(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の表示部は、前記第1の表示部の周囲に導電性の額縁を有して構成し、前記第2の長辺側及び前記第2の短辺側を構成する前記額縁の幅は、前記第1の長辺側及び前記第1の短辺側を構成する前記額縁の幅よりも短いことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<携帯端末100の概要>
まず、
図1〜
図3を参照しながら、本実施形態の携帯端末100の概要について説明する。
【0015】
本実施形態の携帯端末100は、第1の表示部1を有する第1の筐体10と、第2の表示部2を有する第2の筐体20と、がヒンジ30A,30Bを介して開閉可能な携帯端末100である。
【0016】
本実施形態の第1の筐体10と第2の筐体20とは、第1の筐体10と第2の筐体20とがヒンジ30A,30Bを介して近接する側を構成する第1の長辺10A,20Aと、第1の長辺10A,20Aと対向する側を構成する第2の長辺10B,20Bと、第1の長辺10A,20Aの一方の端部と第2の長辺10B,20Bの一方の端部とを連結する第1の短辺10C,20Cと、第1の長辺10A,20Aの他方の端部と第2の長辺10B,20Bの他方の端部とを連結する第2の短辺10D,20Dと、を有して構成し、第1の筐体10と第2の筐体20とがヒンジ30A,30Bを介して閉じた状態で、第1の長辺10A,20A同士と、第2の長辺10B,20B同士と、第1の短辺10C,20C同士と、第2の短辺10D,20D同士と、が近接する。
【0017】
本実施形態の携帯端末100は、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域には、携帯端末100を操作する操作部50を有し、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域には、無線通信に使用するアンテナ11,12を有することを特徴とする。
【0018】
本実施形態の携帯端末100は、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域には、携帯端末100を操作する操作部50を有しているため、ユーザは、主に、その操作部50を用いて携帯端末100を使用することになる。このため、
図1に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが上下に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第2の短辺20Dと、を持って携帯端末100を使用することになる。また、
図2に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが左右に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第1の短辺10Cと、を持って携帯端末100を使用することになる。
【0019】
その結果、
図1、
図2に示すように、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でも、ユーザは、主に、操作部50の位置を持って携帯端末100を使用することになるため、アンテナ11,12が配置された領域を手で持つことを回避することができる。従って、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でも、アンテナ11,12の受信感度が悪くなることもないため、良好な無線通信を行うことができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の携帯端末100について詳細に説明する。
【0020】
<携帯端末100の構成例>
まず、
図1〜
図3を参照しながら、本実施形態の携帯端末100の構成例について説明する。
【0021】
本実施形態の携帯端末100は、第1の表示部1を有する第1の筐体10と、第2の表示部2を有する第2の筐体20と、がヒンジ30A,30Bを介して折り畳み可能になっている。
【0022】
第1の筐体10は、第1の筐体10と第2の筐体20とがヒンジ30A,30Bを介して近接する側を構成する第1の長辺10Aと、第1の長辺10Aと対向する側を構成する第2の長辺10Bと、第1の長辺10Aの一方の端部と第2の長辺10Bの一方の端部とを連結する第1の短辺10Cと、第1の長辺10Aの他方の端部と第2の長辺10Bの他方の端部とを連結する第2の短辺10Dと、を有して構成する。
【0023】
また、第2の筐体20は、第1の筐体10と同様に、第2の筐体20と第1の筐体10とがヒンジ30A,30Bを介して近接する側を構成する第1の長辺20Aと、第1の長辺20Aと対向する側を構成する第2の長辺20Bと、第1の長辺20Aの一方の端部と第2の長辺20Bの一方の端部とを連結する第1の短辺20Cと、第1の長辺20Aの他方の端部と第2の長辺20Bの他方の端部とを連結する第2の短辺20Dと、を有して構成する。
【0024】
本実施形態の携帯端末100は、第1の筐体10と第2の筐体20とがヒンジ30A,30Bを介して開いた状態で、第1の長辺10A,20A同士のみが近接する。また、第1の筐体10と第2の筐体20とがヒンジ30A,30Bを介して閉じた状態で、第1の長辺10A,20A同士と、第2の長辺10B,20B同士と、第1の短辺10C,20C同士と、第2の短辺10D,20D同士と、が近接する。
【0025】
第1の表示部1,第2の表示部2は、各種情報を表示したり、各種操作をしたりすることができるタッチパネル式のLCD(Liquid Crystal Display)である。第1の表示部1,第2の表示部2は、第1の表示部1,第2の表示部2の周囲に導電性の額縁1A〜1D、2A〜2Dを有して構成する。第1の表示部1の第2の長辺10B側を構成する額縁1Bと第2の短辺10D側を構成する額縁1Dの幅は、第1の表示部1の第1の長辺10A側を構成する額縁1Aと第1の短辺10C側を構成する額縁1Cの幅よりも短くなっている。また、第2の表示部2の第1の長辺20A側を構成する額縁2Aと第2の短辺20D側を構成する額縁2Dの幅は、第2の表示部2の第2の長辺20B側を構成する額縁2Bと第1の短辺20C側を構成する額縁2Cの幅よりも短くなっている。
【0026】
本実施形態の携帯端末100は、
図1、
図2に示すように、第1の筐体10と、第2の筐体20と、がヒンジ30A,30Bを介して開いた状態で第1の表示部1や第2の表示部2に各種情報を表示したりして使用する。
【0027】
例えば、本実施形態の携帯端末100をノートPCのように使用する場合は、
図1に示すように、第2の表示部2に携帯端末100を操作する仮想キーボードなどを表示し、その仮想キーボードや、第2の筐体20に設けられた操作部50などを操作して第1の表示部1に各種情報を表示するように制御する。操作部50は、携帯端末100を操作する際にユーザが使用するものであり、例えば、第1の表示部1や第2の表示部2に表示する画像を切り替えたりすることができる。
【0028】
また、本実施形態の携帯端末100を電子書籍のように使用する場合は、第1の表示部1、第2の表示部2、操作部50などを操作し、
図2に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とに各種情報を表示するように制御する。
【0029】
ヒンジ30A,30Bは、2軸ヒンジを使用し、第1の筐体10側の第1のヒンジの回動と、第2の筐体20側の第2のヒンジの回動と、により、第1の筐体10と第2の筐体20との開き角度が少なくとも180度になるように構成し、第1の筐体10と第2の筐体20とが水平状態で隣接し、第1表示部1と第2表示部2とに跨って画像を表示し、大画面表示を可能にしている。また、ヒンジ30A,30Bは、第1の表示部1と第2の表示部2との間に介在しない位置に設けられ、第1表示部1と第2表示部2とに跨って大画面表示を可能にしている。
【0030】
本実施形態の携帯端末100は、2つの表示部1,2に表示する画像を様々な使用用途に応じて切り替え、
図1に示すようにノートPCとして使用したり、
図2に示すように電子書籍として使用したりする。しかし、2つの表示部1,2に表示する画像を様々な使用用途に応じて切り替える場合は、ユーザが携帯端末100を持つ位置もその使用用途に応じて変わることになる。但し、ユーザが携帯端末100を持つ位置にアンテナ11,12を実装してしまうと、アンテナ11,12の受信感度が悪くなり、良好な無線通信を行うことができなくなる。また、ユーザが携帯端末100を手で持つと、その手の油脂や汚れなどが携帯端末100に付着してしまう場合がある。油脂や汚れなどがアンテナ11,12を配置した筐体部分に付着してしまうと、アンテナ11,12の受信感度に支障をきたしてしまうことも想定される。
【0031】
このため、本実施形態の携帯端末100は、
図1、
図2に示すように、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域には、携帯端末100を操作する操作部50を配置し、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域には、無線通信に使用するアンテナ11,12を配置して構成している。
【0032】
なお、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域とは、第2の表示部2と第2の長辺20Bとの間の領域の中で第2の長辺20Bの中央部分αから第1の短辺20C側に位置する領域と、第2の表示部2と第1の短辺20Cとの間の領域と、で構成する領域である。また、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域は、第1の表示部1と第2の長辺10Bとの間の領域の中で第2の長辺10Bの中央部分βから第2の短辺10D側に位置する領域と、第1の表示部1と第2の短辺10Dとの間の領域と、で構成する領域である。但し、
図1、
図2では、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域の隅部分に、携帯端末100を操作する操作部50を配置し、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域の隅部分に、無線通信に使用するアンテナ11,12を配置している。
【0033】
本実施形態の携帯端末100は、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域には、携帯端末100を操作する操作部50を配置しているため、ユーザは、主に、その操作部50を用いて携帯端末100を使用することになる。このため、
図1に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが上下に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第2の短辺20Dの領域と、を持って携帯端末100を使用することになる。また、
図2に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが左右に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第1の短辺10Cの領域と、を持って携帯端末100を使用することになる。
【0034】
その結果、
図1、
図2に示すように、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でも、ユーザは、主に、操作部50の位置を持って携帯端末100を使用することになるため、アンテナ11,12が配置された領域を手で持つことを回避することができる。また、アンテナ11,12を配置した筐体部分に油脂や汚れなどが付着してしまうことも回避することができる。従って、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でもアンテナ11,12の受信感度が悪くなることもないため、良好な無線通信を行うことができる。
【0035】
例えば、
図1に示すようにノートPCとして使用する場合は、2つのアンテナ11,12のうち主に第1のアンテナ11の受信感度が良くなるようにすることができる。また、
図2に示すように電子書籍として使用する場合は、2つのアンテナ11,12のうち主に第2のアンテナ12の受信感度が良くなるようにすることができる。
【0036】
また、本実施形態の携帯端末100は、
図3に示すように、携帯端末100を折り畳んだ状態で、第1の筐体10が上面側に位置し、第2の筐体20が底面側に位置する場合は、アンテナ11,12が携帯端末100の上面側に位置することになるため、携帯端末100を折り畳んだ状態であっても、アンテナ11,12の受信感度が良くなるようにすることができる。このため、
図3に示すように、携帯端末100を折り畳んだ状態であっても、ネットワークを介して各種情報を容易に取得することができる。
【0037】
また、本実施形態の携帯端末100は、第1のアンテナ11は、第1の表示部1と第2の長辺10Bとの間の領域の中で第2の長辺10Bの中央部分βから第2の短辺10D側に位置する領域に配置し、第2のアンテナ12は、第1の表示部1と第2の短辺10Dとの間の領域に配置している。また、無線通信部21は、第2の筐体20の第2の短辺20D側に位置するように配置している。このため、第1の長辺10A,20Aの両端に設けられる一方のヒンジ30Bを経由して2つのアンテナ11,12と無線通信部21とを接続させる配線41,42の長さを短くすることができる。例えば、2つのアンテナ11,12が第2の長辺10Bの中央部分βから第1の短辺10C側に位置する領域や、第1の短辺10C側の領域に配置された場合は、その2つのアンテナ11,12と無線通信部21とを一方のヒンジ30Bを経由して接続させる配線41,42の長さが長くなってしまう。これに対し、本実施形態では、2つのアンテナ11,12が第2の長辺10Bの中央部分βから第2の短辺10D側に位置する領域や、第2の短辺10D側の領域に配置されているため、その2つのアンテナ11,12と無線通信部21とを一方のヒンジ30Bを経由して接続させる配線41,42の長さを短くすることができる。
【0038】
また、本実施形態では、第1の長辺10A,20Aの両端に設けられるヒンジ30A,30Bは、二軸ヒンジを使用し、第1の筐体10側の第1のヒンジの回動と、第2の筐体20側の第2のヒンジの回動と、により、第1の筐体10と、第2の筐体20と、が二軸ヒンジを介して開閉可能となっている。このため、第1の筐体10側の配線41,42は、第1の筐体10側の第1のヒンジの回動に対応して屈曲し、第2の筐体20側の配線41,42は、第2の筐体20側の第2のヒンジの回動に対応して屈曲するため、配線41,42自体に負荷をかけないようにすることができる。
【0039】
また、本実施形態の携帯端末100は、第1のアンテナ11は、第1の表示部1と第2の長辺10Bとの間の領域の中で第2の長辺10Bの中央部分βから第2の短辺10D側に位置する領域に配置し、第2のアンテナ12は、第1の表示部1と第2の短辺10Dとの間の領域に配置し、第1の表示部1の表示面と垂直な方向において、第1の表示部1を第1の筐体10に配置した配置領域と、2つのアンテナ11,12を第1の筐体10に配置した配置領域と、が重ならないようにしている。これは、第1の表示部1は、第1の表示部1の周囲に、導電性の額縁1A〜1Dを有しているため、第1の表示部1の表示面と垂直な方向において、アンテナ11,12の配置領域と第1の表示部1の配置領域とが重なってしまうと、導電性の額縁1A〜1Dの影響でアンテナ11,12の受信感度が低下してしまうためである。但し、第1の表示部1の表示面と垂直な方向において、アンテナ11,12の配置領域と第1の表示部1の配置領域とが重ならないようにすると、自ずと第1の筐体10自体のサイズを大きくしたり、第1の表示部1自体のサイズを小さくしたりする必要がある。しかし、近年では、携帯端末100の全体サイズを小型にしつつ、且つ、画面表示を大型にしたいのが現状である。このため、本実施形態の2つのアンテナ11,12は、第1の表示部1の表示面と垂直な方向において、第1の表示部1の配置領域と重ならない領域でなるべく大きい形状にすることが好ましい。
【0040】
また、本実施形態の第1の表示部1は、第1の表示部1の第2の長辺10B側を構成する額縁1Bと第2の短辺10D側を構成する額縁1Dの幅は、第1の表示部1の第1の長辺10A側を構成する額縁1Aと第1の短辺10C側を構成する額縁1Cの幅よりも短くなっている。これにより、第1の表示部1と第2の長辺10Bとの間の領域や、第1の表示部1と第2の短辺10Dとの間の領域を大きくし、2つのアンテナ11,12を、第1の表示部1の表示面と垂直な方向において、第1の表示部1の配置領域と重ならない領域でなるべく大きい形状で配置することができる。なお、本実施形態では、第1の表示部1と第2の表示部2とは同じタイプのものを使用し、第1の表示部1と第2の表示部2とに跨って全画面表示をする際の表示制御を簡素化するようにしている。
【0041】
<携帯端末100の内部構成例>
次に、
図4を参照しながら、本実施形態の携帯端末100の内部構成例について説明する。
【0042】
本実施形態の携帯端末100は、第1の筐体10に第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とを有し、第2の筐体20に無線通信部21を有して構成する。無線通信部21は、
図4に示すように、2つの検波部211,212、スイッチ213、RF(Radio Frequency)部214、スイッチ切換部215を有して構成する。
【0043】
第1の検波部211は、第1のアンテナ11から受け付けた受信信号のレベルを検波し、その検波した受信信号のレベルを示す信号をスイッチ切換部215に出力する。
【0044】
第2の検波部212は、第2のアンテナ12から受け付けた受信信号のレベルを検波し、その検波した受信信号のレベルを示す信号をスイッチ切換部215に出力する。
【0045】
スイッチ213は、スイッチ切換部215から出力された制御信号を基に、RF部214と電気的に接続する配線(2本の配線41,42の何れか1方)を選択する。RF部214は、無線通信を行うものであり、スイッチ213の切り換え状態によって2本の配線41,42の何れか一方の配線と電気的に接続し、その電気的に接続した配線のアンテナを介して無線通信を行う。
【0046】
スイッチ切換部215は、第1の検波部211から通知される信号レベル(第1のアンテナ11の受信信号のレベル)と、第2の検波部212から通知される信号レベル(第2のアンテナ11の受信信号のレベル)と、を比較し、信号レベルの高い受信信号をRF部214に出力するようにスイッチ213を制御し、スイッチ213は、スイッチ切換部215のアンテナ切換制御により、2本の配線41,42の何れか一方の配線をRF部214と電気的に接続する。
【0047】
<スイッチ切換部215の処理動作例>
次に、
図5を参照しながら、スイッチ切換部215の処理動作例について説明する。
【0048】
まず、スイッチ切換部215は、第1のアンテナ11の受信信号レベル(R1)と、第2のアンテナ12の受信信号レベル(R2)と、を比較する(ステップS1)。
【0049】
第1のアンテナ11の受信信号レベル(R1)が第2のアンテナ12の受信信号レベル(R2)以上である場合は(R1≧R2)(ステップS2/Yes)、スイッチ213を第1のアンテナ11側に切り換え、配線41とRF部214とを電気的に接続するようにスイッチ213を制御する(ステップS3)。
【0050】
また、第1のアンテナ11の受信信号レベル(R1)が第2のアンテナ12の受信信号レベル(R2)未満である場合は(R1<R2)(ステップS2/No)、スイッチ213を第2のアンテナ12側に切り換え、配線42とRF部214とを電気的に接続するようにスイッチ213を制御する(ステップS4)。
【0051】
これにより、スイッチ切換部215は、2つのアンテナ11,12から受け付けた受信信号レベルを基に、受信信号レベルの高いアンテナに切り換えて無線通信を行うことができる。
【0052】
<本実施形態の携帯端末100の作用・効果>
このように、本実施形態の携帯端末100は、第2の筐体20を構成する第2の長辺20Bと第1の短辺20Cとを連結する領域には、携帯端末100を操作する操作部50を有し、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域には、無線通信に使用するアンテナ11,12を有して構成する。
【0053】
これにより、
図1に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが上下に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第2の短辺20Dの領域と、を持って携帯端末100を使用することになる。また、
図2に示すように、第1の表示部1と第2の表示部2とが左右に位置する状態で携帯端末100を使用する場合は、ユーザは、主に、操作部50の位置する第1の短辺20Cの領域と、その第1の短辺20Cと左右に対向する第1の短辺10Cの領域と、を持って携帯端末100を使用することになる。
【0054】
その結果、
図1、
図2に示すように、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でも、ユーザは、主に、操作部50の位置を持って携帯端末100を使用することになるため、アンテナ11,12が配置された領域を手で持つことを回避することができる。従って、使用用途に応じてユーザが携帯端末100を持つ位置を変えた場合でも、アンテナ11,12の受信感度が悪くなることもないため、良好な無線通信を行うことができる。
【0055】
また、
図3に示すように、携帯端末100を折り畳んだ状態で、第1の筐体10が上面側に位置し、第2の筐体20が底面側に位置する場合は、アンテナ11,12が携帯端末100の上面側に位置することになるため、携帯端末100を折り畳んだ状態であっても、アンテナ11,12の受信感度が良くなるようにすることができる。このため、
図3に示すように、携帯端末100を折り畳んだ状態であっても、ネットワークを介して各種情報を容易に取得することができる。なお、本実施形態の携帯端末100で行う無線通信の方式は特に限定せず、公知の各種の無線通信方式を行うように構成することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0057】
第1の実施形態では、2つのアンテナ11,12から受け付けた受信信号レベルを基に、受信信号レベルの高いアンテナに切り換えて無線通信を行うことにした。
【0058】
しかし、電波環境によっては、2つのアンテナ11,12から受け付けた受信信号レベルが一時的に大幅に変動し、アンテナの切換制御を所定の時間内で頻繁に繰り返してしまう場合も考えられる。アンテナの切換制御を所定の時間内で頻繁に繰り返してしまうと、アンテナの切換制御に負荷がかかってしまうと共に、アンテナの切換制御に要する消費電力も増加することになる。また、電波環境が一時的に大幅に変動した場合でも、アンテナの切換制御を繰り返してしまうことになり、無駄な切換制御を行ってしまうことになる。
【0059】
このため、第2の実施形態では、所定時間内の2つのアンテナ11,12の切換回数が規定回数を越えた場合は、携帯端末100の姿勢に応じて、2つのアンテナ11,12の何れか一方のアンテナに固定して無線通信を行うことにする。これにより、アンテナの切換制御を頻繁に繰り返してしまうことを回避することができる。以下、第2の実施形態について詳細に説明する。
【0060】
<携帯端末100の構成例>
まず、
図6、
図7を参照しながら、本実施形態の携帯端末100の構成例について説明する。
【0061】
本実施形態の携帯端末100は、第1の筐体10の第1の短辺10C側に地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15を有して構成する。
【0062】
地磁気センサ13は、第1の筐体10の磁場(磁界)の方向を計測する公知のセンサである。加速度センサ14は、第1の筐体10の加速度を計測する公知のセンサである。開閉センサ15は、第1の筐体10と第2の筐体20との開閉状態を検知する公知のセンサである。
【0063】
本実施形態の携帯端末100は、第2の筐体20の第1の短辺20C側に制御部22を有し、第1の筐体10の第1の短辺10C側に配置された地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15のセンサ情報を基に、携帯端末100の姿勢を特定する。例えば、制御部22は、開閉センサ15のセンサ情報を基に、第1の筐体10が開いた状態か閉じた状態かを特定する。また、地磁気センサ13と加速度センサ14とのセンサ情報を基に、第1の筐体10の傾斜角度や天地を特定する。これにより、制御部22は、携帯端末100の姿勢が
図1〜
図3の何れの状態であるかを特定することができる。
【0064】
本実施形態の制御部22は、携帯端末100の姿勢が
図1の状態(第1の筐体10が開いた状態で、且つ、第1の筐体10の第2の長辺10Bが第1の長辺10Aよりも重力方向に対して上方に位置する姿勢)であると特定した場合は、第1のアンテナ11が第2のアンテナ12よりも重力方向に対して上方に位置するため、第1のアンテナ11を採用する旨の情報をスイッチ切換部215に通知する。第1のアンテナ11を採用するのは、重力方向に対して上方に位置するアンテナの方が、重力方向に対して下方に位置するアンテナよりも高い受信信号レベルを取得する確率が高いためである。また、携帯端末100の姿勢が
図2の状態(第1の筐体10が開いた状態で、且つ、第1の筐体10の第2の短辺10Dが第1の短辺10Cよりも重力方向に対して上方に位置する姿勢)であると特定した場合は、第2のアンテナ12が第1のアンテナ11よりも重力方向に対して上方に位置するため、第2のアンテナ12を採用する旨の情報をスイッチ切換部215に通知する。また、携帯端末100の姿勢が
図3の状態(第1の筐体10を閉じた状態の姿勢)であると特定した場合は、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12との何れかのアンテナを採用する旨の情報をスイッチ切換部215に通知する。これにより、スイッチ切換部215は、制御部22からの情報を基に、どのアンテナを採用するかを決定することができる。
【0065】
本実施形態の携帯端末100は、第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第2の短辺10Dとを連結する領域に2つのアンテナ11,12を内蔵しているため、その2つのアンテナ11,12を内蔵していない領域に、地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15を配置する必要がある。また、地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15のセンサ情報を第2の筐体20の第1の短辺20C側に配置された制御部22に通知するための配線を短くしたい。このため、本実施形態の携帯端末100は、
図6に示すように、2つのアンテナ11,12が内蔵されている領域とは反対側の領域(第1の筐体10を構成する第2の長辺10Bと第1の短辺10Cとを連結する領域)に、地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15を集約して配置することにしている。これにより、地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15のセンサ情報を第2の筐体20の第1の短辺20C側に配置された制御部22に通知するための配線43を短くすることができると共に、一方のヒンジ30Aを介して制御部22と電気的に接続することができる。また、地磁気センサ13は、2つのアンテナ11,12と離れた位置に配置されることになるため、2つのアンテナ11,12が受信する電波の影響を抑制し、地磁気センサ13の検知精度を向上させることができる。
【0066】
<スイッチ切換部215の処理動作例>
次に、
図8を参照しながら、スイッチ切換部215の処理動作例について説明する。
【0067】
まず、スイッチ切換部215は、アンテナ11,12の切換頻度が多いか否かを判定する(ステップA1)。具体的には、所定時間(Δt)内でのアンテナの切換回数が規定回数(α)以上か否かを判定し、所定時間(Δt)内でのアンテナの切換回数が規定回数(α)以上である場合は、アンテナ11,12の切換頻度が多いと判定し(ステップA1/Yes)、所定時間(Δt)内でのアンテナの切換回数が規定回数(α)未満である場合は、アンテナ11,12の切換頻度が少ないと判定する(ステップA1/No)。
【0068】
アンテナ11,12の切換頻度が多いと判定した場合は(ステップA1/Yes)、制御部22から通知された情報を特定し、携帯端末100の姿勢が
図1〜
図3の何れの状態であるかを特定する(ステップA2)。
【0069】
携帯端末100の姿勢が
図1の状態(第1の筐体10が開いた状態で、且つ、第1の筐体10の第2の長辺10Bが第1の長辺10Aよりも重力方向に対して上方に位置する姿勢)である場合は、第1のアンテナ11を採用し(ステップA3/Yes)、スイッチ213を第1のアンテナ11側に切り換える(ステップA4)。
【0070】
また、携帯端末100の姿勢が
図2の状態(第1の筐体10が開いた状態で、且つ、第1の筐体10の第2の短辺10Dが第1の短辺10Cよりも重力方向に対して上方に位置する姿勢)である場合は、第2のアンテナ12を採用し(ステップA5/Yes)、スイッチ213を第2のアンテナ12側に切り換える(ステップA6)。
【0071】
また、携帯端末100の姿勢が
図3の状態(第1の筐体10を閉じた状態の姿勢)である場合は、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12との何れかのアンテナを採用し(ステップA5/No)、第1の実施形態と同様に、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とから受け付けた受信信号レベルを基に、受信信号レベルの高いアンテナに切り換えて無線通信を行う(ステップS1〜S4)。
【0072】
また、アンテナ11,12の切換頻度が少ないと判定した場合も(ステップA1/No)、第1の実施形態と同様に、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とから受け付けた受信信号レベルを基に、受信信号レベルの高いアンテナに切り換えて無線通信を行う(ステップS1〜S4)。
【0073】
<本実施形態の携帯端末100の作用・効果>
このように、本実施形態の携帯端末100は、所定時間内の2つのアンテナ11,12の切換回数が規定回数を越えた場合は(ステップA1/Yes)、地磁気センサ13、加速度センサ14、開閉センサ15のセンサ情報を基に特定した携帯端末100の姿勢に応じて、2つのアンテナ11,12の何れか一方のアンテナに固定して無線通信を行うことにする(ステップA4,A6)。これにより、アンテナの切換制御を頻繁に繰り返してしまうことを回避することができる。なお、上記処理動作では、携帯端末100の姿勢が
図3の状態(第1の筐体10を閉じた状態の姿勢)である場合は、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12との何れかのアンテナを採用し(ステップA5/No)、第1の実施形態と同様に、第1のアンテナ11と第2のアンテナ12とから受け付けた受信信号レベルを基に、受信信号レベルの高いアンテナに切り換えて無線通信を行うことにした(ステップS1〜S4)。しかし、携帯端末100の姿勢が
図3の状態(第1の筐体10を閉じた状態の姿勢)である場合でも、2つのアンテナ11,12の何れか一方のアンテナに固定して無線通信を行うことにすることも可能である。
【0074】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0075】
例えば、上述した本実施形態における携帯端末100を構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0076】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0077】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0078】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0079】
また、本実施形態における携帯端末100は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。