【文献】
Jan Huisken, et al.,Even fluorescence excitation by multidirectional selective plane illumination microscopy (mSPIM),Optics Letters,2007年 9月 1日,Vol. 32, Issue 17,p. 2608-2610
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照明装置(19)は、角度走査手段を含み、該角度走査手段は、光のシートの生成のための第2の手段が選択されている場合に、照明焦点面と共役な平面内に配置され、前記角度走査手段を用いて、前記光のシートと前記照明軸(X)との間の角度を変えることができることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の顕微鏡。
瞳面への前記走査ミラー(23)の正確な結像のための第2の非点収差的に作用する光学素子(33)が、前記照明ビーム経路内に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の顕微鏡。
【背景技術】
【0002】
このような顕微鏡の設計は、SPIM顕微鏡(SPIM:Selective Plane Illumination Microscopy(選択的平面照明顕微鏡法))として知られている部類に入る。3次元試料が、個々の平面内で異なる深さで逐一走査され、それによって得られた画像情報が、その後、その試料の3次元画像を形成するように編成される共焦点レーザ走査顕微鏡(laser scanning microscopy:LSM)とは対照的に、SPIM技術は、広視野顕微鏡法に基づいており、および試料の様々な面を通る光学的断面に基づいた試料の画像化を可能にする。
【0003】
SPIM技術の利点は、とりわけ、画像情報が検出される速度がより速いこと、生体試料の退色に関する低減されたリスク、および試料への焦点の侵入深さがより大きいことにある。
【0004】
SPIM技術の原理は、試料に元々含まれていたか、またはコントラストのために添加された蛍光色素分子がレーザ光で励起され、そのレーザ放射が、いわゆる光のシートに成型されるということである。その光のシートは、試料領域の試料の深部の選択された面を照明するために用いられ、結像レンズ系は、この試料面の画像を、光学的断面の形で得るために用いられる。
【0005】
SPIM技術に対する最初の近代的なアプローチは、非特許文献1に記載されている。そこでは、近代的なSPIM技術の原理が説明されており、試料を照明するためにコヒーレントな光源が用いられ、その光のシートは、円柱レンズを用いて生成される。その光のシートは有限厚を有するが、結像レンズ系およびカメラを具備する検出手段が、その光のシートの伝播方向に直角に配置されている。
【0006】
近年に至って、その技術は、特に、蛍光顕微鏡法における用途に関してさらに進化した。例えば、特許文献1、およびそれに基づいて、特許文献2は、光シート状照明が、ライン状光照明野と、検査すべき試料との間の相対運動によって生じる方法について記載している。その光シート状照明は、その相対運動によって並んで整列するように、経時的に連続して繰り返される光照明野によって形成される。しかしこのようにすると、照明の方向に位置する試料の一部によって、影が、検査すべき試料面内に形成され、および影は、その照明光に対して透過的ではない。同様の構成は、非特許文献2、および非特許文献3に記載されている。
【0007】
全く静的な光のシートの代わりに、円柱レンズ系が用いられるその生成の場合、回転対称光ビームで試料を迅速に走査することにより、準静的な光のシートを生成することが可能である。試料が撮像されるカメラの積分時間は、スキャンが、その積分時間内に完了するように選択される。このような構成は、非特許文献4、および非特許文献5に記載されている。
【0008】
しかし、公知の全ての構成および方法は、多かれ少なかれ、重大な欠点を有しており、それらの欠点は、とりわけ、顕微鏡の高い操作性、および大量の試料を比較的短時間で検査しなければならない状態での概して高いスループットを実現することが重要な、商業分野におけるSPIM技術の利用を制限する。本質的な欠点を以下で説明する。
【0009】
これまでに実施されてきたSPIM技術を用いた構成のほとんどにおいて、例えば、特許文献1および特許文献2による構成においては、検出のためのイメージフィールドサイズのちょっとした変化、例えば、試料の良好な概観を提供するイメージフィールドサイズから細部領域への切替えは、どちらかと言えば複雑で時間のかかることである。それは、検出対物レンズの変更によってのみ実施することができる。このことは、試料空間に悪い影響を及ぼし、水平方向の検出ビーム経路の場合に、特に良くない影響を与える可能性がある。最悪のケースでは、試料チャンバの取外しおよび排出も伴う。その後に、一般的には、再焦点調節が必要である。また、試料は、不必要に加熱または冷却される。
【0010】
非特許文献6には、改良について記載されている。そこでは、検出ビーム経路が垂直方向に設けられており、その結果、イメージフィールドサイズの変更を、試料チャンバ容積との相当の相互作用を何ら伴うことなく実行することができる。その検出対物レンズは、その試料チャンバに入れた後、単純な方法で上方から取出すことができる。それにもかかわらず、試料チャンバとのわずかな相互作用、およびそれに伴う試料との間接的な相互作用は避けることができない。
【0011】
イメージフィールドサイズの適応は、ズーム検出対物レンズを用いた場合には、より単純である。そのような構成は、非特許文献7に記載されている。そこでは、市販の顕微鏡、すなわち、ズーム対物レンズを有するOlympus MVX10が、検出のために使用されている。これは、確かに、一般的に浸液で満たされている試料チャンバ内へ上方から挿入され、その結果、ここでもまた、その対物レンズのズーム機能が作用する場合、または、焦点が調節される場合に、その試料チャンバ内の液体に伝わる可能性のある変動を引き起こす可能性がある、レンズの電動移動のみによって、その試料チャンバとのわずかな相互作用が生じる。
【0012】
検出のためのイメージフィールドサイズを変更する場合、照明側のイメージフィールドを適応させること、すなわち、横軸Yおよび検出軸Zに沿って、光のシートの広がりを適応させることも望ましいことである。従来技術においては、この適応は、これまで、例えば、非特許文献4、および非特許文献8に記載されているような交換可能なダイヤフラムおよびビーム拡大器のうちの少なくとも一方を用いることによって実施されてきた。ダイヤフラムの場合に生じるフレアが光損失を引き起こすのに対して、ビーム拡大器の使用は、その交換がどちらかと言えば面倒であるため、柔軟性を低下させる。
【0013】
典型的な様式では、例えば、特許文献2に記載されているように、光のシートは、ビーム経路内に配置された円柱レンズを介して生成されるが、従来技術の最近の情勢は、例えば、上述の論文、すなわち、非特許文献4に記載されているように、静的な光のシートは生成されないが、単に準静的な光のシートが生成される構成を用いており、この場合、試料は、回転対称光ビームによって素早く走査される。「素早く」とは、一般的に用いられている空間分解アレイ検出器、例えば、CCDチップまたはCMOSチップを有するカメラの積分時間が、この積分時間内に、光ビームが、準静的な光のシートに対応する試料領域を走査するように選択されていることを意味する。例えば、カメラにおいては、シャッタ開放時間に相当する積分時間と、光ビームの走査周波数または走査時間とは、一般的に、互いに独立に設定することができ、そのため、走査時間は、一定の積分時間に適応させることができる。回転対称光ビームを用いて走査した場合も光のシートを生成するが、少なくとも実質的には、このアプローチもまた、光のシートの生成に包含されている。
【0014】
どちらの種類の光のシートの生成も、利点と欠点を有している。例えば、円柱レンズを用いた場合、試料が照明される強度を、より低いレベルで選択することができるのにもかかわらず、走査する場合と同じビーム量が実現されるため、試料にかかる負荷はそれ程でもない。また、その速度は、照明ビーム経路内の可動要素によって制限されないため、円柱レンズの使用は、非常に短い時間内に、高速で連続した画像シーケンスを記録するのに良く適している。特に、ストロボスコープのような照明は、円柱レンズを用いて非常に良く実施することができる。走査する場合、使用される旋回走査ミラーは、一般的に、速度制限要素になりかねない。例えば、特許文献3に記載されているようなバンディングを低減するために、プレーン走査を、角度走査、すなわち、異なる角度からの照明と組み合わせた場合には、光シート角度走査および位置走査のためのスキャナ群がマッチしていないと、すなわち、同期されていないと、ビートアーチファクトが生じるというリスクがある。
【0015】
走査による光シートの生成の利点は、とりわけ、光のシートの生成が、試料のより均質な照明を可能にし、その結果、定量的な画質評価も可能になり、そのことは、円柱レンズ系を用いて、概してダイヤフラムを介したフレアリングによってのみ実現することができ、このことは、光損失を引き起こす。また、スキャナの最大偏向の柔軟な選択は、画像のサイズを、高い柔軟性で適応させることを可能にするであろう。走査は、励起光の空間コヒーレンスを低下させ、そのことは、バンディングの低下にもつながる。そして、例えば、AOTFによる光源の特別な変調により、格子状パターンを試料内に投影することが可能である。
【0016】
従来技術において説明されている他の構成においては、試料は、照明軸Xに沿った反対方向から、両側から照明される。非特許文献7に記載されている構成においては、試料は、両側から同時に照明される。ミバエ(ショウジョウバエ)の胚等の様々な種類の試料に対して、このような構成は、散乱および非散乱画像部分が、このようにして好ましくない方法で結合されるため、有利ではない。非特許文献8および非特許文献6は、順次的に、すなわち、照明軸Xに沿って、2つの方向から交互に試料を照明する構成について記載しており、それは、上述した試料にとってより好ましい。2つの照明方向間で前後に切替えるために、振動生成シャッタまたは回転ミラーが用いられ、その結果、切替えに必要な時間が、比較的長くなる。
【0017】
非特許文献4および非特許文献5は、照明および検出対物レンズのうちの少なくとも一方が、圧電モータに取付けられているSPIM構成について記載しており、そのことは、焦点合わせを可能にする。そしてそこでは、焦点距離の設定は、対物レンズ全体の変位によって実現されている。具体的には、試料チャンバとの相互作用が可能なように、画像面からのフロントレンズの距離は維持されない。このことは、特に、浸漬検出対物レンズを備える水平方向の検出ビーム経路に当てはまり、すなわち、ここでは、その対物レンズの必要な動作は、窮屈さの問題を引き起こす。一方においては、ユーザが、試料チャンバに供給するための種々の手段のためにそこにスペースを必要とする場合、その試料スペース内の可動要素は、概して邪魔になっている。その対物レンズと試料との間の空間は、空気ではなく液体によって占められているため、その対物レンズの動作中に発生する振動は、不利に試料に伝わる可能性がある。
【0018】
光のシートを生成するためにスキャナを用いる場合、照明対物レンズの瞳内へのそのスキャナの結像は、一般的に最適ではなく、そのため、プレーン位置走査は、角度走査の一部によって重ね合わせられる。
【0019】
また、従来技術においては、検出ビーム経路が、2つの分岐ビーム経路に分けられている構成も知られており、これは、例えば、上述した2つの出版物、非特許文献4および非特許文献5に記載されている。ビームを分ける場合には、光の部分を一方の分岐ビーム経路に送り、光の他方の部分を他方の分岐ビーム経路へ反射させるビームスプリッタを用いる。この目的のために、2mm以下の比較的小さな厚みの一般的なダイクロイックフィルタを用い、それらのフィルタは、検出ビーム経路の分岐部分に配置される。このような配置の利点は、伝達の方向において、非点収差によって引き起こされる何らかのアーチファクトがほとんど生じないということである。しかし、反射光の方向においては、コーティングにより、または、不適切な取付けによって引き起こされる可能性のある、そのダイクロイックフィルタでの表面張力により、非点収差または焦点ぼけ等のイメージアーチファクトが生じてしまう。2つの分岐検出ビーム経路に分けるという別の方法は、非特許文献8に記載されている。そこでは、ダイクロイックフィルタは、(ビーム経路に対して)無限遠に配置されており、そのためここでもまた、伝達中に生じる問題は最小限になる。反射分岐ビーム経路が関わっている限り、従来のダイクロイックフィルタを使用した場合には、ここでも、表面張力という問題が生じる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、SPIM技術の原理によって動作する顕微鏡の検出ビーム経路を示す。
図1には示されていないが、試料領域Pを照明するための光のシートが生成される顕微鏡の照明装置がそのビーム経路に付随している。その光のシートは、照明ビーム経路の照明軸Xの方向、および照明軸Xに対して直角に位置する横軸Yの方向に、略平面状の形態を有する。その検出ビーム経路に沿って、試料領域Pにより検出軸Zに沿って放射される光を検出するために用いられる検出装置1の素子が図示されている。照明軸Xおよび検出軸Zは、横軸Yと検出軸Zの場合と同様に、互いに略直角になっている。
【0032】
検出装置1は、その検出ビーム経路内に配置された検出対物レンズ2を具備する。検出ビーム経路1内の他の本質的な素子は、チューブレンズユニット3および空間分解アレイ検出器4であり、それらは、例えば、適当なカメラのCCDチップまたはCMOSチップとして設計することができる。その光は、光学結像素子5を用いてこのアレイ検出器4上に結像される。
【0033】
検出装置1の本質的な素子は、検出対物レンズ2のフロントレンズから離れるように配置されており、およびこのフロントレンズとは独立に調節することができる光学検出素子である。一方では、その光学検出素子を用いて、検出イメージフィールドのサイズは、連続的に可変であり、他方では、その検出素子は、試料領域P内の検出焦点面を連続的にシフトするために用いることができる。その検出素子は、2つのタスクの一方のみを、または両方のタスクを交互に処理するように、あるいは、両構成を同時に実行できるように、設計することができる。その検出素子は、例えば、互いに対して可動である2つ以上のレンズコンポーネントの形態で、検出対物レンズ2の一体部とすることができ、一方、そのフロントレンズは、それらのレンズコンポーネントの動作中は静止したままである。別法として、その検出素子は、検出対物レンズ2から一定距離に、そのビーム経路内の独立したコンポーネントとして配置することができる。その検出素子の調節中、すなわち、そのレンズコンポーネントのうちの1つまたはいくつかのそのビーム経路に沿った移動中、そのフロントレンズは、静止したままである。
【0034】
独立したコンポーネントとしてのその光学検出素子は、例えば、
図1に示すように、2つの可動レンズコンポーネント6.1および6.2と、それらの間にある固定レンズコンポーネント6.3とを有する検出ズーム素子6として設計することができる。検出ズーム素子6の使用は、概観画像と詳細画像の容易な切替え、または、関心のある試料詳細の有効な位置決めを可能にする。さらに、検出ズーム素子6を用いて、異なる試料角度で、検出方向Zに沿った画像スタックの記録、いわゆる多視点画像スタックが、容易な方法で可能である。検出ズーム素子6は、電動によって完全に調節することができる。制御素子位置のテーブルの自動編集の場合、その検出ビーム経路の中間像面に移動される、透過パターン等、例えば、透過格子パターン7等の中間像サンプルを用いることができる。
図1において、この透過格子パターン7は、移動した状態で図示されているが、一旦、全てのパラメータが確認されたら、そのパターンは外すこともでき、また、検出には必要ない。別法として、検出対物レンズ2の代わりに、較正対物レンズ(図示せず)をそのビーム経路内で用いることができる。
【0035】
また、位置設定のための異なるテーブルを、異なる放射波長に対して編集することができるという事実を利用することができるため、異なる光の波長で、いわゆるマルチトラック顕微鏡写真の記録を容易にすることも可能である。従って、検出ズーム素子6を調節することにより、検出装置1の長手方向の色収差を補正することができる。
【0036】
この目的のためには、検出ズーム素子6を用いて、試料領域P内の焦点面を連続的にシフトすることが有利である。検出ズーム素子6は、検出対物レンズ2から離れて配置されており、検出対物レンズ2自体を移動させる必要はないため、移動すべき量は非常に小さい。その検出ビーム経路内の静止位置に配置されている検出ズーム素子6を用いることにより、その検出ビーム経路の内焦方式として知られていることを実施することができる。移動される量が小さいため、焦点調節を繰返し要する検出方向Zに沿った画像スタックは、より高精度および高速で記録することができる。
【0037】
また、検出対物レンズ2、またはそのフロントレンズは、中に試料が置かれて、その試料領域Pが照明される試料チャンバに対して動かないため、その試料チャンバの水封が容易になる。従って、振動による試料との相互作用が回避され、追加的な力は試料に作用しない。さらに、その試料チャンバを満たす液体の温度に応じて、その検出焦点面を指定することが可能であり、その目的のために、この液体の温度が測定され、それに応じて焦点位置が調節される。その温度が変化すると、この変化が、評価ユニットおよび制御ユニットを介してその検出素子へ信号で伝えられ、それに伴って、その検出焦点面が調節される。このようにして、その試料チャンバを満たす液体の屈折率の変動を補正することができる。水は、高い頻度で、液体または浸漬媒体として使用される。屈折率データは、異なる液体のために保存することができ、すなわち、ユーザが、どの浸漬媒体を使用するかを指定すると、正確な調節を自動的に実行することができる。その検出焦点面のこの種の温度依存変動は、例えば、いわゆる熱衝撃実験に利用することができ、この場合、試料または浸液は、極短時間に、大きな温度変化にさらされる。
【0038】
図示の実施例において、検出ズーム素子6は、2つの可動レンズコンポーネント6.1、6.2を有し、それらの間には、固定レンズコンポーネント6.3があるように設計されているが、より多くの可動レンズコンポーネントを有する、または、1つのみの可動レンズコンポーネントを有する他の設計も可能である。例えば、内焦方式、すなわち、検出焦点面の連続的シフトのために検出ズーム素子6を使わないように問題なく提供することができる。この場合、例えば、その試料領域内の検出焦点面をシフトするための、すなわち、内焦方式のためのチューブレンズユニット3のチューブレンズ8を用いることができる。このチューブレンズ8は、その場合、両矢印で象徴的に図示されているように、そのビーム経路に沿って可動であるように配置される。また、チューブレンズユニット3は、検出対物レンズ2から離れて、および同様に検出素子または検出ズーム素子6から離れて配置されている。
【0039】
検出装置1は、いくつかの追加的な光学素子を備えており、そのうちのより本質的なものを以下に説明する。コンパクトな設計を実現するために、そのビーム経路は、偏向ミラー9、10を介して試料領域Pから空間分解アレイ検出器4へ向けられている。ビーム結合器11によって、追加的なビーム経路を必要に応じて結合することができ、そしてそれは、反射光照明に用いることができる。さらに、ダイクロイックビームスプリッタ13を、そのビーム経路の近無限遠空間12内の、すなわち、そのビームが、必ずしも完全ではないが、可能な限り平行になる範囲内で、ズーム素子6と、結像素子5との間のビーム経路内に配置することができ、前記ダイクロイックビームスプリッタ13は、検出すべき光をそこに結像することができる空間分解アレイ検出器を、分岐ビーム経路14および15の各々に配置した状態で、その検出ビーム経路を2つの分岐ビーム経路14および15に分割するための分割手段として作用する。
図1は、分岐ビーム経路14のための光学素子のみを示しており、分岐ビーム経路15は、同一の設計であってもよい。
【0040】
そのダイクロイックビームスプリッタは、3mmを超える厚さを有しており、そのため、従来技術において知られているような表面張力の発生による結像収差等の問題を回避することができる。2つの分岐ビーム経路14および15の各々には、検出すべき光のそれぞれのアレイ検出器への結像のための光学結像素子が配置されている。2つの分岐ビーム経路14または15のうちの少なくとも一方には、ウォッブルプレート16および17を必要に応じて配置することができ、それらを用いて、検出軸Zに直角な2つの直交方向内でオフセットを調節することができる。このようにして、2つのアレイ検出器から読み出した測定データの自動重ね合わせを実施することができる。このことは、例えば、2つの異なる放射波長の場合の画像を別々に記録した後、重ね合わせる場合に重要なことである。この目的のために、
図1は、分岐ビーム経路14内に任意の放射フィルタ18も示してあり、それを用いて、波長選択を実行することができる。別の波長を選択する類似の放射フィルタ18を、他方の分岐ビーム経路15内に配置してもよい。また、画像重ね合わせの正確な調節のために、上述した透過格子パターン7が、その検出ビーム経路の中間像面で用いられ、または、検出対物レンズ2の代わりに、較正対物レンズ(図示せず)が用いられるような方法で、中間像サンプルを較正のために用いてもよい。
【0041】
さらに、それぞれの分岐ビーム経路内の光学結像素子を、シフト可能に配置してもよく、その結果、それぞれのアレイ検出器に焦点合わせをすることが可能である。
図2は、照明装置19を示し、それを用いて、試料領域Pを照明する光のシートが生成され、その光のシートは、照明ビーム経路の照明軸Xの方向、および照明軸Xに直角な横軸Yの方向において、略平面状の形態である。明確にするために、
図1に実施例として図示されている検出装置1は、ここでは省略されているが、
図1および
図2に示す座標系に従って、相互の位置合わせがなされている状態で、どちらも容易に互いに組み合わせることができる。
【0042】
図2に図示されている照明装置19は、異なる3つの構成A、BおよびCで示されている。照明装置19は、その照明ビーム経路内に、少なくとも1つの照明対物レンズ20と、照明対物レンズ20のフロントレンズから一定距離に配置され、およびこのフロントレンズとは独立に調節することができる照明素子とを具備し、その照明素子を用いて、検出軸Zの方向の光のシートの広がりが連続的に可変になり、および/またはそれを用いて試料領域P内の照明焦点面を連続的にシフトしてもよい。その照明素子は、例えば、互いに対して移動可能な2つ以上のレンズコンポーネントの形態で、照明対物レンズ20の一体部とすることができ、一方、そのフロントレンズは、それらのレンズコンポーネントの動作中、静止したままである。別法として、その照明素子は、照明対物レンズ20から一定距離に、そのビーム経路内に独立したコンポーネントとして配置することができる。その照明素子の調節中、すなわち、そのビーム経路に沿った、そのレンズコンポーネントのうちの1つまたはいくつかのシフトの間、そのフロントレンズは、静止したままである。
【0043】
従って、その照明素子は、その光のシートを、そのイメージフィールドサイズに連続的に適応させるために、および焦点を設定するために用いることができる。このことは、例えば、その照明素子が、照明ズーム素子21として設計されている場合、簡単な方法で可能である。そのため、このことは、特に、検出装置1にも検出ズーム素子6が設けられている場合に、照明の開口数と、検出イメージフィールドのサイズとを最適かつ連続的にマッチさせるために利用することができる。交換可能な望遠鏡等の他の解決策と比較して、照明ズーム素子21を用いた開口数の適応は、連続的に行うことができる。ダイヤフラム等の他の解決策と比較すると、励起光は失われず、そのため、結局、必要な照明源、一般的にレーザは、より低い出力を有することができる。このようにして、試料に対する負荷が低減され、より高い出力密度を実現することができ、また、照明対物レンズ20は、それほど頻繁に変化させる必要はない。その検出イメージフィールドのサイズと、その照明イメージフィールドのサイズとの比は、視野の中心の光のシートの厚さ1と、視野の端の光のシートの厚さ2との比を設定して、イメージフィールドサイズが変化したときに一定に保てるような方法で調節することができる。
【0044】
また、その照明素子を用いて、試料領域P内の照明焦点面を連続的にシフトすることが可能な場合、すなわち、照明ズーム素子21のうちの1つまたはいくつかのレンズ素子を互いに対してシフトさせた状態で、検出ズーム素子6の場合と同様の内焦方式によっても実現される調節が可能な場合、その光のシートのウェストも、照明軸Xの方向における視野にわたって連続的にシフトさせること、すなわち、ウェストスキャニングと呼ばれるプロセスも可能である。このプロセスにおいて、検出方向Zにおける最大分解能を、全ての視野にわたって実現することができる。
【0045】
内焦方式は、照明軸Xに沿った両側からの照明と組み合わせると、その視野の約1/4および約3/4にそのウェストを位置決めすることを可能にする。このようにして、その光のシートの厚さの変動を、一方の側からのみの照明の場合よりも明らかにより小さく保つことができる。そして、検出ズーム素子6に関連して説明したように、温度依存性の焦点合わせと同様に、浸漬媒体の温度に応じて、または、試料を固定するために用いられるその媒体の異なる光学的厚さに応じて、光シートのウェストの位置の補正が可能である。
【0046】
その照明側イメージフィールドサイズまたはその光のシートの広がりを、その検出イメージフィールドのサイズに適応させるためには、検出ズーム素子6によって与えられるその検出イメージフィールドのサイズに応じて、照明ズーム素子21を設定するための制御回路を介して、照明ズーム素子21と検出ズーム素子6を結合することが有利である。この場合、その検出イメージフィールドのサイズが、例えば、観察者によって手動で変更された場合、その照明側イメージフィールドサイズは、この変化に自動的に適応される。従って、観察者は、このことがその制御回路によって実施されるため、照明ズーム素子21の照明側適応をしないで済み、その結果、照明のための開口数は常に最適に設定されている。
【0047】
図2に示す照明ズーム素子21には、少なくとも3つの独立にシフト可能なレンズコンポーネント21.1、21.2および21.3と、固定レンズコンポーネント21.4とが設けられている。ビーム経路A、BおよびCは、照明ズーム素子21の3つの異なる位置を示している。3つのシフト可能な素子の使用は、この場合、正確な倍率だけではなく、瞳および中間像の正確な結像も確実にするために必要であり、その結果、3つの自由度を設定することができる。より少ない自由度が関連している場合には、より少ないシフト可能な素子で十分であろう。
【0048】
照明ズーム素子21の効果は、3つの異なる構成A、BおよびCの場合について
図3に詳細に示されている。照明ズーム素子21は、
図3aに示すように、照明軸Xと横軸Yに及ぶ面内と、
図3bに示すように、照明軸Xと検出軸Zに及ぶ面内との両方でその効果を示す。
図3bにおいては、照明開口の適応により、どのようにして、照明ズーム素子21の位置Aから位置B、位置Cへの光のシートの厚さが、次第に薄くなっていくことが図を見て分かる。
図3aにおいては、照明ズーム素子21の設定からもたらされる適応が、X−Y面に示されている。
【0049】
照明開口の選択に関する柔軟性をさらに高めるために、照明装置19は、望遠鏡チェンジャー22を具備することもでき、その結果、実現可能な開口の範囲を広げる。代替としてまたは追加的に、照明対物レンズ20は、同様の効果をもたらすように変更することができる。
【0050】
図2に示す照明装置19は、光のシートの生成のための第1の手段をさらに具備し、その手段は、回転対称光ビームを生成するための手段と、所定の時間間隔での横軸Yに沿ったその試料領域の光シート状走査のための走査手段とを同様に具備する。その回転対称光ビームを生成するための手段は図示されていないが、
図2に示す構成の走査手段は、走査ミラー23を具備し、それを用いて、回転対称光ビームは、いずれの場合も完全に、積分時間中に、すなわち、測定データが検出器から読み出される前に経過する時間内に、そのスキャナが試料を少なくとも一度、好ましくは数回、通過する速度で試料全域にガイドされ、換言すれば、積分時間は、その光ビームが試料を通過する間は、終了してはならない。積分時間、走査時間および走査動作は、互いに調整され、その結果、所定の時間間隔が、その積分時間に本質的に等しくなる。走査ミラー23の効果は、
図2および
図3には図示されていない。
【0051】
走査ミラー23から出た照明光は、走査対物レンズ24、チューブレンズ素子25および照明対物レンズ20を通って試料領域Pに結像される。その構成を可能な限りコンパクトにするために、様々なミラー26がビーム偏向のために使用されている。
【0052】
走査ミラー23に加えて、照明装置19には、光のシートの生成のための第2の手段が必要に応じて設けられており、その手段は、第1の非点収差的に作用する光学素子を具備し、図示の実施例において、これは、少なくとも1つの非点収差レンズ、ここでは円柱レンズを有する、静的な光のシートを生成するための第1の円柱光学素子27である。また、選択手段(図示せず)も設けられており、それを用いて、光のシートの生成のために、第1または第2の手段のいずれか、または両方を選択することができる。このことは、走査ミラー23または円柱光学素子27のいずれか、あるいは両方が使用されることを意味する。円柱光学素子27は、例えば、その光学素子を、そのビーム経路内に、または、ビーム経路から側方に移動させることができるように設計することができる。このようにして、それぞれ上述した、光のシートの生成のための両方の方法の利点を組み合わせることができる。また、円柱レンズの代わりに、第1の非点収差的に作用する光学素子は、パウエルレンズまたは他の非点収差的に作用するレンズを具備することもできる。
【0053】
具体的には、試料領域P内のイメージフィールドの一般的なカバー範囲は、円柱光学素子27に関連付けられ、その光学素子は、ここに図示されている構成においては、走査ミラー23と同時に使用される。しかし、円柱光学素子27は、照明ズーム素子21の各位置のイメージフィールド全域をカバーすることはできない。
【0054】
図2において、照明装置19は、任意の角度走査手段をさらに具備する。
図2に示す実施形態において、その角度走査手段は、素早く切替え可能な角度走査ミラー28を具備する。角度走査ミラー28により、その光のシートと照明軸Xとの間の角度が可変になっている。角度走査ミラー28としては、例えば、微小電気機械タイプからなるものを含む共鳴またはポリゴンスキャナを使用することができる。第1の円柱光学素子27を使用する場合、角度走査ミラー28は、その照明焦点面と共役になるように配置される。角度走査ミラー28を用いて、試料を異なる角度から照明することができ、そのことは、バンディングを低減するために利用することができる。
図2において、角度走査ミラー28の動作は、2つのビーム経路29および30による構成Cの場合について図示されている。ビーム経路29では、その角度走査ミラーはゼロ位置にあり、すなわち、偏向されておらず、一方、ビーム経路30は、ゼロとは異なる角度走査ミラー28の偏向の場合に当てはまる。このことは、
図3aの全ての構成A、B、Cの場合についても図示されている。角度走査ミラー28は、一般的に、10kHzの周波数で作動し、一方、光のシートを生成するための走査ミラー23は、約1kHz〜2kHzの周波数で動作する。
【0055】
また、角度走査ミラー28との同時使用の場合には、角度走査ミラー28と、素早く切替え可能な走査ミラー23の非同期起動によって起きる可能性のある何らかのビートアーチファクトが、そのビーム経路内に配置された円柱光学素子27によって部分的に不明瞭になるため、円柱光学素子27の使用は有利である。円柱光学素子27の使用が光ビームを平行にするため、照明の強度は、素早く切替え可能な走査ミラー23の単独使用と比較して低減され、そのことは、試料にとって害が少ない。
【0056】
素早く切替え可能な走査ミラー23と組み合わせた円柱光学素子27の作用は、
図4に改めて詳細に示されているが、そこでは、その照明装置の様々な要素は、いくつかの代表的なものによって単に概略的に図示されている。ここでは、円柱光学素子27を単独で使用した場合、ここに描かれている照明ズーム素子21の位置を前提とすれば、イメージフィールドの一部のみをカバーすることができることは明らかであり、そのため、高速走査ミラー23は、完全なカバー範囲を実現するように使用しなければならない。光は、高速走査ミラー23の偏向を伴わずに、ビームセグメント31に沿って、試料領域P内に結像され、そのセグメントの輪郭は、ここに示される。その光は、ゼロとは異なる偏向を伴って、ビーム部32に沿って試料領域P内に向けることができる。走査ミラー23の追加的な走査動作によって、試料領域Pの均質な照明を実現することができる。走査ミラー23の使用をやめた場合、選択した試料領域の非常に高速なストロボスコープ状の照明が可能になるが、それは、走査ミラー23のより遅い動作によって妨げられるであろう。
【0057】
図2の照明装置19の照明ビーム経路内には、第2の非点収差的に作用する光学素子が追加的に配置されており、その光学素子は、ここでは、第2の円柱光学素子33である。少なくとも1つの円柱レンズを有する円柱光学素子33の代わりに、パウエルレンズを有する非点収差的に作用する素子を同様に用いることができる。この第2の円柱光学素子も任意のものである。そのことは、高速走査ミラー23を瞳面に結像するために、および角度走査ミラー28を照明焦点面に結像するために意図されている。この追加的な第2の円柱光学素子33(補正素子)がない場合、光のシートの調節および/または両側からの照明のための照明光の第2の照明ビーム経路内への偏向のために意図された、その照明ビーム経路内の同じかまたは等価な位置に場合によっては配置される高速走査ミラー23および切替えミラー34は、照明光学系の瞳面にのみ概して配置されるであろう。この結論は、2つのミラー23または34によって生じる試料領域P内の位置の動きが、角度の動きの一定の共有によって重ね合わせられたということである。このことは、特に、(検出方向において光のシートを調節するためにも用いられる可能性がある)偏向ミラー34にとって好ましくない影響がある可能性があり、その訳は、そのミラーの位置により、その検出面に対する光のシートの位置が斜めになる可能性があるためである。
【0058】
しかし、光シート顕微鏡法における照明は、固有の非点収差特性を備えているため、それらの特性を、ミラー23および34の両方の正確な瞳結像を実現するために利用することができる。円柱光学素子33は、1つの軸のみに作用し、すなわち、この軸にも作用する走査または偏向ミラーが、その瞳に結像されるような方法で設計および位置決めされている。さらに、そのビーム経路は、他の軸で作用し、および円柱光学素子33の動作がそのミラーに影響を及ぼさないミラーも、正確に結像されるように設計される。その結果、試料領域P内での位置動作に関する角度共有の重ね合わせを避けることができる。さらに、円柱光学素子33は、角度走査ミラー28が、正確にその試料面に結像されるように設計される。従って、試料領域P内での位置動作と角度動作の重ね合わせが避けられる。2つのミラー23および34は、互いに非常に近接して配置されているため、円柱光学素子33は、非常に長い焦点距離を有するように構成される。
【0059】
図5は、例えば、
図2に示すような照明装置19と、例えば、
図1に示すような検出装置1とを設けることができ、および照明装置19が、照明光を他方の照明ビーム経路36内に偏向させるため、および対応する特性を有する別の光のシート、すなわち、照明軸Xの方向および横軸Yの方向に、略平面状の広がりを有する光のシートを生成するための手段を追加的に具備する顕微鏡を示す。照明ビーム経路35および他方の照明ビーム経路36内には、本質的に同一の光学素子が配置されており、両ビーム経路は、同じ光学経路長を有しており、一方の光のシートと、他方の光のシートは、同じ照明軸X上の反対方向から試料領域Pを照明するような方法で、互いに位置合わせされている。
【0060】
照明装置19は、照明ビーム経路35と他方の照明ビーム経路36との間で照明光を切替えるための切替え手段をさらに具備する。その切替え手段は、10ms未満の切替間隔を有する素早く切替え可能な切替え要素を具備し、アレイ検出器4の所定の積分時間と、その切替え要素の切替え間隔とは、試料領域Pが、その積分時間中に、照明軸X上の各方向から少なくとも一度は照明されるような方法で互いに調整されている。
【0061】
ここでは、その切替え要素は、素早く切替え可能な切替えミラー34として設計されている。例えば、切替えミラー34は、検流計駆動とすることができる。切替えミラー34は、その照明瞳面と共役な面内に配置される。このようにして、素早く切替え可能な2ビーム照明を実現することができる。切替えミラー34の位置により、その光は、照明ビーム経路35内、または、偏向ミラー37を用いて他方の照明ビーム経路36内に偏向される。従って、切替えミラー34の位置により、その光は、照明対物レンズ20または照明対物レンズ20’のいずれかに到達する。両ビーム経路共に、同じ光学素子および同じ光学経路長を有するように設計される。
【0062】
切替えミラー34の代わりに、他の切替え素子、例えば、反射または透過方式で機能することのできる音響光学または電気光学切替え素子等を同様に用いてもよい。
重要なことは、そのアレイ検出器の積分時間と比較して短い切替え間隔であり、それは、他の振動が悪影響を及ぼす可能性があるため、一般に、20msよりも長くなく、その切替え間隔は、その試料領域が、その積分時間内に少なくとも一度は各方向から照明されるような長さにしなければならない。その切替え間隔が十分に小さい、例えば、5ms未満の場合には、各方向からの複数回の走査も実行可能である。
【0063】
この構成は、両側からの試料の同時照明を可能にするものではないが、切替えミラー34が非常に短い切替え間隔を有するということが、準同時照明を、必要な場合には、実現することを可能にする。この目的のためには、カメラの積分時間内に、一方の照明ビーム経路から他方へその照明を切替えればよく、その結果、実際にはその照明は順次的であるが、両側から同時に照明されているように、その試料は画像内に現れる。
【0064】
その結果、アレイ検出器4の積分時間内に、その照明光が、一方の照明ビーム経路から他方へ、少なくとも一度は切替えられるため、実際には、試料領域P内の試料は、照明軸Xに沿って、両側から同時に照明される。
【0065】
図6は、順次的照明が必須ではない、実施例としての試料38を示す。
図6aは、散乱アーチファクトを伴わない理想的な試料イメージを示す。
図6bは、左(I)および右(II)からの片側光シート照明によって得られた実際のイメージを示す。ここでは、試料38は、かなり散乱しているため、片側照明で生成された2つのイメージは、共通の構造を何ら示しておらず、この場合、仮にそうなったとしても、共通イメージの有意な生成は、ほとんど不可能である。これは、本質的に不透明なある程度の遮光性環境が、その試料の中央に存在する場合の事例でもある。これは、少なくとも部分的には、例えば、ゼブラフィッシュ胚の事例であり、この場合、胚の卵黄嚢が光を遮断する。より高速な画像記録からもたらされる潜在的な速度ゲインおよび後の画像処理の省略のため、ここでは、両側からの同時照明が意味をなす可能性がある。上述した高速切替えミラー34を用いることにより、正真正銘の同時照明は可能ではないが、準同時記録は可能であり、それは、実質的に同時照明に相当する。そのカメラの積分時間中に、高速の切替えが行われ、それは、最終的な画像において、ユーザにはほとんど感知できない。
【0066】
しかし、一方では、試料の正真正銘の同時照明が可能ではないということは、他のいくつかの試料で生じる欠点を避けることになるであろう。そのような試料は、
図6に試料39として示されており、それは、例えば、細胞塊であってもよい。
図6aは、その試料領域全域にわたってはっきりとした構造を有する理想的な試料イメージを示す。
図6cは、左(I)および右(II)からの片側光シート照明で得られた実際のイメージを示す。ここでは、散乱が顕著であるため、片側照明によって、その試料の全ての部分が可視のままであるが、左から右へのまたは右から左への品質損失は明らかである。ここでは、可能であれば、品質損失を避けるべきであるので、同時2ビーム照明は適切ではない。ここでは、順次的照明が、より意味をなす。しかし、順次的照明は、非常に素早く実施しなければならないため、検出方向Zにおけるイメージのスタックを記録する場合、個々の平面を両側から照明する可能性がある。電動切替えミラーは、品質を損なうことになる、そのミラーに振動が潜在的に伝わる状態で、長すぎる切替え間隔を有しており、一方、必要な高速切替え間隔、すなわち、10ms未満の間隔は、高速検流計駆動ミラーを用いて容易に実現することができる。
【0067】
図5に示す構成は、切替えミラー34が、瞳面内に配置されているため、切替えミラー34および走査対物レンズ24の偏向によって生じる位置オフセットが、切替えのために利用されるという利点をさらに有する。当然、切替えのために角度オフセットが直接的に利用される他の構成も実現可能である。図示されている構成の別の利点は、検出方向Zにおける光シート調節に対して同時にわずかなオフセットを利用して、切替えミラー34を用いることの可能性である。
【0068】
また、
図5に示す照明装置は、図示されてはいないが、例えば、走査ミラー23および走査対物レンズ24を用いた、その横軸に沿ったその試料領域の光シート状走査に用いられる回転対称光ビームを生成するための光のシートの生成手段と、それを用いて光のシートと照明軸との間の角度を変えることのできる、例えば、角度走査ミラー28の形態の、任意の角度走査手段とを具備してもよい。
【0069】
本願明細書においては、その照明装置が、一方の照明ビーム経路内に、または、他方の照明ビーム経路内に配置され、およびその切替えミラーまたはその走査ミラーの瞳面への正確な結像を意図された、非点収差的に作用する光学素子、好ましくは、円柱光学素子を具備することが有利である可能性がある。それら2つのミラーのうちの一方は、その瞳面に正確に結像されるが、他方のミラーの結像は、そのような追加的な非点収差的に作用する素子なしで正確にならず、その結果、これは、両ミラーの正確な結像のための光学補正系である。
【0070】
そのアレイ検出器が、別々に読み出すことができ、およびそれに対して、異なる積分時間を指定することのできる画素の領域を有する場合、例えば、CMOS方式の最新のアレイ検出器を備えている場合には、興味深い適用が可能であろう。ここでは、その切替え素子の切替え間隔を、異なる3つの積分時間にも追加的に同期させることができる。このことは、
図4に示す実施形態と組み合わせることも可能である。
【0071】
図7および
図8は、検出すべき光がそこに結像される空間分解アレイ検出器4または4’が、それぞれ、分岐ビーム経路14および15の各々に配置されており、およびその分割手段が、それぞれ、少なくとも1つのダイクロイックビームスプリッタ13または40を具備している、その検出ビーム経路を2つの分岐ビーム経路14および15に分割するための分割手段を示す。どちらの構成も、例えば、
図1に図示されており、および
図2に示すように、照明装置19と組み合わせることのできる検出装置1に組込むことができる。
【0072】
その検出ビーム経路の2つの分岐ビーム経路14および15への分割の結果、および放射フィルタおよびバンドパスフィルタを用いた励起光の同時抑制によって、異なるスペクトル域を、分岐ビーム経路14、15を介して検出することができる。このことは、例えば、その試料が、異なる色の蛍光色素分子で標識化されている場合に、いくつかの色範囲を記録することを可能にする。2色以上を使用する場合、励起線、およびおそらく、そのダイクロイックビームスプリッタ、バンドパスフィルタまたは放射フィルタを変えることにより、いわゆるマルチトラックモードで、連続的な記録を実行できる。
【0073】
空間分解アレイ検出器4および4’は、CCD、EMCCD、CMOSチップ等とすることができ、それらは、ユーザが使用するカメラと一体化されてもよい。そのようなカメラを取付けるためには、異なる種類およびモデルのカメラの取付けを可能にする標準的なCマウントインタフェース(図示せず)を設けることが好都合である。横方向に0.2mmというCマウント公差および方向性、すなわち、そのカメラのイメージ回転は、例えば、調節ねじによって補正することができる。
【0074】
図7に示す実施形態において、ダイクロイックビームスプリッタ13は、空間分解アレイ検出器4および4’を基準にして、近無限遠空間12内のビーム経路内に配置されている。ダイクロイックビームスプリッタ13は、少なくとも3mm、好ましくは、少なくとも4mmの厚さを有する。このようにして、イメージアーチファクト、特に、従来技術において知られており、およびそのビームスプリッタ上の表面張力によって引き起こされるピンぼけおよび非点収差をなくすことができる。検出すべき光を、それぞれのアレイ検出器4、4’に結像するための光学結像素子5および5’は、それぞれ、2つの分岐ビーム経路14および15の各々に配置されている。
【0075】
必要に応じて、光学結像素子5および5’は、ここに図示されているように、それぞれの分岐ビーム経路14および15内でシフト可能であるように配置することができ、その結果、各アレイ検出器への焦点合わせが可能になる。このことは、例えば、その検出光学系の長手方向の色収差を補正しなければならない場合に有利になる可能性がある。検出されるものは、個々のスペクトルまたは波長のみであるため、検出すべき波長に対する非常に緻密な適応が可能である。加えて、焦点シフトのための他の手段、例えば、検出ズーム素子6等を設けた場合には、2つの分岐ビーム経路のうちの一方に、シフト可能な結像素子を配置することで十分であり、他方の分岐ビーム経路内の素子は、固定することができる。
【0076】
2つの分岐ビーム経路14および15のうちの少なくとも一方には、検出軸Zに垂直な2つの直交方向に沿って、ビームオフセットを生成するための少なくとも1つのウォッブルプレートも配置されている。1つのみのウォッブルプレートを使用する場合には、両直交方向で調節されることが必要である。2つのウォッブルプレートを、同等の効果を伴って使用することができる。それらのうちの一方は、一方の方向におけるビームオフセットを調節するために用いられ、また、他方は、それに直角な方向のビームオフセットを調節するために用いられる。
図7は、2つのビーム経路の一方、すなわち、透過ビーム経路14の場合の、検出軸Zに垂直な2つの相互に直交する方向に沿ってビームオフセットを生成するための2つのウォッブルプレート16および17を示す。
【0077】
ウォッブルプレート16は、例えば、X方向のビームオフセットを生成するために使用することができ、また、ウォッブルプレート17は、Y方向のビームオフセットを生成するために使用することができる。他方の分岐ビーム経路15、すなわち、反射ビーム経路においては、ウォッブルプレートは必要ない。このようにして、2つの検出チャネルの画像重ね合わせを実現することができ、そのことは、その検出ビーム経路の中間像面内に配置され、かつその面内で選択可能な較正対物レンズを用いる前、または、適切な透過パターン、例えば、透過格子パターン7を用いる前に、較正が既に行われていれば、自動的に実施することもできる。そのビームオフセットが一旦決まると、両アレイ検出器4、4’の画像は、容易に重ね合わせることができ、ユーザには、その重ね合わせたものだけが示される。
【0078】
光学結像素子5、5’のシフトを用いるだけではなく、そのビーム経路内に突出し、およびそのビーム方向に直角にシフトすることのできる2つの光学くさびからなるくさびアセンブリ41を配置することによっても、焦点調節を実施することができる。それらのくさびは、互いの方向にまたは互いに離れて移動することのできる単純なガラス製のくさびである。このようにして、可変の追加的なガラス経路は、そのビーム経路内に、またはその経路から外れて移動され、そのことが、光学結像素子5または5’それぞれの焦点面の対応するシフトを引き起こす。くさびアセンブリ41は、そのビーム経路の分岐部のそれぞれの光学結像素子5、5’と、各アレイ検出器4または4’との間に配置されているが、そのことは、
図7には図示されていない。
【0079】
2チャネル検出のための別の実施形態を
図8に示す。ここでは、任意の厚さのダイクロイックビームスプリッタ40が、結像ビーム経路の分岐部に、すなわち、光学結像素子5とアレイ検出器4および4’との間に配置されている。2つの分岐ビーム経路のうちの一方、すなわち、そのビームスプリッタによって伝送される光のための分岐ビーム経路14には、ガラスプレート42とビームスプリッタ40との間の約90°の角度で、アレイ検出器4とビームスプリッタ40との間に、そのガラスプレート42が配置されている。このガラスプレート42は、ビームスプリッタ40と同じ厚さを有しており、このようにして、伝送方向におけるビームスプリッタ40によって引き起こされる非点収差が補正される。
【0080】
好適な実施形態において、ガラスプレート42は、2つのカメラチャネル間のオフセットを調節するためのウォッブルプレートとして同時に用いることができる。ガラスプレート42は、その伝送ビーム経路内にのみ、すなわち、分岐ビーム経路14内にのみ必要であり、ビームスプリッタ40によって伝送された光をアレイ検出器4に結像する。
図8の反射分岐ビーム経路15には、上述したくさびアセンブリ41が配置されており、それを用いて、(両矢印で示すように)2つのガラスくさびを互いの方向に、または互いに離れてシフトさせることにより、光学結像素子5の焦点面をシフトさせることができる。このようなくさびアセンブリ41は、その伝送ビーム経路内にも配置することができ、この場合、例えば、これがシフト可能である必要がないように、光学結像素子5のシフト量を小さくすることができる。しかし、原理的には、シフト可能な光学結像素子5を有すること、および2つのビーム経路の一方にくさびアセンブリ41を導入することで十分である。その結果、例えば、
図8に示す実施例と同様に、伝送分岐ビーム経路のための焦点面は、光学結像素子5によってのみ変化し、一方、反射ビーム経路のための焦点面は、くさびアセンブリ41によってさらに調節することができる。
【0081】
前述した特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した組合せだけではなく、他の組合せでも、あるいは、独立した特徴として適用可能であることを理解されたい。上述した個々の要素は、全て互いに組み合わせることができる。図示されている他の要素を用いることなく、個々の要素を用いることも可能であり、例えば、2つの分岐検出ビーム経路が同時に用いられている場合には、ズーム素子を用いることなく実施することができる。2つの方向からの照明の組合せは、2つのチャネルにおける検出と組み合わせることができ、また、これは、その照明および検出ズーム素子および同時内焦方式と組み合わせることができる。結局、上述した構成は、従来技術において知られている構成に優る実質的な改良を呈している。