特許第5656935号(P5656935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5656935
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】構造可変着座コンソ−ル装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20141225BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
   B60N3/10 A
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-170856(P2012-170856)
(22)【出願日】2012年8月1日
(62)【分割の表示】特願2008-525217(P2008-525217)の分割
【原出願日】2006年8月3日
(65)【公開番号】特開2012-236599(P2012-236599A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2012年8月28日
(31)【優先権主張番号】60/705,717
(32)【優先日】2005年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】デクスター、 ブライアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】スタウト、 ジェフリー ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ブルンシック、 グレゴリー エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】グリーン、 アラン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】レプリー、 スティーブン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、 ジョゼフ エム.
(72)【発明者】
【氏名】フィッツパトリック、 ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、 マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スパイカーマン、 デビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キャットリン、 マイケル アール.
【審査官】 芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−104419(JP,A)
【文献】 実開平01−165737(JP,U)
【文献】 特開2003−118456(JP,A)
【文献】 特開平02−279439(JP,A)
【文献】 特開2003−080982(JP,A)
【文献】 実開昭61−043534(JP,U)
【文献】 実開昭62−006035(JP,U)
【文献】 特開平11−321464(JP,A)
【文献】 実開平07−003397(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B60N 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一座席、第二座席、これら第一、第二座席間の第一列コンソールを有する第一着座列と、
第一座席及び、第二座席、基板フレーム、及び前記第一、第二座席間の着座コンソール装置を有する第二着座列を備える
車両インテリアであって、
前記着座コンソール装置は、
前記基板フレームにそれぞれ回転可能に結合された、座席基板及び座席背部を備えた座席と、
前記座席背部と結合して二重目的コンポーネントを形成し、且つ、前記第一着座列の第一列コンソールと係合するように形成された第二列コンソールと、を備え、
前記着座コンソール装置は、前記二重目的コンポーネントを前記座席基板に対して回転することにより、座席を展開し前記第二列コンソールを収納する着座形態と、前記第二列コンソールを展開し前記座席を収納するコンソール形態との間で構成可能であり、且つ、前記第二列コンソールの運動は前記座席基板の運動と連係されており、前記座席基板は、前記第二列コンソールが展開されるとき、関節機構により、下方へ移動するよう構成されている車両インテリア。
【請求項2】
前記着座コンソール装置がコンソール形態にあるときの展開位置と、前記着座コンソール装置が着座形態にあるときの収納位置との間で動作するように構成されたパネルをさらに備え、
前記パネルは、当該パネルが収納位置から展開位置へ後方へスライドするように、前記第1列コンソールに移動可能に設けられている、
ることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項3】
前記パネルは、前記着座コンソール装置がコンソール形態にあるとき、前記着座コンソール装置の前記第二列コンソールと前記車両インテリアの床の間に位置することを特徴とする請求項2に記載の車両インテリア。
【請求項4】
前記第一列コンソールは、前記着座コンソール装置がコンソール形態にあるとき、前記着座コンソール装置の前記第二列コンソールの一部を収容するように形成された窪みを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項5】
請求項1の車両インテリアであって、前記関節機構は、前記座席基板及び基板フレームに回転可能に結合された第二リンクと、前記座席背部及び前記座席基板に回転可能に結合された第一リンクとを有し、前記着座コンソール装置がコンソール形態にあるとき、前記座席基板を下げるようにされている車両インテリア。
【請求項6】
展開位置から収納位置への前記座席背部の移動は、前記関節機構を作動させて、前記基板フレームに対して前記第二リンクにより前記座席基板を下げることを特徴とする請求項5に記載の車両インテリア。
【請求項7】
前記第二着座列は第一外側座席と第二外側座席を備え、前記第一外側座席は前記第二着座列の幅の約40%を占め、前記第二外側座席は前記第二着座列の約40%を占め、前記着座コンソール装置は前記第二着座列の幅の約20%を占めることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項8】
第三着座列をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項9】
前記第二列コンソールは、アームレスト、収納ビン、カップホルダー、動力用ポート、データ用ポート、コントロールまたはこれらの組み合わせの少なくとも1つまたは複数を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項10】
前記第一着座列は、車両の着座の前方列であることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項11】
前記着座コンソール装置は、前記座席背部、座席基板、および基板フレームに結合され、前記座席背部と座席基板間の動作を伝達するように構成された作動機構とをさらに備える請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項12】
前記作動機構は第一リンク部材と第二リンク部材から構成され、前記第一リンク部材は座席基板に結合した第一端部と、座席背部に結合した第二端部と、基板フレームに結合した中間部とを備え、前記第二リンク部材は座席基板に結合した第一端部と、基板フレームに結合した第二端部とを備えることを特徴とする請求項11に記載の車両インテリア。
【請求項13】
前記第一リンク部材の第一端部と前記第二リンク部材の第一端部は座席基板のスロットと係合する第一ピンに結合し、第一リンク部材の中間部は基板フレームのスロットと係合する第二ピンに結合し、第一リンク部材の第二端部は回動可能に座席背部に結合することを特徴とする請求項12に記載の車両インテリア。
【請求項14】
前記座席基板は、第一ピンと座席基板上のスロットとの係合および第二ピンと基板フレーム上のスロットとの係合によって動作し、案内されるように構成されることを特徴とする請求項13に記載の車両インテリア。
【請求項15】
前記座席背部は、座席背部の回動動作を制限するために基板フレーム上のスロット中に延びるストップピンを備えることを特徴とする請求項11に記載の車両インテリア。
【請求項16】
前記第二列コンソールは、基板と、前記基板に結合され、前記着座コンソール装置が着座形態にあるときの収納位置と前記着座コンソール装置がコンソール形態にあるときの展開位置との間で動作可能な延材部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両インテリア。
【請求項17】
前記延材部は、前記第一列コンソールと係合するように収納位置と展開位置間で直線的にスライドすることを特徴とする請求項16に記載の車両インテリア。
【請求項18】
請求項1の車両インテリアであって、前記基板フレームは前記座席の運動を制限する車両インテリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2006年8月4日に米国において、「構造可変着座コンソ−ル装置」という名称のもとに出願された米国仮特許出願第60/705,717号(代理人整理番号026032−4937)の優先権を主張し、その全ての内容をここに引用により一体化する。
【0002】
本発明は、構造可変着座コンソ−ル装置に関する。より具体的には、協調した機械式または動力式動作で床コンソールに変換する着座列装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2つの外側座席間に配置されたセンターコンソールを着座の第二列に備えることが知られている。このような公知第二列センターコンソールは通常一部の高級車にのみ使用されている。この第二列センターコンソールはこれら前方座席間に配置されたセンターコンソールと連結することもできる。このような配置は、第二列の乗員の利便性と機能性にスポーテイあるいは豪華な外観をもたらすことを意図している。しかしながら、このような固定式第二列コンソールは車両内の座席スペースや他の自由度を制限することになる。
【0004】
また、機能的な、またはコンソール表面を提供するために、揺動する第二(または、第三等)列着座のアームレストを具備することも知られている。このような公知アームレストは配置位置まで揺動するとコンソール機能(例えば、収納エリア、カップホルダ)を有するアームレストから構成されるようにしても良い。しかしながら、このような公知アームレストでは、固定式第二列、センターコンソールがもたらす、特定の優れた特徴(および/または特徴の組み合わせ)や望ましい外観を実現することができなくなる。例えば、このような公知のアームレストには、アームレストや座席の揺動外形を示すスペースや隙間があるが、これらの隙間や外形は固定式第二列、センターコンソールに好ましい外観を与えるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、構造可変着座コンソール装置を供給することは好ましいことになる。また、ベンチ式着座と分割式着座の間に形成(再設定、変形等)できる着座コンソール装置に外側座席間のコンソールを提供することは好ましいことである。システムがコンソール形態に設けられるとむき出しになるかもしれないスペースや隙間に対する遮蔽を装置に提供することはさらに好ましいことになる。隣接する(外側の)座席とほぼ垂直に整列する上方表面を有するコンソールを提供することはさらに望ましいことになる。また、展開されると座席の構成要素や外形をカバーしたり、隠したり、目立たなくしたりすることによって車両インテリアの固定形態に見えるコンソール形態を提供することはさらに好ましいことである。さらに垂直高式コンソールが外側の座席とほぼ整列するように座席を下げることができる関節機構を提供することは望ましい。上述の関連および他の問題を避けることのできる低価格で、信頼性のある、広範囲の用途を有する構造可変着座コンソール装置を提供することによって、従来技術に比べて遥かに進んだ技術を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は着座列で使用され、着座形態とコンソール形態間で形状が変化する着座コンソール装置に関する。この装置は座席基板と座席背部からなる座席と、座席背部の反対側に取り付けられたコンソールから構成される。この座席背部は着座形態を提供する第一の位置と着座列を分割するコンソール形態を提供する第二の位置の間で回動する。
【0007】
本発明はまた、車両インテリアに関する。この車両インテリアは第一座席、第二座席、これら第一、第二座席間の第一列コンソールからなる第一着座列と、第一座席、第二座席、これら第一、第二座席間の着座コンソール装置からなる第二着座列とを有する。この着座コンソール装置は座席基板、座席背部、座席に結合し、第一着座列の第一列コンソールと係合するように形成された第二列コンソールとからなる座席を有する。この着座コンソール装置はこの座席を展開しこのコンソールを収納する着座形態とこのコンソールを展開し、この座席を収納するコンソール形態間で変形できるように構成される。
【0008】
本発明はさらに、開示された実施例に示され、記述された各種特徴と特徴の組み合わせに関する。開示された実施例の目的と特徴が達成される他の形態は、以下の明細書に記述されるものであり、またこの明細書を読んだ当該技術の当業者にとって明確になるものである。このような他の形態は以下に示す特許請求の範囲内にあれば、開示した実施例の範囲内に入ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】着座形態にある着座コンソール装置を有する車両インテリアの斜視図である。
図2】コンソール形態にある図1に示される着座コンソール装置を有する車両インテリアの斜視図である。
図3】他の形態と配置における収納アームレスト部品を有する図2に記載の着座コンソール装置の斜視図である。
図4A】着座形態とコンソール形態間で移動する図1図2に示される着座コンソール装置の側面図である。
図4B】着座形態とコンソール形態間で移動する図1図2に示される着座コンソール装置の側面図である。
図5A】着座形態とコンソール形態間で移動する、実施例の着座コンソール装置の側面図である。
図5B】着座形態とコンソール形態間で移動する、実施例の着座コンソール装置の側面図である。
図5C】着座形態とコンソール形態間で移動する、実施例の着座コンソール装置の側面図である。
図5D】着座形態とコンソール形態間で移動する、実施例の着座コンソール装置の側面図である。
図5E】着座形態とコンソール形態間で移動する、実施例の着座コンソール装置の側面図である。
図6】別の実施例による着座形態とコンソール形態にある着座コンソール装置の斜視図である。
図7】別の実施例による着座形態とコンソール形態にある着座コンソール装置の斜視図である。
図8】別の実施例による着座形態とコンソール形態にある着座コンソール装置の斜視図である。
図9】別の実施例による着座形態とコンソール形態にある着座コンソール装置の斜視図である。
図10】別の実施例による着座コンソール装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図2は好ましい実施例による着座コンソール装置10を示す。着座コンソール装置10は図1図4Aに示されるように着座形態(即ち、位置、状況、状態等)において変形(再設定)でき、図2図4Bに示されるようにコンソール形態(即ち、位置、状況、状態等)において変形(再設定)可能になっている。好ましい実施例によれば、装置10は、2つの座席(即ち、中間着座位置)に配置されている。この装置10は第二、第三列等に使用されても良い。車両は、自動車(例えば、セダン、クーペ等)、バンまたは“ミニバン”、トラック、スポーツユーテリテイカー(SUV)等である。別の実施例によれば、この装置は、車両内の任意の各種位置および各種列に配置することができる。着座コンソール装置10は着座構成要素12、コソール構成要素14および関節機構16からなる。着座コンソール構成要素12,14は着座とコンソールの2重機能を備えることができ、これらの用途の一方に寄与するようにしても良い。着座状態において、着座構成要素12が展開され、コンソール構成要素14が収納される。コンソール状態において、着座構成要素12が収納され、コンソール構成要素14が展開される。
【0011】
着座構成要素12は座席クッションすなわち、基板18、座席背部すなわち、後部レスト20、ヘッドレスト22を有する。各構成要素は基板またはフレーム、発泡体または他のタイプのパデイングおよびカバー(例えば、皮、レザー、ビニール、繊維等)を備えることができる。
【0012】
コンソール構成要素14は基板24とアームレスト26からなる。基板24は通常コンソールに求められる1つまたは複数の特徴、例えば、カップホルダー30、トレイ32、種々の収納エリア(例えば、ドアーやパネルを介してアクセスできる、または出来なくてもよいビン34)、動力用またはデータ用ポート、コントロール(例えば、エンターテインメント、HVAC(即ち、暖房、換気、および空調)、窓、暖房座席等)等を有している。アームレスト26は好ましくは揺動し、直線方向に調整(車両前後方向)できるように構成される。アームレスト26は基板24に結合または取り付けられても良いし、別に車両に取り付けられても良い。
【0013】
好ましい実施例によれば、二重目的または機能部品は後部レスト20(装置10が着座形態にあるとき)またはコンソール14(装置10がコンソール形態にあるとき)の一方を提供するために移動可能に構成される(回動、揺動等)。着座構成要素12および/またはコンソール構成要素14は協調して動くように構成されている(例えば、関節機構16によって)。例えば、収納状態と展開状態間でのコンソールの動きが他の構成要素を他の位置に関節接合する。関節機構16は着座状態とコンソール状態の間で座席および/またはコンソールの協同動作(例えば、形成、再形成、変形等)を提供するように構成された実施例に応じて、1つまたは複数の揺動軸、スライド、ガイド、リンケージ、ピボット、部材等を通常備えている。好ましい実施例によれば、関節機構16は図4A図4Bあるいは図5Aないし図5Eに示されるように多重棒リンケージ(例えば、4棒リンケージ)を含む。
【0014】
図4A図4Bにおいて、関節機構16は着座形態(図4A)とコンソール形態(図4B)間で座席を車両下方に回動または揺動し、座席背部またはコンソールを回動または揺動させるように構成されている。関節機構は座席フレーム50、後部レストコンソールフレーム52、第一リンクアームまたは部材54、第二リンクアームまたは部材56からなる。第一と第二リンク部材の対応するセットが基板フレーム58の反対側で、座席フレーム50、座席背部コンソールフレーム52に配置される。座席フレーム50は第一リンク部材54、第二リンク部材56、揺動支持アーム60、およびピンまたは軸61によって基板フレーム58に結合される。ピン61は、座席フレーム50がピン61を中心にして揺動または回動するように座席フレーム50の後側部を基板フレーム58に結合させる。支持アーム60は立ち上がった位置で座席フレーム50の位置決めと支持を行い、下方位置にあるとき案内動作を行うものである。後部レストコンソールフレーム52は第一リンク部材54と揺動ピン62によって基板フレーム58に結合される。第一リンク部材54は、基板フレーム58の側面にあるスロット66とピン64との係合により摺動可能に基板フレーム58に結合している。第一リンク部材54の第一端部68と第二リンク部材56の第一端部70は摺動可能に座席フレーム50の側面にあるスロット74に係合するピン72によって座席フレーム50に結合される。第一リンク部材54の第二端部76は基板フレーム58の上方側面部でスロット86に係合して後部レストコンソールフレーム52から延びるピン78によって基板フレーム58に結合される。第二リンク部材56の第二端部80は回動可能または揺動可能にピン82によって基板フレーム58に結合される。スロット66および/またはスロット74は座席フレーム50および/または座席コンソールフレーム52の好ましい動作に応じて直線的にまたは曲線的に構成される。好ましい実施例によれば、第一リンク部材54は1つの部材または棒によって形成される。あるいは、第一リンク部材はピン64によって一体に結合された一対の部材であっても良い。
【0015】
着座形態において、ピン64はスロット66の前方端部88にあり、ピン72はスロット74の前方端部90にあり、ピン84はスロット86の前方(且つ下方)端部92にある。装置が着座形態からコンソール形態に再設定されると、後部レストコンソールフレーム52はその上部が車両に対して前方に、座席に対して下方に回動するようにユザーによって押されまたは引かれる。後部レストコンソール52はピン62を中心にして揺動し、それによってピン84をスロット86に沿って移動またはスライドさせ、第一リンク部材54の第二端部76を後方に移動させて、ピン62を中心にして回転し、ピン64をスロット66に沿って移動またはスライドさせ、ピン72をスロット74に沿って移動またはスライドさせる。このピン72のスロット74に沿った移動によって座席フレーム50がピン61を中心にして揺動し、座席フレームの前部が下方に揺動することになる。コンソール形態においては、ピン64はスロット66の後方端部94にあり、ピン72はスロット74の後方端部96にあり、ピン84はスロット86の後方端部(および上方)98にある。これらの揺動およびスライドが、2重目的部品(後部レスト20とコンソール14)の動作を抑制および/または促進する、摩擦および/またはスプリング負荷を供給することができる。
【0016】
別の実施例では、着座構成要素12とコンソール構成要素14の動作が協同されていないものである(例えば、関節機構16によって)。例えば、収納と展開に対して作業者(例えば、乗員)によって別々に作動と入力がおこなわれる。別の実施例ではコンソール形態を作り出すため座席18または後部レスト20のみの関節作動を行うことができる。あるいは、着座コンソール装置は異なるレベルの変形を有するようにしても良い(例えば、前部コンソール40に結合せず、座席背部エリアを塞いでしまう等)。さらに別の実施例では、コンソール形態を提供するため展開工程または作動を付加することにより、前方コンソール40を後方に延ばすことによりコンソール“ルック”を作り出しても良い。後部レストコンソールフレーム52は、またスロット86内(および/または貫通して)に延びるピン84によって基板フレーム58に結合される。ピン84は、後部レストコンソールフレーム52が揺動または回動するにつれてスロット86内をスライドし、これらは後部レストコンソールフレーム52の動作を案内し制限するストップを提供するように協働するように構成されている。
【0017】
図5Aないし5Eは、コンソール形態と着座形態間での着座コンソール装置110の動作の一連の概略代表例を示す。別の実施例では、コンソール構成要素114は前方床コンソール140の表面138と係合するコンソール部136を有している。遮蔽パネル28は展開と収納状態の間で前方コンソール140から外側に移動またはスライドする。展開位置において、パネル128の端部はコンソール基板124の一部と接するか、そこで終わっている。別の実施例では、コンソール部136と前方コンソール140とが互いに係合するように構成しても良い(例えば、スナップまたはラッチ式結合)。装置110は作動機構116の案内動作によって着座形態(図5A)とコンソール形態(図5D図5E)間で作動する(例えば、移動、関節動作等)。機構116は第一リンク部材154、第二リンク部材156、第三リンク部材157からなる。第一リンク部材154はピン181、182(座席118に対する結合部材154)を中心にして揺動する。第二リンク部材156はピン164(座席118に対する結合部材156)とピン184(第三リンク部材157に対する結合部材156)を中心にして揺動する。第三リンク部材157は第一ピン167(第二部材156に対する結合部材157)とピン159(後部レスト120に対する結合部材157)を中心にして揺動する。コンソール形態に移動すると座席118は下がる。アームレスト126は部材163と165を中心にして揺動することによって上がったり下がったりできる。
【0018】
図6図7は好ましい実施例による着座コンソール装置210を示す。着座コンソール装置210は図6に示されるように着座状態において(すなわち、位置、状況、形態等)また、図7に示されるようにコンソール状態において(位置、状況、形態等)変形可能(再変形)となっている。
【0019】
好ましい実施例によれば、装置210は、2つの座席(即ち、中間着座位置)間に配置されている。この着座コンソール装置210は第二、第三列等に使用されても良い。別の実施例によれば、この装置は、車両内の種々の任意の位置および列に配置することができる。着座コンソール装置210は着座構成要素212、コンソール構成要素214および関節機構216からなる。着座コンソール構成要素212,214は着座とコンソールの2重機能を有しても良いし、これらの用途の一方に寄与するようにしても良い。着座状態において、着座構成要素212が展開され、コンソール構成要素214が収納される。コンソール状態において、着座構成要素212が収納され、コンソール構成要素214が展開される。
【0020】
着座構成要素212は座席クッションすなわち、基板218、座席背部すなわち、後部レスト220、ヘッドレスト222を有する。コンソール構成要素214は基板224、アームレスト226、1つまたは複数の遮蔽部材258(例えば、パネル、ドアー、スクリーン等)を有する。基板224は通常コンソールに求められる1つまたは複数の特徴、例えば、カップホルダー、トレイ232、種々の収納エリア(例えば、ドアーやパネルを介してアクセスできる、または出来なくてもよいビン234)、動力用又はデータ用ポート、コントーロール235(例えば、エンターテインメント、HVAC(即ち、暖房、換気、および空調)、窓、暖房座席等)等を備える。アームレスト226は好ましくは揺動し、直線的に調整(車両前後方向)できるように構成される。
【0021】
遮蔽部材258は車両インテリアの固定物であるコンソールの望ましい外観と不釣合いな隙間、スペース、および/または構造(例えば、座席、関節機構等を示す曲面)が目立たないように(例えば、隠したり、カバーしたり、スクリーンしたり等)形成される。例えば、コンソール延在部236の下方にあるエリアまたはスペースは、コンソール形態で前方床コンソールと係合したときに、1つまたは複数の遮蔽部材258によって目立たないようになる。遮蔽部材258は前方座席、変形座席、隣接座席、前方コンソール240から延びる、またはスライドするパネルであっても良く、あるいはこれらの任意の部品から揺動または回動するパネルであっても良い。実施例によれば、遮蔽部材258は車両乗員に対する利便性や特徴を付加するように構成されたレイル上にトンネルを形成し、見えない収納を形成し、後部コンソールの遮蔽を行う。コンソールは収納された、および展開された両方の位置において隙間、スペース、係合等が最小化されるように車両内の固定物の外観を維持することを意図している。
【0022】
図8図9に示される実施例によると、関節機構316は固定式主取り付け構造ブラケット344、第一リンケージ346、第二リンケージ348、第三リンケージ350を有する。第一リンケージ346は座席318を主取り付けブラケット344の端部に結合し、立ち上がりと立下り位置間で座席を案内するように構成される。第二リンケージ348は後部レスト320を座席基板318に結合し、座席後部レストを主取り付けブラケット344に結合する。好ましくは、ピン354は主取り付けブラケット344から延在しスロット356(例えば、直線状、曲線状、アーク上に形成することができる溝、ノッチ等)と係合し、コンソール延在部336が展開されると立下りの、格納位置へ座席318を案内促進するように構成される。第三リンケージ350は遮蔽部材328をコンソール基板324に結合し、収納位置と展開位置の間で動作(例えば、回動、揺動等)するように構成される。コンソール延在部336は前方床コンソール340と係合または接するように前進する。後部レスト320は、コンソール基板424とコンソールが外方へ回動し、展開位置になるように上方へ揺動する。コンソール基板324は展開位置へ回動すると、外側へ回動するコンソール延在部426(例えば、パネル、部材等)を有している。
【0023】
実施例によれば、種々の部品が使用され、座席とその装置を従来の通常車両デザイン(例えば、40/20/40分割;60/40分割;座席背部/クッション分割等)の種々の形態の車両に取り付けるようにできる。実施例によれば、この装置は従来の折りたたみ式着座形態のラッチ機構と同様な機構を利用することができる。好ましくは、ラッチ機構は座席背部と座席クッション間の境界面近くに設けられる。実施例によれば、これらの座席は、移動して(例えば、分離して)コンソール装置の展開を可能とするように構成することができる。これらの座席が分離されると、コンソールはそれから展開位置に持ち上げられる。ドア支持上の開放着座式機構は開位置と閉位置間で動くと、座席上のたるみを吸収するように構成される。
【0024】
図10は前方床コンソール440の係合を示す別の実施例による着座コンソール装置410の側面図である。後部レスト420は、コンソール基板424とコンソールが外側へ(下方へ)揺動して展開位置になるように軸心421を中心にして上方に揺動する。コンソール基板424は、軸心425を中心にして展開位置へ回動すると、軸心427を中心にして外側へ回動するコンソール延在部426(例えば、パネル、部材等)を有する。後部レスト420は後方下方に揺動してこれら座席の背後のスペースに遮蔽28を提供する。
【0025】
座席やコンソールの材料は通常車両着座やコンソール用に使用される種々の材料のうちいずれをも使用できる。例えば、インジェクション成形高濃度ポリエチレンはコンソールの部品を製造する好ましい方法と材料であるが、例えば、以下の熱可塑性樹脂等の他の材料も、使用することができる。ポリプロピレン、他のポリエチレン、アクリルニトリールブタジエンステイレン(ABS)、ポリウレタンナイロン、種々の単一ポリマーのいずれか、共重合体樹脂、特定付加物を持つ樹脂、充填樹脂等である。また他の成形法を用いて、例えば、ブロー成形、回転成形等によってこれらの部品を成形することもできる。関節機構の部品は、スチールやアルミニウムのような型打合金材あるいは樹脂から製造することができる。
【0026】
一般に、開示した実施例は座席の第一列の背後で使用され、着座形態とコンソール形態間で変形できる着座コンソール装置を対象としている。この装置は着座部品とこの着座部品と協働するコンソール部品からなる。少なくともこの着座部品の一部はコンソール形態を供給するため可動になっており、少なくともこのコンソール部品の一部は着座形態を供給するため可動になっている。これら開示した実施例は座席の第一列の背後で使用され、着座形態とコンソール形態間で変形できる着座コンソール装置をさらに対象としている。この装置は着座部品とコンソール部品からなる。この着座部品は座席基板とこの座席基板に結合した後部レストからなる。このコンソール部品は基板、この基板に結合した延材部及び遮蔽部材からなる。この遮蔽部材は装置が着座形態にあるときの収納位置と装置がコンソール形態にあるときの展開位置の間で移動可能である。この座席基板は装置がコンソール形態に再設定されるときに移動し(例えば、外側座席に対して下方に)、リンク配置によって案内されるように構成することができる。この基板はコンソール基板と共通構造とすることができる。
【0027】
好ましい例や他の実施例に示された変形可能な着座コンソール装置の構成要素の構造と配置はまた例証に過ぎないことに注意することは重要なことである。この開示では本発明の実施例のほんのいくつかのみを詳細に記述したが、この開示を検討する当該技術の当業者は、示された主題の新規な教示と効果から大きく逸脱せずに多くの変形例(種々の構成要素においてサイズ、寸法、構造、形、釣り合い、パラミターの値、取り付け配置、材料の使用、色、方向等の変更)が可能であることを容易に察知できるであろう。例えば、一体的に形成されて示された構成要素は多数の部品から構成しても良いし、多数の部品として示された構成要素は一体的に構成されても良いし、境界面の作動は反対になっても良いし、他に変更しても良いし、この装置の構造および/または部材、コネクター、他の構成要素の長さまたは幅は変更でき、構成要素間に設けられた調整位置の性質または数は変更可能である(例えば、係合スロットの数、係合スロットのサイズ、係合のタイプの変更によって)。なお、この装置の構成要素および/または組立て体は充分な強度または耐久性を備える種々の任意の材料から形成され、その材料は種々な色、生地および組み合わせのいずれから構成することができる。従って、このような変形例のすべては特許請求範囲に含まれること意図している。他の代替、変形例、変更、省略は特許請求の範囲の精神から逸脱することなく、好ましい且つ他の実施例におけるデザイン、動作状態、配置において実施することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10