特許第5657795号(P5657795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5657795インクジェット・コンピューター・トゥ・プレートに用いられるインクおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657795
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】インクジェット・コンピューター・トゥ・プレートに用いられるインクおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/38 20140101AFI20141225BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20141225BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   C09D11/38
   B41M5/00 E
   B41J2/01 501
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-523460(P2013-523460)
(86)(22)【出願日】2010年10月25日
(65)【公表番号】特表2013-539486(P2013-539486A)
(43)【公表日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】CN2010078063
(87)【国際公開番号】WO2012016397
(87)【国際公開日】20120209
【審査請求日】2013年3月28日
(31)【優先権主張番号】201010248058.X
(32)【優先日】2010年8月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511096558
【氏名又は名称】中国科学院化学研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF CHEMISTRY, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100075409
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一
(74)【代理人】
【識別番号】100129757
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久彦
(74)【代理人】
【識別番号】100115082
【弁理士】
【氏名又は名称】菅河 忠志
(74)【代理人】
【識別番号】100125243
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】李 会玲
(72)【発明者】
【氏名】秦 明明
(72)【発明者】
【氏名】宋 延林
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−276442(JP,A)
【文献】 特開2002−020666(JP,A)
【文献】 特開平08−324145(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/021186(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/38
B41J 2/01
B41M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクであって、
前記エコ溶剤インクの合計質量を基準に質量%で算出して、前記エコ溶剤インクが、5%〜20%の架橋性樹脂、5%〜25%の貧溶媒および55%〜90%の脱イオン水からなり
前記架橋性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびポリビニルアルコール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記貧溶媒が、プロピレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インク。
【請求項2】
前記脱イオン水の電気伝導度が10μS/cm未満である請求項1に記載のインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インク。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクを製造する方法であって、
前記製造方法が以下の工程、すなわち、前記エコ溶剤インクの合計質量を基準に質量%で算出して、5%〜20%量の架橋性樹脂、5%〜25%量の貧溶媒および55%〜90%量の脱イオン水を室温で攪拌し、前記架橋性樹脂を完全に溶解させた後、このようにして得られた混合溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去することにより、濾液を前記エコ溶剤インクとして得る工程を包含し、
前記架橋性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびポリビニルアルコール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記貧溶媒が、プロピレングルコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
前記脱イオン水の電気伝導度が10μS/cm未満である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記多段濾過が前記混合溶液をガラス砂芯漏斗およびフィルターメンブランで引き続いて濾過することにより行われる請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記フィルターメンブランがミクロンレベルの孔径を有するフィルターメンブランである請求項5に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクの分野に関するものであり、画像解像度を向上することができるエコ溶剤(Eco−solvent)インクに関し、特に、インクジェット・コンピューター・トゥ・プレート(CTP)技術で直接印刷することにより印刷版を作製するために用いられるエコ溶剤インクおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、国際的で先進的な印刷製版の発展方向を表すCTP技術は、従来の感光性イメージングプロセスを省略し、製版の手順を簡素化するものである。しかし、CTP技術は、依然として、感光性化学イメージングの思考に限定されており、かつ、依然として、後処理時の化学廃液による汚染の問題を孕んでいる。世界中で多くの強制的な環境保護基準が導入されたことに伴って、環境に優しいCTP技術に関する研究は、世界の印刷産業のフロンティア分野における新たなホットスポットとなっている。現在のところ、報告によれば、インクジェットCTP技術のコア材料であるインクとしては、水溶性インク溶液、熱硬化性インク、紫外線(UV)硬化性インクなどが挙げられるが、製造された印刷版の印刷耐久性は10,000または20,000コピーであり、印刷物の画像品質および解像度は低い。それゆえ、高解像度のエコ溶剤インクを開発することは、CTP製版の方向性を定める重要な項目である。
【0003】
貧溶媒インクは、近年では人気のある溶剤インクである。その主な理由は、貧溶媒インクが微弱な香りを有しており、インク粒子が微細であり、かつインクジェット印刷により得られる画像が非常にすばらしいことである。貧溶媒インクの最も大きい特徴は、その環境保全性であり、主として、揮発性有機化合物(VOC)を低減すること、毒性の有害な有機溶剤(例えば、シクロヘキサノン、ブタノンなど)を使用しないこと、ならびに、貧溶媒インク工場における換気装置への依存を回避することにより具体化される。貧溶媒インクは、先進国で非常に支持されているが、従来の溶剤インクは、そのほとんどが欧州および米国で市場を有しない。貧溶媒インクは、インク業界の必然的な発展の傾向となっている[載彬(Dai Bin)および僑許(Qiao Xu)、プロピレングリコールエーテルエステル系溶媒の生産および開発、安徽省の化学工業(Anhui Chemical Industry),2007年,33巻,3号,4−6頁]。貧溶媒インクは、水系インクと溶剤系インクとの中間に位置する溶剤インクであり、水系インクと溶剤系インクとの長所を併せ持ち、環境保全性、高精度、屋外耐候性などの特徴を有している。しかし、貧溶媒インクの主成分であるグリコールエーテルエステル系溶剤は、生産工程が複雑であり、生産経路が長いので、このような溶剤の市場供給は小さく、それらのコストは比較的高い。水系インクの主な長所は、低コスト、無公害および明るい印刷色であるが、その主成分である水の揮発速度が遅いので、水系インクでインクジェット印刷された画像は、乾燥しにくく、媒体に吸収されにくい。その結果、水系インクは、主として、基材である紙や、各種繊維(布)をコーティングした媒体上に用いられる。一般的に、水系インクで形成された画像は、耐候性に乏しいことから、室内で用いられる。本発明によれば、インクの貧溶媒に起因する毒性をさらに低下させ、精度と屋外耐候性とに配慮するために、インクの溶剤として、水と特定の貧溶媒との混合物を選択することにより、低コストと高い環境性能とを備えたインクが製造される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来のインクジェットCTP法の欠点を解消し、かつ、インクジェットCTPの急速な発展および応用を制限する課題を解決して、インクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクを提供することにある。このインクは、アルミニウム基板上に印刷して、高い印刷耐久性と高い画像解像度とを有する印刷版を作製するために用いることができる。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、インクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクの製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の実施例1で製造されたインクをアルミニウム基板の表面上に印刷することにより形成されたパターンの顕微鏡写真である。
図2図2は、本発明の実施例2で製造されたインクをアルミニウム基板の表面上に印刷することにより形成されたパターンの電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
インクジェット印刷において、印刷版を作製するために基材として用いられるアルミニウム基板は、高い比表面エネルギーを有する。無機溶液および有機溶液は、いずれもその表面上に拡がって容易に浸透することができる。それゆえ、通常のインクジェットインクをアルミニウム基板の表面上に印刷して画像を形成する場合、インクが非常に拡散することから、画像解像度が低下する。本発明は、水と貧溶媒とを含有するインクシステムがインクジェット印刷時に均一な形状を有する噴霧された小さいインクドットの形成を確実にするように、水系の高い表面エネルギーを利用する(インクの高い表面張力がインク噴霧時に均一な形状を有する液滴の形成を促進する)。それと同時に、本発明は、高い比表面エネルギーを有するアルミニウム基板の表面上におけるインクの拡散を効果的に減少させて画像解像度を向上するために、貧溶媒の揮発性および高精度を利用する。
【0008】
本発明のインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクは、架橋性樹脂と混合溶剤とにより製造される。本願のインクは、インクジェットプリンターでアルミニウム基板の表面上に印刷されることにより、印刷画像を形成し、インクジェットコンピューター・トゥ・プリント用印刷版が得られる。この印刷版は、硬化後に高解像度の画像を形成することができ、後処理を行うことなく直接、印刷に用いられる。その結果、高品質のインクジェットCTP印刷版が得られる。
【0009】
本発明のインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクによれば、画像解像度を向上することができる。インクの全質量を基準に質量%で算出して、インクは、5%〜20%の架橋性樹脂、5%〜25%の貧溶媒および55%〜90%の脱イオン水を含有する。
【0010】
架橋性樹脂は、市販のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などよりなる群から選択される少なくとも1種である。これらのタイプの樹脂は、熱硬化性樹脂である。すなわち、これらのタイプの樹脂は、特定の値に等しいか、あるいはそれ以上の温度でのみ硬化する。その結果、インクジェットプリンターの印刷ノズルは、インクジェット工程におけるインクの硬化に起因して閉塞することが防止される。
【0011】
貧溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートなどよりなる群から選択される少なくとも1種である。
【0012】
脱イオン水の電気伝導度は、好ましくは10μS/cm未満である。
【0013】
本発明のインクは、インクを製造するための混合溶液中の不溶物および/または不純物を多段濾過で除去することにより得られる濾液である。
【0014】
画像解像度を向上することができるインクジェット・コンピューター・トゥ・プレート用エコ溶剤インクを製造する本発明の方法は、以下の工程、すなわち、エコインク(Eco−ink)の全質量を基準に質量%で算出して、5%〜20%量の架橋性樹脂、5%〜25%量の貧溶媒および55%〜90%量の脱イオン水を室温で攪拌・混合し、架橋性樹脂を完全に溶解させた後、このようにして得られた混合溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去することにより、濾液を本発明のエコインクとして得る工程を包含する。
【0015】
多段濾過は、混合溶液をフィルターメンブランで繰り返して濾過することにより行ってもよいし、あるいは、混合溶液を砂芯漏斗(sand core funnel)およびフィルターメンブランで引き続いて濾過することにより行ってもよい。好ましくは、混合溶液を砂芯漏斗およびフィルターメンブランで引き続いて濾過する。具体的には、まず、混合溶液を砂芯漏斗で濾過して、不溶物および/または不純物を除去した後、ミクロンレベルの孔径を有するフィルターメンブランで濾過して、より微細な不溶物および/または不純物を除去することにより、濾液を本発明のエコインクとして得る。
【0016】
砂芯漏斗を用いる濾過では、まず、孔径20μm〜30μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)を用いた後、孔径3μm〜4μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)を用いることが好ましい。
【0017】
ミクロンレベルの孔径を有するフィルターメンブランを用いる濾過では、まず、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランを用いた後、孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターを用いることが好ましい。
【0018】
インキ中の架橋性樹脂は、望ましい両親媒性および熱硬化性を有している。水は、揮発するのが遅いという特性を有しており、インクが揮発により急速に乾くことを防止する。インクジェットプリンターの要件を満足する基本的な物性を有する貧溶媒は、インクジェット印刷用インクの工業規格(QB/T2730.1−2005)に適合する。それゆえ、製造されたインクは、適度な拡散性、高い印刷解像度、高いインクマーク親油性、高いインキング速度、高い耐久性などの特徴を有する。
【0019】
本発明のインクは、アルミニウム基板上に印刷され、150℃で2分間硬化することにより、高解像度の印刷版が得られる。この印刷版は、他の化学的な処理を行うことなく直接、印刷に用いることができる。
【0020】
本発明のインクがインクジェットCTP7600システム(「インクジェットイメージングベースのコンピューター・トゥ・プレート法および装置」と題する中国特許出願第200510132248.4(CN1800982A)を参照することができる)に用いられる場合、製造された印刷版は、98%以上のスクリーンドット再現性および175LPI以上の解像度を達成することができる。印刷結果は、インキング速度が高く、スクリーンドットの情報が完全であり、耐久性が最大50,000枚であることを示している。
【実施例】
【0021】
以下の実施例で製造されたインクをアルミニウム基板の表面上に印刷することにより形成されたパターンの顕微鏡写真は、顕微鏡(オリンパスBX51顕微鏡)および前記顕微鏡に接続されたイメージセンサCCD(マイクロビジョン(MicroVision)MV−VS078FC、中国)を用いて観察および記録した。インクをアルミニウム基板の表面上に印刷することにより形成されたパターンの電子顕微鏡写真は、電界放射型電子顕微鏡(JEOL JSM−6700、日本)を用いて観察した。
【0022】
実施例1
インクの全質量を基準に質量%で測定して、5%のポリビニルアルコール樹脂(北京東方石油化学有限公司(Beijing Eastern Petrochemical Co.,Ltd.)有機化学工場)、5%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび90%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。ポリビニルアルコール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液をフィルターメンブランで繰り返して濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。
【0023】
上記で製造されたインクをインクジェットCTP7600システム(「インクジェットイメージングに基づくコンピューター・トゥ・プレート法および装置」と題する中国特許出願第200510132248.4号を参照)に用いる。作製された印刷版は、98%以上のスクリーンドット再現性、175LPI以上の解像度および最大50,000コピーの耐久性を達成することができる。顕微鏡で観察したところ、図1に示すように、得られた印刷版は、微視的なインクドットから形成されている。
【0024】
実施例2
インクの全質量を基準に質量%で測定して、20%のフェノール樹脂(唐山金沙化学有限公司(Tangshan Jinsha Chemical Co.,Ltd.))、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび55%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液をフィルターメンブランで繰り返して濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。
【0025】
上記で製造されたインクをインクジェットCTP7600システム(「インクジェットイメージングに基づくコンピューター・トゥ・プレート法および装置」と題する中国特許出願第200510132248.4号を参照)に用いる。作製された印刷版は、98%以上のスクリーンドット再現性、175LPI以上の解像度、最大50,000回コピーの耐久性を達成することができる。顕微鏡で観察したところ、得られた印刷版のインクドットは、図2に示すようなものである。
【0026】
実施例3
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のフェノール樹脂、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび75%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径20μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0027】
実施例4
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のエポキシ樹脂(上海緑嘉水性塗料有限公司(Shanghai Lujia Water Coating Co.,Ltd.))、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび75%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。エポキシ樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径30μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径4μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0028】
実施例5
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のポリビニルアルコール樹脂、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび70%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。ポリビニルアルコール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0029】
実施例6
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のポリビニルアルコール樹脂・フェノール樹脂混合物(ポリビニルアルコール樹脂:フェノール樹脂の質量比1:1)、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび60%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。ポリビニルアルコール樹脂およびフェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径27μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3.5μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0030】
実施例7
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のポリビニルアルコール樹脂・フェノール樹脂混合物(ポリビニルアルコール樹脂:フェノール樹脂の質量比2:1)、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。ポリビニルアルコール樹脂およびフェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径22μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0031】
実施例8
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のフェノール樹脂、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび70%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0032】
実施例9
インクの全質量を基準に質量%で測定して、20%のフェノール樹脂、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートおよび65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0033】
実施例10
インクの全質量を基準に質量%で測定して、20%のフェノール樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートおよび55%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0034】
実施例11
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のエポキシ樹脂、15%のプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートおよび70%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。エポキシ樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0035】
実施例12
インクの全質量を基準に質量%で測定して、20%のエポキシ樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートおよび55%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。エポキシ樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0036】
実施例13
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のエポキシ樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテル・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの質量比1:1)および65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。エポキシ樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0037】
実施例14
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のフェノール樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテル・プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートの質量比1:1)および65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0038】
実施例15
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のフェノール樹脂、20%のプロピレングリコールモノメチルエーテル・プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートの質量比1:1)および65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0039】
実施例16
インクの全質量を基準に質量%で測定して、10%のエポキシ樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートの質量比1:2)および65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。エポキシ樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0040】
実施例17
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のフェノール樹脂、25%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートの質量比2:1)および60%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
【0041】
実施例18
インクの全質量を基準に質量%で測定して、15%のフェノール樹脂、20%のプロピレングリコールモノメチルエーテル・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート混合物(プロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレートの質量比1:1:2)および65%の脱イオン水(電気伝導度<10μS/cm)を室温で攪拌・混合する。フェノール樹脂を完全に溶解させた後、この溶液を多段濾過して、不溶物および/または不純物を除去する。得られた濾液がインクである。多段濾過は、孔径25μmのガラス砂芯漏斗(G1タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径3μmのガラス砂芯漏斗(G4タイプのガラス砂芯漏斗)、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランおよび孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン微細孔フィルターメンブランにより引き続いて行う。
図1
図2