(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657462
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】グリース組成物
(51)【国際特許分類】
C10M 115/08 20060101AFI20141225BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20141225BHJP
C10N 40/02 20060101ALN20141225BHJP
C10N 50/10 20060101ALN20141225BHJP
【FI】
C10M115/08
C10N30:00 Z
C10N40:02
C10N50:10
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-95406(P2011-95406)
(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公開番号】特開2012-224791(P2012-224791A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228486
【氏名又は名称】日本グリース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】岩松 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】光岡 雅之
【審査官】
中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−155496(JP,A)
【文献】
特開平04−292693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M101/00−177/00、
F16C19/00−19/56、
F16C33/30−33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基油と増ちょう剤を含むグリース組成物であって、
前記増ちょう剤が、アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンからなる混合アミンを、ジイソシアネート化合物と反応させて得られるジウレア化合物であり、
前記アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの合計量中のシクロヘキシルアミンの含有量が91〜99モル%であるグリース組成物。
【請求項2】
前記増ちょう剤の含有量が、前記基油と増ちょう剤の合計量100質量部に対して9〜30質量部である請求項1記載のグリース組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の増ちょう剤を含むグリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、増ちょう剤としてジウレア化合物を使用したグリース組成物が提案されている。たとえば特許文献1には、増ちょう剤として、アルキル部分の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの混合割合がモル比で1:9〜9:1である混合アミンをジイソシアネート化合物と反応させて得られるジウレア系化合物を使用したグリース組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−155496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各種軸受や各種機械の摺動部などにおいて過酷な条件で使用されるグリース組成物は、水素脆性剥離などの問題を抑制し、焼付などの不具合を生じることなく、長期間に渡って十分な潤滑性能を維持することができるグリース組成物が求められる。
【0005】
本発明は、特定の含有割合からなる混合アミンをジイソシアネート化合物と反応させて得られるジウレア化合物を増ちょう剤として含有してなるグリース組成物を使用することで、従来のグリース組成物に比べて使用箇所におけるグリース組成物の膜厚を厚くでき、さらに該膜厚が長期間維持されることを見出したものであり、これにより従来品よりも焼付き寿命の長い新規なグリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤を含むグリース組成物であって、前記増ちょう剤が、アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミン(特定のアルキルフェニルアミンともいう)およびシクロヘキシルアミンからなる混合アミンを、ジイソシアネート化合物と反応させて得られるジウレア化合物であり、特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの合計量中のシクロヘキシルアミンの含有量が91〜99モル%である。
【0007】
前記増ちょう剤の含有量が、前記基油と増ちょう剤の合計量100質量部に対して9〜30質量部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のグリース組成物によれば、従来のグリース組成物に比べて使用箇所におけるグリース組成物の膜厚を厚くでき、さらに該膜厚が長期間維持され、その結果、従来品よりも焼付き寿命の長いグリース組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例で用いた油膜厚さ測定装置系の概略図である。
【
図2】油膜厚さ測定装置における光照射時のディスク、試料グリースおよび軸受鋼球の断面の概略図である。
【
図3】ディスクへの試料グリース塗布状態を示す写真である。
【
図4】鋼球用の台に軸受鋼球を載せた状態を示す写真である。
【
図5】実施例1〜7の膜厚測定試験の結果を示すグラフである。
【
図6】実施例8〜14の膜厚測定試験の結果を示すグラフである。
【
図7】比較例1〜7の膜厚測定試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤を含むグリース組成物であって、前記増ちょう剤が、アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンからなる混合アミンを、ジイソシアネート化合物と反応させて得られるジウレア化合物であり、特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの合計量中のシクロヘキシルアミンの含有量が91〜99モル%であることを特徴とする。
【0011】
前記基油としては、グリース組成物に使用される通常の基油であれば特に限定されず、例えば減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等の処理を、適宜組み合わせて原油から精製した鉱物油;例えばジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチルアセチルシノレート等のジエステル系合成油;例えばトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル系合成油;例えばトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル系合成油;例えば多価アルコールと二塩基酸および一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等のエステル系合成油;例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール系合成油;例えばモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル系合成油;例えばノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物などの合成炭化水素油;例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン等のシリコーン系合成油;さらに、例えばパーフルオロポリエーテル等のフッ素系合成油などの1種または2種以上を用いることができる。特に耐熱性、耐剥離性が良好な点からアルキルジフェニルエーテル油がより好ましい。
【0012】
本発明で用いる増ちょう剤は、アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンを特定の割合で混合した混合アミンと、ジイソシアネート化合物との反応生成物であるジウレア化合物である。
【0013】
前記混合アミンを構成する特定のアルキルフェニルアミンにおけるアルキル基の炭素数は環境に対するやさしさ、入手性、分散性が好ましい点から8〜16である。さらに、入手性、分散性が好ましい点から10〜14がより好ましい。また、アルキル基は、直鎖状でも分枝状でもよく、フェニル基におけるアルキル基の置換位置はオルト位、メタ位およびパラ位のいずれでもよい。具体的には、例えばオクチルアニリン、デシルアニリン、ドデシルアニリン、ヘキサデシルアニリン、イソドデシルアニリンなどの1種または2種以上を挙げることができる。特に分散性が良好な点からパラドデシルアニリンがより好ましい。
【0014】
前記シクロヘキシルアミンの含有量は、特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの合計量(100モル%)中、グリース組成物による膜形成性という点から91モル%以上、99モル%以下である。より好ましい含有量は、グリース組成物による膜形成性がより良好な点から93モル%以上、さらには94モル%以上、また同じくグリース組成物による膜形成性がより良好な点から98モル%以下、さらには96モル%以下であることが好ましい。
【0015】
混合アミンと反応させる前記ジイソシアネート化合物としては耐熱性が良好な点から芳香族ジイソシアネートが好ましく、例えばジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどを挙げることができる。特に入手性が良好な点から、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートが好ましく、さらに耐熱性が良好な点からジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートがより好ましい。
【0016】
混合アミンとジイソシアネート化合物との反応は、種々の方法と条件下で行うことができるが、増ちょう剤の均一分散性が高いジウレア化合物が得られることから、基油中において行うことが好ましい。また、反応は、特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンを溶解した基油中に、ジイソシアネート化合物を溶解した基油を添加して行ってもよく、また、ジイソシアネート化合物を溶解した基油中に、特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンを溶解した基油を添加して行ってもよい。
【0017】
前記反応における温度および時間は、特に限定されず、通常のこの種の反応と同様でよい。反応温度は混合アミンおよびジイソシアネートの溶解性、揮発性の点から、60〜170℃が好ましい。反応時間は混合アミンとジイソシアネートの反応を完結させるという点と製造時間短縮による効率化の点から0.5〜2.0時間が好ましい。また、混合アミンのアミノ基とジイソシアネート化合物のイソシアネート基の反応は定量的に進み、それらの割合は、混合アミン2モルに対してジイソシアネート化合物1モルとすることが好ましい。
【0018】
前記反応により得られる反応生成物であるジウレア化合物は、ジイソシネート化合物の両イソシアネート基が混合アミン中のシクロヘキシルアミンと、もしくは特定のアルキルフェニルアミンと反応したジウレア化合物、およびジイソシアネート化合物のイソシアネート基の一方が混合アミン中のシクロヘキシルアミンと、イソシアネート基の他方が特定のアルキルフェニルアミンと反応したジウレア化合物の混合物である。ここで、両イソシアネート基がシクロヘキシルアミンと反応したジウレア化合物は、比較的大きな増ちょう剤繊維を形成し、せん断安定性、使用箇所への付着性に優れるという性質を有する。また、両イソシアネート基がアルキルフェニルアミンと反応したジウレア化合物は、比較的小さな増ちょう剤繊維を形成し、使用箇所への介入性に優れるという性質を有する。本発明におけるジウレア化合物の混合物は、前記反応に用いた混合アミンにおけるシクロヘキシルアミンの含有量が特定のアルキルフェニルアミンおよびシクロヘキシルアミンの合計量中に91〜99モル%であることから、ジウレア化合物の多くが、ジイソシネート化合物の両イソシアネート基がシクロヘキシルアミンと反応したジウレア化合物である。このジウレア化合物に加えて、両イソシアネート基がアルキルフェニルアミンと反応したジウレア化合物を少量存在させることにより、使用箇所におけるグリース組成物の膜厚を厚くでき、さらに該膜厚が長期間維持されるものと推測される。
【0019】
前記増ちょう剤のグリース組成物における含有量は基油と増ちょう剤の合計量100質量部に対して9質量部以上、30質量部以下が好ましい。増ちょう剤の含有量が下限より少ない場合はグリースが軟質過ぎるため飛散、漏洩する傾向があり、上限より多い場合は、グリースが硬質となり、使用箇所のトルクが増大する傾向、流動性低下により焼付き寿命が低下する傾向がある。特に好ましい含有量は適度な流動性が得られる点から10質量部以上、さらには15質量部以上、また適度な流動性が得られる点から28質量部以下、さらには25質量部以下である。
【0020】
また、これらのグリース組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、極圧剤、耐摩耗剤、染料、色相安定剤、増粘剤、構造安定剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、防錆添加剤などの各種添加剤を適量添加してもよい。これらの各種添加剤を含有する場合、グリース組成物における含有量は基油と増ちょう剤の合計量100質量部に対して10質量部以下とすることができる。
【0021】
本発明のグリース組成物は、自動車部品に使用される転がり軸受、家電、OA機器などの汎用モーターに用いられる転がり軸受、鉄鋼設備やその他諸工業機械設備における軸受、種々の公知の玉軸受やころ軸受、工作機械のボールねじやリニアガイド、建設機械の各種摺動部、歯車などのあらゆるグリース潤滑箇所に好適に使用することができる。これら使用箇所におけるグリース組成物の封入量は、使用箇所の形式や寸法等に応じて適宜変更することができるが、ほぼ従来と同程度でよい。
【0022】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、何らこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
<膜厚測定試験>
光干渉法を応用したPCS Instruments社製油膜厚さ測定装置を用いてグリース試料の油膜形成性を評価する。
図1は用いた油膜厚さ測定装置系の概略図である。光源10からの光は顕微鏡20を経て、駆動モーター30の動力により回転するスピンドル40に固定されたディスク50の軸受鋼球60とは接触しない面に照射され(
図2参照)、それによる反射光を、マイクロメーター71およびカメラ72を備えた分光器70で測定する。測定結果はカメラ72を通して、モニター80およびコンピュータ90により表示、解析および保存される。
【0025】
図2は光照射時のディスク、試料グリースおよび軸受鋼球の断面の概略図である。
図2に示すようにディスク50はグラスディスク51にクロム膜52およびシリカ膜53が片面に蒸着されており、この面を軸受鋼球60との接触面とする。照射光は該軸受鋼球との接触面とは逆の面に照射され(A)、照射された光の一部は前記クロム膜により反射され(B2)、一部は前記クロム膜、前記シリカ膜および試料グリース100を透過し軸受鋼球により反射される(B2)。そして、それぞれの反射光を分光器6において測定する。
【0026】
具体的な試験方法を以下に示す。直径約10cmの硬質ガラスの片面にクロム膜およびその上にシリカ膜が蒸着したディスク表面に試料グリース101を塗布する。該グリースは、テンプレートを用いて3/4インチ軸受鋼球の軌道面となるエリア付近に膜厚1mmとなるように塗布する。このとき、
図3に示すように試験開始時に油膜厚さゼロ時、つまりシリカ膜のみの厚さを測定するために、試料グリースを塗布しない部分を残しておく。十分小さな力で回転可能な3個の小径玉軸受を組み合わせた鋼球用の台を作製し、
図4に示すように、これら3個の外輪の外側に3/4インチの軸受鋼球を載せる。試料グリースを塗布したディスクをスピンドルに固定し、ディスクのグリース無塗布部分に3/4インチ軸受鋼球が接触するようにセットし、鋼球用の台の下からディスクの方向に20Nの荷重を付加する。まず、この状態で光干渉法を用いてクロム膜と3/4インチ軸受鋼球の間のシリカ膜のみの膜厚を測定する。その後、ディスクと3/4インチ軸受鋼球の接触軌道部が0.03m/sの転がり速度となるようにスピンドルを回転させる。回転開始から1分間隔で20分後までクロム膜と3/4インチ軸受鋼球の間の膜厚、つまりシリカ層の膜厚と試料グリースによって形成される膜厚の合計を測定する。膜厚測定は、常にシリカのみの膜厚を測定したディスクの位置で行う。そして測定されたシリカの膜厚と試料グリースによって形成される膜厚の合計から、シリカの膜厚を除いた数値をグリース膜厚とする。なお、試料グリースは試験前にディスクに塗布するのみで、ディスク回転開始以降の追加給脂は行わない。また試験は25℃の雰囲気で行う。
【0027】
<焼付き寿命試験>
ASTM D 1741−86の方法に準拠してグリース試料の焼付き寿命を評価する。
【0028】
試験条件を以下に示す。
試験軸受:6306ZZ
グリース封入量:6.0g
回転数:3500rpm
ラジアル加重:111±22N
スラスト加重:178±22N
軸受外輪温度:150℃
運転サイクル:20hr運転、次いで4hr停止(断続運転)
【0029】
上記条件で試験を行い、(i)駆動モーターの電流値が7アンペア以上となったとき(試験開始時約5アンペア)、(ii)軸受外輪温度が160℃以上となったとき(試験開始温度(設定温度)+10℃以上)、(iii)著しい騒音が10分以上続いたときのいずれかに該当するまでの時間を測定し、焼付き寿命とする。
【実施例】
【0030】
本実施例では、以下の原料を使用した。
ジイソシアネート化合物
MDI:ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート
アミン
CHA:シクロヘキシルアミン
PDA:パラドデシルアニリン
基油
ADE:アルキルジフェニルエーテル油
【0031】
実施例1〜14および比較例1〜7
増ちょう剤原料アミンと同質量部のADE(基油)に表1、表2および表3に示す増ちょう剤原料の含有量となるようにCHAおよび/またはPDAを混合し、100℃に加熱して溶解させ溶液Aを調製した。また、これとは別に、増ちょう剤原料MDIと同質量部のADEに表1、表2および表3に示す含有量となるようにMDIを混合し、140℃に加熱して溶解させ溶液Bを調製した。次に表1、表2および表3に示す増ちょう剤含有量となるように用意した残りのADEを100℃に加熱後、前記溶液Aを混合した。この溶液Aを含むADEを撹拌しつつ、これに前記溶液Bを徐々に添加した。添加後150℃で60分間保持し、その後、室温まで冷却したものを3本ロールミルにより均質化処理することでグリース組成物を得た。なお、グリース組成物には2質量部のアミン系酸化防止剤を添加した。得られたグリース組成物を試料グリースとして膜厚測定試験および焼付き寿命試験を行った。膜厚測定試験の結果を表4〜6および
図5〜7に、焼付き寿命試験の結果は表1〜3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【符号の説明】
【0038】
10 光源
20 顕微鏡
30 駆動モーター
40 スピンドル
50 ディスク
51 グラスディスク
52 クロム膜
53 シリカ膜
60 軸受鋼球
61 鋼球用の台
70 分光器
71 マイクロメーター
72 カメラ
80 モニター
90 コンピュータ
100 グリース試料
101 グリース試料
A 照射光
B1 反射光
B2 反射光