特許第5657263号(P5657263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5657263デジタル記録モジュール、工程管理システム、及び工程管理システムの操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657263
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】デジタル記録モジュール、工程管理システム、及び工程管理システムの操作方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20141225BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20141225BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
   G06Q50/04
【請求項の数】24
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-72121(P2010-72121)
(22)【出願日】2010年3月26日
(65)【公開番号】特開2010-244533(P2010-244533A)
(43)【公開日】2010年10月28日
【審査請求日】2013年3月26日
(31)【優先権主張番号】12/415,732
(32)【優先日】2009年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム.カルドウェル
(72)【発明者】
【氏名】マーティー ジェイ.ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ゲアリ ケー.ロー
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−051706(JP,A)
【文献】 特開2002−182889(JP,A)
【文献】 特開2004−199444(JP,A)
【文献】 特開2003−186385(JP,A)
【文献】 特開2006−350681(JP,A)
【文献】 特開平07−325990(JP,A)
【文献】 特開2003−076420(JP,A)
【文献】 特開2001−084032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程を管理する工程管理システムであって、
前記工程管理システムから取得された情報を含むビデオ出力を提供するために適合されたユーザディスプレイを備えた少なくとも第1のユーザコンソールと、
前記工程管理システムから取得された少なくとも幾らかの情報を含む、前記第1のユーザコンソールの前記ユーザディスプレイを通して提供された前記ビデオ出力の少なくとも一部分のリアルタイムデジタルビデオ記録を作成するための画像キャプチャモジュールであって、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の終末部をバッファリングするように適合された画像キャプチャモジュールと、
前記工程管理システムに結合されたデータ履歴であって、前記データ履歴は、プロセスプラントの内でかつ前記第1のユーザコンソールの外部におけるプロセスアクティビティであってプロセス管理デバイスによって検出されかつ処理される前記プロセスアクティビティに関連するプロセスイベントを表すプロセスイベントデータを保存する、前記データ履歴と、
前記プロセスイベントデータを保存するように、前記データ履歴によって利用される参照時刻に同期する方法で、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の前記一部分が再生のため取り戻せることができるように、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも一部分を保存するための、前記画像キャプチャモジュールに結合された保存モジュールと、
を含む工程管理システム。
【請求項2】
前記工程管理システムが、所定イベントが起こったという指示を受けるとき、前記保存された前記リアルタイムデジタルビデオ記録の前記一部分は、前記所定イベントの発生に近い時間帯に記録された一部分である請求項1に記載の工程管理システム。
【請求項3】
前記工程管理システムは、少なくとも1つのユーザ定義可能なイベントを特定するオペレータ入力を受け取るように適合された制御モジュールを更に含み、
前記所定イベントは、前記第1のユーザコンソールが少なくとも1つのユーザ定義可能なイベントが起きたことを検出することである、求項2に記載の工程管理システム。
【請求項4】
ユーザからのコマンドに応答して、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも1つの部分とビデオ、イベント、及び連続履歴の少なくとも一つとの同期された組み合わせを提供するように適合された再生モジュールを更に含む請求項1〜3の何れか1項に記載の工程管理システム。
【請求項5】
前記第1のユーザコンソールは、複数イベントの各々の1つに対応する各複数のイベント記録を含むイベント履歴を有し、
生モジュールは、前記複数イベントの1つを指定する入力を受け取り、ディスプレイを通じて前記複数イベントのうちの指定された1つに対応する、前記保存モジュールにより保存された前記リアルタイムデジタルビデオ記録の部分を提供するように適合されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の工程管理システム。
【請求項6】
前記制御モジュールは、各ユーザ定義可能なイベントに対応する記録持続時間を特定するオペレータ入力を受け取るように更に適合され、
前記工程管理システムが、前記ユーザ定義可能なイベントのうちの1つが起きたことを検出するとき、前記保存モジュールは、そのユーザ定義可能なイベントに対応する記録持続時間を含む前記リアルタイムデジタルビデオ記録の部分を保存する、請求項に記載の工程管理システム。
【請求項7】
前記リアルタイムデジタルビデオ記録が、前記ユーザディスプレイが前記ビデオ出力を提供する間に前記第1のユーザコンソールで検出されたオーディオ情報を含む請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の工程管理システム。
【請求項8】
前記保存モジュールは、先入り先出ベースで前記リアルタイムデジタルビデオ記録の終末部を連続的に保存する請求項1〜7の何れか1項に記載の工程管理システム。
【請求項9】
前記所定イベントは、工程管理限界を超過したことである請求項2に記載の工程管理システム。
【請求項10】
前記所定イベントは、オペレータが前記第1のユーザコンソールを通じて工程管理パラメータを修正することである請求項2に記載の工程管理システム。
【請求項11】
前記所定イベントは、アラーム状況が前記工程管理システムに存在することである請求項2に記載の工程管理システム。
【請求項12】
少なくとも1つの追加のユーザコンソールを含み、
前記少なくとも1つの追加のユーザコンソールは、前記工程管理システムから取得された情報を含むビデオ出力を提供するために適合されたユーザディスプレイを備え、
前記追加の1つのユーザディスプレイは、前記追加のユーザコンソールの前記ユーザディスプレイを通じて提供された前記ビデオ出力の少なくとも一部分の記録を含むリアルタイムデジタルビデオ記録を作成する画像キャプチャモジュールを含む、請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の工程管理システム。
【請求項13】
工程管理システムから取得された情報を含むビデオ出力を提供するために適合されたユーザディスプレイを備えた少なくとも第1のユーザコンソールを有する前記工程管理システムの操作方法であって、
前記第1のユーザコンソールの前記ユーザディスプレイを通して提供された前記ビデオ出力の少なくとも一部分のリアルタイムデジタルビデオ記録を作成するためのステップであって、前記部分は前記工程管理システムから取得された少なくとも幾らかの情報を含み、如何なる特定時においても、前記リアルタイムデジタルビデオ記録は、前記特定時に先立つ所定持続時間の間前記工程管理システムから取得された情報を含む、前記作成するためのステップと、
前記工程管理システムのデータ履歴を介して、プロセスプラントの内でかつ前記第1のユーザコンソールの外部におけるプロセスアクティビティであってプロセス管理デバイスによって検出されかつ処理される前記プロセスアクティビティに関連するプロセスイベントを表すプロセスイベントデータを保存するステップと、
前記プロセスイベントデータを保存するように、前記データ履歴によって利用される参照時刻に同期する方法で、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の前記一部分が再生のため取り戻せることができるように、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも一部分を保存するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
定イベントが起こったという前記工程管理システムからの指示を受けるとき、前記所定イベント近いリアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも一部分が保存される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのユーザ定義可能なイベントを特定するオペレータ入力を受け取るステップを更に含み、
前記所定イベントは、前記第1のユーザコンソールが少なくとも1つのユーザ定義可能なイベントが起きたことを検出することである、求項14に記載の方法。
【請求項16】
ユーザからのコマンドに応答して、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも1つの部分とビデオ、イベント、及び連続履歴の少なくとも一つとの同期された組み合わせを提供するステップを更に含む請求項13〜請求項15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
複数イベントの各々の1つに対応する各複数のイベント記録を含むイベント履歴を提供するステップと、
前記複数イベントの1つを指定する入力を受け取るステップと、
ディスプレイを通じて前記複数イベントのうちの指定された1つに対応する、存モジュールにより保存された前記リアルタイムデジタルビデオ記録の部分を提供するステップと、
を更に含む請求項13〜16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
存モジュールにより保存された前記リアルタイムデジタルビデオ記録の部分を指定する入力を受け取るステップと、
ディスプレイを通じて前記リアルタイムデジタルビデオ記録の前記指定された部分を提供するステップと、
を更に含む請求項13〜請求項17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザディスプレイが前記ビデオ出力を提供する間、前記第1のユーザコンソールで検出されたオーディオ情報を前記リアルタイムデジタルビデオ記録に含めるステップを更に含む請求項13〜請求項18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記リアルタイムデジタルビデオ記録を保存するステップは、先入り先出ベースで前記リアルタイムデジタルビデオ記録の終末部を連続的に保存するステップを含む請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項21】
工程管理システムから取得された情報を含むビデオ出力を提供するために適合されたユーザディスプレイを備えた少なくとも第1のユーザコンソールを有する前記工程管理システムのためのデジタル記録モジュールであって、
前記工程管理システムから取得された少なくとも幾らかの情報を含む、前記第1のユーザコンソールの前記ユーザディスプレイを通して提供された前記ビデオ出力の少なくとも一部分のリアルタイムデジタルビデオ記録を作成するための画像キャプチャモジュールであって、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の終末部をバッファリングするように適合された画像キャプチャモジュールと、
前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも一部分を保存するための、前記画像キャプチャモジュールと結合された保存モジュールと、
を含むデジタル記録モジュール。
【請求項22】
前記デジタル記録モジュールが、所定イベントが起こったという前記工程管理システムからの指示を受けるとき、前記保存モジュールは、前記所定イベントの発生に近いリアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも一部分を保存する請求項21に記載のデジタル記録モジュール。
【請求項23】
ユーザ定義可能なイベントの少なくとも1つを特定するオペレータ入力を受け取るように適合された制御モジュールを更に含み、
前記所定イベントは、前記第1のユーザコンソールが前記ユーザ定義可能なイベントの少なくとも1つが起きたことを検出することである、求項22に記載のデジタル記録モジュール。
【請求項24】
ユーザからのコマンドに応答して、前記リアルタイムデジタルビデオ記録の少なくとも1つの部分とビデオ、イベント、及び連続履歴の少なくとも一つとの同期された組み合わせを提供するように適合された再生モジュールを更に含む請求項21〜請求項23の何れか1項に記載のデジタル記録モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、工程管理システムに関し、特に工程管理システムにおけるユーザディスプレイに示されるビデオ出力をデジタルに記録するための技術及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、石油、又は他のプロセス中に用いられるような工程管理システムは通常、少なくとも1つのホスト又はオペレータワークステーション並びにアナログバス、デジタルバス及びアナログバスとデジタルバスが組み合わさったバスを経由して1つ以上のフィールド装置に通信可能に接続された中央集中型工程制御装置を含む。例えば、バルブ、バルブポジショナー、スイッチ及び送信器(例えば、温度、圧力、及び流速センサー)であり得るフィールド装置は、バルブの開閉及びプロセスパラメータの測定のようなプロセスで機能を果たす。工程制御装置は、フィールド装置により為されたプロセス測定を示す信号及び/又はフィールド装置に関する他の情報を受け取り、この情報を制御ルーチンを実施するために用い、プロセスの操作を制御するためにバス上でフィールド装置に送られる制御信号を生成する。フィールド装置及び制御装置からの情報は通常、オペレータがプロセスの現況を見たりプロセス操作を修正する等のプロセスに関する望まれた機能を実施したりすることを可能にするためにオペレータワークステーションにより実行される1つ以上のアプリケーションに利用可能である。
【0003】
例えば、臨界操作状態又は工程管理パラメータ値が臨界値を超えた時、又はプラントの安全性に問題が生じた時、又は他の異常状況が工程管理システムで発生する時のようなプラントの事故が起きた時、操作員は、可能性のある事故の原因を究明し、事故に対するオペレータの応答を評価するために工程管理システム情報を分析しなければならない。通常この調査は、(アラームに関する詳細情報及びアラームに応答して為された工程管理システムに対して為されたオペレータによる変更のような)イベントジャーナル及びデータ履歴に自動的に収集され保存されたプロセスデータへの入力の注意深い分析を含む。この分析は、非常に時間がかかり得、プラントの事故を起こした状況を再現するために必要な全ての情報を提供することはない。特に、管理システムでは通常、オペレータがコンソールで何を見たか、またオペレータが関連すると思われる情報に如何にナビゲートしたか、そして最終的に、事故を解決しようとする際にオペレータがどのような行動を取ったか(または取らなかったか)か、についての検討をすることができない。
【0004】
更に、プラントオペレータがプラントを操作することにおける問題を経験する時、一般に、問題を文書化し、適切な担当者に報告するよう要求される。しかしながら、しばしば、問題を記録するのに必要な情報は、取得することが難しく、容易に再現されない可能性がある。しばしば、かなりの時間が、文書化、調査、理解、及び必要であれば、問題を再現するのに必要とされる。
【0005】
加えて、工程管理システムを使用する多くの事業体は、プラントオペレータが工程管理システムの操作の間に遭遇し得る如何なる数の操作状況においても、プラント人員によって実行されるべき標準操作手順書(SOP)を定式化する事により操作能率を向上させようとしている。そのようなSOPは通常、工程管理システムを操作する責任がある人員により参照されるように、プラントマニュアルの標準テキスト文書として維持される。
【0006】
なお更に、会社が成長して、変化する労働力人口に適応するためには、プラント人員により生み出された操作知識を捕らえ、維持し、その操作知識を他のプラント人員および新しい職員に受け渡す事が重要である。オペレータ訓練プログラムはしばしば、工程管理シミュレータ、及び/または、より熟練したオペレータと共に行う職場内訓練を採用する。オフライン工程管理シミュレータは、オペレータが遭遇しうる重要な操作状態を捕らえるために多様なトレーニングシナリオを定義することを可能にする。しかしながら、職場内訓練では、オペレータは長い間、工程管理システムのすべての可能な運転状況を経験することがない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
工程管理システムは有利に、工程管理システムの1つ以上のユーザディスプレイに提供される表示画像のリアルタイムデジタルビデオ記録を作成する能力及びリアルタイムデジタルビデオ記録の1つ以上の部分を保存する能力を有することができる。
【0008】
1つの実施例において、工程管理システムから取得された情報を含む表示画像を提供するように適合されたユーザディスプレイを備えた持つ少なくとも第1のユーザコンソールを有する工程管理システムのために、デジタル記録モジュールを提供することができる。そのようなデジタル記録モジュールは、第1のユーザコンソールのユーザディスプレイを通して提供される表示画像の少なくとも一部分(その部分は工程管理システムから取得した少なくとも幾らかの情報を含む)のリアルタイムデジタル記録を作成するための画像キャプチャモジュール(その画像キャプチャモジュールはリアルタイムデジタル記録の終末部をバッファリングするように適合される。)と、リアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存するための画像キャプチャモジュールと結合された保存モジュールと、を含んでも良い。保存モジュールは、先入り先出ベースで絶えずリアルタイムデジタル記録の終末部を保存することができる。画像キャプチャモジュールは、第1のユーザコンソールに追加して又は第1のユーザコンソールの代わりに1台以上のユーザコンソールを通して提供された表示画像の少なくとも一部分のリアルタイムデジタル記録を作るために構成されても良く、保存モジュールは、各ユーザコンソールのためにリアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存するために適合されても良い。
【0009】
画像キャプチャモジュールと保存モジュールはユーザコンソールか別のコンソールで実行可能なソフトウエアを含んでも良く、または画像キャプチャと記憶能力はユーザコンソールに結合可能な別々のハードウェアの部品又は工程管理システムのいかなる他の適切な部品において実現されても良い。
【0010】
デジタル記録モジュールは複数のユーザコンソールを含む工程管理システムで使用可能である。各ユーザコンソールは、工程管理システムから取得された情報を含む各表示画像を提供するように適合されたユーザディスプレイをそれぞれ有し、画像キャプチャモジュールにより為されたリアルタイムデジタル記録は、複数のユーザディスプレイのそれぞれ通じて提供された各表示画像の少なくとも一部分の記録を含む。
【0011】
デジタル記録モジュールは追加的に又は代替的に、複数のユーザコンソールを含む工程管理システムで使用可能であっても良く、各ユーザコンソールは,工程管理システムから取得された情報を含む各表示画像を提供するように適合されたユーザディスプレイを有し、複数のユーザディスプレイのそれぞれは、そのユーザディスプレイを通じて提供された各表示画像の少なくとも一部分の記録を含むリアルタイムデジタル記録を作る画像キャプチャモジュールを含む。
【0012】
デジタル記録モジュールが、所定のイベントが起こったという工程管理システムからの指示を受けるとき、保存モジュールは、所定イベントの発生を包含する、又はそれに近いリアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存することができる。これに関連して、所定のイベントは、例えば、工程管理限界を超過したこと、管理システムオペレータ又は管理システムの他のユーザ(例えば、監督者、技術者など)がユーザコンソールを通じて工程管理パラメータを変更すること、アラーム状況が工程管理システムに存在していることを含んでもよく、又は、少なくとも1つのユーザ定義可能なイベントを指定するユーザ入力を受け取るように適合された制御モジュールを含む実施例では、所定のイベントは、工程管理システム又は工程管理システムで作動するアプリケーションが、ユーザの定義可能なイベントの少なくとも1つが起こり、対応するパラメータを設定するか、別の方法でイベントが検出されたという信号をデジタル記録モジュールに送るということであっても良い。制御モジュールは、各ユーザ定義可能なイベントに対応する記録持続時間を指定するユーザ入力を受け取るためにさらに適合されても良く、工程管理システムが、ユーザの定義可能なイベントの1つが起こったことを検出するとき、保存モジュールは、そのユーザ定義可能なイベントに対応する記録持続時間と等しい持続時間を持つリアルタイムデジタル記録の部分を保存しても良い。また、リアルタイムデジタル記録は、例えば、ユーザコンソールに位置するマイクロホンによって等、イベントがリアルタイムに起こっている間に検出されたオーディオ情報を含んでも良い。
【0013】
デジタル記録モジュールは更に、リアルタイムデジタル記録のオーディオ、テキスト、及び、図形情報の少なくとも1つを含めるための編集モジュールを含んでもよく、及び/又は、保存モジュールにより記憶されたリアルタイムデジタル記録の部分を指定する入力を受け、リアルタイムデジタル記録の指定された部分をディスプレイを通じて提供するように適合された再生モジュールを含んでも良い。再生モジュールは、ユーザからのコマンドに応答して、リアルタイムデジタル記録の少なくとも1つの部分とビデオ、イベント、及び連続履歴の少なくとも一つとの同期された組み合わせを提供するように適合されても良い。
【0014】
工程管理システムは、それぞれが複数イベントの各々に対応する、複数のイベント記録を含むイベント履歴を有しても良く、また再生モジュールは、複数イベントの1つを指定する入力を受け取り、複数イベントのうちの指定された1つに対応する、保存モジュールにより保存されたリアルタイムデジタル記録の部分を、ディスプレイにより提供するように適合されても良い。
【0015】
別の実施例において、工程を管理する工程管理システムは、工程管理システムから取得された情報を含む表示画像を提供するために適合されたユーザディスプレイを備えた少なくとも第1のユーザコンソールと、第1のユーザコンソールのユーザディスプレイを通じて提供された表示画像の少なくとも一部分(その部分は工程管理システムから取得した少なくとも幾らかの情報を含む)のリアルタイムデジタル記録を作成するための、リアルタイムデジタル記録の終末部をバッファリングするように適合された画像キャプチャモジュールと、リアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存するための、画像キャプチャモジュールに結合された保存モジュールと、を含む。
【0016】
さらに別の実施例において、工程管理システムから取得された情報を含む表示画像を提供するように適合されたユーザディスプレイを備えた少なくとも第1のユーザコンソールを有する工程管理システムは、第1のユーザコンソールのユーザディスプレイを通して提供された表示画像の少なくとも一部分のリアルタイムデジタル記録を作ることにより操作されても良く、表示画像のその部分は、工程管理システムから取得された少なくとも幾らかの情報を含み、リアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存する。如何なる特定の時においても、リアルタイムデジタル記録は、特定時の前に所定の長さの時間にわたって工程管理システムから取得された情報を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ユーザディスプレイのデジタルビデオ記録が作成可能な例示的工程管理システムを示す。
図2図1に示すような工程管理システムのデジタルビデオ記録モジュールにより記録され得る例示的画面表示を示す。
図3】重畳再生モジュールウィンドウを含むもう1つの例示的画面表示を示す。
図4】記録されたイベントのログを含む例示的画面表示を示す。
図5】再生するワークステーションを選ぶために使用することができる重畳ワークステーション選択ウィンドウを含む例示的画面表示を示す。
図6】デジタルビデオ記録と合わせて履歴傾向の表示を含むもう1つの例示的画面表示を示す。
図7】デジタルビデオ記録と共にオーディオ記録を提供するためにデジタルビデオ記録モジュールで使用することができるもう1つの例示的画面表示を示す。
図8】記録されたイベントに音声吹き込みを加えるための吹き込み制御を含む例示的画面表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す様に、ユーザディスプレイのデジタルビデオ記録が作成され得る例示的工程管理システム10は、それぞれがディスプレイ画面14を持つ、1台以上のホストワークステーション又はコンピュータ13(例えば、如何なるタイプのパーソナルコンピュータ又はワークステーションであってもよい)に接続され、入力/出力(I/O)カード26と28を介してフィールド装置15〜22に接続された工程制御装置12を含むことができる。複数のワークステーション又はコンピュータ13は、図1に示すようにネットワーク9を介して相互接続されてもよい。制御装置12は、例えば、フィッシャーローズマウントシステムズ社(Fisher−Rosemount Systems Inc.)により販売される、DeltaV(登録商標) であってもよいが、例えば、イーサネット(登録商標)接続でホストコンピュータ13に通信可能に接続され、さらに、例えば、標準4―20ma装置及び/又は、フィールドバス(Fieldbus)プロトコルなどの如何なる洗練された通信プロトコルにも関連する任意の所望するハードウェア及びソフトウエアを用いてフィールド装置15−22に接続される。制御装置12は、そこに格納される、またはそれ以外の方法で関連づけられた工程管理ルーチンを実施、又は監視し、プロセスを如何なる任意の所望の方法で制御するために装置15−22とホストコンピュータ13と通信する。
【0019】
フィールド装置15〜22は、センサー、バルブ、送信器、ポジッショナー等如何なるタイプの装置であってもよく、I/Oカード26と28は、任意の所望の通信又は制御装置プロトコルに準拠する如何なるタイプのI/O装置であってもよい。図1で示された実施例では、フィールド装置15〜18は、アナログ線を通じてI/Oカード26と通信する標準4〜20ma装置であり、フィールド装置19〜22は、フィールドバスプロトコル通信を用いてデジタルバスを通じてI/Oカード28と通信するフィールドバス(Fieldbus)フィールド装置などの高性能装置である。もちろん、フィールド装置15〜22は、将来開発される如何なる規格やプロトコルをも含む、フィールドバスプロトコル以外の如何なる他の所望の規格またはプロトコルにも準拠しうる。
【0020】
制御装置12は、通常機能ブロックと普通呼ばれるものを用いる制御戦略を実施するように構成され、制御装置12では、各機能ブロックは制御ルーチン全体の一部(例えば、サブルーチン)であり、工程管理システム10の中で工程管理ループを実施するために他の機能ブロック(リンクと呼ばれる通信を通じて)と共に機能する。機能ブロックは通常、送信器、センサー、又は任意の他のプロセスパラメータ測定装置に関連するような入力機能、又はPID、ファジー論理等制御を実行する制御ルーチンに関連するような制御機能、又は、工程管理システム10のある種の物理的機能を実行するためにバルブなどのある種の装置の動作を制御する出力機能を実行する。もちろんハイブリッド及び他のタイプの機能ブロックは存在し、制御装置12の制御戦略に使用されてもよい。機能ブロックは、制御装置12に格納され、実行されてもよく、それは、機能ブロックが標準4〜20ma装置及びある種の高性能フィールド装置のために使われ、又は関連する場合に、典型的である。あるいは、機能ブロックは、フィールド装置自体に格納され、実施されてもよく、フィールドバス装置の場合がそれに該当する。ここに説明される管理システム10は、機能ブロック制御戦略を採用するが、制御戦略は、代替的に又は追加的に、例えば、ラダーロジックのような他の手法を用い、実施又は設計可能である。
【0021】
デジタル記録モジュール11は、工程管理システム10の、例えば、1台以上のコンピュータのような1台以上のユーザコンソールに存在するソフトウェアプログラム又はソフトウェアプログラムの集合を含んでも良く、又は示されたような工程管理システム10に結合された独立のハードウェア部品を含んでも良いが、ハードウェアベース又はソフトウェアベースの画像キャプチャモジュール30を含んでもよい。画像キャプチャモジュール30は、ディスプレイ14を通じて1台以上のコンピュータ13により提供された表示画像、又は工程管理システム10から1台以上のコンピュータ13により取得された情報を含むその表示画像の少なくとも一部分のリアルタイムデジタル記録を作成可能である。示されるように、デジタル記録モジュール11は、イベントと工程管理システム10の連続した履歴にアクセスするためにネットワーク9を介して工程管理システム10と結合され、また、各ホストコンピュータ13のビデオ信号にアクセスするために、例えば、各ホストコンピュータ13のビデオカード出力を通じ、又は、各ホストコンピュータ13のディスプレイ画面14上の外部ビデオ結合器を通じて結合される。
【0022】
画像キャプチャモジュール30は、リアルタイムデジタル記録の終末部をバッファリングするように構成され、それにより、いつでも、最新の期間(すなわち、終末部)にされたリアルタイムデジタル記録が、全体で又は一部で表示又は保存のために利用可能である。この意味で、リアルタイムデジタル記録は、表示画像の最新の部分、したがって工程管理システムで起こる最新のイベントを保持する循環バッファを含んでもよい。デジタル記録モジュール11は、リアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を保存するため画像キャプチャモジュール30と結合された保存モジュール31も含んでもよい。画像キャプチャモジュール30と保存モジュール31は、例えば、1台以上のユーザコンソールかコンピュータ13で実行可能なソフトウエアにおいて、又は工程管理システム10の1台以上のコンピュータ13及び/又は他の装置にインターフェースで接続するハードウェアで実施されてもよい。任意に、保存モジュール31は、先入り先出しベースで絶えずリアルタイムデジタル記録の終末部を保存してもよい。
【0023】
各ユーザコンソール又はコンピュータ13は、それぞれ、工程管理システム10又はそこにあるどの制御装置からでも取得された情報を含む各表示画像を提供するように適合された各ユーザディスプレイ14を有してもよく、リアルタイムデジタル記録は、集中型画像キャプチャモジュール30で作成されてもよく、図1に示されているように、各ユーザディスプレイ14を通じて提供された各表示画像の少なくとも一部分の記録を含んでもよい。代替的に、各コンピュータ13は、それ自体のユーザディスプレイ14を通じ、及び/又は1台以上の他のコンピュータ13のユーザディスプレイ14を通じて提供された各表示画像の少なくとも一部分の記録を含む、別個のリアルタイムデジタル記録を作るそれ自体の画像キャプチャモジュール30を有してもよい。実際、リアルタイムデジタル記録は、工程管理システム10の1台以上のコンピュータ13に入力され、又は別の方法で受け取られたすべて又は幾らかの情報を含んでもよい。任意に、リアルタイムデジタル記録モジュール11は、オペレータが使用可能なやり方で工程管理システムから取得された、ユーザディスプレイ14の如何なる従来のアプリケーション・ソフトウエアの表示情報をも含むように構成されてもよく、ユーザが必要に応じて工程管理システムのパラメータ設定への変更を行うことを可能にし、そして、それらの変更は、工程管理システムに記録される。
【0024】
画像キャプチャ機能が集中化されているか、分散されているかに関わらず、デジタル記録モジュール11が、所定イベントが起こったという指示を工程管理システム10から受ける時、保存モジュール31は、所定イベントの発生を包含するか、その発生に近いリアルタイムデジタル記録の少なくとも一部分を自動的に保存するように構成されてもよい。そのような所定イベントは例えば、工程管理限界の超過、コンピュータ13を介した工程管理パラメータのオペレータによる変更、工程管理システム10における高優先度又は他のアラーム状態の存在、工程管理システム10の安全停止、又は工程管理システム10のオペレータから受け取られた入力によって特定されたユーザ定義可能なイベントの発生でさえ含んでもよい。それぞれのそのような所定のイベントの発生に近いリアルタイムデジタル記録は、所望に応じて、工程管理システム10のいずれか又は全てのコンピュータ13の全又は部分表示画像を含むように構成されてもよい。
【0025】
デジタル記録モジュール11は、そのような各ユーザ定義可能なイベントに対応する各記録持続時間を特定するユーザ入力を受け取るように適合されてもよく、デジタル記録モジュール11がユーザ定義可能なイベントの1つが起こったことを検出する時、保存モジュール31は、そのユーザ定義可能なイベントに対応する各記録持続時間を有するリアルタイムデジタル記録の部分を保存してもよい。時間ベースのオフセットはいくつかのイベントに関連させることができ、それにより、イベントの検出は、イベントの発生の前に始まるリアルタイムデジタル記録のバッファリングされた部分(負のオフセットに対応する)の保存、イベントが起こった後に始まる部分(正のオフセットに対応する)の保存、又は同時にイベントの発生と共に始まる部分(ゼロオフセットに対応する)の保存の引き金となることができる。どのような場合でも、上で述べたように、特定のイベントのために保存されたリアルタイムデジタル記録の部分は、特定のイベントの発生又は検出に近接する(検出の前、その間、又は後の)時間を包含してもよい。実例として、検出されたイベントがシステム停止である時に、主に知りたいと思われるリアルタイムデジタル記録の部分は、何が起こってシステム停止を引き起こしたか(すなわち、イベントの前に始まる部分)を示すものであり得る。イベントがシステム停止を引き起こさない場合、その後のイベントに対するオペレータの応答が、より知りたいことであり得、その場合、リアルタイムデジタル記録の部分は、イベント検出と同時又は後に始まり得る。
【0026】
デジタルビデオ記録モジュール11はまた、オペレータが如何なるイベントの発生からも独立して、任意の所望するコンピュータ13について、任意の所望する持続時間のビデオセグメントを手動で保存することを可能にする「保存」機能を提供してもよい。
【0027】
リアルタイムデジタル記録はオペレータの口頭コメント、又はユーザディスプレイ14が表示画像を提供している間に、コンピュータ13に検出された他のオーディオ情報を含んでもよい。更に、デジタル記録モジュール11は、リアルタイムデジタル記録にオーディオ、テキスト及び/又は図形情報を含めるための編集モジュール33を含んでもよい。
【0028】
デジタル記録モジュール11は、保存モジュール31により保存されたリアルタイムデジタル記録の部分を指定する入力を受け取るように適合され、ディスプレイ(例えば、ユーザディスプレイ14又は他の適切なディスプレイ)によってリアルタイムデジタル記録の指定定された部分及び、もし所望であれば、工程管理システム10のイベント履歴及び/又は連続した履歴によって保有されたイベント情報、を提供するように適合された再生モジュール34を含んでもよい。それらの履歴は、工程管理システム10のサーバ、ユーザコンソール、又は他の任意の適切な装置に存在してもよい。
【0029】
なお更に、コンピュータ13は、それに関連する、それぞれが複数のイベントの各々に対応する、複数のイベント記録を含む、イベント履歴35を有してもよく、また再生モジュール34は、複数のイベントの1つを指定する入力を受け取り、複数のイベントのうちの特定された1つに対応する、保存モジュール31により保存されたリアルタイムデジタル記録の部分を、ディスプレイにより、提供するように適合されてもよい。この点で、再生モジュール34は、1台以上のユーザコンソールについてのデジタルビデオ記録の再生を、工程管理システムイベント及びそのイベントに対応する工程管理システム連続履歴記録の部分と同期するように適合される。
【0030】
イベントが工程管理システムに起こった後に、リアルタイムデジタル記録は、イベント中にオペレータによって見られた情報、及びイベントが起きている間に、イベントに対応してオペレータによって採られたステップを見直すのに使用することができ、プラント人員間のコミュニケーションを容易にし、リアルタイムデジタル記録を用いて、オペレータのイベントの取り扱いを見直すことによって、特定されたプラントの運転上の問題の是正に伴う時間とコストを削減する。
【0031】
図2は、工程管理システム10の操作の間にユーザディスプレイ14によってオペレータに提示され、ここに説明されたデジタル記録モジュール11により全体又は一部が捕らえられ、保存され得る例示的な画面表示50のスクリーンショットを描いている。示された画面表示50は図形的に例示的な軽油システム、関連する制御要素、及び装置を象徴的に描く。もちろん、ここに説明されたデジタルビデオ記録機能は、示された軽油システムの代わりに任意の所望するプロセスを制御する任意の工程管理システムと共に使用されてもよい。
【0032】
図2に示される画面表示50の上部面を横切ってメニューバー52とツールバー54が延びている。ツールバー54は特に、再生ボタン56を含み、オペレータ又は他のユーザによってクリックされ又は他の方法でオンされる時、図3に示されているように、再生モジュールウィンドウ60を起動することができる。より詳細には、図3に示されているように、示された再生モジュールウィンドウ60は、ユーザディスプレイ14上の画面表示50に重畳し得るもう1つのウィンドウを含んでもよく、詳細に以下に説明されるように表示画像又はその一部のリアルタイムデジタル記録を再生するためのコントロールを含んでもよい。代替的に、再生モジュール34は、コンピュータ13とは独立して稼働してもよい。例えば、以前に保存された記録を分析する監督者は、コンピュータ13を使用するオペレータへの邪魔を避けるためにおそらくコンピュータ13以外のコンソールで分析するであろう。
【0033】
図3に示されるように、「イベントの表示」ボタン62が提供されてもよく、オペレータが、イベントの表示ボタン62を押すか、又はクリックする時、イベントログ(すなわち、再生されているリアルタイムデジタル記録の部分の記録と同時に起きたイベントの工程管理システムのイベント履歴35に維持されたリスト)は、図4に示されるように、再生モジュールウィンドウ60の拡張領域64に表示されてもよい。例えば、イベントログは、イベントログのイベントのうちの選択された1つに関連するリアルタイムデジタル記録の部分の再生を開始するのに使用されてもよい。
【0034】
任意に、イベントログを捜す能力が提供されてもよい。例えば、図4に示されるように、拡張領域64にイベントログが表示される際、検索クエリーボックス66は、イベントログの中で捜すべき一連の英数字を含む検索クエリーのオペレータ又は他のユーザによる入力のエントリーを受け入れるために、再生モジュールウィンドウ60に提示されてもよい。「検索」ボタン68が提供され、押されるか又は、クリックされると、イベントログ中の、オペレータ又はユーザによって入力された一連の英数字を含む次のエントリーについて、イベントログの検索を開始する。示されるように、図4において参照数字70で示される、イベントログにおける、検索クエリーを含む最初のイベント記録は、検索ボタン68が起動された後に、色地で強調される。この検索能力は更に、それ以降の検索ボタン68の起動ごとに、イベントログ中の次に続く検索クエリーを含むイベント記録の検索を継続し、強調することを可能にする。
【0035】
図5に示されるように、再生モジュールウィンドウ60はまた、「ワークステーション選択」ボタン又はタブ72も含んでもよく、押されるか、又はクリックされると画面表示50はワークステーション選択ウィンドウ74を表示する。ワークステーション選択ウィンドウ74は、図5において再生モジュールウィンドウ60に重畳する。ワークステーション選択ウィンドウ74は、デジタルビデオ記録技術により、オペレータ又は他のユーザが再生することが可能なデジタルビデオ記録を有する、工程管理システム10で稼動するコンピュータ13のリストを表示することができる。チェック・ボックスが、コンピュータ13のリストにおける各エントリーに隣接して提供されてもよく、表示又は再生が順次又は同時に所望される1台以上のコンピュータ13を選択するためにオペレータ又はユーザがチェックするか、又はチェックを外すことができる。ユーザの選択は、ワークステーション選択ウィンドウ74の「OK」ボタン76を単にクリックすることによって、実行されてもよい。オペレータのユーザが、選択されたコンピュータ13に保存されたデジタルビデオ記録から再生が望まれる1つ以上の記録を選択することを可能にする手段が提供されてもよい。例えば、各記録は、ユーザが再生のために記録を選択することができる関連するタイムスタンプ又は他の適切な識別を有してもよい。
【0036】
図6に示される通り、再生モジュールウィンドウ60はまた、「傾向の表示」ボタン又はタブ80を含んでもよい。タブ80は、押されるか又はクリックされると、再生モジュールウィンドウ60が工程管理システム10の連続履歴を検索し、デジタルビデオ記録とは別に又は同期して、デジタルビデオ記録された期間における、選択された工程管理変数又は工程管理システム10で測定された他の値の傾向のグラフ表示をする。示されるように、そのような複数の図形傾向表現82が、再生モジュールウィンドウ60の傾向ウィンドウ84に同時に示されてもよい。これらの傾向は、例えば、工程管理システムの操作中に起こるイベントとプラントオペレータによるそれらのイベントの取り扱いを評価する時に有益でありうる。そのような傾向データに加えて、ユーザはまた、1つ以上のコンピュータ13からのデジタルビデオ記録、イベントデータ、及び連続履歴データを同時に見ることができる。
【0037】
図7は、工程管理システム10の操作の間に制御室又はどこか他の場所に記録されたオーディオが、再生モジュールウィンドウ60に示されたデジタルビデオ記録の表示と同時に再生可能であるオーディオ再生能力を示す。オーディオ・コントロール90が、再生モジュールウィンドウ60のスピーカーアイコン95をクリックすることによる再生中に、オペレータ又はユーザが再生ボリュームを調整し、又は記録されたオーディオの音を消すことができるボリューム調整スライダー・コントロール92と「黙音(ミュート)」ボタン94とを有して、提供されてもよい。
【0038】
図8に示される通り、「声音追加」ボタン96が提供されてもよく、押されるか又はクリックされると、オペレータ又はユーザが同時ナレーション、補足吹き込み、又は他のオーディオ資料を記録されたイベントに対応する記録に含めることができ、それにより、オペレータ又はユーザは、イベント中又は後に、記録されたイベント及び/又はイベントに対応して取られた行動について口頭で詳しく説明し、リアルタイムデジタルビデオ記録が作られた時に広く存在していたプラント状況をより良く文書化することができる。この目的のために、マイクロホンと任意のヘッドセットを、図8に示されるように、コンピュータ13のオペレータ又はユーザが使用するように提供してもよい。
【0039】
上で本発明の数多くの異なる実施例の記述について詳しく説明するが、本発明の範囲は、この特許出願の終わりに詳しく説明される特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。上の詳しい記述は、例示のみであると解釈されるべきであり、本発明のあらゆる可能な実施例について記述してはいない。それは、あらゆる可能な実施例を記述することは、不可能ではないとしても、非現実的であろうからである。数々の代替の実施例を、現在の技術、又はこの特許出願の出願日の後に開発された技術を使用して実施し得、それらも、本発明を定義するクレームの範囲内に留まるであろう。
【0040】
このように、本発明の趣旨と範囲から逸脱せずにここに記述され、描かれた、技術と構造の多くの変更と変形が可能である。従って、ここに説明された方法と装置は例示のみであり、本発明の範囲を制限しない事は理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8