【実施例】
【0026】
(
果菜搬送方法の実施形態1)
本発明の
果菜搬送方法の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。本例では、
果菜搬送方法をトマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別するための果菜自動選別方法として用いた例について説明する。この
果菜搬送方法は、
図1に示すように、果菜1を果菜搬送体2の果菜載せ体3上に載せて矢印a方向に搬送し、搬送中の果菜1を判別部6において規格別に自動的に判別し、判別後の果菜1を果菜搬送体の側方に配置されたプールコンベア(果菜受体)4の横まで搬送すると、
図2に示すように、果菜載せ体3の無端ベルト18を搬送方向斜め後方に駆動させて、果菜載せ体3上の果菜1を規格別に同方向に送り出して果菜受体4に載せ換える方法である。果菜受体4は
図1に示すように果菜の規格別に果菜搬送体2の側方数箇所に配置されており、果菜1は規格別に夫々の果菜受体4に送り出されるようにしてある。この方法では、前記果菜載せ体3を
図2、
図3に示すように無端ベルト18とし、その上面に果菜支持具5を取付けて無端ベルト18の上に載せた果菜1をその果菜支持具5で支持できるようにしてある。また、無端ベルト18の送り出し側を
図1〜
図3に示すように果菜受体4の後方に向けて斜めに配置し、無端ベルト18が回転或は移動すると、その上の果菜1を搬送方向斜め後方に送出できるようにし、果菜1の送出し速度を減速させて果菜1の勢いがセーブされるようにした。
【0027】
(
果菜搬送方法の実施形態2)
本発明の
果菜搬送方法では、果菜搬送体2によって搬送されている果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記
果菜搬送方法の実施形態1記載のように、ベルトコンベアを一本備える果菜載せ体3によって行う方法には限られず、例えば、
図9(a)(b)のように、隣接する二本のベルトコンベア式の果菜載せ体3を一組のユニット50としたり、
図10のように、隣接する四本のベルトコンベア式の果菜載せ体3を一組のユニット50としたりして、夫々のユニット50に二以上の果菜1を載せることができるようにして、各ベルトコンベアを搬送方向斜め後方へ動かして送り出すようにすることもできる。
【0028】
(
果菜搬送方法の実施形態3)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、
図11(a)(b)のような幅の細い無端ベルト18を二本平行に並べたベルトコンベア式の果菜載せ体3によって行うこともできる。
【0029】
(
果菜搬送方法の実施形態4)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、
図12(a)(b)のような各ローラーを回転可能に備えたローラーコンベア式の果菜載せ体3によって行うこともできる。
【0030】
(
果菜搬送方法の実施形態5)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、
図13(a)(b)のような傾斜機構によって斜め後方に傾斜可能としたローラーコンベア式の果菜載せ体3によって行うこともできる。傾斜機構は判別結果に基づいて作動して果菜を斜め後方に送出させる。
【0031】
(
果菜搬送方法の実施形態6)
本発明の
果菜搬送方法では、果菜搬送体2によって搬送されている果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、
図14に示すように、二本のバーを搬送方向斜め後方に向けて平行に配置して果菜1を載置可能とした載置台62と、載置台62に沿って往復移動可能な送出体63で構成された果菜載せ体3を用い、載置台62上にのせた果菜1を送出体63の移動によって矢印方向に押して搬送方向斜め後方に果菜受体4に送り出し可能なものとすることもできる。果菜載せ体3は、
図14に示すものには限られず、送出体63によって載置台62上の果菜1を押して果菜1を斜め後方に送出可能なものであれば、例えば、載置台を、プレート等の固定具としたり、搬送方向斜め後方に回転可能に配置されたローラーコンベアとしたりするなど、任意のものとすることができる。
【0032】
(
果菜搬送方法の実施形態7)
本発明の
果菜搬送方法では、果菜搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記各実施形態記載の方法には限られず、
図15(a)(b)に示すような鍵盤状の果菜載せ体3によって行うこともできる。この場合、
図15(a)に示すように、果菜載せ体3を、搬送方向斜め後方向きに配置された角棒状の支持材100とし、その支持材100を搬送方向斜め後方に向けて多数枚並べ、各支持材100を首振り駆動体(図示しない)により支持軸101を中心に鍵盤状に首振り可能にして果菜載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に滑落可能とすることもできる。
【0033】
(
果菜搬送方法の実施形態8)
本発明の
果菜搬送方法では、
図16(a)(b)に示すように、果菜搬送体2の果菜載せ体3と果菜受体4の間に設けられた減速体110によって、果菜載せ体3から果菜受体4に搬送方向斜め後方に送り出される果菜1の送り出し速度を減速させることもできる。このとき、減速体110としては、表面がフッ素樹脂加工等された板材やテープ等を用いることができる。減速体110は、果菜載せ体3から果菜受体4に向けて上り傾斜に配置することもできる。その場合、同図に示すように、果菜受体4の上面を果菜載せ体3の上面より高くなるようにしたり、更にその果菜受体4自体を上り傾斜にしたりすることができる。減速体110は、果菜載せ体3の出口側や果菜受体4の入口側に備えることもできる。また、果菜1の送り速度の減速は、減速体110によるものには限られず、減速体110を設けずに、果菜受体4の上面を果菜載せ体3の上面より高くなるようにしたり、果菜受体4自体を上り傾斜にしたりして行うこともできる。
【0034】
(
果菜搬送方法その他の実施形態)
本発明の
果菜搬送方法では、果菜搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記各実施形態記載のものには限られず、他の任意の手段によって行うことができる。
【0035】
本発明の
果菜搬送方法では、果菜搬送体2から搬送方向斜め後方への果菜1の送り出しは、果菜受体4の上に限られず他の任意の場所への送り出しとすることもできる。場合によっては、果菜受体4を省略することもできる。
【0036】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態1)
本発明に
おける果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。本例では、
果菜搬送装置をトマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別するための果菜自動選別装置として用いた例について説明する。この
果菜搬送装置は
図1に示すように、果菜1を、果菜搬送体2の果菜載せ体3に載せて矢印a方向に搬送し、搬送中の果菜1を判別部6において形状、サイズ、色といった規格別に自動的に判別し、判別後の果菜1が果菜搬送体2の側方に配置されたプールコンベア(果菜受体)4の横まで搬送されると、
図2に示すように、果菜載せ体3を駆動させて、果菜載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に送り出して果菜受体4に載せ換えるようにしたものである。果菜受体4は
図1に示すように果菜の規格別に果菜搬送体2の側方数箇所に配置されており、果菜1は規格別に夫々の果菜受体4に送り出されるようにしてある。果菜載せ体3は、
図2、
図3に示すようなベルトコンベア式であり、その無端ベルト18の上面に果菜支持具5を取付け、果菜載せ体3に乗せた果菜1を支持できるようにしてあり、また、無端ベルト18の下面から下方に係止具35を突設し、それを
図3に示す案内体43に沿って
図4のように果菜受体4と反対側(
図4の右側)に移動させると無端ベルト18の上走行部が果菜受体4側に回転(
図4では左回転)して上走行部の上に載せてある果菜1が果菜受体4に送り出されるようにしてある。この場合、果菜載せ体3の送り出し側を
図1〜
図3に示すように果菜受体4の後方に向けて斜めに配置して、果菜載せ体3から送り出される果菜1の送出し速度が減速されて果菜1の勢いがセーブされるようにしてある。以下に、果菜搬送体2、果菜載せ体3等について詳細に説明する。
【0037】
図1の果菜搬送体2は駆動スプロケット10aと従動スプロケット10bに架設された無端状のチェーン11に、細長の果菜載せ体3が多数本取り付けられており、この果菜載せ体3はモータMの回転により駆動スプロケット10aが回転し、チェーン11が矢印a方向に移動すると同方向に移動する。前記果菜載せ体3はいずれも送出し側3aをチェーン11の移動方向斜め後ろ向きにして取り付けてある(
図2参照。)。
【0038】
前記搬送チェーン11は
図3に示すように上走行部が上方開口の角型樋状のチェーンガイド14内に収容されてその内部を走行するようにしてある。チェーンガイド14は
図5に示すように
果菜搬送装置の主フレーム13の上面に設置されている。チェーン11には
図2、
図6に示すようにアタッチメント15が一定間隔で取り付けられており、このアタッチメント15に果菜載せ体3のフレーム16(
図6)を取り付けてある。
【0039】
図1〜
図5に示す果菜載せ体3は
図7に示すように支持板19と無端ベルト18を備えたベルトコンベアであり、無端ベルト18の回転によりその上面に載せた果菜1を無端ベルト18の回転方向先方(受体4側)へ送り出すものである。
【0040】
支持板19は
図6に示すように細長い中央板20の外側に前方側板21、後方側板22があり、後方側板22の前端に平面形状ほぼ三角形のガイド部23を形成し、ガイド部23を前方側板21の前端部より先方まで突出させてある。支持板19の先端側には前方空間部24が、後端側には後方空間部25が形成されている。
【0041】
無端ベルト18は
図6に示すように前方フリーローラー26とガイドローラ27と後方フリーローラー28の外周に巻いて先端部下側を上向き傾斜にしてあり、その無端ベルト18を支持板19の中央板20の外周に周回させ、無端ベルト18の先端部と前方フリーローラー26及びガイドローラ27を支持板19の前方空間部24内に、後端部と後方フリーローラー28を支持板19の後方空間部25内に配置してある。この果菜載せ体3は
図4に示す上方開口のコンベアフレーム16内に収容し、前方フリーローラー26の回転軸29をコンベアフレーム16の前方受け溝30に回転可能に支持し、ガイドローラ27の回転軸31をコンベアフレーム16の支持孔32に回転可能に貫通し、後方フリーローラー28の回転軸33をコンベアフレーム16の後方受け溝34に夫々回転可能に支持して、
図6のようにセットされている。
【0042】
前記無端ベルト18の上面には果菜支持具5が接着剤やネジ等の固定手段で固定されている。果菜支持具5はスポンジ製、ゴム製、軟質樹脂製等にして果菜1に傷がつかないようにしてあり、円錐台形にして、果菜1が例えばトマトや林檎等のように下部が細く上部が膨らんでいる形状の果菜であっても安定して支持できるようにしてある。果菜支持具5の材質や形状はこれには限られず任意とすることができる。果菜支持具5を省略することも可能である。
【0043】
無端ベルト18の下面には係止具35(
図6)が取り付けられている。図示した係止具35にはボルトが使用されており、そのボルトが
図6に示すように、コンベアフレーム16の底板36に配置した保持具37、保持具37の上下に宛がった上当て板38、下当て板39を貫通したボルトの下端ネジにナット40を締付けてコンベアフレーム16の底板36に固定してその下方まで突出させてある。係止具35は
図2、
図3に示すように、チェーンガイド14と平行に設けられた上方開口の角型樋状の係止具ガイド41内をガイドされて移動するようにしてある。係止具ガイド41は
図5に示すように
果菜搬送装置の主フレーム13の上面にチェーンガイド14と平行に配置され固定されている。また、係止具ガイド41は、
図5に示すように、案内体43の設置部分には設けられていない。
【0044】
図7のように形成された果菜載せ体3は、そのコンベアフレーム16(
図4)をチェーン11のアタッチメント15にネジ42(
図6)で取付けることによりチェーン11に固定してある。この場合、果菜載せ体3の送出し側3aをチェーン11の搬送方向後方に向けて斜めに取付けて、果菜載せ体3の上の果菜1が搬送方向斜め後方に送り出されるようにしてある。果菜載せ体3の前記取り付け角度(
図2中θ)は果菜1を搬送方向斜め後方に送り出し可能であれば任意の角度とすることができ、例えば30°〜60°程度とすることができる。この実施例では、
図6に示すように、果菜載せ体3の後方側板22の先端部に、前方側板21の先端よりも先方まで突出している三角形のガイド部23が形成されているため、果菜載せ体3の送出し側3aを果菜搬送体2に対して後方向きに斜めに配置しても、果菜載せ体3の先端と果菜搬送体2との間が三角形のガイド部23で閉塞されて隙間が殆ど生じない。このため、果菜載せ体3の無端ベルト18から送出される果菜1が果菜受体4に乗り移りにくいとか、果菜1が落下してしまうといったことが無い。
【0045】
果菜載せ体3の幅と、果菜載せ体3の隣接間隔は、載せる果菜1のサイズ、形状等によっても異なるが、基本的には果菜載せ体3の幅は
図8(a)に示すように一つの果菜1を載せることができる広さにし、隣接間隔は
図8(b)に示すように細長な一本の果菜1を二本以上の果菜載せ体3に跨がせて載せることができ、例えば、
図2に示すようにサイズの大きな丸玉系の果菜1などを二本以上の果菜載せ体3に跨がせて載せることができるように設定するのがよい。
【0046】
前記判別部6は、果菜搬送体2の搬送路上に設けられた、搬送中の果菜1を規格別に自動的に判別する部分である。判別部6は、既存の判別装置と同様にカメラ、糖度センサ、重量計等、判別に必要な各種装置を備え、搬送されてくる果菜1の形状、サイズ、重量、色、糖度等を計測し、自動的に規格を判別できるものである。
【0047】
図1に示す判別部6の先方には、多数本の案内体43が平行に、しかも果菜搬送体2の搬送方向に対して後方斜め向きに配置されている。夫々の案内体43の先端側には切換レバー44が配置されている。切換レバー44は、判別部6の判別結果に基づいて果菜載せ体3の係止具35の移動方向を切り替えるものであり、案内体43は係止具35の移動をそれに沿ってガイドするものである。案内体43は
図3に示すL字状の細長板であり、その先端側を
図5に示すように選別装置の主フレーム13の上のチェーンガイド14に対して斜め後方に向けて配置してある。切換レバー44は
図2、
図3に示すように回転体45に取り付けられており、回転体45を回転させることにより果菜搬送体2と平行な向きの進路不変位置(
図3a)と、果菜搬送体2と交差する向きの進路変更位置(
図3b)とに切替えられるようにして、進路不変位置(
図3a)にあるときは果菜搬送体2で搬送されてくる果菜載せ体3の底面下方に突出している係止具35が切換レバー44及び案内体43に触れることなくそのまま直進し、果菜載せ体3の無端ベルト18は動作せずその上の果菜は送り出されない。切換レバー44が進路変更位置(
図3b)に切替えられると、果菜搬送体2で搬送されてくる果菜載せ体3の係止具35が切換レバー44に当たって直進が阻止され、案内体43側に導かれて案内体43に沿って進行して
図3(b)、
図4の矢印A方向に移動し、同時に無端ベルト18の下側も同方向に移動し、無端ベルト18の上面が搬送体の側方に配置されている果菜受体4方向(送り出し方向:
図4の矢印B方向)に移動し、無端ベルト18の上の果菜1が果菜受体4に送出されるようにしてある。前記回転体45の回転による切換レバー44の切換えは、前記判別部6での判別結果に応じて制御装置によって制御される。
【0048】
果菜搬送体2の側方に配置されている果菜受体4は、
図1に示すように果菜搬送体2の排出部7から送出される果菜1を受け継いでそのまま搬送したり一旦プールしたりしておくためのものであり、
図1の場合は多数本のベルトコンベアが使用され、それらベルトコンベアを果菜搬送体2と直交させて二箇所に平行に配置してある。
図1では果菜受体4が果菜搬送体2の搬送方向二箇所に設けられているが、果菜受体4は、果菜1の種類や規格毎に果菜搬送体2の搬送方向に数箇所に設け、夫々の箇所の果菜受体4に果菜1を種類や規格別に送り出すことできるようにすることができる。全ての果菜受体4のベルトコンベアの本数を同じにするのではなく、数や種類の多い果菜1を引き継ぐ果菜受体4のベルトコンベアは本数を多くし、少ない果菜1を引き継ぐ果菜受体4のベルトコンベアは本数を少なくすることができる。果菜受体4のベルトコンベアは常時回転させておくことも可能であるが、果菜1が送出されないときは一時停止にして待機させておき、果菜載せ体3から果菜1が送出されるときに果菜一個分だけ回転して果菜1が載るように制御することもできる。ベルトコンベアの回転制御は前記判別部6による判別結果に応じて制御装置によって行われる。
【0049】
果菜搬送体2の排出部7の搬送方向先方には、
図1に示すように戻し用案内体46が配置されている。戻し用案内体46は前記案内体43とは逆向き斜めに配置されている。果菜1を果菜受体4に送り出した果菜載せ体3は、果菜1を果菜受体4へ送り出した後に果菜搬送体2によって排出部7の先方へ搬送されていくと、案内体43によってガイドされて果菜受体4から離れた方向に位置している係止具35を逆方向へガイドして元の位置まで戻すことができるようにしてある。
【0050】
図1に示す果菜搬送体2の搬送開始地点付近(
図1の左端側)は果菜1を果菜載せ体3に載せる投入部8としてあり、投入部8は作業員が数人並ぶことができる程度の長さが確保されている。
【0051】
図1の果菜受体4の側方には果菜受体4にプールされた果菜1を作業者が手作業で取出して箱詰作業をする作業空間が確保されており、ここも数人が並んで作業できる広さのスペースにしてある。なお、果菜受体4は、前記のようなベルトコンベアを複数本並べて備えたものには限られず、ローラーコンベアとする等、任意のものとすることができる。また、果菜受体4に代えて、別の装置の搬送ラインを備えることも可能である。また、果菜受体4を省略することも可能である。
【0052】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の使用例)
本発明の
果菜搬送装置を利用した果菜自動選別装置によって果菜を搬送、選別するには次のようにする。
(1)投入部8において、搬送中の果菜搬送体2の果菜載せ体3の上に果菜1を載せる。この場合、果菜1の形状、サイズ等により、一つの果菜1を一つの果菜載せ体3に載せたり、二以上の果菜載せ体3に跨がせて載せたりする。
(2)投入部8で載せた果菜1は果菜搬送体2で搬送され、判別部6でその形状、大きさ、重量、糖度等が計測され、自動的に規格が判別される。
(3)計測された果菜1は果菜搬送体2によって排出部7に搬送される。
(4)排出部7において、前記判別結果に基づいて、どの果菜載せ体3の果菜1をどの果菜受体4へ送り出すか指示され、この指示に基づいて、切換操作具(回転体)45が作動して切換レバー44が進路変更位置に切換えられ、果菜1を載せた果菜載せ体3の係止具35が切換レバー44に当たって案内体43へガイドされる(
図4参照。)。このとき、果菜1が二以上の果菜載せ体3に跨がって載っている場合は、二以上の切換操作具(回転体)45が同期して動作して、二以上の果菜載せ体3の係止具35が夫々の案内体43へガイドされるように指示する。
(5)果菜載せ体3の係止具35が案内体43にガイドされると、果菜載せ体3の無端ベルト18の下側(下走行部)が係止具35と同方向に移動し、それにより無端ベルト18の上側(上走行部)が下走行部と反対側に回転し、上走行部に載せてある果菜1が果菜受体4へ送り出される。このとき、果菜1が引き継がれる果菜受体4のベルトコンベアは果菜一個分だけ回転して、ベルトコンベアに果菜1を一個だけ載せることができるようにする。この繰り返しにより果菜1が果菜受体4に順次送り込まれ、果菜1が判別結果に応じて所定規格の果菜受体4のベルトコンベアにプールされる。また、果菜載せ体3が果菜搬送体2の搬送方向斜め後方に向いているため、果菜載せ体3の上の果菜1はその方向(果菜搬送体2の搬送方向と逆方向)へ送り出されて、送出し速度が減速され、勢いが付きすぎて横転するとか、果菜受体4にプールされている果菜1に衝突するとかして果菜1が傷つくことがない。
(6)果菜1を送り出した果菜載せ体3は果菜搬送体2によって更に先方へ搬送され、搬送路の途中に配置してある戻し用案内体46によって、果菜受体4から離れた方向に位置している係止具35を逆方向へガイドして元の位置まで戻され、果菜搬送体2の始端部へ戻る。
(7)前記(4)において、果菜載せ体3をそのまま前進させる旨の指示があったときは、切換操作具(回転体)45が作動せず切換レバー44が進路不変位置に停止したままとなり、果菜1を載せた果菜載せ体3の係止具35が切換レバー44に接触することなくその前を通過して、その搬送が継続される。所定位置まで搬送されて、送出し位置まで到来すると、前記計測結果に基づいて切換レバー44を進路変更位置に切り替えるよう指示が出され、果菜載せ体3の係止具35が前記(5)のように案内体43にガイドされ、果菜載せ体3の無端ベルト18が前記(5)の場合と同様に移動して果菜1が果菜受体4へ送り出される。
【0053】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態2)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態の他の例を
図11に示す。この
果菜搬送装置の果菜載せ体3は幅の細い無端ベルト18を二本平行に並べたベルトコンベア方式にしたものである。二本のベルト18は搬送方向手前方のもの(
図11中左側)を搬送方向先方のもの(
図11中右側)よりも先端位置を長くして、両ベルト18を搬送体2に後ろ向き傾斜に配置しても両ベルト18の先端部が果菜受体4に近づいて果菜載せ体3と果菜受体4との間の隙間51に殆ど隙間ができないようにし、果菜載せ体3から果菜受体4に果菜1がスムースに引き継がれるようにしてある。無端ベルト18は三本以上にすることもできる。
【0054】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態3)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第3の実施形態を
図12(a)(b)に示す。この
果菜搬送装置の果菜載せ体は多数本のローラー52を回動可能に設けたローラーコンベア構造であり、ローラー52の下にベルトコンベア53を各ローラー52と接触させて設け、ベルトコンベア53が回転すると各ローラー52が回転してローラーコンベア上の果菜1が果菜受体4に送り出されるようにしてある。ベルトコンベア53は
図12(b)に示すようにベルトコンベア53の下走行部に設けた係止具54を任意の手段で同図(b)の左右方向に移動させることにより回転させることができ、係止具54を左側に移動させるとベルトコンベアが右回転し、各ローラー52が左回転し、その上の果菜1が
図12(b)の左側に(果菜受体4側)に送り出されるようにしてある。
【0055】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態4)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第4の実施形態を
図13(a)(b)に示す。この
果菜搬送装置の果菜載せ体は、多数のローラー55がフレーム57に回動可能に設けられたローラーコンベア56であり、
図13(b)に示すようにフレーム57を支持軸58を中心に左右に回動可能(シーソー式)に支持台59に設け、フレーム42のうち支持軸58の左右両側をバネ60で支持台59に連結してフレーム57を水平に保持し、フレーム57の軸方向一端の下に駆動ピン61を設け、その駆動ピン61を下から持ち上げる(押し上げる)とローラーコンベア56が
図13(b)の左側(受体4側)に下り傾斜になって、ローラー55の上の果菜1が果菜受体4に落下するようにしてある。駆動ピン61の持ち上げ(押し上げ)を解除するとローラーコンベア56はバネ60の引っ張り力によって水平に戻るようにしてある。
【0056】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態5)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第5の実施形態を
図14に示す。この
果菜搬送装置の果菜載せ体3は、二本のバーを平行に配置して果菜1を載置可能とした載置台62と、載置台62に沿って往復移動可能な送出体63で構成され、載置台62上に載せた果菜1を送出体63の移動で矢印方向に押して果菜受体4に送り出し可能としてある。送出体63は果菜1が安定するように当接面64を円弧状に湾曲させてある。載置台62に用いられるバーは滑り抵抗が小さくて果菜1が滑り易いものが好ましく、例えば、金属棒の外周にフッ素樹脂をコートしたものとか、樹脂製の棒などが適する。送出体63はその下側に設けた係止具65を任意の駆動機構で往復移動させることができる。
図14の果菜載せ体3もブラケット66により果菜搬送体2の搬送方向に対して後ろ斜め向きに取り付けてある。載置台62は果菜1を載置可能であれば三本以上のバーやプレート等の固定具としたり、搬送方向斜め後方に回転可能に配置されたローラーコンベアとしたりするなど、任意のものとすることができる。
【0057】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態6)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第6の実施形態を
図15(a)(b)に示す。この
果菜搬送装置の果菜載せ体3は、搬送方向斜め後方向きに配置された鍵盤状(角棒状)の支持材100であって、その支持材100を搬送方向に多数枚鍵盤状に並べて備えたものである。各支持材100は、
図15(b)に示すように、首振り駆動体(図示しない)により、支持軸101を中心に鍵盤状に首振り可能とされており、その首振りによって果菜載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に送り出し可能としている。支持材100の下側には、首振りした支持材100が係止して必要以上に首振りしないようにする係止具102が備えられている。多数の支持材100は接近させて配置することにより、どの位置の一又は二以上の支持材100にも果菜1を載せることができるようにしてある。また、この支持材100は細長平板状であってもよい。
【0058】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態7)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第7の実施形態を
図9(a)(b)に示す。この
果菜搬送装置では、隣接する二本のベルトコンベア式の果菜載せ体3を一組のユニット50として、夫々のユニット50に二以上の果菜1を載せることができるようにし、各ユニット50の二本以上の果菜載せ体3が同期作動して果菜1を果菜受体4に送り出し可能としたことである。前記ユニット50は三本以上を一組とすることもできる。各ユニット50の果菜載せ体3は
図9(b)に示すようにフレームにセットされ、両フレームを斜め平行に並べて連結してある。また、ユニット50は、
図10に示すように、隣接する四本のベルトコンベア式の果菜載せ体3を一組のユニット50とすることもできる。この
図10に示すユニット50においては、四本のベルトコンベア式の果菜載せ体3に跨るようにして果菜支持体5が設けられている。この場合も、四本のベルトコンベアを同期作動させて果菜1を果菜受体4に送り出し可能である。さらに、ユニット50は、前記のベルトコンベア式の果菜載せ体3を組合わせたものには限られず、前記各実施形態のいずれに記載された果菜載せ体3を組合わせて形成することもできる。
【0059】
(果菜載せ体及び
果菜搬送装置の実施形態8)
本発明
における果菜載せ体及び
果菜搬送装置の第7の実施形態を
図16(a)(b)に示す。この
果菜搬送装置では、果菜搬送体2の果菜載せ体3と果菜受体4の間に減速体110が設けられている。この減速体110は、表面がフッ素樹脂加工等された板材などが用いられ、
図16(b)に示すように果菜載せ体3から果菜受体4に向けて上り傾斜に配置されている。この場合、果菜受体4の上面を果菜載せ体3の上面より高くなるようにする。減速体110の傾斜角度は、任意とすることができ、例えば1°〜10°とすることができるが、3°程度が望ましい。減速体110を傾斜させずに備えることもできる。この減速体110は、果菜載せ体3の出口側や果菜受体4の入口側に備えることもできる。この減速体110によって、果菜載せ体3から果菜受体4に搬送方向斜め後方に送り出される果菜1の送り速度を減速させることができる。また、減速体110を省略し、果菜受体4の上面を果菜載せ体3の上面より高くなるようにしたり、果菜受体4自体を上り傾斜にしたりして果菜1の送り速度を減速させることもできる。
【0060】
(
果菜搬送装置のその他の実施形態)
本発明の
果菜搬送装置では、果菜搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出し手段は、前記各実施形態記載のものには限られず、他の任意の手段によって行うことができる。
【0061】
本発明の
果菜搬送装置では、果菜受体4を省略して、果菜搬送体2から搬送方向斜め後方へ送り出される果菜1が任意の場所へ送り出されるようにすることもできる。