特許第5657265号(P5657265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657265
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】部材の固定構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/04 20060101AFI20141225BHJP
   F16B 5/06 20060101ALN20141225BHJP
【FI】
   F16B5/04 B
   !F16B5/06 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-82754(P2010-82754)
(22)【出願日】2010年3月31日
(65)【公開番号】特開2011-214650(P2011-214650A)
(43)【公開日】2011年10月27日
【審査請求日】2012年9月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】池亀 栄作
(72)【発明者】
【氏名】水沼 友幸
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−260739(JP,A)
【文献】 実開平02−044106(JP,U)
【文献】 特開2001−227522(JP,A)
【文献】 実公昭45−033365(JP,Y1)
【文献】 実開平04−101004(JP,U)
【文献】 実開平03−125906(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/04
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部から突出するボスを有する第1部材と、
前記ボスの先端が固定される基部を有する第2部材とを備えた部材の固定構造であって、
前記ボスの周囲に配置されて前記第1部材の基部と前記第2部材の基部との間隔を保持するスペーサ部が、前記第2部材の基部から突出して前記第1部材の基部に接触するように、前記第2部材に設けられ、
前記第2部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、
前記複数のリブと前記ボスとが非接触であり、
前記第2部材の基部には、前記ボスの先端を固定するための孔が形成され、
前記ボスの先端は、前記第2部材の基部の孔を貫通して前記第2部材に熱溶着されていることを特徴とする部材の固定構造。
【請求項2】
前記複数のリブは、他のリブで連結されていることを特徴とする請求項1に記載の部材の固定構造。
【請求項3】
前記第1部材には、当該第1部材の基部から突出して前記第2部材の基部に接触するスペーサ部がさらに設けられ、
前記第1部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、前記第2部材の複数のリブの間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部材の固定構造。
【請求項4】
前記第1部材には、当該第1部材の基部から突出して前記第2部材の基部に接触するスペーサ部がさらに設けられ、
前記第1部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、前記他のリブと非接触であることを特徴とする請求項2に記載の部材の固定構造。
【請求項5】
前記第2部材において径方向に延びる各リブの長さは、前記第1部材において径方向に延びる各リブの長さよりも長いことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の部材の固定構造。
【請求項6】
前記第1部材には、当該第1部材の基部から突出して前記第2部材の基部に接触するスペーサ部がさらに設けられ、
前記第1部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、
前記第2部材のスペーサ部と前記第1部材の基部との接触面積が、前記第1部材のスペーサ部と前記第2部材の基部との接触面積よりも大きくなるように、各スペーサ部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部材の固定構造。
【請求項7】
前記第2部材の基部には、前記第2部材の前記スペーサ部よりも柔らかく、かつ、衝撃力を吸収する弾性変形可能な衝撃緩衝材が、前記第2部材の前記スペーサ部よりも外側に配置され、かつ、前記第1部材の基部に接触するように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の部材の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部材をボスを介して固定するための部材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基部から突出するボスを有する第1部材と、ボスの先端が固定される基部を有する第2部材とを備えた部材の固定構造が知られている(特許文献1参照)。具体的に、この構造では、ボスの周囲に、ボスの補強用もしくは2つの部材の間隔を保持するスペーサ部として機能するためのリブが、基部とボスを繋ぐように放射状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−166782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、第1部材のボス付近に、ボスの軸方向に沿った荷重が第1部材側から第2部材側に向けて加わると、リブの根元(リブと基部の間の隅部)に応力が集中して第1部材に応力が集中するおそれがあったので、応力を確実に分散することが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、ボスの軸方向に荷重が加わった場合であっても、1つの部材に応力が集中するのを確実に抑えることができる部材の固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明は、基部から突出するボスを有する第1部材と、前記ボスの先端が固定される基部を有する第2部材とを備えた部材の固定構造であって、前記ボスの周囲に配置されて前記第1部材の基部と前記第2部材の基部との間隔を保持するスペーサ部が、前記第2部材の基部から突出して前記第1部材の基部に接触するように、前記第2部材に設けられている。前記第2部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、前記複数のリブと前記ボスとが非接触となっている。前記第2部材の基部には、前記ボスの先端を固定するための孔が形成され、前記ボスの先端は、前記第2部材の基部の孔を貫通して前記第2部材に熱溶着されている。
【0007】
これによれば、第1部材のボス付近に軸方向に荷重が加わった場合であっても、その荷重が第2部材のスペーサ部を介して第2部材に伝達されるので、第1部材のみにスペーサ部がボスと一体に設けられる形態に比べ、第2部材に荷重を分散させて、第1部材に応力が集中するのを抑えることができる。
【0009】
また、放射状のリブでボスが補強される(ボスの倒れが抑えられる)ので、ボスの剛性を高めることができる。
【0010】
なお、前記複数のリブは、他のリブで連結されていてもよい。
また、前記第1部材には、当該第1部材の基部から突出して前記第2部材の基部に接触するスペーサ部がさらに設けられ、前記第1部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、前記第2部材の複数のリブの間に配置されていてもよいし、前記他のリブと非接触であってもよい。
また、前記第2部材において径方向に延びる各リブの長さは、前記第1部材において径方向に延びる各リブの長さよりも長くてもよい。
また、前記第1部材には、当該第1部材の基部から突出して前記第2部材の基部に接触するスペーサ部がさらに設けられ、前記第1部材のスペーサ部は、前記ボスから径方向に放射状に延びて、前記ボスを周囲から支えるように設けられる複数のリブであり、前記第2部材のスペーサ部と前記第1部材の基部との接触面積が、前記第1部材のスペーサ部と前記第2部材の基部との接触面積よりも大きくなるように、各スペーサ部が形成されていてもよい
【0011】
これによれば、第1部材のスペーサ部よりも第2部材のスペーサ部が広い範囲で基部と接触するので、荷重を第2部材に分散させて、第1部材に応力が集中するのを抑えることができる。
【0014】
また、前記第2部材の基部には、前記第2部材の前記スペーサ部よりも柔らかく、かつ、衝撃力を吸収する弾性変形可能な衝撃緩衝材が、前記第2部材の前記スペーサ部よりも外側に配置され、かつ、前記第1部材の基部に接触するように設けられていてもよい
【0015】
これによれば、衝撃緩衝材により荷重を吸収できるので、第1部材に応力が集中するのをより抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
発明によれば、第1部材のみにスペーサ部がボスと一体に設けられる形態に比べ、第2部材に荷重を分散させて、第1部材に応力が集中するのを抑えることができる。
【0019】
また、本発明によれば、ボスの剛性を高めることができる。
【0020】
また、本発明における第2部材のスペーサ部と第1基材の基部との接触面積が第1部材のスペーサ部と第2部材の基部との接触面積よりも大きくなる構成によれば、荷重を第2部材に分散させて、第1部材に応力が集中するのを抑えることができる。
【0022】
また、本発明における衝撃緩衝材を有する構成によれば、第1部材に応力が集中するのをより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る部材の固定構造を示す分解斜視図である。
図2図1の構造を下側から見た平面図(a)と、図2(a)のI−I線で切った断面図(b)である。
図3】リブを円筒状にした形態を示す平面図(a)と、図3(a)のII−II線で切った断面図(b)である。
図4】衝撃緩衝材を設けた形態を示す平面図(a)と、図4(a)のIII−III線で切った断面図であり、2つの部材を組み付ける前の状態を示す断面図(b)と、組み付け後の状態を示す断面図(c)である。
図5】スペーサ部を折れ曲がった形状に形成する形態を示す平面図(a)と、図5(a)のIV−IV線で切った断面図(b)である。
図6図5の第2延在部の変形例を示す断面図である。
図7】第1部材と第2部材の両方にリブを設けた形態を示す図であり、第1部材を示す平面図(a)と、第2部材を示す平面図(b)である。
図8図7に示す第1部材と第2部材を組み付けた状態を示す平面図(a)と、図8(a)のV−V線で切った断面図(b)である。
図9図7(b)に示す第2部材に新たなリブを追加した形態を示す図であり、第1部材を示す平面図(a)と、第2部材を示す平面図(b)と、第1部材と第2部材を組み付けた状態を示す平面図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、部材の固定構造Mは、板状の第1部材1と、板状の第2部材2とを備えている。なお、第1部材1や第2部材2としては、どのような部材を採用してもよく、例えばドアライニングや当該ドアライングに取り付けるアームレストなどの部材を採用することができる。
【0026】
第1部材1は、板状の基部11と、基部11から第2部材2に向けて突出するボス12とを有している。
【0027】
基部11は、内部に複数の気泡を有する発泡樹脂材料11aと、当該発泡樹脂材料11aを挟み込む一対のスキン層11bとで形成されている。なお、発泡樹脂材料11aとしては、どのような材料を採用してもよく、例えば発泡ポリプロピレンなどを採用することができる。
【0028】
ボス12は、一方(第2部材2側)のスキン層11bに一体に形成されている。
【0029】
第2部材2は、樹脂で形成された板状の部材であり、板状の基部21と、第1部材1の基部11と第2部材2の基部21との間隔を保持するスペーサ部の一例としての4つ(複数)のリブ22とを有している。
【0030】
基部21には、ボス12の先端12aを固定するための孔21aが形成されている。具体的に、ボス12の先端12aは、図2(b)に示すように、基部21の孔21aを貫通した後、加熱された治具で溶融されることで基部21に固着される。
【0031】
リブ22は、基部21から突出して第1部材1の基部11に接触することで第1部材1と第2部材2との間隔を保持しており、基部21に一体に形成されている。リブ22は、図2(a)および図1に示すように、各部材1,2を固定した際にボス12の周囲に近接して配置されるようになっており、ボス12から径方向に放射状(十字状)に延びるように形成されている。これにより、第1部材1のボス12を第2部材2のリブ22で補強して、ボス12の剛性を高めることが可能となっている。
【0032】
すなわち、本実施形態では、2つの部材1,2の間隔を保持するとともに、ボス12の補強を兼ねるリブ22が、従来のようにボス12を有する第1部材1に設けられるのではなく、ボス12がない方の第2部材2に設けられている。これにより、図2(b)に矢印で示すように、第1部材1側から第2部材2側に向けて第1部材1のボス12付近に軸方向に衝突荷重が加わった場合に、第1部材1の基部11がボス12を中心に下側(第2部材2側)に凹むように撓んだ場合であっても、第1部材1にリブ22が固定されていないことより、リブ22と第1部材1の基部11との間の隅部に応力が集中することがなく、第2部材2に荷重を分散させることができる。
【0033】
すなわち、従来のようにボスとリブと基部が一体に第1部材に形成されていると、衝突荷重によりボスとリブが第2部材側に移動するとともに基部が凹状に撓むときに、形状変化の大きい部分であるリブと基部との間の隅部(接続部)に応力が集中して加わる。これに対し、本実施形態では、第1部材1にはリブがないので、形状変化が大きくなるところがなく、第1部材1に応力が集中し難くなっている。
【0034】
さらに、第2部材2に設けられたリブ22は、ボス12と一体になっていないので、仮に第2部材2が孔21aの付近で撓んだとしても、リブ22はボス12に拘束されることなく自由に向きを変えることができる。そのため、リブ22の根元に応力集中することが抑制される。
【0035】
以上により、ボス12の軸方向に荷重が加わった場合であっても、1つの部材に応力が集中するのを確実に抑えることができる。
【0036】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。なお、以下の説明では、前記実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0037】
前記実施形態では、スペーサ部として放射状のリブ22を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば図3(a),(b)に示すように、円筒状のリブ23を採用してもよい。具体的に、このリブ23は、ボス12から離れた位置で当該ボス12を囲うように形成されている。この構造では、リブ23をボス12に近接させないため、リブ23のボス12との位置精度を厳密に管理する必要がなく、各部材1,2Aの組み付けを容易にすることができる。
【0038】
また、図4(a)〜(c)に示すように、リブ23とは別に、リブ23よりも柔らかく、かつ、衝撃力を吸収する弾性変形可能な衝撃緩衝材の一例としてのスポンジ24を第2部材2Bの基部21に設けてもよい。なお、衝撃緩衝材としては、ゴムやバネなどの部材を採用してもよい。
【0039】
具体的に、スポンジ24は、円筒状のリブ23の径方向外側に離れて配置される円筒状に形成されており、図4(b)に示すように、リブ23よりも高くなるように(第1部材1側に突出するように)形成されている。これにより、図4(c)に示すように、各部材1,2Bを固定した際には、スポンジ24が第1部材1の基部11に確実に接触するようになっている。
【0040】
この構造によれば、第1部材1のボス12付近に加わった衝撃荷重をスポンジ24で吸収することができるので、第1部材1に応力が集中するのをより抑制することができる。なお、スポンジ24の形状やリブ23の形状は、円筒状に限定されず、任意に様々な形状を採用できる。
【0041】
また、図5(a),(b)に示すように、第2部材2Cのスペーサ部25を、板状の基部26から第1部材1に向けて折れ曲がって延びる第1延在部251と、第1延在部251の先端から折れ曲がって延びる第2延在部252とで構成してもよい。
【0042】
具体的に、第1延在部251は、ボス12が固定される部位である基部26から第1部材1に向かう程、ボス12の径方向外側に拡径するように延びている。そのため、第1延在部を円筒状(ボス12の軸方向に平行な円筒状)に形成するものに比べ、第1延在部251が基部26との接続部を中心に曲げ変形可能となるので、衝撃荷重を吸収することができる。
【0043】
また、第2延在部252は、第1部材1の基部11に沿うようにボス12から離れる方向(径方向外側)に折れ曲がって延び、当該第1部材1の基部11に面接触している。そのため、折れ曲がった第2延在部252の広い面で荷重を受けることができるので、より大きな荷重を第2部材2Cに分散することができる。
【0044】
なお、第2延在部252を、図6に示すように、その先端部252Aが基部11から離れるように反らせて形成してもよい。これによれば、第2延在部252の先端部252A(エッジ部)が基部11に接触しないので、先端部252Aで基部11を傷つけることを防止することができる。
【0045】
前記実施形態では、第2部材2にのみリブ22(スペーサ部)を設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば図7(a),(b)に示すように、第2部材2にリブ22を設けた上で、第1部材1Dにも、第1部材1Dと第2部材2との間隔を保持するリブ17(スペーサ部)を設けてもよい。
【0046】
具体的に、第1部材1Dのリブ17は、図8(a),(b)に示すように、第1部材1Dの基部11から第2部材2側に突出して第2部材2の基部21に接触することで、第1部材1Dと第2部材2との間隔を保持している。また、リブ17は、ボス12の周囲に4つ配置されており、ボス12から径方向に十字状(詳しくはリブ22とは異なる方向)に延びるようにボス12と基部11とに一体に形成されている。これにより、リブ17によってボス12が強固に補強されている。
【0047】
そして、図8(a)に示すように、第2部材2のリブ22は、第1部材1Dのリブ17よりも幅広で、かつ、径方向に長く形成されている。すなわち、第2部材2のリブ22と第1部材1Dの基部11との接触面積が、第1部材1Dのリブ17と第2部材2の基部21との接触面積よりも大きくなるように、各リブ17,22が形成されている。
【0048】
この構造によれば、第1部材1Dのリブ17よりも第2部材2のリブ22が広い範囲で相手部品(基部11)と接触するので、より大きな荷重を第2部材2に分散させることができる。
【0049】
さらに、図9(a)〜(c)に示すように、図8の形態における4つのリブ22を、矩形の筒状のリブ27で一体に繋ぎ合わせてもよい。これによれば、各リブ22の剛性が高くなるので、第1部材1Dと第2部材2Eとの間隔の保持やボス12の補強をより確実に行うことができる。また、矩形のリブ27を各リブ22と同じ高さで形成することで、リブ22,27と第1部材1Dの基部11との接触面積がより大きくなるので、より大きな荷重を第2部材2Eに分散させることができる。
【0050】
なお、スペーサ部の構造は、前記実施形態に限定されず、例えば基部とは別個の部材を接着剤等で固着して基部と一体にすることでスペーサ部を構成してもよい。また、スペーサ部の形状や数は、前記実施形態に限定されず、例えば円柱や多角柱など様々な形状のスペーサ部を1本もしくは複数本設けて構成してもよい。
【0051】
前記実施形態では、ボス12の先端12aを溶かしてカシめることで第2部材2の基部21に固定させたが、本発明はこれに限定されず、例えばボスを第2部材の基部にネジによって締結することで固定してもよい。
【0052】
なお、前記実施形態では、基部11を発泡樹脂材料11aで形成したが、本発明はこれに限定されず、非発泡のポリプロピレンのような樹脂材料で形成してもよい。ただし、前記実施形態のように発泡樹脂材料11aを使用した場合には、軽量化を図ることができるが、荷重が加わったときの強度が発泡しない樹脂材料よりも劣る分、本発明の効果による強度向上が特に有効となっている。
【符号の説明】
【0053】
1 第1部材
2 第2部材
11 基部
12 ボス
12a 先端
21 基部
22 リブ
M 部材の固定構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9