Yes)に、管理装置10は、報告情報を生成して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する(ステップS406)。
例えば、通知部14は、オブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100にアクセスし、目的地に到着した旨と、撮影を促すメッセージを表示させる。ユーザにより撮影が行われると(又は、撮影済みの画像が選択されると)、撮影された画像を受信する。
そして、通知部14は、撮影された画像を含む報告情報を生成すると、
図12(a)の端末管理情報を参照して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に報告情報を送信する。
また、オブジェクトが目的地に到着した場合以外にも、最新の移転から所定時間が経過した場合や、最新の移転位置から所定距離を超えている場合などに、通知(報告)を行うようにしてもよい。例えば、通知部14は、
図12(b)のオブジェクト管理情報を参照し、移転日時や移転地を取得する。そして、現時刻(現在の日時)が、移転日時から所定時間を経過している場合や、そのオブジェクトが滞在している携帯型ゲーム機100の現在位置が、移転地を基準として、目的地から離れるように、所定距離を超えている場合などに、その現在位置を含んだ報告情報を生成し、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
【0117】
このような移転処理によって、オブジェクトが複数の携帯型ゲーム機100を渡り歩いて行き、目的地まで旅をさせることができる。そして、オブジェクトが目的地まで到着すると、その目的地で滞在先の携帯型ゲーム機100にて撮影された画像等を、オブジェトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信することができる。
しかも、この実施形態2では、携帯型ゲーム機100間で無線通信等を必要としないため、例えば、携帯型ゲーム機100の機種が異なり、相互に無線通信等を行えないような場合でも、オブジェクトを移転させることができる。
このため、ユーザ(オブジェトの所有者)は、返送された報告情報により、オブジェクトが行った旅の様子を楽しむことができる。この結果、娯楽性等をより高めることができる。
【0118】
(他の実施形態)
上記の各実施形態では、携帯型ゲーム機100、及び、ゲームサーバ200の何れかが主体となり、管理装置10を実現させる場合について説明した。
しかしながら、このように始めから主体を別けるのではなく、状況に応じて、主体を携帯型ゲーム機100、及び、ゲームサーバ200の何れかに切り替えつつ、管理装置10を実現させてもよい。
例えば、都市などのように、ユーザの人口(携帯型ゲーム機100の数)が多く、携帯型ゲーム機100の無線通信等により、オブジェクトを充分に移転させることができる状況では、上記の実施形態1のように、携帯型ゲーム機100が主体となり管理装置10を実現させる。一方、地方などのように、ユーザの人口が少なく、携帯型ゲーム機100の無線通信等では、オブジェクトを移転させることが難しい状況では、ゲームサーバ200が主体となり管理装置10を実現させる。
これらの切り替えは、例えば、携帯型ゲーム機100が、近傍の他の携帯型ゲーム機100との無線通信状況(一例として、単位時間あたりの無線通信可能な携帯型ゲーム機100等)に応じて、相互に行われる。つまり、無線通信状況が悪くなると、主体をゲームサーバ200に切り替え、逆に、無線通信状況が良くなると、主体を携帯型ゲーム機100に切り替える。
これにより、都市と地方とを結ぶ旅など、ユーザの人口が変化するような場合でも、オブジェクトを目的地まで到達させることができる。
【0119】
また、上記の各実施形態では、移転させる対象を、現在の携帯型ゲーム機100としたが、これに限られず、過去の携帯型ゲーム機100(過去の位置)も含めて移転対象としてもよい。
例えば、携帯型ゲーム機100にて画像を撮影した際に、その画像をゲームサーバ200に登録することで、その撮影位置を過去の携帯型ゲーム機100の位置として、オブジェクトを移転できるようにしてもよい。
具体的には、ユーザが、お気に入りやお勧めの場所の画像を携帯型ゲーム機100にて撮影し、その画像をゲームサーバ200にアップロードする。ゲームサーバ200は、アップロードされた画像(ヘッダ部)に付加された撮影位置を読み出し、この撮影位置と画像とを対応付けて、データベース213に格納する。
そして、上記の実施形態2のように、ゲームサーバ200が主体となって移転処理を進める際に、この撮影位置を過去の携帯型ゲーム機100の現在位置に見立てて、移転の要件さえ満たせば、この過去の携帯型ゲーム機100にも移転可能とする。その後は、この過去の携帯型ゲーム機100の撮影位置から、他の携帯型ゲーム機100(更に、過去の携帯型ゲーム機100でもよい)に、オブジェクトを移転させる。
なお、その撮影位置が、オブジェクトの目的地であった場合には、上記と同様に、この撮影位置と対応付けられた画像を含む報告情報を生成して、オブジェクトの所有者の携帯型ゲーム機100に送信する。
この場合、例えば、観光地など、撮影位置がオブジェクトの目的地となることが大いに期待され、ユーザが欲する写真等を旅の成果として得ることができる。また、ユーザの人口が少ないような地方においても、オブジェクトが効率よく移転できるため、オブジェクトを比較的早く、目的地まで到達させることができる。
【0120】
また、上記の各実施形態では、
図3のオブジェクト情報や
図12(b)のオブジェクト管理情報において、滞在先ユーザID、移転日時、及び、移転地を、移転先の携帯型ゲーム機100の情報に書き換える場合について説明したが、書き換える代わりに、これら滞在先ユーザID、移転日時、及び、移転地を追加して格納するようにしてもよい。
この場合、これらオブジェクト情報やオブジェクト管理情報によって、オブジェクトの移転の経過(移転履歴)を管理することができる。
例えば、オブジェクトが目的地に到着し、所有者の携帯型ゲーム機100に戻って来た際に、移転履歴を含むオブジェクト情報から、オブジェクトの旅の道のりを地図上で辿ることもできる。
【0121】
また、上記の実施形態1では、携帯型ゲーム機100内で処理を行う場合について説明したが、本発明は、いわゆるソーシャルゲーム(Social Game)にも適宜適用可能である。
例えば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(Application Programming Interface)などの動作環境を基に実行されるゲーム用アプリケーションによって、実施形態1の携帯型ゲーム機100を実現させてもよい。