(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対物レンズ組立体と固体イメージセンサ(SSI)とから成るビデオカメラヘッドであって、前記固体イメージセンサは出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路とを有し、
前記SSIは、ビデオ信号が前記SSIから送信され、4個以下の電気的に接続するパッドにより、電源が前記SSIに供給されるように構成され、
前記ビデオカメラヘッドの最大外径が1.4mm以下であることを特徴とするビデオカメラヘッド。
照明手段と、対物レンズ組立体と、出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路から成る固体イメージセンサ(SSI)と、から構成される可視化プローブであって、
前記SSIは、ビデオ信号が前記SSIから送信され、4個以下の電気的に接続するパッドにより、電源が前記SSIに供給されるように構成され、
その最大外径が2.8mm以下であることを特徴とする可視化プローブ。
可視化プローブを有する医療機器であって、前記可視化プローブは照明手段と、対物レンズ組立体と、出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路から成る固体イメージセンサ(SSI)と、から構成され、
前記SSIは、ビデオ信号が前記SSIから送信され、4個以下の電気的に接続するパッドにより、電源が前記SSIに供給されるように構成され、
前記医療機器の最大外径は3.2mm以下であることを特徴とする医療機器。
請求項1のビデオカメラヘッドにおいて、前記ビデオカメラヘッドは前記対物レンズ組立体の1つのレンズの1つの表面に金属皮膜を形成し、それをエッチングして形成した絞りを有する。
請求項20の可視化プローブにおいて、前記関節部は1つの板から作られており、各々の接合環は電磁または機械的装置によって精密に前記板から切断され、背骨から外部に突出する複数の要素を形成し、その後、前記突出する複数の要素は曲げられて個々の脊椎骨を形成する。
請求項19の可視化プローブにおいて、前記関節部は、前記可視化プローブ/医療機器の細長く柔軟で軸方向に配置されたコンポーネントに取り付けられた複数のリング状要素で構成され、前記軸方向に配置されたコンポーネントは、前記複数のリング状要素の中心を貫通する。
請求項19の可視化プローブにおいて、前記関節部は、バネの引き延ばした部分と前記引き延ばした部分の隣接するコイルの間の空間にねじ込んだプラスチックインサートとから構成される。
請求項6の可視化プローブにおいて、前記可視化プローブは前記対物レンズ組立体の1つのレンズの1つの表面に金属皮膜を形成し、それをエッチングして形成した絞りを有する。
請求項6の可視化プローブにおいて、前記プローブの先端部は透明な凸状カバーで覆われており、前記カバーの最大外径は前記可視化プローブの最大外径と等しいかそれ以下である。
請求項30の医療機器において、前記関節部は1つの板から作られており、各々の接合環は電磁または機械的装置によって精密に前記板から切断され、背骨から外部に突出する複数の要素を形成し、その後、前記突出する複数の要素は曲げられて個々の脊椎骨を形成する。
請求項29の医療機器において、前記関節部は、前記可視化プローブ/医療機器の細長く柔軟で軸方向に配置されたコンポーネントに取り付けられた複数のリング状要素で構成され、前記軸方向に配置されたコンポーネントは、前記複数のリング状要素の中心を貫通する。
請求項29の医療機器において、前記関節部は、バネの引き延ばした部分と前記引き延ばした部分の隣接するコイルの間の空間にねじ込んだプラスチックインサートとから構成される。
請求項11の医療機器において、前記医療機器の先端部は透明な凸状カバーで覆われており、前記カバーの最大外径は前記医療機器の最大外径と等しいかそれ以下である。
対物レンズ組立体と固体イメージセンサ(SSI)とから成るビデオカメラヘッドであって、前記固体イメージセンサは出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路とを有し、
前記SSIは、ビデオ信号が前記SSIから送信され、4個以下の電気的に接続するパッドにより、電源が前記SSIに供給されるように構成され、
前記ビデオカメラヘッドは、0.7mm×0.7mmのセンサと、直径1.4mmの一体型光リングを含む。
【背景技術】
【0002】
人体内部の可視化は、医師が様々な病気を正確に診断し、治療薬を投与し、および/または身体への最小の侵襲性で外科手術をおこなうには必須の道具である。明らかにそのような方法は患者へのショックを小さくするために、できる限り人体が有する自然の開口を介しておこなわれる方がよいが、時には侵襲的な方法を使って人体に皮膚から侵入しなければならないことがある.今日数多くの内視鏡装置がある。これらの装置には細長い本体内部に管路が設けてあり、その管路に医療機器を挿入したり、かつ例えば組織の切除、切開、封止、組織端同士の近置などのために液体や空気/CO
2/真空あるいは他の器具を挿入または引き出したりすることができるようになっている。このような内視鏡装置は体内の手術をおこなう箇所まで導入される。もちろん内視鏡装置は単独装置として独立して使うことができ、必ずしも管路に通して使う必要はない。これら内視鏡装置の多くにはカメラが組み込まれている。他の内視鏡ではその本体内の管路にカメラを通すようになっている。このような背景において本明細書では、医療に関連して使われる「内視鏡装置」とは、人体の自然の開口または皮膚の切り口あるいは自然開口を通してさらに内部臓器に開けた切り口を通して、人体内の腔に挿入できる細長い装置をいう。このような装置の例としては、従来の内視鏡、例えば結腸鏡、気管支鏡、腹腔鏡、尿道鏡、膀胱鏡、血管内視鏡、デュレンドスコープ(durendoscope)があるが、他の装置も含まれる。例えば針、カテーテル、喉頭鏡、ステープラー、ガイドワイヤ、パピロトーム、カッター、バルーン、鉗子、トロカール等がある。
【0003】
先に述べたように、これらの装置はサイズがあるため全てが患者に大きなショックを与えることなく体内の特定個所に到達させることができるわけではない。あるものは患者の安全を相当脅かし、またそのサイズのために深刻な損傷を与える可能性がある。それらの例を三つ挙げると、人間の脳、外耳道、心臓動脈がある。鼻腔を通した内視鏡を使っておこなう脳手術において、それを通す管路の寸法と脳の構造を考慮すると、従来技術の器具は挿入することはできない。しかも、2mm以上の器具で明瞭な画像が得られず関節部が絶妙に接合されていないものであれば、患者の安全やショックの問題が生じて器具を目的の箇所に導くことはできない。二番目の例において、耳管の寸法は普通約1.5mm(成人の場合)である。耳管を見るには関節部がうまく接合された小径の器具が必要である。器具は患者にショックを与えることなく解剖学的構造に沿って曲がらなければならない。他の器官についても同じ問題が当てはまる。例えば心臓動脈、腎臓、総胆管、膵臓、肺など。
【0004】
先に述べたように本発明は医療以外、例えば動物医療、産業、研究など他の用途にも適用可能であるが、他の分野への適用は当業者にとっては明らかであろうから、以下では特に医療に関して述べる。産業分野に適用する例としては、タービンブレード、放射能物質あるいは生物学的に危険な液体を入れた容器、非常に狭いパイプの内部、密閉された容器や空洞の内部など非常に小さな開口を通してしか接近できないものがある。
【0005】
最先端の内視鏡装置に使われるカメラは普通高品質のCCDカメラで、光源と光を伝達するオプティカルファイバーとを有している。これらのカメラは優秀なエレクトロニクスと最先端のセンサ、光学素子と画像処理技術が必要であり、さらにカメラヘッドと光学素子を人の手で組み立てる必要がある。これらによって非常に高価な装置となる。コストを考慮すれば、この装置は消毒して再度使用しなければならないが、維持費用が生じることになる。
【0006】
患者へのショックを小さくするためには、小口径の内視鏡装置が好ましい。装置のエンベロープ(装置の外径)はその内部のコンポーネントで決まる。従って内視鏡装置全体の口径を小さくするには、内部コンポーネントを小さくしなければならない。この要求は内視鏡装置を設計する際に妥協を強いることになる。例えば他の器具が内視鏡装置の中を通って内視鏡装置内部部品に悪影響を与えないで体内の所望の領域に入ることを可能にする大きな作業用管路すなわちパイプがあるが、この作業用管路に通すために小さなイメージセンサ、関節部接合用に非常に細いケーブル、あるいは最小の照明器具を使わざるを得なくなる。
【0007】
極小イメージセンサが小径の照明ファイバー、VCSELまたはLEDによる不十分な照明によってノイズの多い画像を生じることはこの技術分野ではよく知られている。これらの問題のいくつかを克服するために、装置の基本目標に従って妥協を図らなければならない。すなわち、高画質よりも小さい口径を優先すべきか、あるいは最小の組み立てコストを優先すべきかなどの妥協点を探らなければならない。これらから当然、医師が手術をおこなうのに妥当な画像品質を生み出すために、現在入手可能な装置に高品質の画素配列を使用する必要がある。またセンサは短い光学素子に接続されること、一般にキセノンなどのアークランプの白色光が供給されること、小さい曲げ半径に耐える照明ファイバーなどを有していること、などの要求を満たさなければならない。
【0008】
入手可能な最も小さいイメージセンサ、照明手段(ファイバー、VCSELまたはLED)および(機械的または電気的)内部操作手段が内視鏡装置の内部寸法を決定する。さらに、たまにブレイドまたは金属バネとともに使用される外鞘は内視鏡装置の外部寸法すなわち外径を決定する。自然の開口に内視鏡装置を通して手術をおこなうには、内視鏡外径は開口自体の寸法よりも小さくなければならない。従って、例えば耳・鼻・のど(ENT)の手術において、現在使用されている耳・鼻・のど用内視鏡装置の寸法は2〜3.6mmの範囲にある。市場にでている最小CCD(ソニー製)が1.4mm×1.4mm程度(有効ピクセル数が約120Kのパッケージを含む:もちろん普通内視鏡装置の外に配置されている画像処理ユニットに送られる許容し得る生信号(アナログ)を生成するためには一定の光量が必要)であることを考慮すると、作業用管路なしの内視鏡装置の最小外径はセンサの対角寸法に0.15mm(外鞘の厚さ)を加えた寸法、すなわち2.11mm程度でなければならないことが分かる。作業用管路および潅注/通気用または吸引用管路を加えると、現実的な内視鏡外径は3〜3.6mmとなる。他方、撮像用に入手可能な最小CMOSセンサを使って、マイクロエレクトロニクスの長所とそのようなウェーハのより低い製造コストを活用することもできる。例えば、CSPパッケージ(CSP製)を含めた寸法が1mm×1mmで10K画素しかないCMOSセンサでも、スクリーン上に表示される(デジタル)画像を生成するのに必要な全てのエレクトロニクス素子を含んでいる。そのようなセンサは作業用管路なしで最小外径1.6mmの内視鏡装置を構成するが、CCDの画像と比較すると品質が低い。事実、10K画素の1mm×1mmのCMOSセンサの性能は、20K画素で同じ直径の撮像ファイバーと比べても高くはない。しかしCCDセンサよりも直径は小さいので、人体の自然開口が小さくしかも画質に関して妥協できる場合の手術には使ってもよい。当業者には理解されるように、小さなイメージセンサを作るには設計と製造の面で困難が伴う。なぜなら歩留まりが低く、組み立てが複雑で時間がかかり、従ってセンサは高価なものとなる。
【0009】
上記いずれの場合も、イメージセンサを画像処理ユニットに、または直接モニターに接続するケーブルはイメージセンサ自体よりも小さいと仮定した。これはイメージセンサの設計(アナログまたはデジタル)、パッケージ内のパッドの数、およびその寸法に大きく依存する。今日のほとんどのイメージセンサにおいては、パッドの最小数はCMOSの場合6〜24、CCDの場合8〜14である。現在の技術を使えば各々のパッドはごく小さい寸法(150〜350ミクロン)であるので、イメージセンサ全体の寸法、従って内視鏡装置の外径に影響する。これら2つの極端な方策は問題を浮き上がらせてくれるが、他方、いくつかのパイプ(作業用および/または潅注/通気/吸引のための管路)と照明手段を追加することで高画質の画像を提供するイメージセンサは、より大きな直径の内視鏡装置と高価なコンポーネントを必要とする。従って結果的に、そのような内視鏡装置は高価なものとなり、投資を回収するために再使用しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
患者に与えるショック、安全な手術および装置のコストの点で最良の効果を得るためには、すなわち、コストを抑えて装置を大量生産かつ使い捨て可能なものとしながら外径をきるだけ小さくして内視鏡装置を体内に挿入するのに必要な切り傷をできるだけ小さくするためには、この技術分野では今まで取り組まれたことのない新しい問題を解決しなければならない。
【0012】
従って、設計、構造、機能の面、および小径の可視化プローブまたは内視鏡装置のコストの面の両方において、従来技術の欠点を解決する方法を提供することが望まれる。
【0013】
従来技術の欠点を克服する方法を提供することが本発明の目的である。
可視化手段を備えた比較的安価な手術用、治療用および/または診断用装置を提供することが本発明のもう1つの目的である。
【0014】
本発明の他の目的および利点は以下の説明から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の特徴的構成において、本発明は対物レンズ組立体と固体イメージセンサ(SSI)とから成るビデオカメラヘッドであって、固体イメージセンサは出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路とを有する。ビデオカメラヘッドは最大外径が1.1mm以下であり、対物レンズの長さは2.5mm以下である。
【0016】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、対物レンズ組立体はウェーハレベル技術を使って作られる。
【0017】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、出力ビデオ信号は電流によって搬送される。
【0018】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、SSIは、それに電源を供給し、それからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例では電気的に接続するパッドの数は3個以下である。
【0019】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、SSIはそれに電源を供給し、それからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例において、電気的に接続するパッドと固体撮像素子とその回路との間の電気的接続はシリコン貫通電極によって実現する。
【0020】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、固体撮像素子の感光素子は背面照明技術を使って実現される。
【0021】
第2の特徴的構成において、本発明は可視化プローブであって、この可視化プローブは照明手段と、対物レンズ組立体と、出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路から成る固体イメージセンサ(SSI)と、から構成される。可視化プローブは最大外径が2.8mm以下である。
【0022】
本発明の可視化プローブの実施例において、対物レンズ組立体はウェーハレベル技術を使って実現される。
【0023】
本発明の可視化プローブの実施例において、出力ビデオ信号は電流によって搬送される。
【0024】
本発明の可視化プローブの実施例において、SSIは、それに電源を供給しそれからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例において、電気的に接続するパッドの数は3個以下である。
【0025】
本発明の可視化プローブの実施例において、SSIは、それに電気を供給しそれからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例において、電気的に接続するパッドと固体撮像素子と回路との間の電気的接続はシリコン貫通電極によって実現される。
【0026】
本発明の可視化プローブの実施例において、固体撮像素子の感光素子は背面照明技術を使って実現される。
【0027】
第3の特徴的構成において、本発明は医療機器であって、この医療機器は可視化プローブで構成され、可視化プローブは照明手段と、対物レンズ組立体と、出力ビデオ信号を生成する固体撮像素子とその回路から成る固体イメージセンサ(SSI)と、から構成される。医療機器の最大外径は3.2mm以下である。
【0028】
本発明の医療機器の実施例において、対物レンズ組立体はウェーハレベル技術を使って実現される。
【0029】
本発明の医療機器の実施例において、出力ビデオ信号は電流によって搬送される。
【0030】
本発明の医療機器の実施例において、SSIは、それに電源を供給し、それからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例において、電気的に接続するパッドの数は3個以下である。
【0031】
本発明の医療機器の実施例において、SSIは、それに電源を供給し、それからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントに電気的に接続するパッドを有する。これらの実施例において、電気的に接続するパッドと固体撮像素子と回路との間の電気的接続はシリコン貫通電極によって実現する。
【0032】
本発明の医療機器の実施例において、固体撮像素子の感光素子は背面照明技術を使って実現される。
【0033】
本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、対物レンズ組立体の長さは2.0mm以下である。他の実施例において、対物レンズ組立体の長さは1.5mm以下である。
【0034】
固体撮像素子の感光素子が背面照明技術を使って作られる本発明のビデオカメラヘッドの実施例において、対物レンズ組立体の長さは2.0mm以下である。固体撮像素子の感光素子が背面照明技術を使って作られる他の実施例において、対物レンズ組立体の長さは1.5mm以下である。
【0035】
本発明のビデオカメラヘッドは対物レンズ組立体の1つのコンポーネントの1つの表面に金属皮膜を形成し、それをエッチングして形成した絞りを有する。
【0036】
固体撮像素子の感光素子が背面照明技術を使って実現される本発明のビデオカメラヘッドの実施例は、2.2×2.2μm、1.75×1.75μm、1.4×1.4μmおよび 0.9×0.9μmのいずれかの寸法を持つ画素セルを有する。
【0037】
本発明の可視化プローブは
a)関節部、および
b)作業用管路
の少なくとも1つを有する。
【0038】
可視化プローブの関節部は蝶番なしで一体に形成され、例えば1つの板から作られており、各々の接合環は電磁または機械的装置によって精密に切断される。本発明の可視化プローブのこの実施例において、一体型関節部は次の条件を満たす:
1mm<脊椎骨の直径<3mm、
2mm<曲率半径<20mm、
曲げ角度±270度、
0.04mm<壁厚<0.5mm、
0.5mm<1つの接合環の長さ<25mm。
【0039】
本発明の可視化プローブの別の実施例において、関節部は、可視化プローブ/医療機器の細長く柔軟で軸方向に配置されたコンポーネントに取り付けられた複数のリング状要素で構成される。別の実施例において、関節部は、バネの引き延ばした部分と引き延ばした部分の隣接するコイルの間の空間にねじ込んだプラスチックインサートとから構成される。
【0040】
可視化プローブは対物レンズ組立体の1つのコンポーネントの1つの表面に金属皮膜を形成し、それをエッチングして形成した絞りを有する。
【0041】
固体撮像素子の感光素子が背面照明技術を使って作られる本発明の可視化プローブの実施例は、2.2×2.2μm、1.75×1.75μm、1.4×1.4μmおよび0.9×0.9μmのいずれかの寸法を持つ画素セルを有する。
【0042】
可視化プローブの先端部は透明な凸状カバーで覆われており、カバーの最大外径は可視化プローブの最大外径と等しいかそれ以下である。
【0043】
本発明の医療機器は以下のうちのいずれかである:
a.内視鏡;
b.腹腔鏡;
c.ガイドワイヤ;
d.柔軟性、半柔軟性、半剛性、または剛性のある単一または多管腔チューブ;
e.はさみ;
f.メス;
g.鉗子;
h.バネ;
i.棒;
j.組織端同士を近置するための器具;
k.組織を切断するための器具;
l.組織を封止するための器具;
m.物体を焼くための器具;
n.物体を凝固させるための器具;
o.栄養補給のための器具;
p.物体や物質を管腔内の特定位置に案内するための器具;
q.管腔内の特定位置から物体や物質を排出するための器具;
r.物体や物質を管腔内の特定位置に送達するための器具;
s.モニター用計器やセンサから成る器具;
t.診断用計器やセンサから成る器具;および
u.無線生体内器具。
【0044】
本発明の医療機器は次の少なくとも1つである:
a.関節部;
b.作業用管路。
【0045】
医療機器の関節部は、例えば1つの板から蝶番なしで一体に形成され、関節部の各々の接合環は電磁または機械的装置によって精密に切断されている。本発明の医療機器のこの実施例において、一体型関節部は次の条件を満たす:
1mm<脊椎骨の直径<3mm;
2mm<曲率半径<20mm;
曲げ角度±270度;
0.04mm<壁厚<0.5mm;
0.5mm<1つの接合環の長さ<25mm。
【0046】
本発明の医療機器の別の実施例において、関節部は、可視化プローブ/医療機器の細長く柔軟で軸方向に配置されたコンポーネントに取り付けられた複数のリング状要素で構成される。別の実施例においては、関節部は、バネの引き延ばした部分と引き延ばした部分の隣接するコイルの間の空間にねじ込んだプラスチックインサートとから構成される。
【0047】
本発明の医療機器は対物レンズ組立体の1つのコンポーネントの1つの表面に金属皮膜を形成し、それをエッチングして形成した絞りを有する。
【0048】
固体撮像素子の感光素子が背面照明技術を使って作られる本発明の医療機器の実施例は、2.2×2.2μm、1.75×1.75μm、1.4×1.4μmおよび0.9×0.9μmのいずれかの寸法を持つ画素セルを有する。
【0049】
医療機器の先端部は透明な凸状カバーで覆われており、カバーの最大外径は医療機器の最大外径と等しいかそれ以下である。
【0050】
別の実施例において、可視化プローブは次のいずれかの方法で医療機器と関連付けられている:
a.医療機器の外面に取り付けられている;
b.医療機器内の作業用管路を通っている;
c.医療機器内のソケットに収容されている;
d.医療機器内のソケットに収容されていて、ソケットはプローブが生成した信号を受け取り且つそれらを表示装置に送るための信号移送コネクタを有する。
【0051】
本発明の医療機器の実施例において、可視化プローブは使い捨て可能であり、医療機器の残りの部分は再使用可能である。
【0052】
さらに本発明には蝶番なしで一体に作られた関節部が含まれる。この関節部は所望の形状に曲げることができる。1つの実施例においては、1つの板から関節の各々の接合環が電磁または機械的装置によって正確に切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0054】
デジタルビデオカメラ全般、特に内視鏡装置に使用されるデジタルビデオカメラに関する文献に使われている用語はほとんど標準化されていない。ここでは特に言及しない限り以下の用語を使用する。
−「アクティブ領域」、「画素領域」および「画素配列」という用語は交換可能に使用され、例えばフォトダイオードなど入射光を電子に変換する感光素子の配列の受光面を指す。
−「センサ」、「チップ」、「固体イメージピックアップ素子」および「イメージピックアップ素子」は交換可能に使用され、アクティブ領域を;入射光をフォトダイオードに集光させるマイクロレンズ配列を;カラーセンサの場合、フィルタ配列を;さらに、アクティブ領域をその上に有するシリコン基板をそれぞれ指す。CMOS製法で製造されたセンサの場合、これらの用語はまた、シリコン配列と組み合わせて作られたフォトダイオードの出力信号を扱う電子部品も含む。
−「固体イメージセンサ」または「SSI」は、固体イメージピックアップ素子(例えばCMOSまたはCCD)であって、追加の電子回路を含み、同じシリコン層または別のシリコン層上の信号を処理する追加機能を提供する。
−「カメラヘッド」は1つのパッケージに包み込まれたSSIとアクティブ領域上に光を集めるのに必要な光学素子とを指す。
−「ビデオカメラ」と「カメラ」は交換可能に使用され、カメラヘッドのみ、あるいはカメラヘッドと別の電子ドライバとを指す。
−「カメラ」はビデオカメラのみを指す。
【0055】
本出願においては、「有効径」とはその形状に関わらずプローブの最終的直径を言う。ほとんどの場合プローブの最終的な形状は円であるが、SSIは普通正方形または長方形の形をしており、どのような形状でもよい。従って有効径はプローブの最長断面寸法となる。例えば正方形の断面を有するプローブの場合、有効径は正方形の対角線に等しい。同様に長方形、楕円形(
図21参照)あるいは非楕円形でも同じことが言える。
【0056】
本発明の一実施例によれば、プローブはSSIによって生成された信号を扱うために必要な電子回路(またはドライバ)を有する。CCDの代わりにCMOSをSSIとして使う利点は、ほとんどの場合、画像生成に必要ないくつかの重要な機能、あるいは例えば相関二重サンプリング(CDS)、A/D、ゲイン等、他のデジタル処理の機能を具現するいくつかの電子回路を容易に構成できるという点である。これらの回路は、1つのパッケージにトランジスタで構成した画素から作られた純粋センサが設けられる。これらの画素は一画素につき2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の個数のトランジスタから成る。あるいはトランジスタを共有して画素を構成したり、他の構成、例えば2T2Sまたは4T4S、を使ったり、あるいは高次の共有トランジスタで画素を構成する。明らかに、これらの回路はパッケージの寸法を大きくし、より多くのパッドを追加する。さらに、より高いクロック周波数で信号を使う場合、増幅器またはレギュレータ、ノイズ低減のためのいくつかのコンデンサおよび信号に整合するいくつかの抵抗を有するドライバを使用するのが望ましい。そのような電子回路(ドライバ)はパッケージまたはシリコンのスペースを大きくするので、ほとんどの場合、パッケージCMOSの外部に、あるいはシリコン構造における追加の層として作られる。
【0057】
CMOSの対角線が1.0mmよりも小さい場合、ドライバに画像処理の一部を持たせることもできる。例えば、相関二重サンプル(CDS)ユニットや画像生成に必要な他の機能はこれまでパッケージされたCMOSセンサ自体の中に作られていたが、これらをドライバの外部に、あるいは画像処理ユニットに移すことができる。その場合、CMOSセンサには信号を提供したり、CMOSから生の信号を送り出すのに必要な最小の回路のみを設けたりすることになる。さらに、このドライバにはCMOSを動作させるクロック信号を整合させるため、および信号を画像処理ユニットに送り出すために必要な最小コンポーネントのみを設けるので、画像処理ユニットは生の信号を処理して画像信号に変換するために必要な全ての回路とコンポーネントを有することになる。
【0058】
このように、CMOSセンサはフォトンを電子に変換するほぼ純粋なイメージセンサとして動作し、そのサイズは非常に小さい。ドライバも必要最小限のコンポーネント(1個または2個、時には0個になることもある)しか含まないので、新しいパッケージされたCMOSビデオカメラの全体寸法は非常に小さくなる。別の解決すべき問題はCMOS構造に関わるパッドの数と、CMOSを動作させる信号を提供し画像処理ユニットに送り出すためのケーブル(全てのワイヤを含む)である。一般的な手法で使われるワイヤにはいくつかある。例えば、ソニー製のCCD(例えばICX256、ICX257またはICX421)では以下の表1に示すように10個のパッドがある。
【表1】
【0059】
IC−Media製ICM105A CMOSの場合、48個のパッドがある(表2)。
【表2-1】
【表2-2】
【0060】
別の例において、Agilent製ADCM1650−3011の場合、18パッドある(表3)。
【表3】
【0061】
対角線が1.0mmより小さい固体イメージセンサにおいては、多数のパッドのためのスペースが十分ではない。そこでこの問題を解決するために、できるだけ少ないパッド数(理想的には1パッド)を設定する必要がある。同じパッドを使って複数の信号を多重送信することによって、全SSIに対してわずか4個のパッド、時には3個のパッドで済ますことが可能である。
【0062】
イメージセンサの領域をできるだけ小さくするもう1つの方法は、電圧による手法の代わりに電流による手法を使ってイメージセンサの出力画像信号の送出方法を変えることである。この方法によれば外部ドライバは整合ステージ回路を含まなければならない。この方法の利点は、増幅に伴うノイズのフィルタリングが改善することと、ビデオプロセッサ制御のレギュレータを使ってビデオ信号の低下を補償することにより、より長い距離に渡ってビデオ信号の送信が可能となることである。
【0063】
SSIの寸法を低減する別の方法は2つの機能、すなわち画像を取り込み、それを送信する機能、を有するコンポーネントをシリコン上に設けることである。
図25は本発明の実施例を示す概略図である。図においてシリコンチップ341の上にはイメージセンサ(またはSSI)342、ビデオ送信機343およびトランジスタ344が形成されている。電圧ソース346はチップ341にワイヤ345を介して電源を供給する。またA/D変換器348、デジタル信号プロセッサ349およびビデオエンコーダ350から成る外部ユニット347にも接続されている。このチップは次のように作動する。
1.第1段階:イメージセンサ342が画像を取り込み、それをラッチする。
2.第2段階:ビデオ送信機343が画像を送信し、その間チップの残りの部分は静止してノイズを発生することはない。
【0064】
ワイヤモデル345は通常ワイヤまたは、この例では印刷回路技術および/または正確な容量と抵抗を求めるためにレーザートリミングを使って作ることができる。実際にはビデオ出力用にワイヤがないので、ビデオ送信機343が電流だけを通すトランジスタ344に接続されている。ビット列である動画をビデオ送信機343からトランジスタ344に送り出すことにより、電流信号が生成され、これが電圧ソース346上でノイズに変わる(特にそれが明らかに抵抗を有している場合)。電源の電圧を測定することによって、チップ内のビデオビット列を求めることができる。ビット列の生成はノイズのチャンネル挙動に一致するまで望みの速さまで遅くすることができる。従って本発明によれば、単純で効率的にしかもできるだけ少ないパッド数を使ってチップから情報を送出できる。
【0065】
図28は本発明による可視化プローブに使用される0.7mm×0.7mmのCMOSの実際の正面(上部)図および背面(底部)図を示す。当業者には明らかなように、センサの前面に形成された回路から、センサに電源を供給しそれからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントまでの電気的接続はシリコン貫通電極(TSV)技術を使っておこなわれる。このシリコン貫通電極技術では、小径の穴を、シリコンを貫通して設け、その貫通穴に導体を通す。TSV技術を使うことによってセンサの全体寸法を増やすことなく導体を垂直に配線できる。
図28の底部の図に示されるように、センサのシリコン基板の裏側は配線パターンが形成されており貫通電極の底部と、ボールグリッドアレイ(BGA)または ライングリッドアレイ(LGA)接続のいずれを採用するかによって、導体ボールまたはパッドとを電気的に接続できる。
図28は4個のパッドを示しているが、多重送信を使ってパッド数を3個に減らせることは容易に理解できる。
【0066】
図28に示したセンサは上述した電流を使う方法を採用している。4つのパッドはそれぞれ:電圧Vdd、接地電位Vss、シャッタータイミングSHTRおよびビデオ信号出力電流POUTである。SHTRはシャッター時間、すなわち画素の電荷を集める時間、を調整することができる。しかし多くの場合、このパラメータは変える必要はなく、所定の値を決めてシリコン上の回路に設定することができる。この場合パッド数は3個という少ない数に低減できる。実際、ビデオ信号を出力し多重送信するこの電流を使う方法であれば、パッドの数を2個に減らすことが理論上可能である。
【0067】
これらの解決方法、すなわち電流ビデオ信号とTSV、によれば、このカメラに組み込まれる内視鏡装置の外径は非常に小さなものとなる。内視鏡装置の外径を小さくする理由はこの装置が小さな径の開口部または溝を通過できるようにするためであることに留意されたい。一般的に円形の開口部が考慮の対象とされているが、場合によってはほぼ楕円形の開口もある。そのような場合、矩形のセンサを使用できる。また可視化プローブの先端部を楕円形にして開口部によりうまく合わせながら、しかも全ての必要なコンポーネントを収容するに十分な内部スペースを確保することもできる。
【0068】
図11は、4個の電気信号用パッドを有しパッケージを含め700μm×700μmサイズの固体イメージセンサの概略構成を示す。この場合、アクティブ領域は500μm×500μmよりも小さい。SSIは異なるサイズの画素セルで製作できる。例えば、2.2μm×2.2μm画素セルの場合、50176(224×224)画素セルを含む;1.75μm×1.75μm画素セルの場合、81225(285×285)画素セルを含む;1.4μm×1.4μm画素セルの場合、127449(357×357)画素セルを含む;また 0.9μm×0.9μm画素セルの場合、308025(555×555)画素セルを含む。
【0069】
図12は
図11の固体イメージセンサの画素を示す。イメージセンサには、画素とマイクロレンズを覆うガラスを設けることができるが、ガラスカバーの代わりに0.5〜1.2μmの表面コーティング(ポリマー)層を使うこともできる。
【0070】
本発明者が知っている医療機器用の全てのビデオカメラは、業界で前面照明(FSI)技術として知られているものを利用している。この技術はCMOS画像取込み装置を製作する技術である。
図27AはFSI CMOSカラーセンサの画素の概略を示す。色は業界でベイヤーフィルタとして知られるものを使うことにより作る。FSIセンサにおいて、アクティブ領域146を有するフォトダイオード148はシリコン基板に形成される。アクティブ領域の上には電子コンポーネントと金属配線からなる電気回路層144が形成されている。この電気回路層の上には赤、緑、青のカラーフィルタ142R,142G,142Bが配置され、それらフィルタの上にはマイクロレンズ140が配置される。この種の構造には多くの欠点がある。そのうちで最も明らかなものは、
図27Aから容易にわかるように、入射光の少なくとも一部が層144内の電気回路の素子に当たって、アクティブ領域146に届かないかあるいは隣接するフォトダイオードにそれてしまう。光が届かない場合では、十分な光がフォトダイオードに入らないことになり、また光がそれる場合では、ボケた画像が記録されることになる。これらの問題に対する最も簡単な解決策は、照明の量を増やし、および/または画素の断面積を大きくしてマイクロレンズからフォトダイオードに光が「自由通過」するための空間を増やすことである。これらの解決方法はいずれも本発明の目的に合致するものではない。なぜなら前者の解決策では、より多くのまたはより大きな径のオプティカルファイバーやLEDを収容するためにプローブの直径を大きくしなければならない。後者の解決策ではセンサの径を大きくしなければならないか、画素の総数を減らさなければならず、画像の解像度に影響を与える。
【0071】
FSI構造に関わるこれらあるいは他の問題を克服するために、本発明は背面照明(BSI)として知られる、画素製造の比較的新しい技術を利用することを提案する。BSI画素はFSI画素とは構造が大きく異なり、この構造の違いによってフォトダイオードが100%光を集めることができる。
図27BにBSI構造の概略を示す。BSI画素において、電気回路層144とフォトダイオード148の順序はFSI画素とは逆になっており、マイクロレンズ140に入射する全ての光は屈折してカラーフィルタを通過し対応するフォトダイオードのアクティブ領域146に直接到達する。
【0072】
BSI画素が必要な光はFSI画素よりも大幅に少ないので、FSI画素よりもはるかに感度がよい。さらにBSIではメタライゼーション層のコンポーネントによる光の拡散がないから、FSI画素と比べて大幅に正確な色を得ることができる。さらに重要なことは、BSIは同じ光量に対してFSIよりもはるかに多くの画素を同一領域上に作ることを可能とすること、あるいはFSI画素を使ったイメージセンサと比較してその性能に影響することなくイメージセンサの領域をより小さくできることである。医療機器の場合、BSIには大きな利点がある。それは画像品質を落とすことなく医療機器の径を小さくできることである。従ってCMOSセンサおよび/またはSSIは、設計と構造を変えて新しい条件に最適な光学素子を加えることで、寸法と画質の点で最適なビデオカメラを生み出すことができる。
【0073】
本発明の1つの特徴的構成は、プローブが医療機器に接続できることである。従ってこの実施例によれば、再使用可能な医療機器を提供できる。すなわち消毒して後の手術にまた使える医療機器を提供でき、可視化プローブは使い捨てとすることができる。これは、本発明による可視化プローブの製造方法を採用することで達成できる低コストによって可能となる。
【0074】
別の特徴的構成では、本発明は最大外径1.1μmのイメージセンサ付き可視化プローブを収容するソケットまたは管路を有する医療機器に適用される。そのような医療機器において、ソケットにはプローブで生成された信号を受け取ってそれらをディスプレイに送る信号転送コネクタが設けられている。
【0075】
ここで使われている「医療機器」という用語は、人体または動物の体に手術を積極的におこなう装置だけでなく、診断用のみに使われる装置および治療および/または薬を投入するための装置をも指している。本明細書においては、動物や人の体にある自然の開口部または切開した開口部に導入される装置であればどのようなものでも医療機器の範疇に入る。そのような医療機器としては例えば次のようなものが含まれる:内視鏡;はさみ;外科用メス;腹腔鏡;伸縮自在、半伸縮自在、半剛性、または剛性単一/多管腔チューブ(またはパイプ)であって、治療施術に使われるもの、またはそれを介して他の器具を挿入・引き出しするときに人体を保護するために使われるもの;バネ;棒;組織端同士を近置したり、組織を切開および封止するための器具;対象物を焼いたり、凝固させたり、あるいは破壊するための器具;栄養補給、物体や物質を案内、排出あるいは送達する器具;ガイドワイヤ、鉗子、モニタリングおよび/または診断器具;無線生体内器具等。
【0076】
本発明はさらに、上述したように、医療機器とプローブとを組み合わせたものも含む。例えば、固体イメージセンサを可視化プローブの先端に取り付け、そのプローブを医療機器の表面に取り付けることができる。
【0077】
図3Aは一般的なタイプの内視鏡装置の概略図を示す。これらは様々な医療用途に使うことができる。この装置には取扱い部(
図3B)が設けられており、それには先端部32(
図3C)付きの長尺部31が取り付けられている。その拡大図が
図3Dに示される。先端部32は固定されていてもよいし、
図3Eのように、折り曲げ可能部材33につないでもよい。
【0078】
図4A〜4Cは
図3C〜3Eの先端部32の3つの選択可能な形態を示す。
図4Aに示された先端部41は、工具を導入したり液体や気体を供給/抽出したりするための作業用管路42を有する。可視化プローブ43はソケット(図示せず)に収容される。同様に、
図4Bの先端部はもっと大きくて、可視化プローブ43の他に3つの作業用管路44,45,46を有する。
図4Cにおいては4つの異なる作業用管路44,45,46,47が設けられている。
【0079】
図4A〜4Cに示した例では、カメラ用の照明源は示されていないが、照明源は照明ファイバー、1つまたは複数のLEDやVCSELあるいはマイクロLEDを、作業用管路を通すことで、あるいは器具の一体的な一部として先端面に取り付けることで実現できる。例えば
図4Aでは、1つの作業用管路と、カメラと光のための管路が設けられているが、この構成はソケット43内の対物レンズの周りにオプティカルファイバーのリングを設けることで実現できる。例えば、ソケット43内に挿入したカメラヘッドは、寸法0.7mmのセンサと1.4mm径の一体型光リングで構成できる。
【0080】
ここで使ったマイクロLEDという用語は直径5〜50μmのLEDを指しており、これより大きいLEDから区別するために使用した。マイクロLEDは普通十分な光を出すために配列されて、カメラ周りの小さい「空の」空間に嵌められる。それによって本発明のカメラが取り付けられた可視化プローブまたは他の医療機器全体の直径をできるだけ小さくすることが可能となる。
【0081】
図5Aは外科用はさみの概略図である。はさみの2つの刃の間にあるソケットには上述したような可視化プローブが収容されている。執刀医がはさみを使うとき、医療機器の本体を通ってソケットまで達するデータ線を介して画像が画像処理ユニットとディスプレイに送られるので、執刀医は工具の先端で見えるものを見ることができる。
図5Bは可視化プローブを取り付けた手術用鉗子の概略図である。
図5Cは、
図5Bの鉗子のあごの間の領域を拡大した図であり、カメラヘッドの対物レンズを囲む輪を形成するように配置されたマイクロレンズ配列を示す。
【0082】
切開した穴または自然の開口部、特に3mm未満の狭い開口部を介して患者にできるだけショックを与えないようにして効率的に操作できるようにするために、工具は入り口と様々な通路をうまく通過できるような関節部が必要である。そのような関節部はつながりを保持する十分な柔軟性を持ちながら、他方で(壊れることなく)回転するのに十分な剛性がなければならない。関節部が直線位置から完全曲がり位置まで急な動き(跳び)なしに滑らかに移行することが必要である。そうでなければ、操作中に関節部が組織をひどく傷つけてしまうかもしれない。さらに、工具が導入された体内の腔または内部器官の内部が曲がっているため、短い関節を考える必要がある。例えば、上部/下部消化器官手術用の柔軟性のある内視鏡、気管支鏡または尿道鏡のほとんどは、そのような操作を可能にする関節部(長さ:20mm〜120mm)を有している。従って、背骨(関節)部は必要な柔軟性と剛性を得るために0.3mm〜1.5mmの壁厚の数個の接合環で構成する。曲げ半径は普通10mm〜60mmである。代表的な直径が0.8mm〜2mmの強い蝶番は工具と関節部の回転時に剛性を与える。接合環の数は曲げ半径を決定する。曲がり部分の全体的な直径および壁厚は柔軟性/剛性および力に対する抵抗を生み出す。これらの接合環は別々に作られるので、個々の接合環の最終角度、壁厚および2つの接合環をつなぐ蝶番が、(上/下方向)最終曲げ半径と最大角度をつけるために加えるべき力を決定する。接合環で滑らかな弧を作るには、関節部はかなりの数の接合環を持たなければならず、そうなると多くの部品、相当な組み立て時間が必要となり、全曲がり部分を弱くしてしまう可能性があることは明らかである。
【0083】
1mm〜3mmの小さな自然の開口部あるいは切開した開口部の場合、そのような関節部構成を使うことはできない。曲げ半径が15mm未満、場合によっては3mm未満の短い関節部を提供しなければならない。また、その関節部に使う接合環は壁厚を薄くし、蝶番を除外したものとなる。なぜなら非常に小さな直径の場合、蝶番のサイズまたはその弱さのために蝶番は接合環の断面を塞ぐからである。さらに、サイズが小さいために、太いケーブルを使うことはできない。従って最大角度をつけるために加える力はかなり小さいものとなる。
【0084】
そのような背骨部を組み立てる際に遭遇するいくつかの問題は次の通りである。標準的な大口径内視鏡のように従来技術のコンセプトが使用される場合、大きな接合環(直径3.2mm〜10mm)と蝶番(直径0.8mm〜2mm)とを組み立てるのは容易な作業である。しかし、接合環が小さく(直径1mm〜3mm)なると、組み立ては不可能ではないにしても困難な作業となり、当然精度を欠き、いくつかの工具が必要になるだけでなく、同一関節部を製作するために毎回精密な検査も必要となる。
【0085】
これらの問題を克服するために、蝶番なしで一体型に構成し、望みの形状(円、楕円あるいは他の不定形形状)に曲げられる関節部を発明した。2方向に曲げられる関節部の一例を
図16〜
図18Bを参照して説明する。
【0086】
この実施例において関節部全体が、厚さが例えば0.04mmの1つの板226から構成されている。それぞれの接合環は電磁的または機械的装置によって精密に切断されて、2列に並ぶ複数突出片228が背骨230から外部に突出するように配列・形成されている。本発明を制約するものではないが適切な方法の例としては、レーザー、パンチ、プラズマ、超音波、ワイヤなどがある。接合環の寸法は:
a.全関節部の曲げ半径
b.柔軟性
c.最大関節部角度(上/下最大曲げ)
d.剛性(全ての接合環に沿った背骨による)
【0087】
その後、突出片228は曲げられて個々の接合環(脊椎骨)234を形成し、これらが関節部を構成する。一体型関節部は1ステップで、あるいは形状がより複雑であればそれ以上のステップで、望みの形状に曲げられる。
【0088】
図17は1つの接合環の概略形状を示す。図からわかるように接合環234は背骨230の一方の側の突出片228を半円形状に上側に曲げ、背骨230の他方の側で最初の突出片と向き合う突出片228を半円形状に下側に曲げる。突出片の「自由」端は、用途に応じて溶接して周囲を連続させるか、あるいは接合させないままにしてもよい。この実施例において、図に示すように関節ケーブル用ガイド232が3つの突出片228毎に形成されている。関節ケーブル用ガイド232を加えた結果、関節部は電源および信号ケーブルを通すことのできる開いた「窓」を有するが、これは用途により作業用管路としても機能する。
【0089】
関節部全体が曲げられた状態のものを
図18Aに、直線状態のものを
図18Bに示す。本発明の接合環の典型的な寸法は、柔軟性、最小曲げ半径、剛性および最小長さを保持しながら入手可能な他のどんな接合環よりも小さくできる。例えば、0.04〜0.05mmの壁厚の場合、関節部は、最小直径は1mm、最小曲げ半径は2mm、最小曲げ角度は0度(直線状態)から両方向に270度の完全曲げ状態までを確保できる。そのような関節部の最小長さは1つの接合環の長さであり、それは曲げ角度と必要とされる柔軟性によって0.5mm〜25mmの範囲である。従って一体型関節部は以下の条件を満たす。
1mm<脊椎骨の直径<3mm
曲げ角度±270度
0.04mm<壁厚<0.5mm
0.5mm<1つの接合環の長さ<25mm
【0090】
図19Aと
図19Bは複数の環状片から成る関節部の一例の概略を示す。複数の環状片は、それぞれの中心を通り軸方向に配置された細長くて柔軟性のあるプローブのコンポーネントに取り付けられており、このコンポーネントが隣接する環状片間の距離を一定に保ち且つ隣接環状片を互いに接続するヒンジとして作用する。この実施例において、金属またはプラスチック製の個々の環状片34は
図19Aに示すように形成されている。環状片334は作業用管路336、カメラケーブル、またはプローブ全長を通る類似のコンポーネントに溶接または接着で直接取り付けられている。環状片334には2つまたは4つの穴338が設けられており、その穴に関節ケーブルを通すことにより関節が2方向あるいは4方向に曲げられるようになっている。
【0091】
図19Bは本実施例の全関節部を示す。複数の環状片334は中心の作業用管路336に取り付けられている。関節ケーブル340は穴338と中空チューブ342の中を通っている。中空チューブはケーブルが引っ張られたときに関節部がつぶれないように機能する。本実施例の関節部の利点は、薄い壁の作業用管路が常に関節部の軸位置に保持されているため曲げ作業中に作業用管路がよじれるのを防止できることである。
図19Bに示した関節部は使い捨てタイプの径2.8mmのプローブ用に設計されたものである。
【0092】
図20A〜
図20Dは本発明の小径プローブに使用するのに適した関節部の別の実施例の概略を示す。この実施例において、全挿入部は単一の金属、例えばステンレス鋼またはニチノール製、のバネ440で作られており、従来のゴムチューブ(図示せず)で被覆されている。バネの先端部近くにおいて、
図20Aに示すように、バネの一部を伸ばすことで隣接コイル間にスペースを設けて関節部を作っている。
【0093】
図20Bはバネの先端部に「ねじ込まれた」2つのプラスチックインサート442を示す。このインサートはバネ先端部が曲げられたときに、元に戻せないほどよじれてしまうのを防止する。
図20Bに示すように、インサート442には、外表面上に長手方向のケーブルガイド444と4つの半径方向突起446が形成されている。半径方向突起446はバネ440のコイルの間に(
図20Cの拡大図に示すように)嵌って関節部が曲げられたときに隣接インサート442が離ればなれにならないようにする。さらにインサート442にはその一端に2つのほぼ半円形状突起が、また他端には突起に合致する2つのほぼ半円形状凹部が突起に対して90度の角度で配置されている。関節部が組み立てられるとき、隣接するインサート442は互いに90度だけずれるように回転させており、1つのインサートの突起が隣接するインサートの凹部に嵌って接合面を作り、関節部が曲げられたときにその接合面に沿ってインサート/背椎骨が旋回するようになっている。
【0094】
図20Dはゴム被覆を除いた状態の完全に組み立てられた関節部を示す。バネの先端を除く基部側の部分、すなわち関節部の長さは大抵の場合、図示されたものよりもはるかに長く、プローブの挿入部分の長さに等しい。曲げ操作ケーブルを2本または4本使うかによって、本実施例の関節部は2方向または4方向曲げに適応できる。
【0095】
小さなプローブを設計する際に考慮しなければならないもう1つの点は、先端、すなわち手術/内視鏡の工具/器具の先端部分の長さと直径である。解剖学的構造上の制約のため、(自然のまたは切開した)穴に入れる内視鏡工具の基本的条件の1つは患者に与えるショックをできるだけ小さくすることである。器官を傷つけないためあるいは器官をスムーズに通過させるために工具の最初の部分、つまり先端はできるだけ短くしなければならない場合が多い。例えば、総胆管の場合、堅い部分の長さが8mm以上であれば傷つける可能性がある。先端部分が10mm以上の長さであれば危険である。別のケースとして例えば腎臓の場合、先端の堅い部分の長さは最大7mmと考えられている。
【0096】
上記の0.7mm×0.7mmのCMOSセンサ、0.625mm×0.285mmのLEDおよび異なる径の作業用管路または潅注/通気チューブを使えば最小径の先端部分が得られる。先端部分の径をさらに小さくするには、様々な形状のマイクロLED配列を使い、先端の開いた領域をもっと効率的に埋めることで可能となる。マイクロLEDの典型的な最大寸法は15〜50μmである。
【0097】
先端部分の一例の前面図と側面図を
図21に示す。これはカメラヘッド、LED、VCSELまたはマイクロLED配列の照明源を使用したもので、直径1.51mm、長さ3mmである。
【0098】
別の先端部分の例を
図22に示す。これは直径1.99mm、長さ4mmでカメラヘッド、LED、VCSELまたはマイクロLED配列、通気用管路および潅注用管路を使用している。
【0099】
先端部分の第3例の前面図と側面図を
図23に示す。これは直径1.99mm、長さ4mmでカメラヘッド、LED、VCSELまたはマイクロLED配列、潅注用管路および空の作業用管路を有している。空の作業用管路は、他の工具の導入のため、あるいは給電用ケーブルを必要とする風船、鉗子、超音波発生器など追加固定アクセサリー導入のために使うことができる。
【0100】
先端部分の第4例を
図24Aと
図24Bに示す。この先端部分は血管内視鏡を使った手術をおこなうためのカテーテルに取り付けられる。
図24Aは正面図で、カメラヘッド90、照明源92および作業用管路94が示されている。側面
図24Bからよくわかるように、カテーテルを挿入するときに管腔の損傷を防ぐために先端が透明な凸状、すなわち半球状、のカバー96で覆われている。カバー96には作業用管路の上に開口98が設けられている。先端部分の基端には電源ケーブルコネクタ100がある。カバー96の最大外径は先端部分の最大外径と等しいかそれ以下である。センサは上記の0.7mm×0.7mmセンサである。カメラヘッド90の径は1.1mmである。照明源は直径が0.25mmのオプティカルファイバーまたはLED、あるいはマイクロLED配列を使うことができる。作業用管路の直径は0.3mm、先端部全体の径は1.75mm、その長さは実施例によって2.5mm〜4mmである。
【0101】
もっと小さいセンサ、例えば0.5mm×0.5mm以下のLED、VCSELまたはマイクロLED配列を使えば先端部分の直径はさらに0.3mmだけ小さくできる。
【0102】
上述の例は以下の条件を満たしている:
1.0mm<先端部分の直径<2.8mm
2.5mm<先端部分の長さ<4mm
【0103】
工具の先端部分の全長を減少させる主要課題は、工具を構成する個々のコンポーネントの長さを減少させることと捉えることができる。例えば、内視鏡工具の場合、先端部分は固体イメージセンサ、対物レンズ、電子部品、ケーブル、おおい等を含む。固体イメージセンサと対物レンズは先端部分の全長に影響する。従って、これらのコンポーネントの長さを小さくすることは先端部分の長さを直接的に縮める。1つの選択肢はSSIのパッケージを削除することである。これによってBGAパッケージまたはウェーハーレベルパッケージ(WLP)の場合サイズは削減される。もう1つの選択肢は前述したシリコン貫通電極(TSV)を使って、SSIに電源を送ったりSSIに信号を送受信するケーブルに貫通電極を直接に接続したりする方法である。更なる選択肢は、
図6に示すように、イメージセンサのパッドからケーブルに(中間層を介してあるいは介さないで)直接にワイヤボンディングする方法である。
【0104】
図6は本発明による内視鏡の先端部分の概略を示す。先端部分の外側の覆い81の一部を取り除いて内部を示す。覆い81の内側には、光学組立体82がセンサ83の前に取り付けられている。この例では、センサは支持層84上の電気接続パッドにワイヤボンディングされている。このケースでは小さなドライバのコンポーネントを支持層84上に取り付けることもできる。貫通電極を使って支持層84の上面をその底面に電気的に接続し、さらにそこからケーブル86のワイヤ85に接続している。ワイヤは給電したり内視鏡の先端部分から基端側に信号を送ったりするものである。
【0105】
センサの高さ、すなわち前面から後面までの距離を縮める別の選択肢として、画素(およびマイクロレンズ)を覆っているガラスを削除して、画素を覆うポリマー溶液を使う方法がある。例えば、数μmの表面コーティングポリマーを使って、センサの高さ(従って先端部分の長さ)を0.05〜0.5mmだけ低減させる。
【0106】
本発明のもう1つの目的は対物レンズの長さを低減させることである。この課題は光学性能(MTF、被写界深度、ゆがみ等)に関する要求を考慮に入れなければならない。例えば、ある照明条件において球面レンズを使って大きな視野を得るには、対物レンズは絞りを含めなければならない。機械的絞りはある程度の長さがあるのでこの問題を解決しなければならない。機械的絞りを削除する1つの方法は、1つのレンズの1つの表面を金属で被覆し、それをエッチングしてその中に絞りを作ることである。これは基本的に絞りの寸法をなくするものである。対物レンズ長さが2.2mmまたは1.5mm未満で対応する光学MTF(変調用変成機能)を有するそのような構成例を以下に詳しく述べる。同じ原理はIRフィルタにも当てはまり、レンズ面の1つにコーティングとしてフィルタを作ることによっても実現できる。これらの方法によれば、100度のFOV(視野)を持つ球面レンズを使って長さ3mm未満の完成対物レンズシステムが得られる。(同じ理論により)80度のFOVの場合、長さを1.5mmに削減でき、もっと広いFOVを持つシステムでもほんの少し長くなるだけで構築できる。
【0107】
しかし非球面レンズを使った場合、問題は違ってくる。この場合、80度未満のFOVの場合先端部分の長さは2.5mm未満、大きなFOVの場合長さは4mm未満となる。これらの先端部分はすべて1つまたは2つの非球面レンズを使って実現できる。
【0108】
図1Aを参照すると、CMOSチップ1が、全体を3で示すエレクトロニクス部品を有する回路基板2上に支持されている。組み立てられると、撮像CMOS組立体は
図1Bに示すようにコンパクトな形状をしており、CMOS1で生成した信号はコネクタ4を通って他の画像処理装置に送ることができる。また
図1Bには、ガラス被覆板5が示されているが、上述の通り、必要ではない。
【0109】
このタイプのコンパクトな構成は、回路基板が付いているものも付いていないものも、同一出願者のWO2005/002210号(特許文献1)およびWO2005/115221号(特許文献2)に詳しく述べられている。従ってここでは簡略のために、これらの組立体の製造については詳しくは説明しない。
【0110】
図2A〜
図2Eは光学組立体20の様々な角度から見た概略図を示す。光学組立体は
図2AのCMOS1に接続されている。
【0111】
光学組立体20のレンズ構成を
図2Fに示す。光学組立体20は2つのレンズから成り、両方ともガラスまたはポリマーで作られている。
図2Fにおいて、11はレンズ1、12はレンズ2、13は絞り、14はCMOSカバーガラスそして15はCMOSのアクティブ領域である。
【0112】
本例の光学組立体20の光学機械要素を
図9に示す。それらは3つの部分からなる:メインチューブ22、CMOSホルダー24、およびカバーガラスを含むCMOSチップ1である。
図10は、
図9のレンズ組立体20の断面図で、
図2Fにも示されている光学コンポーネントを示す。光学組立体のレンズは次の順序でメインチューブ22の内部に組み立てられる。最初に、機械的絞り13をメインチューブ内に挿入し、続いてレンズ2(参照番号12)を入れる。次に、レンズ1(参照番号11)をメインチューブ22の前の部分に配置する。レンズ1は、参照番号101で示される例えばGlueEPOTEK353または紫外線エポキシ樹脂等の接着剤でチューブ22に封入される。これは内視鏡を使った手術中に水が侵入するのを防ぐためである。その後、CMOSホルダー24がCMOSチップ1のカバーガラス上に接着される。そしてCMOSホルダー24は焦点調整のためにメインチューブ22上にねじ込まれる。最後に、光学組立体20は接着剤で封止される。
【0113】
前に述べたように、本発明の目的の1つはカメラヘッド内の対物レンズの長さをできるだけ短くすることである。球面レンズに関して対物レンズの長さをできるだけ短くする技術について以下に述べる。明らかに非球面レンズの場合、解決方法はもっと簡単である。なぜなら光学要素の数を減らすことができるので対物レンズ全体の長さを効果的に短くできる。
【0114】
完成した対物レンズの光学設計はいくつかのパラメータを考慮している。例えば視野(FOV)、被写界深度(DOF)、画素の寸法、センサの有効領域、および全固体センサカメラヘッドの機械軸に対する対物レンズの光学軸の向きである。説明を単純にするため、2つの軸は一致していると仮定する。一致していない場合は、機械部分および/または組立体のずれを考慮しなければならない。非球面レンズの場合、レンズ用モールドでこのずれを考慮することができる。他のパラメータも設計に影響する。例えば、ゆがみのレベルおよびFナンバーがある。ゆがみが大きすぎると「魚眼」効果が現れ、またFナンバーが大きすぎると明るい像を得るためにより多くの照明が必要となる。
【0115】
次の例では、有効領域492μm×492μmの0.7mm×0.7mm固体センサの場合で100度のFOV(視野)とFナンバーF/3.5を持つ短い光学システムを説明する。この光学システムはセンサ8の表面から最初のレンズ6の前面までの対物レンズの長さが2.05mm未満という条件を満たすものである。三つ組みの第1レンズ6と2個組みの第2レンズ7から成る光学システムを
図7Aに示す。全ての光学要素の直径は0.8mmである。
【0116】
図7Aに示すシステムのFOV(視野)は、
図7Bに示す第1レンズ6の第1要素の設計を変えることにより140度に拡大することができる。
図7Bに示す光学システムはFナンバーF/2.5、長さ2.14mmである。光学要素とセンサの他の全ての寸法は同じである。
図7Cは
図7Bの光学システムの変調用変成機能(MTF)を示す。
【0117】
機械的要素の数を低減するためと、そのような寸法においては精度の高い(数μmの精度を有する)機械的絞りを製作することはほぼ不可能であるため、別の方法を用いて絞りを作る。レンズの1つ、この場合厚さが最小の平面レンズを使い、その1つの面を金属で被覆しエッチングすることで表面に精度の高い絞りを作る。さらにそのレンズの他方の表面を使って、1つのレンズの両表面にコーティングを行うことによりIRカットフィルターを実現できる。
【0118】
上記と同じパラメータを持つように平面レンズをフィルタとして使用して、金属皮膜を形成しそれをエッチングしてレンズの1つの表面に絞りを作ることは、
図8に示したように当然可能であるが、今回はセンサ表面から第1レンズまでの対物レンズの長さは196mm未満とした。この場合平面フィルタにはSchott Glasses製のBG40を使った。
【0119】
さらにレンズ長さを短くするために、
図13に示すようにレンズの数を減らすこともできる。この場合、FナンバーがF/4であることを除いて、前の例と同じパラメータが使われる。この例では、対物レンズはセンサ表面から第1レンズまでの長さ1.45mm未満という条件を満たす。さらに、本例の場合、レンズは直接に固体イメージセンサに接着(結合)されている。
【0120】
もう1つの例では、レンズがSSIに接着されたもの、すなわち
図14に示すように2個組みレンズで構成される。この例ではレンズ全体の長さをさらに縮めることができ、センサ表面から第1レンズまでの対物レンズの長さ1.38mm未満という条件を満たす。
【0121】
図14のレンズシステムで得られる変調用変成機能(MTF)を
図15に示す。この図においてMTFは、可視バンドにおいてMTF@80ペアライン/mmが0.78よりも大きいという条件、また可視バンドにおいてMTF@40ペアライン/mmが0.9よりも大きいという条件をいずれも満たしている。
【0122】
上記の全ての例において、機械的絞りを排除してレンズに金属皮膜を形成しその中に「絞り」または「穴」をエッチングすることにより光線を固体センサまで伝播させることで、短い対物レンズを製作できるということが示された。以上においてレンズの異なる構成を例として説明し、最後に説明したシステムのMTFを計算で求めた。これによりそのようなシステムのMTFは効率的であり且つ固体イメージセンサを使った小さなビデオカメラに使用できることが示された。さらに、FOV>100度という条件を満たす対物レンズシステムの場合、以下の表4に示されるパラメータが対物レンズの最小長さを満たすことも示された。
【表4】
【0123】
同じ理論と同じ設計コンセプトがもっと狭い、例えば60度または80度のFOVを有するレンズ組立体にも当てはまる。60度のFOVの場合、レンズ要素の数は低減できる。すなわち要素の数は(MTFのレベルによって)2〜4個に低減され、同時に対物レンズの最大長は2個組みレンズを何個使うかによって0.7mm〜1.6mmの範囲になることは容易に理解できる。また狭いFOVのレンズ組立体の場合、金属皮膜とエッチングのコンセプトを使って絞りを形成した。
【0124】
本発明の最後の特徴的構成はカメラヘッドの構造、すなわち対物レンズの光学組立体をセンサに取り付けたことである。フォトダイオード、マイクロレンズ、および時にはセンサの関連電子部品が公知の方法を使ってシリコンウェーハ上に形成される。マイクロレンズの上面は透明なポリマー層またはカバーガラスで覆われる。ウェーハには貫通穴が開けられ、貫通穴は導電材で埋められ、ボールグリッド組立体が各センサの底面に形成される。その後レンズは、ウェーハがチップに裁断される前あるいは後に、
図9と
図10を参照して説明したように、人の手によってセンサの上面に取り付けられる。
【0125】
対物レンズ組立体を作りそれをセンサに取り付ける別の方法で、はるかに効率的な方法は、最近開発したウェーハレベルオプティックス(WLO)という方法がある。この方法は関連する作業を低減することによってカメラ全体の価格に影響を与える。WLO技術においては、レンズ要素のネガティブモールドを、薄いガラス(または透明なポリマー)基板の表面に拡散した透明ポリマー層に押し付け、モールドを取り除き、ポリマーを硬化させることによってレンズを製作する。レンズはガラス基板の1つの面または両面の上に作ることができる。またその基板とレンズの正確な厚さ、またレンズ要素の曲率や必要に応じてレンズ要素の光学軸のずれまでもが、上記の例で説明したように光学設計によって決定される。
【0126】
ガラス基板は、好都合にもセンサがその上に作られるシリコンウェーハと同じサイズと形状に作られる。レンズ要素が作られるガラス基板上の位置は、シリコンウェーハ上のセンサの位置に正確に一致する。レンズが硬化した後、必要に応じスペーサを使ってレンズ間を所定距離に保持させた状態で、それらガラス基板をウェーハ上に重ねる。次に、ウェーハとガラス基板を注意深く一致させてエポキシあるいは公知の方法を使って接着させる。最後に、単一の8インチのシリコンウェーハを裁断しておよそ40,000個の0.7mm×0.7mmカメラヘッドを作る。
【0127】
図26Aはウェーハレベルオプティックス法を使って製作した完成カメラヘッドの断面の概略図である。図に示されているものは、ガラス基板66の両面に形成されたレンズ要素62、64から成る第1レンズ60;スペーサ68;ガラス基板72上に形成された第2レンズ要素70;エポキシと上面被覆層74;シリコン78の上面の画素アクティブ層76;およびボールグリッド組立体80である。
図26Aに示すカメラヘッドは直径1.1mm、FナンバーF/3.5および視野140度を有する。
図26AのカメラヘッドのMTFは
図26Bに示す。
【0128】
本発明の目的、つまり非常に小さなカメラヘッドとそれを収容する使い捨て可視化プローブは上述の技術を活用することによって達成された。すなわちイメージセンサの出力ビデオ信号、シリコン貫通電極、背面照明画素構造およびウェーハレベルオプティックスを組み合わせた方法を使って達成された。さらに、これらの技術の組み合せによって、1mm以下のカメラヘッドを大量に且つ低コストで製作できるようになった。
【0129】
当業者には明らかなように、上記の全ての説明や実施例は例として示したものであって、本発明をいかなる形であっても制約するものではない。本発明の1mm以下のプローブを使えば、様々な多くの手術工具を製作できる。また本発明によれば、工具を使う手術内容に応じて、適切な様々な位置においてプローブを受け入れるためのソケットを有する各種手術工具を製作することが可能である。従って、本発明は特に直径3.2mm以下の医療機器で形状、プローブの位置やその用途に制約されない新しい世代の医療機器への道を開くものである。また、ハウジングなしでプローブを「配置」したり、あるいは工具内にハウジングを既に有するプローブを配置したりすることもできる。