特許第5657724号(P5657724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657724
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】清掃棒、レンズユニット、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20141225BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20141225BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20141225BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20141225BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   B41J2/447 101F
   B41J2/447 101C
   B41J2/45
   G03G15/04
   H04N1/036 A
   G03G21/00 310
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-49292(P2013-49292)
(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公開番号】特開2013-216089(P2013-216089A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2013年9月13日
(31)【優先権主張番号】61/622,700
(32)【優先日】2012年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 丈嗣
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−254137(JP,A)
【文献】 特開2005−041147(JP,A)
【文献】 特開2009−122427(JP,A)
【文献】 特開2012−025130(JP,A)
【文献】 特開2008−018690(JP,A)
【文献】 特開2006−139000(JP,A)
【文献】 特開2010−105342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0100225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/04
G03G 21/10
H04N 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向両側にある軸部、および長手方向において前記軸部を挟んで前記軸部の両側にある清掃部、を備える回動部材と、
前記幅方向と直交する第1方向に延びる保持部材であって、前記回動部材の前記幅方向両側に、前記軸部が差し込まれ、かつ、前記第1方向および前記幅方向と直交する第2方向側に前記軸部を移動可能に保持する長穴部を備える保持部材と、を備え
前記長穴部は、前記第1方向に進むに従って前記第2方向に直線状に延びることを特徴とする清掃棒。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃棒において、
少なくとも一方の清掃部は可撓性を有し、
前記可撓性を有する清掃部が進行方向基端側に来る姿勢で清掃対象物上方の前記清掃棒が前記第1方向における一方側に移動すると、進行方向基端側の前記清掃部が撓んで前記両清掃部が前記清掃対象物に接触し、
前記可撓性を有する清掃部が進行方向先端側に来る姿勢で前記清掃対象物上方の前記清掃棒が前記第1方向における他方側に移動すると、進行方向先端側の前記清掃部が撓むとともに、前記軸部が前記長穴部内において前記清掃対象物から離間する側に移動し、進行方向基端側の前記清掃部が前記清掃対象物から浮いた状態となる
ことを特徴とする清掃棒。
【請求項3】
前記第1方向に延びる発光素子と、前記第1方向に延び、前記発光素子が出射する光が通過するレンズアレイと、を備える光源装置と、
前記レンズアレイの光出射面を清掃する請求項1または請求項2に記載の清掃棒と、
を備えることを特徴とするレンズユニット。
【請求項4】
トナー像を担持する感光体と、
前記感光体の周囲にあり、前記感光体を露光し前記感光体上に静電潜像を形成する請求項に記載のレンズユニットと、
前記静電潜像を現像し、前記感光体上に前記トナー像を形成する現像器と、
前記光源装置を、露光位置と、前記感光体から前記露光位置より離れた待機位置とに移動させる近接離間機構と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、高さが小さい空間において、長物の清掃に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、光源装置が感光体を露光して感光体上に静電潜像を形成し、現像器が静電潜像を現像して感光体上にトナー像を形成する。画像形成装置は、このトナー像をシートに転写する。
【0003】
画像形成装置において、光源装置としてLEDヘッド (LED:Light Emitting Diode) を用いるものがある。LEDヘッドは、発光素子とレンズアレイとを備える。LEDヘッドのレンズアレイは、感光体に近接した位置にあるため、その光出射面はトナーや紙粉等の異物が付着しやすい。レンズアレイの光出射面が異物により汚れると、画像むらが生じて画像品質の低下を招く。そのため、画像形成装置では、レンズアレイの光出射面の清掃装置が設けられることがある。
【0004】
清掃装置では、レンズアレイの光出射面を、布等が設けられた清掃部を往復させることにより清掃する。ところが、清掃装置では、往路で清掃部により捕獲したレンズアレイ上の異物が、復路にて清掃部からレンズアレイ上に再付着するおそれがあり、清掃能力の向上が課題であった。
【0005】
この課題を解決する装置として、清掃部として、レンズアレイの光出射面にエッジが当接する第1清掃部と、レンズアレイの光出射面に面接触する第2清掃部と、を用いるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−41147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、レンズアレイの清掃時に、第1、第2清掃部をレンズアレイの側方からレンズアレイ上まで移動させる必要がある。しかしながら、特許文献1では、感光体とレンズアレイとの間の高さが小さい空間で、レンズアレイのような長物の清掃を行うという制約上、レンズアレイのエッジを第1、第2清掃部に乗り越えさせる機構が複雑になっており、小型化、低コスト化という観点で改良の余地がある。
【0008】
この明細書は、高さが小さい空間において、長物の清掃に有効であるとともに、小型化かつ低コスト化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般に、実施形態によれば、清掃棒は、回動部材と、保持部材と、を備える。回動部材は、幅方向両側にある軸部、および長手方向において軸部を挟んで軸部の両側にある清掃部、を備える。保持部材は、幅方向と直交する第1方向に延びる保持部材であって、回動部材の幅方向両側に、軸部が差し込まれ、かつ、第1方向および幅方向と直交する第2方向側に軸部を移動可能に保持する長穴部を備える。前記長穴部は、前記第1方向に進むに従って前記第2方向に直線状に延びる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の内部構成を示す図である。
図2】画像形成時の現像器およびLEDヘッドの位置を示す図である。
図3】メンテナンス時の現像器およびLEDヘッドの位置を示す図である。
図4】清掃棒の斜視図である。
図5】清掃棒の構成を示す側面図である。
図6】第1清掃部がレンズアレイに乗り上げる様子を示す図である。
図7】清掃棒の往路の清掃状態を示す図である。
図8】清掃棒の復路の清掃状態を示す図である。
図9】回動部材の変形例を示す図である。
図10】変形例のブレード状部材を示す正面図である。
図11】変形例のブレード状部材による異物の掃き方を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、画像形成装置100の内部構成を示す図である。
画像形成装置100は、MFP(Multi Function Peripheral)であり、読取部31、給紙カセット32、画像形成部33、定着器34、および不図示の制御部を備える。読取部31は、原稿台311上のシートを読み取る。給紙カセット32は、シートを収納する。画像形成部33は、給紙カセット32から取り出されたシートに画像を形成する。
【0012】
画像形成部33は、感光体10、レンズユニット11、現像器13、駆動ローラ101、1次転写ローラ14、転写ベルト30、2次転写対向ローラ102、および2次転写ローラ103を備える。画像形成装置100の転写定着方式は4連タンデム型となっており、前記各部材10、11、13、14は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の画像形成用毎にある。
【0013】
感光体10は、外周面がOPC(Organic Photo Conductor)等の感光面となっており、レンズユニット11および現像器13により感光面上にトナー像が形成され、該トナー像を担持する。
レンズユニット11は、感光体10の周囲にあり、感光体10を露光し感光体10上に静電潜像を形成する。
【0014】
Y〜K用の現像器13は、内部にそれぞれY〜Kのトナーを収容する。現像器13は、内部に収容するトナーをマグネットローラ12により感光体10上の静電潜像に供給する。これにより、現像器13は、Y〜Kの感光体10上の静電潜像を現像し、感光体10上にY〜Kのトナー像を形成する。
【0015】
駆動ローラ101は、転写ベルト30を図1中反時計方向に駆動する。
Y〜Kの感光体10上のトナー像は、各1次転写ローラ14による転写バイアス電圧により転写ベルト30上の同一位置に順次転写され、重ねられる。これにより、転写ベルト30上に1枚のカラートナー像が形成される。
【0016】
2次転写対向ローラ102および2次転写ローラ103の間には、給紙カセット32からシートが搬送される。転写ベルト30上のトナー像は、2次転写対向ローラ102および2次転写ローラ103の間にて、2次転写ローラ103による転写バイアス電圧によりシートに転写される。画像が転写されたシートは、定着器34にて加熱押圧されて画像が定着した後、排紙部35に排紙される。
【0017】
不図示の制御部は、CPU(Central Processing Unit)、CPUに読み出される各種のプログラムを格納するメモリ、および各種の機能を実現する専用回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備え、画像形成装置1全体を制御する。
【0018】
図2は、画像形成時のY〜K用の各現像器13およびLEDヘッド111の位置を示す図、図3は、メンテナンス時のY〜K用の各現像器13およびLEDヘッド111の位置を示す図である。
現像器13は、図2、3に示すように、画像形成装置100のメンテナンス時には、不図示の駆動機構により、回動中心131を中心に感光体10からマグネットローラ12が離間する方向(図3中反時計方向)に回動する。なお、メンテナンス時とは、例えば印刷ジョブの非実行時を指す。
【0019】
レンズユニット11は、LEDヘッド111(光源装置)、清掃棒4(図3)、LEDヘッド111を収納するケース110、および清掃棒4を駆動する不図示の近接離間機構を備える。
【0020】
LEDヘッド111は感光体10を露光する。LEDヘッド111は、図2の紙面垂直方向である走査方向(第1方向)にLEDが配列されたLEDアレイ112(発光素子)と、走査方向に延び、LEDアレイ112の各LEDが出射する各光を感光体10表面に結像させるレンズアレイ113(清掃対象物)とを備える。レンズアレイ113の感光体10との対向面は、光を出射する光出射面114である。レンズアレイ113は、LEDアレイ112から突出する。
【0021】
不図示の近接離間機構は、画像形成時には、LEDヘッド111を図2に示す感光体10に近接する露光位置に位置づける。近接離間機構は、メンテナンス時には、LEDヘッド111を、感光体10から前記露光位置より離れた図3に示す待機位置に移動させる。
清掃棒4は、メンテナンス時にレンズアレイ113と感光体10との隙間S1に入り込み、レンズアレイ113の光出射面114を清掃する。
【0022】
図4は、清掃棒4の斜視図である。
清掃棒4は、長手状であり、先端部に回動部材5を備える。回動部材5は、後述する第1清掃部6および第2清掃部7を備える(図5参照)。清掃棒4は、不図示の駆動機構によりY方向にスライド移動し、すなわちレンズアレイ113に沿って往復動し、第1、第2清掃部6,7を用いてレンズアレイ113の光出射面114を清掃する。
【0023】
以下、清掃棒4の長手方向を+−Y方向(第1方向)とし、Y方向と直交する清掃棒4の幅方向を+−X方向(第2方向)とし、XY方向と直交する方向をZ方向(第3方向)とする。なお、Y方向は走査方向であり、X方向は副走査方向である。+Z方向は、感光体10の径方向において感光体10に近接する方向であり、−Z方向は、感光体10の径方向において感光体10から離間する方向である。
【0024】
図5は、清掃棒4の構成を示す側面図である。
清掃棒4は、回動部材5および保持部材8を備える。
回動部材5は、板状の本体部51と、本体部51の幅方向であるX方向両側にある円柱状の軸部52、およびY方向において軸部52を挟んで軸部52の両側にある第1、第2清掃部6、7を備える。
【0025】
本体部51において軸部52の+Y方向側には、−Z方向に膨出する円弧状部511があり、軸部52の−Y方向側には、第2清掃部7を−Z方向に支持する支持部512がある。
【0026】
第1清掃部6は、前記円弧状部511、および円弧状部511の−Z方向側の面に取り付けられる布状部材61を備える。布状部材61は、布や不織布等の柔らかい素材からなる。このように、第1清掃部6は、レンズアレイ113上の異物を拭くことが可能となっている。なお、レンズアレイ113上の異物を拭くとは、第1清掃部6をレンズアレイ113の表面にこすって異物を第1清掃部6に付着させ、異物をレンズアレイ113上から取り去ることを指す。第1清掃部6の−Z方向側の面において+Y方向先端側は、軸部52側(−Y方向先端側)に進むに従って−Z方向に延びる円弧状の乗り上げ面62となっている。
【0027】
このように、第1清掃部6は、円弧状の乗り上げ面6を有する形状であり、レンズアレイ113のエッジ115に当たる際に+Z方向に逃げやすい形状となっている。第1清掃部6のX方向の長さは、レンズアレイ113の光出射面114のX方向の長さと同様の長さである。なお、エッジ115とは、レンズアレイ113の光出射面114における−Y方向端を指す。
【0028】
第2清掃部7は、前記支持部512、およびブレード状部材71を備える。ブレード状部材71は、平面視矩形の薄板状であり、可撓性を有する。ブレード状部材71は、布状部材61より硬く、かつレンズアレイ113のエッジ115に当接しても削れない程度に硬い。ブレード状部材71のX方向の長さは、レンズアレイ113の光出射面114のX方向の長さと同様の長さである。第2清掃部7は、レンズアレイ113上の異物を掃くことが可能となっている。なお、レンズアレイ113上の異物を掃くとは、第2清掃部7(ブレード状部材71)をレンズアレイ113の表面に当接または近接させながら移動させることにより、異物を移動させることを指す。
【0029】
清掃棒4のホームポジションは、回動部材5がレンズアレイ113の側方に位置する図5の位置である。ブレード状部材71は、清掃棒4がホームポジションにある際、先端がLEDアレイ112の+Z側の面から離れる長さである。
【0030】
保持部材8は、回動部材5のX方向両側に位置しY方向に延びる一対の側板81を備える。側板81において回動部材5のX方向両側に位置する部分には長穴部82がある。長穴部82は、Y方向に進むに従ってZ方向に延びる。長穴部82には軸部52が差し込まれる。長穴部82は、軸部52をZ方向側に移動可能に保持する。
【0031】
画像形成装置100のメンテナンス時において清掃棒4によりレンズアレイ113を清掃する際、清掃棒4は、まずホームポジションからレンズアレイ113に向かって+Y方向に移動する。ここで、回動部材5は、清掃棒4がホームポジションにあり、第1、第2清掃部6、7がレンズアレイ113に当接していない状態では、支点としての軸部52を中心にシーソのように時計回りや反時計回りに自由に回動できる。
【0032】
そのため、清掃棒4が+Y方向に移動し、図6に示すように、第1清掃部6がレンズアレイ113のエッジ115に当接すると、第1清掃部6は、エッジ115に引っ掛かることなくレンズアレイ113上に逃げることができる。しかしながら、この状態では第1清掃部6は、レンズアレイ113の表面にしっかりと抑えつけられてはおらず、十分な清掃能力を発揮できない。
【0033】
清掃棒4がさらに+Y方向に移動すると、図7に示すように、第2清掃部7(ブレード状部材71)が撓みながらレンズアレイ113上に乗りあげる。第2清掃部7が進行方向の基端側(−Y方向側)に来る姿勢で清掃棒4が+Y方向に移動する図7の往路では、第2清掃部7が撓んで両第1、第2清掃部6,7がレンズアレイ113に接触することとなる。また、軸部2が長穴部82の−Y方向側に案内されて長穴部82から−Z方向側に力を受けることとなる。
【0034】
これらにより、往路においては、2つの第1、第2清掃部6、7は圧力が釣り合った状態で共にレンズアレイ113に当接することとなるため、清掃棒4は、これら2つの第1、第2清掃部6、7に十分な荷重を加えながら清掃できる。清掃棒4は、第2清掃部7がレンズアレイ113上から外れる位置まで+Y方向に移動する。
【0035】
このようにして、往路では、清掃棒4は、第1清掃部6によってレンズアレイ113上の異物を拭くとともに、第2清掃部7によって異物をレンズアレイ113表面外に掃き出すことができ、拭き掃除と掃き掃除の両方を行う。
【0036】
レンズアレイ113上の異物を第1清掃部6で拭くと、異物を拭き取れても第1清掃部6の繊維がレンズアレイ113上に付着する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、第1清掃部6でレンズアレイ113上の異物を拭いた後、第2清掃部7でレンズアレイ113上を掃くので、第1清掃部6の繊維がレンズアレイ113に付着することを防止できる。
【0037】
図8は、清掃棒4の復路の清掃状態を示す図である。
清掃棒4は、第2清掃部7をレンズアレイ113より+Y方向側に移動させた後、復路としてレンズアレイ113上を−Y方向へ移動し、レンズアレイ113表面を再度清掃しながらホームポジションに戻る。
【0038】
具体的に、第2清掃部7が進行方向先端側に来る姿勢で清掃棒4が−Y方向に移動すると、進行方向先端側の第2清掃部7(ブレード状部材71)が撓む。同時に、軸部52は、長穴部82の+Y方向に案内されて+Z方向側に移動するとともに、長穴部82から+Z方向側に力を受ける。これらにより、復路では、進行方向基端側の第1清掃部6がレンズアレイ113から浮いた状態となるので、清掃棒4は、第1清掃部6からレンズアレイ113への繊維の付着を防止しながら第2清掃部7のみによりレンズアレイ113上を清掃できる。
【0039】
以上のように、本実施形態の清掃棒4は、LEDヘッド111上をスライド移動させるだけで、自動的に第1、第2清掃部6、7がレンズアレイ113上に乗り上げるとともに十分な荷重でレンズアレイ113表面に当接する。そのため、清掃棒4は、これら第1、第2清掃部6、7によりレンズアレイ113上の異物の拭き取りおよび掃き出しを十分に行うことができる。従って、清掃棒4は、感光体10とLEDヘッド111との間の高さが小さい空間において、長物であるLEDヘッド111の清掃に有効である。
【0040】
また、本実施形態では、第1、第2清掃部6、7をレンズアレイ113上に乗り上げさせるとともに十分な荷重でレンズアレイ113表面に当接させるための機構が簡素であり、かつ感光体10とLEDヘッド111の間の高さの小さい空間内に収まるので、本実施形態は小型化かつ低コスト化を図ることが可能である。
【0041】
(変形例)
前記実施形態では、保持部材8の先端側に、布状部材61を備える第1清掃部6があり、第2清掃部7は、第1清掃部6より保持部材8の基端側にあった。しかしながら、保持部材8の先端側に第2清掃部7があり、第1清掃部6が保持部材8の基端側にあってもよい。この場合、往路で第2清掃部7によりレンズアレイ113上の異物をレンズアレイ113表面外へ掃き出した後、復路で、異物の少なくなったレンズアレイ113上の異物の拭き取りおよび掃き出しを第1、第2清掃部6、7により行うので、第1清掃部6への異物の付着を抑えることができ、第1清掃部6からレンズアレイ113への異物の再付着を抑制できる。
【0042】
前記実施形態では、長穴部82はYZ方向に延びていたが、Z方向に延びていてもよい。前記実施形態では、長穴部82は、直線状に延びる部分のみから構成されていたが、曲線状の部分を備えていてもよい。
【0043】
図9は、第1清掃部6Aの乗り上げ面62Aを示す図である。
レンズアレイ113のエッジ115に当たる乗り上げ面62Aは、軸部52側に進むに従って−Z方向に延びるテーパ状であってもよい。
【0044】
図10は、第2清掃部7Aのブレード状部材71Aの正面図、図11は、第2清掃部7Aによる異物の掃き方を示す図である。
ブレード状部材71Aは、レンズアレイ113に当たる−Z方向側のエッジ72がXZ方向に傾斜していてもよい。このようにすれば、第2清掃部7は、清掃時にブレード状部材71Aがレンズアレイ113に斜めに当たることとなる。そのため、第2清掃部7は、清掃棒4がY方向に移動することで、自動的に異物をX方向側(例えば+X方向側)に掃くことができ、異物を自動的にレンズアレイ113の表面外に掃き出すことができる。
【0045】
前記実施形態では清掃棒4の清掃対象物としてLEDヘッド111のレンズアレイ113を例示したが、清掃対象物は他のものであってもよい。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0046】
1…画像形成装置、4…清掃棒、5…回動部材、6…第1清掃部、7…第2清掃部、8…保持部材、10…感光体、11…レンズユニット、13…現像器、52…軸部、82…長穴部、111…LEDヘッド(光源装置)、112…LEDアレイ(発光素子)、113…レンズアレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11