特許第5657536号(P5657536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5657536アレルギー性疾患を治療するためのデンドロビウムから抽出された多糖類
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657536
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】アレルギー性疾患を治療するためのデンドロビウムから抽出された多糖類
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/715 20060101AFI20141225BHJP
   A61K 36/18 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 27/14 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20141225BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   A61K31/715
   A61K35/78 C
   A61P37/08
   A61P11/06
   A61P27/14
   A61P11/02
   A61P17/00
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-520115(P2011-520115)
(86)(22)【出願日】2009年7月18日
(65)【公表番号】特表2011-529058(P2011-529058A)
(43)【公表日】2011年12月1日
(86)【国際出願番号】US2009051084
(87)【国際公開番号】WO2010011581
(87)【国際公開日】20100128
【審査請求日】2011年6月30日
(31)【優先権主張番号】12/177,728
(32)【優先日】2008年7月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510143354
【氏名又は名称】ウー ソフィア シュー フェン
(73)【特許権者】
【識別番号】510143365
【氏名又は名称】ウー ロン ツン
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100068526
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭生
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ウー ロン ツン
【審査官】 伊藤 清子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/116950(WO,A1)
【文献】 特表2008−540348(JP,A)
【文献】 特開2001−253900(JP,A)
【文献】 WRAITH,D.C.,Induction of antigen-specific unresponsiveness with synthetic peptides: specific immunotherapy for treatment of allergic and autoimmune conditions,Int Arch Allergy Immunol,1995年,Vol.108, No.4,p.355-9
【文献】 ZHAO,Y. et al,Antioxidant and anti-hyperglycemic activity of polysaccharide isolated from Dendrobium chrysotoxum Lindl,J Biochem Mol Biol,2007年,Vol.40, No.5,p.670-7
【文献】 SUZUKI,M. et al,Elucidation of anti-allergic activities of curcumin-related compounds with a special reference to their anti-oxidative activities,Biol Pharm Bull,2005年,Vol.28, No.8,p.1438-43
【文献】 JUNG,W.K. et al,Caffeic acid phenethyl ester attenuates allergic airway inflammation and hyperresponsiveness in murine model of ovalbumin-induced asthma,Life Sci,2008年 3月,Vol.82, No.13-14,p.797-805
【文献】 TAKANO,H. et al,Extract of Perilla frutescens enriched for rosmarinic acid, a polyphenolic phytochemical, inhibits seasonal allergic rhinoconjunctivitis in humans,Exp Biol Med (Maywood),2004年,Vol.229, No.3,p.247-54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/715
A61K 36/18
A61P 11/02
A61P 11/06
A61P 17/00
A61P 27/14
A61P 37/08
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルギー性疾患を治療するための医薬組成物を製造するための、下記の工程:
(a)第1デンドロビー・ハーバ調製物を第1アルコールに浸漬すること、
(b)前記の第1アルコールを除去し、第2デンドロビー・ハーバ調製物を得ること、
(c)前記の第2デンドロビー・ハーバ調製物を水で抽出し、水溶液を得ること、及び
(d)前記の水溶液を第2アルコールとを混合し、多糖類を沈殿させ、次いで、固体抽出物として、デンドロビー・ハーバからの多糖類リッチ抽出物を得ること、
を含む方法によって調製される、デンドロビー・ハーバ(Dendrobii Herba)からの多糖類リッチ抽出物の使用。
【請求項2】
前記のアレルギー性疾患が、好酸球、IgE、ケモカイン及び/又はTh2サイトカインのレベルの増加に関連することを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記のアレルギー性疾患が、喘息、花粉症、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項4】
医薬組成物が、経口投与用であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記第1アルコールが、メタノール、エタノールまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記第2アルコールが、エタノールであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項7】
前記エタノールが、30%(w/v)〜70%(w/v)の濃度の範囲を有することを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記エタノールが、少なくとも50%(w/v)の濃度を有することを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項9】
炎症によって引き起こされる気道リモデリング(airway-remodeling)を低減させるための医薬組成物を製造するための、下記の工程:
(a)第1デンドロビー・ハーバ調製物を第1アルコールに浸漬すること、
(b)前記の第1アルコールを除去し、第2デンドロビー・ハーバ調製物を得ること、
(c)前記の第2デンドロビー・ハーバ調製物を水で抽出し、水溶液を得ること、及び
(d)前記の水溶液を第2アルコールとを混合し、多糖類を沈殿させ、次いで、固体抽出物として、デンドロビー・ハーバからの多糖類リッチ抽出物を得ること、
を含む方法によって調製される、デンドロビー・ハーバ(Dendrobii Herba)からの多糖類リッチ抽出物の使用。
【請求項10】
医薬組成物が、経口投与用であることを特徴とする請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記第1アルコールが、メタノール、エタノールまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項9に記載の使用。
【請求項12】
前記第2アルコールが、エタノールであることを特徴とする請求項9に記載の使用。
【請求項13】
前記エタノールが、30%(w/v)〜70%(w/v)の濃度の範囲を有することを特徴とする請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記エタノールが、少なくとも50%(w/v)の濃度を有することを特徴とする請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンドロビウム(Dendrobium)から分離された多糖類でアレルギー性疾患を治療することに関する。
【背景技術】
【0002】
デンドロビウム(Dendrobium)は、アジア、ヨーロッパ及びオーストラリアに広く分布している熱帯蘭(tropical orchids)の属名である。その内、部分の種類が肌質と視力を向上させる漢方薬に使用されることは長い歴史がある。また、デンドロビウムが抗酸化作用、抗炎作用、免疫調節活性を表現することは報告されている。Satoh et al,Biochem. Pharmacol. 51:339-343, 1996、Yamaguchi et al, Cordyceps sinensis. Phytoher. Res. 14:647-649, 2000、Zhao et al,J. Biochem. Molecular Bio. 40(5):670-677, 2007、及びUS 20060251739を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、デンドロビー・ハーバ(Dendrobii Herba、即ちデンドロビウムの茎)から調製された多糖類がアレルギー性疾患、例えば喘息(asthma)、花粉症(pollen allergy)及びアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)の治療に有効であるという予想外の発見に基づいている。
【0004】
従って、本発明は、有効量のデンドロビー・ハーバから調製された多糖類を対象に投与(例えば経口投与)することにより、アレルギー性疾患(例えば喘息、花粉症、アレルギー性結膜炎(allergic conjunctivitis)又はアトピー性皮膚炎)を治療する方法を提供する。
【0005】
本明細書に使用される術語である「治療(treating)」とは、アレルギー性疾患、アレルギー性疾患の症状又はアレルギー性疾患の傾向を有する対象に、1種又は複数種の活性剤を含む組成物を施用又は投与することにより、前記疾患、前記疾患の症状又は前記疾患の傾向に治すこと(cure)、治癒(heal)、軽減(alleviate)、緩和(relieve)、変化(alter)、療治(remedy)、改善(ameliorate)、好転(improve)、又は影響(affect)を与えることである。本明細書に使用される「有効量」とは、活性剤毎に(単独又は他の一種もしくは複数種の活性剤との組み合わせ)前記の対象に治療効果を与えるための必要な量である。本技術分野に習熟した者に知られるように、有効量は、投与経路、賦形剤の使用及び他の活性剤との併用によって変化する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施態様においては、少なくとも下記の5つの工程:
(i)第1デンドロビー・ハーバ調製物を第1アルコール(例えばメタノール、エタノール又はその混合物)に浸漬すること、
(ii)前記の第1アルコールを除去し、第2デンドロビー・ハーバ調製物を生じさせること、
(iii)前記の第2デンドロビー・ハーバ調製物を水(即ち純水又は適切な含水溶剤)で抽出し、水溶液を得ること、
(iv)前記の水溶液を第2アルコール(例えば50vol%エタノール)とを混合し、多糖類を沈殿させること、及び
(v)沈殿した多糖類を集めること、
を含む方法によって、本発明の方法を実現するための多糖類を調製する。
【0007】
さらに、本発明は、有効量の上記多糖類を必要がある対象に投与することにより、炎症によって引き起こされる気道リモデリング(airway-remodeling)を低減させる方法を提供する。
【0008】
本発明に開示される多糖類を、アレルギー性疾患を治療すること及び/または炎症によって引き起こされる気道リモデリングを低減させることに使用すること、あるいはこれらの治療の薬物を製造するための用途も、本発明の範囲にある。
【発明の効果】
【0009】
下記の明細書において、本発明の一つ又は複数の具体的な実施例が詳しく述べられる。明細書及び特許請求の範囲から、本発明の他の特徴、目的及び利点がわかる。
【0010】
図1は、実施例2において、デンドロビー・ハーバのマウスAHRテスト結果に対する効果を示す図であり、pench相対的レベル(pench relative level, Penh)で記録し、Buxco XAシステムで分析する。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,
)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。Penchで記録し、Buxco XAシステムで分析し、*はP <0.05を表す。
図2は、実施例2において、マウスのBALFに計算された総細胞数を示す図である。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,
)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。*はP <0.05を表す。
図3は、実施例2において、マウスのBALFにおける白血球の百分率を示す図である。図3A図3CはそれぞれBALFにおける単球、リンパ球及び好酸球の百分率の結果を示す。陰性群(n=6, □))は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,
)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。*はP <0.05を表す。
図4は、実施例2において、マウスの肺切片のヘマトキシリンとエオジン(Haematoxylin and Eosin、H&E)染色を示す図である。マウスから肺組織を取った後、10%ホルマリンで固定する。3日後、肺をパラフィンに埋めて、厚さが5μmである切片に切る。図4A図4Eはそれぞれ実施例2における5群を表す:正常群(陰性対照としての健康なマウス)、対照群(OVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウス)、給餌量がそれぞれ10 mg/kg/日(n=8)、30 mg/kg/日(n=8)及び90 mg/kg/日(n=8)であるOVAで感作された処置群。拡大倍率は100×である。
図5は、実施例2において、マウスの腸固有層リンパ球における制御性T細胞の百分率を示す図である。フローサイトメトリーにより、CD4+CD25+ 細胞の割合を分析する。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,
)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。*はP <0.05を表す。
図6は、実施例2において、デンドロビー・ハーバのマウスOVA特異的IgEレベルに対する効果を示す図である。図6Aは血清におけるレベルの結果を表し、図6BはBALFにおけるレベルの結果を表す。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,
)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。**はP <0.01を表す。
図7は、実施例2において、マウスの肺組織全体のRT-PCRの結果を示す図である。図7A図7EはそれぞれIL-13、エオタキシン-1(eotaxin-1)、3-ジオキシゲナーゼ(3-dioxygenase)(IDO)、IL-17及び胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の遺伝子発現レベルの結果を表す。全部のmRNA発現レベルはβ-アクチンmRNAで規準化された。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。対照群(n=10,
)はOVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。OVAで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(n=8,
)、30 mg/kg/日(n=8,

)及び90 mg/kg/日(n=8,
)である。*はP <0.05を表す。
図8Aは、感作されていない正常マウスが刺激された後24時間の炎症した目を示す写真である。
図8Bは、能動免疫化されるが、多糖類で処置されていない対照マウスが刺激された後24時間の炎症した目を示す写真である。
図8Cは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスの炎症した目を示す写真である。
図8Dは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を90 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスの炎症した目を示す写真である。
図9は、それぞれの群のマウスの涙の生産を表し、ろ紙スクリプト(filter paper script)上の色変化の長さ(mm)で測定する。**はP <0.01を表す。
図10Aは、正常マウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10Bは、能動免疫化されるが多糖類で処置されていない対照マウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10Cは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10Dは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10Eは、結膜へ浸潤した好酸球の数を示す図である。*はP <0.05を表す(対照群と比べる)。
図11は、ELISAにより、0、24及び40日目で測定された血清におけるブタクサ花粉(Rawgeed pollen)の特異的IgEレベルを示す図である。正常群(□)は健康なマウスである。対照群(
)はブタクサ花粉で感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。ブタクサ花粉で感作された処置群の給餌量は30 mg/kg/日(
)及び90 mg/kg/日(
)である。*はP <0.05を表し、**はP <0.01を表す。
図12Aは、フローサイトメトリーにより分析された脾臓細胞におけるCD4+CD25+ T細胞の数を示す図である。*はP <0.05を表す。
図12Bは、フローサイトメトリーにより分析された血清におけるCD4+CD25+ T細胞の数を示す図である。*はP <0.05を表す。
図13は、耳の厚さを示す図である。正常群(□)は健康なマウスである。対照群(
)は1%オキサゾロンで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウスである。1%オキサゾロンで感作された処置群の給餌量は10 mg/kg/日(
)、30 mg/kg/日(
)及び90 mg/kg/日(
)である。***はP <0.001を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例2において、デンドロビー・ハーバのマウスAHRテスト結果に対する効果を示す図である。
図2図2は、実施例2において、マウスのBALFに計算された総細胞数を示す図である。
図3図3は、実施例2において、マウスのBALFにおける白血球の百分率を示す図である。図3A図3CはそれぞれBALFにおける単球、リンパ球及び好酸球の百分率の結果を示す。
図4図4は、実施例2において、マウスの肺切片のヘマトキシリンとエオジン(Haematoxylin and Eosin、H&E)染色を示す図である。マウスから肺組織を取った後、10%ホルマリンで固定する。3日後、肺をパラフィンに埋めて、厚さが5μmである切片に切る。図4A図4Eはそれぞれ実施例2における5群を表す:正常群(陰性対照としての健康なマウス)、対照群(OVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバで処置されていないマウス)、給餌量がそれぞれ10 mg/kg/日(n=8)、30 mg/kg/日(n=8)及び90 mg/kg/日(n=8)であるOVAで感作された処置群。拡大倍率は100×である。
図5図5は、実施例2において、マウスの腸固有層リンパ球における制御性T細胞の百分率を示す図である。
図6図6は、実施例2において、デンドロビー・ハーバのマウスOVA特異的IgEレベルに対する効果を示す図である。図6Aは血清におけるレベルの結果を表し、図6BはBALFにおけるレベルの結果を表す。陰性群(n=6, □)は健康なマウスである。
図7図7は、実施例2において、マウスの肺組織全体のRT-PCRの結果を示す図である。図7A図7EはそれぞれIL-13、エオタキシン-1(eotaxin-1)、3-ジオキシゲナーゼ(3-dioxygenase)(IDO)、IL-17及び胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の遺伝子発現レベルの結果を表す。
図8A図8Aは、感作されていない正常マウスが刺激された後24時間の炎症した目を示す写真である。
図8B図8Bは、能動免疫化されるが、多糖類で処置されていない対照マウスが刺激された後24時間の炎症した目を示す写真である。
図8C図8Cは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスの炎症した目を示す写真である。
図8D図8Dは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を90 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスの炎症した目を示す写真である。
図9図9は、それぞれの群のマウスの涙の生産を表し、ろ紙スクリプト(filter paper script)上の色変化の長さ(mm)で測定する。**はP <0.01を表す。
図10A図10Aは、正常マウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10B図10Bは、能動免疫化されるが多糖類で処置されていない対照マウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10C図10Cは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10D図10Dは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日で経口投与した能動免疫化されたマウスにおいて、結膜への好酸球の浸潤を示す写真である。
図10E図10Eは、結膜へ浸潤した好酸球の数を示す図である。*はP <0.05を表す(対照群と比べる)。
図11図11は、ELISAにより、0、24及び40日目で測定された血清におけるブタクサ花粉(Rawgeed pollen)の特異的IgEレベルを示す図である。正常群(□)は健康なマウスである。
図12A図12Aは、フローサイトメトリーにより分析された脾臓細胞におけるCD4+CD25+ T細胞の数を示す図である。*はP <0.05を表す。
図12B図12Bは、フローサイトメトリーにより分析された血清におけるCD4+CD25+ T細胞の数を示す図である。*はP <0.05を表す。
図13図13は、耳の厚さを示す図である。正常群(□)は健康なマウスである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明には、デンドロビー・ハーバ多糖類のアレルギー性疾患を治療する用途が開示される。「多糖類」とは、それぞれグリコシド結合により結合された幾つかの単糖からなるポリマーである。多糖分子には10個を超える任意のタイプの単糖、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース又はリボースを含む。それは直鎖又は分岐鎖の構造を有していてもよい。
【0013】
任意の従来の方法により、デンドロビー・ハーバから本発明を実現するための多糖類を調製することができる。以下は一つの実例である。デンドロビウム植物(例えばデンドロビウム・ロディゲシイ(Dendrobium loddigesii)、デンドロビウム・フィンブリアタム・オクラタム(Dendrobium fimbriatum var. oculatum)、デンドロビウム・クリサンサム(Dendrobium chrysanthum)、デンドロビウム・カンディドゥム(Dendrobium candidum ex Lindl)又はデンドロビウム・ノビレ(Dendrobium nobil))の茎を集めて、乾燥し、アルコール(例えばメタノール、エタノール又はそれらの混合物)に適切な時間(例えば1〜12時間)浸漬する。アルコールを例えば蒸発により除去し、得られたデンドロビウムの茎を純水又は適切な含水溶剤に十分な時間(例えば12〜16時間)浸漬する。前記の含水溶剤としては、塩(例えばNaCl又はKCl)の水溶液であってもよいし、70vol%を超える(例えば80vol%、90vol%又は95vol%)水と30vol%より少ない水混和性溶剤(例えばメタノール又はエタノール)とを含む混合物であってもよい。不溶性物質を遠心分離又はろ過により除去し、可溶性画分を得る。その後、この画分をアルコール(例えば30%〜70%エタノール)と混合して、多糖類を沈殿させる。アルコールと混合する前に、前記の水可溶性画分を任意に温水で希釈して50℃〜70℃で20〜60分間維持することができる。沈殿物を例えば遠心分離により集め、好ましくは乾燥して、本発明の方法に使用される多糖類を得る。
【0014】
上記のデンドロビー・ハーバ多糖類を薬学的に許容し得る担体と混合し、また任意に他の治療活性物質と混合し、医薬組成物を形成できる。医薬組成物における担体が「許容し得る」ものであることは必要であり、それは組成物における活性成分とは許容しあえることができ(好ましくは該活性成分を安定することができ)、さらに治療対象に無害であることを表す。多糖類を含む医薬組成物を配達するために、一種又は複数種の可溶化剤を医薬賦形剤として使用することができる。他の担体の実例には、デキストリン、酸化シリコン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、D&C Yellow #10、微結晶セルロース、マンニトール、グルコース、脱脂粉乳、ポリビニルピロリドン及び澱粉、又はそれらの組み合わせを含む。このような医薬組成物は様々な形、例えば錠剤、カプセル、粉末、ゲル又は液体の形で存在することができる。
【0015】
適切な経路、例えば経口投与により、一日一回もしくは複数回、又は数日毎に一回で、対象に医薬組成物を投与する。経口投与するための固体製剤には、適切な担体又は賦形剤、例えばコーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、アカシア、蔗糖、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム又はアルギン酸を含有してもよい。使用し得る崩壊剤としては、ミクログリコール酸塩(microglycolate)及びアルギン酸を含むが、それらに限定されるものではない。使用し得る錠剤用結合剤には、アカシア、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(ポビドン3)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、蔗糖、澱粉及びエチルセルロースを含む。使用し得る潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリコーン溶液、タルク、ワックス、油及びコロイドシリカを含む。
【0016】
このような固体製剤は設計により組成物を腸に放出することができる。例えば、組成物を固体サブユニット又はカプセル区画に包み、該固体サブユニット又はカプセル区画にはそれぞれ腸溶性ポリマーを含む基質又は壁又は閉包(closure)を有し、該腸溶性ポリマーは小腸又は大腸のpHで溶解又は分散され、薬物物質を腸に放出する。
【0017】
もう一つの実施態様においては、上記の多糖類を一種又は複数種の食用担体と混合して、食物産品(例えばヨーグルト、牛乳又は豆乳)又は食物サプリメント(例えば栄養供給又はハーブ製品)を形成する。食用担体の実例には、澱粉、シクロデキストリン、マルトデキストリン、メチルセルロース、炭素メトキシセルロース(carbonmethoxy cellulose)、キサンタンゴム及びそれらの水溶液を含む。食品工業に広く知られている方法により、このような食物産品を調製することができる。本明細書に使用される術語「食物(food)」とは、広範囲に人類及び動物に栄養を与え、正常の成長もしくは加速の成長を維持ための、又はスタミナもしくは敏捷性を保持するための、任意の種類の液体及び固体/半固体材料である。
【0018】
本発明に開示される多糖類はアレルギー性疾患、例えば好酸球、IgE、ケモカイン及び/又はTh2サイトカインのレベルの増加に関連するアレルギー性疾患を治療することができる。広く知られているのは、アレルゲンによって連続の免疫応答が誘発され、T細胞がTh2エフェクター細胞に分化すること、Th2サイトカイン(例えばIL-4、IL-5、IL-6及びIL-13)の放出、IgEの生産、及び好中球(例えば好酸球又は肥満細胞)の活性化を含む。アレルゲンによって誘発された免疫応答は様々なアレルギー性疾患、例えば喘息、花粉症、アレルギー性結膜炎及びアトピー性皮膚炎を引き起こす。
【0019】
喘息は呼吸器系に関する慢性疾患である。ヒト喘息の主な特徴は、気道炎症、高粘性粘液の過剰分泌、及び気管支収縮である。このような気道狭窄は、例えば喘鳴、息切れ、胸部圧迫感及び咳嗽の症状を引き起こす。これらの特徴は、下記の状況によって誘発されることがある:例えば環境刺激物(又はアレルゲン)、冷気、暖気、湿気又は情緒的ストレスに暴露される。また、アレルギー感作も、環境抗原に対抗するIgEの生産、肺と血清中へのリンパ球と好酸球の動員、及びTh2サイトカイン又はケモカインの生産を誘発させることによって定義される。最近、先進国では、世間の注目が喘息にあるのは、その有病率の急増により、四分の一に至るまでの都市の子供に影響を与えるためである。Craig M. Lillyの《Journal of Allergy and Clinical Immunology》第115卷,第4期,2005年4月増刊1、第S526頁〜第S531頁を参照。
【0020】
喘息と同様に、アレルギー性結膜炎とアトピー性皮膚炎両方はアレルゲン、例えば花粉に対する過敏によって引き起こされるが、炎症部位及び症状は異なる。同じように、これらのアレルギー性疾患もTh2サイトカイン又はケモカインの過剰、及び炎症部位におけるIgEレベルと好酸球の數に比例する。
【0021】
結膜は目を覆う薄膜である。アレルゲンが結膜を刺激するとき、目に起こる一般的な症状には、眼のかゆみ、眼瞼の腫れ、流涙、羞明、水のような分泌物及び異物感を含む。前記のアレルゲンは前記の典型的なアレルギー進展を誘発させる。研究によると、患者はある種の活動、例えばアウトドア活動、読書、睡眠及び運転では限定されることを示す。従って、アレルギー性結膜炎の患者を治療することにより、その患者たちの毎日の生活の質を向上することができる。
【0022】
アトピー(atopy)又はアトピー性症状は、アレルゲンと直接に接触しない体の部分に対して影響を与えるアレルギー性過敏症である。湿疹(アトピー性皮膚炎)、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎及び喘息に関係することが可能である。遺伝的要素が強いである。強いアレルギー反応、例えば食物や環境に対する反応によって引き起こされるアナフィラキシーを経験する人に対して、アトピー性症状は命取りになり得る。アトピーは様々な定義があるが、一番一貫している定義とは、患者の血清において全部のIgEレベルとアレルゲンの特異的IgEレベルを高めることを示し、一般的なアレルゲンに対する皮膚プリックテストが陽性を示させる。20世紀以降、様々な粘膜炎症性疾患が劇的普及になり、アトピーはこのような疾患の典型例である。現在、工業化国では、10%〜20%の子供と1%〜3%の成人に影響を与え、過去30年間その有病率が2倍を超えた。
【0023】
本発明に開示されるデンドロビー・ハーバ多糖類は、例えば経口投与により、腸固有層における制御性T細胞の集団を増えることに使用することができる。本明細書に使用される術語「制御性T細胞」とは、T細胞の特異的亜集団であり、その作用は免疫系の活性化を抑制することにより、免疫系の恒常性と自己抗原に対する耐性を保持する。抑制性T細胞と呼ばれることもある。制御性T細胞は様々な様態があり、CD8膜貫通糖タンパク質(transmembrane glycoprotein)(CD8+T細胞)を表現するもの、CD4、CD25とFoxp3(CD4+CD25+ 制御性T細胞又はTregs)を表現するもの、及び抑制機能を有する他のT細胞のタイプを含む。一つの実施態様において、前記の制御性T細胞とは、CD4とCD25を表現する集団である。
【0024】
本明細書に使用される術語「腸固有層(intestinal lamina propria)」とは、上皮の下にあって上皮と共に粘膜を構成する疎性結合組織の薄層である。この領域において、様々な免疫細胞が留めて、例えば、樹状細胞、マクロファージ、T細胞、B細胞又は肥満細胞などが挙げられる。
【0025】
もう一つの実施態様においては、対象に多糖類を投与することにより、該対象の血清とBALFにおけるIgEレベルを減らすことができる。アレルギーの発症機序において、IgEは重要な役割を担う。他の免疫グロブリンと類似に、IgEは環境由来の外来抗原にBリンパ球が暴露されることにより生じる。細胞表面に結合するIgE分子は二個又は複数個が同時にその特異的アレルゲンに連結する場合、細胞は直ちにあらかじめ形成されたヒスタミンを含む炎症性サイトカインを放出し、即時の影響又はアレルギーの初期段階を誘発させる。これらのサイトカインは、好酸球、マクロファージ及びより多くの好塩基球をその場所に集める。このような新たに合成された物質と、それらに集められた細胞とが、アレルギー反応の後期段階に重要な役目を担う。IgEとアレルギーと喘息との密接な関係は既に知られている(Platts-Mills TAE, Am J Respir Crit Care Med, 164:S1-S5,2001;Milgrom Hなど, N Eng J Med., 341:1966-73, 1999)。一つの具体的な実施態様において、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を給餌したマウスは、血清とBALFにおいてより低いIgEレベルを有する。これらのマウスも、より少ない好酸球と免疫細胞を引きつけて気道上皮を刺激するケモカイン或はサイトカインを有する。従って、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類は喘息を治療することができる。
【0026】
また、もう一つの実施態様においては、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を対象に経口投与することにより、前記多糖類を炎症によって引き起こされる気道リモデリングを低減させることに使用する。
【0027】
本明細書に使用される術語「気道リモデリング」とは、慢性気道炎症と一緒に現し又は慢性気道炎症によって引き起こされる構造変化である。気道リモデリングによって、気道上皮、固有層及び粘膜下層の変化が引き起こされ、気管壁肥厚をもたらす。喘息において、気道リモデリングによって生じた結果は、不完全可逆的気道狭窄、気管支の過敏性、気道浮腫及び粘液の過剰分泌を含む。
【0028】
さらに細かく説明するまでもなく、本技術分野に習熟した者は、上記の説明により本発明を最大限に活用することができると確信する。従って、下記の特定の具体的な実施例は説明の便宜上例示的に述べたに過ぎず、公開内容の他の部分を任意に限定するものではない。本発明に引用されたすべての出版物は参考として本発明に組み入れる。
【実施例】
【0029】
実施例1
デンドロビー・ハーバからの多糖類の調製
2kgの新鮮なデンドロビー・ハーバを乾燥し乾燥材料を形成した後、20 Lのメタノールに浸漬し、処理して、処理された植物を得た。メタノールを除去する方法で前記の処理された植物を処理し、水中に一夜浸漬し、宵越し水溶液を得た。温度範囲が60℃である温水24 Lで、前記の宵越し水溶液を30分間抽出した後、遠心分離機(ER-RC13 C-124, HITACH)により、5,000rpm、10℃で遠心分離した。遠心分離した後、上澄液を6μmろ紙でろ過した。ろ液を50%(w/v)エタノールで沈殿させ、多糖類を得た。
【0030】
実施例2
デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の喘息に対する効果
<喘息の動物モデルの作成>
BALB/c雄性マウスをランダムに正常群(n=6, 陰性対照としての健康なマウス)、対照群(n=10, OVAで感作されるが、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類で処置されていないマウス)、給餌量がそれぞれ10 mg/kg/日(n=8)、30 mg/kg/日(n=8)及び90 mg/kg/日(n=8)であるOVAで感作された処置群に分けた。正常群以外、1日目と14日目で、それぞれ腹腔内注射で20と50μg/mLのOVA(Sigma, USA)及び補助剤としての2mgと5mgのAl(OH)3を含むリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)を使用し、すべてのマウスを免疫化した。免疫化ごとに、陰性対照マウスに対して1×PBSの腹腔内注射を行った。28日目、29日目と30日目で、超音波ネブライザー(Buxco)によりすべてのマウスが1%OVAを含むPBSに20分間暴露された。31日目で、様々な濃度のメタコリン(methacholine)ですべてのマウスにAHR(Airway hyperresponsiveness、気道過敏性)テストを行って、次の日にマウスを犠牲にした(方法としてはCharles Perkinsなど, J. Allergy Clin. Immunol., 118(2):410-419を参照して下さい)。0日目と21日目とAHRテスト後で、眼窩後静脈叢からマウスの血液を集めた。血液のサンプルにOVA特異的抗体を測定した。
【0031】
<メタコリンに対する気道過敏性の測定>
マウスを無拘束に円筒状のプレキシガラス プレチスモグラフ チェンバー(cylindrical plexiglass plethysmograph chamber)内に置いて、前記のプレチスモグラフ チェンバーはBuxcoネブライザー制御エアロゾル配達システム(Buxco nebulized control aerosol delivery system)とBuxco Max II装置に連接し、気圧のプレチスモグラフィーを分析することに使用された(Buxco Electronics, Sharon, Conn)。5分間をかけて強化された一時停止(enhanced pause,Penh)のベースラインを測量した。Penhとは、気流妨害の単位なしの測量(unit-less measure)であり、吸気と呼気の間に時間と程度の量的差異に関する肺機能の変化を示す。具体的には、Penhは測量されたボックス内の圧力の信号(box pressure signal)の波形の変化(気管支収縮の結果)を示すパラメーターであり、即ち気道妨害の指数と思われる。喘息の重症度をPenhレベルにより評価することができる(Zhangなど, J. Allergy Clin. Immunol., Feb; l13(2):320-6, 2007)。
【0032】
その後、エアロゾル化されたβ-メタコリンを含むPBS(ネブライザー(Buxco Electronics, Sharon, Conn)で生産する)を吸入する手段でマウスを3分間刺激し、開始のメタコリン濃度は6.25 mg/mLである。エアロゾル化されたメタコリンに3分間暴露された後、Penh測量を開始し、3分間の平均のPenh値を計算した。次いで、前記の過程を連続に繰り返し、メタコリンの濃度を12.5 mg/mLと25 mg/mLに変えた。記録した全部のデータをベースライン測量で規準化し、図1にそれぞれの群の結果を示す。
【0033】
AHRは気道妨害及び喘息の主要な症状(例えば息切れ、胸部圧迫感、咳嗽及び発話困難)を引き起こす主な原因である。従って、AHRを抑制することにより、喘息の重症度を和らげることができる。図1に示されるように、対照群に比べると、すべての三つの処置群はエアロゾル化された25 mg/mLメタコリンに応答し、著しく低下したPenhを示す。これは、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類はAHRを抑制することができるため、喘息を治療することができると示す。
【0034】
<気管支肺胞洗浄液(BALF)分析>
気管支肺胞洗浄液とは、肺における肺胞の部分を洗い出すことにより得られる液体である。それを肺組織間質における生化学的変化と炎症的な変化を測定することに使用し、本発明の方法の効果を評価した。
【0035】
頸椎脱臼を行った後、気管を暴露させ、ポリエチレンカテーテルで培養した。前記の気管に1mL PBSを通して洗浄することにより、マウス由来のBALFを集めた。洗浄液を遠心分離した後、上澄液を抗体検出に使用し、沈殿物から総細胞数を得た。サイトスピンスライド(Cytospin slide)を製作して、Liu's染色法(Liu's staining、ギームザ染色法の改良した方法)で染色した(Sevens, M L. Fundamentals of clinical hematology., W.B. Saunders company, 1997)。
【0036】
まず、Liu'sのA溶液0.5mL(調製方法:0.18gのエオシンYと0.05gのメチレンブルーとをメタノール100mLに溶解し、得られた溶液を3号ろ紙でろ過する)を添加し、マウス由来のBALFの細胞を30秒間染色した。その後、直ちにLiu'sのB溶液1mL(調製方法:0.12gのメチレンブルー、0.14gのアズールB、2.52gのNa2HPO4と1.26gのKH2HPO4をH2O 100mLに溶解し、得られた溶液を3号ろ紙でろ過する)を添加し、Liu'sのA染色溶液と混合した。60秒間反応させた後、前記のスライドを水で洗って、染色溶液を除去した。
前記のスライドを空気で乾燥した後、光学位相顕微鏡で検査し、300個の細胞を数えた後に、その区別を得た。結果を図2図3に示す。
【0037】
図2に示されるように、対照群に比べると、90 mg/kg/日の群における総細胞數が著しく低下した。また、図3にそれぞれの細胞タイプ(好酸球、好中球、単球及びリンパ球)の百分率を示す。対照群に比べると、90 mg/kg/日でデンドロビー・ハーバ多糖類を経口給予した群では、好酸球とリンパ球の百分率が著しく低下した。
【0038】
理論に束縛されるものではないが、デンドロビー・ハーバから得られた多糖類は下記の機構によって有効に喘息を治療することが可能である。好酸球が喘息の進展に重要な役割を担うことは報告されていた。Walsh G.M., Curr Opin Hematol., 8(1):28-33, 2001、Menzies-Gow Aなど, J Asthma., 38(8):605-13, 2001を参照して下さい。上記のように、デンドロビウム多糖類はBALFにおける好酸球の数を減らし、喘息の症状を軽減する。
【0039】
<デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の肺における好酸球増多と気道リモデリングに対する効果>
BALFを得た後、10%の中性緩衝ホルマリンで肺組織を24時間固定した。肺組織をパラフィンに埋めた後、厚さが5μmである切片に切った。H&E溶液(ヘマトキシリン、Sigma MHS-16及びエオジン、sigma HTl 10-1-32)で前記の切片を染色した。結果の写真を撮って、図4に示される。
【0040】
喘息の特徴とは、気道粘膜における炎症の特異的パターンであり、好酸球の浸潤、TH1細胞に対してTH2細胞の数の増加に関連することである。また、気道に特徴的な構造変化を有することは「リモデリング」と称し、いくらかのリモデリングは疾患の進展に先行する。喘息の患者の体内に見られるこのような構造変化には、気道壁網状基底膜の肥厚、異常な弾性線維網の形成、気道軟骨構造の変化、血管新生、及び気道平滑筋質量の増加を含んでもよい。
【0041】
本発明において、対照群は著しく気道上皮基底の肥厚及び気管支の狭窄を示す。デンドロビー・ハーバ多糖類処置の剤量の増加につれて、気道リモデリングの特徴が減り、気管支の直徑が自然状態に戻る。図2における結果と組み合わせれば、本発明の特徴は、好酸球とリンパ球の数を減らし、気道リモデリング症状を緩和する方法にある。
【0042】
<デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の経口処置によって、腸固有層におけるTregの百分率を増大することが可能>
頸椎脱臼によりマウスを殺した。直ちに小腸を取り出し、HBSS(HEPESを有するが、Ca2+和Mg2+を有しない)で洗い流した。パイエル氏腺(Peyer's patchs)を丁寧に摘出し、断片(segment)に切った。上皮細胞を除去するために、前記の断片を1mMジチオスレイトール溶液(DTT, Amresco, USA)と1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA, Sigma, USA)に37℃で1時間振盪した。このように処置した後、前記の断片を1mm小片にミンチし、30単位/mLのタイプIのコラゲナーゼ(Sigma, USA)と10単位/mLのタイプIIのコラゲナーゼ(Sigma, USA)を含有するRPMI 1640(Gaithersburg, USA)及び10%ウシ胎児血清において、37℃で1時間消化した。消化された組織をナイロンメッシュ(Small Parts, USA)に通して、細胞を得た。徹底的な洗浄の後、パーコール(Percoll)上で遠心分離することにより単核細胞を得た。
【0043】
前記の単核細胞を1×106細胞/mLに調整し、チューブに加えて、FITC標識CD4抗体(BD Biosciences, USA)とPE標識CD25抗体(BD Biosciences, USA)で4℃、暗闇中に30分間培養した。サンプルを冷PBSで2回洗浄し、FACScan(Becton Dickinson Bioscience, USA)を用いた2色サイトメトリーで分析した。CD4+CD25+ 細胞の数をCD4+ 細胞の数で割り、Tregの百分率になる。結果を図5に示す。90 mg/kg/日でデンドロビー・ハーバ多糖類を給餌したマウスは、腸固有層中により多いTregを有する。
【0044】
<デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の、OVAで感作されたマウスの血清及びBALFにおけるOVA特異的IgEレベルに対する効果>
1日目、14日目及び犠牲になった前日で集めた血清とBALFを使用し、ELISAによりOVA特異的IgEを検出した。製造業者の説明書により分析を実施する。血清サンプルの2通(in duplicate)は1:50に希釈したが、BALFは希釈しない。ここに使用される抗体は、Southern BioTech(USA)から得たAP標識ヤギ-抗マウスIgEである。図6に示されるように、90 mg/kg/日のデンドロビー・ハーバ多糖類群の血清がIgE著しく低下した。また、同群におけるBALFのIgEレベルも低下傾向がある。
【0045】
現在、たくさんの研究者は、IgEが即時型アレルギー反応における鍵分子(key molecule)であるのは、それがアレルゲンと好中球との間に橋を形成し細胞脱顆粒を誘発させ、同時に無数のあらかじめ形成されたメディエーターとサイトカインを遊離させることができるためであると表示した(Holgate Sなど, J. Allergy Clin. Immunol., 115:459-465, 2005、Cooper PJ, Parasite Immunol. 26:455-467, 2004、Milgrom Hなどの前記資料を参考して下さい)。従って、IgE合成の中和又は抑制は、アレルギー性疾患の治療に対して合理的な選択である(Sarinho EとCruz AA, J Pediatr (Rio J), 82(5 Suppl):S 127-32, 2006、Wagelie-Steffen ALなど, Clin Chest Med., 27:133-147, 2006、Clark Jなど, J Asthma, 43:87-93, 2006)。本発明において、90 mg/kg/日のデンドロビー・ハーバ多糖類は、喘息マウスの血清と肺におけるIgEレベルを低下させることができる。これらのデータから見ると、デンドロビー・ハーバ多糖類は、アレルギー性疾患又は喘息を治療する大きな可能性が持っている。
【0046】
<デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の、OVAで感作されたマウスの肺組織における遺伝子発現に対する効果>
組織を摘出し小片に切った。その後、製造業者の説明書により、rareRNA総RNA単離試薬(Gsharp Corporation、台湾)で総RNAを単離した。5μg RNAとMMLV逆転写酵素(Promega、 USA)を使用し40μLの総体積で逆転写を行って、cDNAを合成した。得られた逆転写産物の一部(1μL)をPCRで増幅した。表1にIL-13、エオタキシン-1、IDO、IL-17とTSLPのプライマー(primer)に用いる配列を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
これらの基因を増幅するPCRの条件としては、95℃ 5分間の初期変性、続いて94℃ 30秒、58℃ 30秒及び72℃ 1分間にする。全部の遺伝子発現レベルはβ-アクチンmRNAで規準化された。図7に示されるように、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日及び90 mg/kg/日で給餌した群において、肺におけるサイトカイン又はケモカインのmRNA発現レベルがより低い。
【0049】
アレルギー性炎症において、ケモカイン、例えばIL-13、エオタキシン-l、IL-17とTSLPによって好酸球を選択的に気道に集めることは、肺炎症の経過において、好酸球特異的化学誘引物質が生産及び放出されることを示す(Rothenberg ME., N. Engl. J. Med., 338:1592-1600, 1998;Lacy Pなど, Chem. Immunol., 76:134- 155, 1998)。また、好酸球によって誘発されたIDOの増加は、Th1のアポトーシスとTh2の極性化をもたらすことが認知された。その結果、好酸球は、リンパ組織において機能的に活性なIDOを発現することによって、アレルギー性喘息に見られたTh1-Th2不均衡を維持することができる(Odemuyiwa SOなど,J Immunol.2004 Nov 15;173(10):5909-l3)。従って、これらのタンパク質の生産を抑制することは、喘息の発展を遮断することに役を立つ。本発明において、デンドロビー・ハーバ多糖類で経口処置されたマウスは上記のようにより低い遺伝子発現レベルを有し、これは好酸球又はリンパ球を集めることに関連する。この二種の細胞がアレルギー性疾患、特に喘息の発展に重要な役割を担うため、ケモカインを減らすことにより、肺の浸潤を防止できる。従って、好酸球に関連するアレルギー性疾患、例えば喘息の症状を治療することができる。
【0050】
実施例3
デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類の花粉症に対する効果
<ブタクサ(Ragweed Pollen)花粉からの活性タンパク質の抽出>
Polyscience, Inc.(Polyscience, Inc., Warrington, Pa., USA)からブタクサ花粉を購入した。室温において、500μLのエーテルと20mLの0.125M重炭酸アンモニウムでブタクサ花粉(1g)を48時間処理し、10000×gで30分間遠心分離し、第1上澄液を得た。室温において、処理された花粉を12mLの0.125M重炭酸アンモニウムで24時間処理し、10000×gで30分間遠心分離し、第2上澄液を得た。前記の第1上澄液と第2上澄液を孔径が3500 Daである透析袋に集めて、5mM重炭酸アンモニウムで4時間透析した後、新たな5mM重炭酸アンモニウムに変えて、続いて24時間透析した。最後のサンプルを凍結乾燥し、-20℃で貯蔵された。花粉からの抽出率は21.1%であり、抽出物に11.9%のタンパク質を有する。
【0051】
<能動免疫化によって目の結膜炎を誘発させる及びデンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を用いる処置する>
目の結膜炎を誘発させる方法は、従来の技術(Schopf, L.など, Invest Ophthalmol Vis Sci, 2005. 46(8):p.2772-80)で改良した。8週齢のBalb/c雌性マウスに対して、全部を感作前の11日目に卵巣摘出の手術を行った。0日目、7日目、14日目及び29日目で、マウスに対して200μg花粉抽出物(50μgタンパク質を含む)及び200μL PBSに溶解された4mg Al(OH)3を腹腔内注射した。8日目と15日目で、マウスの左眼に500μg花粉抽出物と25μg Al(OH)3の5μL PBSを含む滴眼液で感作した。22日目、23日目、24日目と36日目、37日目、38日目、39日目と40日目で、マウスの左眼に花粉抽出物を含むPBS(眼ごとに対して、3μg PBSに1mgを含む)で刺激した。刺激した15分後、マウスに涙の測量を行って、眼瞼の腫れと結膜発赤が観察された。正常マウスには前記の感作を行わないが、同様に刺激を受けた。対照マウスには感作と刺激を受けたが、多糖類処置を行わなかった。一部のマウスには8日目から52日目でマウスが犠牲にされるまでにデンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日又は90 mg/kg/日で経口投与した。
【0052】
<外見の観察及び涙の測量>
アレルギー性結膜炎は、アレルゲン、例えば花粉に対する過敏性である。症状には眼のかゆみ、眼瞼の腫れ、涙の過剰産生、及び結膜又は目の白い部分における発赤を含む。多糖類処置の効果を評価するために、刺激ごとに15分間後、マウスの左眼の写真を撮って涙の産生を測量するテストを受けた。涙の産生としては、ろ紙ストリップでテストを行った。本明細書に使用されるろ紙ストリップは、まず17.5mlの70%エタノールに溶解される0.5gフェノールレッド(Sigma, USA)で浸漬し、さらに室温で一夜乾燥した。前記のろ紙ストリップの大きさは幅1mm、長さ20mmである。そっと下眼瞼から過剰分泌した物を除去した後、前記のろ紙ストリップを下眼瞼の中央と外側の三分之一との接合部に置いた。マウスの涙の生産を測量する標準時間は1分間である。炎症した目の写真を図8A図8Dに示し、色の変化の長さを図9に示す。
【0053】
図8Aに示される結果のように、正常マウスの眼睛には僅かな発赤と腫れがあるが、それらの対照マウスはひどく腫れて炎症した(図8B)。デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日(図8C)又は90 mg/kg/日(図8D)で経口投与したマウスの眼も炎症したが、発赤と腫れの症状は緩和された。
【0054】
図9に示される結果のように、アレルギー性結膜炎の症状と一致であり、対照群マウスは花粉と接触した後、より多い涙を生産した。デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を30 mg/kg/日又は90 mg/kg/日で投与したマウスは、対照マウスより涙が著しく少ない。
【0055】
<組織学的分析>
マウスを犠牲にした後、マウスの頭部を切り、Bouin's緩衝液に固定した。72時間後、Bouin's緩衝液の代わりに14% EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含むPBSを使用し、少なくとも72時間でカルシウムを除去した。カルシウムが完全に除去された後、眼球と結膜以外の組織をはさみで切った。その後、切り取った組織をパラフィンに埋め、厚さが5μmである切片に切った。Giemsa染色法(GIEMSA染色原液、Sigma、 USA)で前記の切片を染色した。切片ごとに結膜の固有層粘膜に浸潤した好酸球の数を数えた。データは、全部の検査されたマウスのスライドごとの平均値±S.E.Mで表す。
【0056】
アレルギーの重症度が増えるにつれて、より多い好酸球が検出されているため、結膜への好酸球の浸潤はアレルギー性結膜炎の重症度の目安として使われてもよいことは報告されていた。(Sumiなど, Int Arch Allergy Immunol. 143(4):276-81, 2007)。図10A図10Dに示されるように、対照群には一番多い浸潤細胞を有する。対照群に比べると、30 mg/kg/日処置群と90 mg/kg/日処置群(図10E)の浸潤細胞の數は著しく低下した。その結果、デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を用いる処置はアレルギーの重症度を緩和するできることを表す。
【0057】
<血清におけるIgEの測量>
刺激した0日目、24日目及び40日目で、能動免疫化されたマウスの血液を集めて血清を製作した。前記の実施例で述べるように、ELSAにより血清におけるブタクサ花粉の特異的IgEレベルを測量した。
【0058】
図11に示されるように、40日目で、30 mg/kg/日又は90 mg/kg/日でデンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を経口投与したマウスは、対照マウスより著しく低いIgEレベルを有する。
【0059】
<フローサイトメトリー分析>
新鮮の単離されたRBC枯渇脾臓細胞を2%ホルムアルデヒドで固定し、FACS緩衝液(PBS+1%ウシ胎児血清)で洗浄した。洗浄した後、最適濃度のFITC標識ヤギ抗マウスCD4+抗体で4℃に細胞を30分間培養し、同緩衝液で2回洗浄した。洗浄した後、最適濃度のPE標識ヤギ抗マウスCD25+抗体で4℃に細胞を30分間培養し、同緩衝液で2回洗浄した。最後、細胞を100μl FACS緩衝液に再懸濁させて、FACScan(Becton Dickinson Bioscience, San Diego, CA, USA)で分析した。分析とデータの取得はCellQuestソフトウェアを使用することにより実施した。
【0060】
図12A図12Bに示される結果のように、能動免疫化されたマウス脾臓細胞と血清におけるCD4+CD25+T細胞の百分率は低いである。対照マウスに比べると、30 mg/kg/日又は90 mg/kg/日でデンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を経口投与したマウスの方が、CD4+CD25+T細胞の百分率がより高いである。
【0061】
実施例4
デンドロビー・ハーバから抽出された多糖類のアトピー性皮膚炎に対する効果
<アトピー性皮膚炎の動物モデルの作成>
0日目で、腹部皮膚に1%オキサゾロン100μLを施すことにより9週齢マウスを感作し、PBS群を正常群とした。7日目及び8日目で、局所的に両耳に0.5%オキサゾロン40μLを施した。対照群には感作と刺激を受けたが、多糖類処置を行わなかった。他の群のマウスには、0日目で感作する4日目前からマウスが犠牲になされるまで、それぞれ10 mg/kg/日、30 mg/kg/日又は90 mg/kg/日でデンドロビー・ハーバから抽出された多糖類を経口投与した。9日目及び10日目、即ち8日目で刺激した後の24時間に、耳の厚さを測量した。9日目のデータは、全部の検査されたマウスの平均値±S.E.M.で表す。
【0062】
<結果>
図13に示される結果のように、全ての能動免疫化されたマウスの耳の厚さは増えている。対照群に比べると、10 mg/kg/日の群及び30 mg/kg/日の群での効果は明らかではないが、90 mg/kg/日の群での耳の厚さは著しく低下した。
【0063】
本技術分野に習熟した者は、広い発明の概念から逸脱しない限り、上記の具体的な実施例に変更を施すことが可能であると理解すべきである。従って、本発明は、特定の具体的な実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及びその範囲内の変更を含むと理解すべきである。
【0064】
他の具体的な実施例
本明細書に開示されたすべての特徴は、任意の組み合わせで併せることが可能である。本明細書に開示されたいずれの特徴も、同じ、相当又は類似の目標を与える置換手段で代わることができる。従って、特別に限定しない限り、開示されたいずれの特徴も、その相当又は類似の特徴のシリーズの実例の一つに過ぎない。
【0065】
本技術分野に習熟した者は、上記の説明により簡単に本発明の基本的な特徴を確知でき、その趣旨及び範囲から逸脱しない限り、本発明に各種の変更と修正を施すことにより各種の用途と条件に適応させることができる。従って、他の具体的な実施例も特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図9
図11
図12A
図12B
図13
図8A
図8B
図8C
図8D
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]