(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係る筐体の開閉構造は、電子機器の筐体を開閉する筐体の開閉構造であって、
図1及び
図16に示すように、基本的な構成として、筐体1,1Dを、3層に組み合わせたユニット2,3,4、2D,3D,83から構成し、隣接する2つの前記ユニット2及び3、3及び4、2D及び83、83及び3Dを組として、前記組をなす一のユニット2,3,2D,83(又は3,4、83,3D)を前記組をなす他のユニット(3,4、83,3D(又は2,3,2D,83)に開閉可能に結合したことを特徴とする。
【0017】
上述した例では、本発明の実施形態を筐体の開閉構造として構築したが、前記開閉構造を有する電子機器として構築してもよいものである。電子機器として構築した場合、本発明の実施形態に係る電子機器は、筐体1,1Dを開閉する筐体の開閉構造を有する電子機器であって、前記開閉構造の筐体1,1Dを3層に組み合わせたユニット2,3,4、2D,3D,83から構成し、隣接する2つの前記ユニット2及び3、3及び4、2D及び83、83及び3Dを組として、前記組をなす一のユニット2,3,2D,83(又は3,4、83,3D)を前記組をなす他のユニット(3,4、83,3D(又は2,3,2D,83)に開閉可能に結合した構成として構築する。
【0018】
また、前記ユニット2及び3,3及び4、2D及び83、83及び3Dの組を単位として、前記一のユニット2,3,2D,83(又は3,4、83,3D)を前記他のユニット(3,4、83,3D(又は2,3,2D,83)に後述するスライド機構で摺動可能に取り付ける。或いは、前記ユニット2及び3,3及び4、2D及び83、83及び3Dの組を単位として、前記一のユニット2,3,2D,83(又は3,4、83,3D)を前記他のユニット(3,4、83,3D(又は2,3,2D,83)に後述するヒンジ機構で回動可能に枢支する。
【0019】
前記スライド機構を用いた場合、ユニット2をユニット3に対してスライドさせることにより、
図2に示すようにユニット2をユニット3に対して伸展させ、或いは
図3に示すようにユニット3をユニット4に対して伸展させ、また、
図1に示すようにユニット2又は3をユニット3又は4に対して縮退させる。
【0020】
前記ヒンジ機構を用いた場合、ユニット2Dをユニット83に対して回動させることにより、
図19に示すようにユニット2Dをユニット83に対して展開させ、或いは
図23に示すようにユニット83をユニット3Dに対して展開させ、また、
図18に示すようにユニット2D又は83をユニット83又は3Dに対して縮退させる。
【0021】
以上のように本発明の実施形態によれば、筐体を3層に組み合わせたユニットから構成し、隣接する2つの前記ユニットを組として、前記組をなす一のユニットを前記組をなす他のユニットに開閉可能に結合したので、組をなすユニットの組を単位としてそれぞれ独立させて展開することができる。
【0022】
次に、本発明の実施形態を具体例に基づいて更に詳細に説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1〜
図14は、組をなすユニットを開閉可能に結合するにあたって、スライド機構を用いて筐体を伸展及び縮退させる例であり、これを本発明の実施形態1として説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態を電子機器の1つであるスライド式携帯電話機の筐体に適用した斜視図であって、縮退状態を示す図、
図2は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、縦スライド方向に沿った伸展状態を示す図、
図3及び
図4は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、横スライド方向に沿った伸展状態を示す図、
図5は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、
図6は、同携帯電話機の構成を示す横断面図、また、
図7は、同携帯電話機の構成を示す縦断面図である。
【0025】
図1〜
図4に示す携帯電話機の筐体1は、上層ユニット2と、下層ユニット3と、上層ユニット2と下層ユニット3との間に位置する中間層ユニット4とを3層に組み合わせて構成してあり、スライド機構によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向(長手方向)に沿ってスライド自在に結合され、かつ、下層ユニット3と中間層ユニット4とは互いに横方向(短手方向)に沿ってスライド自在に結合されている。
【0026】
前記スライド機構は、
図6及び
図7に示すように、上層ユニット2と中間層ユニット4とを互いに縦方向(第1の方向又は第2の方向)に沿ってスライドさせるための縦方向スライド機構6と、下層ユニット3と中間層ユニット4とを互いに横方向(第2の方向又は第1の方向)に沿ってスライドさせるための横方向スライド機構7とを含んでいる。
【0027】
携帯電話機の筐体1において、上層ユニット2、下層ユニット3及び中間層ユニット4は、平面視で略同一の外形形状のプレート状の筐体を有し、各ユニットを平面視で同一寸法となるように重ね合わされた縮退状態から、縦方向伸展状態や、横方向伸展状態へ、各ユニットの位置関係が移行されることによって、それぞれ、異なる機能を果たすことが可能とされている。
【0028】
上層ユニット2は、
図1乃至
図5に示すように、扁平なプレート状の上層筐体(レシーバ筐体)8に、液晶表示装置等からなり例えば待受画面や機能設定画面等が表示される表示部9と、縮退状態、縦方向伸展状態、及び横方向伸展状態で操作を行うための上層操作部11と、受話音声を出力するスピーカからなる受話部12とが実装されて概略構成されている。
また、上層ユニット2の上層筐体8内には、
図6及び
図7に示すように、表示部9や上層操作部11等を構成する各種電子部品が搭載された上部配線基板13が実装されている。
また、上層筐体8の裏面側(中間層ユニット4側)には、フレキシブル配線板としてのFPC14を引き出すための開口15が形成されている。
【0029】
上層操作部11は、各基本操作キー(ソフトキー)として、例えば、メーラを起動させるためのメールモード選択キーと、文字入力モードを切り換えるための入力モード切替えキーと、操作を決定するために用いられる決定キーと、表示部に表示された表示画面上のカーソルを上下左右方向へ移動させるための各サイドキーからなるカーソルキー(4方向キー)と、ブラウザを起動させてホームページを閲覧するためのブラウザモード選択キーと、操作メニューを表示させるためのメニューキーとを有している。
【0030】
なお、上層操作部11は、隣接するキー同士でキーボタンが共通とされる連結キーを含んでいる。例えば、メールモード選択キーと入力モード切替えキー、カーソルキーとしての各サイドキー、ブラウザモード選択キーとメニューキーは、それぞれ、上記連結キーとされている。
【0031】
中間層ユニット4は、
図1乃至
図4に示すように、扁平なプレート状の中間層筐体17に、縦方向伸展状態で操作を行うための中間層操作部18と、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部19とが実装されて概略構成されている。また、中間層ユニット4の中間層筐体17内には、
図6及び
図7に示すように、中間層操作部18等を構成する各種電子部品が搭載された下層配線基板21が実装されている。また、中間層筐体17の表面側(上層ユニット2側)、及び裏面側(下層ユニット3側)には、それぞれ、FPC14,22を引き出すための開口23,24が形成されている。
【0032】
上層ユニット2と中間層ユニット4とは、同図に示すように、FPC14を介して、電気的に接続されている。すなわち、上層ユニット2を構成する上層配線基板13の裏面(中間層ユニット4側)に取り付けられたスタッキングコネクタ等からなるコネクタ26と、中間層ユニット3を構成する中間層配線基板21の表面(上層ユニット2側)に取り付けられたコネクタ27とにFPC14の両端部が接続される。FPC14は、絶縁性及び可撓性を有するベースフィルムに所定の回路パターンが形成されてなり、断面略U字状に湾曲した状態で折り返されて配置され、摺動と共にこの折返箇所が連続的に変化することとなる。
【0033】
上層筐体8と中間層筐体17とは、縦方向スライド機構6によってスライド自在に相互に結合されている。縦方向スライド機構6は、
図6に示すように、上層筐体8の裏面側の両側部に縦スライド方向(縦伸縮方向)に沿って取り付けられた断面T字状の長尺な一対の金属製の摺動部材29,31と、中間層筐体17の表面側の両側部の摺動部材29,31に対応する位置に摺動方向に沿って取り付けられ、断面コ字状の溝部32a,33aが形成された長尺な一対の金属製の案内部材32,33とを有してなっている。
【0034】
摺動部材29(31)は、フランジ部29a(31a)と、脚部29b(31b)とを有し、スライド操作時には、上層筐体8と共に変位して、脚部29b(31b)の下端面が、溝部32a(33a)の底面上を殆ど摩擦抵抗なしに滑ることによって、携帯電話機1は、縮退状態又は縦方向に沿って伸展状態とされる。また、摺動部材29(31)は、側方から水分等の浸入を防ぐ機能や、上層筐体8と中間層筐体17との互いに対向する面を隔てる所定の僅かな隙間を保つためのスペーサ機能も担っている。
【0035】
中間層操作部18は、ダイヤルキーとして、例えば、数字等を入力するためのテンキーと、アスタリスクキーと、シャープキーと、音声通話を行うために用いる通話開始キーと、操作を1つ前の状態へ戻すクリアキーと、電源の入切りを行い、また各種操作を中止するために用いられる電源キーとを有している。
【0036】
下層ユニット3は、
図1乃至
図5に示すように、扁平なプレート状の下層筐体(マイク筐体)35に、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部36と、制御部36が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部37と、横方向伸展時に操作面が露出され、数字や文字の入力操作等を行うための多数のキーボタン等を有する下層操作部38と、無線電波の送受信を行うアンテナ39と、アンテナ39を介して無線電波を送受信し所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部41とが実装されて概略構成されている。
【0037】
また、下層ユニット3の下層筐体35内には、
図6乃至
図7に示すように、制御部36や下層操作部38、無線通信部41等を構成する各種電子部品が搭載された下層配線基板42が実装されている。また、下層筐体35の表面側(中間層ユニット4側)には、FPC22を引き出すための開口43が形成されている。
【0038】
中間層ユニット4と下層ユニット3とは、FPC22を介して、電気的に接続されている。すなわち、中間層ユニット4を構成する中間層配線基板21の裏面(下部ユニット3側)に取り付けられたコネクタ46と、下層ユニット3を構成する下層配線基板42の表面(中間層ユニット4側)に取り付けられたコネクタ47とにFPC22の両端部が接続される。
【0039】
中間層筐体17と下層筐体35とは、横方向スライド機構7によってスライド自在に相互に結合されている。横方向スライド機構7は、
図7に示すように、下層筐体35の表面側の両側部に横スライド方向(横伸縮方向)に沿って取り付けられた断面T字状の長尺な一対の金属製の摺動部材49,51と、中間層筐体17の裏面側の両側部の摺動部材49,51に対応する位置に摺動方向に沿って取り付けられ、断面コ字状の溝部52a,53aが形成された長尺な一対の金属製の案内部材52,53とを有してなっている。
【0040】
摺動部材49(51)は、フランジ部49a(51a)と、脚部49b(51b)とを有し、スライド操作時には、下層筐体35と共に変位して、脚部49b(51b)の下端面が、溝部52a(53a)の天井面上を殆ど摩擦抵抗なしに滑ることによって、携帯電話機1は、縮退状態又は横スライド方向に沿って伸展状態とされる。また、摺動部材49(51)、側方から水分等の浸入を防ぐ機能や、中間層筐体17と下層筐体35との互いに対向する面を隔てる所定の僅かな隙間を保つためのスペーサ機能も担っている。
【0041】
制御部36は、CPU(中央処理装置)等からなり、例えば、所定の電話番号に対する発呼処理等を行うための通信制御プログラムや、上層操作部11、中間層操作部18及び下層操作部38の各種キーボタンからの入力情報を処理する操作制御プログラム、表示部9を制御するための表示制御プログラム等の記憶部37に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部37に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、通信制御処理や、操作制御処理、表示制御処理等を行う。
【0042】
記憶部37は、ROM、RAM等の半導体メモリからなり、記憶部37には、制御部36が実行する通信制御処理プログラムや、操作制御プログラム、表示制御プログラム等の各種処理プログラムや、各機能の設定情報や通信履歴情報、電話帳情報等の各種情報が記憶されていると共に、制御部37がプログラム実行時に用いる各種レジスタやフラグが確保されている。
【0043】
下層操作部38は、キーボードキーとして、各種文字入力キーを有している。無線通信部41は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ39を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ39を介して受信して音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
【0044】
次に、
図1乃至
図4を参照してこの例の携帯電話機1の動作について説明する。
【0045】
図1に示すように、上層ユニット2、下層ユニット3及び中間層ユニット4が平面視で同一寸法となるように重ね合わされた縮退状態では、コンパクト化されてユーザによって携帯され、受信電子メールの閲覧等のほか、比較的簡易な用途の操作が可能とされている。
【0046】
縦方向伸展状態とするには、縮退状態から、中間層ユニット4及び下層ユニット3を一方の手で押えて、
図2に示すように、他方の手で、上層ユニット2を、上部へ向けて中間層ユニット4に対して縦方向に沿ってスライドするように変位させる。この縦方向伸展状態では、同図に示すように、中間層操作部18及び送話部19が露出され、表示部9が縦長状態となるように、携帯電話機1を把持して、上層操作部11及び中間層操作部18の操作により、通話や、電子メールの作成及び送信、インターネットへの接続及びホームページの閲覧等が行われる。
【0047】
横方向伸展状態とするには、縮退状態から、上層ユニット2及び中間層ユニット4を一方の手で押えて、
図3及び
図4に示すように、他方の手で、下層ユニット3を、中間層ユニット4に対して横方向に沿ってスライドするように変位させる。
【0048】
この横方向伸展状態では、同図に示すように、表示部9が横長状態となるように、携帯電話機1を把持して、上層操作部11及び下層操作部38の操作により、例えば、ネットワークゲームを含むゲームのプログラムの実行や、メーラ起動時の電子メールの作成及び送信、ブラウザ起動時のインターネットへの接続及びホームページの閲覧等が行われる。
【0049】
ここで、ユーザがゲームを楽しむ場合には、例えば、下層ユニット3を両手で把持し、両親指で下層操作部38の各キーを操作する。なお、この横方向伸展状態では、横長状態で表示部9の画面を見て、下層操作部38を用いることによって、電子メールの作成及び送信、ホームページの閲覧等において、文字の入力が迅速に行われる。
【0050】
本発明の実施形態1によれば、スライド機構によって、互いに直交する2方向に筐体の伸縮が可能となるので、利便性を向上させることができる。しかも、中間層ユニット4の表面側の縦方向スライド機構6によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向(長手方向)に沿ってスライド自在に結合され、かつ、中間層ユニット4の裏面側の横方向スライド機構7によって、下層ユニット3と中間層ユニット4とは互いに横方向(短手方向)に沿ってスライド自在に結合され、縦方向スライド機構6及び横方向スライド機構7を構成するそれぞれの摺動部材や案内部材を、互いに制約を受けずに、比較的高い自由度で独立に配置することができるため、それぞれスライド量を十分に確保することができる。したがって、例えば、操作面のスペースを十分に確保し、操作性を向上させることができる。
【0051】
また、中間層ユニット4の表面側及び裏面側に独立させて設けた縦方向スライド機構6及び横方向スライド機構7によって、中間層ユニット4と上層ユニット2及び下層ユニット3とを結合させ、かつ、中間層ユニット4と、上層ユニット2及び下層ユニット3との結合部位の領域を、それぞれ比較的広く確保できるので、局所的な応力集中を防止して、筐体同士の結合部位の強度を維持することができ、信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、中間層ユニット4の表面側の縦方向スライド機構6によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向に沿ってスライド自在に結合され、かつ、中間層ユニット4の裏面側の横方向スライド機構7によって、下層ユニット3と中間層ユニット4とは互いに横方向に沿ってスライド自在に結合され、中間層ユニット4を介して上層ユニット2と下層ユニット3とを結合しているので、縦方向に沿ったスライド操作(縦方向伸縮操作)も、横方向に沿ったスライド操作(横方向伸縮操作)も、1操作で(ワンアクションで)簡単に行うことができ、筐体伸縮時の操作性を向上させることができる。また、中間層ユニット4を設けることによって、スライド機構はもとより、例えば、操作部等の配置について、設計上の自由度を向上させることができる。
【0053】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態1の変更例を本発明の実施形態2として説明する。
【0054】
実施形態2が実施形態と大きく異なるところは、地上波デジタル放送の1SEG(1セグメント)放送の受信が可能とされている点である。
【0055】
これ以外の構成は、上述した実施形態1の構成と略同一であるので、実施形態1と同一の構成要素については、
図8において、
図5で用いた符号と同一の符号を付して、その説明を簡略にする。
【0056】
実施形態2に係る携帯電話機の筐体1は、
図8に示すように、上層ユニット2と、下層ユニット3と、上層ユニット2と下層ユニット3との間に位置する中間層ユニット4とを3層に組み合わせた構成であり、スライド機構によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに横方向(短手方向)に沿ってスライド自在に結合され、かつ、下層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向(長手方向)に沿ってスライド自在に結合されて構成されている。この例のスライド機構は、上層ユニット2と中間層ユニット4とを互いに縦方向に沿ってスライドさせるための縦方向スライド機構と、下層ユニット3と中間層ユニット4とを互いに横方向に沿ってスライドさせるための横方向スライド機構とを含んでいる。
【0057】
上層ユニット2は、同図に示すように、扁平な上層筐体に、液晶表示装置等からなり例えば待受画面や機能設定画面等が表示される表示部9と、縮退状態で操作を行うための上層操作部11と、受話音声を出力するスピーカからなる受話部12と、例えば、着信時の楽音や報知音を出力する音声出力部61とが実装されている。
【0058】
下層ユニット3には、同図に示すように、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部36Aと、制御部36Aが実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部37Aと、横方向伸展時に操作面が露出され、数字や文字の入力操作等を行うための多数のキーボタン等を有する下層操作部38と、無線電波の送受信を行うアンテナ39と、アンテナ39を介して無線電波を送受信し所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部41と、小型TVアンテナ62を介して地上波デジタル放送を受信するTV受信部63とが組み込まれている。
【0059】
この例では、記憶部37Aには、TV受信部63で放送信号を受信した後のデータ処理に必要な放送視聴のためのプログラム(デバイスドライバ、放送ストリームの受信や各種メディアの分離及び提示のためのミドルウェア、並びに選局等の基本操作を行う視聴機能を実現するためのプログラムやデータ放送を提示及び操作するためのデータ放送ブラウザを含むアプリケーションプログラム等)が記憶されている。TV受信部63は、
図9に示すように、チューナ部64と、チャネルデコーダ部65とを有している。
【0060】
この携帯電話機によって、地上波デジタル放送の1SEG(1セグメント)放送を受信する場合には、縮退状態から、上層ユニット2及び中間層ユニット4を一方の手で押えて、他方の手で、下層ユニット3を、中間層ユニット4に対して横方向に沿ってスライドするように変位させる。この横方向伸展状態では、表示部9が横長状態となるように、下層ユニット3の筐体を把持して、例えば、1SEG放送の視聴が行われる。
【0061】
例えば、放送局システムから、1SEG放送のうちのデータ放送によって、提供されるサービスを選択するためのサービス一覧が放送され、携帯電話機が、このサービス一覧を受信し、ユーザは、表示部9の画面表示を見ながら、下層操作部38を操作して、所望のサービスを選択する。
【0062】
なお、データ放送は、テレビジョンの映像、音声とは別の映像情報や音声情報、文字情報を1つの画面上に表示する放送であり、放送用の記述言語であるBML(Broadcast Markup Language)を用いて送出される。
【0063】
この例の構成によれば、上述した実施形態1と略同様の効果を得ることができる。さらに、1SEG放送を快適に視聴することができるとともに、データの入力操作を行なう場合に、良好な操作性を得ることができる。
【0064】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態1の変更例を更に実施形態3として説明する。
【0065】
図10は、本発明の実施形態3に係る携帯電話機の構成を示す斜視図であって、縦スライド方向に沿った伸展状態を示す図、また、
図11及び
図12は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、横スライド方向に沿った伸展状態を示す図である。
【0066】
実施形態3が上述した実施形態1と大きく異なるところは、スライド機構によって、上層ユニットと中間層ユニットとは互いに横方向(短手方向)に沿ってスライド自在に結合され、かつ、下層ユニットと中間層ユニットとは互いに縦方向(長手方向)に沿ってスライド自在に結合されて構成されている点である。
【0067】
これ以外の構成は、上述した実施形態1の構成と略同一であるので、実施形態1と同一の構成要素については、
図10乃至
図12において、
図2乃至
図4で用いた符号と同一の符号を付して、その説明を簡略にする。
【0068】
実施形態3に係る携帯電話機の筐体1は、
図10乃至
図12に示すように、上層ユニット2と、下層ユニット3と、上層ユニット2と下層ユニット3との間に位置する中間層ユニット4とを備えてなり、スライド機構によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに横方向(短手方向)に沿ってスライド自在に結合され、かつ、下層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向(長手方向)に沿ってスライド自在に結合されて構成されている。
【0069】
この例のスライド機構は、上層ユニット2と中間層ユニット4とを互いに横方向に沿ってスライドさせるための横方向スライド機構と、下層ユニット3と中間層ユニット4とを互いに横方向に沿ってスライドさせるための縦方向スライド機構とを含んでいる。
【0070】
上層ユニット2は、同図に示すように、扁平な上層筐体8Bに、表示部9と、縮退状態、縦方向伸展状態、及び横方向伸展状態で操作を行うための上層操作部11と、受話音声を出力するスピーカからなる受話部12とが実装されている。上層操作部11は、各基本操作キー(ソフトキー)として、メールモード選択キーと、入力モード切替えキーと、決定キーと、カーソルキー(4方向キー)と、ブラウザモード選択キーと、メニューキーとを有している。
【0071】
中間層ユニット4は、扁平な中間層筐体17Bに、横方向伸展状態で操作を行うための中間層操作部18Bが実装されている。上層筐体8と中間層筐体17とは、横方向スライド機構によってスライド自在に相互に結合されている。また、中間層操作部18Bは、キーボードキーとして、各種文字入力キーを有している。
【0072】
下層ユニット3は、扁平な下層筐体35Bに、制御部36と、記憶部37と、縦方向伸展時に操作面が露出される下層操作部38Bと、アンテナ39と、無線通信部41と、送話部19とが実装されている。中間層筐体17Bと下層筐体35Bとは、縦方向スライド機構によってスライド自在に相互に結合されている。下層操作部38は、ダイヤルキーとして、テンキーと、アスタリスクキーと、シャープキーと、通話開始キーと、クリアキーと、電源キーとを有している。
【0073】
この例の構成によれば、上述した実施形態1と略同様の効果を得ることができる。
【0074】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態1をさらに変更した例を実施形態4として説明する。
【0075】
図13は、本発明の実施形態4に係る携帯電話機の構成を示すブロック図、また、
図14は、同携帯電話機のロック部の構成を説明するための説明図である。
【0076】
実施形態4が上述した実施形態1と大きく異なるところは、縦方向及び横方向へ同時にスライド操作がなされることを制限するためのロック部を設けた点である。これ以外の構成は、上述した実施形態1の構成と略同一であるので、実施形態1と同一の構成要素については、
図13において、
図5で用いた符号と同一の符号を付して、その説明を簡略にする。
【0077】
実施形態4に係る携帯電話機の筐体1は、
図13に示すように、スライド機構によって、上層ユニット2と中間層ユニット4とは互いに縦方向に沿ってスライド自在に結合され、かつ、下層ユニット3と中間層ユニット4とは互いに横方向に沿ってスライド自在に結合されて構成されている。
【0078】
実施形態4に係る携帯電話機の筐体1は、
図13及び
図14に示すように、縮退状態、縦方向伸展状態及び横方向伸展状態を検出するための状態検出部67と、縦方向伸展時に、中間層ユニット4に対する下層ユニット3の変位を制限するとともに、横方向伸展時に、中間層ユニット4に対する上層ユニット2の変位を制限するためのロック部68とを備えている。
【0079】
状態検出部67は、中間層筐体17C内に配置されたマグネット69と、それぞれ、上層筐体8C及び下層筐体35C内に設けられ、ホール素子等からなる磁気センサ71,72とを有している。ここで、マグネット69、及び磁気センサ71,72は、それぞれ、中間層筐体17C、上層筐体8C及び下層筐体35C内の例えば左側縁部の中央部に設けられ、携帯電話機1Cが縮退状態のときに、互いに重なるように配置される。
【0080】
したがって、中間層筐体17Cと上層筐体8Cとが重なっているとき(縦方向伸展状態ではないとき)に、磁気センサ71から磁気検出信号が出力され、中間層筐体17Cと下層筐体35Cとが重なっているとき(横方向伸展状態ではないとき)に、磁気センサ72から磁気検出信号が出力される。
【0081】
ロック部68は、上層筐体8Cの凹部76や中間層筐体17Cの貫通孔77a、凹部77b、及び下層筐体35Cの貫通孔81に嵌入又は貫通されるピン状のストッパ部材73と、ボールねじ等の動力伝達部材74を介して駆動されて、ストッパ部材73を携帯電話機1Cの厚さ方向に沿って変位させるための楔状部材75とを備えている。
【0082】
凹部77b、貫通孔81は、携帯電話機の筐体1が縮退状態及び縦方向伸展状態で、互いに重なるように配置され、凹部76、貫通孔77a,81は、横方向伸展状態で、互いに重なるように配置される。動力伝達部材74は、例えばステッピングモータ等のモータ75の回転運動を並進運動に変換してロック部68へ伝達する。
【0083】
上層ユニット2は、
図13及び
図14に示すように、上層筐体8Cに、表示部9と、上層操作部11と、受話部12と、磁気センサ71とが実装されている。上層筐体8Cの下面の所定の部位には、ストッパ部材73の先端部を嵌入させるための凹部76が形成されている。
【0084】
中間層ユニット4は、同図に示すように、中間層筐体17Cに、中間層操作部18と、送話部19と、マグネット69とが実装されている。中間層筐体17Cのそれぞれ所定の部位には、ストッパ部材73を貫通させるための貫通孔77aと、ストッパ部材73の先端部を嵌入させるための凹部77bとが形成されている。
【0085】
下層ユニット3は、同図に示すように、下層筐体35Cに、制御部36Cと、記憶部37Cと、下層操作部38と、アンテナ39と、無線通信部41と、磁気センサ72と、モータ75と、モータ75を駆動するためのモータ駆動部78と、ロック部68とが実装されている。下層筐体35Cの上面の所定の部位には、ストッパ部材73を貫通させるための貫通孔81が形成されている。
【0086】
この例の制御部36Cは、記憶部37Cに記憶された制御プログラムに従って、通信制御処理や、操作制御処理、表示制御処理等のほか、状態判定処理や、ロック制御処理を実行する。制御部36Cは、状態判定処理で、磁気センサ71及び磁気センサ72から磁気検出信号を受け取った場合は、筐体1が縮退状態であると判定し、磁気センサ72からのみ磁気検出信号を受け取った場合は、筐体1が縦方向伸展状態であると判定し、磁気センサ71からのみ磁気検出信号を受け取った場合は、横方向伸展状態であると判定する。
【0087】
制御部36Cは、ロック制御処理で、携帯電話機1Cが縮退状態のときは、ストッパ部材73が下層筐体35C内に収納状態となるように、縦方向伸展状態のときは、ストッパ部材73の先端部が、貫通孔81から突出して凹部76内に嵌入される中間突出状態となるように、横方向伸展状態のときは、ストッパ部材73の先端部が、貫通孔81から突出して貫通孔77aを貫通し、凹部76内に嵌入される最大突出状態となるように、それぞれ、モータ駆動部78を介してモータ75を制御する。ここで、収納状態では、縦方向スライド操作、及び縦方向スライド操作が可能とされ、中間突出状態では、横方向スライド操作が不可とされ、最大突出状態では、縦方向スライド操作が不可とされる。
【0088】
実施形態4によれば、上述した実施形態1と略同様の効果を得ることができる。さらに、誤操作等を防止し、一段と操作性を向上させることができる。
【0089】
(実施形態5)
本発明の実施形態4の変更例を実施形態5として説明する。
【0090】
実施形態5が実施形態4と大きく異なるところは、縦方向と、横方向とにスライドさせる際に、それぞれの展開状態に適した所定の機能を果たすためのプログラムが実行されるように構成した点である。これ以外の構成は、上述した実施形態4の構成と略同一であるので、その説明を簡略化する。
【0091】
この例の携帯電話機の制御部は、記憶部に記憶された制御プログラムに従って、通信制御処理や、操作制御処理、表示制御処理、状態判定処理、ロック制御処理のほか、優先起動設定処理、優先起動処理等を実行する。
【0092】
制御部は、優先起動設定処理で、操作部を介した入力情報に基づいて、縮退状態のとき、縦方向伸展状態のとき、及び横方向伸展状態のときに、それぞれ優先的に起動させるプログラムを設定する。この優先起動設定処理は、ユーザによる所定の操作によって、設定メニュー画面を表示部に表示させて、設定メニュー画面において、選択された各展開状態での優先起動プログラムを受け付けて登録するための選択入力受付処理を含んでいる。
【0093】
制御部は、状態判定処理の処理結果に基づいて、ロック制御処理を実行するとともに、優先起動処理を実行する。制御部は、優先起動処理で、縮退状態のときは、例えば、メーラを起動させ、受信メールリストを表示させ、選択操作を待機し、縦方向伸展状態のときは、例えば、表示部に通話相手先リストを表示させて、選択操作を待機し、横方向伸展状態のときは、例えば、予め設定したゲームのプログラムを起動させる。
【0094】
この例の構成によれば、上述した実施形態1と略同様の効果を得ることができる。さらに、操作を迅速に行うことができる。また、ユーザの嗜好や使用形態に合わせて、使い勝手を良くすることができる。
【0095】
(実施形態6)
以上の
図1〜
図14に基づく説明では、組をなすユニットを開閉可能に結合するにあたって、スライド機構を用いて筐体を伸展及び縮退させたが、これに限られるものではない。組をなすユニットを開閉可能に結合するにあたって、ヒンジ機構によって筐体を展開及び折り畳む例を本発明の実施形態6として説明する。
【0096】
図15及び
図16は、本発明の実施形態6に係る折畳み式携帯電話機の構成を示す斜視図であって、上部筐体側から見た閉状態を示す図、
図17及び
図18は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、下部筐体側から見た閉状態を示す図、
図19及び
図20は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、正面側から見た縦方向開状態を示す図、
図21及び
図22は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、背面側から見た縦方向開状態を示す図、
図23及び
図24は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、正面側から見た横方向開状態を示す図、
図25及び
図26は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、背面側から見た横方向開状態を示す図、
図27は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、
図28及び
図29は、同携帯電話機の上部ユニットの構成を示す斜視図であって、正面側から見た図、
図30及び
図31は、同携帯電話機の上部ユニットの構成を示す斜視図であって、背面側から見た図、
図32及び
図33は、同携帯電話機のフレームユニットの構成を示す斜視図であって、表面側から見た図、
図34及び
図35は、同携帯電話機のフレームユニットの構成を示す斜視図であって、背面側から見た図、
図36及び
図37は、同携帯電話機の下部ユニットの構成を示す斜視図であって、正面側から見た図、また、
図38及び
図39は、同携帯電話機の下部ユニットの構成を示す斜視図であって、背面側から見た図である。
【0097】
実施形態6に係る携帯電話機の筐体1Dは、
図15乃至
図26に示すように、上部ユニット2Dと、下部ユニット3Dと、上部ユニット2Dと下部ユニット3Dとの間に位置するフレームユニット83とを3層に組み合わせたものであり、ヒンジ機構によって、上層ユニット2Dとフレームユニット83とは互いに縦方向(第1の方向又は第2の方向)に沿って開閉自在に結合され、かつ、下層ユニット3Dとフレームユニット83とは互いに横方向(第2の方向又は第1の方向)に沿って開閉自在に結合されて構成されている。
【0098】
この例のヒンジ機構は、同図に示すように、上部ユニット2Dをフレームユニット83に対して縦方向(第1の方向又は第2の方向)に沿って開閉させるための縦方向開閉用ヒンジ機構84と、下部ユニット3Dをフレームユニット83に対して横方向(第2の方向又は第1の方向)に沿って開閉させるための横方向開閉用ヒンジ機構85とを含んでいる。
【0099】
携帯電話機の筐体1Dにおいて、上部ユニット2D、下部ユニット3D及びフレームユニット83が重ね合わされた閉状態から、縦方向開状態や、横方向開状態へ、上部ユニット2D、下部ユニット3D及びフレームユニット83の間の位置関係が移行されることによって、それぞれ、異なる機能を果たすことが可能となる。
【0100】
上部ユニット2Dは、
図27乃至
図31に示すように、扁平な上部筐体(レシーバ筐体)8Dに、液晶表示装置等からなり例えば待受画面や機能設定画面等が表示される表示部9Dと、受話音声を出力するスピーカからなる受話部12Dとが実装されている。上部筐体8Dの下端部の中央部及び右端部には、縦方向開閉用ヒンジ機構84の軸受部を構成する円筒部87a,87bが形成されている。円筒部87a,87bは、これらの中心軸がともに上部筐体8Dの幅方向(短手方向)に平行な縦方向開閉時の回動軸と共通となるように形成されている。また、下端部の所定の箇所には、ケーブル挿入部(不図示)が形成されている。
【0101】
下部ユニット3Dは、
図27と
図36乃至
図39とに示すように、扁平な下部筐体(マイク筐体)35Dに、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部36Dと、制御部36Dが実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部37Dと、縦方向開状態及び横方向開状態で操作面が露出され、数字や文字の入力操作等を行うための多数のキーボタン等を有する操作部38Dと、無線電波の送受信を行うアンテナ39Dと、アンテナ39Dを介して無線電波を送受信し所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部41Dと、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部19Dと、小型TVアンテナ62Dを介して地上波デジタル放送を受信するTV受信部63Dとが実装されている。
【0102】
下層筐体35Dの右側端部の中央部及び上端部には、横方向開閉用ヒンジ機構85の軸受部を構成する円筒部89a,89bが形成されている。円筒部89a,89bは、これらの中心軸がともに下層筐体35Dの長さ方向(長手方向)に平行な横方向開閉時の回動軸と共通となるように形成されている。また、下端部の所定の箇所には、ケーブル挿入部(不図示)が形成されている。また、右側端部の所定の箇所には、ケーブル挿入部(不図示)が形成されている。
上部ユニット2Dと下部ユニット3Dとは、フレームユニット83を経由する例えばケーブルを介して、電気的に接続されている。
【0103】
操作部38Dは、各基本操作キーとして、メールモード選択キーと、入力モード切替えキーと、決定キーと、カーソルキーと、ブラウザモード選択キーと、メニューキーと、ダイヤルキーとして、テンキーと、アスタリスクキーと、シャープキーと、通話開始キーと、クリアキーと、電源キーとを有している。
【0104】
フレームユニット83は、
図32乃至
図35に示すように、縦方向開状態で操作部38Dの操作面、横方向開状態で表示部9Dの表示画面を、それぞれ露出させるための開口91aが形成され、輪郭が矩形状の枠状部91を有している。枠状部91の表面の上端部(上部短辺側)の左端部及び右端部には、縦方向開閉用ヒンジ機構84の軸受部を構成する円筒部92a,92bが形成されている。円筒部92a,92bは、これらの中心軸がともに枠状部91の幅方向(短手方向)に平行な縦方向開閉時の回動軸と共通となるように形成されている。
【0105】
また、枠状部91の裏面の右側端部(右側部長辺側)の上端部、中央部、及び下端部には、横方向開閉用ヒンジ機構85の軸受部を構成する円筒部93a,93b,93cが形成されている。円筒部93a,93b,93cは、これらの中心軸がともに枠状部91の長さ方向(長手方向)に平行な横方向開閉時の回動軸と共通となるように形成されている。
【0106】
上部ユニット2Dとフレームユニット83とは、縦方向開閉用ヒンジ機構84によって、縦方向に開閉自在に相互に結合されている。縦方向開閉用ヒンジ機構84は、その内部に上記ケーブルが通された状態で、上部筐体8Dの円筒部87a,87bと、フレームユニット83の円筒部92a,92bとが、これらの中心軸がともに縦方向開閉時の回動軸と共通とされるように配置されて形成された軸受部に、中心軸が縦方向開閉時の回動軸と共通とされる軸部材(第1の軸部材)としてのヒンジ軸部が嵌入され、上部ユニット2Dとフレームユニット83とが結合されるとともに、上記回動軸の周りに回動自在とされて概略構成されている。
【0107】
下部ユニット3Dをフレームユニット83とは、横方向開閉用ヒンジ機構85によって、横方向に開閉自在に相互に結合されている。横方向開閉用ヒンジ機構85は、その内部に上記ケーブルが通された状態で、下層筐体35Dの円筒部89a,89bと、フレームユニット83の円筒部93a,93b,93cとが、これらの中心軸がともに横方向開閉時の回動軸と共通とされるように配置されて形成された軸受部に、中心軸が横方向開閉時の回動軸と共通とされる軸部材(第2の軸部材)としてのヒンジ軸部が嵌入されて、下部ユニット3Dとフレームユニット83とが結合されるとともに、上記回動軸の周りに回動自在とされて概略構成されている。
【0108】
次に、
図15乃至
図26を参照してこの例の携帯電話機1の動作について説明する。
図15乃至
図18に示すように、上部ユニット2D、下部ユニット3D及びフレームユニット83が平面視で同一寸法となるように重ね合わされた閉状態では、コンパクト化されてユーザによって携帯され、受信を待機する。
【0109】
縦方向開状態とするには、閉状態から、フレームユニット83及び下部ユニット3Dを一方の手で押えて、
図19乃至
図22に示すように、他方の手で、上部ユニット2Dを、上方へ向けて回転変位させる。この縦方向開状態では、同図に示すように、上部ユニット2Dの表示部9Dが視認されるとともに、フレームユニット83の開口91aから下部ユニット3Dの操作部38Dが露出される。ここで、表示部9D及び操作部38Dが縦長状態となるように、携帯電話機1Dを把持して、操作部38Dの操作により、通話や、電子メールの作成及び送信、インターネットへの接続及びホームページの閲覧等が行われる。
【0110】
横方向開状態とするには、閉状態から、下部ユニット3Dを一方の手で押えて、
図23乃至
図26に示すように、他方の手で、上部ユニット2D及びフレームユニット83を上方へ向けて回転変位させる。この横方向開状態では、同図に示すように、下部ユニット3Dの操作部38Dが視認されるとともに、フレームユニット83の開口91aから上部ユニット2Dの表示部9Dが露出される。
【0111】
ここで、表示部9D及び操作部38Dが横長状態となるように、携帯電話機1Dを把持して、操作部38Dの操作により、例えば、ネットワークゲームを含むゲームのプログラムの実行や、1SEG放送の視聴、メーラ起動時の電子メールの作成及び送信、ブラウザ起動時のインターネットへの接続及びホームページの閲覧等が行われる。例えば、ユーザがゲームを楽しむ場合には、例えば、下層ユニット3Dを両手で把持し、両親指で操作部38Dの各キーを操作する。
【0112】
この例の構成によれば、ヒンジ機構によって、互いに直交する2方向に開閉(展開及び折畳み)可能となるので、利便性を向上させることができる。しかも、フレームユニット83の表面側及び裏面側に独立させて設けた縦方向開閉用ヒンジ機構84及び横方向開閉用ヒンジ機構85によって、フレームユニット83と上部ユニット2D及び下部ユニット3Dとを結合させ、かつ、フレームユニット83と、上部ユニット2D及び下部ユニット3Dとの結合部位の領域を、それぞれ比較的広く確保できるので、局所的な応力集中を防止して、筐体同士の結合部位の強度を維持することができ、信頼性を向上させることができる。
【0113】
また、フレームユニット83の表面側の縦方向開閉用ヒンジ機構84によって、上部ユニット2Dとフレームユニット83とは互いに縦方向に沿って開閉自在に結合され、かつ、フレームユニット83の裏面側の横方向開閉用ヒンジ機構85によって、下部ユニット3Dとフレームユニット83とは互いに横方向に沿って開閉自在に結合され、フレームユニット83を介して上部ユニット2Dと下部ユニット3Dとを結合しているので、縦方向に沿った開閉操作(縦方向開閉操作)も、横方向に沿った開閉操作(横方向開閉操作)も、1操作で(ワンアクションで)簡単に行うことができ、筐体開閉時の操作性を向上させることができる。
【0114】
また、フレームユニット83の表面側の縦方向開閉用ヒンジ機構84によって、上部ユニット2Dとフレームユニット83とは互いに縦方向(長手方向)に沿って開閉自在に結合され、かつ、フレームユニット83の裏面側の横方向開閉用ヒンジ機構85によって、下部ユニット3Dとフレームユニット83とは互いに横方向(短手方向)に沿って開閉自在に結合されているので、縦方向開閉用ヒンジ機構84及び横方向開閉用ヒンジ機構85を構成するそれぞれの軸受部としての円筒部を、互いに制約を受けずに独立に配置することができる。また、フレームユニット83を設けることによって、ヒンジド機構はもとより、例えば、操作部等の配置について、設計上の自由度を向上させることができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態では、結合体として、単一の中間層ユニットやフレームユニットを配置する場合について述べたが、中間層ユニットやフレームユニットは、複数組み合わされていても良い。また、複数の結合体を用いて、屏風状に複数の筐体を結合させるようにしても良い。
【0116】
また、単一の結合体の一方の面又は両方の面に、複数の筐体を結合させるようにしても良い。また、上層ユニットや上部ユニット、下層ユニットや下部ユニット、及び中間層ユニットやフレームユニットが、平面視略同一形状の場合について述べたが、形状や寸法が異なっていても良い。また、結合体の一方の側で筐体をスライド可能に、他方の側で別の筐体を折畳み可能に結合させる場合にも適用できる。
【0117】
筐体材料としては、ABS樹脂のほか、ポリカーボネートや、アクリル樹脂、PET等他の樹脂製部材を用いても良い。また、金属製や、例えばマグネシウム合金製等のダイカスト成形品を用いても良い。また、FPCをコネクタを用いずに、その端部を半田(熱圧着)によって、配線基板に直接接続しても良い。
【0118】
また、実施形態1で、案内部材及び摺動部材の組合せによって摺動させる場合について述べたが、例えば、ラックとピニオンとを用いて、互いに変位させるように構成しても良い。この場合、モータを用いて自動的にスライド操作可能なように構成しても良い。また、スライド機構の溝部は、断面コ字状に限らず、楔状として抜止機能を持たせるようにしても良い。
【0119】
また、実施形態1で、上層ユニットの表面側に表示部や上層操作部、中間層ユニットの表面側に中間層操作部、下層ユニットの表面側に下層操作部を配置する場合について述べたが、例えば、中間層ユニット又は下層ユニットの表面側にも表示部を設けても良いし、中間層ユニットの裏面側にも中間層操作部、下層ユニットの裏面側にも表示部を設けて、表面側を向けた状態でも、裏面側を向けた状態でも、同様の表示及び操作が可能なように構成しても良い。
【0120】
また、実施形態で、中間層ユニットの両側で、上層ユニット及び下層ユニットを、一方を縦方向にスライド可能に結合させ、他方を横方向にスライド可能に結合させる場合について述べたが、共に縦方向に又は横方向にスライド可能に結合させるように構成しても良い。
【0121】
また、実施形態1で、横方向伸展状態で、文書作成・編集や表計算等のためのアプリケーションプログラムを実行するようにしても良い。また、実施形態1で、摺動部材と、摺動部材を案内する案内部材とをそれぞれ1対設ける場合について述べたが、3つ以上設けても良いし、1つずつとしても良い。なお、表示部に、タッチパネルを組み込むようにしても良い。
【0122】
また、実施形態2で、音声出力部は、上層ユニットに限らず、下層ユニットや中間層ユニットに設けても良い。また、実施形態4で、動力伝達部材として、ボールねじ等に代えてギア機構を用いても良いし、モータ等を用いずに、単に機械的にロックするようにしても良い。また、縮退状態でもロック可能なようにしても良い。ここで、生体情報に基づいて、ロック(又はロック解除)するようにしてもよい。
【0123】
また、実施形態4のロック機構を、実施形態1のほか、実施形態3において、適用するようにしても良い。また、マグネットは、共通としなくても、磁気センサに対応させて配置させても良い。また、実施形態4で、ストッパ部材は、1箇所に限らず、2ヶ所以上に設けても良いし、中間層ユニットに対する上層ユニットの変位、及び下層ユニットの変位を、別々に(独立に)制限するようにしても良い。
【0124】
また、実施形態5で、優先起動設定処理を廃して、予め設定したプログラムを起動させるようにしても良い。また、1SEG放送受信可能とする場合に、横方向伸展状態で、予め選局されたSEG放送の受信を開始するようにしても良い。
【0125】
また、実施形態6で、実施形態5の優先起動機能を適用するようにしても良い。また、実施形態6で、結合プレートに、ヒンジ部のみでなく、操作部等の携帯電話機の機能を担う機能ユニットを配置しても良い。例えば、フレームユニットに開口を形成するのに代えて、透明なタッチパネルを配置するようにしても良い。また、フレームユニットに代えて、筐体を配置して、筐体内に配線基板や機能ユニットを配置するように良い。
【0126】
また、実施形態6で、フレームユニット等の形状に合わせて、上部ユニット又は/及び下部ユニットに凹部を形成して、フレームユニット等の少なくとも一部を埋め込んで薄型化を図るようにしても良い。また、実施形態6で、実施形態4と同様に、縦方向及び横方向へ同時に開閉操作がなされることを制限するためのロック部を設けても良いし、自由に縦方向及び横方向へ同時に開閉操作がなされるようにしても良い。
【0127】
また、実施形態6で、下部筐体とフレームユニットとが重ねられた際に枠状部によって覆われる領域に、操作キーをさらに配置しても良い。ここで、横方向開閉時のみに用いる操作キー(特殊キー)を追加配置しても良い。
【0128】
また、本発明の実施形態に係る筐体の開閉構造を電子機器の一つである携帯電話機に適用したが、これに限られるものではない。電子機器としては携帯電話機以外のものであってもよく、要は、展開する面積を拡大する必要がある電子機器であれば、何れのものであってもよい。
【0129】
本発明の他の実施形態に係る筐体の開閉構造は、第1の筐体と第2の筐体とが結合体を介して結合され、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されていることによって、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、開閉時に十分な筐体の可動範囲を確保するという目的を実現する構成としてもよい。
【0130】
前記筐体の開閉構造において、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されていることによって、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、筐体同士の結合部位の強度を確保して十分な信頼性を得るという目的を実現した構成としてもよい。
【0131】
前記筐体の開閉構造において、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されていることによって、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、良好な操作性を得るという目的を実現した構成としてもよい。
【0132】
本発明の他の実施形態は、電子機器を構成する第1の筐体と第2の筐体とが、開閉自在に結合されている電子機器における筐体の開閉構造であって、
前記第1の筐体と、前記第2の筐体とが、結合体を介して結合され、
前記第1の筐体と前記結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、前記第2の筐体と前記結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合された構成としてもよいものである。
【0133】
前記筐体の開閉構造において、前記第1の筐体と前記結合体とが、前記第1の結合手段としての第1のスライド手段によって、前記第1の方向に沿って伸縮自在に結合されているとともに、前記第2の筐体と前記結合体とが、前記第2の結合手段としての第2のスライド手段によって、前記第2の方向に沿って伸縮自在に結合されていてもよい。
【0134】
前記筐体の開閉構造において、前記第1の筐体と前記結合体とが、前記第1の結合手段としての第1のヒンジ手段によって、前記第1の方向に略直交する回動軸の周りに回動自在に結合されているとともに、前記第2の筐体と前記結合体とが 前記第2の結合手段としての第2のヒンジ手段によって、前記第2の方向に略直交する回動軸の周りに回動自在に結合されていてもよい。
【0135】
前記筐体の開閉構造において、前記第1のスライド手段は、前記第1の筐体の裏面と前記結合体の表面とのうち、一方に設けられた一対の第1の摺動部材と、他方に設けられた前記第1の摺動部材を案内する一対の第1の案内部材とを有してなり、前記第2のスライド手段は、前記第2の筐体の表面と前記結合体の裏面とのうち、一方に設けられた一対の第2の摺動部材と、他方に設けられた前記第2の摺動部材を案内する一対の第2の案内部材とを有していてもよい。
【0136】
前記筐体の開閉構造において、前記第1のヒンジ手段は、前記第1の筐体の裏面と前記結合体の表面とのうち、一方に設けられた一組の中空の第1の軸受部材と、他方に設けられた一組の中空の第2の軸受部材と、軸を共通として配置された前記第1の軸受部材及び前記第2の軸受部材に嵌入された第1の軸部材とを有してなり、前記第2のヒンジ手段は、前記第2の筐体の表面と前記結合体の裏面とのうち、一方に設けられた一組の中空の第3の軸受部材と、他方に設けられた一組の中空の第4の軸受部材と、軸を共通として配置された前記第3の軸受部材及び前記第4の軸受部材に嵌入された第2の軸部材とを有していてもよい。
【0137】
前記筐体の開閉構造において、前記第1の筐体、前記第2の筐体及び前記結合体は、閉状態で重ね合わされるとともに平面視略矩形状を有し、前記第1の方向及び前記第2の方向のうち一方は、前記第1の筐体、前記第2の筐体及び前記結合体の長さ方向、他方は前記第1の筐体、前記第2の筐体及び前記結合体の幅方向であってもよい。
【0138】
前記筐体の開閉構造において、前記結合体は、閉状態で前記第1の筐体及び前記第2の筐体に重ね合わされる第3の筐体又は平板状の結合フレームであってもよい。
【0139】
前記筐体の開閉構造において、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち一方が、前記結合体に対して開状態のときに、他方の変位を制限するための変位制限手段を備えていてもよい。
【0140】
前記筐体の開閉構造において、前記結合体には、前記第1の筐体又は前記第2の筐体のうち一方が、前記結合体に対して開状態で、他方が前記結合体に重ね合わされているときに、他方の筐体の前記結合体と接合される側の一部を露出するための開口が形成されていてもよい。
【0141】
本発明の他の実施形態に係る電子機器は、第1の筐体と第2の筐体とが、開閉自在に結合されている筐体の開閉構造を備えてなる電子機器であって、
前記第1の筐体と、前記第2の筐体とが、結合体を介して結合され、
前記第1の筐体と前記結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、前記第2の筐体と前記結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合された構成であってもよい。
【0142】
前記電子機器において、当該電子機器の構成各部を制御する制御手段を備えてなり、該制御手段は、前記第1の筐体と前記第2の筐体と前記結合体との間の位置関係に応じて、それぞれ、所定の機能を果たすための処理を実行するものであってもよい。
【0143】
前記電子機器において、前記制御手段は、前記第1の筐体と前記第2の筐体と前記結合体とが重ね合わされた閉状態、前記第1の方向に沿った開状態、及び前記第2の方向に沿った開状態に応じて、それぞれ、所定の機能を果たすための処理を実行するものであってもよい。
【0144】
前記電子機器において、前記結合体には、所定の機能を果たすための機能ユニットが設けられていてもよい。
【0145】
以上の本発明の他の実施形態によれば、第1の筐体と第2の筐体とが結合体を介して結合され、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されているので、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、開閉時に十分な筐体の可動範囲を確保することができる。
【0146】
また、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されているので、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、筐体同士の結合部位の強度を確保して十分な信頼性を得ることができる。
【0147】
また、第1の筐体と結合体とが、第1の結合手段によって、第1の方向に沿って開閉自在に結合されているとともに、第2の筐体と結合体とが、第2の結合手段によって、第2の方向に沿って開閉自在に結合されているので、2方向開閉により利便性を向上させることができるとともに、良好な操作性を得ることができる。
【0148】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0149】
この出願は2007年7月27日に出願された日本出願特願2007−195264を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。