特許第5657212号(P5657212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657212
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】タイ編集装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10G 3/04 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   G10G3/04
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-34402(P2009-34402)
(22)【出願日】2009年2月17日
(65)【公開番号】特開2010-191102(P2010-191102A)
(43)【公開日】2010年9月2日
【審査請求日】2011年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001410
【氏名又は名称】株式会社河合楽器製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊也
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−278551(JP,A)
【文献】 特開平07−140972(JP,A)
【文献】 特開平07−140971(JP,A)
【文献】 特開平10−039862(JP,A)
【文献】 特開平10−319993(JP,A)
【文献】 特開2000−056762(JP,A)
【文献】 特開2001−255872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00− 7/02
G10H 1/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音符データを記憶する記憶手段と、
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、
前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段と
有することを特徴とするタイ編集装置。
【請求項2】
複数の音符データを記憶する記憶手段と、
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、
前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段と
有することを特徴とするタイ編集装置。
【請求項3】
複数の音符データを記憶する記憶手段と、
少なくとも、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、
前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段と
有することを特徴とするタイ編集装置。
【請求項4】
複数の音符データを記憶する記憶手段と、
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、
前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段と
有することを特徴とするタイ編集装置。
【請求項5】
さらに、前記タイ編集手段によりタイが付与又は削除された複数の音符データを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイ編集装置。
【請求項6】
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、
前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、
前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
少なくとも、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、
前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、
前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイ編集装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイ編集装置として、既に入力されている音符データに対して、タイが付与可能な音符データに自動的にタイを付与することができるものがある。しかし、タイが付与可能な音符データのすべてにタイが付与されてしまうと、同じ音高の音符が連続している場合等には、ユーザの期待する編集が行われないことが多い。
【0003】
また、特開平7−140972号公報には、演奏データを楽譜データに変換する際に、各種の音楽記号を自動的に付与することができる楽譜作成装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−140972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、音符データに対して所望の条件でタイを付与又は削除することができるタイ編集装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタイ編集装置は、複数の音符データを記憶する記憶手段と、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のタイ編集装置は、複数の音符データを記憶する記憶手段と、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のタイ編集装置は、複数の音符データを記憶する記憶手段と、少なくとも、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のタイ編集装置は、複数の音符データを記憶する記憶手段と、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件の中から1個を指定する条件指定手段と、前記条件指定手段により指定された条件に応じて、前記記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムであ
また、本発明のプログラムは、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明のプログラムは、少なくとも、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明のプログラムは、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件の中から1個を指定する条件指定ステップと、前記条件指定ステップにより指定された条件に応じて、記憶手段に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除するタイ編集ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
条件を指定することにより、音符データに対して所望の条件でタイを付与又は削除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図2は、本発明の実施形態によるタイ編集装置(コンピュータ)のハードウエア構成例を示すブロック図である。タイ編集装置は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。バス201には、中央処理装置(CPU)202、ROM203、RAM204、ネットワークインタフェース205、入力装置206、出力装置207及び外部記憶装置208が接続されている。
【0011】
CPU202は、データの処理又は演算を行うと共に、バス201を介して接続された各種構成要素を制御するものである。ROM203には、予めCPU202の制御手順(コンピュータプログラム)を記憶させておき、このコンピュータプログラムをCPU202が実行することにより、起動する。外部記憶装置208にコンピュータプログラムが記憶されており、そのコンピュータプログラムがRAM204にコピーされて実行される。RAM204は、データの入出力、送受信のためのワークメモリ、各構成要素の制御のための一時記憶として用いられる。外部記憶装置208は、例えばハードディスク記憶装置やCD−ROM等であり、電源を切っても記憶内容が消えない。CPU202は、RAM204内のコンピュータプログラムを実行することにより、タイ編集装置の処理を行う。
【0012】
ネットワークインタフェース205は、インターネット等のネットワークに接続するためのインタフェースである。入力装置206は、例えばキーボード及びマウス等であり、各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置207は、ディスプレイ及びプリンタ等である。出力装置207内のディスプレイには、図3(A)〜(E)の楽譜及び図4の編集ウィンドウが表示される。
【0013】
図1は、上記のコンピュータプログラムの機能を説明するためのブロック図である。コンピュータがコンピュータプログラムを実行することにより、タイ編集装置(方法)が実現される。タイ編集装置(方法)100は、記憶手段(ステップ)101、条件指定手段(ステップ)102、タイ編集手段(ステップ)103及び表示手段(ステップ)104を有する。
【0014】
図3(A)〜(E)は出力装置207内のディスプレイに表示される楽譜の例を示す図であり、図4は出力装置207のディスプレイに表示される編集ウィンドウの例を示す図である。記憶手段101は、複数の音符データを記憶する。表示手段104は、図3(A)に示すように、記憶手段101に記憶されている複数の音符データを基に編集前の元の楽譜を出力装置207内のディスプレイに表示する。
【0015】
ユーザが入力装置206内のマウスを用いてタイの編集を指示すると、条件指定手段102は、図4の編集ウィンドウ400を出力装置207内のディスプレイに表示する。変更範囲として、ユーザは、マウスを用いて「楽譜全体」のラジオボタン401又は「選択した小節」のラジオボタン402をクリックすることができる。「楽譜全体」のラジオボタン401がクリックされると、「楽譜全体」が変更範囲として指定される。「選択した小節」のラジオボタン402がクリックされると、マウスを用いて指定された小節が変更範囲として指定される。
【0016】
「以下の条件に限定」のチェックボックス410は、3個の条件のラジオボタン411〜413を指定するためのものである。ユーザがマウスを用いて、「以下の条件に限定」のチェックボックス410にチェックを付与すると、「小節線をまたぐ」の第1の条件のラジオボタン411、「小節の半分単位をまたぐ」の第2の条件のラジオボタン412及び「拍をまたぐ」の第3の条件のラジオボタンの中から1つを指定することができる。
【0017】
ユーザがマウスを用いて「小節線をまたぐ」の第1の条件のラジオボタン411をクリックすると、条件指定手段102は、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件を指定する。ユーザが「OK」ボタン421をマウスでクリックすると、タイ編集手段103は、条件指定手段102により指定された第1の条件に応じて、記憶手段101に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除する。ユーザは、付与又は削除のいずれかを指定することができる。タイ編集手段103は、ユーザの指定に応じて付与又は削除を行う。表示手段104は、図3(E)に示すように、タイ編集手段103によりタイが付与又は削除された複数の音符データを表示する。図3(A)は元の楽譜を示し、図3(E)は第1の条件でタイを付与した楽譜の例を示す。
【0018】
また、ユーザがマウスを用いて「小節の半分単位をまたぐ」の第2の条件のラジオボタン412をクリックすると、条件指定手段102は、小節の半分単位をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件を指定する。ユーザが「OK」ボタン421をマウスでクリックすると、タイ編集手段103は、条件指定手段102により指定された第2の条件に応じて、記憶手段101に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除する。ユーザは、付与又は削除のいずれかを指定することができる。タイ編集手段103は、ユーザの指定に応じて付与又は削除を行う。表示手段104は、図3(D)に示すように、タイ編集手段103によりタイが付与又は削除された複数の音符データを表示する。図3(A)は元の楽譜を示し、図3(D)は第2の条件でタイを付与した楽譜の例を示す。
【0019】
なお、第2の条件は、小節の半分単位を例に説明したが、小節の1/4単位等でもよい。すなわち、条件指定手段102は、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する条件を指定することができる。例えば、図3(D)が4/4拍子の場合、条件指定手段102は、2拍を1まとまりとして条件を指定している。拍のまとまりは、拍子に応じて決定してもよいし、ユーザが指定するようにしてもよい。
【0020】
また、ユーザがマウスを用いて「拍をまたぐ」の第3の条件のラジオボタン413をクリックすると、条件指定手段102は、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件を指定する。ユーザが「OK」ボタン421をマウスでクリックすると、タイ編集手段103は、条件指定手段102により指定された第3の条件に応じて、記憶手段101に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除する。ユーザは、付与又は削除のいずれかを指定することができる。タイ編集手段103は、ユーザの指定に応じて付与又は削除を行う。表示手段104は、図3(C)に示すように、タイ編集手段103によりタイが付与又は削除された複数の音符データを表示する。図3(A)は元の楽譜を示し、図3(C)は第3の条件でタイを付与した楽譜の例を示す。図3(C)の楽譜では、4/4拍子の拍をまたぐようにタイが付与されている。
【0021】
また、ユーザが「以下の条件に限定」のチェックボックス410にチェックを付与しないときには、付与可能な音符データのすべてにタイを付与する。ユーザが「以下の条件に限定」のチェックボックス410にチェックを付与しないときには、条件指定手段102は、同じ音高が隣接するすべての音符データ間に対してタイを付与又は削除する第4の条件を指定する。ユーザが「OK」ボタン421をマウスでクリックすると、タイ編集手段103は、条件指定手段102により指定された第4の条件に応じて、記憶手段101に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除する。ユーザは、付与又は削除のいずれかを指定することができる。タイ編集手段103は、ユーザの指定に応じて付与又は削除を行う。表示手段104は、図3(B)に示すように、タイ編集手段103によりタイが付与又は削除された複数の音符データを表示する。図3(A)は元の楽譜を示し、図3(C)は第4の条件でタイを付与した楽譜の例を示す。
【0022】
以上のように、条件指定手段102は、記憶手段101に記憶されている複数の音符データに対してタイを付与又は削除する少なくとも2個の条件の中から1個を指定することができる。具体的には、条件指定手段102は、少なくとも、小節をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第1の条件(ボタン411)と、複数の拍のまとまりをまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第2の条件(ボタン412)と、拍をまたぐ同じ音高が隣接する音符データ間に対してタイを付与又は削除する第3の条件(ボタン413)の中から1つを指定することができる。タイ編集手段103は、ユーザにより指定された楽譜全体(ボタン401)又は選択した小節(ボタン402)の範囲内においてタイを付与又は削除する。
【0023】
なお、上記の第1〜第4の条件の他、タイの付与対象の先行音符の長さ又は後続音符の長さを条件にしてタイを付与又は削除するようにしてもよい。例えば、先行音符が8分音符より短い場合及び/又は後続音符が4分音符より長い場合には、タイを付与することができる。
【0024】
また、上記の第1〜第4の条件の組み合わせを条件としてタイを付与又は削除するようにしてもよい。例えば、図3(C)の第3の条件でタイを付与し、かつ図3(E)の第1の条件でタイを削除するような条件指定を行うようにしてもよい。
【0025】
タイ編集装置は、条件を指定すれば、楽譜全体又は指定した小節内の音符データに対して自動的にタイを付与又は削除することができ、ユーザが1個1個タイを付与する場合に比べ、高速かつ簡単にタイを付与することができる。
【0026】
タイを付与する条件は、音楽のジャンル又はユーザの好み等により異なる。ユーザが複数の条件の中から所望の条件を選択することにより、音楽的に違和感がなく、ユーザが期待するタイを付与又は削除することができる。
【0027】
本実施形態は、図2のコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0028】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態によるコンピュータプログラムの機能を説明するためのブロック図である。
図2】本発明の実施形態によるタイ編集装置(コンピュータ)のハードウエア構成例を示すブロック図である。
図3図3(A)〜(E)は出力装置内のディスプレイに表示される楽譜の例を示す図である。
図4】出力装置のディスプレイに表示される編集ウィンドウの例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
100 タイ編集装置
101 記憶手段
102 条件指定手段
103 タイ編集手段
104 表示手段
201 バス
202 CPU
203 ROM
204 RAM
205 ネットワークインタフェース
206 入力装置
207 出力装置
208 外部記憶装置
図1
図2
図3
図4